説明

鉄道模型用ポイント切換装置

【課題】鉄道模型としての美観を損なわず小型化のできる鉄道模型用ポイント切換装置を提供する。
【解決手段】極性の異なる2個の永久磁石を極性が逆になるように並列に固定し、コイルを固定磁石に対して縦列に配置することで小型化を可能とし、該コイルへの印加方向を切り換えて、該コイルを支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道模型としての美観を損なわず小型化のできる鉄道模型用ポイント切換装置に関し、特に極性の異なる2個の永久磁石を極性が逆になるように並列に固定し、コイルを固定磁石に対して縦列に配置することで小型化を可能とし、該コイルへの印加方向を切り換えて、該コイルを支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能に構成したことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置に関する。
【0002】
また、印加方向を切り換え可能な2個のコイルを並列に固定し、永久磁石をコイルに対して縦列に配置することで小型化を可能とし、コイルへの印加方向を切り換えることにより、永久磁石を支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能に構成したことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、鉄道模型のポイント切換装置には種々の発明がなされており、これまでの典型的な構造には、特開昭48−23530号公報や特開平9−84962号等の公報が発行されている。
【0004】
前記せる特開昭48−23530号公報では、軌条側部の平面上に操作装置を付設した構造であって、該操作装置は二つの交互付勢可能ソレノイドを有し、該ソレノイドから伸縮されるロッド先端の連結部材によって横方向可動操作部材を操作してレールの切換えを行っている。
【0005】
また、前記せる特開平9−84962号公報では、コイルに電流を流すことによって、永久磁石を支持する案内板を動作させてポイントを切換えるように構成されたポイント切換装置において、道床の側部にコイルユニットを挿脱可能な開口部を設けたものが提案されている。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】 特開昭48−23530号
【特許文献2】 特開平9−84962号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記せる先行技術文献の特開昭48−23530号は、二つの交互付勢可能なソレノイドを要し、しかも操作装置が軌条側部の平面上に付設されているもので、実際のポイントレールを縮小した外観とは程遠いものであり、また、Zゲージのような縮小寸法とすることができなかった。
【0009】
また、前記せる先行技術文献の特開平9−84962号の場合も、二つのコイルを有しそのコイル間に介在する永久磁石に付勢し、該磁石を支持する案内体を動作させる構造であり、しかもコイルユニットを挿脱可能にしたものであるから、セッティングに手間がかかるばかりでなく、この構造の場合でもZゲージのような縮小寸法とすることができなかった。
【0010】
また、鉄道模型全体をZゲージ級のような縮小寸法とするには通常のロータリースイッチの構造では不適当であって下記のような課題を検討する必要が生じた。
【0011】
すなわち、通常のロータリースイッチは接点に使う金属製板バネのバネ性によって、接点圧を得ているが、ロータリースイッチを極小のサイズとした場合、金属製の板バネのサイズが極小となるため、バネ性が足りなくなってしまい、金属製板バネのみでは軽快に動作し、しかも良好な接点性能を得ることが出来ないので、板バネに代わる別のコイルスプリングを採用し、軽快な動作でしかも良好な接点性能にする課題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは前記せる課題を解決するために鋭意研究を重ね、本発明を完成させたものであり、極性の異なる2個の永久磁石を極性が逆になるように並列に固定し、コイルを固定磁石に対して縦列に配置することで小型化を可能とし、該コイルへの印加方向を切り換えて、該コイルを支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能に構成したことを特徴とし、且つ、コイルを支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、該駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能にした組立配置と、道床内側のスペースを最小にするために、極小のロータリースイッチとコイルスプリングの組み合わせで、安定した通電を可能にし、且つ、小型化可能に構成されたことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置を提供する。
【0013】
また、印加方向を切り換え可能な2個のコイルを並列に固定し、永久磁石をコイルに対して縦列に配置することで小型化を可能とし、コイルへの印加方向を切り換えることにより、永久磁石を支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能に構成したことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置を提供する。
【0014】
更に、コイルを支持する駆動レバー又は永久磁石を支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、該駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能にした組立配置と、道床内側のスペースを最小にするために、接点用板バネを極小としたロータリースイッチと、該接点用板バネのバネ性を補うためのコイルスプリングの組み合わせによって、小型化可能にすると共に安定した通電が可能な構成としたことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のような構成であるので、鉄道模型としての美観を損なわず小型化のできる鉄道模型用ポイント切換装置を提供することができ、特に極性の異なる2個の永久磁石を極性が逆になるように並列に固定し、コイルを固定磁石に対して縦列に配置することで小型化を可能とし、該コイルへの印加方向を切り換えて、該コイルを支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能にすることができる。
【0016】
また、印加方向を切り換え可能な2個のコイルを並列に固定し、永久磁石をコイルに対して縦列に配置することで小型化を可能とし、コイルへの印加方向を切り換えることにより、永久磁石を支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能にすることができる。
【0017】
また、道床内側のスペースを最小にするために、接点用板バネを極小としたロータリースイッチと、該接点用板バネのバネ性を補うためのコイルスプリングの組み合わせによって、小型化可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明鉄道模型用ポイント切換装置の外観斜視図である。
【図2】 本発明鉄道模型用ポイント切換装置の平面図である。
【図3】 本発明鉄道模型用ポイント切換装置の底部のカバーを取り外した底面図である。
【図4】 駆動部の配置図である。
【図5】 図3のA線の断面図である。
【図6】 図3のB線の断面図である。
【図7】 ロータリースイッチの通電説明図である。
【図8】 ロータリースイッチの通電説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。
図1は本発明鉄道模型用ポイント切換装置の外観斜視図であり、図2は本発明鉄道模型用ポイント切換装置の平面図であるので、本発明鉄道模型用ポイント切換え装置の外観から見た構造について説明する。
【0020】
道床1の上面にレール13a、13b、13c、13d、が固定され、且つ、レール4の先方には先端可動レール2が移動可能に保持されている。これらのレールの端部にはレールコネクター14があり、レールコネクター14によってこれらのレールを通電連結することができる。道床ジョイント15は道床同志を連結する為のジョイントである。
平面がほぼX状に固定されたレール4は、直線方向のレール13b及び13dへ車両を直進させるレールであり、又は、曲線方向のレール13a及び13cへ車両を誘導するレールである。突起部61はポイント切換を手動で行う場合に操作するための突起である。
【0021】
コネクター17はケーブル16を介してスイッチボックス(図示せず)に接続される。後述するコイル8に、電源からの電流を印加するが、車両(図示せず)の進行方向を直進または曲線方向に選択する際、電流の印加方向を変えることができるように回路(図示せず。)が形成されている。
【0022】
次いで、図3乃至図6に基づき、本発明の鉄道模型用ポイント切換装置の駆動機構について説明する。図面において、図3は本発明鉄道模型用ポイント切換装置の底部のカバーを取り外した底面図であり、図4は駆動部の配置図である。図5は図3のA線の断面図であり、永久磁石7、7とコイル8との位置関係が示されている。図6は図3のB線の断面図であり、後述するロータリースイッチ10の断面を示している。
【0023】
極性の異なる2個の固定永久磁石7a、7bに並列配置されたひとつのコイル8に通電する時、該コイル8への印加方向を切り換えて、該コイル8を支持する駆動レバー6が往復動方向へ切換え自在になっている。
【0024】
前記駆動レバー6の移動に伴い、該駆動レバー6の端部に当接されているロータリースイッチ10の接点が切換えられてレールへの通電が制御される。駆動レバー6の他端は、連動レバー5に連結されており、該連動レバー5を介して切換板3を左右方向に切換可能とし、この結果、先端可動レール2を切り換えることができる。
【0025】
車両(図示せず)が直進方向へ進行する時は、図7に示すように先端可動レール2はレール13a側に移動されており、ロータリースイッチ10の作用によりレール13dにマイナス電流が通電され、レール13bにはプラス電流が通電される。なお、プラス・マイナスは逆になる場合もある。
【0026】
車両(図示せず)が曲線方向へ進行する時は、図8に示すように先端可動レール2はレール13b側に移動されており、ロータリースイッチ10の作用によりレール13cにプラス電流が通電され、レール13aにはマイナス電流が通電される。なお、プラス・マイナスは逆になる場合もある。
【0027】
また、コイル8を支持する駆動レバー6を往復動方向切換え自在となし、該駆動レバー6の移動に伴い、ロータリースイッチ10を切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバー5を介して先端可動レール2を左右方向に切換可能にした組立配置と、道床1内側のスペースを最小にするために、接点用板バネを極小のロータリースイッチと該接点用板バネのバネ性を補うためのコイルスプリングとの組み合わせで、安定した通電を可能にし、且つ、小型化可能に構成された鉄道模型用ポイント切換装置である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の鉄道模型用ポイント切換装置は以上説明したような構成であり、従来のような別体式の切換装置をレール側面に付設したものではないので、Zゲージ級の小型化が容易なものであり、鉄道模型としての美観を損なわず、小型化ができるので、レイアウトを組む際にじゃまにならないので、自由にレイアウトを組むことができる鉄道模型用ポイント切換装置である。鉄道模型は古くからマニアが多く、本発明の鉄道模型用ポイント切換装置は小型化が可能であるので、小型化に伴って必然的に精密化される切換装置であり、特に小型化、精密化を求めるユーザーにとって多大な興味の対象となるものである。
【符号の説明】
【0028】
1.道床
2.先端可動レール
3.切換板
4.レール
5.連動レバー
6.駆動レバー
61.突起部
7a.永久磁石
7b.永久磁石
8.コイル
9.鉄線
10.ロータリースイッチ
10a.接点用板バネ
11.基板
12a.コイルスプリング(ロータリースイッチ用)
12a.コイルスプリング(レール給電用)
13a.レール
13b.レール
13c.レール
13d.レール
14.レールコネクター
15.道床ジョイント
16.ケーブル
17.コネクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性の異なる2個の永久磁石を極性が逆になるように並列に固定し、コイルを固定磁石に対して縦列に配置することで小型化を可能とし、該コイルへの印加方向を切り換えて、該コイルを支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能に構成したことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置。
【請求項2】
印加方向を切り換え可能な2個のコイルを並列に固定し、永久磁石をコイルに対して縦列に配置することで小型化を可能とし、コイルへの印加方向を切り換えることにより、永久磁石を支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能に構成したことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置。
【請求項3】
コイルを支持する駆動レバー又は永久磁石を支持する駆動レバーを往復動方向切換え自在となし、該駆動レバーの移動に伴い、ロータリースイッチを切換えてレールへの通電を制御すると共に、他方の連動レバーを介して先端可動レールを左右方向に切換可能にした組立配置と、道床内側のスペースを最小にするために、接点用板バネを極小としたロータリースイッチと、該接点用板バネのバネ性を補うためのコイルスプリングの組み合わせによって、小型化可能にすると共に軽快に動作し、しかも良好な接点機能を得ることが可能な構成としたことを特徴とする鉄道模型用ポイント切換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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