鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造
【課題】鉄道車両用キャリパブレーキにおけるブレーキパッドの誤組付け防止構造を提供する。
【解決手段】鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造は、キャリパ本体を構成する一対のアーム1a、1bのうち、キャリパ本体のシリンダ側のアーム1aに取り付けるアンカーブロック2aに誤組付け防止体を取り付け、前記シリンダ側のアームに取り付けるブレーキパッド5には前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、また前記キャリパ本体の非シリンダ側のアーム1bに取り付けるアンカーブロック2aに誤組付け防止体を取り付けるための孔を形成し、該孔に誤組付け防止体を取り付け、また同非シリンダ側アームに取り付けるブレーキパッド5には前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、ブレーキパッド5を対応するシリンダ側アームあるいは非シリンダ側アームに取り付けることを特徴とする。
【解決手段】鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造は、キャリパ本体を構成する一対のアーム1a、1bのうち、キャリパ本体のシリンダ側のアーム1aに取り付けるアンカーブロック2aに誤組付け防止体を取り付け、前記シリンダ側のアームに取り付けるブレーキパッド5には前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、また前記キャリパ本体の非シリンダ側のアーム1bに取り付けるアンカーブロック2aに誤組付け防止体を取り付けるための孔を形成し、該孔に誤組付け防止体を取り付け、また同非シリンダ側アームに取り付けるブレーキパッド5には前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、ブレーキパッド5を対応するシリンダ側アームあるいは非シリンダ側アームに取り付けることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両用キャリパブレーキにおけるブレーキパッドの誤組付け防止構造に関するものであり、さらに詳細にはキャリパブレーキにブレーキパッドを組付ける際、材質の異なるブレーキパッドを組み付けると、アンカブロック側に取り付けたピン等の誤組付け防止体と干渉し、ブレーキパッドの組み付けができないようにしたブレーキパッドの誤組付け防止構造に関するものである。この防止構造は、公知の鉄道車両用キャリパブレーキのアンカーブロックおよびブレーキパッドに僅かな加工を施すだけで容易にブレーキパッドの誤組付けを防止できる構造である。
【背景技術】
【0002】
鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造に関する先行文献として、例えば特開平11−222129号、特開平9−89017号、特開2008−8442に記載されたものがある。
このうち特開平11−222129に記載された誤組付け防止構造を図12、13を参照して説明すると、図12は、鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、キャリパ本体のアームのうちシリンダ側に設けるガイドレール部材300の詳細を示す説明図である。前記ガイドレール部材300は、長尺状の本体310の片側に折り返し部330を形成したものであって、この折り返し部330によって溝部332が設けられる。ガイドレール本体310の上部には、キャリパブレーキの上部アンカピンに係合する穴316が設けられ、下部には、下部アンカピンが係合する凹部314が設けられる。また、ガイドレール本体310の上端には、本体310の一部を90度折り曲げることにより形成される制輪子(ブレーキパッド)の誤組付防止装置320が設けられる。
図13は、上記ガイドレール部材300に対して、制輪子200を斜めに組み付けようとした状態を示す。この状態にあっては、制輪子200の台金部材230がガイドレール部材の本体310の上端に設けた誤組付防止装置320と干渉する。そこで、ガイドレール本体310の溝314と制輪子200の台金部材230の溝250の位相にずれが発生し、下側アンカピンを差し込むことができない。こうして制輪子の誤組付けが防止される。
しかしながら、上記の誤組付け防止構造は、ガイドレール本体310の上端に、本体310の一部を90度折り曲げることにより形成される制輪子の誤組付防止装置320を形成する必要があり、加工費が高くなる等の問題がある。また他の先行文献に記載のものも、この例と同様に新たに切欠等を形成する加工が必要となり、加工費が高くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−222129号
【特許文献2】特開平9−89017号
【特許文献3】特開2008−8442号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、公知の鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、アンカーブロックにすでに形成されている孔を利用したり、アンカーブロックに孔を追加加工し、その孔にピンやプレート等の誤組付け防止体を取り付けるだけで、簡単にパッドの誤組付け防止ができる組付け防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明が採用した課題を解決するための手段は、
鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、前記ブレーキのキャリパ本体を構成する一対のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるとともに前記アームそれぞれに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして構成し、前記ブレーキパッドを対応するアームに取り付けることでブレーキパッドの誤組付けを防止することを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
また、前記キャリパ本体を構成する一対のアームのうち、キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付け、前記シリンダ側のアームに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、また前記キャリパ本体の非シリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるための孔を形成し、該孔に誤組付け防止体を取り付け、また同非シリンダ側アームに取り付けるブレーキパッドには、前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、上記のように形成したブレーキパッドを対応するシリンダ側アームあるいは非シリンダ側アームに取り付けることを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
また、前記誤組付け防止体はプレートまたはピンで構成されていることを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
また、前記キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付ける孔はアンカーブロックに予め設けられているアンカースプリング装着用の孔を兼用したことを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、
アンカーブロックにすでに形成されている孔を利用したり、アンカーブロックに単なる孔明け加工を施すことによりプレートやピン等で形成される誤組付け防止体を簡単に取り付けることができ、容易にブレーキパッドの誤組付けを防止することができる。誤組付け防止のためにシリンダ側アームのアンカーブロックに取り付けるプレートは、アンカーブロックに既にあいている穴(即ちアンカーブロックの脱落防止用アンカースプリグをアンカーブロックに取り付けるための孔)を使用して取り付けるため、新たな孔明け加工が不要となる。
また、前記プレートの組付け向きは、アンカーブロックの段付き加工部に突き当てて組付けているため、異なるブレーキパッドを勢い良く組付けた時でも曲がりにくい方向にある。また、プレートには段加工が施してあり剛性がアップしている。また、プレートの高さhは、ブレーキパッドのプレッシャプレートの高さHに合わせることが重要であり、プレートの突出高さhがブレーキパッドの高さH以上となるとディスクロータとの隙間が小さくなり干渉するおそれが出てくるため注意が必要である。
また、本例では非シリンダ側アームにはアンカーブロックに誤組付け防止用ピンを取り付けるための孔を加工する必要があるが、折り曲げ加工などとは異なり単なる孔明け加工であるため、加工が容易である。また非シリンダ側に設ける前記ピンの代わりに、前述したプレートを非シリンダ側にも組付けることが可能である。
本誤組付け防止機構ではパッドの180度逆組付けについても防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(イ)は鉄道用キャリパブレーキのキャリパ本体の正面図、(ロ)は同キャリパ本体の3面図である。
【図2】キャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付け防止体としてピンを使用した例である。
【図3】図2中の要部詳細図である。
【図4】キャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがピンと干渉している例である。
【図5】図4中の要部詳細図である。
【図6】キャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド誤組付け状態の斜視図であり、誤組付け防止体としてプレートを使用した例である。
【図7】図6中の要部詳細図である。
【図8】キャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド誤組付け状態の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがプレートと干渉している例である。
【図9】図8中の要部詳細図である。
【図10】誤組付け防止用ブレーキパッドの正面図である。
【図11】従来構造のブレーキバッドの正面図である。
【図12】従来公知の誤組付け防止用ガイドレール部材の正面図および側面図である。
【図13】図12のガイドレール部材にパッドを誤組付けした状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、前記ブレーキのキャリパ本体を構成する一対のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるとともに前記アームそれぞれに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして構成し、前記ブレーキパッドを対応するアームに取り付けることでブレーキパッドの誤組付けを防止することができる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明に係る鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(イ)は鉄道用キャリパブレーキのキャリパ本体1の正面図、(ロ)は同キャリパ本体1の3面図、図2はキャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付け防止体としてピンを使用した例、図3は図2中の要部詳細図、図4はキャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがピンと干渉している例、図5は図4中の要部詳細図、図6はキャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図、図7は図6中の要部詳細図、図8はキャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド誤組付け状態の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがプレートと干渉している例、図9は図8中の要部詳細図、図10は誤組付け防止用ブレーキパッドの正面図、図11は従来構造のブレーキバッドの正面図、図12は従来公知の誤組付け防止用ガイドレール部材の正面図および側面図、図13は図12のガイドレール部材にブレーキパッドを誤組付けした状態の説明図である。
【0010】
図1において、鉄道用キャリパブレーキは、車輪を挟むキャリパ本体1を有し、同本体は支持ピン10を介して支持枠11に対して支持ピン10上を摺動自在にフローティング状態に支持されている。キャリパ本体1は、車輪を挟む一対のアーム1a、1bを備えており、その内、第1アーム1aには(ロ)に示すように2個の油圧シリンダ14が装備されている。
【0011】
図1(ロ)に示すように第1アーム1aの上端には上部アンカーブロック2aが配設される。上部アンカーブロック2aは上部アンカーピン7aを介してブレーキパッド5の上端部を受ける。上部アンカーブロック2aはアンカーボルト8により第1アーム1aに固定される。
【0012】
第1アーム1aの下端には、下部アンカーブロック2bが配設され、下部アンカーブロック2bは下部アンカーピン7bを介してブレーキパッド5の下端部を受ける。下部アンカーブロック2bはアンカーボルト8を介して第1のアーム1aに固定されており、また、下部アンカーブロック2bにはアンカースプリング9が装着される。
【0013】
第1アーム1aに対向して配設される第2アーム1bは第1アーム1aのようにブレーキパッド5を押圧するための油圧シリンダを装備しておらす、その上端には上部アンカーブロック2aが配設され、上部アンカーブロック2aはブレーキパッド5の上端部を受ける。上部アンカーブロック2aはアンカーボルト8により第2アーム1bに固定される。
【0014】
第2アーム1bの下端には、下部アンカーブロック2bが配設され、下部アンカーブロック2bはブレーキパッド5の下端部を受け、下部アンカーブロック2bはアンカーボルト8を介して第2アーム1bに固定される。また、下部アンカーブロック2bにはアンカースプリング9が装着されている。
【0015】
前述したように第2アーム1bは第1アーム1aのようにブレーキパッド5を押圧するための油圧シリンダ14を装備していない。このため、第1アーム1aに設けた油圧シリンダ14を作動すると、第1アーム側に取り付けたブレーキパッド5がブレーキディスクに当接し、その時の反力によりキャリパ本体1が支持ピン10に沿って移動する。その結果、第2アーム1bに装着したブレーキパッド5がディスクブレーキに当接し、こうして第1、第2アームに取り付けた二つのブレーキパッド5、5によりブレーキディスクを挟持してブレーキを作動することができる。
上記構成については従来公知のキャリパブレーキと同様であり、本発明の特徴ではないので更なる詳細な説明は省略する。
【0016】
続いて本発明の特徴であるブレーキパッド5の誤組付け防止構造について説明するが、始めにキャリパ本体1の第2アーム1bに取り付ける誤組付け防止構造を説明する。
図2において、キャリパ本体1の第2アーム1b(非シリンダ側)には公知のアリ溝機構(不図示)によりブレーキパッド5が取り付けられており、前述したように第2アーム1bの上端には上部アンカーブロック2aがアンカーボルト8により固定されており、上部アンカーブロック2aはブレーキパッド5の上端部を受ける構造となっている。上部アンカーブロック2aにはブレーキパッド5の角部に対向する位置に新たに孔が加工され、この孔にピン3が取り付けられている。また、このピン3に対向するブレーキパッド5は、ブレーキパッド5を装着した状態の時に裏金5aがピン3と干渉しないように角部が面取り6されて形成されている(図3、図10参照)。このように上部アンカーブロック2aに取り付けたピン3と、面取り6されたブレーキパッド5を使用することにより、ブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
若し面取り6がされていない別部材のブレーキパッド5を第2アーム1bに取り付けようとすると、図4、図5に示すようにブレーキパッド5の裏金5aの角部とピン3とが干渉し、ブレーキパッド5を正確な位置に取り付けることができない。こうしてブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0017】
次にキャリパ本体1の第1アーム1aに取り付ける誤組付け防止構造を説明する。
図6において、キャリパ本体1の第1アーム1aには公知のアリ溝機構によりブレーキパッド5が取り付けられており、前述したように第1アーム1aの上端には上部アンカーブロック2aが配設され、上部アンカーブロック2aはアンカーピンを介してブレーキパッド5の上端部を受ける構造となっている。
そして、図6に示すようにブレーキパッド5を受ける下部アンカーブロック2bには、アンカーブロック2bがキャリパ本体1から脱落するのを防止するためのアンカスプリング9を取り付ける孔が形成されており、孔に取り付けたアンカースプリング9によりアンカーブロック2aはブレーキパッド5交換時にキャリパ本体1からの脱落が防止されている。
【0018】
前述したように第1アーム1aの上端および下端には上下のアンカーブロック2a、2bが取り付けられているが、下端のアンカーブロック2bにはアンカスプリング9が図6に示すように装着されているのに対し、上端のアンカーブロック2aにはアンカースプリングが装着されない。このため、上端側のアンカーブロック2aでは、アンカースプリング装着用の孔が空いたままとなっている。本発明ではこの空いたままになっている孔を利用して誤組付け防止体としてのプレート4を取り付ける。プレート4は、剛性を高めるために折り曲げ加工4aがされており(図7参照)、上部アンカーブロック2aの端部に固定部材(本例ではピン)13により固定される。また、プレート4は上部アンカーブロック2aに形成されている段部12に当接する形状に形成されているおり、プレート装着状態においては、下方からの力が作用しても段部12の作用によりプレート4は上方へは回動しないようになっている。このため、ブレーキパッド5を勢いよく組付けた時でもプレート4が曲がりにくい方向にある。また、プレート4の突出高さhは、ブレーキパッド5の高さHに合わせることが重要であり、プレート4の高さhがブレーキパッド5の高さH以上となるとディスクロータとの隙間が小さくなり干渉するおそれが出てくるため注意が必要である。
【0019】
また、第1アーム1a側に取り付けるブレーキパッド5もプレート4と干渉しないように裏金5aの角部が面取り6されて形成されている。したがって、上記のように誤組付け防止体4としてのプレート4を固定部材(本例ではピン)13により上部アンカーブロック2aに取り付け、さらに、面取り6をされたブレーキパッド5を使用することにより、図7に示すようにブレーキパッド5を正規の状態に組み付けることができブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0020】
なお、面取り6がされていない別部材のブレーキパッド5を第1アーム1aに取り付けようとすると、図8、図9に示すようにブレーキパッド5の裏金5aの角部とプレート4とが干渉しあい、ブレーキパッド5を正確な位置に取り付けることができない。このことによりブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0021】
以上のように本発明によれば、アンカーブロックにすでに形成されている孔を利用したり、アンカーブロックに簡単な孔明け加工を施すことによりプレート4やピン3等で形成される誤組付け防止体を簡単に取り付けることができ、容易にブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0022】
なお、本例ではシリンダ側(第1アーム1a)にプレート4を取り付け、非シリンダ側(第2アーム1b)にピン3を取り付ける構成について説明しているが、シリンダ側にピンを取り付けて誤組付けを防止したり、非シリンダ側にプレート4を取り付けることにより誤組付けを防止することもできる。
また、ピンやプレートの形状、取り付け位置等も必要に応じて適宜選択することができる。さらに固定部材としてはピンのほか例えばネジなども使用することができる。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、適宜変更することができる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、ブレーキを搭載する車両分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 キャリパ本体
1a 第1アーム
1b 第2アーム
2a 上部アンカーブロック
2b 下部アンカーブロック
3 ピン
4 プレート
4a 折り曲げ加工
5 ブレーキパッド
5a 裏金
6 面取り
7a 上部アンカーピン
7b 下部アンカーピン
8 アンカーボルト
9 アンカースプリング 10 支持ピン
11 支持枠
12 段部
13 固定部材(ピンまたはネジ等)
14 油圧シリンダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両用キャリパブレーキにおけるブレーキパッドの誤組付け防止構造に関するものであり、さらに詳細にはキャリパブレーキにブレーキパッドを組付ける際、材質の異なるブレーキパッドを組み付けると、アンカブロック側に取り付けたピン等の誤組付け防止体と干渉し、ブレーキパッドの組み付けができないようにしたブレーキパッドの誤組付け防止構造に関するものである。この防止構造は、公知の鉄道車両用キャリパブレーキのアンカーブロックおよびブレーキパッドに僅かな加工を施すだけで容易にブレーキパッドの誤組付けを防止できる構造である。
【背景技術】
【0002】
鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造に関する先行文献として、例えば特開平11−222129号、特開平9−89017号、特開2008−8442に記載されたものがある。
このうち特開平11−222129に記載された誤組付け防止構造を図12、13を参照して説明すると、図12は、鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、キャリパ本体のアームのうちシリンダ側に設けるガイドレール部材300の詳細を示す説明図である。前記ガイドレール部材300は、長尺状の本体310の片側に折り返し部330を形成したものであって、この折り返し部330によって溝部332が設けられる。ガイドレール本体310の上部には、キャリパブレーキの上部アンカピンに係合する穴316が設けられ、下部には、下部アンカピンが係合する凹部314が設けられる。また、ガイドレール本体310の上端には、本体310の一部を90度折り曲げることにより形成される制輪子(ブレーキパッド)の誤組付防止装置320が設けられる。
図13は、上記ガイドレール部材300に対して、制輪子200を斜めに組み付けようとした状態を示す。この状態にあっては、制輪子200の台金部材230がガイドレール部材の本体310の上端に設けた誤組付防止装置320と干渉する。そこで、ガイドレール本体310の溝314と制輪子200の台金部材230の溝250の位相にずれが発生し、下側アンカピンを差し込むことができない。こうして制輪子の誤組付けが防止される。
しかしながら、上記の誤組付け防止構造は、ガイドレール本体310の上端に、本体310の一部を90度折り曲げることにより形成される制輪子の誤組付防止装置320を形成する必要があり、加工費が高くなる等の問題がある。また他の先行文献に記載のものも、この例と同様に新たに切欠等を形成する加工が必要となり、加工費が高くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−222129号
【特許文献2】特開平9−89017号
【特許文献3】特開2008−8442号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、公知の鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、アンカーブロックにすでに形成されている孔を利用したり、アンカーブロックに孔を追加加工し、その孔にピンやプレート等の誤組付け防止体を取り付けるだけで、簡単にパッドの誤組付け防止ができる組付け防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明が採用した課題を解決するための手段は、
鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、前記ブレーキのキャリパ本体を構成する一対のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるとともに前記アームそれぞれに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして構成し、前記ブレーキパッドを対応するアームに取り付けることでブレーキパッドの誤組付けを防止することを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
また、前記キャリパ本体を構成する一対のアームのうち、キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付け、前記シリンダ側のアームに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、また前記キャリパ本体の非シリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるための孔を形成し、該孔に誤組付け防止体を取り付け、また同非シリンダ側アームに取り付けるブレーキパッドには、前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、上記のように形成したブレーキパッドを対応するシリンダ側アームあるいは非シリンダ側アームに取り付けることを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
また、前記誤組付け防止体はプレートまたはピンで構成されていることを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
また、前記キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付ける孔はアンカーブロックに予め設けられているアンカースプリング装着用の孔を兼用したことを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、
アンカーブロックにすでに形成されている孔を利用したり、アンカーブロックに単なる孔明け加工を施すことによりプレートやピン等で形成される誤組付け防止体を簡単に取り付けることができ、容易にブレーキパッドの誤組付けを防止することができる。誤組付け防止のためにシリンダ側アームのアンカーブロックに取り付けるプレートは、アンカーブロックに既にあいている穴(即ちアンカーブロックの脱落防止用アンカースプリグをアンカーブロックに取り付けるための孔)を使用して取り付けるため、新たな孔明け加工が不要となる。
また、前記プレートの組付け向きは、アンカーブロックの段付き加工部に突き当てて組付けているため、異なるブレーキパッドを勢い良く組付けた時でも曲がりにくい方向にある。また、プレートには段加工が施してあり剛性がアップしている。また、プレートの高さhは、ブレーキパッドのプレッシャプレートの高さHに合わせることが重要であり、プレートの突出高さhがブレーキパッドの高さH以上となるとディスクロータとの隙間が小さくなり干渉するおそれが出てくるため注意が必要である。
また、本例では非シリンダ側アームにはアンカーブロックに誤組付け防止用ピンを取り付けるための孔を加工する必要があるが、折り曲げ加工などとは異なり単なる孔明け加工であるため、加工が容易である。また非シリンダ側に設ける前記ピンの代わりに、前述したプレートを非シリンダ側にも組付けることが可能である。
本誤組付け防止機構ではパッドの180度逆組付けについても防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(イ)は鉄道用キャリパブレーキのキャリパ本体の正面図、(ロ)は同キャリパ本体の3面図である。
【図2】キャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付け防止体としてピンを使用した例である。
【図3】図2中の要部詳細図である。
【図4】キャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがピンと干渉している例である。
【図5】図4中の要部詳細図である。
【図6】キャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド誤組付け状態の斜視図であり、誤組付け防止体としてプレートを使用した例である。
【図7】図6中の要部詳細図である。
【図8】キャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド誤組付け状態の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがプレートと干渉している例である。
【図9】図8中の要部詳細図である。
【図10】誤組付け防止用ブレーキパッドの正面図である。
【図11】従来構造のブレーキバッドの正面図である。
【図12】従来公知の誤組付け防止用ガイドレール部材の正面図および側面図である。
【図13】図12のガイドレール部材にパッドを誤組付けした状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、前記ブレーキのキャリパ本体を構成する一対のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるとともに前記アームそれぞれに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして構成し、前記ブレーキパッドを対応するアームに取り付けることでブレーキパッドの誤組付けを防止することができる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明に係る鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(イ)は鉄道用キャリパブレーキのキャリパ本体1の正面図、(ロ)は同キャリパ本体1の3面図、図2はキャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付け防止体としてピンを使用した例、図3は図2中の要部詳細図、図4はキャリパ本体のシリンダ側から非シリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがピンと干渉している例、図5は図4中の要部詳細図、図6はキャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド取り付け部の斜視図、図7は図6中の要部詳細図、図8はキャリパ本体の非シリンダ側からシリンダ側を見たブレーキパッド誤組付け状態の斜視図であり、誤組付けしたブレーキパッドがプレートと干渉している例、図9は図8中の要部詳細図、図10は誤組付け防止用ブレーキパッドの正面図、図11は従来構造のブレーキバッドの正面図、図12は従来公知の誤組付け防止用ガイドレール部材の正面図および側面図、図13は図12のガイドレール部材にブレーキパッドを誤組付けした状態の説明図である。
【0010】
図1において、鉄道用キャリパブレーキは、車輪を挟むキャリパ本体1を有し、同本体は支持ピン10を介して支持枠11に対して支持ピン10上を摺動自在にフローティング状態に支持されている。キャリパ本体1は、車輪を挟む一対のアーム1a、1bを備えており、その内、第1アーム1aには(ロ)に示すように2個の油圧シリンダ14が装備されている。
【0011】
図1(ロ)に示すように第1アーム1aの上端には上部アンカーブロック2aが配設される。上部アンカーブロック2aは上部アンカーピン7aを介してブレーキパッド5の上端部を受ける。上部アンカーブロック2aはアンカーボルト8により第1アーム1aに固定される。
【0012】
第1アーム1aの下端には、下部アンカーブロック2bが配設され、下部アンカーブロック2bは下部アンカーピン7bを介してブレーキパッド5の下端部を受ける。下部アンカーブロック2bはアンカーボルト8を介して第1のアーム1aに固定されており、また、下部アンカーブロック2bにはアンカースプリング9が装着される。
【0013】
第1アーム1aに対向して配設される第2アーム1bは第1アーム1aのようにブレーキパッド5を押圧するための油圧シリンダを装備しておらす、その上端には上部アンカーブロック2aが配設され、上部アンカーブロック2aはブレーキパッド5の上端部を受ける。上部アンカーブロック2aはアンカーボルト8により第2アーム1bに固定される。
【0014】
第2アーム1bの下端には、下部アンカーブロック2bが配設され、下部アンカーブロック2bはブレーキパッド5の下端部を受け、下部アンカーブロック2bはアンカーボルト8を介して第2アーム1bに固定される。また、下部アンカーブロック2bにはアンカースプリング9が装着されている。
【0015】
前述したように第2アーム1bは第1アーム1aのようにブレーキパッド5を押圧するための油圧シリンダ14を装備していない。このため、第1アーム1aに設けた油圧シリンダ14を作動すると、第1アーム側に取り付けたブレーキパッド5がブレーキディスクに当接し、その時の反力によりキャリパ本体1が支持ピン10に沿って移動する。その結果、第2アーム1bに装着したブレーキパッド5がディスクブレーキに当接し、こうして第1、第2アームに取り付けた二つのブレーキパッド5、5によりブレーキディスクを挟持してブレーキを作動することができる。
上記構成については従来公知のキャリパブレーキと同様であり、本発明の特徴ではないので更なる詳細な説明は省略する。
【0016】
続いて本発明の特徴であるブレーキパッド5の誤組付け防止構造について説明するが、始めにキャリパ本体1の第2アーム1bに取り付ける誤組付け防止構造を説明する。
図2において、キャリパ本体1の第2アーム1b(非シリンダ側)には公知のアリ溝機構(不図示)によりブレーキパッド5が取り付けられており、前述したように第2アーム1bの上端には上部アンカーブロック2aがアンカーボルト8により固定されており、上部アンカーブロック2aはブレーキパッド5の上端部を受ける構造となっている。上部アンカーブロック2aにはブレーキパッド5の角部に対向する位置に新たに孔が加工され、この孔にピン3が取り付けられている。また、このピン3に対向するブレーキパッド5は、ブレーキパッド5を装着した状態の時に裏金5aがピン3と干渉しないように角部が面取り6されて形成されている(図3、図10参照)。このように上部アンカーブロック2aに取り付けたピン3と、面取り6されたブレーキパッド5を使用することにより、ブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
若し面取り6がされていない別部材のブレーキパッド5を第2アーム1bに取り付けようとすると、図4、図5に示すようにブレーキパッド5の裏金5aの角部とピン3とが干渉し、ブレーキパッド5を正確な位置に取り付けることができない。こうしてブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0017】
次にキャリパ本体1の第1アーム1aに取り付ける誤組付け防止構造を説明する。
図6において、キャリパ本体1の第1アーム1aには公知のアリ溝機構によりブレーキパッド5が取り付けられており、前述したように第1アーム1aの上端には上部アンカーブロック2aが配設され、上部アンカーブロック2aはアンカーピンを介してブレーキパッド5の上端部を受ける構造となっている。
そして、図6に示すようにブレーキパッド5を受ける下部アンカーブロック2bには、アンカーブロック2bがキャリパ本体1から脱落するのを防止するためのアンカスプリング9を取り付ける孔が形成されており、孔に取り付けたアンカースプリング9によりアンカーブロック2aはブレーキパッド5交換時にキャリパ本体1からの脱落が防止されている。
【0018】
前述したように第1アーム1aの上端および下端には上下のアンカーブロック2a、2bが取り付けられているが、下端のアンカーブロック2bにはアンカスプリング9が図6に示すように装着されているのに対し、上端のアンカーブロック2aにはアンカースプリングが装着されない。このため、上端側のアンカーブロック2aでは、アンカースプリング装着用の孔が空いたままとなっている。本発明ではこの空いたままになっている孔を利用して誤組付け防止体としてのプレート4を取り付ける。プレート4は、剛性を高めるために折り曲げ加工4aがされており(図7参照)、上部アンカーブロック2aの端部に固定部材(本例ではピン)13により固定される。また、プレート4は上部アンカーブロック2aに形成されている段部12に当接する形状に形成されているおり、プレート装着状態においては、下方からの力が作用しても段部12の作用によりプレート4は上方へは回動しないようになっている。このため、ブレーキパッド5を勢いよく組付けた時でもプレート4が曲がりにくい方向にある。また、プレート4の突出高さhは、ブレーキパッド5の高さHに合わせることが重要であり、プレート4の高さhがブレーキパッド5の高さH以上となるとディスクロータとの隙間が小さくなり干渉するおそれが出てくるため注意が必要である。
【0019】
また、第1アーム1a側に取り付けるブレーキパッド5もプレート4と干渉しないように裏金5aの角部が面取り6されて形成されている。したがって、上記のように誤組付け防止体4としてのプレート4を固定部材(本例ではピン)13により上部アンカーブロック2aに取り付け、さらに、面取り6をされたブレーキパッド5を使用することにより、図7に示すようにブレーキパッド5を正規の状態に組み付けることができブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0020】
なお、面取り6がされていない別部材のブレーキパッド5を第1アーム1aに取り付けようとすると、図8、図9に示すようにブレーキパッド5の裏金5aの角部とプレート4とが干渉しあい、ブレーキパッド5を正確な位置に取り付けることができない。このことによりブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0021】
以上のように本発明によれば、アンカーブロックにすでに形成されている孔を利用したり、アンカーブロックに簡単な孔明け加工を施すことによりプレート4やピン3等で形成される誤組付け防止体を簡単に取り付けることができ、容易にブレーキパッド5の誤組付けを防止することができる。
【0022】
なお、本例ではシリンダ側(第1アーム1a)にプレート4を取り付け、非シリンダ側(第2アーム1b)にピン3を取り付ける構成について説明しているが、シリンダ側にピンを取り付けて誤組付けを防止したり、非シリンダ側にプレート4を取り付けることにより誤組付けを防止することもできる。
また、ピンやプレートの形状、取り付け位置等も必要に応じて適宜選択することができる。さらに固定部材としてはピンのほか例えばネジなども使用することができる。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、適宜変更することができる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、ブレーキを搭載する車両分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 キャリパ本体
1a 第1アーム
1b 第2アーム
2a 上部アンカーブロック
2b 下部アンカーブロック
3 ピン
4 プレート
4a 折り曲げ加工
5 ブレーキパッド
5a 裏金
6 面取り
7a 上部アンカーピン
7b 下部アンカーピン
8 アンカーボルト
9 アンカースプリング 10 支持ピン
11 支持枠
12 段部
13 固定部材(ピンまたはネジ等)
14 油圧シリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、前記ブレーキのキャリパ本体を構成する一対のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるとともに前記アームそれぞれに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして構成し、前記ブレーキパッドを対応するアームに取り付けることでブレーキパッドの誤組付けを防止することを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【請求項2】
前記キャリパ本体を構成する一対のアームのうち、キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付け、前記シリンダ側のアームに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、また前記キャリパ本体の非シリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるための孔を形成し、該孔に誤組付け防止体を取り付け、また同非シリンダ側アームに取り付けるブレーキパッドには、前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、上記のように形成したブレーキパッドを対応するシリンダ側アームあるいは非シリンダ側アームに取り付けることを特徴とする請求項1に記載の鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【請求項3】
前記誤組付け防止体はプレートまたはピンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【請求項4】
前記キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付ける孔はアンカーブロックに予め設けられているアンカースプリング装着用の孔を兼用したことを特徴とする請求項3に記載の鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【請求項1】
鉄道車両用キャリパブレーキにおいて、前記ブレーキのキャリパ本体を構成する一対のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるとともに前記アームそれぞれに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして構成し、前記ブレーキパッドを対応するアームに取り付けることでブレーキパッドの誤組付けを防止することを特徴とする鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【請求項2】
前記キャリパ本体を構成する一対のアームのうち、キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付け、前記シリンダ側のアームに取り付けるブレーキパッドには前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、また前記キャリパ本体の非シリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付けるための孔を形成し、該孔に誤組付け防止体を取り付け、また同非シリンダ側アームに取り付けるブレーキパッドには、前記誤組付け防止体に対向する部分の角部を面取りして形成し、上記のように形成したブレーキパッドを対応するシリンダ側アームあるいは非シリンダ側アームに取り付けることを特徴とする請求項1に記載の鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【請求項3】
前記誤組付け防止体はプレートまたはピンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【請求項4】
前記キャリパ本体のシリンダ側のアームに取り付けるアンカーブロックに誤組付け防止体を取り付ける孔はアンカーブロックに予め設けられているアンカースプリング装着用の孔を兼用したことを特徴とする請求項3に記載の鉄道用ブレーキパッドの誤組付け防止構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−180906(P2012−180906A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44608(P2011−44608)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】
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