説明

鉄道用縦型まくらぎおよびその製造型枠

【課題】横まくらぎ用の保線作業車(マルチプルタイタンパ)を用いてタンピング(砂利のつき固め)やレベリング(線路の高さ調整)などの保線作業をレール軸方向に連続して行うことができ、かつ敷設後の曲線区間におけるレール継目部の角折れを防止することのできる鉄道用縦型まくらぎおよびその製造型枠を提供する。
【解決手段】レール軸方向に並列に敷設される複数の縦梁2と、縦梁2,2間にレール軸直角方向に敷設される複数の横梁3,3とから構成する。左右縦梁2の外側に翼4を設ける。翼4は横梁3と対称に設ける。翼4は縦梁2の両側に対称に設ける。縦梁2、横梁3および翼4はプレキャストコンクリートによって一体的に成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バラスト軌道に敷設される鉄道用縦型まくらぎおよびその製造型枠に関し、横まくらぎ用の保線作業車(マルチプルタイタンパ)を用いてタンピング(砂利のつき固め)やレベリング(線路の高さ調整)あるいはライニング(線路の通り調整)などの保線作業をレール軸方向に連続して行うことができ、また、敷設後の曲線区間におけるレール継目部の段差や角折れの発生を防止することができる。ここで、レールの角折れとは継ぎ目付近のレールの平面曲線が、本来の曲線を維持できずにV字状にとがっている状態のことである。
【背景技術】
【0002】
バラスト軌道は、例えば図6(a)に図示するように、路盤にバラスト(砕石や砂利)20を敷き、その上に主として横まくらぎ21を敷設してレール22を支持し、レール22からの列車荷重は横まくらぎ21を介してバラスト道床に効率よく分散させて路盤に伝えるように構成されている。
【0003】
また、自ら変位することによって衝撃力を緩和し、ほかの軌道材料の破壊を軽減するようにも構成されており、低振動・低騒音であること、排水が良いこと、さらに建設費が安いこと等の利点が多いため、古くから採用されている。
【0004】
しかし、バラスト軌道は、列車が走行すると沈下や細粒化などの道床破壊が進行して、レール22にゆがみ等が生じて列車の乗り心地を悪くさせる上に、高速走行を阻害することにもなるため、タンピング(砂利のつき固め)等によって定期的に整正し、レベリング(線路の高さ調整)やライニング(線路の通り調整)によってレール面を定位置に復元する等の保線作業が欠かせない。
【0005】
また、レールの継目部は軌道保守上の弱点箇所とされており、特に曲線区間においては、例えば、図7(a)に図示するように、接続された進行方向手前側のレール22aが列車の通過時に列車からの横荷重によって、外側にふくらむことによりレールの継目部に段差が生じ、このため接続された進行方向先端側のレール22bに車輪が衝突することにより継目部の角折れが生じやすい。
【0006】
また、レールの継目部に段差が生じなくても、角折れがあるとレール22aと22bはいわゆるV字型に敷設されているので、車輪の衝突は避けられない。
【0007】
レール継目部の角折れは車輪の衝突を誘発するためレールに著大横圧を発生させ、また列車通過後にもとに戻ることはないため、レールの通り狂い進みの増加を招き、保守量の増大の要因となるばかりでなく、場合によっては、レールの急激な通り狂いの発生等、走行安全上にも関わる軌道保守上の大きな課題にもなっている。
【0008】
ところで、バラスト軌道の保線作業は、例えば図8(a),(b)に図示するように、レール軸方向に作動する爪のようなタンピングツール23をレール22の内側と外側にそれぞれ一または複数組備え、レール22の上を自走する保線作業車(マルチプルタイタンパ)によって行われる。
【0009】
具体的には、レール22をつかんでミリ単位で持ち上げて横まくらぎ21の下に隙間を設け、そして横まくらぎ21の両側からタンピングツール23によってバラスト20をつき固めて、横まくらぎ21の下にバラスト20を入れることにより予定の高さに線路を直していく。
【0010】
しかし、レール22の継目部分にはレール22の落ち込みとこれに伴う騒音や振動等の発生を解消するために、例えば図9(a),(b)に図示するような鉄道用縦型まくらぎ24が敷設される。
【0011】
また、最近では、通常の横まくらぎに比べて保守作業量が大幅に低減できる上に、バラストの受圧面積が大きいことにより列車の荷重分散性に優れ、かつ騒音、振動の低減効果の大きい「ラダーマクラギ」が普及してきている(図6(b)参照)。
【0012】
ここで、鉄道用縦型まくらぎ24は、レール軸方向に平行に敷設され、レール22の継目部を直接支える縦梁24aと、レール軸直角方向に敷設され、縦梁24aどうしを結合して軌間を保持する横梁24bとから井桁状に構成されている。
【0013】
また、ラダーマクラギ25は、レール軸方向に平行に敷設され、レール22の全長を直接支える2本の縦梁25aと、左右の縦梁25a,25a間に間隔をおいて配置され、縦梁25aどうしを結合する複数の継ぎ材(鋼管)25bとから梯子状に構成されている(図6(b)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3987875号
【特許文献2】特許第4538664号
【特許文献3】特開2002−275802号公報
【特許文献4】特開2001−279603号公報
【特許文献5】特開平9−273102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、従来の鉄道用縦型まくらぎ24には、縦梁24aの外側に列車荷重を道床バラストに分散伝達させるような突出部分がないため、保線作業車による十分なタンピング効果が得られない(図10参照)。
【0016】
このため、レールの継目部分における保線作業は、保線作業車以外の人力などの方法で行う必要があり、レールの保線作業を保線作業車によってレール軸方向に連続して行うことができないという課題があった。
【0017】
また、レール継目部の段差は、継目部を締結金具によってまくらぎに直接固定することにより無くすることは可能であるが(図7(b))、まくらぎが列車からの横荷重を受けて外側に移動するため、レールの角折れを防止することはできない。
【0018】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、横まくらぎ構造用の保線作業車によるタンピングやレベリング等の保線作業を連続して行うことができ、また曲線区間におけるレール継目部の角折れを防止できるようにした鉄道用縦型まくらぎおよびその製造型枠を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1記載の鉄道用縦型まくらぎは、レール軸方向に並列に敷設される複数の縦梁と、当該縦梁間にレール軸直角方向に敷設される横梁とからなる鉄道用縦型まくらぎにおいて、前記縦梁の外側に翼が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明は、横まくらぎ構造用の保線作業車を利用してタンピング等の保線作業をレール軸方向に連続して行えるようにしたものであり、本発明によれば、縦梁の外側にレールからの列車荷重をバラスト道床に伝達可能な翼が設けられていることで、縦梁の外側においてもタンピング効果が十分に得られる。
【0021】
このため、本発明に係る鉄道用縦型まくらぎの敷設されたバラスト軌道においては、レールの継目部分においても保線作業車を利用してタンピング等の保線作業をレールの軸方向に連続して行うことができる。
【0022】
翼の形状は、平面視矩形または台形などの形状が想定されるが、特に限定されるものではない。また、翼は縦梁および横梁と共にプレキャストコンクリートによって一体的に成形されてもよいが、ボルトや溶接などによって後付けタイプとすることもできる。さらに、翼は特にタンピング効果の大きい位置にのみ取り付けても良い。
【0023】
軌道の曲線区間におけるレールの継目部においては、接続された進行方向手前側のレールが列車の通過時の横荷重によって外側にふくらむことにより継目部に段差が生じ、このため、接続された進行方向先端側のレールに車輪が衝突することによりレールの角折れが生じやすい(図7(a)参照)。
【0024】
レール継目部の段差は、継目部を締結プレート等の締結金具によってまくらぎに直接固定することにより無くすることは可能であるが、まくらぎ自体が列車からの横荷重によって外側に移動するため、レールの角折れを完全に阻止することができない(図7(b)参照)。
【0025】
本発明によれば、横梁が縦梁によって一体的に結合され、縦梁の外側に翼が設けられることにより、縦型まくらぎの弱点であったふく進抵抗力(まくらぎのレール方向の移動に対する抵抗力)が増大するとともに、回転半径が大きくなることによって回転抵抗力も増大する。これらのふく進抵抗力や回転抵抗力の増大は、まくらぎの移動を防止することができ、軌道狂いの抑制になるとともに、レールの角折れを確実に阻止することができる。
【0026】
請求項2記載の鉄道用縦型まくらぎは、請求項1記載の鉄道用縦型まくらぎにおいて、翼は横梁と対称に設けられていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明によれば、縦梁の外側と内側の両側においてタンピング等の保線作業を同時に行うことが可能であるとともに大きいタンピングが得られる。なお、この場合、横梁内に配筋される補強筋や挿通されるPC鋼材などの緊張材は、縦梁を貫通し翼内まで延長して配置することにより、翼を横梁の一部として横梁と一体的に成形するのが製造上および強度を向上させる上で望ましい。
【0028】
請求項3記載の鉄道用縦型まくらぎは、請求項1または2記載の鉄道用縦型まくらぎにおいて、翼は縦梁の両側に対称に設けられていることを特徴とするものである。
【0029】
本発明によれば、縦梁の内側に設けられた翼が、横梁に代わってレールからの列車荷重をバラスト道床に伝達する働きを有することで、特に必要でない横梁を省略してまくらぎの軽量化と製造コストの低減等を図ることができる(図1(b),(c)参照)。
【0030】
請求項4記載の鉄道用縦型まくらぎは、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の鉄道用縦型まくらぎにおいて、翼は縦梁のレール軸方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とするものである。
【0031】
本発明は、横梁に比べて縦梁を相当長尺に形成すると共に、特に横梁を縦梁と同様にプレキャストコンクリートによって成形することにより、バラストの受圧面積を効率的に大きく得られるようにしたものである(図2(a),(b)参照)。横梁の断面を例えば扁平な矩形断面形とすることにより、バラストの受圧面積を大きくすることができる。
【0032】
また、まくらぎの敷設作業をきわめて効率的に行うことができると共に、横まくらぎ構造用の保線作業車によってタンピングやレベリング等の保線作業をレール軸方向に連続して行うことができる。
【0033】
請求項5記載の鉄道用縦型まくらぎ製造型枠は、レール軸方向に並列に敷設される複数の縦梁と、当該縦梁間にレール軸直角方向に敷設される複数の横梁とから井桁状に成形される鉄道用縦型まくらぎの製造型枠において、並列に配置された一組の縦梁用型枠と、当該縦梁用型枠間に並列に配置された一組の横梁用型枠とから構成され、かつ前記縦梁用型枠の側板部がコンクリート成形に必要な強度と柔軟性を備えた材料から形成されてなることを特徴とするものである。
【0034】
複数の縦梁と横梁とから井桁状をなす鉄道用縦型まくらぎを、通常のコンクリートまくらぎ製造型枠を用いて一体的に成形すると、コンクリートの初期硬化時に、主として縦梁にコンクリートの収縮によるひび割れが発生する(図5(b)参照)。
【0035】
本発明によれば、縦梁用型枠の側部を特にコンクリートまくらぎの成形に必要な強度と柔軟性を備えた材料からなる型枠材で形成することにより、縦梁のひび割れの発生を抑制することができる(図5(a)参照)。
【0036】
この場合の型枠材としては、例えば発泡スチロール、発泡ウレタンあるいはゴム製の型枠材が適している。その他の部分は鋼製型枠材でよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、縦梁の外側にレールからの列車荷重をバラスト道床に分散伝達可能な翼が設けられていることにより、縦梁の外側においても保線作業車によるタンピング(バラストのつき固め)効果が十分に得られる。
【0038】
したがって、本発明に係る鉄道用縦型まくらぎの敷設されたバラスト軌道においては、レールの継目部分においても保線作業車を利用してタンピング等の保線作業をレールの軸方向に連続して行うことができるため、保線作業を大幅に向上させることができるとともに、保守周期の大幅な延伸を図ることができる。
【0039】
また、縦梁の外側に翼が設けられることにより、縦型まくらぎの弱点であったふく進抵抗力が増大するとともに回転抵抗力も増大し、列車からの荷重に対してまくらぎの移動を防止することができ、軌道狂いの抑制になるとともに、レールの角折れを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(a),(b),(c)は、それぞれ、本発明の鉄道用縦型まくらぎの一実施形態を示す平面図である。
【図2】(a),(b)は、それぞれ、本発明の鉄道用縦型まくらぎの他の実施形態を示す平面図である、
【図3】レールの継目部分に本発明の鉄道用縦型まくらぎが敷設されたバラスト軌道を示し、(a)はその一部平面図、(b)は図3(a)における一部拡大図である。
【図4】保線作業車によるバラスト軌道の保守方法を示し、(a)は、図3(b)におけるイ−イ線断面図、(b)は、図3(b)におけるロ−ロ線断面図である。
【図5】(a)は、鉄道用縦型まくらぎ製造型枠および緊張材の配置方法を示す平面図、(b)はコンクリートの初期収縮時に発生が予測されるひび割れを示す鉄道用縦型まくらぎの一部平面図である。
【図6】バラスト軌道を示し、(a)は横まくらぎが敷設されたバラスト軌道の一部平面図、(b)はラダーマクラギの敷設されたバラスト軌道の一部平面図である。
【図7】(a),(b)は、軌道の曲線区間を示す一部平面図である。
【図8】保線作業車によるバラスト軌道の保守方法を示し、(a)は図6(a)におけるハ−ハ線断面図、(b)は図6(a)におけるニ−ニ線断面図である。
【図9】レールの継目部分に従来の鉄道用縦型まくらぎが敷設されたバラスト軌道を示し、(a)はその一部平面図、(b)は図9(a)における一部拡大図である。
【図10】保線作業車によるバラスト軌道の保守方法を示し、図9(a)におけるホ−ホ線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1(a),(b),(c)は、いずれも、本発明の鉄道用縦型まくらぎの一実施形態を示し、バラスト軌道の主としてレールの継目部分に敷設される。
【0042】
図において、鉄道用縦型まくらぎ1は、レール軸方向に平行に配置され、レールの継目部分を支える2本の縦梁2,2と、縦梁2,2間のレール軸直角方向に配置され、左右縦梁2,2どうしを結合して軌間を保持する1乃至複数本の横梁3と、左右縦梁2,2にそれぞれ形成され、縦梁2および横梁3と共にレールからの列車荷重をバラスト道床に伝える複数の翼4とを備え、プレキャストコンクリートによって一体的に成形されている。
【0043】
また特に、図1(a)に図示する鉄道用縦型まくらぎ1の場合、横梁3は左右縦梁2,2間のレール軸方向の両端部と中間部にそれぞれ配置されている。
【0044】
また、翼4は左右縦梁2,2のレール軸方向の両端部と中間部にそれぞれ平面矩形状または台形状に突設され、いずれの翼4も左右縦梁2,2の外側に横梁3と対称に、かつレール軸直角方向に所定長突出して形成されている。
【0045】
また、図1(b)に図示する鉄道用縦型まくらぎ1の場合は、横梁3は左右縦梁2,2間のレール軸方向の両端部に配置され、翼4は左右縦梁2,2のレール軸方向の中間部と両端部にそれぞれ突設されている。
【0046】
また、中間部の翼4は縦梁2の両側に対称にかつレール軸直角方向に所定長突出して形成され、両端部の翼4は縦梁2の外側に横梁3と対称にかつレール軸直角方向に所定長突出して形成されている。
【0047】
そして、図1(c)に図示する鉄道用縦型まくらぎ1の場合は、横梁3は左右縦梁2,2間のレール軸方向の中間部に配置され、翼4は左右縦梁2,2のレール軸方向の中間部と両端部にそれぞれ突設されている。
【0048】
また、中間部の翼4は縦梁2の外側に横梁3と対称にかつレール軸直角方向に所定長突出して形成され、両端部の翼4は縦梁2の両側に対称にかつレール軸直角方向に所定長突出して形成されている。
【0049】
また、図1(a),(b),(c)に図示する鉄道用縦型まくらぎ1は、いずれも、例えば図5に図示するように、縦梁2と横梁3に複数の緊張材5を挿通し、それぞれの軸方向にプレストレスが導入されている。
【0050】
また特に、横梁3内の緊張材5は左右縦梁2,2を貫通し、翼4まで連続して挿通されている。そして、左右縦梁2,2の上にはレール締結具6が突設されている。
【0051】
図2(a),(b)は、鉄道用縦型まくらぎ1は、レール軸方向に平行に配置され、レールの全長を支える2本の縦梁2,2と、縦梁2,2間のレール軸方向の両端部と中間部にそれぞれ配置され、左右縦梁2どうしを結合して軌間を保持する3本の横梁3と、左右縦梁2,2の外側または外側と内側の両方にそれぞれレール軸方向に所定間隔おきに形成され、縦梁2および横梁3と共にレールからの列車荷重をバラスト道床に伝える複数の翼4とを備え、プレキャストコンクリートよって平面視梯子状に一体的に成形され、特に横梁3はバラストの受圧面積が大きくなるような断面形状、例えば扁平な矩形板状に形成されている。
【0052】
また、レール軸方向の両端部と中間部の翼4は横梁3と対称にかつレール軸直角方向に所定長突出して形成されている。また、それ以外の翼4は、左右縦梁2の両側に対称にかつレール軸直角方向に所定長突出して形成されている。
【0053】
さらに、縦梁2と横梁3に複数の緊張材(図省略)が挿通され、それぞれの軸方向にプレストレスが導入されている。また、横梁3内の緊張材は左右縦梁2,2を貫通し、翼4まで連続して挿通されている。また、左右縦梁2,2の上にはレール締結具6が突設されている。
【0054】
図3は、横まくらぎの敷設されたバラスト軌道を図示したものであり、特にレール7の継目部分に、図1(a)に図示する鉄道用縦型まくらぎ1が敷設されている。
【0055】
また、図4(a),(b)は、保線作業車によって図3に図示するバラスト軌道を保守する方法を図示したものであり、特にレール7の継目部分においても、他の部分と同様にレール7の外側と内側の両側において、横梁3と翼4の両側からバラスト道床内にタンピングツール8を挿入してバラスト9のつき固めを行うことができる。
【0056】
図5(a)は、レール軸方向に並列に敷設される複数の縦梁2と、縦梁2,2間にレール軸直角方向に敷設される複数の横梁3とから井桁状に一体に成形される鉄道用縦型まくらぎを成形するためのまくらぎ製造型枠の一実施形態を示したものである。
【0057】
図において、鉄道用縦型まくらぎ製造型枠10は、並列に配置された一組の縦梁用型枠11と、縦梁用型枠11,11間に並列に配置された一組の横梁用型枠12とから構成されている。
【0058】
縦梁用型枠11の底板部と横梁用型枠12の底板部および側板部は、鋼材からなる型枠材で形成され、縦梁用型枠11の側板部11aはコンクリート成形に必要な強度と柔軟性を備えた材料からなる型枠材から形成されている。
【0059】
側板部11aに適した型枠材としては、例えば、発泡スチロール、発泡ウレタンあるいはゴム製の型枠材がある。
【0060】
この鉄道用縦型まくらぎ製造型枠によれば、縦梁に発生するコンクリートの硬化初期の収縮によるひび割れの発生を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、横まくらぎの敷設されたバラスト軌道において、鉄道用縦型まくらぎの敷設されたレールの継目部分においても、横まくらぎ用の保線作業車によってタンピングやレベリング等の保線作業を連続して行うことができ、また敷設後の曲線区間におけるレール継目部の角折れを防止することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 鉄道用縦型まくらぎ
2 縦梁
3 横梁
4 翼
5 緊張材
6 レール締結具
7 レール
8 タンピングツール
9 バラスト
10 鉄道用縦型まくらぎ製造型枠
11 縦梁用型枠
12 横梁用型枠
20 バラスト(砕石や砂利)
21 横まくらぎ
22 レール
23 タンピングツール
24 鉄道用縦型まくらぎ
24a 縦梁
24b 横梁
25 ラダーマクラギ
25a 縦梁
25b 横梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール軸方向に並列に敷設される複数の縦梁と、当該縦梁間にレール軸直角方向に敷設される横梁とからなる鉄道用縦型まくらぎにおいて、前記縦梁の外側に翼が設けられていることを特徴とする鉄道用縦型まくらぎ。
【請求項2】
請求項1記載の鉄道用縦型まくらぎにおいて、翼は横梁と対称に設けられていることを特徴とする鉄道用縦型まくらぎ。
【請求項3】
請求項1または2記載の鉄道用縦型まくらぎにおいて、翼は縦梁の両側に対称に設けられていることを特徴とする鉄道用縦型まくらぎ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかひとつに記載の鉄道用縦型まくらぎにおいて、翼は縦梁のレール軸方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする鉄道用縦型まくらぎ。
【請求項5】
レール軸方向に並列に敷設される複数の縦梁と、当該縦梁間にレール軸直角方向に敷設される複数の横梁とから井桁状に成形される鉄道用縦型まくらぎの製造型枠において、並列に配置された一組の縦梁用型枠と、当該縦梁用型枠間に並列に配置された一組の横梁用型枠とから構成され、かつ前記縦梁用型枠の側板部がコンクリート成形に必要な強度と柔軟性を備えた材料から形成されてなることを特徴とする鉄道用縦型まくらぎ製造型枠。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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