説明

鉄道車両用時刻補正装置、鉄道車両時刻補正用GPS時計および鉄道車両用時刻補正方法

【課題】地上無線装置を地上側に設けることなく、鉄道車両に搭載されたシステム時計の時刻を自動的に補正すること。
【解決手段】GPSモジュール14は、GPSアンテナ4から送られたGPS信号を受けて、時刻情報を出力し、RTC13は、GPSモジュール14から出力された時刻情報を保持し、時刻補正部11は、RTC13にて刻まれた時刻に基づいてシステム時計7の時刻を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道車両用時刻補正装置、鉄道車両時刻補正用GPS時計および鉄道車両用時刻補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両での運行記録や運転台ディスプレイに表示される時刻を管理するために、鉄道車両に搭載された中央制御装置にはシステム時計が備えられている。このシステム時計では、内部に設けられた発振回路からのクロック信号を基準として時刻が更新され、計時精度が低い。このため、時間の経過に伴って誤差が大きくなり、月に十数秒程度も誤差が生じることがある。このような誤差が生じるのを防止するため、運転士は月に数回の頻度で時刻を手動で修正していた。
【0003】
また、特許文献1には、地上側に設けられた地上無線装置によって、地上側に設けられた基準時刻受信装置の時刻に基づく時刻情報を無線送信し、その送信された時刻情報に基づいて鉄道車両に搭載された時計の時刻を補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−302777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、システム時計の誤差を運転士が手動で修正する方法では、運転士の業務上の負荷が増大する上に、修正ミスなどにより正しい時刻が表示されないことがあるという問題があった。
【0006】
また、特許文献1に開示された方法では、地上無線装置を地上側に設ける必要があるため、コストがかかる上、地上側から時刻情報を無線で鉄道車両に送信するため、時刻が実際に補正されるタイミングにずれが発生するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、地上無線装置を地上側に設けることなく、鉄道車両に搭載されたシステム時計の時刻を自動的に補正することが可能な鉄道車両用時刻補正装置、鉄道車両時刻補正用GPS時計および鉄道車両用時刻補正方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の鉄道車両用時刻補正装置は、鉄道車両の基準となる時刻を計時するシステム時計と、前記鉄道車両に搭載され、GPS電波の受信結果に基づいて時刻を計時するGPS時計と、前記GPS時計にて計時された時刻に基づいて前記システム時計の時刻を補正する時刻補正部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、地上無線装置を地上側に設けることなく、鉄道車両に搭載されたシステム時計の時刻を自動的に補正することが可能という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明に係る鉄道車両用時刻補正装置が適用される鉄道車両の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1のGPS時計の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、システム時計時刻とGPS時計時刻との間の時間のずれの一例を示す図である。
【図4】図4は、システム起動時におけるエラー確認シーケンスを示すフローチャートである。
【図5】図5は、システム時計時刻補正時におけるエラー確認シーケンスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る鉄道車両用時刻補正装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る鉄道車両用時刻補正装置が適用される鉄道車両の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。図1において、先頭車両21には、後続車両22、23が順次連結されることで、列車が編成されている。ここで、先頭車両21には、運転台ディスプレイ2、GPSアンテナ4、GPS時計5、中央制御装置6および情報記録装置8aが搭載されている。また、後続車両22には、情報記録装置8bおよび端末制御装置10bが搭載され、後続車両23には、情報記録装置8cおよび端末制御装置10cが搭載されている。
【0013】
ここで、運転台ディスプレイ2は、列車の運行情報や現在時刻などを表示したり、GPS時計5の異常やエラー内容などを表示したりすることができる。また、運転台ディスプレイ2には、運転台スピーカなどの音声出力装置3が設けられている。そして、音声出力装置3は、列車の運行情報や現在時刻などを音声で出力したり、GPS時計5の異常やエラー内容などを音声やブザー音などで出力したりすることができる。
【0014】
GPSアンテナ4は、GPS衛星1から送られるGPS電波を受信し、GPS信号を出力することができる。GPS時計5は、GPSアンテナ4にて受信されたGPS信号に基づいて時刻を計時することができる。中央制御装置6は、列車の運行を制御したり、列車の運行情報を管理したりすることができる。
【0015】
ここで、中央制御装置6には、鉄道車両の基準となる時刻を計時するシステム時計7が設けられている。そして、システム時計7は、鉄道車両での運行記録や運転台ディスプレイ2に表示される時刻を管理することができる。なお、システム時計7は、発振回路が内部に設けられ、この発振回路からのクロック信号を基準として時刻を更新することができる。また、システム時計7としては、必ずしも高精度の時計を用いる必要はなく、月に十数秒程度の誤差があってもよい。
【0016】
また、中央制御装置6には、時刻補正部11が設けられている。ここで、時刻補正部11は、GPS時計5にて計時された時刻に基づいてシステム時計7の時刻を補正することができる。
【0017】
なお、中央制御装置6とGPS時計5とは、通信ケーブルおよび電源ケーブルにて互いに接続することができる。そして、GPS時計5には、電源ケーブルを介して中央制御装置6から電源を供給することができる。また、中央制御装置6とGPS時計5とは、シリアル通信などの方法によって通信ケーブルを介して各種コマンドや時刻情報などのデータをやり取りすることができる。例えば、GPS時計5は、電源がオンの場合、例えば、1秒周期で時刻情報、位置情報、GPS時計5のセルフテスト結果などを中央制御装置6に送信することができる。なお、GPS時計5のセルフテスト結果としては、例えば、ROMエラー、RAMエラー、アンテナ接続エラーなどがある。また、中央制御装置6は、測地系設定、データ出力設定およびローカルタイムゾーン設定などのコマンドをGPS時計5に送信することができる。
【0018】
情報記録装置8aは、鉄道車両の運行記録や自己診断情報などを記録することができる。なお、情報記録装置8aは、例えば、ハードディスクなどの磁気ディスクを用いるようにしてもよいし、DVDなどの光ディスクを用いるようにしてもよいし、フラッシュメモリなどの半導体メモリを用いるようにしてもよい。
【0019】
端末制御装置10b、10cは、列車の運行情報などを後続車両22、23ごとに管理することができる。ここで、端末制御装置10b、10cには、鉄道車両の基準となる時刻を後続車両22、23ごとに計時する端末内蔵時計9b、9cがそれぞれ設けられている。端末制御装置10b、10cは、各車両に設置される車内表示路に時刻を表示したり、車両ごとの運行情報を情報記録装置8b、8cに記録する時に用いることができる。端末内蔵時計9b、9cの時刻は、システム時計7の時刻に基づいて補正することができる。例えば、システム時計7の時刻が補正されたタイミングで端末内蔵時計9b、9cの時刻を補正してもよい。ここで、端末内蔵時計9b、9cを後続車両22、23にそれぞれ設置することにより、システム時計7の時刻を後続車両22、23に逐次伝送する必要がなくなり、先頭車両21と後続車両22、23との間のデータ転送量を低減することができる。情報記録装置8b、8cは、鉄道車両の運行データなどを後続車両22、23ごとに記録することができる。
【0020】
図2は、図1のGPS時計の概略構成を示すブロック図である。図2において、GPS時計5には、電源部12、RTC(リアルタイムクロック)13、GPSモジュール14およびバッテリ15が設けられている。
【0021】
ここで、GPSモジュール14は、GPSアンテナ4から送られたGPS信号を受けて、時刻情報を出力することができる。なお、バッテリ切れによりRTC13が時刻を保持できなくなった場合にも時刻情報を出力できるようにするため、GPSモジュール14にデフォルト値を設定するようにしてもよい。
RTC13は、GPSモジュール14から出力された時刻情報を保持し、内部で時刻を計時することができる。電源部12は、GPSモジュール14およびRTC13の電源を供給することができる。バッテリ15は、電源部12がオフされた場合、RTC13を動作させる電源を保持することができる。なお、バッテリ15の代わりに電気二重層コンデンサなどを用いるようにしてもよい。
【0022】
そして、図1の鉄道車両には、パンタグラフなどを介して電力が供給されると、中央制御装置6を介してGPS時計5の電源部12に電源が供給され、GPS時計5の動作が開始される。
【0023】
そして、GPS時計5の動作が開始されると、GPSアンテナ4にてGPS電波が受信され、測位状態にある時には、RTC13の時刻が時々刻々と更新される。そして、電源部12の電源がオンの場合、RTC13にて刻まれる時刻が一定周期で中央制御装置6に送信される。
【0024】
そして、RTC13にて刻まれた時刻が中央制御装置6に送信されると、時刻補正部11は、RTC13にて刻まれた時刻に基づいてシステム時計7の時刻を補正する。そして、中央制御装置6は、時刻補正部11にて補正されたシステム時計7の時刻情報を運転台ディスプレイ2に表示させたり、営業運転中の列車の走行状態や自己診断情報をシステム時計7の時刻情報とともに情報記録装置8aに記録させたりする。
【0025】
ここで、先頭車両21がトンネルや車庫などに入ったために、GPS電波が受信できなくなると、GPS時計5は測位できなくなるが、RTC13にて時刻が刻み続けられるため、GPS時計5の時刻情報が消失することはない。
【0026】
また、鉄道車両の営業運転が終了し、電源部12の電源がオフになった場合、RTC13を動作させる電源がバッテリ15から供給され、RTC13にて時刻が刻み続けられるため、GPS時計5の時刻情報が消失することはない。
【0027】
これにより、鉄道車両がGPS電波を受信できない環境におかれた場合においても、地上無線装置を地上側に設けることなく、鉄道車両に搭載されたシステム時計7の時刻を自動的に補正することが可能となる。このため、コストアップを抑制しつつ、システム時計7の時刻の誤差を修正させることが可能となるとともに、システム時計7の誤差を運転士が手動で修正する必要がなくなり、運転士の業務上の負荷を軽減することができる。
【0028】
なお、システム時計7の時刻を補正した際に、システム時計7の時刻を基準として記録された情報の信頼性が損なわれるのを防止するため、時刻補正部11は、鉄道車両に搭載された中央制御装置6の営業運転前の電源起動時に1日1回だけシステム時計7の時刻を補正することが好ましい。
【0029】
図3は、システム時計時刻とGPS時計時刻との間の時間のずれの一例を示す図である。図3において、例えば、システム時計7の時刻に誤差が発生している状態で、システム時計7の時刻が補正されると、システム時計7の時刻が急に戻ったり進んだりして、システム時計7の時刻が不連続になる。
【0030】
この結果、システム時計7の時刻を基準として情報を記録している間に、システム時計7の時刻が補正されると、システム時計7の時刻を基準として記録された情報の信頼性が損なわれる。このため、鉄道車両の営業運転中にはシステム時計7の時刻を補正しないようにすることが好ましい。また、システム時計7の時刻を補正する頻度は少ない方が好ましい。
【0031】
従って、鉄道車両に搭載された中央制御装置6の営業運転前の電源起動時に1日1回だけシステム時計7の時刻を補正することが好ましい。営業運転前であれば、情報記録装置8aに記録される時刻情報が不連続になった場合においても、営業運転中に記録された情報の信頼性が損なわれるのを防止することができる。
【0032】
なお、営業運転中でなければ、中央制御装置6の営業運転後の電源オフ前に1日1回だけシステム時計7の時刻を補正するようにしてもよく、時刻を補正しても記録情報の信頼性に影響がないタイミングであれば、システム時計7の時刻の補正タイミングおよび補正回数が限定されるものではない。
【0033】
ここで、中央制御装置6の電源起動時に鉄道車両が入庫し、GPS電波を受信することができない場合においても、RTC13にて時刻が刻み続けられるため、システム時計7の時刻を補正することができる。なお、この時にシステム時計7の時刻を補正する場合、前回のGPS時計5の動作時に測位された時刻を基準とすることができる。
【0034】
図4は、システム起動時におけるエラー確認シーケンスを示すフローチャートである。図4において、図1の中央制御装置6の電源がオンし、中央制御装置6が起動されると、GPS時計5に対し測地系設定、データ出力設定およびローカルタイムゾーン設定を行うとともに、各設定が正常に行われたかどうかの確認を行う(ステップS11〜S16)。
【0035】
なお、各設定が正常に行われない場合、各設定が繰り返し実行され、各設定が正常に行われるまでエラーカウントが増大される。そして、例えば、3回連続して各設定が失敗した場合、GPS時計5の異常として処理される。
【0036】
そして、各設定が正常に行われると、エラー確認シーケンスが実行される(ステップS17)。そして、エラー確認シーケンスでエラーが確認されると、エラー処理が実行される(ステップS20)。
【0037】
一方、エラー確認シーケンスでエラーが確認されなければ、時刻補正部11は、システム時計7の時刻をGPS時計5の時刻に合わせる(ステップS18)。そして、時刻補正部11は、システム時計7の時刻を補正すると、時刻補正フラグをセットする(ステップS19)。そして、中央制御装置6の電源がオフされるまで時刻補正フラグを保持し、時刻補正フラグが保持されている間はシステム時計7の時刻を補正しないようにする。
【0038】
図5は、システム時計時刻補正時におけるエラー確認シーケンスを示すフローチャートである。図5において、中央制御装置6は、GPS時計5から送られたデータを取得し(ステップS21)、データを正常に受信できたかどうかを確認する(ステップS22)。そして、中央制御装置6は、GPS時計5からデータを正常に受信できない場合、GPS時計5のハードウェアの故障または通信回線の異常があると判断する(ステップS26)。
【0039】
次に、中央制御装置6は、GPS時計5のセルフテスト結果を確認する(ステップS23)。そして、GPS時計5のセルフテスト結果に異常がある場合、GPS時計5のハードウェアの故障があると判断する(ステップS27)。
【0040】
次に、中央制御装置6は、GPS時計5の時刻とシステム時計7の時刻とを比較する(ステップS24)。そして、GPS時計5の時刻とシステム時計7の時刻との間の差が所定値以上の場合(ステップS25)、GPS時計5のハードウェアの故障またはバッテリ切れがあると判断する(ステップS28)。なお、GPS時計5およびシステム時計7が正常に動作している場合、GPS時計5の時刻とシステム時計7の時刻との間の誤差は大きくても数秒程度であるので、GPS時計5のハードウェアの故障またはバッテリ切れがあると判断する時のGPS時計5の時刻とシステム時計7の時刻との間の差は、数秒程度に設定することができる。
【0041】
そして、時刻補正部11は、GPS時計5に異常がある場合、システム時計7の時刻を補正することなく、GPS時計5の異常の発生を運転台ディスプレイ2に表示させることができる。また、GPS時計5の異常の発生を運転台ディスプレイ2に表示させるとともに、GPS時計5の異常やエラー内容などを音声やブザー音などで音声出力装置3に出力させるようにしてもよい。
【0042】
なお、GPS時計5の異常の発生を運転台ディスプレイ2に表示させる場合、エラー内容に応じて表示内容を変更するようにしてもよい。例えば、GPS時計5からデータを取得できない場合、「GPS時計5の故障または通信回線の異常です」という内容を表示させることができる。また、GPS時計5の時刻情報に異常がある場合、「GPS時計5の故障またはバッテリ切れです」という内容を表示させることができる。
【0043】
これにより、運転士は、運転台ディスプレイ2を参照することで、大まかな故障内容を把握することができ、メンテナンスにかかる負荷を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように本発明に係る鉄道車両用時刻補正装置は、GPSアンテナにて受信されたGPS信号に基づいてGPS時計に時刻を計時させることにより、鉄道車両がGPS電波を受信できない環境におかれた場合においても、地上無線装置を地上側に設けることなく、鉄道車両に搭載されたシステム時計の時刻を自動的に補正する方法に適している。
【符号の説明】
【0045】
1 GPS衛星
2 運転台ディスプレイ
3 音声出力装置
4 GPSアンテナ
5 GPS時計
6 中央制御装置
7 システム時計
8a〜8c 情報記録装置
9b、9c 端末内蔵時計
10b、10c 端末制御装置
11 時刻補正部
12 電源部
13 RTC
14 GPSモジュール
15 バッテリ
21 先頭車両
22、23 後続車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両からなる鉄道車両の基準となる時刻を計時するシステム時計と、
前記システム時計の時刻に基づいて前記各車両において時刻を計時する端末内蔵時計と、
前記鉄道車両に搭載され、GPS電波の受信結果に基づいて時刻を計時するGPS時計と、
前記GPS時計にて計時された時刻に基づいて、前記鉄道車が営業運転を行っていない時に前記システム時計の時刻を補正する時刻補正部とを備えることを特徴とする鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項2】
前記GPS時計は、
前記GPS時計の電源を供給する電源部と、
前記GPS電波にて送られた時刻情報を出力するGPSモジュールと、
前記GPSモジュールから出力された時刻情報を保持し、内部で時刻を計時するRTCと、
前記RTCを動作させる電源を保持するバッテリまたは電気二重層コンデンサとを備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項3】
前記時刻補正部は、前記鉄道車両に搭載されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項4】
前記時刻補正部は、前記鉄道車両に搭載された中央制御装置の電源起動時に1日1回だけ前記システム時計の時刻を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項5】
前記時刻補正部は、前記システム時計の時刻を補正した時に時刻補正フラグをセットし、前記中央制御装置の電源がオフされるまで前記時刻補正フラグを保持し、前記時刻補正フラグが保持されている間は前記システム時計の時刻を補正しないことを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項6】
前記時刻補正部は、前記GPS時計の異常を判定し、前記GPS時計に異常がある場合、前記システム時計の時刻を補正することなく、運転台ディスプレイに警告を出すことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項7】
前記時刻補正部は、前記鉄道車両に搭載された中央制御装置の電源起動時に、測地系設定、データ出力設定およびローカルタイムゾーン設定を前記GPS時計に対して行い、前記測地系設定、前記データ出力設定および前記ローカルタイムゾーン設定に失敗した場合、前記GPS時計に異常があると判定することを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項8】
前記時刻補正部は、前記GPS時計からデータを取得できない場合、前記GPS時計のセルフテスト結果に異常がある場合、または前記GPS時計の時刻と前記システム時計の時刻との間の差が所定値以上の場合、前記GPS時計に異常があると判定することを特徴とする請求項6または7に記載の鉄道車両用時刻補正装置。
【請求項9】
GPS電波にて送られた時刻情報を出力するGPSモジュールと、
前記GPSモジュールから出力された時刻情報を保持し、内部で時刻を計時するRTCと、
前記GPSモジュールおよび前記RTCの電源を供給する電源部と、
前記電源部がオフされた場合、前記RTCを動作させる電源を保持するバッテリまたは電気二重層コンデンサとを備えることを特徴とする鉄道車両時刻補正用GPS時計。
【請求項10】
鉄道車両に搭載されたGPS時計がGPS電波を受信するステップと、
前記GPS時計によるGPS電波の受信結果に基づいて時刻を計時するステップと、
前記GPS時計にて計時された時刻に基づいて、前記鉄道車両の基準となる時刻を計時するシステム時計の時刻を前記鉄道車が営業運転を行っていない時に補正するステップとを備えることを特徴とする鉄道車両用時刻補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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