鉄道車両用灯具
【課題】蛍光灯を用いたものにおいて、客室内の適度な照度でもって、適度な照明範囲を確保する。
【解決手段】蛍光灯8の下側を、蛍光灯8の長手方向に沿って延びる3つのカバー部材22A,22B,22Bにて覆う構成とする。中央カバー部材22Aを、蛍光灯8の真下中央に蛍光灯8を覆うように配置する。左右の側部カバー部材22B,22Bを、中央カバー部材22Aの左右に対して前記蛍光灯の長手方向に直交する方向にずれ、かつ水平方向に対しほぼハの字形状に傾斜している。中央カバー部材22A及び左右の側部カバー部材22Bは、蛍光灯8に対向する側の面22Aa,22Baは鏡面で、それとは反対側の面22Ab,22Bbは塗装面となっている。
【解決手段】蛍光灯8の下側を、蛍光灯8の長手方向に沿って延びる3つのカバー部材22A,22B,22Bにて覆う構成とする。中央カバー部材22Aを、蛍光灯8の真下中央に蛍光灯8を覆うように配置する。左右の側部カバー部材22B,22Bを、中央カバー部材22Aの左右に対して前記蛍光灯の長手方向に直交する方向にずれ、かつ水平方向に対しほぼハの字形状に傾斜している。中央カバー部材22A及び左右の側部カバー部材22Bは、蛍光灯8に対向する側の面22Aa,22Baは鏡面で、それとは反対側の面22Ab,22Bbは塗装面となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の天井部に設けられる鉄道車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両の天井部に取り付けられる灯具として、例えば図10及び図11に示すように、直管形蛍光灯101の全体を、透光可能な材料で成形される灯具カバー102にて覆い、間接照明を行うようになったものがある。
【0003】
そのような間接照明を行うものとして、灯具カバーが下方に突出する湾曲形状で、両側縁部の複数箇所においてカバー支え金具のフック状の折り曲げ部を介して灯具本体に対して確実に支持されるとともに、その各フック形状の折り曲げ部を外すだけで、灯具本体から灯具カバーを簡単に取り外すことができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この鉄道車両用灯具の灯具カバーは、金属または不燃性の合成樹脂からなる透光性のカバーで、蛍光灯の下半分を覆い隠している。そして蛍光灯が点灯されると、この蛍光灯から下方に投射された光は、灯具カバーで遮られ、直射光として被照射物に照射させることがない。そして、蛍光灯から上方に投射された光は、上側に位置する反射板の反射部によって下方に反射され、間接照明光として被照射物に照射されることになる。
【特許文献1】特開2001−184931号公報(段落0012〜0014および図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような灯具は、灯具カバーが蛍光灯を覆う形状で、間接光のみによる間接照明がなされるので、照度を高めるのが困難であり、また、蛍光灯から上方に投射された光は、上側に位置する反射板の反射部によって下方に反射されるだけであるので、照射範囲が狭くなる傾向にある。
【0006】
そこで、発明者は、灯具カバーを、複数の板状のカバー部材で構成すれば、蛍光灯を覆い隠せるとともに、カバー部材の隙間を通じて蛍光灯より外側にも光を反射させることができることに着想し、客室内の適度な照度でもって、適度な照明範囲を確保することができる本発明を開発するに至ったものである。
【0007】
ところで、現在、鉄道車両の天井部に設けられる鉄道車両用灯具の灯具カバーには、不燃性が求められることから、灯具カバーにガラスなどの使用が考えられるが、その場合には、重量増加になるおそれがある。
【0008】
本発明は、蛍光灯を用いたものにおいて、客室内の適度な照度でもって、適度な照明範囲を確保することができる鉄道車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、反射板の下側に蛍光灯が配置され、その蛍光灯の下側に灯具カバーが配置され、鉄道車両の天井面に、車両長手方向に沿って前記蛍光灯が延びるように取り付けられる鉄道車両用灯具であって、前記灯具カバーは、前記蛍光灯の真下中央に前記蛍光灯を覆うように水平方向に延びる中央カバー部材と、前記中央カバー部材の左右に対して前記蛍光灯の長手方向に直交する方向にずれ、かつ水平方向に対しほぼハの字形状に傾斜している側部カバー部材とを備えることを特徴とする。ここで、側部カバー部材は、中央カバー部材の上方に配置されていても下方に配置されていてもよい。また、中央カバー部材と側部カバー部材とは形状が同一でも、異なっていてもよい。
【0010】
このようにすれば、中央カバー部材の左右に、側部カバー部材がほぼハの字形状に傾斜するように配置することで、蛍光灯を覆う灯具カバーを構成しているので、中央カバー部材と側部カバー部材との間の左右の隙間から蛍光灯の光が漏れ出て側方が照明される。下側位置からは蛍光灯を直接見ることができないので、あたかも間接照明であるかのごとく照明される。また、中央カバー部材と側部カバー部材との間に形成される左右の隙間から蛍光灯の光が漏れ出るので、効率よく照明される。よって、客室内の適度な照度を確保して、適度な照明範囲を確保することができる。
【0011】
請求項2に記載のように、前記灯具カバーは、不燃性材料を用いて成形されている構成とすることができる。
【0012】
このようにすれば、最近鉄道車両の火災対策として灯具カバーに不燃性材料を使用することが義務づけられているので、この義務にも対応することができる。
【0013】
請求項3に記載のように、前記各カバー部材の、前記蛍光灯に対向する側の面は、鏡面加工あるいは反射効率が高くなる表面処理が施されている湾曲面である構成とすることが望ましい。この場合、中央カバー部材及び側部カバー部材の下面については、特に制限はなく、塗装面としてもよいし、生地のままの面(未処理面)としてもよい。
【0014】
このようにすれば、前記蛍光灯に対向する側の面は、鏡面加工あるいは反射効率が高くなる表面処理が施されている湾曲面とされているので、前記湾曲面から、蛍光灯上側の反射板に対し広範囲に亘って光を反射することができ、広範囲の照明を図る上で有利である。
【0015】
請求項4に記載のように、前記蛍光灯の中心を通る前記中央カバー部材の接線と、前記蛍光灯の中心を通り前記中央カバー部材側の前記側部カバー部材に接する接線とのなす角度は、10°〜20°である構成とすることができる。
【0016】
このようにすれば、前記中央カバー部材と左右の側部カバー部材との間に形成される隙間から、適度な光が漏れ出て、照明が行われる。
【0017】
この場合、請求項5に記載のように、前記カバー部材は、3つとも、軽金属材料を用い、同じ形状に形成されている構成とすることができる。
【0018】
このようにすれば、中央カバー部材と側部カバー部材との共通化が図れる。また、カバー部材を剛性がある軽金属材料で形成しているので、清掃時にカバー部材が変形するおそれを回避できる。
【0019】
請求項6に記載のように、前記灯具カバーは、前記カバー部材の各端部が前記支持板に固定されて構成され、前記側部カバー部材の一方において前記反射板に対して回転可能に支持され、他方において前記反射板に取り外し可能に固定されている構成とすることが望ましい。
【0020】
このようにすれば、中央カバー部材及び左右の側部カバー部材の各端部を支持板に固定して灯具カバーとして一体化しているので、灯具カバー全体として簡単に取り外したり、取り付けたりすることができる。よって、清掃や蛍光灯の交換などの作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明は、中央カバー部材の左右に、側部カバー部材がほぼハの字形状に傾斜するように配置することで、蛍光灯を覆う灯具カバーを構成しているので、中央カバー部材と側部カバー部材との間の左右の隙間から蛍光灯の光が漏れ出て側方を照明することができる。また、側部カバー部材の、蛍光灯に対向する側の面で反射される光によって、灯具の真下への照明も可能である。よって、客室内の適度な照度でもって、適度な照明範囲を確保することが可能となり、客室内の適度な照明範囲の確保と適度な照度の確保との両立を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0023】
図1は鉄道車両の天井部への、本発明に係る鉄道車両用灯具の取付状態を示す概略断面図、図2は前記鉄道車両用灯具を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【0024】
図1に示すように、鉄道車両の天井中央付近に矩形状のダクト1が取り付けられ、その側方に、冷風グリル部材2および吊手アッセンブリ3を挟んで内装パネルアッセンブリ4が配置され、その内装パネルアッセンブリ4に、吊手アッセンブリ3に隣接して鉄道車両の天井面に灯具5が取り付けられている。
【0025】
図2(a)(b)(c)に示すように、灯具5は、車両長手方向に延びる反射板6の下側に、ランプソケット7を介して蛍光灯8が支持される一方、上側にグロースタータ方式の安定器9、コンデンサ10、コネクタ11が設けられている。なお、ランプソケット7は、反射板6下側であってそれの長手方向両端付近に配置され、反射板6を挟んで上側のランプソケット受け14にねじ止めされている。
【0026】
反射板6は、安定器9、コンデンサ10、コネクタ11が取り付けられる中央基部6aと、この水平基部6aの両側縁より長手方向側方に延びる取付部6b,6bとを備える。反射板6の上側には断面ハット形状の取付ブラケット12が取り付けられ、それら取付ブラケット12が天井部に対しビス13を介して固定されている。つまり、反射板6は、固定ブラケット12及びビス13を介して天井部に取り付けられている。
【0027】
また、反射板6の長手方向両端付近には、支持板21,21が配置され、これら両支持板21,21に、3つのカバー部材つまり中央カバー部材22Aおよび左右の側部カバー部材22B,22Bがネジにて固定されている。各支持板21は、図3(a)に示すように、下側に位置する長円板状の基板部21Aと、基板部21Aの上側中央部において上方に突出する突出板部21Bとを有し、この突出板部21Bの上縁部に断面逆U字形状の弾性材(図示せず)が嵌め込まれている。よって、支持板部21と反射板6との間には、弾性材が介在することになり、弾性的に接触することとなる。ここで、前記弾性材としては、弾性ゴム材を用いることも可能であるが、不燃性の板バネなどを用いることが望ましい。
【0028】
カバー部材22A,22B,22Bの各端部は、支持板21にネジ23にて固定することで、カバー部材22A,22B,22Bと支持板21,21とは、灯具カバー24として一体化されている。また、一方の側部カバー部材22Bには、中央寄りに2つの断面U字形状の支持ブラケット25を介して掛止軸26が取り付けられ、他方のカバー部材22Bには、前記掛止軸26が設けられる位置に対応して2つの断面ハット形状の固定ブラケット27が取り付けられている。
【0029】
反射板6の一側縁側には、掛止軸26に対応して掛止軸26が回転可能に掛止されるフック部材28が設けられ、他側縁側には、固定ブラケット27がネジ29にて固定される固定座30が設けられている。これにより、固定ブラケット27のネジ29による固定を解除すると、図3(b)に示すように、掛止軸26とフック部材28との係合関係で、灯具カバー24が掛止軸26を回転中心として回転し、フック部材28に灯具カバー24がぶら下がった状態となる。この状態で、灯具カバー24を持ち上げることで、掛止軸26とフック部材28との係合が解除され、灯具カバー24を取り外すことができる。これにより、清掃や蛍光灯8の交換を容易に行うことができる。また、取り外すことなく、フック部材28に灯具カバー24がぶら下がった状態で、蛍光灯8を交換することも可能である。
【0030】
一方、灯具カバー24を取り付ける場合には、前述した場合とは逆に、まず、灯具カバー24の掛止軸26をフック部材28に掛止させて、フック部材28に灯具カバー24がぶら下がった状態とする。それから、灯具カバー24を、掛止軸26を回転中心として回転するように持ち上げ、最後に固定ブラケット27を固定座30にネジ29にて固定することにより、取り付けることができる。
【0031】
続いて、蛍光灯8と各カバー部材22A,22B,22Bとの関係について図4に基づいて説明する。
【0032】
中央カバー部材22Aは、蛍光灯8の真下中央に蛍光灯8を覆うように配置されている。この中央カバー部材22Aは水平方向に延びるように配置されている。左右の側部カバー部材22B,22Bは、中央カバー部材22Aの左右に対して、蛍光灯8の長手方向に直交する方向にずれて配置されている。そして、2つの側部カバー部材22B,22Bは、水平方向に対してほぼハの字形状に傾斜した状態となっている。よって、下側からは、蛍光灯8を見ることができない、間接照明となっている。
【0033】
カバー部材22A,22B,22Bは、3つとも、不燃性材料(金属材料、例えばアルミニウム合金など)あるいは難燃性材料からなり、同じ形状の押出形材で形成されている。ここで、カバー部材22A,22B,22Bについての不燃性の評価は、周知の、耐着火性の判定基準を定めた国土交通省令「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の第5節車両の火災対策等第83条に準拠した試験(試験方法は2004年12月27日に改正されている。)に合致した材料で構成される。
【0034】
そして、各カバー部材22A,22Bの、蛍光灯8に対向する側の面22Aa,22Baは、鏡面加工が施されている湾曲面とされている。蛍光灯8に対向する側とは反対側の面22Ab,22Bbは、山型を形成する2つの傾斜面部で構成されている。そして、各側部カバー部材22Bの面22Bbに、支持ブラケット25や固定ブラケット27が取り付けられる構成となっている。
【0035】
中央カバー部材22Aは、上側の面22Aa(湾曲面)が鏡面加工が施され反射効率が高い鏡面で、下側の面22Abは塗装面となっている。また、左右の側部カバー部材22Bも、蛍光灯8に対向する面22Ba(湾曲面)が鏡面で、反対側の面22Bbが塗装面となっている。これにより、蛍光灯8からの照明光が、中央カバー部材22Aの上側の面22Aaで放射線状に広がるように反射され、その反射光が側方に位置する側部カバー部材22Bの面22Baにて効率よく当たって反射され、客室内を照明する。また、蛍光灯8からの照明光が側部カバー部材22Bの面22Baによって反射され、灯具5(蛍光灯8)の真下への照明も可能となる。よって、照度の向上が図れ、客室内の必要な範囲を照明することができる。
【0036】
図4に示すような断面において、蛍光灯8の中心を通る中央カバー部材22Aの接線L1,L2と、蛍光灯8の中心を通り中央カバー部材22A側の側部カバー部材22B,22Bに接する接線L3,L4とのなす角度θ1は、10°〜20°とされ、中央カバー部材22Aと側部カバー部材22B,22Bとの間に隙間Sが形成されている。よって、蛍光灯8からの光の一部が、隙間Sから直接光として漏れ出て、客室内の側方を照明するようになっている。また、このような隙間が形成される位置関係では、接線L1,L2のなす角度θ2は、80°〜100°である。蛍光灯8の中心を通り中央カバー部材22Aとは反対側の側部カバー部材22B,22Bに接する接線L5,L6と、接線L3,L4のなす角度θ3は、40°〜50°である。そして、接線L5,L6のなす角度θ4は、140°〜160°である。
【0037】
このような角度関係で灯具カバー24を構成する、カバー部材22A,22B,22Bは、蛍光灯8を保護し、保守しやすく、蛍光灯8を直接見えにくくするデザインで、客室内の適度な照明範囲の確保と適度な照度の確保との両立を図ることが可能となる。
【0038】
続いて、図5に示すように、車両長手方向に2列の灯具を天井部に配置する構成において、一方の列の灯具5、1個のみを配置して、車幅方向にA=506.7mmの間隔の位置P−1,P−2,P−3,P−4,P−5,P−6に示す位置で、かつ床面から高さB=850mmでの照度を測定した。ここで、灯具高さC=1800mm、客室高さD=2270mm、灯具間隔E=1520mmである。なお、使用灯具は、東芝製FHT-41107NK-PM9、蛍光灯は東芝製FLR40SW/Mである。
【0039】
その際に、灯具の車両長手方向の長さは1280mmで、前記一方の列には複数個直列に配列されるので、それらによる影響を計算して、前記実測値に補正係数2.2を乗算したものを実測照度とした。そして、もう一方の列の灯具5’による照度を、実測照度と左右対称の関係になるものとして仮想照度を演算し、それらを合計して、照度(合計照度)を求めた。具体的には、灯具カバーとしては、図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すように側部カバー部材22Bの水平線に対する傾斜角度を0°,30°,45°(比較例1、比較例2、実施例)と変化させた。
【0040】
その結果は、図6(b)、図7(b)、図8(b)に示す通りである。側部カバー部材の傾斜角度が0°から45°へと大きくなるにつれて、位置P−1〜P−6での照度が徐々に大きくなり、傾斜角度45°のとき(図8(a)参照)が最も照度が大きくなることがわかる。そして、側部カバー部材の傾斜角度が45°であれば、床面からB=850mmの位置P−1〜P−6で500lx〜600lxの明るさが得られ、乗客が着席した状態で文字を普通に読むことができる(JIS E 4016、JIS Z 9110参照)。また、床面からの高さBが850mmを超える高さの位置では、より蛍光灯8に近づくので、当然照度が大きくなり、乗客が立った状態で文字を読むのは問題ない。
【0041】
前記実施の形態のほか、本発明は、次のように構成することも可能である。
【0042】
(i)中央カバー部材22A及び側部カバー部材22Bの上面22Aa,22Baは、鏡面加工に代えて、反射効率が高くなる表面処理(例えば、高反射率(93%以上)の白色粉体塗装)が施されている面とすることも可能である。また、この場合には、中央カバー部材22A及び側部カバー部材22Bの上面22Aa,22Baの上面だけでなく、全面を反射効率が高くなる表面処理が施されている面とすることも可能である。
【0043】
(ii)カバー部材22A,22B,22Bを3つとも同じ押出形材を用いる必要はなく、前述した角度の条件を満たすように各カバー部材の形状を変更することは可能である。例えば図9に示すように、プレス成形により、2つの部材31A,31Bからなるカバー部材31とすることも可能である。
【0044】
(iii)グロースタータ方式の安定器9に代えて、通常の車両用灯具の場合と同様に、直流の場合にはインバータを、交流の場合には通常の安定器を用いることができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】鉄道車両の天井部への、本発明に係る鉄道車両用灯具の取付状態を示す概略断面図である。
【図2】前記鉄道車両用灯具を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図3】(a)は灯具カバーの固定状態を示す図、(b)は同固定を解除した状態を示す図である。
【図4】蛍光灯と各カバー部材との関係を示す説明図である。
【図5】試験条件の説明図である。
【図6】比較例1についての結果を示す図である。
【図7】比較例2についての結果を示す図である。
【図8】実施例についての試験結果を示す図である。
【図9】カバー部材の変形例についての説明図である。
【図10】鉄道用灯具の、従来の取付状態示す図1と同様の図である。
【図11】従来例を示す図3(a)と同様の図である。
【符号の説明】
【0046】
5 灯具
6 反射板
8 蛍光灯
21 支持板
22A,22B カバー部材
22Aa,22Ba (蛍光灯8に対向する側の)面
22Ab,22Bb (蛍光灯8とは反対側の)面
24 灯具カバー
26 掛止軸
27 固定ブラケット
28 フック部材
S 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の天井部に設けられる鉄道車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両の天井部に取り付けられる灯具として、例えば図10及び図11に示すように、直管形蛍光灯101の全体を、透光可能な材料で成形される灯具カバー102にて覆い、間接照明を行うようになったものがある。
【0003】
そのような間接照明を行うものとして、灯具カバーが下方に突出する湾曲形状で、両側縁部の複数箇所においてカバー支え金具のフック状の折り曲げ部を介して灯具本体に対して確実に支持されるとともに、その各フック形状の折り曲げ部を外すだけで、灯具本体から灯具カバーを簡単に取り外すことができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この鉄道車両用灯具の灯具カバーは、金属または不燃性の合成樹脂からなる透光性のカバーで、蛍光灯の下半分を覆い隠している。そして蛍光灯が点灯されると、この蛍光灯から下方に投射された光は、灯具カバーで遮られ、直射光として被照射物に照射させることがない。そして、蛍光灯から上方に投射された光は、上側に位置する反射板の反射部によって下方に反射され、間接照明光として被照射物に照射されることになる。
【特許文献1】特開2001−184931号公報(段落0012〜0014および図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような灯具は、灯具カバーが蛍光灯を覆う形状で、間接光のみによる間接照明がなされるので、照度を高めるのが困難であり、また、蛍光灯から上方に投射された光は、上側に位置する反射板の反射部によって下方に反射されるだけであるので、照射範囲が狭くなる傾向にある。
【0006】
そこで、発明者は、灯具カバーを、複数の板状のカバー部材で構成すれば、蛍光灯を覆い隠せるとともに、カバー部材の隙間を通じて蛍光灯より外側にも光を反射させることができることに着想し、客室内の適度な照度でもって、適度な照明範囲を確保することができる本発明を開発するに至ったものである。
【0007】
ところで、現在、鉄道車両の天井部に設けられる鉄道車両用灯具の灯具カバーには、不燃性が求められることから、灯具カバーにガラスなどの使用が考えられるが、その場合には、重量増加になるおそれがある。
【0008】
本発明は、蛍光灯を用いたものにおいて、客室内の適度な照度でもって、適度な照明範囲を確保することができる鉄道車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、反射板の下側に蛍光灯が配置され、その蛍光灯の下側に灯具カバーが配置され、鉄道車両の天井面に、車両長手方向に沿って前記蛍光灯が延びるように取り付けられる鉄道車両用灯具であって、前記灯具カバーは、前記蛍光灯の真下中央に前記蛍光灯を覆うように水平方向に延びる中央カバー部材と、前記中央カバー部材の左右に対して前記蛍光灯の長手方向に直交する方向にずれ、かつ水平方向に対しほぼハの字形状に傾斜している側部カバー部材とを備えることを特徴とする。ここで、側部カバー部材は、中央カバー部材の上方に配置されていても下方に配置されていてもよい。また、中央カバー部材と側部カバー部材とは形状が同一でも、異なっていてもよい。
【0010】
このようにすれば、中央カバー部材の左右に、側部カバー部材がほぼハの字形状に傾斜するように配置することで、蛍光灯を覆う灯具カバーを構成しているので、中央カバー部材と側部カバー部材との間の左右の隙間から蛍光灯の光が漏れ出て側方が照明される。下側位置からは蛍光灯を直接見ることができないので、あたかも間接照明であるかのごとく照明される。また、中央カバー部材と側部カバー部材との間に形成される左右の隙間から蛍光灯の光が漏れ出るので、効率よく照明される。よって、客室内の適度な照度を確保して、適度な照明範囲を確保することができる。
【0011】
請求項2に記載のように、前記灯具カバーは、不燃性材料を用いて成形されている構成とすることができる。
【0012】
このようにすれば、最近鉄道車両の火災対策として灯具カバーに不燃性材料を使用することが義務づけられているので、この義務にも対応することができる。
【0013】
請求項3に記載のように、前記各カバー部材の、前記蛍光灯に対向する側の面は、鏡面加工あるいは反射効率が高くなる表面処理が施されている湾曲面である構成とすることが望ましい。この場合、中央カバー部材及び側部カバー部材の下面については、特に制限はなく、塗装面としてもよいし、生地のままの面(未処理面)としてもよい。
【0014】
このようにすれば、前記蛍光灯に対向する側の面は、鏡面加工あるいは反射効率が高くなる表面処理が施されている湾曲面とされているので、前記湾曲面から、蛍光灯上側の反射板に対し広範囲に亘って光を反射することができ、広範囲の照明を図る上で有利である。
【0015】
請求項4に記載のように、前記蛍光灯の中心を通る前記中央カバー部材の接線と、前記蛍光灯の中心を通り前記中央カバー部材側の前記側部カバー部材に接する接線とのなす角度は、10°〜20°である構成とすることができる。
【0016】
このようにすれば、前記中央カバー部材と左右の側部カバー部材との間に形成される隙間から、適度な光が漏れ出て、照明が行われる。
【0017】
この場合、請求項5に記載のように、前記カバー部材は、3つとも、軽金属材料を用い、同じ形状に形成されている構成とすることができる。
【0018】
このようにすれば、中央カバー部材と側部カバー部材との共通化が図れる。また、カバー部材を剛性がある軽金属材料で形成しているので、清掃時にカバー部材が変形するおそれを回避できる。
【0019】
請求項6に記載のように、前記灯具カバーは、前記カバー部材の各端部が前記支持板に固定されて構成され、前記側部カバー部材の一方において前記反射板に対して回転可能に支持され、他方において前記反射板に取り外し可能に固定されている構成とすることが望ましい。
【0020】
このようにすれば、中央カバー部材及び左右の側部カバー部材の各端部を支持板に固定して灯具カバーとして一体化しているので、灯具カバー全体として簡単に取り外したり、取り付けたりすることができる。よって、清掃や蛍光灯の交換などの作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明は、中央カバー部材の左右に、側部カバー部材がほぼハの字形状に傾斜するように配置することで、蛍光灯を覆う灯具カバーを構成しているので、中央カバー部材と側部カバー部材との間の左右の隙間から蛍光灯の光が漏れ出て側方を照明することができる。また、側部カバー部材の、蛍光灯に対向する側の面で反射される光によって、灯具の真下への照明も可能である。よって、客室内の適度な照度でもって、適度な照明範囲を確保することが可能となり、客室内の適度な照明範囲の確保と適度な照度の確保との両立を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0023】
図1は鉄道車両の天井部への、本発明に係る鉄道車両用灯具の取付状態を示す概略断面図、図2は前記鉄道車両用灯具を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【0024】
図1に示すように、鉄道車両の天井中央付近に矩形状のダクト1が取り付けられ、その側方に、冷風グリル部材2および吊手アッセンブリ3を挟んで内装パネルアッセンブリ4が配置され、その内装パネルアッセンブリ4に、吊手アッセンブリ3に隣接して鉄道車両の天井面に灯具5が取り付けられている。
【0025】
図2(a)(b)(c)に示すように、灯具5は、車両長手方向に延びる反射板6の下側に、ランプソケット7を介して蛍光灯8が支持される一方、上側にグロースタータ方式の安定器9、コンデンサ10、コネクタ11が設けられている。なお、ランプソケット7は、反射板6下側であってそれの長手方向両端付近に配置され、反射板6を挟んで上側のランプソケット受け14にねじ止めされている。
【0026】
反射板6は、安定器9、コンデンサ10、コネクタ11が取り付けられる中央基部6aと、この水平基部6aの両側縁より長手方向側方に延びる取付部6b,6bとを備える。反射板6の上側には断面ハット形状の取付ブラケット12が取り付けられ、それら取付ブラケット12が天井部に対しビス13を介して固定されている。つまり、反射板6は、固定ブラケット12及びビス13を介して天井部に取り付けられている。
【0027】
また、反射板6の長手方向両端付近には、支持板21,21が配置され、これら両支持板21,21に、3つのカバー部材つまり中央カバー部材22Aおよび左右の側部カバー部材22B,22Bがネジにて固定されている。各支持板21は、図3(a)に示すように、下側に位置する長円板状の基板部21Aと、基板部21Aの上側中央部において上方に突出する突出板部21Bとを有し、この突出板部21Bの上縁部に断面逆U字形状の弾性材(図示せず)が嵌め込まれている。よって、支持板部21と反射板6との間には、弾性材が介在することになり、弾性的に接触することとなる。ここで、前記弾性材としては、弾性ゴム材を用いることも可能であるが、不燃性の板バネなどを用いることが望ましい。
【0028】
カバー部材22A,22B,22Bの各端部は、支持板21にネジ23にて固定することで、カバー部材22A,22B,22Bと支持板21,21とは、灯具カバー24として一体化されている。また、一方の側部カバー部材22Bには、中央寄りに2つの断面U字形状の支持ブラケット25を介して掛止軸26が取り付けられ、他方のカバー部材22Bには、前記掛止軸26が設けられる位置に対応して2つの断面ハット形状の固定ブラケット27が取り付けられている。
【0029】
反射板6の一側縁側には、掛止軸26に対応して掛止軸26が回転可能に掛止されるフック部材28が設けられ、他側縁側には、固定ブラケット27がネジ29にて固定される固定座30が設けられている。これにより、固定ブラケット27のネジ29による固定を解除すると、図3(b)に示すように、掛止軸26とフック部材28との係合関係で、灯具カバー24が掛止軸26を回転中心として回転し、フック部材28に灯具カバー24がぶら下がった状態となる。この状態で、灯具カバー24を持ち上げることで、掛止軸26とフック部材28との係合が解除され、灯具カバー24を取り外すことができる。これにより、清掃や蛍光灯8の交換を容易に行うことができる。また、取り外すことなく、フック部材28に灯具カバー24がぶら下がった状態で、蛍光灯8を交換することも可能である。
【0030】
一方、灯具カバー24を取り付ける場合には、前述した場合とは逆に、まず、灯具カバー24の掛止軸26をフック部材28に掛止させて、フック部材28に灯具カバー24がぶら下がった状態とする。それから、灯具カバー24を、掛止軸26を回転中心として回転するように持ち上げ、最後に固定ブラケット27を固定座30にネジ29にて固定することにより、取り付けることができる。
【0031】
続いて、蛍光灯8と各カバー部材22A,22B,22Bとの関係について図4に基づいて説明する。
【0032】
中央カバー部材22Aは、蛍光灯8の真下中央に蛍光灯8を覆うように配置されている。この中央カバー部材22Aは水平方向に延びるように配置されている。左右の側部カバー部材22B,22Bは、中央カバー部材22Aの左右に対して、蛍光灯8の長手方向に直交する方向にずれて配置されている。そして、2つの側部カバー部材22B,22Bは、水平方向に対してほぼハの字形状に傾斜した状態となっている。よって、下側からは、蛍光灯8を見ることができない、間接照明となっている。
【0033】
カバー部材22A,22B,22Bは、3つとも、不燃性材料(金属材料、例えばアルミニウム合金など)あるいは難燃性材料からなり、同じ形状の押出形材で形成されている。ここで、カバー部材22A,22B,22Bについての不燃性の評価は、周知の、耐着火性の判定基準を定めた国土交通省令「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の第5節車両の火災対策等第83条に準拠した試験(試験方法は2004年12月27日に改正されている。)に合致した材料で構成される。
【0034】
そして、各カバー部材22A,22Bの、蛍光灯8に対向する側の面22Aa,22Baは、鏡面加工が施されている湾曲面とされている。蛍光灯8に対向する側とは反対側の面22Ab,22Bbは、山型を形成する2つの傾斜面部で構成されている。そして、各側部カバー部材22Bの面22Bbに、支持ブラケット25や固定ブラケット27が取り付けられる構成となっている。
【0035】
中央カバー部材22Aは、上側の面22Aa(湾曲面)が鏡面加工が施され反射効率が高い鏡面で、下側の面22Abは塗装面となっている。また、左右の側部カバー部材22Bも、蛍光灯8に対向する面22Ba(湾曲面)が鏡面で、反対側の面22Bbが塗装面となっている。これにより、蛍光灯8からの照明光が、中央カバー部材22Aの上側の面22Aaで放射線状に広がるように反射され、その反射光が側方に位置する側部カバー部材22Bの面22Baにて効率よく当たって反射され、客室内を照明する。また、蛍光灯8からの照明光が側部カバー部材22Bの面22Baによって反射され、灯具5(蛍光灯8)の真下への照明も可能となる。よって、照度の向上が図れ、客室内の必要な範囲を照明することができる。
【0036】
図4に示すような断面において、蛍光灯8の中心を通る中央カバー部材22Aの接線L1,L2と、蛍光灯8の中心を通り中央カバー部材22A側の側部カバー部材22B,22Bに接する接線L3,L4とのなす角度θ1は、10°〜20°とされ、中央カバー部材22Aと側部カバー部材22B,22Bとの間に隙間Sが形成されている。よって、蛍光灯8からの光の一部が、隙間Sから直接光として漏れ出て、客室内の側方を照明するようになっている。また、このような隙間が形成される位置関係では、接線L1,L2のなす角度θ2は、80°〜100°である。蛍光灯8の中心を通り中央カバー部材22Aとは反対側の側部カバー部材22B,22Bに接する接線L5,L6と、接線L3,L4のなす角度θ3は、40°〜50°である。そして、接線L5,L6のなす角度θ4は、140°〜160°である。
【0037】
このような角度関係で灯具カバー24を構成する、カバー部材22A,22B,22Bは、蛍光灯8を保護し、保守しやすく、蛍光灯8を直接見えにくくするデザインで、客室内の適度な照明範囲の確保と適度な照度の確保との両立を図ることが可能となる。
【0038】
続いて、図5に示すように、車両長手方向に2列の灯具を天井部に配置する構成において、一方の列の灯具5、1個のみを配置して、車幅方向にA=506.7mmの間隔の位置P−1,P−2,P−3,P−4,P−5,P−6に示す位置で、かつ床面から高さB=850mmでの照度を測定した。ここで、灯具高さC=1800mm、客室高さD=2270mm、灯具間隔E=1520mmである。なお、使用灯具は、東芝製FHT-41107NK-PM9、蛍光灯は東芝製FLR40SW/Mである。
【0039】
その際に、灯具の車両長手方向の長さは1280mmで、前記一方の列には複数個直列に配列されるので、それらによる影響を計算して、前記実測値に補正係数2.2を乗算したものを実測照度とした。そして、もう一方の列の灯具5’による照度を、実測照度と左右対称の関係になるものとして仮想照度を演算し、それらを合計して、照度(合計照度)を求めた。具体的には、灯具カバーとしては、図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すように側部カバー部材22Bの水平線に対する傾斜角度を0°,30°,45°(比較例1、比較例2、実施例)と変化させた。
【0040】
その結果は、図6(b)、図7(b)、図8(b)に示す通りである。側部カバー部材の傾斜角度が0°から45°へと大きくなるにつれて、位置P−1〜P−6での照度が徐々に大きくなり、傾斜角度45°のとき(図8(a)参照)が最も照度が大きくなることがわかる。そして、側部カバー部材の傾斜角度が45°であれば、床面からB=850mmの位置P−1〜P−6で500lx〜600lxの明るさが得られ、乗客が着席した状態で文字を普通に読むことができる(JIS E 4016、JIS Z 9110参照)。また、床面からの高さBが850mmを超える高さの位置では、より蛍光灯8に近づくので、当然照度が大きくなり、乗客が立った状態で文字を読むのは問題ない。
【0041】
前記実施の形態のほか、本発明は、次のように構成することも可能である。
【0042】
(i)中央カバー部材22A及び側部カバー部材22Bの上面22Aa,22Baは、鏡面加工に代えて、反射効率が高くなる表面処理(例えば、高反射率(93%以上)の白色粉体塗装)が施されている面とすることも可能である。また、この場合には、中央カバー部材22A及び側部カバー部材22Bの上面22Aa,22Baの上面だけでなく、全面を反射効率が高くなる表面処理が施されている面とすることも可能である。
【0043】
(ii)カバー部材22A,22B,22Bを3つとも同じ押出形材を用いる必要はなく、前述した角度の条件を満たすように各カバー部材の形状を変更することは可能である。例えば図9に示すように、プレス成形により、2つの部材31A,31Bからなるカバー部材31とすることも可能である。
【0044】
(iii)グロースタータ方式の安定器9に代えて、通常の車両用灯具の場合と同様に、直流の場合にはインバータを、交流の場合には通常の安定器を用いることができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】鉄道車両の天井部への、本発明に係る鉄道車両用灯具の取付状態を示す概略断面図である。
【図2】前記鉄道車両用灯具を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図3】(a)は灯具カバーの固定状態を示す図、(b)は同固定を解除した状態を示す図である。
【図4】蛍光灯と各カバー部材との関係を示す説明図である。
【図5】試験条件の説明図である。
【図6】比較例1についての結果を示す図である。
【図7】比較例2についての結果を示す図である。
【図8】実施例についての試験結果を示す図である。
【図9】カバー部材の変形例についての説明図である。
【図10】鉄道用灯具の、従来の取付状態示す図1と同様の図である。
【図11】従来例を示す図3(a)と同様の図である。
【符号の説明】
【0046】
5 灯具
6 反射板
8 蛍光灯
21 支持板
22A,22B カバー部材
22Aa,22Ba (蛍光灯8に対向する側の)面
22Ab,22Bb (蛍光灯8とは反対側の)面
24 灯具カバー
26 掛止軸
27 固定ブラケット
28 フック部材
S 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射板の下側に蛍光灯が配置され、その蛍光灯の下側に灯具カバーが配置され、鉄道車両の天井面に、車両長手方向に沿って前記蛍光灯が延びるように取り付けられる鉄道車両用灯具であって、
前記灯具カバーは、
前記蛍光灯の真下中央に前記蛍光灯を覆うように水平方向に延びる中央カバー部材と、
前記中央カバー部材の左右に対して前記蛍光灯の長手方向に直交する方向にずれ、かつ水平方向に対しほぼハの字形状に傾斜している側部カバー部材とを備えることを特徴とする鉄道車両用灯具。
【請求項2】
前記灯具カバーは、不燃性材料を用いて成形されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用灯具。
【請求項3】
前記各カバー部材の、前記蛍光灯に対向する側の面は、鏡面加工あるいは反射効率が高くなる表面処理が施されている湾曲面であることを特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両用灯具。
【請求項4】
前記蛍光灯の中心を通る前記中央カバー部材の接線と、前記蛍光灯の中心を通り前記中央カバー部材側の前記側部カバー部材に接する接線とのなす角度は、10°〜20°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両用灯具。
【請求項5】
前記カバー部材は、3つとも、軽金属材料を用い、同じ形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両用灯具。
【請求項6】
前記灯具カバーは、前記カバー部材の各端部が前記支持板に固定されて構成され、
前記側部カバー部材の一方において前記反射板に対して回転可能に支持され、他方において前記反射板に取り外し可能に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両用灯具。
【請求項1】
反射板の下側に蛍光灯が配置され、その蛍光灯の下側に灯具カバーが配置され、鉄道車両の天井面に、車両長手方向に沿って前記蛍光灯が延びるように取り付けられる鉄道車両用灯具であって、
前記灯具カバーは、
前記蛍光灯の真下中央に前記蛍光灯を覆うように水平方向に延びる中央カバー部材と、
前記中央カバー部材の左右に対して前記蛍光灯の長手方向に直交する方向にずれ、かつ水平方向に対しほぼハの字形状に傾斜している側部カバー部材とを備えることを特徴とする鉄道車両用灯具。
【請求項2】
前記灯具カバーは、不燃性材料を用いて成形されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用灯具。
【請求項3】
前記各カバー部材の、前記蛍光灯に対向する側の面は、鏡面加工あるいは反射効率が高くなる表面処理が施されている湾曲面であることを特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両用灯具。
【請求項4】
前記蛍光灯の中心を通る前記中央カバー部材の接線と、前記蛍光灯の中心を通り前記中央カバー部材側の前記側部カバー部材に接する接線とのなす角度は、10°〜20°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両用灯具。
【請求項5】
前記カバー部材は、3つとも、軽金属材料を用い、同じ形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両用灯具。
【請求項6】
前記灯具カバーは、前記カバー部材の各端部が前記支持板に固定されて構成され、
前記側部カバー部材の一方において前記反射板に対して回転可能に支持され、他方において前記反射板に取り外し可能に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両用灯具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−23370(P2009−23370A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185177(P2007−185177)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】
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