鉄道車両輸送システム
【課題】鉄道車両輸送システムにおいて、輸送コストの低減を図ると共に、登り坂または下り坂の走行時の鉄道車両の損傷を防止すること。
【解決手段】鉄道車両輸送システム1は、車両本体5及び車両台車6を一体化した状態の鉄道車両4を載置する輸送台車2と、この輸送台車2を牽引する輸送駆動車3とを備える。輸送台車2は前側輸送台車2Aと後側輸送台車2Bとで構成されている。前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bは、垂直方向に回転可能なヒンジ機構24を介して、車両本体5の前後に取り付けられた車両台車6を支持する構成としている。輸送駆動車3は前側輸送台車2Aを連結しこの前側輸送台車2Aを牽引して鉄道車両4を後側輸送台車2Bと共に搬送する構成としている。
【解決手段】鉄道車両輸送システム1は、車両本体5及び車両台車6を一体化した状態の鉄道車両4を載置する輸送台車2と、この輸送台車2を牽引する輸送駆動車3とを備える。輸送台車2は前側輸送台車2Aと後側輸送台車2Bとで構成されている。前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bは、垂直方向に回転可能なヒンジ機構24を介して、車両本体5の前後に取り付けられた車両台車6を支持する構成としている。輸送駆動車3は前側輸送台車2Aを連結しこの前側輸送台車2Aを牽引して鉄道車両4を後側輸送台車2Bと共に搬送する構成としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両輸送システムに係り、特に、鉄道車両を搭載して道路などを通ってRORO船内に輸送するのに用いられる鉄道車両輸送システムに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄道車両輸送システムとして、図12に示されるものが案出されている。この従来の鉄道車両輸送システム1’は、鉄道車両の車両本体5’を載置する輸送台車2’と、この輸送台車2’を牽引する輸送駆動車3’とを備えて構成されている。この輸送台車2’は前側輸送台車2A’と後側輸送台車2B’とで構成されている。前側輸送台車2A’及び後側輸送台車2B’は、車両本体5’の前後を支持する。輸送駆動車3’は、前側輸送台車2A’を連結し、この前側輸送台車2A’を牽引して車両本体5’を後側輸送台車2B’と共に搬送する。前側輸送台車2A’及び後側輸送台車2B’は、ラバータイヤボギー台車が用いられ、水平方向に回転可能なターンテーブルを介して車両本体5’の前後を支持するものである。
【0003】
而して、鉄道車両は、製造工場で所定の検査などが行われた後、車両本体5’と車両台車とに分割される。分割された車両本体5’は、上記鉄道車両輸送システムを用いて、例えば、道路などを通って港まで輸送され、RORO(ROLL−ON/ROLL−OFF:ロールオン・ロールオフ)船内に積み込まれる。一方、分割された車両台車は、トラックなどを用いて、港まで輸送され、RORO船内に積み込まれる。
【0004】
なお、係る鉄道車両輸送システムに関連する特許文献として、特開昭60−116554号公報(特許文献1)に示された車両の車体用搬送台車が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開昭60−116554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術によれば、クレーンを用いて船に荷役することなくRORO船に積み込むことができるため、クレーンを備えていない港でもRORO船に鉄道車両を積み込み、船で遠方に輸送できると共に、船が目的地に到着してから納品先までの道路などの二次輸送の際に、鉄道車両輸送システム1’により車両本体を搬送できる利点を有する。
【0007】
しかし、この従来技術では、鉄道車両が車両本体5’と車両台車とに分割されてそれぞれが輸送されるため、輸送が煩雑で輸送効率が劣ると共に、船内に車両本体5’と車両台車の両方の積み込みスペースが必要となり、輸送コストの増大を招いていた。
【0008】
さらには、この従来技術では、平坦面から登り坂または下り坂の斜面に至る走行の際、またはこれらの逆走行の際に、前側輸送台車2A’と後側輸送台車2B’との傾斜角度が異なることとなるため、車両本体5’に曲がりや捩じれなどの力が加わり、車両本体が損傷する恐れがあった。
【0009】
本発明の目的は、輸送コストの低減を図ると共に、登り坂または下り坂の走行時の鉄道車両の損傷を防止できる鉄道車両輸送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するために、本発明は、車両本体及び車両台車を一体化した状態の鉄道車両を載置する輸送台車と、前記輸送台車を牽引する輸送駆動車と、を備えた鉄道車両輸送システムにおいて、前記輸送台車は前側輸送台車と後側輸送台車とで構成され、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、垂直方向に回転可能なヒンジ機構を介して、前記車両本体の前後に取り付けられた車両台車を支持し、前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結しこの前側輸送台車を牽引して前記鉄道車両を前記後側輸送台車と共に搬送する構成にしたことにある。
【0011】
係る本発明のより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
(1)前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、水平方向に回転可能なターンテーブルと、このターンテーブルの上に設けられ垂直方向に回転可能なヒンジ機構と、このヒンジ機構の上に設けられて前記車両台車を支持するボルスタと、を備えたこと。
(2)前記(1)において、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、ラバータイヤボギー台車の上に前記ヒンジ機構及び前記ボルスタを備えたこと。
(3)前記(1)において、前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結具を介して連結し、前記連結具は前記輸送駆動車及び前記前側輸送台車に対して水平方向及び垂直方向に回転可能に連結されていること。
(4)前記(1)において、前記ヒンジ機構は、前記ボルスタの下面に設けられたパイプ状のヒンジと、前記ターンテーブルの上面に設置されると共に前記ヒンジを受ける凹面を有する複数のヒンジ受けと、を備えたこと。
(5)前記(1)において、前記ボルスタは、横梁及び縦梁からなるフレームと、このフレームの上面に上方に突出して前記車両台車のフレーム部の下面を当接する一対の支持短柱と、前記フレームの縦梁間にまたがって設置され且つ前記車両台車の車輪の下端部が収納される凹面を有する車輪受けと、を備えたこと。
【発明の効果】
【0012】
本発明の鉄道車両輸送システムによれば、輸送コストの低減を図ると共に、登り坂または下り坂の走行時の鉄道車両の損傷を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態の鉄道車両輸送システムについて図1から図13を用いて説明する。
【0014】
図1〜図5を参照しながら、本実施形態の鉄道車両輸送システムの全体概要を説明する。図1は鉄道車両を載置した状態における本実施形態の鉄道車両輸送システムの側面図、図2は図1の鉄道車両輸送システムの平面図、図3は図1の正面図、図4は図1の鉄道車両輸送システムの前側輸送台車が上り坂に進入した直後の状態の側面図、図5は図4の状態からさらに走行して後側輸送台車が上り坂に進入する直前の状態の側面図である。
【0015】
鉄道車両輸送システム1は、鉄道車両4を搭載して輸送するものであり、例えば、鉄道車両4を搭載して道路などを通って港まで輸送し、RORO船内に積み込み、船が目的地に到着してから納品先までの道路などの二次輸送の際にも用いられる。
【0016】
この鉄道車両輸送システム1は、車両本体5に車両台車6が一体に取り付けられた鉄道車両4を輸送するものであり、車両本体5と車両台車6とを分割して輸送する従来技術と比較して、鉄道車両4のみを輸送すればよく輸送効率に優れていると共に、しかも船内に積み込む場合に鉄道車両4の設置スペースがあればよく積載効率にも優れており、これらによって輸送コストの低減を図ることができる。
【0017】
輸送台車2は前側輸送台車2Aと後側輸送台車2Bとで構成されている。各輸送台車2は、台車本体21と、この台車本体21に取り付けられた4つのタイヤ22と、台車本体21上に設けられ水平方向に回転可能なターンテーブル23と、このターンテーブル23上に設けられ垂直方向に回転可能なヒンジ機構24と、車両台車6を支持するボルスタ25とをそれぞれ備えて構成されている。ここで、水平方向に回転可能とは、垂直軸に対して回転可能と同じことであり、垂直方向に回転可能とは、水平軸に対して回転可能と同じことである。
【0018】
各輸送台車2における台車本体21、タイヤ22及びターンテーブル23は一般的なラバータイヤボギー台車が用いられる。これによって、ヒンジ機構24とボルスタ25を追加するのみで本実施形態の輸送台車2とすることができ、安価に製作できる。なお、タイヤ22は前後左右の4箇所に対となって設置されている。
【0019】
前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bは、車両本体5下面の前側及び後側の位置に設けられた車両台車6のフレーム部をボルスタ25で支持する。
【0020】
輸送駆動車3は、前側輸送台車2を連結具7により連結し、この前側輸送台車2を牽引することにより、鉄道車両4及びこの鉄道車両4を介して後側輸送台車2を輸送する。連結具7は、輸送駆動車3及び前側輸送台車2に対して水平方向及び垂直方向に回転可能に連結されている。
【0021】
鉄道車両輸送システム1の平坦な道路面の走行時は、図1に示すように、輸送駆動車3、輸送台車2及び鉄道車両4の何れも水平状態に保たれて走行される。その状態から、例えば図4に示すように前側輸送台車2Aが上り坂に進入すると、タイヤ22及び台車本体21は上り坂の斜面に沿って傾斜するが、ヒンジ機構24が回動してボルスタ25が水平状態に維持される。これによって、前側輸送台車2Aのボルスタ25と後側輸送台車2Bのボルスタ25がともに水平状態となるため、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらず、鉄道車両4がほぼ水平状態に維持される。
【0022】
この状態から、さらに前側輸送台車2Aが上り坂を登ると、前側輸送台車2Aのボルスタ25の高さが後側輸送台車2Bのボルスタ25の高さより高くなるので、その高くなった分だけ、前側輸送台車2Aのヒンジ機構24が回動してボルスタ25が傾斜すると共に、後側輸送台車2Bのヒンジ機構24が回動してボルスタ25が傾斜する。これによって、前側輸送台車2Aのボルスタ25と後側輸送台車2Bのボルスタ25がともに同じ平面の傾斜状態となるため、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらないで、鉄道車両4が傾斜状態に移行される。
【0023】
この状態から、さらに前側輸送台車2Aが上り坂を登り、図5に示すように後側輸送台車2Bが上り坂に進入する状態になると、前側輸送台車2Aのボルスタ25の傾斜が上り坂の斜面に沿う状態となり、後側輸送台車2Bのボルスタ25の傾斜がこれに合致する状態となる。これによって、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらないで、鉄道車両4の搬送が継続される。
【0024】
この状態から、後側輸送台車2Bが上り坂に完全に進入する状態になると、後側輸送台車2Bのボルスタ25の傾斜が上り坂の斜面に沿う状態となる。これによって、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらないで、鉄道車両4の搬送が継続される。
【0025】
このように、平坦面の走行状態から上り坂の斜面への走行状態に移行しても、ヒンジ機構24及びボルスタ25の動作により、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらず、鉄道車両4が損傷するのを防止することができる。このことは、上り坂の斜面または下り坂斜面の走行状態から平坦面への走行状態に移行する場合、平坦面の走行状態から下り坂の斜面の走行状態に移行する場合などについても同様なことが言える。
【0026】
次に、図6から図8を参照しながら、ターンテーブル23及びヒンジ機構24の詳細を説明する。図6は図1のターンテーブル23の平面図、図7は図6の側面図、図8は図6の右側面図である。
【0027】
ターンテーブル23は、横梁及び縦梁からなるフレーム23aと、このフレーム23aの中心部に設置されたピン23bとを備えて構成されている。フレーム23aの上面には、ヒンジ機構24の一部を構成するヒンジ受け24aが設置されている。
【0028】
フレーム23aは、全体形状が細長く構成され、走行方向に直交する方向に延びるように組立てられる。このフレーム23aは、台車本体21上に載置され、ヒンジ機構24及びボルスタ25を介して鉄道車両4の荷重を受ける。
【0029】
ピン23bはフレーム23aの下面より突出して設けられ、この突出部は台車本体21の上面中心部に形成された穴に回転可能に挿入される。これによって、ターンテーブル23は台車本体21に水平方向に回転可能に支持される。従って、鉄道車両4は台車本体21にターンテーブル23を介して水平方向に回転可能に支持されることとなる。
【0030】
ヒンジ受け24aは、フレーム23aの中心部に設置された部材とその左右両側に設置された部材とからなっている。これらの複数のヒンジ受け24aは上面に凹面24a1が形成されている。これらの凹面24a1は同じ大きさの円弧面で且つ同軸に設けられている。これらの凹面24a1内には、後述するパイプ状のヒンジ24bが回動可能に配置される。なお、ヒンジ受け24aとヒンジ24bによりヒンジ機構24が構成される。
【0031】
次に、図9から図11を参照しながら、ボルスタ25及びヒンジ機構24の詳細を説明する。図9は図1のボルスタ25の平面図、図10は図9の側面図、図11は図9の右側面図である。
【0032】
ボルスタ25は、横梁及び縦梁からなるフレーム25aと、このフレーム25aの上面中央部に上方に突出する一対の支持短柱25bと、フレーム25aの縦梁間にまたがって設置された車輪受け25cとを備えて構成されている。一対の支持短柱25bは左右方向に支持に適した所定の間隔だけ離して設けられている。
【0033】
一対の支持短柱25bの上面に車両台車6のフレーム部の下面が当接されるように、鉄道車両4が前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bの上に載置される。これによって、フレーム25aは支持短柱25bを介して鉄道車両4の荷重を受けることとなる。
【0034】
4つの車輪受け25cは、車両台車6の車輪の外径より若干大きな径を有する凹面25c1を有している。車両台車6の4つの車輪の下端部は、車両台車6が輸送台車2に載置された状態で凹面25c1内に収納される。これによって、鉄道車両4を輸送台車2に低く載置できると共に、鉄道車両4の前後の移動を規制することができる。
【0035】
フレーム25aの下面には、ヒンジ機構24の一部を構成するヒンジ24bが設置されている。このヒンジ24bは、フレーム25aの幅と同じ長さに形成され、フレーム25aの下面より半円部分が突出するように設置されている。この突出したヒンジ24bの半円部分が3つのヒンジ受け24aの凹面24a1内に回転可能に挿入されている。従って、ボルスタ25は、ヒンジ24b及びヒンジ受け24aを介して、垂直面方向に回転可能にターンテーブル23に支持されることとなる。このように、凹面24a1を有する複数のヒンジ受け24aとヒンジ24bとによってヒンジ機構24を構成しているので、簡単に組立てられると共に、確実にヒンジ機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】鉄道車両を載置した状態における本実施形態の鉄道車両輸送システムの側面図である。
【図2】図1の鉄道車両輸送システムの平面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図1の鉄道車両輸送システムの前側輸送台車が上り坂に進入した直後の状態の側面図である。
【図5】図4の状態からさらに走行して後側輸送台車が上り坂に進入する直前の状態の側面図である。
【図6】図1のターンテーブルの平面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図6の右側面図である。
【図9】図1のボルスタの平面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】図9の右側面図である。
【図12】車両本体を載置した状態における従来の鉄道車両輸送システムの側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…鉄道車両輸送システム、2…輸送台車、2A…前側輸送台車、2B…後側輸送台車、3…輸送駆動車、4…鉄道車両、5…車両本体、6…車両台車、7…連結具、21…台車本体、22…タイヤ、23…ターンテーブル、23a…フレーム、23b…ピン、24…ヒンジ機構、24a…ヒンジ受け、24a1…凹面、24b…ヒンジ、25…ボルスタ、25a…フレーム、25b…支持短柱、25c…車輪受け。
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両輸送システムに係り、特に、鉄道車両を搭載して道路などを通ってRORO船内に輸送するのに用いられる鉄道車両輸送システムに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄道車両輸送システムとして、図12に示されるものが案出されている。この従来の鉄道車両輸送システム1’は、鉄道車両の車両本体5’を載置する輸送台車2’と、この輸送台車2’を牽引する輸送駆動車3’とを備えて構成されている。この輸送台車2’は前側輸送台車2A’と後側輸送台車2B’とで構成されている。前側輸送台車2A’及び後側輸送台車2B’は、車両本体5’の前後を支持する。輸送駆動車3’は、前側輸送台車2A’を連結し、この前側輸送台車2A’を牽引して車両本体5’を後側輸送台車2B’と共に搬送する。前側輸送台車2A’及び後側輸送台車2B’は、ラバータイヤボギー台車が用いられ、水平方向に回転可能なターンテーブルを介して車両本体5’の前後を支持するものである。
【0003】
而して、鉄道車両は、製造工場で所定の検査などが行われた後、車両本体5’と車両台車とに分割される。分割された車両本体5’は、上記鉄道車両輸送システムを用いて、例えば、道路などを通って港まで輸送され、RORO(ROLL−ON/ROLL−OFF:ロールオン・ロールオフ)船内に積み込まれる。一方、分割された車両台車は、トラックなどを用いて、港まで輸送され、RORO船内に積み込まれる。
【0004】
なお、係る鉄道車両輸送システムに関連する特許文献として、特開昭60−116554号公報(特許文献1)に示された車両の車体用搬送台車が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開昭60−116554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術によれば、クレーンを用いて船に荷役することなくRORO船に積み込むことができるため、クレーンを備えていない港でもRORO船に鉄道車両を積み込み、船で遠方に輸送できると共に、船が目的地に到着してから納品先までの道路などの二次輸送の際に、鉄道車両輸送システム1’により車両本体を搬送できる利点を有する。
【0007】
しかし、この従来技術では、鉄道車両が車両本体5’と車両台車とに分割されてそれぞれが輸送されるため、輸送が煩雑で輸送効率が劣ると共に、船内に車両本体5’と車両台車の両方の積み込みスペースが必要となり、輸送コストの増大を招いていた。
【0008】
さらには、この従来技術では、平坦面から登り坂または下り坂の斜面に至る走行の際、またはこれらの逆走行の際に、前側輸送台車2A’と後側輸送台車2B’との傾斜角度が異なることとなるため、車両本体5’に曲がりや捩じれなどの力が加わり、車両本体が損傷する恐れがあった。
【0009】
本発明の目的は、輸送コストの低減を図ると共に、登り坂または下り坂の走行時の鉄道車両の損傷を防止できる鉄道車両輸送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するために、本発明は、車両本体及び車両台車を一体化した状態の鉄道車両を載置する輸送台車と、前記輸送台車を牽引する輸送駆動車と、を備えた鉄道車両輸送システムにおいて、前記輸送台車は前側輸送台車と後側輸送台車とで構成され、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、垂直方向に回転可能なヒンジ機構を介して、前記車両本体の前後に取り付けられた車両台車を支持し、前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結しこの前側輸送台車を牽引して前記鉄道車両を前記後側輸送台車と共に搬送する構成にしたことにある。
【0011】
係る本発明のより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
(1)前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、水平方向に回転可能なターンテーブルと、このターンテーブルの上に設けられ垂直方向に回転可能なヒンジ機構と、このヒンジ機構の上に設けられて前記車両台車を支持するボルスタと、を備えたこと。
(2)前記(1)において、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、ラバータイヤボギー台車の上に前記ヒンジ機構及び前記ボルスタを備えたこと。
(3)前記(1)において、前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結具を介して連結し、前記連結具は前記輸送駆動車及び前記前側輸送台車に対して水平方向及び垂直方向に回転可能に連結されていること。
(4)前記(1)において、前記ヒンジ機構は、前記ボルスタの下面に設けられたパイプ状のヒンジと、前記ターンテーブルの上面に設置されると共に前記ヒンジを受ける凹面を有する複数のヒンジ受けと、を備えたこと。
(5)前記(1)において、前記ボルスタは、横梁及び縦梁からなるフレームと、このフレームの上面に上方に突出して前記車両台車のフレーム部の下面を当接する一対の支持短柱と、前記フレームの縦梁間にまたがって設置され且つ前記車両台車の車輪の下端部が収納される凹面を有する車輪受けと、を備えたこと。
【発明の効果】
【0012】
本発明の鉄道車両輸送システムによれば、輸送コストの低減を図ると共に、登り坂または下り坂の走行時の鉄道車両の損傷を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態の鉄道車両輸送システムについて図1から図13を用いて説明する。
【0014】
図1〜図5を参照しながら、本実施形態の鉄道車両輸送システムの全体概要を説明する。図1は鉄道車両を載置した状態における本実施形態の鉄道車両輸送システムの側面図、図2は図1の鉄道車両輸送システムの平面図、図3は図1の正面図、図4は図1の鉄道車両輸送システムの前側輸送台車が上り坂に進入した直後の状態の側面図、図5は図4の状態からさらに走行して後側輸送台車が上り坂に進入する直前の状態の側面図である。
【0015】
鉄道車両輸送システム1は、鉄道車両4を搭載して輸送するものであり、例えば、鉄道車両4を搭載して道路などを通って港まで輸送し、RORO船内に積み込み、船が目的地に到着してから納品先までの道路などの二次輸送の際にも用いられる。
【0016】
この鉄道車両輸送システム1は、車両本体5に車両台車6が一体に取り付けられた鉄道車両4を輸送するものであり、車両本体5と車両台車6とを分割して輸送する従来技術と比較して、鉄道車両4のみを輸送すればよく輸送効率に優れていると共に、しかも船内に積み込む場合に鉄道車両4の設置スペースがあればよく積載効率にも優れており、これらによって輸送コストの低減を図ることができる。
【0017】
輸送台車2は前側輸送台車2Aと後側輸送台車2Bとで構成されている。各輸送台車2は、台車本体21と、この台車本体21に取り付けられた4つのタイヤ22と、台車本体21上に設けられ水平方向に回転可能なターンテーブル23と、このターンテーブル23上に設けられ垂直方向に回転可能なヒンジ機構24と、車両台車6を支持するボルスタ25とをそれぞれ備えて構成されている。ここで、水平方向に回転可能とは、垂直軸に対して回転可能と同じことであり、垂直方向に回転可能とは、水平軸に対して回転可能と同じことである。
【0018】
各輸送台車2における台車本体21、タイヤ22及びターンテーブル23は一般的なラバータイヤボギー台車が用いられる。これによって、ヒンジ機構24とボルスタ25を追加するのみで本実施形態の輸送台車2とすることができ、安価に製作できる。なお、タイヤ22は前後左右の4箇所に対となって設置されている。
【0019】
前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bは、車両本体5下面の前側及び後側の位置に設けられた車両台車6のフレーム部をボルスタ25で支持する。
【0020】
輸送駆動車3は、前側輸送台車2を連結具7により連結し、この前側輸送台車2を牽引することにより、鉄道車両4及びこの鉄道車両4を介して後側輸送台車2を輸送する。連結具7は、輸送駆動車3及び前側輸送台車2に対して水平方向及び垂直方向に回転可能に連結されている。
【0021】
鉄道車両輸送システム1の平坦な道路面の走行時は、図1に示すように、輸送駆動車3、輸送台車2及び鉄道車両4の何れも水平状態に保たれて走行される。その状態から、例えば図4に示すように前側輸送台車2Aが上り坂に進入すると、タイヤ22及び台車本体21は上り坂の斜面に沿って傾斜するが、ヒンジ機構24が回動してボルスタ25が水平状態に維持される。これによって、前側輸送台車2Aのボルスタ25と後側輸送台車2Bのボルスタ25がともに水平状態となるため、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらず、鉄道車両4がほぼ水平状態に維持される。
【0022】
この状態から、さらに前側輸送台車2Aが上り坂を登ると、前側輸送台車2Aのボルスタ25の高さが後側輸送台車2Bのボルスタ25の高さより高くなるので、その高くなった分だけ、前側輸送台車2Aのヒンジ機構24が回動してボルスタ25が傾斜すると共に、後側輸送台車2Bのヒンジ機構24が回動してボルスタ25が傾斜する。これによって、前側輸送台車2Aのボルスタ25と後側輸送台車2Bのボルスタ25がともに同じ平面の傾斜状態となるため、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらないで、鉄道車両4が傾斜状態に移行される。
【0023】
この状態から、さらに前側輸送台車2Aが上り坂を登り、図5に示すように後側輸送台車2Bが上り坂に進入する状態になると、前側輸送台車2Aのボルスタ25の傾斜が上り坂の斜面に沿う状態となり、後側輸送台車2Bのボルスタ25の傾斜がこれに合致する状態となる。これによって、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらないで、鉄道車両4の搬送が継続される。
【0024】
この状態から、後側輸送台車2Bが上り坂に完全に進入する状態になると、後側輸送台車2Bのボルスタ25の傾斜が上り坂の斜面に沿う状態となる。これによって、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらないで、鉄道車両4の搬送が継続される。
【0025】
このように、平坦面の走行状態から上り坂の斜面への走行状態に移行しても、ヒンジ機構24及びボルスタ25の動作により、前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bから鉄道車両4に曲がりや捻りの力が加わらず、鉄道車両4が損傷するのを防止することができる。このことは、上り坂の斜面または下り坂斜面の走行状態から平坦面への走行状態に移行する場合、平坦面の走行状態から下り坂の斜面の走行状態に移行する場合などについても同様なことが言える。
【0026】
次に、図6から図8を参照しながら、ターンテーブル23及びヒンジ機構24の詳細を説明する。図6は図1のターンテーブル23の平面図、図7は図6の側面図、図8は図6の右側面図である。
【0027】
ターンテーブル23は、横梁及び縦梁からなるフレーム23aと、このフレーム23aの中心部に設置されたピン23bとを備えて構成されている。フレーム23aの上面には、ヒンジ機構24の一部を構成するヒンジ受け24aが設置されている。
【0028】
フレーム23aは、全体形状が細長く構成され、走行方向に直交する方向に延びるように組立てられる。このフレーム23aは、台車本体21上に載置され、ヒンジ機構24及びボルスタ25を介して鉄道車両4の荷重を受ける。
【0029】
ピン23bはフレーム23aの下面より突出して設けられ、この突出部は台車本体21の上面中心部に形成された穴に回転可能に挿入される。これによって、ターンテーブル23は台車本体21に水平方向に回転可能に支持される。従って、鉄道車両4は台車本体21にターンテーブル23を介して水平方向に回転可能に支持されることとなる。
【0030】
ヒンジ受け24aは、フレーム23aの中心部に設置された部材とその左右両側に設置された部材とからなっている。これらの複数のヒンジ受け24aは上面に凹面24a1が形成されている。これらの凹面24a1は同じ大きさの円弧面で且つ同軸に設けられている。これらの凹面24a1内には、後述するパイプ状のヒンジ24bが回動可能に配置される。なお、ヒンジ受け24aとヒンジ24bによりヒンジ機構24が構成される。
【0031】
次に、図9から図11を参照しながら、ボルスタ25及びヒンジ機構24の詳細を説明する。図9は図1のボルスタ25の平面図、図10は図9の側面図、図11は図9の右側面図である。
【0032】
ボルスタ25は、横梁及び縦梁からなるフレーム25aと、このフレーム25aの上面中央部に上方に突出する一対の支持短柱25bと、フレーム25aの縦梁間にまたがって設置された車輪受け25cとを備えて構成されている。一対の支持短柱25bは左右方向に支持に適した所定の間隔だけ離して設けられている。
【0033】
一対の支持短柱25bの上面に車両台車6のフレーム部の下面が当接されるように、鉄道車両4が前側輸送台車2A及び後側輸送台車2Bの上に載置される。これによって、フレーム25aは支持短柱25bを介して鉄道車両4の荷重を受けることとなる。
【0034】
4つの車輪受け25cは、車両台車6の車輪の外径より若干大きな径を有する凹面25c1を有している。車両台車6の4つの車輪の下端部は、車両台車6が輸送台車2に載置された状態で凹面25c1内に収納される。これによって、鉄道車両4を輸送台車2に低く載置できると共に、鉄道車両4の前後の移動を規制することができる。
【0035】
フレーム25aの下面には、ヒンジ機構24の一部を構成するヒンジ24bが設置されている。このヒンジ24bは、フレーム25aの幅と同じ長さに形成され、フレーム25aの下面より半円部分が突出するように設置されている。この突出したヒンジ24bの半円部分が3つのヒンジ受け24aの凹面24a1内に回転可能に挿入されている。従って、ボルスタ25は、ヒンジ24b及びヒンジ受け24aを介して、垂直面方向に回転可能にターンテーブル23に支持されることとなる。このように、凹面24a1を有する複数のヒンジ受け24aとヒンジ24bとによってヒンジ機構24を構成しているので、簡単に組立てられると共に、確実にヒンジ機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】鉄道車両を載置した状態における本実施形態の鉄道車両輸送システムの側面図である。
【図2】図1の鉄道車両輸送システムの平面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図1の鉄道車両輸送システムの前側輸送台車が上り坂に進入した直後の状態の側面図である。
【図5】図4の状態からさらに走行して後側輸送台車が上り坂に進入する直前の状態の側面図である。
【図6】図1のターンテーブルの平面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図6の右側面図である。
【図9】図1のボルスタの平面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】図9の右側面図である。
【図12】車両本体を載置した状態における従来の鉄道車両輸送システムの側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…鉄道車両輸送システム、2…輸送台車、2A…前側輸送台車、2B…後側輸送台車、3…輸送駆動車、4…鉄道車両、5…車両本体、6…車両台車、7…連結具、21…台車本体、22…タイヤ、23…ターンテーブル、23a…フレーム、23b…ピン、24…ヒンジ機構、24a…ヒンジ受け、24a1…凹面、24b…ヒンジ、25…ボルスタ、25a…フレーム、25b…支持短柱、25c…車輪受け。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体及び車両台車を一体化した状態の鉄道車両を載置する輸送台車と、
前記輸送台車を牽引する輸送駆動車と、を備えた鉄道車両輸送システムにおいて、
前記輸送台車は前側輸送台車と後側輸送台車とで構成され、
前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、垂直方向に回転可能なヒンジ機構を介して、前記車両本体の前後に取り付けられた車両台車を支持し、
前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結しこの前側輸送台車を牽引して前記鉄道車両を前記後側輸送台車と共に搬送する構成とした
ことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項2】
請求項1において、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、水平方向に回転可能なターンテーブルと、このターンテーブルの上に設けられ垂直方向に回転可能なヒンジ機構と、このヒンジ機構の上に設けられて前記車両台車を支持するボルスタと、を備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項3】
請求項2において、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、ラバータイヤボギー台車の上に前記ヒンジ機構及び前記ボルスタを備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項4】
請求項2において、前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結具を介して連結し、前記連結具は前記輸送駆動車及び前記前側輸送台車に対して水平方向及び垂直方向に回転可能に連結されていることを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項5】
請求項2において、前記ヒンジ機構は、前記ボルスタの下面に設けられたパイプ状のヒンジと、前記ターンテーブルの上面に設置されると共に前記ヒンジを受ける凹面を有する複数のヒンジ受けと、を備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項6】
請求項2において、前記ボルスタは、横梁及び縦梁からなるフレームと、このフレームの上面に上方に突出して前記車両台車のフレーム部の下面を当接する一対の支持短柱と、前記フレームの縦梁間にまたがって設置され且つ前記車両台車の車輪の下端部が収納される凹面を有する車輪受けと、を備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項1】
車両本体及び車両台車を一体化した状態の鉄道車両を載置する輸送台車と、
前記輸送台車を牽引する輸送駆動車と、を備えた鉄道車両輸送システムにおいて、
前記輸送台車は前側輸送台車と後側輸送台車とで構成され、
前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、垂直方向に回転可能なヒンジ機構を介して、前記車両本体の前後に取り付けられた車両台車を支持し、
前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結しこの前側輸送台車を牽引して前記鉄道車両を前記後側輸送台車と共に搬送する構成とした
ことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項2】
請求項1において、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、水平方向に回転可能なターンテーブルと、このターンテーブルの上に設けられ垂直方向に回転可能なヒンジ機構と、このヒンジ機構の上に設けられて前記車両台車を支持するボルスタと、を備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項3】
請求項2において、前記前側輸送台車及び後側輸送台車は、ラバータイヤボギー台車の上に前記ヒンジ機構及び前記ボルスタを備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項4】
請求項2において、前記輸送駆動車は前記前側輸送台車を連結具を介して連結し、前記連結具は前記輸送駆動車及び前記前側輸送台車に対して水平方向及び垂直方向に回転可能に連結されていることを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項5】
請求項2において、前記ヒンジ機構は、前記ボルスタの下面に設けられたパイプ状のヒンジと、前記ターンテーブルの上面に設置されると共に前記ヒンジを受ける凹面を有する複数のヒンジ受けと、を備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【請求項6】
請求項2において、前記ボルスタは、横梁及び縦梁からなるフレームと、このフレームの上面に上方に突出して前記車両台車のフレーム部の下面を当接する一対の支持短柱と、前記フレームの縦梁間にまたがって設置され且つ前記車両台車の車輪の下端部が収納される凹面を有する車輪受けと、を備えたことを特徴とする鉄道車両輸送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−190507(P2009−190507A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31759(P2008−31759)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000153546)株式会社日立物流 (23)
【出願人】(508040452)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000153546)株式会社日立物流 (23)
【出願人】(508040452)
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