説明

鉄錆防止塗料

【課題】錆び落しせず、重ね塗りしても防錆効果を発揮する防錆塗料の提供。
【解決手段】木炭と活性炭のいずれか又は双方の粉炭と、酸化鉄とフェライトのいずれか又は双方の粉体を混合した酸化鉄粉とを、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル等の合成樹脂系エマルジョン接着剤に配合することにより、鉄錆防止性能が著しく優れた防錆塗料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
鉄錆の進行を防止する塗料に関する。
【背景技術】
【002】
鉄錆は酸化還元反応により鉄表面が電子を失ってイオン化し、鉄表面から脱落して行くことで進行する。電気化学的な反応なので、錆が発生するかどうかは電位とPHに依存する。生じたイオンは酸素による鉄酸化物である酸化鉄、または水による含水酸化物である水酸化鉄やオキシ水酸化鉄に変化して鉄表面に堆積する。ゆえに、酸素や水があるところに鉄を放置すると、錆を生じる。錆は自身が水分や汚れを留め、また、鉄鋼表面に凹凸が出来て反応面積が増大するため、一旦生じた錆は加速度的に進行する。
【003】
鉄錆の原因は水や空気であるため、これらの侵入を防除するために水や空気が侵入しないよう、鉄表面を金属粉や樹脂などの分子構造が密な物質で覆う構造にした物が一般的な防錆塗料であった。
【004】
近年は以下の先行技術文献にあるように、遊離する金属イオンを不動態化する塗料も考えられているが、従来品同様に樹脂を使用するため劣化する欠点がある。
【005】
また、すでに錆びた鉄に防錆塗料を塗るためには、錆を落とす必要があり、錆を落とすためには大変な手間を要する。
【先行技術文献】
【006】
【特許文献1】 特願2007−235500に鉄鋼材料に好適に使用できる高耐食性防錆塗料及び高耐食性鉄鋼材料を提供するために、Mg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなるZn合金粒子を30質量%以上分散させた塗料であって、該Zn合金粒子は、一つのピークとその両側の裾野からなる粒径頻度分布を有する粒径分布のピーク粒径が0.05〜5μmまたはピーク粒径が0.01〜5μmの細粒Zn金属粒子と、別の一つのピークとその両側の裾野からなる粒径頻度分布を有する粒径分布のピーク粒径または平均粒径が6〜100μmの粗粒Zn合金粒子とからなり、これら全粒子の総和に占める粒径0.05〜5μmのZn合金粒子の割合が、5〜99体積%であることを特徴とする。また、該塗料を、塗装厚み5〜300μmとなるように塗装した高耐食性鉄鋼材料。
【007】
【特許文献2】 特願2006−160972に防錆力の向上を図るため、アルカリ金属シリケートにホウ酸塩を添加し、無機充填材として、鱗片状で透明なシリカを混合し、これに酸化セリウムを加え、更にトリポリリン酸塩を配合することによって、トリポリリン酸イオンと、被塗物由来の遊離の鉄イオンや亜鉛イオンを化合させて、キレート錯体を生成し、錆発生の原因となる遊離の金属イオン類を不動態化することで、錆の発生を抑止する。
【008】
【特許文献3】 特願平06−196914に、一次防錆塗料組成物は、シロキサン系結合剤(a)と、顔料としての亜鉛末(b)と、亜鉛末以外の顔料(c)としての酸化第二鉄(Fe2O3)源およびモリブデン化合物(モリブデン金属を含む)とを含有することを特徴としているものはある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【009】
鉄は安価で、加工性の良さ、強度、粘りなど金属として優れた性質であるが、放置していると錆びる性質があり、特に電解水に接すると錆びが急速に促進される欠点がある。
【010】
錆びを抑制するために、一般的には塗料を塗装して水や酸素の侵入を抑制しているが、完全に阻止できない。更に、塗料成分の多くは樹脂であるため、一定期間後劣化して水や酸素が侵入し易くなって長期間錆を防止できない。
【011】
特に海水中などの電解水中で使用する場合の錆の進行は早い。
【012】
また、すでに錆びた鉄に防錆塗料を塗る場合、錆をきれいに落とす必要があり、この錆を落とすために大変な手間を要していた。
【013】
最近では、遊離する金属イオンを不動態化する塗料も考えられているが、樹脂を多く使用するため劣化する欠点があり、塗装の劣化を防ぐ方法は見つかっていない。
【014】
木炭や活性炭は紫外線を吸収するため、これらを一定量以上使用した塗料を使用すると、長期間塗装が保持できる。しかし、木炭や活性炭は、使い捨てカイロで公知のように、酸素や水の侵入を促進して、錆の進行を促す働きをすると考えられている。
【015】
一方で木炭には強い触媒作用があることが最近判明している。
【016】
発明者は低コストで木炭や活性炭を液化して、様々な物に塗布して炭含有重量比率が60%以上の炭層を得ることができる技術を基礎にして、特に触媒として利用できる商品化技術を開発している。
【017】
本発明でいう炭は、木炭と活性炭の双方またはいずれかであり、木炭は植物原料の炭化物であり、活性炭は液相用、気相用のものである。
【018】
酸化鉄、フェライト伴に鉄の酸化物ではあるが、フェライトは結晶構造を有するセラミックスであり、酸化鉄は結晶構造がない金属で、お互いに異なる物質である。
【課題を解決する手段】
【019】
発明者は、赤く錆びた鉄に炭塗料を塗装すると、錆びの進行が激減することを発見した。
【020】
赤く錆びた部分は第二酸化鉄(Fe2O3)や水酸化鉄(Fe(OH)2)やオキシ水酸化鉄(FeOOH)であると推測される。
【021】
そこで錆びた部分に直接塗るのではなく、鉄錆と炭塗料を配合して塗れば,更に防錆効果が向上し、錆びた鉄も錆びていない鉄も錆の進行は止まると考えた。
【022】
そして、赤く錆びた鉄に炭塗料を塗るのと同様の構成になるように、炭塗料に酸化鉄を混合して塗料化した。一方で炭塗料にフェライトを加えて混合して塗料化した。この2種類の塗料を用いて防錆実験した結果、双方とも錆の進行が著しく遅くなることが判明した。
【023】
実験結果からは酸化鉄を加えた物も、フェライトを加えた物もほぼ同じ防錆効果であったが、このように性質が異なる物質が同じ防錆効果であった理由は判明していない。
【024】
炭、酸化鉄、フェライトの配合比を変えての実験や、炭化温度や原料の違う炭での実験を繰り返す中で、ある配合の範囲内では錆が全く進行しなくなることも発見した。
【025】
活性炭は触媒および触媒担体として広く用いられているが、それは活性炭に存在するラジカルや表面官能基の存在および活性炭自体の電子移動触媒としての働きがその機能発現に寄与していると考えられる。活性炭自体が持つ触媒機能としては、酸化還元、ハロゲン化、脱ハロゲン化、脱水素、分解、異性化、重合などあり、担体としても多くの例が報告されている。このような作用は木炭にも存在すると予想される。また、選択吸着性あるいは触媒作用は極めて強い温度依存性を示す。
【026】
木材を600℃で炭化した木炭はNOxを85〜98%の窒素(N2)と2〜15%の一酸化窒素(NO)に変化して無害化する働きがあることが、最近解明された。流速100ml/分、100〜600ppmの二酸化窒素(NO2)を0.5gのスギ木炭粉中を通過させることにより、炭化温度600℃の木炭によって85〜98%の窒素(N2)への変化と2〜15%の一酸化窒素(NO)へのそれに加えて少量の一酸化炭素(CO)および酸化二窒素(N2O)を生成し、顕著なNOxの無害化機能の存在がある。
【027】
この機能は800〜1500℃炭化木炭では1/3〜1/5にまで低下する。
【028】
また、ホルムアルデヒド類、ケトン類やアルコール類を吸着する木炭の性能は、市販3種類の活性炭のそれより優れており、0.5gの1000℃木炭粉末中を500〜900ppmのホルムアルデヒドを100ml/分で通過させるとホルムアルデヒドの流出はなく、メチルアルコール、一酸化炭素が検出さる。これはホルムアルデヒドが分解されたことであり、木炭表層の化学作用または触媒作用と予想される。
【029】
活性炭は室温でオゾンをOHラジカルに変化させることは公知であり、排水処理などに使用されている。木炭も同じようにオゾンをOHラジカルに変化させると考えられる。このように活性炭や木炭は炭化温度によって多様な機能を現わす触媒と考えられる。
【030】
そして、自由電子の状態から、木炭の触媒機能は活性炭のそれ以上であり、炭化温度が600〜750℃の半導体の時が優れていると推測される。
【031】
一方で、木炭や活性炭は酸素を吸着する性質から、酸化を促進するためにカイロなどに使用されていることは公知であり、通常、鉄錆を進行させる方向に働く。
【032】
プラチナ、パラジュウム、ロジュウムなどの触媒金属は室温でも酸素を解離吸着し、酸化力の強い原子酸素をつくって有害物を酸化して除去する。しかし、これらを使用しても室温では触媒作用は持続しない。
【033】
その原因は、これらの金属が一酸化炭素を強く吸着するために、金属表面が一酸化炭素によって覆われて、酸素が吸着できなくなるためである。
【034】
反応温度を高くすると、吸着一酸化炭素が離脱して酸素が吸着できるようになり、酸化反応が進行する。そこで、室温付近の低温で酸化反応を行うためには一酸化炭素をあまり強く吸着しない触媒が望ましいが、そのような触媒は酸化力が弱い。
【035】
木炭には強い触媒作用があるが、触媒を失活させる一酸化炭素のような触媒毒はなく、触媒作用は永続的に持続する。
【036】
木炭のこのような触媒作用は、触媒金属の専ら酸化反応による触媒作用と違って、主に還元に働き、時には酸化に働く触媒と発明者は考えた。そして、鉄錆の上に木炭塗料を塗ると錆が進行しない経験から、鉄表面を炭と酸化鉄の混合物で覆うと、還元に働くために酸化反応が起こらなくなると考えた。
【037】
そこで、例えば、木炭と活性炭のいずれか又は双方の粉体と、酸化鉄とフェライトのいずれか又は双方の粉体を混合した混合粉体7を得、塗料化するためにエチレン酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を混合して鉄錆防止塗料7を得た。この時の混合粉体7は、木炭と活性炭のいずれか又は双方が10に対して、酸化鉄とフェライトのいずれか又は双方は1〜15の比率が望ましく、3〜5が最も望ましい。
【038】
鉄錆防止塗料を得るためには、木炭や活性炭や酸化鉄やフェライトの粉体を用いる。炭、酸化鉄ともに粒径は防錆効果には大きく関わらないが、コスト面や使い勝手から、木炭や活性炭は10μm〜100μmの粒度が望ましく、20〜40μmが最も望ましい。酸化鉄やフェライトは6μm〜100μmの粒度が望ましく、10〜30μmが最も望ましい。接着剤には水性エマルジョン樹脂を用いる。
【039】
一方で、塗料は樹脂を使用するため紫外線などの影響で経時的に劣化が進行するが、木炭や活性炭は紫外線を吸収するため、これらを一定以上使用した塗料を使用すると、樹脂の劣化を抑制して塗装の耐久期間を著しく伸ばすことができる。
【040】
更に、従来は錆びた鉄に防錆処理を行う場合は、錆を落とした後に実施しなければならないが、本発明では酸化鉄やフェライトと木炭や活性炭の特殊な電気化学反応を利用したものであるため、すでに鉄錆を生じている上に塗っても、それ以上の錆の進行がない。
【041】
接着剤にクエン酸を少量加えると、鉄イオンのキレート錯体の生成を促進して、遊離する金属イオン類をさらに抑制でき、錆の抑止効果を向上することができる。
【発明の効果】
【042】
(1)本鉄錆防止塗料を塗装した鉄鋼材は錆びない。
(2)従来、錆びた鉄鋼材に塗装する場合、錆を落とす手間に多くの時間とコストを要していたが、本鉄錆防止塗料は錆を落とす必要はなく、錆の上から塗装するだけで錆の進行が停止できる。
(3)塗装が劣化しないためにメンテナンスが不要である。
【発明を実施するための形態】
【043】
防錆材として求められる必要条件は
(1)水中でも塗料幕の強度と性質を失わない、
(2)コストが安い。
(3)塗装は一定以上の強度があり、一定期間劣化しない。
(4)接着性がよく剥離しない。
(5)有害物質を溶出しない、
(6)防錆効果が一定期間以上持続する、
(7)使い勝手が良い
である。
【044】
更に望ましい条件は
(1)錆びた上から塗れる。
(2)長期間防錆効果が持続する。
である。従来の防錆塗料は必要条件を概ね満たしているが、更に望ましい条件は満足されていない。
【実施例】
【045】
そこで、望ましい条件を満足するために、鉄錆防止塗料の製造方法と成分構成を具体的に説明する。
【実施例1】
【046】
(1)炭化温度650℃の杉材の木炭を粒径100μmに加工して木炭粉1を得る。
(2)粒径30μmの酸化鉄と粒径30μmのフェライトを10:5の比率で混合した酸化鉄粉1を得る。
(3)粉炭1:酸化鉄粉1を2:1の割合で混合して混合粉1を得る。
(4)混合粉1とエチレン酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を1:1の重量比で配合して鉄錆防止塗料1を得る。
(5)この鉄錆防止塗料1を錆びた鉄鋼材に塗装する。塗料が乾燥するとエマルジョン接着剤中に約50%ある水分が蒸発して、混合粉が約67%重量比率で厚さが10〜1000μmの鉄錆防止塗料の塗装ができ錆と強固に絡み合って接着し剥がれない。鉄錆防止塗料1を塗装した鉄鋼材は錆びが進行しない。
【047】
塗装の厚さは防錆効果には大きく影響しないが、10〜1000μmが望ましく、200μm〜400μmが最も望ましい。塗料は鉄や鉄錆と強固に接着して剥がれることなく汚れない。
【048】
鉄錆防止塗料1に使用した接着剤は、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン接着剤であり、望ましい接着剤であるが、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤でもよい。使用するフェライトは軟磁性、硬磁性のいずれか又は双方でもよく、鉄錆防止塗料1の強度や接着性や防錆機能を向上するために有効な添加物があれば使用してもよい。
【実施例2】
【049】
(1)炭化温度650℃の杉材の木炭と炭化温度600℃のクヌギの木炭を50μmの粒状にして重量比率1:1で混合して木炭粉2を得る。
(2)この木炭粉2とクラレケミカル製液相用活性炭GWGを重量比2:1で混合して粉炭2を得る。
(3)粉炭2と粒径30μmの酸化鉄を1:0.8の重量比で混合して混合粉2を得る。
(4)混合粉2とアクリル樹脂系エマルジョン接着剤を1:1の重量比で配合して鉄錆防止塗料2を得る。
(5)この鉄錆防止塗料2を鉄鋼材に塗装する。塗料が乾燥するとエマルジョン接着剤中に約50%ある水分が蒸発して、混合粉が約67%重量比率で厚さが10〜1000μmの鉄錆防止塗料の塗装ができる。鉄錆防止塗料2を塗装した鉄鋼材は錆びない。
【050】
鉄錆防止塗料2に使用した接着剤は、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤であり、望ましい接着剤であるが、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤でもよい。また、鉄錆防止塗料1の強度や接着性や防錆機能を向上するために有効な添加物があれば使用してもよい。
【051】
本実施例では粉末木炭原料に杉材とクヌギ材を使用したが、松材や樫材や竹材など植物原料であればよく、炭化温度は自由電子の多い600〜800℃近傍が望ましいが、400〜1200℃の範囲であればよい。また、活性炭はどのようなものを使用してもよい。
【実施例3】
【052】
(1)炭化温度650℃の杉材の木炭と炭化温度600℃で800℃賦活のヤシガラ活性炭を50μmの粒状にし、重量比率1:1で混合して粉炭3を得る。
(2)粒径40μmの酸化鉄と粒径30μmのフェライトを1:0.4の重量比で混合して酸化鉄粉3を得る。
(3)粉炭3と酸化鉄粉3を重量比2:1で配合して混合粉3を得る。
(4)この混合粉3とエチレン酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を1:1.2の重量比で配合して鉄錆防止塗料3を得る。
(5)この鉄錆防止塗料3を鉄鋼材に塗装する。塗料が乾燥すると、厚さが10〜1000μmの鉄錆防止塗料の塗装ができる。鉄錆防止塗料3を塗装した鉄鋼材は錆びない。
【053】
鉄錆防止塗料3に使用した接着剤は、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン接着剤であり、望ましい接着剤であるがアクリル樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤でもよい。また、使用するフェライトは軟磁性、硬磁性のいずれか又は双方でもよく、鉄錆防止塗料1の強度や接着性や防錆機能を向上するために有効な添加物があれば使用してもよい。
【054】
本実施例では粉炭原料に杉材木炭とヤシガラ活性炭を使用したが、ヤシガラ以外のどのような活性炭でもよい。また炭化温度は自由電子の多い600〜800℃近傍が望ましいが、400〜1200℃の範囲であればよく、賦活温度は500〜2000℃の範囲であればよい。
【産業上の利用可能性】
【055】
本発明の鉄錆防止塗料は低価格で使い勝手がよいために、鉄構造物の錆の進行を停止させるため広く利用できる。特に錆を落とす手間とコストを要しないため、既存の構築物などのサビた部分に容易に施行でき利用範囲が広い。また、該鉄錆防止塗料を塗った塗料膜は劣化しないために、ステンレス同様に防錆効果は半永久的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木炭と活性炭のいずれか又は双方の粉炭と、酸化鉄とフェライトのいずれか又は双方の粉体を混合して得た混合粉体と、これに合成樹脂系エマルジョン接着剤を配合したことが特徴である鉄錆防止塗料である。合成樹脂系エマルジョン接着剤はアクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系などの合成系接着剤中のエマルジョン接着剤であればよい。混合粉体の配合重量比率は、木炭と活性炭のいずれか又は双方が10に対して、酸化鉄とフェライトのいずれか又は双方は3〜5が最も望ましく、1〜15が望ましい。混合粉体と合成樹脂系エマルジョン接着剤の配合重量比率は10:6〜15の範囲が望ましい。また、木炭と活性炭の粒径は10〜100μmが望ましく、40μm〜60μmが最も望ましく、酸化鉄、フェライトの粒径は6〜100μmが望ましく、10〜30μmが最も望ましい。
【請求項2】
請求項1の鉄錆防止塗料を、塗装厚み10〜1000μmとなるように塗装した耐食性鉄鋼材料。

【公開番号】特開2012−82376(P2012−82376A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239037(P2010−239037)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(598095042)株式会社森林研究所 (24)
【Fターム(参考)】