鉛直荷重の分散性を高めたポータルラーメン橋
【課題】ポータルラーメン橋20において、全体構造を簡素化しつつ鉛直荷重を分散させ、橋台の過度な沈下を抑制する。
【解決手段】
左側橋台21と右側橋台22と主桁23とを備え、左側橋台21及び右側橋台22と主桁23とを剛結合したポータルラーメン橋20であって、左側橋台21の外側表面21a及び右側橋台22の外側表面22aが、上方に向かう程に他方の橋台から離れる方向へ傾いていることを特徴とする。そして、各外側表面21a,22aに隣接して補強盛土30が設けられていることが好ましい。さらに、各外側表面21a,22aが階段状傾斜面として構成され、補強盛土30の階段状端部と嵌めあわされていることが好ましい。
【解決手段】
左側橋台21と右側橋台22と主桁23とを備え、左側橋台21及び右側橋台22と主桁23とを剛結合したポータルラーメン橋20であって、左側橋台21の外側表面21a及び右側橋台22の外側表面22aが、上方に向かう程に他方の橋台から離れる方向へ傾いていることを特徴とする。そして、各外側表面21a,22aに隣接して補強盛土30が設けられていることが好ましい。さらに、各外側表面21a,22aが階段状傾斜面として構成され、補強盛土30の階段状端部と嵌めあわされていることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛直荷重の分散性を高めたポータル(門型)ラーメン橋に関する。
【背景技術】
【0002】
図13(a)に示すように、単純支持構造の桁橋(単純桁橋)100では、支承101を有する一対の橋台102により、上部構造である主桁103の両端を支持し、支承101の滑り作用によって主桁103の変形を吸収している。また、単純桁橋100では、荷重の大きさや地震等の要因によって橋台102も変形する。ここで、橋台102には橋の中央側に向けて土圧が加わっており、これに対抗するために大型のフーチング104を備えている。そして、この大型のフーチング104により、地盤Gの支持力も大きなものとなっている。
【0003】
一方、図13(b)に示すように、橋台111と主桁112とを剛結合したポータルラーメン橋110の構造形式もある。ポータルラーメン橋110とすることにより、一対の橋台111が主桁112を介して一体化されるため、橋桁と橋台の取り合い部の構造を単純化でき、橋全体の剛性を高めることができるとともに、橋台111の変形を抑制できるので、橋台111の変形防止の目的では大型のフーチングが不要となる。しかし、このようなポータルラーメン橋110では、鉛直荷重が各橋台111の底部に集中することになり、長期間に亘る使用によって橋台111の過度な沈下が生じるおそれがある。
【0004】
橋台111の過度な沈下を抑えるためには、図13(c)に示すように、各橋台111の底部に基礎杭113を埋設したりすることが一般的である(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−321452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、各橋台111の底部に基礎杭113を埋設したりすることは、その分だけラーメン橋110の全体構造が複雑になるので好ましくない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポータルラーメン橋の全体構造を簡素化しつつ鉛直荷重を分散させ、橋台の過度な沈下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、一対の橋台と主桁とを備え、前記一対の橋台と前記主桁とを剛結合したポータルラーメン橋であって、一方の橋台は、他方の橋台とは反対側に位置する外側表面が、上方に向かう程に前記他方の橋台から離れる方向へ傾いていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、橋台の外側表面がオーバーハングするように傾斜しているので、この傾斜面によって鉛直荷重を地盤や盛土に分散させることができる。これにより、基礎杭を埋設する等の対策が必要なくなり、全体構造を簡素化しつつ鉛直荷重を分散させることができ、橋台の過度な沈下を抑制できる。
【0010】
また、本発明に係るポータルラーメン橋において、前記橋台の外側表面に沿って補強盛土を設けた場合には、補強盛土によって地盤を自立させることにより、橋台構築の際の地盤側型枠設置作業を省力化することができる。
【0011】
また、本発明に係るポータルラーメン橋において、前記橋台の外側表面に近い側の端部が階段状となるように積層することで、前記補強盛土が設けられ、前記橋台の傾斜面が、前記補強盛土の階段状端部に嵌る階段形状に形成された場合には、橋台からの鉛直荷重を効果的に地盤へ伝達することができる。
【0012】
また、本発明に係るポータルラーメン橋において、前記橋台の外側表面における傾斜角度を、前記橋台に作用する鉛直荷重を受ける地盤の面積と、前記ポータルラーメン橋の幅と、前記地盤における鉛直荷重の分散角度に基づいて定めるようにした場合には、橋台に作用する鉛直荷重を地盤で確実に支持できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポータルラーメン橋において、全体構造を簡素化しつつ鉛直荷重を分散させることができ、橋台の過度な沈下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ポータルラーメン橋の概略を説明する図である。
【図2】左側橋台と地盤との境界部分を示す部分拡大図である。
【図3】ポータルラーメン橋の具体例を説明する図である。
【図4】橋台と改良盛土を説明する部分拡大図である。
【図5】図3に示すラーメン橋の構築手順を説明する図であり、地盤Gを掘削した状態を示す。
【図6】同じく構築の説明図であり、最下層の締固め層を設けた状態を示す。
【図7】同じく構築の説明図であり、2層目の締固め層を設けた状態を示す。
【図8】同じく構築の説明図であり、全ての締固め層を設けた状態を示す。
【図9】同じく構築の説明図であり、橋台を構築した状態を示す。
【図10】同じく構築の説明図であり、主桁を構築した状態を示す。
【図11】変形例を説明する図であり、(a)は地盤と橋台との空間を途中まで埋め戻した状態を示し、(b)は地盤と橋台との空間を全部埋め戻した状態を示す。
【図12】他の変形例を説明する図であり、(a)はポータルラーメン橋の片側半部と補強盛土とを示し、(b)は橋台の外側表面近傍を拡大して示す。
【図13】従来技術を説明する図であり、(a)は単純桁橋を示し、(b)はポータルラーメン橋を示し、(c)は基礎杭の上に構築されたポータルラーメン橋を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、図1を参照して本発明におけるポータルラーメン橋10の概略について説明する。
【0016】
図1に示すポータルラーメン橋10は、左右一対の橋台11,12と、これら橋台11,12同士の間に架け渡される主桁13とを有している。そして、主桁13と各橋台11,12とが剛結合されて門型になっている。便宜上、以下の説明では、図中左側に位置する橋台を左側橋台11といい、図中右側に位置する橋台を右側橋台12という。また、主桁13における左側橋台11と右側橋台12との中間位置を橋の中央とし、左側橋台11及び右側橋台12から見て橋の中央側を内側といい、反対側を外側という。
【0017】
図13(b)との対比から判るように、図1のポータルラーメン橋10では、左側橋台11の外側表面(すなわち左側部)11a、及び、右側橋台12の外側表面(すなわち右側部)12aが、それぞれ外側に向かってオーバーハングされ、ポータルラーメン橋10の全体が地盤Gに対して楔状に構成されている点に特徴を有している。すなわち、左側橋台11の外側表面11aは、上方に向かう程に左側へ向けて張り出すように傾斜(つまり右側橋台12から離れる方向へ傾斜)されている。同様に、右側橋台12の外側表面12aは、上方に向かう程に右側へ向けて張り出すように傾斜(つまり左側橋台11から離れる方向へ傾斜)されている。
【0018】
このように、左側橋台11及び右側橋台12の各外側表面11a,12aを傾斜面とすることにより、各外側表面11a,12aの全体で鉛直荷重を地盤Gに伝えることができる。例えば、図2に示すように、外側表面11aにおける或る点Pに作用した鉛直荷重は、荷重の分散角度θ1で拡がりながら地盤G内を伝わっていく。すなわち、傾斜した外側表面11a,12aによって、各橋台11,12に加わる鉛直荷重を広範囲に分散させて地盤Gに伝えることができる。これにより、基礎杭を埋設する等の対策が必要なくなり、全体構造を簡素化しつつも各橋台11,12の過度な沈下を抑制できる。
【0019】
なお、一般的な砂質地盤における分散角度θ1は約30度である。そして、硬い地盤であれば分散角度θ1は30度よりも小さくなり、反対に軟弱な地盤であれば分散角度θ1は30度よりも大きくなる。
【0020】
ここで、各橋台11,12における外側表面11a,12aの傾斜角度について説明する。以下の説明は左側橋台11についてのものであるが、右側橋台12についても同様にあてはまる。
【0021】
図1に示すように、左側橋台11に作用する鉛直荷重は、符号Bで示す面積の地盤Gで受けることになる。具体的には、左側橋台11の右下端(内側下端点)A1を始点に水平方向へ引いた仮想線X1と、左側橋台11の左上端(外側上端点)A2を始点に分散角度θ1で左斜め下方に向けて引いた仮想線X2とが交差する交点A3を定めたとき、点A1から点A3までの距離Lにポータルラーメン橋10の幅(紙面奥行方向の寸法)を乗じて得られる面積Bの地盤Gが、左側橋台11に作用する鉛直荷重を受けることになる。
【0022】
面積Bで受ける荷重は等分布ではないが、この面積Bが大きくなる程、分布荷重の最大値は小さくなる。そして、分布荷重の最大値が地盤許容支持力度よりも小さければ、面積Bの地盤Gによって左側橋台11を支持できる。このことから、左側橋台11の外側表面11aにおける傾斜角度θ2は、左側橋台11に作用する鉛直荷重を受ける地盤Gの面積Bと、ポータルラーメン橋10の幅と、地盤Gにおける鉛直荷重の分散角度θ1および荷重条件に基づいて定められることが判る。例えば、分布荷重の最大値が地盤許容支持力度よりも小さくなるように面積Bを定め、この面積Bから各点A2,A3を求める。また、点A1から左側橋台11における底面の分だけ外側の位置に点A1´を定める。この場合、点A1´と点A2とを結ぶ仮想線X3の角度が、外側表面11aの傾斜角度θ2に相当する。
【0023】
次に、ポータルラーメン橋の具体例について説明する。
【0024】
図3に示す具体例のポータルラーメン橋20もまた、左側橋台21と、右側橋台22と、主桁23とを有しており、主桁23と各橋台21,22とが剛結合されて門型になっている。図4に拡大して示すように、左側橋台21の外側表面21aは、階段状傾斜面によって構成されている。すなわち、この外側表面21aは、上下方向に交互に並ぶ垂直面21bと水平面21cによって構成され、全体として傾斜面を構成している。なお、図3に示すように、右側橋台22の外側表面22aについても同様に、垂直面22b及び水平面22cを有する階段状傾斜面によって構成されている。
【0025】
左側橋台21の外側(左側)及び右側橋台22の外側(右側)には、それぞれ補強盛土30が設けられている。この補強盛土30は、各橋台21,22に近い側の端部表面が補強シート31で覆われた締固め層32を、各端部が階段状となるように積層することで設けられている。そして、階段状傾斜面とされた左側橋台21及び右側橋台22の外側表面21a,22aは、それぞれ、補強盛土30の階段状端部に嵌っている。すなわち、各橋台21,22に接する補強盛土30は、階段状傾斜面を構成する垂直面21b及び水平面21cと隙間なく接している。
【0026】
このポータルラーメン橋20では、各橋台21,22の外側表面21a,22aに沿って補強盛土30が設けられているので、各橋台21,22に対する支持力を高めることができる。また、各外側表面21a,22aが階段状傾斜面で構成され、補強盛土30の階段状端部に嵌っている。このため、鉛直荷重を分散できるとともに、各外側表面21a,22aと補強盛土30との間で生じる滑りを抑制できる。すなわち、鉛直荷重は、階段状傾斜面の各水平面21cを下方向に押し下げる力となるので、各橋台21,22からの鉛直荷重を効果的に地盤Gへ伝達できるし、滑りを抑制しつつ荷重を分散できる。また、各水平面21cが上下方向に位置をずらして設けられているので、水平方向だけでなく、垂直方向にも荷重を分散させることができる。
【0027】
なお、図1で説明したポータルラーメン橋10と比較した場合、鉛直荷重の分散が点Pで行われるか、水平面21c,22cで行われるかの違いはあるが、分散角度θ1で鉛直荷重が分散されている点については同じである。このため、各外側表面21a,22aの傾斜角度も、前述したように、面積B(図1参照)の地盤Gの大きさに基づいて定めることができる。
【0028】
次に、具体例のポータルラーメン橋20の構築手順について説明する。なお、以下の説明では、ポータルラーメン橋20における左側半部の構築手順について説明するが、右側半部についても同様の手順で構築される。
【0029】
この構築手順では、まず図5に示すように、左側橋台21及び補強盛土30が構築される範囲Yの地盤Gを掘削して除去する。地盤Gを除去したならば、図6に示すように、最下層の締固め層32Aを設ける。この締固め層32Aは、掘削で形成された法面Gaから左側橋台21の構築予定位置まで一連に設けられる。また、締固め層32Aにおける左側橋台21側の端部表面は、補強シート31Aで覆われている。この補強シート31Aは、締固め層32Aの端部が崩れないように保持するためのものであり、締固め層32Aの下面と端面と上面に沿ってコ字状に折り返されている。
【0030】
最下層の締固め層32Aを設けたならば、2層目の締固め層32Bを設ける。2層目の締固め層32Bを設けるに際し、その端部は、最下層の締固め層32Aの端部よりも左側橋台21から離れた位置に定められる。言い換えれば、階段状となるように各締固め層32A,32Bの端部が位置をずらして設けられている。2層目の締固め層32Bを設けることで、最下層の締固め層32Aの端部を覆う補強シート31Aが押圧状態で固定される。これにより、最下層の締固め層32Aについて端部の形状が保持され、自立する。また、2層目の締固め層32Bを設けるに際しても、最下層の締固め層32Aと同様に、コ字状に折り返された補強シート31Bが設けられる。
【0031】
以後は、同様の手順で締固め層32を下層側から順に設ける。図8に示すように、最上層の締固め層32J及び補強シート31Jを設けることで、補強盛土30が完成する。この補強盛土30の端部は階段状傾斜面として構成され、補強シート31A〜31Jによって自立状態で保持される。
【0032】
図9に示すように、補強盛土30の完成後、左側橋台21を構築する。左側橋台21の構築は、例えば、型枠内に鉄筋を建て込み、コンクリートを打設することで行う。このとき、コンクリートは、補強シート31の表面側に直接打設される。前述したように、補強盛土30は自立しているので、コンクリートを打設する際の地盤側型枠の設置作業を省力化できる。また、コンクリートが補強シート31の表面側に直接打設されるため、左側橋台21の外側表面21aは、補強盛土30の階段状傾斜面に倣った形状の階段状傾斜面として形成される。すなわち、左側橋台21の階段状傾斜面21aと補強盛土30の階段状傾斜面とが、隙間なく密着した状態で設けられる。
【0033】
図10に示すように、左側橋台21の構築後、主桁23を構築する。主桁23は、左側橋台21と、この左側橋台21と同様に構築された右側橋台22との間に構築される。例えば、鉄筋を配筋し、型枠を設け、コンクリートを打設することで構築される。主桁23の構築により、ポータルラーメン橋20の構築が完了する。
【0034】
以上の構築手順では、端部が補強シート31A〜31Jによってコ字状に覆われた締固め層32A〜32Jを、各端部が階段形状となるように積層することで補強盛土30を構築し、補強盛土30の端部にコンクリートを打設することで各橋台21,22を構築している。このため、各外側表面21a,22aが補強盛土30の階段状端部に嵌る階段状傾斜面とされた橋台11,12を容易に構築できる。
【0035】
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
【0036】
前述の実施形態では、階段状端部を有する補強盛土30を設けた後に各橋台21,22を構築していたが、図11(a),(b)に示すポータルラーメン橋40のように、掘削部分に予め橋台41や主桁42等を構築しておき、その後に掘削部分を土Zで埋め戻すようにしてもよい。
【0037】
また、各橋台の外側表面に関し、図3の外側表面21a,22aのように階段状傾斜面にしてもよいし、図11の外側表面41aのように、フラットな傾斜面にしてもよい。階段状傾斜面にすることで、橋台21と地盤Gの間の滑りを抑制できる。また、平坦傾斜面にすることで、橋台41の構築を容易に行うことができる。
【0038】
また、各橋台の形状に関し、図3や図11の橋台21,41のように楔状としてもよいし、図12の橋台51のように一定厚さの部材を傾斜させてもよい。
【0039】
また、図12(a)に示すように、階段状端部を有する補強盛土30と平坦傾斜面を有する橋台51とを組み合わせる場合、図12(b)に示すように、三角柱状のスペーサSPを、補強盛土30と橋台51との隙間に設けてもよい。これにより、施工の容易化が図れる。
【0040】
また、各外側表面の傾斜角度θ2は、各橋台が構築される地盤Gの状態や荷重等の設計条件に応じて個別に定められる。すなわち、その地盤Gにおける荷重の分散角度θ1、地盤Gが持つ地耐力、橋梁の上載荷重、橋梁の自重、設計震度等を考慮して定めることになる。
【0041】
また、前述の実施形態では、左側橋台と右側橋台のそれぞれについて、外側表面を傾斜面で構成した。ここで、片側の橋台が構築される地盤Gに十分な支持力があれば、反対側の橋台についてのみ、外側表面を傾斜面にしてもよい。
【0042】
さらに、各実施形態の技術を組み合わせることも可能である。例えば、図3の階段状傾斜面に代えて図11のフラットな傾斜面としてもよい。同様に、図12の傾斜状橋台51に代えて図11の楔状橋台41を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10…ポータルラーメン橋,11…左側橋台,11a…左側橋台の外側表面,12…右側橋台,12a…右側橋台の外側表面,13…主桁,20…ポータルラーメン橋,21…左側橋台,21a…左側橋台の外側表面(21b…垂直面,21c…水平面),22…右側橋台,22a…右側橋台の外側表面(22b…垂直面,22c…水平面),23…主桁,30…補強盛土,31(31A〜31J)…補強シート,32(32A〜32J)…締固め層,40…ポータルラーメン橋,41…橋台,42…主桁,51…橋台,100…単純桁橋,101…支承,102…橋台,103…主桁,104…フーチング,110…ラーメン橋,111…橋台,112…主桁,113…基礎杭,G…地盤,Ga…法面,Z…土,SP…スペーサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛直荷重の分散性を高めたポータル(門型)ラーメン橋に関する。
【背景技術】
【0002】
図13(a)に示すように、単純支持構造の桁橋(単純桁橋)100では、支承101を有する一対の橋台102により、上部構造である主桁103の両端を支持し、支承101の滑り作用によって主桁103の変形を吸収している。また、単純桁橋100では、荷重の大きさや地震等の要因によって橋台102も変形する。ここで、橋台102には橋の中央側に向けて土圧が加わっており、これに対抗するために大型のフーチング104を備えている。そして、この大型のフーチング104により、地盤Gの支持力も大きなものとなっている。
【0003】
一方、図13(b)に示すように、橋台111と主桁112とを剛結合したポータルラーメン橋110の構造形式もある。ポータルラーメン橋110とすることにより、一対の橋台111が主桁112を介して一体化されるため、橋桁と橋台の取り合い部の構造を単純化でき、橋全体の剛性を高めることができるとともに、橋台111の変形を抑制できるので、橋台111の変形防止の目的では大型のフーチングが不要となる。しかし、このようなポータルラーメン橋110では、鉛直荷重が各橋台111の底部に集中することになり、長期間に亘る使用によって橋台111の過度な沈下が生じるおそれがある。
【0004】
橋台111の過度な沈下を抑えるためには、図13(c)に示すように、各橋台111の底部に基礎杭113を埋設したりすることが一般的である(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−321452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、各橋台111の底部に基礎杭113を埋設したりすることは、その分だけラーメン橋110の全体構造が複雑になるので好ましくない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポータルラーメン橋の全体構造を簡素化しつつ鉛直荷重を分散させ、橋台の過度な沈下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、一対の橋台と主桁とを備え、前記一対の橋台と前記主桁とを剛結合したポータルラーメン橋であって、一方の橋台は、他方の橋台とは反対側に位置する外側表面が、上方に向かう程に前記他方の橋台から離れる方向へ傾いていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、橋台の外側表面がオーバーハングするように傾斜しているので、この傾斜面によって鉛直荷重を地盤や盛土に分散させることができる。これにより、基礎杭を埋設する等の対策が必要なくなり、全体構造を簡素化しつつ鉛直荷重を分散させることができ、橋台の過度な沈下を抑制できる。
【0010】
また、本発明に係るポータルラーメン橋において、前記橋台の外側表面に沿って補強盛土を設けた場合には、補強盛土によって地盤を自立させることにより、橋台構築の際の地盤側型枠設置作業を省力化することができる。
【0011】
また、本発明に係るポータルラーメン橋において、前記橋台の外側表面に近い側の端部が階段状となるように積層することで、前記補強盛土が設けられ、前記橋台の傾斜面が、前記補強盛土の階段状端部に嵌る階段形状に形成された場合には、橋台からの鉛直荷重を効果的に地盤へ伝達することができる。
【0012】
また、本発明に係るポータルラーメン橋において、前記橋台の外側表面における傾斜角度を、前記橋台に作用する鉛直荷重を受ける地盤の面積と、前記ポータルラーメン橋の幅と、前記地盤における鉛直荷重の分散角度に基づいて定めるようにした場合には、橋台に作用する鉛直荷重を地盤で確実に支持できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポータルラーメン橋において、全体構造を簡素化しつつ鉛直荷重を分散させることができ、橋台の過度な沈下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ポータルラーメン橋の概略を説明する図である。
【図2】左側橋台と地盤との境界部分を示す部分拡大図である。
【図3】ポータルラーメン橋の具体例を説明する図である。
【図4】橋台と改良盛土を説明する部分拡大図である。
【図5】図3に示すラーメン橋の構築手順を説明する図であり、地盤Gを掘削した状態を示す。
【図6】同じく構築の説明図であり、最下層の締固め層を設けた状態を示す。
【図7】同じく構築の説明図であり、2層目の締固め層を設けた状態を示す。
【図8】同じく構築の説明図であり、全ての締固め層を設けた状態を示す。
【図9】同じく構築の説明図であり、橋台を構築した状態を示す。
【図10】同じく構築の説明図であり、主桁を構築した状態を示す。
【図11】変形例を説明する図であり、(a)は地盤と橋台との空間を途中まで埋め戻した状態を示し、(b)は地盤と橋台との空間を全部埋め戻した状態を示す。
【図12】他の変形例を説明する図であり、(a)はポータルラーメン橋の片側半部と補強盛土とを示し、(b)は橋台の外側表面近傍を拡大して示す。
【図13】従来技術を説明する図であり、(a)は単純桁橋を示し、(b)はポータルラーメン橋を示し、(c)は基礎杭の上に構築されたポータルラーメン橋を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、図1を参照して本発明におけるポータルラーメン橋10の概略について説明する。
【0016】
図1に示すポータルラーメン橋10は、左右一対の橋台11,12と、これら橋台11,12同士の間に架け渡される主桁13とを有している。そして、主桁13と各橋台11,12とが剛結合されて門型になっている。便宜上、以下の説明では、図中左側に位置する橋台を左側橋台11といい、図中右側に位置する橋台を右側橋台12という。また、主桁13における左側橋台11と右側橋台12との中間位置を橋の中央とし、左側橋台11及び右側橋台12から見て橋の中央側を内側といい、反対側を外側という。
【0017】
図13(b)との対比から判るように、図1のポータルラーメン橋10では、左側橋台11の外側表面(すなわち左側部)11a、及び、右側橋台12の外側表面(すなわち右側部)12aが、それぞれ外側に向かってオーバーハングされ、ポータルラーメン橋10の全体が地盤Gに対して楔状に構成されている点に特徴を有している。すなわち、左側橋台11の外側表面11aは、上方に向かう程に左側へ向けて張り出すように傾斜(つまり右側橋台12から離れる方向へ傾斜)されている。同様に、右側橋台12の外側表面12aは、上方に向かう程に右側へ向けて張り出すように傾斜(つまり左側橋台11から離れる方向へ傾斜)されている。
【0018】
このように、左側橋台11及び右側橋台12の各外側表面11a,12aを傾斜面とすることにより、各外側表面11a,12aの全体で鉛直荷重を地盤Gに伝えることができる。例えば、図2に示すように、外側表面11aにおける或る点Pに作用した鉛直荷重は、荷重の分散角度θ1で拡がりながら地盤G内を伝わっていく。すなわち、傾斜した外側表面11a,12aによって、各橋台11,12に加わる鉛直荷重を広範囲に分散させて地盤Gに伝えることができる。これにより、基礎杭を埋設する等の対策が必要なくなり、全体構造を簡素化しつつも各橋台11,12の過度な沈下を抑制できる。
【0019】
なお、一般的な砂質地盤における分散角度θ1は約30度である。そして、硬い地盤であれば分散角度θ1は30度よりも小さくなり、反対に軟弱な地盤であれば分散角度θ1は30度よりも大きくなる。
【0020】
ここで、各橋台11,12における外側表面11a,12aの傾斜角度について説明する。以下の説明は左側橋台11についてのものであるが、右側橋台12についても同様にあてはまる。
【0021】
図1に示すように、左側橋台11に作用する鉛直荷重は、符号Bで示す面積の地盤Gで受けることになる。具体的には、左側橋台11の右下端(内側下端点)A1を始点に水平方向へ引いた仮想線X1と、左側橋台11の左上端(外側上端点)A2を始点に分散角度θ1で左斜め下方に向けて引いた仮想線X2とが交差する交点A3を定めたとき、点A1から点A3までの距離Lにポータルラーメン橋10の幅(紙面奥行方向の寸法)を乗じて得られる面積Bの地盤Gが、左側橋台11に作用する鉛直荷重を受けることになる。
【0022】
面積Bで受ける荷重は等分布ではないが、この面積Bが大きくなる程、分布荷重の最大値は小さくなる。そして、分布荷重の最大値が地盤許容支持力度よりも小さければ、面積Bの地盤Gによって左側橋台11を支持できる。このことから、左側橋台11の外側表面11aにおける傾斜角度θ2は、左側橋台11に作用する鉛直荷重を受ける地盤Gの面積Bと、ポータルラーメン橋10の幅と、地盤Gにおける鉛直荷重の分散角度θ1および荷重条件に基づいて定められることが判る。例えば、分布荷重の最大値が地盤許容支持力度よりも小さくなるように面積Bを定め、この面積Bから各点A2,A3を求める。また、点A1から左側橋台11における底面の分だけ外側の位置に点A1´を定める。この場合、点A1´と点A2とを結ぶ仮想線X3の角度が、外側表面11aの傾斜角度θ2に相当する。
【0023】
次に、ポータルラーメン橋の具体例について説明する。
【0024】
図3に示す具体例のポータルラーメン橋20もまた、左側橋台21と、右側橋台22と、主桁23とを有しており、主桁23と各橋台21,22とが剛結合されて門型になっている。図4に拡大して示すように、左側橋台21の外側表面21aは、階段状傾斜面によって構成されている。すなわち、この外側表面21aは、上下方向に交互に並ぶ垂直面21bと水平面21cによって構成され、全体として傾斜面を構成している。なお、図3に示すように、右側橋台22の外側表面22aについても同様に、垂直面22b及び水平面22cを有する階段状傾斜面によって構成されている。
【0025】
左側橋台21の外側(左側)及び右側橋台22の外側(右側)には、それぞれ補強盛土30が設けられている。この補強盛土30は、各橋台21,22に近い側の端部表面が補強シート31で覆われた締固め層32を、各端部が階段状となるように積層することで設けられている。そして、階段状傾斜面とされた左側橋台21及び右側橋台22の外側表面21a,22aは、それぞれ、補強盛土30の階段状端部に嵌っている。すなわち、各橋台21,22に接する補強盛土30は、階段状傾斜面を構成する垂直面21b及び水平面21cと隙間なく接している。
【0026】
このポータルラーメン橋20では、各橋台21,22の外側表面21a,22aに沿って補強盛土30が設けられているので、各橋台21,22に対する支持力を高めることができる。また、各外側表面21a,22aが階段状傾斜面で構成され、補強盛土30の階段状端部に嵌っている。このため、鉛直荷重を分散できるとともに、各外側表面21a,22aと補強盛土30との間で生じる滑りを抑制できる。すなわち、鉛直荷重は、階段状傾斜面の各水平面21cを下方向に押し下げる力となるので、各橋台21,22からの鉛直荷重を効果的に地盤Gへ伝達できるし、滑りを抑制しつつ荷重を分散できる。また、各水平面21cが上下方向に位置をずらして設けられているので、水平方向だけでなく、垂直方向にも荷重を分散させることができる。
【0027】
なお、図1で説明したポータルラーメン橋10と比較した場合、鉛直荷重の分散が点Pで行われるか、水平面21c,22cで行われるかの違いはあるが、分散角度θ1で鉛直荷重が分散されている点については同じである。このため、各外側表面21a,22aの傾斜角度も、前述したように、面積B(図1参照)の地盤Gの大きさに基づいて定めることができる。
【0028】
次に、具体例のポータルラーメン橋20の構築手順について説明する。なお、以下の説明では、ポータルラーメン橋20における左側半部の構築手順について説明するが、右側半部についても同様の手順で構築される。
【0029】
この構築手順では、まず図5に示すように、左側橋台21及び補強盛土30が構築される範囲Yの地盤Gを掘削して除去する。地盤Gを除去したならば、図6に示すように、最下層の締固め層32Aを設ける。この締固め層32Aは、掘削で形成された法面Gaから左側橋台21の構築予定位置まで一連に設けられる。また、締固め層32Aにおける左側橋台21側の端部表面は、補強シート31Aで覆われている。この補強シート31Aは、締固め層32Aの端部が崩れないように保持するためのものであり、締固め層32Aの下面と端面と上面に沿ってコ字状に折り返されている。
【0030】
最下層の締固め層32Aを設けたならば、2層目の締固め層32Bを設ける。2層目の締固め層32Bを設けるに際し、その端部は、最下層の締固め層32Aの端部よりも左側橋台21から離れた位置に定められる。言い換えれば、階段状となるように各締固め層32A,32Bの端部が位置をずらして設けられている。2層目の締固め層32Bを設けることで、最下層の締固め層32Aの端部を覆う補強シート31Aが押圧状態で固定される。これにより、最下層の締固め層32Aについて端部の形状が保持され、自立する。また、2層目の締固め層32Bを設けるに際しても、最下層の締固め層32Aと同様に、コ字状に折り返された補強シート31Bが設けられる。
【0031】
以後は、同様の手順で締固め層32を下層側から順に設ける。図8に示すように、最上層の締固め層32J及び補強シート31Jを設けることで、補強盛土30が完成する。この補強盛土30の端部は階段状傾斜面として構成され、補強シート31A〜31Jによって自立状態で保持される。
【0032】
図9に示すように、補強盛土30の完成後、左側橋台21を構築する。左側橋台21の構築は、例えば、型枠内に鉄筋を建て込み、コンクリートを打設することで行う。このとき、コンクリートは、補強シート31の表面側に直接打設される。前述したように、補強盛土30は自立しているので、コンクリートを打設する際の地盤側型枠の設置作業を省力化できる。また、コンクリートが補強シート31の表面側に直接打設されるため、左側橋台21の外側表面21aは、補強盛土30の階段状傾斜面に倣った形状の階段状傾斜面として形成される。すなわち、左側橋台21の階段状傾斜面21aと補強盛土30の階段状傾斜面とが、隙間なく密着した状態で設けられる。
【0033】
図10に示すように、左側橋台21の構築後、主桁23を構築する。主桁23は、左側橋台21と、この左側橋台21と同様に構築された右側橋台22との間に構築される。例えば、鉄筋を配筋し、型枠を設け、コンクリートを打設することで構築される。主桁23の構築により、ポータルラーメン橋20の構築が完了する。
【0034】
以上の構築手順では、端部が補強シート31A〜31Jによってコ字状に覆われた締固め層32A〜32Jを、各端部が階段形状となるように積層することで補強盛土30を構築し、補強盛土30の端部にコンクリートを打設することで各橋台21,22を構築している。このため、各外側表面21a,22aが補強盛土30の階段状端部に嵌る階段状傾斜面とされた橋台11,12を容易に構築できる。
【0035】
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
【0036】
前述の実施形態では、階段状端部を有する補強盛土30を設けた後に各橋台21,22を構築していたが、図11(a),(b)に示すポータルラーメン橋40のように、掘削部分に予め橋台41や主桁42等を構築しておき、その後に掘削部分を土Zで埋め戻すようにしてもよい。
【0037】
また、各橋台の外側表面に関し、図3の外側表面21a,22aのように階段状傾斜面にしてもよいし、図11の外側表面41aのように、フラットな傾斜面にしてもよい。階段状傾斜面にすることで、橋台21と地盤Gの間の滑りを抑制できる。また、平坦傾斜面にすることで、橋台41の構築を容易に行うことができる。
【0038】
また、各橋台の形状に関し、図3や図11の橋台21,41のように楔状としてもよいし、図12の橋台51のように一定厚さの部材を傾斜させてもよい。
【0039】
また、図12(a)に示すように、階段状端部を有する補強盛土30と平坦傾斜面を有する橋台51とを組み合わせる場合、図12(b)に示すように、三角柱状のスペーサSPを、補強盛土30と橋台51との隙間に設けてもよい。これにより、施工の容易化が図れる。
【0040】
また、各外側表面の傾斜角度θ2は、各橋台が構築される地盤Gの状態や荷重等の設計条件に応じて個別に定められる。すなわち、その地盤Gにおける荷重の分散角度θ1、地盤Gが持つ地耐力、橋梁の上載荷重、橋梁の自重、設計震度等を考慮して定めることになる。
【0041】
また、前述の実施形態では、左側橋台と右側橋台のそれぞれについて、外側表面を傾斜面で構成した。ここで、片側の橋台が構築される地盤Gに十分な支持力があれば、反対側の橋台についてのみ、外側表面を傾斜面にしてもよい。
【0042】
さらに、各実施形態の技術を組み合わせることも可能である。例えば、図3の階段状傾斜面に代えて図11のフラットな傾斜面としてもよい。同様に、図12の傾斜状橋台51に代えて図11の楔状橋台41を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10…ポータルラーメン橋,11…左側橋台,11a…左側橋台の外側表面,12…右側橋台,12a…右側橋台の外側表面,13…主桁,20…ポータルラーメン橋,21…左側橋台,21a…左側橋台の外側表面(21b…垂直面,21c…水平面),22…右側橋台,22a…右側橋台の外側表面(22b…垂直面,22c…水平面),23…主桁,30…補強盛土,31(31A〜31J)…補強シート,32(32A〜32J)…締固め層,40…ポータルラーメン橋,41…橋台,42…主桁,51…橋台,100…単純桁橋,101…支承,102…橋台,103…主桁,104…フーチング,110…ラーメン橋,111…橋台,112…主桁,113…基礎杭,G…地盤,Ga…法面,Z…土,SP…スペーサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の橋台と主桁とを備え、前記一対の橋台と前記主桁とを剛結合したポータルラーメン橋であって、
一方の橋台は、他方の橋台とは反対側に位置する外側表面が、上方に向かう程に前記他方の橋台から離れる方向へ傾いていることを特徴とするポータルラーメン橋。
【請求項2】
前記橋台の外側表面に沿って補強盛土を設けることを特徴とする請求項1に記載のポータルラーメン橋。
【請求項3】
前記補強盛土は、前記橋台の外側表面に近い側の端部が階段状となるように積層することで設けられ、
前記橋台の傾斜面は、前記補強盛土の階段状端部に嵌る階段形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のポータルラーメン橋。
【請求項4】
前記橋台の外側表面における傾斜角度は、前記橋台に作用する鉛直荷重を受ける地盤の面積と、前記ポータルラーメン橋の幅と、前記地盤における鉛直荷重の分散角度に基づいて定められていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のポータルラーメン橋。
【請求項1】
一対の橋台と主桁とを備え、前記一対の橋台と前記主桁とを剛結合したポータルラーメン橋であって、
一方の橋台は、他方の橋台とは反対側に位置する外側表面が、上方に向かう程に前記他方の橋台から離れる方向へ傾いていることを特徴とするポータルラーメン橋。
【請求項2】
前記橋台の外側表面に沿って補強盛土を設けることを特徴とする請求項1に記載のポータルラーメン橋。
【請求項3】
前記補強盛土は、前記橋台の外側表面に近い側の端部が階段状となるように積層することで設けられ、
前記橋台の傾斜面は、前記補強盛土の階段状端部に嵌る階段形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のポータルラーメン橋。
【請求項4】
前記橋台の外側表面における傾斜角度は、前記橋台に作用する鉛直荷重を受ける地盤の面積と、前記ポータルラーメン橋の幅と、前記地盤における鉛直荷重の分散角度に基づいて定められていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のポータルラーメン橋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−237127(P2012−237127A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106354(P2011−106354)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
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