説明

鉛直遮水層構築工法

【課題】 海域を遮水護岸で囲んで、廃棄物の埋立地を構築するに際して、形鋼等を立設して構築する壁の接続部のたて穴に遮水材を注入するに際に、筒状の容器を使用して遮水層に隙間等が生じないように施工可能とする。
【解決手段】 矢板を列設して構築する遮水壁では、矢板の接続部に形成される小さい断面積のたて穴30として構成される隙間に遮水材を充満する必要がある。そのような隙間に遮水材を供給するために、筒状の容器31の底部に弁部材35を設けた注入装置を用いる。前記容器31内には遮水材38を充填し、たて穴30の底部で弁部材35を開放して前記遮水材38を排出してたて穴30の底から堆積させ、前記たて穴内に安定した遮水層を構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物埋立処分場等の埋立地を仕切る管理型護岸に関し、特に、矢板やケーソン等を列状に構築した構造物で、埋立地を外側の海域から仕切る護岸を構築するに際して、前記構造物の間の接続部での遮水処理の工法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市部等で大量に発生する一般廃棄物や産業廃棄物等の廃棄物は、海域を所定の広さに仕切るように仕切護岸で区画した処分場に堆積させて、周囲の海との間で水が流通しないようにしている。また、前記埋立地の仕切内部に封じ込めた廃棄物に触れた汚染水は、無害化処理を施した後に、海に放流する等の管理が行われる。
【0003】
前記廃棄物を堆積させて、外海から区画して封じ込めるための仕切用護岸は、前記仕切護岸を支持する地盤に遮水処理を施工して、前記遮水処理を施した地盤上に列状に立設するケーソンや矢板等の構造物と一体化して、外海と区画する処理が行われる。
【0004】
前述したような廃棄物埋立処分場の仕切護岸としては、例えば、特開2004−162325号公報等に開示されているような、矢板を列設する工法を用いることが知られている。前記公知の例においては、任意の大きさのH型鋼の柱を1列状に海底地盤に打ち込んで立設し、各H型鋼を接続する箇所では、柱の間に遮水材を充填した遮水層を設けて、H型鋼本体と接続部の構築した遮水層とを一体化して、遮水性を発揮する護岸壁として構築している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−162325号公報
【0006】
前記従来例では、矢板として一般的なH型鋼の他に、任意の大きさの曲面状の板を組み合わせて所定の大径の筒状のものとし、前記大径の筒の接続部に継手部材を組合わせて設け、前記筒の接続部に形成される縦の空間部に遮水材を充填することにより、本体と遮水材の層とを一体化した壁を構成している。
【0007】
前述したような矢板による遮水壁としては、任意の断面形状の矢板を用いて矢板壁を構築出来るものであるが、その他に、鋼製またはコンクリート製等の立体矩形の略箱形のケーソンを1列状に並べて構築している。そして、前記ケーソンの接続部の隙間の遮水材の層を構築して、比較的幅の広い遮水壁を構築することも、前記公報の従来例に説明されている通りである。
なお、前記従来例における仕切護岸の構成と、その護岸の一般的な特徴等に関しては、本願の護岸の構成等の説明の項で説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例として例示した公知技術では、ケーソンや矢板の接続部に設けられる縦の空間部に対して、その縦の細くて長い空間部の上から、アスファルトマスチック等の遮水材を注入して充満させ、隙間が生じないようにする処理を施している。
【0009】
前記矢板壁の接続部に形成される縦の空間は、比較的小さい断面積で長いたて穴状の空間であり、その中には海水が満たされているので、前記縦の空間内に上から注入される遮水材は、狭い空間を中の水を排除しながら落下して、底から上に積み重さなる状態で、遮水層を構築するようになる。
【0010】
ところが、一般に使用されている遮水材としてのアスファルト混合物は、所定の温度に加熱して流動性を向上させたものを、充填するたて穴の中に上から注入するので、狭い空間内で水を排除しながら落下する間に次第に冷却される。そして、水中を降下する途中で、不定形の塊状または小さな粒状のものとなって、穴の底から積み重ねられる状態で堆積される。
【0011】
前述したように、遮水材をたて穴の上から水中に注入して充填する場合には、遮水材は穴の底まで沈降して穴の底から順に堆積されると、遮水材のかたまり等の中に水が包み込まれた比較的隙間の多い層となってしまい、その遮水層の中から水を自然に排除して遮水性を良好に維持できるまでには、一定の時間が必要となる。
【0012】
本発明は、遮水材を筒状の保持部材に入れたままで取り扱い、充填する穴の底まで挿入してから、穴の底から上に向けて遮水材を順に堆積させるように注入することにより、高温を保ったままで堆積される遮水材の層に、水が含まれる等の隙間が生じることを防止し、良質の遮水層の構築を可能にする工法を提供することを目的としている。
【0013】
したがって、比較的断面積の小さい、つまり、狭くて縦に長いが空間であっても、その穴の底部から遮水材を隙間なく充満させる手法を用いることによって、構築された遮水層では、仕切護岸の内外での水の流通を防止することができて、廃棄物埋立処分場を区画することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、廃棄物等の海面埋立処分場を外海から区画するための仕切護岸における、遮水層構築工法に関する。
請求項1の発明は、前記仕切護岸を矢板のような既製の構造物を列状に立設し、前記立設する構造物の間に遮水処理するに際して、前記構造物の接続部での上下に長く、小さい断面積のたて穴として構成される空間に、遮水材を充填するために、筒状で下端部分に開閉可能な弁部材を設けた容器を、作業装置のクレーン等の吊り具に付設する操作ワイヤにより垂下して移動可能に構成し、前記容器の筒の下端部に操作ワイヤで引き上げる状態で設けた弁部材を、前記操作ワイヤを緩めて開き、容器の中に収容している遮水材を排出させて、遮水材を遮水層施工部のたて穴の下から上に向けて供給することを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、前記筒状の容器の下の開口を封止する弁部材は、前記容器の筒の中、又は外側を通して配置される操作ワイヤに支持され、作業装置の操作部から操作ワイヤを操作して、前記弁部材を開閉する操作を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、前記筒状の容器は、遮水材の充填の対象とされる構造物の接続部のたて穴の内断面に対して、余裕を持って挿入可能な外径のもので、任意の断面形状と長さを有するものとして構成され、遮水材を容器の底部から排出し、たて穴の底部から上に向けて遮水材を堆積させて、前記接続部の空間に充填することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、前記筒状の容器は、遮水材が水に直接触れないように保持できる構造を有するもので、前記容器の下端部の弁を開いて遮水材を排出する時にのみ、遮水材が水に触れることを許容する状態で、遮水材を排出する等の取り扱いを行い得るものとすること特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、前記筒状の容器の下端部を閉じるために用いる弁部材は、前記容器の先端断面形状に合致するもので、前記容器の下部から挿入して穴を塞ぐか、容器の下端面に押圧されて穴を塞ぐ作用を行う部材として構成され、前記弁部材を移動させて前記容器の下端に開かれる穴から、遮水材を排出させることを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材は、容器の下端に設けた支持軸を介して揺動可能な部材で構成し、前記弁部材の開閉を可能に設けることを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明は、前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材を、任意の厚さの円形の板で構成して、前記筒状の容器の下端部内面に設けた複数の突部に載せる状態で支持し、前記円板の1端部に接続する操作用ワイヤにより開く動作を行わせて、筒に収容した遮水材を排出させるもので、次に遮水材を充満させる際に、前記円板状の弁を作業者が操作して閉じる構成を有することを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明は、前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材を、半球状または球状の部材で構成し、前記筒状の容器の下端部に対して弁部材の円弧状の上面を押圧する状態で、下面部から封止作用を行い、前記弁部材を操作ワイヤにより引き上げるかまたは、緩める状態で、筒の下端部の開口を開閉することを特徴とする。
【0022】
請求項9の発明は、前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材を、前記容器の下端部から挿入して封止する形状のものを用いる場合に、前記弁部材を容器下端部の断面形状に対応する断面で、テーパ状に次第に小径に構成したものを用い、前記弁部材を操作ワイヤにより開くか、または、容器から切り離して落下させる操作で、筒の下端部の開口を開くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
前述したように、遮水層を構築する接続部のたて穴に遮水材を供給するに際して、従来の工法のようにバケットに入れた遮水材を、たて穴の空間部の上から注入することを行わずに、狭いたて穴の底部にまで遮水材を入れた容器を吊下げて挿入し、たて穴の底部分から積み上げるようにして充填することができる。
【0024】
そして、遮水処理の対象とされるたて穴の平面積が広い場合や、狭い断面の場合のいずれでも、その対象とされる空隙の断面に応じて、施工性を良好に発揮できる大きさの筒状の容器を用いることで、能率良く処理作業を行うことが出来る。
また、前記遮水材の充填に使用する筒状の容器は、金属製の筒の他に任意の材料を用いて構成することが可能であるが、長い筒の中に大量の遮水材を収容させた場合でも、筒が膨張したりしない材料で構成するとよい。
【0025】
その他に、前記筒状の容器は、高温に加熱して流動性を良好に維持した状態で、遮水材を取り扱うのであるから、温度に対する影響を受けない材料を用いた装置とすることが必要である。さらに、前記本発明の遮水材を取り扱う筒状の容器は、遮水材が壁の内面に付着しやすい性質の材料を用いないと、取り扱い性を良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の遮水壁を構築する例として示す仕切護岸の断面図である。
【図2】矢板列による遮水壁の平面図である。
【図3】大径のパイプを列設して構築する遮水壁の説明図である。
【図4】本発明の遮水の施工に使用する容器と、壁の接続部でのたて穴としての隙間の状態を説明するもので、同図(A)は、たて穴に遮水材を収容した容器を挿入して下降させる状態を、同図(B)は、遮水材を容器から排出する状態の説明図である。
【図5】本発明の容器の他の構成を示し、同図(A)は容器下部の構成を示す説明図、同図(B)は、容器の上から見た説明図である。
【図6】容器下部に設けた弁部材の他の構成を示す説明図である。
【図7】半球状の弁部材を用いる例の説明図である。
【図8】弁部材を回収しない例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図示される実施例にしたがって、本発明の仕切護岸として用いる管理型護岸での鉛直遮水層の構築法を説明する。
本願が関連する仕切護岸を説明する図1においては、建設廃棄物を埋め立て処分する処分場を、外側の海から区画するために構築するもので、所定の広さの範囲を囲むように遮水壁1を構築するために、矢板を海底地盤の不透水性地層に立設して、所定の高さまで海面から突出させた壁を構成している。
【0028】
前記仕切護岸1は、前記矢板の壁を列設した遮水壁2、2aを、海底地盤の透水層4や軟弱な地層を突き抜いて、不透水層3にまで打ち込んで構築している。前記2列に構成した矢板壁2、2aの間には、良質な砂質系の土や粘土等を充填してなる充填層5を設け、その上面をコンクリートやアスファルト等で舗装した表面処理層6で覆って、作業用の区画等としての使用に供する。
【0029】
そして、前記仕切護岸1に囲まれた区域の内部は、廃棄する建設がれき等を堆積させる処分場7として用い、その処分場に堆積させた廃棄物に触れた水等が、外海に漏れ出すことがなく、外側の海水が区画の中に入り込まないように保護する。
【0030】
前記仕切護岸1は、H型鋼又は平板等の任意の形状の矢板を列状に打設して構築することが可能であり、例えば、図2には、鋼製箱形矢板の柱11を用いて、1列の矢板壁10として構築する例を示している。この図2に示される例において、鋼製箱形矢板11の各フランジ13の端部には、継手部17の外側部材15と、内側部材15aとの接続部材を、それぞれ溶接部を介して固定接続して設けておき、それらの接続した部材を組合わせるように鋼製箱形矢板を打設することにより、継手部分の内部には継手空間が形成される。
【0031】
その後に、前記継手内部空間に遮水材を充満させて、充填部とする処理を行うことにより、鋼板部分と遮水材とを一体に組合せた遮水壁を構築することができ、前記継手部に遮水材を充満させて、遮水層の充填部18として構築することにより、継手部での遮水性は容易に確保出来ることになる。さらに、矢板の接続部の空間を塞ぐように、遮水材を注入した充填部とすることによって、矢板壁での遮水性を発揮させることができる。
【0032】
前記矢板の継手部の内部空間に充填される遮水材としては、その取り扱い性や信頼性等の点から、混合する成分と流動性を調整したアスファルト混合物を用いることが一般的であり、本願の以下に説明する例においても、遮水材としてアスファルト混合物を使用する例を用いて説明しているが、その他の遮水材を用いることも可能であることは、当然のことである。
【0033】
前記図2に示した例のように、鋼製箱形矢板を列状に立設した矢板壁を2列に構築し、前記矢板の列のそれぞれに遮水処理を施して一体の遮水層を構築する。そして、前記2列の矢板列の間の隙間を埋めるように処理して、前記矢板列の間の部分に作業通路や作業区画等を構築して、埋立処理を行うための作業用や、管理等の任意の目的に使用することも可能である。
【0034】
前記鋼製箱形矢板を用いた矢板壁を構築する工法の他に、図3に説明するように、大径のパイプ21、21aを1列状に立設して、任意の厚さまたは幅を有する鋼管矢板式仕切護岸20を構築することもできる。この図3に説明する例においては、大径のパイプ21、21aを列設するためには、これらの下端部を海底地盤の地中に所定の深さまで打ち込んで立設するか、または、海底地盤に所定の深さの溝を掘って、立設するこれらの大径のパイプの下部を溝に埋め込んで固定する手段を用いる等の任意の手段を用いる。
【0035】
前記図3に説明する鋼管矢板式仕切護岸20は、本体である大径のパイプ21、21aの柱を列設する状態で構築するが、前記パイプ列の各パイプの中心を通る線に沿って、中心部の接続部22を構成している。
前記接続部22は、一方のパイプ21の側部に設けられた縦のスリット23aを有する受け部23に、他方のパイプ21aの側部に設けられた挿入部24を接続して構成されている。前記挿入部24としては、略T字状の断面の突条を設けて、他方のパイプ21aの側面に設けている受け部23に、挿入部24を前記スリット23aの端から挿入する状態で接続している。
【0036】
また、前記大径のパイプ21の列の海側か陸側の一方の側部に対応させて、第2の接続部25を設けており、前記パイプ21の側部に受けパイプ26、27を取付けて、接続板28の両端部に折曲げ形成したフランジ29を、前記受けパイプ26、27に設けた縦のスリットから挿入して遮水性を有する壁とし、前記大径のパイプ21の中心部を接続する第1の遮水部と組合わせて、遮水作用を発揮する壁として設けている。
【0037】
前記受け部26、27は、パイプ21を立設した後に、受け部のパイプに設けたスリットに接続板28の端部を挿入して、順次接続できる構造を有するものである。前記受け部の小径のパイプに挿入する接続板の28の端部には、必要に応じてフランジ29等の補助的な板と、ゴム板のような遮水作用を補助できる弾性体等を追加して設け、小径のパイプの内部で隙間等が生じないように処理すると良い。なお、前記各接続部内には遮水材を充満させて、隙間が生じないように処理するとなおよい。
【0038】
前記鋼管矢板式仕切護岸20をパイプ壁で構築した状態では、前記大径のパイプ列で構成する壁の一方の側には、パイプ21の曲面と接続板28を連続させた壁として設けられ、前記板部材の内側とパイプ表面とにより、略三角形状の空間部が形成される。そこで、前記空間部にアスファルト混合物のような遮水材を充填して、封止部25Aを構築し、前記パイプとともに一体の遮水壁として作用させる。
【0039】
なお、前記鋼管矢板式仕切護岸20を構築する大径のパイプ21、21aとしては、任意の径の鋼製パイプを用いることが可能であり、前記大径のパイプの接続部22と、挿入板を用いた接続部25においては、小径のパイプの側面に縦のスリット23aを設けたものを、大径のパイプの側面に溶接して取付けて、大径パイプ21、21a間の接続部22での接続を容易に行い得るようにする。その他に、従来より使用されているパイプ等の接続の技術を援用して、遮水性を発揮する接続構造とすることによっても、信頼性を有する遮水壁として構築できる。
【0040】
前述したように、大径のパイプを1列状に並べて構築した壁に、前記鋼管矢板式仕切護岸での大径パイプ接続部に遮水処理を施して、遮水壁を構築する場合には、その護岸を立設する海底地盤に対しても、所定の幅で遮水層を構築する処理を施しておく必要がある。そして、前記護岸を構築する海底地盤と護岸とを一体の遮水層として構築することで、廃棄物を投棄する埋立地を囲むように構築した遮水層を有効に利用出来るものとする。
【0041】
前記遮水護岸を構築するに際しては、例えば、図2の例におけるH型矢板の接続部17が位置される接続部空間の充填層18や、図3における略3角形の空間に設ける封止部25Aのように、比較的面積の広い断面のたて穴に遮水材を充填して、矢板等の接続部での遮水作用を良好に維持させることができる。
【0042】
ところで、前記図3のような例において、大径のパイプ21、21aどうしの接続部22に設ける小径パイプによる受け部23と、挿入部24とを組合せた部分で、遮水構造の信頼性を満足させるためには、受け部23を構成するパイプの径が大きいほど良いことになる。
そこで、比較的径の大きいパイプを受け部として用いる場合には、その接続部22の空間にも遮水材を充填して、遮水材が隙間無く充満されて、遮水性に欠陥が生じる等の問題が発生しないように処理することが求められる。
【0043】
前述したように、狭い隙間に遮水材を充填して遮水層を構築する場合には、従来のアスファルト混合物を、たて穴の上から注入して充填する方法を用いると、信頼性に問題が生じることが懸念される。つまり、前記解決を要する課題が発生する要因として、従来より一般的な遮水材として使用されているアスファルト混合物では、先に説明したように、空間の上部から注入して水中を落下させる方法を用いると、狭い空間内で水を排除しながら落下するために、高温で水を沸騰させながら次第に冷却される状況となる。
【0044】
そして、遮水材が落下する途中で、不定形の塊状または小さな粒状のものに変形されながら、水と混合された不定形のものが穴の底から積み重ねられる状態で堆積され、堆積された遮水層の中に水の粒が含まれたりする。つまり、遮水材をたて穴の上から水中に注入して充填する場合には、たて穴の底まで沈降して穴の底から順に積み重ねるように堆積されるまでの間に、遮水材の雲状の隙間だらけの塊の中に、水の塊が包み込まれたりする状態で堆積されると推定される。
【0045】
また、遮水材が小さい粒状の状態で穴の中を落下する間に、遮水材の中に水が入り込んだり、粒に水が付着したものが含まれて、比較的隙間の多い層となって穴の底に堆積されてしまったり、遮水材の層の中に含まれた水が、次第に大きな塊となったりすることがある。そして、遮水層の中に含まれた水が、堆積されたアスファルトの層の中から押し出されて排除されて、隙間のない遮水層となるまでには、時間を必要とすることにもなる。
【0046】
前述したように、断面積の狭いたて穴の中で、課題を解決するための例を以下に説明すると、図4以降に示す例のように、遮水材を収容した容器を用いて遮水材を隙間が生じないように充填することも、1つの解決策となる。この図4以降に説明する例においては、仕切護岸を構成する矢板やケーソンの接続部で、遮水処理を必要とする比較的小さな断面のたて穴30に、遮水材を充填する場合を説明する。
【0047】
なお、以下に説明する実施例においては、遮水材を充填する対象空間としてのたて穴30は、遮水層を構築する際に空隙のまま残しておくと、護岸の使用中に前記遮水性に問題が起きると推定されるたて穴を意味しているものである。つまり、遮水層の構造物を横に接続しながら遮水壁を構築する時に、接続部に形成される、小さい断面積のたて穴として構成される空間を遮水材で塞がずに残しておくと、何時かは不都合が発生すると懸念されるたての空間に対して、遮水材を充填する手段を以下に説明しているのである。
【0048】
本願の遮水材を充填する対象としての遮水護岸の接続部のたて穴は、前述した説明のように、大径のパイプや矢板の接続部で、接続する2つの矢板や柱等の部材の接続部に隙間ができる可能性のある部分を、遮水材を充満させることで塞ぐ必要のあるものを対象とする。まず、図4(A)に示すように、たて穴30は、その断面形状が四角形、三角形、または一部の面が円弧状などの、任意に断面形状の空間として形成される。
【0049】
前記たて穴に遮水材を供給するために使用する容器31は、円筒状または任意の断面形状で、任意の長さのものを用いることが出来るものであり、遮水材を充填するたて穴30の中に、余裕を持って挿入できる太さの筒32が用いられる。なお、本願の以下の説明において、矢板やケーソンの接続部の隙間に、遮水材を注入する容器31は、説明を簡単にするために、円筒形のパイプのような部材を用いる例で説明しているが、前記容器の筒の断面等は、特に限定するものではなく、遮水材を充填する対象のたて穴の断面に対応したものを用いても良い。
【0050】
前記容器31は、任意の形のパイプを用いており、上部に吊り具33に接続される被係止部材を設けて、下端部には開閉可能な弁部材35を着脱可能に設けている。前記弁部材35としては、例えば、上側が小径で下部が筒の太さに対応させたテーパ状に構成したもの等を使用できる。前記弁部材35を支持するために、吊りワイヤ34の操作部で操作する開閉ワイヤ36を接続して、前記弁35を開いて筒32に収容した遮水材38を、筒の下部から穴の中に排出させる操作を行わせる。
【0051】
前記したように、筒状の容器に遮水材を収容して、遮水材を充填する対象のたて穴30の中に容器31を挿入して、前記たて穴30の底部にまで容器を降下させる。そして、図4の(B)に示すように、弁35を開いてたて穴30の底に遮水材を排出して堆積させる。前記容器を次第に引き上げながら遮水材を下から上に向けて堆積させることで、遮水材の中に水が入り込むことがなくなり、遮水層の信頼性に問題が生じることが無くなる。
【0052】
前述したように、容器31に入れたままでたて穴の底にまで挿入され、たて穴の底の部分で排出されて施工される遮水材は、たて穴の底の部分で排出されるまでは、直接水に触れることがないので、遮水材の流動性などの特性が変化することを少なくできる。そして、高温を保ったままでたて穴の底から上に向けて積み重ねられるように堆積されるので、遮水材の中にも水が入り込むことがなくなる。
【0053】
また、前記容器31の筒32に収容される遮水材38は、水中で運ばれてたて穴の底に放出されたときに、一部が水に触れて冷却されるとしても、遮水材が水に触れる時間は非常に短いため、冷却された部分に隙間が生じることのない状態のままで、たて穴内に、穴の底から隙間を生じることなく充填されて堆積される。
【0054】
前記遮水材を充填させるために使用する容器31は、充填するたて穴30の中に挿入できて、底部に設けている弁部材35を開いて、穴の底から遮水材を流下させることが可能なものであれば、弁部材は任意の形状に構成してよい。また、前記弁部材の開閉に使用する手段としては、ワイヤやレバー部材等を適宜組合わせ、作業船の操作部からコントロールする機構を設けるとよく、繰り返して容器を使用する作業では、次の遮水材の充填の時に弁部材を装着し直すことで対応すればよい。
【0055】
前記図4の実施例に説明したように、容器31の筒の下端に設けた弁を使用する場合にも、次の図5に説明するような開閉弁を用いることも可能であり、この実施例に示す弁部材は、より簡単な構成のものとすることができる。前記図5に示される例においては、台形等のブロック状の弁部材に代えて、弁部材40を円形の板を用いて構成しており、その板状の弁部材40を装着する容器31の筒32の下端部には、複数の突起41・・を任意の数設けて、弁部材40を水平に係止する保持部としている。
【0056】
前記弁部材40には、その一端部付近に開閉ワイヤ36を係止して、作業船の操作部からの操作が可能とされるものであるが、筒32に遮水材を充填する作業は水中では行われるものではないので、この弁部材40を筒の底に位置決めして装填する際には、簡単に係止突部の上に位置決めし直すだけであるから、その弁部材の装着作業は、容易に行い得ることになる。
【0057】
そして、前記弁部材40を筒32の下端部に位置決めしてから遮水材を入れると、その遮水材の重量と粘性が作用して、弁部材40を下の突部41・・に押圧する状態で、中の遮水材を安定した状態で保持して保護することができる。前述したようにして、遮水材を入れた容器31を遮水層の接続部のたて穴に挿入して、図5の(A)のように穴の底まで下降させてから操作ワイヤ36を引いて、弁部材40を傾けるような力を加えると、同図の鎖線で示すように弁部材40が傾けられるので、筒の中に収容されている遮水材が筒32の下端から流れ出して、たて穴の底から遮水材を充満させることができる。
【0058】
前記板状の弁部材40を使用する場合には、同図(B)にも説明しているように、筒32の下端部の内面から、任意の高さの突起41を設けるだけで良く、筒32は容易に加工できる。また、前記弁部材40を単純に底を塞ぐ板として用いる場合には、筒32の中に入れた遮水材がウエイトとして下に向けて押圧する作用を加えるので、異常な力等が加えられない限りは弁が外れたりすることはなく、安定した状態で内容物を保持できる。
【0059】
また、前記板状の弁部材40は、操作ワイヤ36を用いて一端部を引き上げる方向の力を加えると、複数の突部に係止される状態で安定していた弁のバランスが崩れるので、容易に開き得る状態となる。したがって、前記板状の弁部材40が極めて単純な構成のものであったとしても、その作用は十分に信頼できるものとなる。
【0060】
前記図4、5に説明した弁部材の他に、筒状の注入容器の底に設ける弁部材としては、次の図6、または図7に説明するような構成のものを用いることができる。
図6に説明する例では、一対の略半円形の板43を中央のヒンジ軸44で連結して弁部材が構成されており、片方の板43の前記ヒンジ軸44近傍部分を操作ワイヤ36に接続して、遮水材の収容容器31の筒32の下端部に設けている。そして、前記ワイヤ36を作業船等の操作部で操作することにより、弁部材を開閉する作用を行わせるようにしている。
【0061】
前記図6に示す例では、筒32の下端部に設けている一対の板43を、前記図5の係止突起のような部材で支持することも可能であり、また、板43の一部を筒の中に設けた軸を介して揺動可能に支持することで、ワイヤにより弁部材を操作する方法を用いても良い。
その他に、前記2つの半円形の板43を組合わせて構成する弁部材では、中央部のヒンジ軸44を筒32の内側に設けた縦のガイド溝に沿わせて上下動させる手段を用いて、弁部材の開閉操作を容易に行い得るように構成しても良い。
【0062】
前記図6の弁部材の他に、図7に示すように、略半球状の曲面板からなる弁部材45を用いることも出来る。前記弁部材45を用いる場合には、その頂部に接続した操作ワイヤ36を操作することで、弁部材の開閉の操作を容易に行い得て、弁部材を閉じる際の位置決めを容易に行い得るものとなる。
【0063】
前記図7に説明した例のような半球状の弁部材を用いることに代えて、球状の弁部材を操作ワイヤに接続して用いることもできる。この場合には、前記半球状の弁部材より容易に作成できて、操作性も良いものを提供することができることもある。
【0064】
また、先述した各実施例のように、平板や半円形の板等を用いて、弁部材を構成する場合には、弁部材の材料と製作コストを安くできて、製作も容易にできるもので、弁を構成する材料を適宜選択することで、弁を補修する時や、交換作業を容易に行うことができるものとなる。
また、前記容器の筒の材料と構造を良好なものとすることにより、遮水材を注入する作業中に周囲の構造体に当ったりしても、弁部材が不意に開かれて、周囲を汚したりすることがないように取り扱うことができる。
【0065】
前述した各実施例においては、筒の底を閉じる弁部材をワイヤにより吊下げて、再使用に供しているが、図8に示す例では、弁部材を支持しているワイヤを切り離して、たて穴の中に遮水材とともに落下させて充填してしまうようにする。つまり、同図に示すように、弁部材46をアスファルトの塊や、任意の遮水材との接着性を有する材料を用いて、ブロック状のものとして作成し、吊りワイヤ47を用いて容器の筒の底に持ち上げて、押し付けるように支持できる。
【0066】
そして、遮水材を容器の筒32に充填するときに、吊りワイヤに係止した弁部材46を前記筒32の底に装着して塞いでから、遮水材を充満させて、施工するたて穴30の中に上から挿入して、所定の深さの位置まで下降させる。その後に、吊りワイヤ47の上端を切り離して、弁部材46を遮水材とともに穴の中に充填して、前記筒のみを回収するのである。
【0067】
前述したように遮水材をたて穴に施工するための容器は、遮水壁の隙間などの断面形状に合わせて、比較的余裕を持たせた形状で、任意の長さを有するものとして構成することができる。そして、前記図8のように弁部材は、筒から切り離して遮水材と混ぜて充填することも可能である。なお、弁部材は、そのように1回毎に捨てる場合には、製造コストの安いものを用いることが望ましい。
【0068】
前述した各実施例のように、遮水材を狭い断面のたて穴に充填するためのバケットに代わる容器として、筒状の長いものを用いることにより、遮水材を必要とする部分に遮水材の性状に影響されない状態で供給することができる。そして、どのような断面形状のたて穴であっても、充填されるたて穴の中に充填した遮水層の中には、空気や水などが混じることがなく、良質の遮水層として作用させ得るのである。
【0069】
なお、前記本発明の説明で、遮水材を取り扱う筒状の容器としては、任意の断面形状の筒を対象とできるものであり、例えば、中空円柱、中空円錐、中空樽型、中空角柱、中空角錐等のような任意の形状のもので、遮水層施工現場でたて穴に挿入して使用できる形状のものを、任意に選択して用いることが出来る。
【0070】
また、前記筒部材の下端部に装着して、開閉可能に設ける弁部材、または、1回毎に装着して、穴の中に遮水材と混ぜて残す使い捨ての弁部材においても、前記したように、円錐形、球状、曲面状等の他に、筒の内面形状に対応させた断面形状のものを用いることが可能である。
【0071】
さらに、本願で長い容器に入れて施工する遮水材としては、アスファルト混合物を主として考えているものであるが、その他に、立設する遮水壁で、遮水層として非常に長い期間、安定した状態で使用できるものであれば、従来より使用されている粘土質材料や、その他の任意の遮水材を用いることも可能である。
【0072】
また、本発明の遮水材を注入するために用いる筒状の容器においては、狭い断面積のたて穴の中に挿入して容器の下部からたて穴の底に向けて堆積させるのであるから、従来のバケットに収容した遮水材をシュートを用いて、上から狭いたて穴の下部に向けて遮水材を落下させて注入する例のように、遮水材が注入される作業の途中で固化する等の不都合が発生することがなくなる。
【0073】
そして、本願において、断面の面積が小さく縦に長いたて穴に、従来の手法を用いた場合のように、細い1筋の流れをなすような状態で上から注入するのではなく、高温の遮水材を本発明の容器の下部から排出させて、穴の底から堆積させる手法を用いているのであるから、安定した状態の遮水層を構築することができる。
【0074】
前述したような筒状の容器を用いるのであるから、遮水処理の対象とされるたて穴の容積が大きい場合でも、その断面に対応させた大きさの筒状の容器を用いることで、能率良く処理作業を行うことが出来る。
また、前記遮水材の充填に使用する筒状の容器は、金属製の筒の他に任意の材料を用いて構成することが可能であり、海域の水温や装置の使用性を加味して、筒等の構成材料と形状を適宜決定すればよい。
【符号の説明】
【0075】
1 仕切護岸、 2、2a 遮水壁、 3 不透水層、 4 透水層、
5 充填層、 6 表面処理層、 7 処分場、 10 鋼製箱形矢板、 12 フランジ、 14 継手部、 15 外側部材、 16 内側部材、 18 継手空間、 18a 遮水層、 19 大きな空間部、
19a 遮水層、 20 鋼管矢板式仕切護岸、 21、21a パイプ、
22 接続部、 23 受け部、 23a スリット、 24 挿入部、
25 接続部、 25A 封止部、 26、27 受けパイプ、
28 接続板、 29 フランジ、 30 たて穴、 31 容器、
32 筒、 33 吊り具、 34 吊りワイヤ、 35 弁部材、
36 開閉ワイヤ、 38 遮水材、 40 弁部材、 41 突起、
43 板、 44 ヒンジ軸、 45、46 弁部材、 47 吊りワイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物等の海面埋立処分場を外の海から区画するための仕切護岸であって、
前記仕切護岸をケーソンや矢板のような既製の構造物を列状に立設し、前記立設する構造物の間に遮水処理するに際して、
前記構造物の接続部での上下に長く、小さい断面積のたて穴として構成される空間に、遮水材を充填するために、筒状で下端部分に開閉可能な弁部材を設けた容器を、作業装置のクレーン等の吊り具に付設する操作ワイヤにより垂下して移動可能に構成し、
前記容器の筒の下端部に操作ワイヤで引き上げる状態で設けた弁部材を、前記操作ワイヤを緩めて開き、容器の中に収容している遮水材を排出させて、遮水材を遮水層施工部のたて穴の下から上に向けて供給することを特徴とする鉛直遮水層構築工法。
【請求項2】
前記筒状の容器の下の開口を封止する弁部材は、前記容器の筒の中、又は外側を通して配置される操作ワイヤに支持され、作業装置の操作部から操作ワイヤを操作して、前記弁部材を開閉する操作を行うことを特徴とする請求項1に記載の鉛直遮水層構築工法。
【請求項3】
前記筒状の容器は、遮水材の充填の対象とされる構造物の接続部のたて穴の内断面に対して、余裕を持って挿入可能な外径のもので、任意の断面形状と長さを有するものとして構成され、
遮水材を容器の底部から排出し、たて穴の底部から上に向けて遮水材を堆積させて、前記接続部の空間に充填することを特徴とする請求項1または2に記載の鉛直遮水層構築工法。
【請求項4】
前記筒状の容器は、遮水材が水に直接触れないように保持できる構造を有するもので、
前記容器の下端部の弁を開いて遮水材を排出する時にのみ、遮水材が水に触れることを許容する状態で、遮水材を排出する等の取り扱いを行い得るものとすること特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の鉛直遮水層構築工法。
【請求項5】
前記筒状の容器の下端部を閉じるために用いる弁部材は、前記容器の先端断面形状に合致するもので、前記容器の下部から挿入して穴を塞ぐか、容器の下端面に押圧されて穴を塞ぐ作用を行う部材として構成され、前記弁部材を移動させて前記容器の下端に開かれる穴から、遮水材を排出させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の鉛直遮水層構築工法。
【請求項6】
前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材は、容器の下端に設けた支持軸を介して揺動可能な部材で構成し、前記弁部材の開閉を可能に設けることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の鉛直遮水層構築工法。
【請求項7】
前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材を、任意の厚さの円形の板で構成して、前記筒状の容器の下端部内面に設けた複数の突部に載せる状態で支持し、前記円板の1端部に接続する操作用ワイヤにより開く動作を行わせて、筒に収容した遮水材を排出させるもので、次に遮水材を充満させる際に、前記円板状の弁を作業者が操作して閉じる構成を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の鉛直遮水層構築工法。
【請求項8】
前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材を、半球状または球状の部材で構成し、前記筒状の容器の下端部に対して弁部材の円弧状の上面を押圧する状態で、下面部から封止作用を行い、前記弁部材を操作ワイヤにより引き上げまたは緩める状態で、筒の下端部の開口を開閉することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の鉛直遮水層構築工法。
【請求項9】
前記筒状の容器の下端部に設ける弁部材を、前記容器の下端部から挿入して封止する形状のものを用いる場合に、前記弁部材を容器下端部の断面形状に対応する断面で、テーパ状に次第に小径に構成したものを用い、前記弁部材を操作ワイヤにより開くか、または、容器から切り離して落下させる操作で、筒の下端部の開口を開くことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の鉛直遮水層構築工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−111547(P2013−111547A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261524(P2011−261524)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000230711)日本海上工事株式会社 (25)
【Fターム(参考)】