説明

銀行券の確認

銀行券を確認するための分類装置を生成するための方法。真券からの一組のトレーニング画像のすべてからの情報は、後で各トレーニング・セット画像をセグメント分割するために使用されるセグメント分割テンプレートを形成する。特徴は、セグメントから抽出され、好適には、1クラス統計的分類装置であることが好ましい分類装置を形成するために使用される。この方法により、偽造紙幣の例を使用しなくても、分類装置を、異なる貨幣および金種に対して迅速に容易に形成することができる。このような分類装置を使用する銀行券確認装置およびこのような分類装置による銀行券の確認方法についても説明してある。好ましい実施形態の場合には、銀行券確認装置は、自動金銭受け払い機のようなセルフ・サービス装置に組み込まれる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券を確認するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2005年12月16日付けで出願された米国特許出願第11/305,537号の一部継続出願である。
【0003】
簡単で、信頼性が高く、コスト・パフォーマンスの良い方法で、異なる貨幣および金種の銀行券の自動検証および確認に対するニーズはますます増大している。このようなチェックおよび確認は、例えば、セルフサービス・キオスク、券売機、預金を受け入れるように配置されている自動金銭受け払い機、セルフサービス両替機等のような銀行券を受け入れるセルフサービス装置の場合に必要になる。
【0004】
以前は、貨幣確認のための手動式方法は、銀行券の画像のチェック、すかしのような透過効果、および糸のすき入れ(thread registration mark)、銀行券の手触りおよびさらに匂いを含んでいた。他の周知の方法は、半手動式質問を必要とする半ば公然の特徴に依存していた。例えば、磁気的手段、紫外線センサ、蛍光、赤外線検出器、キャパシタンス、金属ストリップ、画像パターンおよび類似のものを使用していた。しかし、これらの性質そのものにより、これらの方法は手動式または半手動式であり、長時間手動の介入を使用することができない多くの用途に適していない。例えば、セルフサービス装置には適していない。
【0005】
自動貨幣確認装置を作成するには、かなり面倒な問題を克服しなければならない。例えば、異なるセキュリティ形体(security feature)および基材のタイプと一緒に多くの異なるタイプの貨幣が存在する。これらの異なる金種においても、異なるレベルのセキュリティ形体を含むものが共通に存在する。それ故、これらの異なる貨幣および金種に対して容易にまた簡単に貨幣の確認を行うための一般的な方法が求められている。
【0006】
要するに、貨幣確認装置のタスクは、所与の銀行券が真券か偽造紙幣かを見分けることである。以前の自動確認方法は、通常、分類装置をトレーニングするために知らなければならない偽造紙幣の比較的多数の例を必要とした。さらに、これらの以前の分類装置は、既知の偽造紙幣のみを検出するためにトレーニングされる。このことは厄介なことである。何故なら、多くの場合、可能な偽造についての情報はほとんど入手することができないか、または全然入手することができないからである。例えば、このことは、新しく導入された金種または新しく導入された貨幣の場合に特に問題になる。
【0007】
Chao He、Mark GirolamiおよびGary Ross(このうちの2人は本願の発明者である)のPattern Recognition 37(2004年)1085〜1096ページ掲載の、「Employing optimized combinations of one−class classifiers for automated currency validation」という名称の以前の論文に自動貨幣確認方法が開示されている(欧州特許第EP1484719号公報、米国第US2004247169号公報)。この方法は、グリッド構造を使用して銀行券全体の画像をいくつかの領域にセグメント分割するステップを含む。個々の「1クラス」分類装置は、各領域に対して組み立てられ、領域特定分類装置の小さなサブセットが全体の判定を提供するように組み合わされる。(「1クラス」という用語については以下にさらに詳細に説明する。)性能をよくするための領域特定分類装置のセグメント分割および組合せは、遺伝的アルゴリズムを使用することにより行われる。この方法は、遺伝的アルゴリズムの段階で少数の偽造サンプルを必要とするので、偽造データが入手できない場合には適していない。
【特許文献1】欧州特許第EP1484719号公報
【特許文献2】米国第US2004247169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
また、リアルタイムで実行することができる計算コストの安い方法での自動的な貨幣の確認も求められている。
【0009】
本発明は、上記問題のうちの1つまたは複数を克服または少なくとも緩和する銀行券を確認するための方法および装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に銀行券確認のための分類装置を作成する方法について説明する。真券からのすべての一組のトレーニング画像からの情報は、後で各トレーニング・セット画像をセグメント分割するために使用されるセグメント分割テンプレートを形成するために使用される。特徴はセグメントから抽出され、好適には、「1クラス」の統計的分類装置であることが好ましい分類装置を形成するために使用される。分類装置は、このようにして、偽造銀行券の例を使用しなくても異なる貨幣および金種に対して迅速に簡単に形成することができる。このような分類装置を使用する銀行券確認装置およびこのような分類装置を使用する銀行券を確認する方法についても説明する。

好ましい実施形態の場合には、銀行券確認装置はATMのようなセルフ・サービス装置に組み込まれる。
【0011】
銀行券を確認のための分類装置を生成するための方法は、下記のステップを含む。
・銀行券の画像のトレーニング・セットにアクセスするステップ
・トレーニング・セット画像を使用してセグメント分割テンプレートを生成するステップ
・セグメント分割テンプレートを使用して各トレーニング・セット画像をセグメント分割するステップ
・各トレーニング・セット画像の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するステップ
・特徴情報を使用して分類装置を形成するステップ
この場合、セグメント分割テンプレートは、トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいて生成される。
【0012】
トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいてセグメント分割テンプレートを生成することにより、本発明者らは、銀行券の確認の際の性能が改善することを発見した。対照的に、従来の方法は、セグメント分割を行うためにすべてのトレーニング・セット画像からの情報を必要としないセグメント分割のための厳格な格子構造を使用していた。
【0013】
例えば、トレーニング・セット内のすべての画像からの情報は、形態学的情報を含む。この情報は、トレーニング・セット内のパターン、色、テクスチャ等であってもよい。本発明者らは、経験によりこのタイプの情報を使用すれば、銀行券確認性能が改善することを発見した。
【0014】
ある例の場合には、トレーニング・セット内のすべての画像からの情報は、各トレーニング・セット画像内の同じ位置のところの画素に関する情報を含む。この情報は、以下にさらに詳細に説明するように、画素輝度プロファイルを含むことができる。
【0015】
好適には、セグメント分割テンプレートは、トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいて画像面内の画素位置をクラスタリングするために、クラスタリング・アルゴリズムにより生成することが好ましい。当業者であれば周知のように、任意の適切なクラスタリング・アルゴリズムを使用することができる。
【0016】
好ましい実施形態の場合には、分類装置は、1クラス分類装置である。1クラス分類装置は有利である。何故なら、1クラス分類装置および上記セグメント分割テンプレートを形成する方法を使用することにより、本発明者らは、トレーニング・セット内の偽造紙幣の例を使用しないですむ。それ故、好適には、トレーニング・セット画像は真券だけであることが好ましい。
【0017】
好適には、分類装置は、統計的1クラス分類装置であることが好ましい。これらの分類装置は、通常、計算の量が少なく、神経ネットワークをベースとするアプローチよりも性能が優れている。
【0018】
好適には、分類装置を形成するステップは、真券を含む対象クラス内の銀行券に関する統計の分布を推定するステップを含むことが好ましい。
【0019】
特に好ましい実施形態の場合には、トレーニング・セット画像は、反射画像、透過画像、可視情報、非可視情報、および磁気的、熱的およびx線画像のような他の画像のうちのいずれかから選択される。
【0020】
また、特徴抽出ステップで使用するために、1つまたは複数のタイプの特徴を選択するために特徴選択アルゴリズムを使用することもできる。
【0021】
さらに、分類装置は、銀行券の特定の金種および貨幣に関する指定の情報に基づいて形成することができる。例えば、所与の貨幣および金種の色または他の情報、空間周波数または形状の点で、特にデータを多く含んでいる領域に関する情報に基づいて形成することができる。
【0022】
本発明は、また、下記のものを含む銀行券分類装置を生成するための装置を含む。
・銀行券の画像のトレーニング・セットにアクセスするように配置されている入力
・トレーニング・セット画像を使用してセグメント分割テンプレートを生成するように配置されているプロセッサ
・セグメント分割テンプレートを使用して各トレーニング・セット画像をセグメント分割するように配置されているセグメント分割装置
・各トレーニング・セット画像の各セグメントから、1つまたは複数の特徴を抽出するように配置されている特徴抽出部
・特徴情報により分類装置を形成するように配置されている分類形成手段
この場合、プロセッサは、トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいてセグメント分割テンプレートを生成するように配置されている。
【0023】
本発明は、また、下記のものを含む銀行券確認装置を含む。
・確認する銀行券の少なくとも1つの画像を受け入れるように配置されている入力
・セグメント分割テンプレート
・セグメント分割テンプレートを使用して銀行券の画像をセグメント分割するように配置されているプロセッサ
・銀行券の画像の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するように配置されている特徴抽出部
・銀行券を、抽出した特徴に基づいて真券であるかないかに分類するように配置されている分類装置
この場合、セグメント分割テンプレートは、銀行券の一組の各トレーニング画像に関する情報に基づいて形成済みである。
【0024】
ある例の場合には、銀行券確認装置は、さらに、複数の分類装置および各分類装置の結果を結合するように配置されている結合装置を含む。
【0025】
本発明は、また、下記のステップを含む銀行券を確認するための方法を含む。
・確認する銀行券の少なくとも1つの画像にアクセスするステップ
・セグメント分割テンプレートにアクセスするステップ
・セグメント分割テンプレートを使用して銀行券の画像をセグメント分割するステップ
・銀行券の画像の各セグメントから特徴を抽出するステップ
・分類装置により抽出した特徴に基づいて銀行券を真券であるかないかに分類するステップ
この場合、セグメント分割テンプレートは、銀行券のトレーニング画像の各セットに関する情報に基づいて作成済みである。
【0026】
本発明は、また、上記方法のいずれかのすべてのステップを実行することができるコンピュータ・プログラム・コードを含むコンピュータ・プログラムをコンピュータ上で実行した場合の上記コンピュータ・プログラムを含む。
【0027】
コンピュータ・プログラムは、コンピュータ可読媒体上で実施することができる。
【0028】
本発明は、また、下記のものを含むセルフ・サービス装置を含む。
・銀行券を受け入れるための手段
・銀行券のデジタル画像を入手するための画像形成手段
・上記銀行券確認装置
【0029】
この方法は、記憶媒体上で機械可読形態でソフトウェアにより実行することができる。この方法ステップは、当業者であれば理解できると思うが、任意の適切な順序でおよび/または並列に実行することができる。
【0030】
このことは、ソフトウェアが、高価で、個々に取引することができる商品であり得ることを示している。所望の機能を実行するために、「ダム(dumb)」端末または標準ハードウェア上で稼働し、または制御するソフトウェアを含むことを意図していて、(およびそれ故、ソフトウェアが、レジスタの機能を本質的に定義し、それ故、その標準ハードウェアと結合する前でも、レジスタと呼ぶことができる)。類似の理由のために、所望の機能を実行する目的で、シリコンチップを設計するために、または汎用プログラマブル・チップを構成するために使用するように、HDL(ハードウェア記述言語)ソフトウェアのようなハードウェアの構成を「記述」または定義するソフトウェアを含めることを意図している。
【0031】
好適な機能は、当業者であれば理解できると思うが、必要に応じて組み合わせることもできるし、本発明の任意の態様と結合することもできる。
【0032】
添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。これらの例は、出願人が現在知っている本発明を実行するための最善の方法を示しているが、本発明は他の方法でも実行することができる。
【0034】
「1クラス分類装置」という用語は、1つのクラスからだけの例についての情報を使用して形成または構成する分類装置を指すために使用されるが、新しく提示された例をその1つのクラスに割り当てるか割り当てないかを決めるために使用される。これが、2つのクラスからの例についての情報を使用して形成され、これら2つのクラスの一方または他方に新しい例を割り当てるために使用される従来の2進分類装置と異なるところである。1つのクラスの分類装置は、その境界ではみ出す例が、既知のクラスに属さないと見なされるように、既知のクラスの周囲の境界を定義するものと見なされる。
【0035】
図1は、銀行券確認のための分類装置を形成する方法のハイレベルの流れ図である。
【0036】
最初に、真券の画像のトレーニング・セットが入手される(図1のボックス10参照)。これらは、同じ貨幣および金種の銀行券から入手した同じタイプの画像である。画像のタイプは、画像の入手方法に関連し、これは当業者であれば周知の任意の方法で行われる。例えば、反射画像、透過画像、赤、青または緑のチャネルのうちの任意の色の画像、熱画像、赤外線画像、紫外線画像、x線画像または他の画像タイプを使用することができる。トレーニング・セットの画像は、登録されていて、同じサイズである。当業者であれば周知のように、必要な場合には、画像を整合し、適切なサイズにスケーリングするために、前処理を行うことができる。
【0037】
次に、本発明者らは、トレーニング・セットの画像からの情報を使用してセグメント分割テンプレートを生成する(図1のボックス12参照)。セグメント分割テンプレートは、複数のセグメントへの画像の分割方法に関する情報を含む。セグメントは、連続していなくてもよい。すなわち、所与のセグメントは、画像の異なる領域内に2つ以上のパッチを含むことができる。好適には、しかし、必ずしもそうする必要はないが、セグメント分割テンプレートは、また、使用するための指定の数のセグメントを含むことが好ましい。
【0038】
本発明者らは、セグメント分割テンプレートを使用して、トレーニング・セット内の各画像をセグメント分割する(図1のボックス14参照)。次に、本発明者らは、各トレーニング・セット画像内の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出する(図1のボックス16参照)。「特徴(feature)」という用語は、セグメントの任意の統計的または他の特徴を意味する。例えば、平均画素輝度、中間画素輝度、画素輝度のモード、テクスチャ、ヒストグラム、フーリエ変換記述子、ウェーブレット変換記述子、および/またはセグメント内の任意の他の統計を意味する。
【0039】
次に、特徴情報を使用して分類装置が形成される(図1のボックス18参照)。当業者であれば周知のように、任意の適切なタイプの分類装置を使用することができる。本発明の特に好ましい実施形態の場合には、分類装置は、1クラス分類装置であり、偽造紙幣に関する情報を必要としない。しかし、当業者であれば周知のように、2進分類装置または任意の適切なタイプの他のタイプの分類装置も使用することができる。
【0040】
図1の方法を使用すれば、特定の貨幣および金種の銀行券の確認のための分類装置を簡単に、迅速にまた効果的に形成することができる。他の貨幣または金種に対する分類装置を形成するためには、適当なトレーニング・セット画像でこの方法が反復して使用される。
【0041】
(発明の背景のところで説明したように)上記では、セグメント分割テンプレートを形成するために、画像面上でのグリッド構造の使用、および遺伝的アルゴリズム方法の使用を含むセグメント分割技術を使用した。そのため、偽造紙幣に関する情報を使用しなければならなくなった。
【0042】
本発明は、多数の可能なセグメント分割テンプレート内で優れたセグメント分割テンプレートを探索するために、遺伝的アルゴリズムまたは等価の方法を使用しないですむセグメント分割テンプレートを形成するための異なる方法を使用する。これにより、計算に関するコストが低減し、性能が改善する。さらに、偽造紙幣に関する情報が必要なくなる。
【0043】
本発明者らは、通常、偽造プロセスにおいて、銀行券全体の模造の質を均一にすることは難しく、それ故、銀行券のある領域は他の領域と比較してうまくコピーするのがもっと難しいと考える。それ故、厳格に均一なグリッド・セグメント分割を使用するよりも、もっと精巧なセグメント分割を使用することにより銀行券の確認を改善することができることを認識している。本発明者らが行った経験的な試験は、全くその通りであることを示していた。パターン、色およびテクスチャのような形態的特徴に基づくセグメント分割により、偽造紙幣を検出する際の性能が改善された。しかし、エッジ検出器の使用のような従来の画像セグメント分割方法は、トレーニング・セット内の各画像に適用した場合は使用するのが難しかった。それは、各トレーニング・セット部材に対して入手する結果が変化するからであり、異なるトレーニング・セット画像内の対応する特徴を整合するのが難しいからである。セグメント整合のこの問題を回避するために、ある好ましい実施形態の場合には、いわゆる「時空間画像分解」を使用した。
【0044】
ここでセグメント分割テンプレートを形成するための方法について詳細に説明する。ハイレベルにおいて、この方法は、画像面を、それぞれが複数の指定した画素を含む複数のセグメントに分割するための方法の指定とみなすことができる。セグメントは、すでに説明したように、連続していなくてもよい。本発明の場合には、この指定は、トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいて行われる。対照的に、厳格なグリッド構造を使用するセグメント分割は、トレーニング・セット内の画像からの情報を必要としない。
【0045】
スタック状態にあって、同じ向きに相互に整合しているトレーニング・セット内の画像について考えてみよう。銀行券画像面内の所与の画素を取り上げてみると、この画素は、各トレーニング・セット画像内の特定の画素位置のところの画素輝度に関する情報を含む「画素輝度プロファイル」を有していると見なされる。任意の適切なクラスタリング・アルゴリズムを使用して、画像面内の画素位置が、セグメント内にクラスタリングされる。この場合、これらセグメント内の画素位置は、類似のまたは相互に関連する画素輝度プロファイルを有する。
【0046】
好ましい例の場合には、これら画素輝度プロファイルを使用する。しかし、画素輝度プロファイルは必ずしも使用しなくてもよい。また、トレーニング・セット内のすべての画像からの他の情報を使用することもできる。例えば、4つの隣接する画素のブロックに対する輝度プロファイル、または各トレーニング・セット画像内の同じ位置のところの画素に対する画素輝度の平均値を使用することもできる。
【0047】
ここでセグメント分割テンプレートを形成するための方法の特に好ましい実施形態について詳細に説明する。この実施形態は、下記の刊行物Lecture Notes in Computer Science、2352:747〜758ページ、2002年に掲載のS.Avidanの、「EigenSegments:A spatio−temporal decomposition of an ensemble of images」に教示されている方法に基づいている。
【0048】
同じサイズr×cの登録され、スケーリングされた画像{I}i=1,2,Λ,Nのアンサンブルの場合には、各画像Iは、ベクトルの形で、その画素により
【数1】

として表すことができる。ここで、aji(j=1,2,Λ,M)は、i番目の画像のj番目の画素の輝度であり、M=r・cは画像内の画素の全数である。次に、アンサンブル内のすべての画像の(平均値を使用してゼロにした)ベクトルIをスタックすることにより、デザイン・マトリクス
【数2】

を生成することができる。それ故、
【数3】

となる。A内の行ベクトル
【数4】

は、N個の画像を横切る特定の画素(j番目)に対する輝度プロファイルとみなすことができる。2つの画素が、画像の同じパターン領域からのものである場合には、これらの画素は、類似の輝度値を有する可能性があり、それ故、強い時間的相関を有する可能性がある。本明細書においては、「時間的」という用語は、時間軸に正確に対応しないが、アンサンブル内のいくつかの画像を横切る軸を示すのに借用していることに留意されたい。我々のアルゴリズムは、これらの相関を発見しようとし、画像面を類似の時間的行動を有する画素の領域に空間的にセグメント分割する。本発明者らは、輝度プロファイル間のメトリックを定義することによりこの相関を測定する。簡単な方法としては、ユークリッド距離を使用する方法がある。すなわち、2つの画素jおよびk間の時間的相関は、
【数5】

で表示することができる。d(j,k)が小さくなればなるほど、2つの画素間の相関は強くなる。
【0049】
画素間の時間的相関により画像面を空間的に分解するために、本発明者らは、画素輝度プロファイル(デザイン・マトリクスAの行)上でクラスタリング・アルゴリズムを使用する。それにより時間的に相関付けられた画素のクラスタができる。最も簡単な選択は、K−平均アルゴリズムを使用することであるが、任意の他のクラスタリング・アルゴリズムを使用することもできる。その結果、画像面は、時間的に相関付けられた画素のいくつかのセグメントに分割される。次に、これは、トレーニング・セット内のすべての画像をセグメント分割するためのテンプレートとして使用することができ、分類装置をトレーニング・セット内のすべての画像のこれらのセグメントから抽出した特徴上で構成することができる。
【0050】
偽造紙幣を使用しないで、トレーニングを達成するために、1クラス分類装置を使用することが好ましい。当業者であれば周知のように、任意の適切なタイプの1クラス分類装置を使用することができる。例えば、ニューラル・ネットワーク・ベースの1クラス分類装置および統計ベースの1クラス分類装置を使用することができる。
【0051】
1クラス分類に対する適切な統計的方法は、一般に、考慮対象の観察が、対象クラスから行われるヌル仮説の下のログ尤度比の最大化に基づいていて、これらのものは、対象クラス(真券)に対する多変量ガウス分布を仮定するD試験(DF.Morrisonの、「Multivariate Statistical Methods」(第3版)、McGraw−Hill Publishing Company社、ニューヨーク、1990年に記載)を含む。任意の非ガウス分布の場合には、対象クラスの密度は、例えば、ガウシアンの半パラメトリック混合(CM.Bishopの、「Neural Networks for Pattern Recognition」、Oxford University Press、ニューヨーク、1995年に記載)、または非パラメトリックParzen window(RO. Duda、PE. Hart、DG. Storkの、「Pattern Classification」(第2版)、John Wiley & Sons,INC社、ニューヨーク、2001年に記載)を使用して推定することができ、ヌル仮説の下のログ尤度比の分布は、ブートストラップ(S. Wang、WA. Woodward、HL. Gary他の、「A new test for outlier detetion from a multivariate mixture distribution」、Journal of Computational and Graphical Statistics社、6(3):285〜299ページ、1997年に記載)のようなサンプリング技術により入手することができる。
【0052】
1クラス分類に使用することができる他の方法は、「支持推定(support estimation)」(P.Hayton、B.Schoelkopf、L.Tarrassenko、P.Anuzisの、「Support Vector Novelty Detection Applied to Jet Engine Vibration Spectra」、Advances in Neural Information Processing Systems、13、eds Todd K.LeenおよびThomas G.DietterichおよびVolker Tresp、MIT Press、946〜952ページ、2001年に記載)とも呼ばれる「支持ベクトル・データ・ドメイン記述(SVDD)」(DMJ.Tax、RPW.Duinの、「Support vector domain description」、Pattern Recognition Letters、20(11〜12)、1191〜1199ページ、1999年に記載)、および「極値理論(Extreme Value Theory (EVT)」(SJ.Robertsの、「Novelty detection using extreme Value statistics」、視覚、画像および信号処理に関するIEE議事録(IEE Proceedings on Vision, Image & Signal Processing)、146(3)、124〜129ページ、1999年に記載)である。SVDDにおいては、データ分布の支持が推定され、一方、EVTは、極端な数値の分布を推定する。この特定の用途の場合には、真券の多数の例を使用することができるので、この場合、対象クラスの分布の信頼性の高い推定値を入手することができる。それ故、本発明者らは、好ましい実施形態内で密度分布をはっきりと推定することができる1クラス分類方法を選択するが、必ずしもそうしなくても良い。好ましい実施形態の場合には、本発明者らは、パラメータD試験に基づいて1クラス分類方法を使用する。
【0053】
好ましい実施形態の場合において、本発明者らの1クラス分類装置のために使用する統計的仮説試験について以下に詳細に説明する。
【0054】
p(x|θ)で表されるパラメータθを含む基本的密度関数を含むN個の独立していて同様に分布しているp次元ベクトル・サンプル(各銀行券に対する特徴セット)x,Λ,x∈Cについて考えてみよう。下記の仮説試験が、
【数6】

になるように新しい点xN+1に対して行われる。ここで、Cはヌル仮説が真であり、p(x|θ)で定義される領域を示す。代替仮説の場合に分布は均一であると仮定した場合、ヌルおよび代替仮説に対する下式
【数7】

で表される標準ログ尤度比を、ヌル仮説に対する試験統計として使用することができる。この好ましい実施形態の場合には、本発明者らは、ログ尤度比を新しく提示された銀行券を確認するための試験統計として使用することができる。
【0055】
1)多変量ガウス密度を含む特徴ベクトル:サンプル内の個々の点を記述する特徴ベクトルは多変量ガウシアンであるという仮定の下で、サンプル内の各点が共通平均を共有するか否かを査定する、上記尤度比(1)から得られる試験。そのサンプルの推定値が
【数8】

および
【数9】

である平均μおよび共分散Cを有する多変量正規分布からのN個の独立していて同様に分布しているp次元ベクトル・サンプルx,Λ,xについて考えてみよう。このサンプルから、xで表すランダム選択について考えてみよう。下式
【数10】

で表す関連平方マハラノビス距離は、下式
【数11】

で表されるpおよびN−p−1自由度の中央F分布として分布していることを示すことができる。
【0056】
次に、共通母平均ベクトルxおよび残りxのヌル仮説が、下式の場合には拒否される。
【数12】

ここで、Fα;p,N−p−1は、(p,N−p−1)自由度を有するF分布の上部α・100%点である。本発明者らは、追加のデータxN+1を入手することができる場合には、元のサンプルの一部を形成していない新しい例に対する試験を考える際に、平均および共分散の下記の増分推定値を使用することができる。すなわち、平均は、下式で表すことができ、
【数13】

共分散は、下式で表すことができる。
【数14】

【0057】
式(5)、(6)およびマトリクス反転補助定理を使用することにより、N−サンプルの参照セットおよびN+1番目の試験点の式(2)は、下式のようになる。
【数15】

ここで、
【数16】

および
【数17】

【数18】

による
【数19】

で表した場合、下式のようになる。
【数20】

【0058】
それ故、新しい点xN+1を、共通推定平均
【数21】

および共分散
【数22】

に対する推定されたおよび仮定された正規分布に対して試験することができる。1クラス仮説試験にログ尤度比(1)を使用することにより、試験統計(10)が得られる。多くの場合、多変量ガウス特徴ベクトルの仮定は実際には当てはまらないが、多くの用途に対する適当な実用的な選択が発見されている。本発明者らは、この仮定を緩和して、下記のセクションで任意の密度について考察する。
【0059】
2)任意の密度を有する特徴ベクトル:確率密度推定値
【数23】

は、当業者であれば周知のように、任意の適切な半パラメトリック(例えば、ガウスの混合モデル)または非パラメトリック(例えば、Parzenウィンドウ法)密度推定方法により、任意の密度p(x)から引いた有限データ・サンプル
【数24】

から入手することができる。次に、この密度は、ログ尤度比(1)を計算する際に使用することができる。多変量ガウス分布の場合とは異なり、ヌル仮説の下では試験統計(λ)に対する解析的分布はない。それ故、この分布を入手する目的で、推定した密度の下でそうでない解析的ではないヌル分布を入手するために数字ブートストラップ方法を使用することができ、それ故、λcritの種々の臨界値を入手した経験的分布から確立することができる。N→∞のような限界内においては、尤度比を下式により推定することができる。
【数25】

ここで、
【数26】

は、元のN個のサンプルから推定したモデルの下でのxN+1の確率密度を示す。
【0060】
参照データ・セットからのN個のサンプルのBセット・ブートストラップを生成し、密度分布
【数27】

のパラメータを推定するためにこれらのそれぞれを使用した後で、試験統計
【数28】

のBブートストラップ複製は、N+1’番目のサンプルをランダムに選択し、
【数29】

を計算することにより入手することができる。
【数30】

を昇順に並べることにより、
【数31】

である場合には、所望の有意水準でヌル仮説を拒否するために臨界値αを定義することができる。ここで、λαは、
【数32】

のj番目の最も小さな値であり、α=j/(B+1)である。
【0061】
好適には、分類装置を形成するための方法を異なる数のセグメントに対して反復し、偽造紙幣であるのかそうでないことが分かっている銀行券の画像により試験することが好ましい。次に、最善の性能になるセグメントの数が選択され、その数のセグメントを使用する分類装置が使用される。本発明者らは、セグメントの最善の数は約2〜12であることを発見した。しかし、任意の適切な数のセグメントを使用することもできる。
【0062】
図2は、銀行券確認のための分類装置22を生成するための装置20の略図である。この装置は下記のものを含む。
・銀行券の画像のトレーニング・セットにアクセスするように配置されている入力21。
・トレーニング・セット画像を使用してセグメント分割テンプレートを生成するように配置されているプロセッサ23。
・セグメント分割テンプレートにより、各トレーニング・セット画像をセグメント分割するように配置されているセグメント分割装置24。
・各トレーニング・セット画像内の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するように配置されている特徴抽出部25。
・前記特徴情報を使用して前記分類装置を形成するように配置される分類形成手段26。
この場合、プロセッサは、例えば、上記時空画像分解を使用して、トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいてセグメント分割テンプレートを生成するように配置されている。
【0063】
図3は、銀行券確認装置31の略図である。この銀行券確認装置は、下記のものを含む。
・確認する銀行券の少なくとも1つの画像30を受け入れるように配置されている入力。
・セグメント分割テンプレート32。
・セグメント分割テンプレートを使用して銀行券の画像をセグメント分割するように配置されているプロセッサ33。
・銀行券の画像の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するように配置されている特徴抽出部34。
・銀行券を、抽出した特徴に基づいて真券であるかないかに分類するように配置されている分類装置35。
この場合、セグメント分割テンプレートは、銀行券のトレーニング画像の各セットに関する情報に基づいて形成される。図3の構成要素が相互に独立していることは必ずしも必要でないことに留意されたい。これらの構成要素は一体に形成することができる。
【0064】
図4は、銀行券を確認するための方法の流れ図である。この方法は下記のステップを含む。
・確認する銀行券の少なくとも1つの画像にアクセスするステップ
・セグメント分割テンプレートにアクセスするステップ
・セグメント分割テンプレートにより銀行券の画像をセグメント分割するステップ
・銀行券の画像の各セグメントから特徴を抽出するステップ
・分類装置により抽出した特徴に基づいて銀行券を真券であるかないかに分類するステップ
この場合、セグメント分割テンプレートは、銀行券のトレーニング画像の各セットに関する情報に基づいて作成される。これらの方法のステップは、当業者であれば周知のように、任意の適切な順序または組合せで実行することができる。セグメント分割テンプレートは、暗黙にトレーニング・セット内の各画像に関する情報を含んでいるということができる。何故なら、セグメント分割テンプレートはこの情報に基づいて作成されたものだからである。しかし、セグメント分割テンプレート内の明示の情報は、各セグメント内に内蔵させる画素・アドレスのリストを含む簡単なファイルであってもよい。
【0065】
図5は、銀行券確認装置53を備えるセルフサービス装置51の略図である。この装置は、下記のものを含む。
・銀行券を受け入れるための手段50
・銀行券のデジタル画像を入手するための画像形成手段52
・上記銀行券確認装置53
【0066】
本明細書に記載する任意の範囲またはデバイスの値は、当業者であれば理解することができると思うが、必要な効果を失わないで拡張または変更することができる。
【0067】
好ましい実施形態の上記説明は、単に例示としてのものにすぎないこと、および当業者であれば種々の修正を行うことができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】銀行券を確認するための分類装置を作成するための方法の流れ図である。
【図2】銀行券を確認するための分類装置を作成するための装置の略図である。
【図3】銀行券確認装置の略図である。
【図4】銀行券を確認するための方法の流れ図である。
【図5】銀行券確認装置を含むセルフサービス装置の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀行券を確認するための分類装置を生成するための方法であって、
(i)銀行券の画像のトレーニング・セットにアクセスするステップと、
(ii)前記トレーニング・セット画像を使用してセグメント分割テンプレートを生成するステップと、
(iii)前記セグメント分割テンプレートを使用して前記各トレーニング・セット画像をセグメント分割するステップと、
(iv)前記各トレーニング・セット画像の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するステップと、
(v)前記特徴情報を使用して前記分類装置を形成するステップとを含み、
前記セグメント分割テンプレートが、前記トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいて生成される方法。
【請求項2】
前記トレーニング・セット内のすべての画像からの前記情報が、形態学的情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トレーニング・セット内のすべての画像からの前記情報が、前記各トレーニング・セット画像内の同じ位置のところの画素に関する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記すべての画像からの前記情報が、画素輝度プロファイルを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記セグメント分割テンプレートが、前記トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいて画像面内の画素位置をクラスタリングするために、クラスタリング・アルゴリズムにより生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分類装置が、1クラス分類装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分類装置が、統計的1クラス分類装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分類装置を形成するステップが、真券を含む対象クラス内の銀行券に関する統計の分布を推定するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
特徴を抽出するステップ(v)で使用する目的で、1つまたは複数のタイプの特徴を選択するために、特徴選択アルゴリズムを使用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
銀行券の特定の金種および貨幣に関する指定の情報に基づいて前記分類装置を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記分類装置を形成するステップ(v)で、必要な場合に、分類装置を結合するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
銀行券分類装置を生成するための装置であって、
(i)銀行券の画像のトレーニング・セットにアクセスするように配置される入力と、
(ii)前記トレーニング・セット画像を使用してセグメント分割テンプレートを生成するように配置されるプロセッサと、
(iii)前記セグメント分割テンプレートを使用して前記各トレーニング・セット画像をセグメント分割するように配置されるセグメント分割装置と、
(iv)前記各トレーニング・セット画像の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するように配置される特徴抽出部と、
(v)前記特徴情報を使用して前記分類装置を形成するように配置される分類形成手段とを備え、
前記プロセッサが、前記トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいて前記セグメント分割テンプレートを生成するように配置される装置。
【請求項13】
銀行券確認装置であって、
(i)確認する銀行券の少なくとも1つの画像を受け入れるように配置される入力と、
(ii)セグメント分割テンプレートと、
(iii)前記セグメント分割テンプレートを使用して前記銀行券の前記画像をセグメント分割するように配置されるプロセッサと、
(iv)前記銀行券の画像の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するように配置される特徴抽出部と、
(v)前記銀行券を、抽出した特徴に基づいて真券であるかないかに分類するように配置される分類装置とを備え、
前記セグメント分割テンプレートが、銀行券の一組の各トレーニング画像に関する情報に基づいて形成される銀行券確認装置。
【請求項14】
一組の各トレーニング画像に関する前記情報が、形態学的情報を含む、請求項13に記載の銀行券確認装置。
【請求項15】
一組の各トレーニング画像に関する前記情報が、前記各トレーニング・セット画像の同じ位置のところの画素に関する情報を含む、請求項13に記載の銀行券確認装置。
【請求項16】
一組の各トレーニング画像に関する前記情報が、画素輝度プロファイルを含む、請求項13に記載の銀行券確認装置。
【請求項17】
前記分類装置が、1クラス分類装置である、請求項13に記載の銀行券確認装置。
【請求項18】
前記分類装置が、統計的1クラス分類装置である、請求項13に記載の銀行券確認装置。
【請求項19】
複数の分類装置および前記各分類装置の結果を結合するように配置される結合装置をさらに備える、請求項13に記載の銀行券確認装置。
【請求項20】
銀行券を確認するための方法であって、
(i)確認する銀行券の少なくとも1つの画像にアクセスするステップと、
(ii)セグメント分割テンプレートにアクセスするステップと、
(iii)前記セグメント分割テンプレートを使用して前記銀行券の画像をセグメント分割するステップと、
(iv)前記銀行券の画像の各セグメントから特徴を抽出するステップと、
(v)分類装置により前記抽出した特徴に基づいて前記銀行券を真券であるかないかに分類するステップとを含み、
前記セグメント分割テンプレートが、銀行券のトレーニング画像の各セットに関する情報に基づいて形成される方法。
【請求項21】
前記分類装置が、1クラス分類装置である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記分類装置が、統計的分類装置である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
銀行券を確認するための分類装置を生成するための方法を実行することができるコンピュータ・プログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラムであって、前記方法が、(i)銀行券の画像のトレーニング・セットにアクセスするステップと、(ii)前記トレーニング・セット画像を使用してセグメント分割テンプレートを生成するステップと、(iii)前記セグメント分割テンプレートを使用して各トレーニング・セット画像をセグメント分割するステップと、(iv)前記各トレーニング・セット画像の各セグメントから1つまたは複数の特徴を抽出するステップと、(v)前記特徴情報を使用して前記分類装置を形成するステップとを含み、前記セグメント分割テンプレートが、前記トレーニング・セット内のすべての画像からの情報に基づいて生成されるコンピュータ・プログラム。
【請求項24】
コンピュータ可読媒体上で実施される、請求項23に記載のコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−519532(P2009−519532A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545069(P2008−545069)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003565
【国際公開番号】WO2007/068867
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】