説明

銀電解水吐水装置

【課題】 各種関連装置を集約させて装置全体を小型化させた銀電解水吐水装置を提供する。
【解決手段】 本発明の銀電解水吐水装置1は、その背面に流入口14aが形成され且つその正面側下方に流出口16aが形成された銀電解水吐水装置本体2と、流入口から下流側に延びて銀電解水吐水装置本体内の背面側に形成された背面側流路30と、この流路から下流側に延びて銀電解水吐水装置本体内の正面側に形成され、流出口に通ずる正面側流路32と、を有し、この正面側流路が、背面側流路と連通し鉛直方向上方に延びる正面側上流部鉛直流路30aと、この流路から水平方向に延びる正面側中間部水平流路30bと、この流路の下流側から鉛直方向下方に延びる正面側下流部鉛直流路30cと、を備え、この正面側下流部鉛直流路内に電解槽28が配置され、発電装置26が電解槽と水平方向に並ぶように正面側上流部鉛直流路内に配置されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀電解水吐水装置に係わり、特に、水洗便器等に洗浄水を吐水する銀電解水吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗便器では、便器の前に人が立ったことを検出し便器の使用が終了した時点で自動的に上水又は中水を流す自動洗浄や、使用者のボタン操作等による手動洗浄により、清浄度が維持される。しかしながら、水洗便器に単に洗浄水を流すのみでは、便器や配水管に水アカやぬめりが蓄積したり臭気が発生したりするが、これらを防止することは容易ではないため、従来から問題となっている。
また、小便器においては、尿石が、配管内に付着して排水路を狭くしたり、便器の表面に付着して外観を損ねたり、細菌繁殖の温床となって臭気を放つということが問題となっている。
さらに、一旦便器の表面に付着してしまった尿石はブラシで強く擦らないと除去することができない。このため、これらの尿石の除去は、通常の清掃では難しく、専門の業者に依頼する必要があり、大きな負担となっているという問題がある。
【0003】
これらの問題を解決するために、従来から、例えば、特許文献1に記載されているように、洗浄水の水流を利用して発電装置によって水力発電を行い、この発電によって得られた電気エネルギーを用いて電解槽内で銀電解によって生成された銀イオンを洗浄水に含有させる銀電解水吐水装置が知られている。
【0004】
このような従来の銀電解水吐水装置は、洗浄水に含まれる銀イオンが有する殺菌作用によって、水アカ、ぬめり、尿石などの発生を抑制している。また、銀イオンを生成するための電気エネルギー源として水力発電を利用しているため、家庭用100ボルト電源などの商用電源が不要となり、停電や感電なども問題を解消し、低ランニングコストの便器殺菌装置を実現している。
【0005】
【特許文献1】特開2000−27262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の銀電解水吐水装置では、主要装置として機能する電解槽と発電装置が互いに対して縦方向に配置されていたり、これらの主要装置の作動を制御する制御装置やその他の関連装置が銀電解水吐水装置内に効率よく集約されていないため、銀電解水吐水装置全体が大型化しているという問題がある。
また、一般に、銀電解水吐水装置は、小便器の洗浄水の給水部等、小便器の上方スペース等に取り付けたりしているが、この小便器の上方は、小便器周囲にあるライニングや棚によって銀電解水吐水装置の取り付け可能なスペースが限られているため、銀電解水吐水装置全体をできるだけ小型に設計することが従来から要請されている。
さらに、従来の銀電解水吐水装置は、全体的に横長形状や縦長形状のものが主流となっているが、このような形状の銀電解水吐水装置を小便器の給水管等に取り付ける際に、銀電解水吐水装置全体を給水管に螺合させている。このため、銀電解水吐水装置全体が大きな形状の場合には、銀電解水吐水装置の取り付けの際、それが小便器やライニングに当たって簡単に取り付けることができないという問題がある。また、小便器に取り付けた状態の銀電解水吐水装置を取り外してメンテナンス等を行う際にも、銀電解水吐水装置を簡単に取り外すことができないため面倒な作業となるという問題もある。
また、従来の銀電解水吐水装置では、水力発電、あるいは1次電池や2次電池などの蓄電手段を電源として用いる場合には、銀イオンの生成効率を十分に高くして、システムの消費電力を抑えなければならないという問題がある。
さらに、銀電極の消耗を抑制し、これらのメンテナンスフリーを長期間に亘って実現するには、銀イオンの生成効率を十分に高くする必要があるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、各種関連装置を集約させて装置全体を小型化させる銀電解水吐水装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、着脱が容易な銀電解水吐水装置を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、銀電解による銀イオンの生成効率を向上させ、銀電解に伴う消費電力を低減させる銀電解水吐水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、洗浄水を吐水する銀電解水吐水装置であって、その背面に洗浄水が流入する流入口が形成され且つその正面側下方に洗浄水が流出する流出口が形成された銀電解水吐水装置本体と、上記流入口から下流側に延びて上記銀電解水吐水装置本体内の背面側に形成された背面側流路と、この背面側流路から下流側に延びて上記銀電解水吐水装置本体内の正面側に形成され、上記流出口に通ずる正面側流路であって、この正面側流路が、上記背面側流路と連通し鉛直方向上方に延びる正面側上流部鉛直流路と、この正面側上流部鉛直流路から水平方向に延びる正面側中間部水平流路と、この正面側中間部水平流路の下流側から鉛直方向下方に延びる正面側下流部鉛直流路と、を備えた上記正面側流路と、上記正面側流路の上記正面側下流部鉛直流路内に配置され、少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極を備えた電解槽と、上記正面側上流部鉛直流路内に上記電解槽と水平方向に並ぶように配置され、上記電極に供給する電力を上記洗浄水により発電する発電手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明の銀電解水吐水装置においては、正面側下流部鉛直流路内の電解槽と正面側上流部鉛直流路内の発電手段が互いに水平方向に並ぶように集約されて配置されているため、銀電解水吐水装置の高さ寸法を抑えることができ、銀電解水吐水装置全体を小型化することができる。
【0009】
本発明において、背面側流路は、流入口から鉛直方向上方に延び且つその上部に止水栓が配置された背面側上流部鉛直流路と、この背面側上流部鉛直流路の上部から水平方向に延びるように形成された背面側中間部水平流路と、この背面側中間部水平流路の下流側から鉛直方向下方に延びて正面側上流部鉛直流路と連通し且つその上部に開閉弁が配置されその下部に定流量弁が配置された背面側下流部鉛直流路と、を備えていることが好ましい。これにより、銀電解水吐水装置本体内に止水栓、開閉弁、定流量弁、発電手段、電解槽を集約させて配置することができ、銀電解水吐水装置全体を小型化することができる。
【0010】
本発明において、背面側上流部鉛直流路は、正面側下流部鉛直流路の背面側に配置され、背面側中間部水平流路は、正面側中間部水平流路の背面側に配置され、背面側下流部鉛直流路は、正面側上流部鉛直流路の背面側に配置されていることが好ましい。これにより、銀電解水吐水装置本体内に止水栓、開閉弁、定流量弁、発電手段、電解槽を集約させて配置することができ、銀電解水吐水装置全体を小型化することができる。
【0011】
本発明において、流入口は、背面側上流部鉛直流路の背面側で且つ銀電解水吐水装置本体のほぼ中間の高さの位置に配置されていることが好ましい。これにより、銀電解水吐水装置本体を流入口に対してほぼ上下対称に設定することができる。また、流入口が背面側上流部鉛直流路の背面側に配置されているため、流入口の背面側上流部鉛直流路の外側方向に開放されたスペースを作ることができ、このスペースを活用することによって銀電解水吐水装置本体の着脱やメンテナンス等が容易となる。
【0012】
本発明において、更に、銀電解水吐水装置の作動を制御する制御手段を有し、この制御手段は、銀電解水吐水装置本体の背面側上流部鉛直流路又は正面側下流部鉛直流路の側部に隣接して着脱可能に配置されていることが好ましい。これにより、銀電解水吐水装置本体と制御手段を合わせた銀電解水吐水装置全体を流入口又は流出口に対してほぼ左右対称に設定することができる。また、制御手段を取り外すことによって、銀電解水吐水装置本体の背面側上流部鉛直流路又は正面側下流部鉛直流路の側部に開放されたスペースを作ることができるため、銀電解水吐水装置本体の取り外しやメンテナンス等の際には、このスペースを活用することができ、このスペースを活用することによって銀電解水吐水装置本体の着脱やメンテナンス等が容易となる。
【0013】
本発明において、更に、銀電解水吐水装置本体及び制御手段を覆うケーシングと、このケーシングの正面下部の斜め下方に延びる面に配置された銀電解水吐水装置の使用者の存在を検知する検知手段と、を有することが好ましい。これにより、ケーシングを前方から見た場合、検知手段が目に付きにくいため、検知手段がいたずらされるのを防ぐことができる。
【0014】
本発明において、電解槽は、洗浄水が流れる主流路と、洗浄水が主流路から分流されこの分流後に主流路に戻るように流れる分流路と、少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極であり且つ電極の間に上記洗浄水が流れて上記分流路を形成するように配置された一組の電極と、を備えていることが好ましい。これにより、一組の電極間に流れる流量を少なくすることができ、電極で生成された銀イオンが電解槽の水中に含まれる塩素イオンと反応して塩化銀が生成されるのが抑制され、銀イオンの状態のまま維持されるため、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。また、所定量の銀イオンを得るのに、電極の消費電力が抑制されるため、電極の消耗を抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の銀電解水吐水装置によれば、各種関連装置を集約させて装置全体を小型化させることができる。また、容易に着脱することができる。さらに、銀電解による銀イオンの生成効率を向上させ、銀電解に伴う消費電力を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の銀電解水吐水装置の実施形態について説明する。
図1は小便器洗浄装置に適用した本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置を示す概略正面図であり、図2は本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置を示す概略側面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置1は、主要部である銀電解水吐水装置本体2と、この銀電解水吐水装置本体2の詳細は後述する各種関連装置(図示せず)の作動を制御する制御装置4とを備えている。これらの銀電解水吐水装置本体2と制御装置4は、着脱可能なケーシング6に覆われており、銀電解水吐水装置1の全体がほぼ立方体に近い箱形形状となっている。
【0017】
銀電解水吐水装置1は、水洗小便器8から上方に延びて壁面10の裏側にある給水源(図示せず)へ延びる洗浄水給水管路12の途中に取り付けられている。
また、銀電解水吐水装置本体2は、その背面に洗浄水の流入部14を備え、正面側下方に流出部16を備えており、給水源(図示せず)から銀電解水吐水装置1に給水される洗浄水給水管路12の水は、銀電解水吐水装置本体2の流入部14から流出部16まで形成された詳細は後述する所定の通水路18を通過して、下方の水洗小便器8へ流れるようになっている。
さらに、取り付けられた状態の銀電解水吐水装置1では、銀電解水吐水装置本体2の流入部14が、その背面に延びる上流側給水管12aに螺合されている。また、銀電解水吐水装置本体2の流出部16は、その下方に延びて水洗小便器8から取り外し可能な下流側給水管12bに取り外し可能に取り付けられている。
【0018】
ケーシング6の正面6aの下部は、ケーシング6の背面又は壁面10に向かって斜め下方に延びる斜面6bを形成しており、この斜面6bは、正面6aと所定角度αをなすように形成されている。なお、角度αは、40度〜50度が好ましい。
また、ケーシング6の斜面6bの内側には、水洗小便器8又は銀電解水吐水装置1の正面側に立つ使用者の存在を赤外線等により検知する検知手段であるセンサー4aが配置されており、センサー4aが検知した信号は制御装置4に送信されるように構成されている。
【0019】
つぎに、上述した銀電解水吐水装置本体2について詳細に説明する。
図3は銀電解水吐水装置本体2を左斜め上方から見た拡大斜視図であり、図4は銀電解水吐水装置本体2の正面図であり、図5は銀電解水吐水装置本体2を示す平面図である。
また、図6は図4のA−A線に沿って見た断面図であり、図7は図4のB−B線に沿って見た断面図である。
さらに、図8は図5のC−C線に沿って見た断面図であり、図9は図5のD−D線に沿って見た断面図である。
なお、図6〜図9において銀電解水吐水装置本体2内に形成されている流路内の水の流れを矢印で示す。
図3〜図9に示すように、銀電解水吐水装置本体2には、流入部14から流出部16まで形成された所定の通水路18(詳細は後述する)において、上流側から下流側の順に、各種関連装置である止水栓装置20、電磁弁装置22、定流量弁装置24、発電装置26、銀電解槽28が配置されている。
【0020】
つぎに、銀電解水吐水装置本体2内に形成された通水路18は、流入口14aから下流側に延びて銀電解水吐水装置本体2内の背面側に形成された背面側流路30と、この背面側流路30から下流側に延びて銀電解水吐水装置本体2内の正面側に形成され、流出口16aに通ずる正面側流路32の2つの流路30,32に大別される(図6及び図7参照)。
【0021】
背面側流路30は、最も上流側に形成された背面側上流部鉛直流路30a、この背面側上流部鉛直流路30aの下流側に形成された背面側中間部水平流路30b、及び、この背面側中間部水平流路30bの下流側に形成された背面側下流部鉛直流路30cの3つの流路30a,30b,30cによって構成され、各流路30a,30b,30cは、ほぼ同一の垂直平面内に配置されている(図7及び図8参照)。
【0022】
一方、正面側流路32は、最も上流側に形成された正面側上流部鉛直流路32a、この正面側上流部鉛直流路32aの下流側に形成された正面側中間部水平流路32b、及び、この正面側中間部水平流路32bの下流側に形成された正面側下流部鉛直流路32cの3つの流路32a,32b,32cによって構成され、各流路32a,32b,32cは、ほぼ同一の垂直平面内に配置されている(図7及び図9参照)。
【0023】
背面側上流部鉛直流路30aは流入部14からほぼ鉛直方向上方に延びており、その上部(下流側端部)に止水栓装置20が配置されている(図7及び図8参照)。この止水栓装置20は、流入部14から銀電解水吐水装置本体2の通水路18に流入する水を止水することができるように構成されている。また、止水栓装置20は、水洗小便器8の通常の使用状態では、背面側上流部鉛直流路30aを開放している。
【0024】
背面側中間部水平流路30bは、背面側上流部鉛直流路30aの上部(下流側端部)から斜め下方に屈曲して延びており、その下流側端部に電磁弁装置22が配置されている(図8参照)。背面側中間部水平流路30bは水平方向に形成することが圧損を増加させないためには好ましいが、電磁弁装置22は上方にソレノイド部が設けられており、このソレノイド部までを含めてコンパクトにレイアウトするために、背面側中間部水平流路30bは斜め下方に屈曲した流路としている。また、電磁弁装置22は、センサー4aが水洗小便器8又は銀電解水吐水装置1の正面側に立つ使用者の存在を検知した後にその使用者が立ち去ったことを検知(検知が切れる)すると、開閉弁34が制御装置4からの電気信号に基づいて開閉するように構成されている。
【0025】
背面側下流部鉛直流路30cは、背面側中間部水平流路30bの下流側端部からほぼ鉛直方向下方に向かってかつ背面側上流部鉛直流路30aとほぼ平行に延びており、その下部(下流側端部)に定流量弁装置24が配置されている(図6及び図8参照)。この定流量弁装置24は、背面側下流部鉛直流路30c内を流れる水の流量を水圧の変動によらず一定にするように構成されている。
また、図10は、図8に示す電磁弁装置22から定流量弁装置24までの背面側下流部鉛直流路30cを拡大した断面図である。図10に示すように、電磁弁装置22から定流量弁装置24までの背面側下流部鉛直流路30cは、その途中から下流側にかけて流路断面が広がるようにテーパ角度θでテーパの付いた円錐形状に形成されている。このテーパ角度θについては、電磁弁装置22から流出した水が定流量弁装置24へスムーズに供給されるように5度〜8度が好ましく、5度が最も好ましい。
【0026】
正面側上流部鉛直流路32aは、背面側下流部鉛直流路30cの下部(下流側端部)から正面側に所定距離延びた後、ほぼ鉛直方向上方に向かって延びており、背面側下流部鉛直流路30cのほぼ正面に配置されている。また、正面側上流部鉛直流路32aの途中には、発電装置26が配置されている(図6及び図9参照)。
発電装置26は、正面側上流部鉛直流路32a内に配置された水車36を備えている。この水車36は、磁石(図示せず)とコイル(図示せず)等によって構成された磁場発生装置(図示せず)と接続されている。洗浄水が正面側上流部鉛直流路32aを下方から上方に向かって流れて水車36が回転すると、磁場発生装置(図示せず)から磁場が発生し、磁場発生装置(図示せず)のコイル(図示せず)に電流が流れて制御装置4を経由してセンサー4aの感知や銀電解槽28内の電極38等に電力が供給されるようになっている。
【0027】
正面側中間部水平流路32bは、正面側上流部鉛直流路32aの上部(下流側端部)からほぼ水平方向に延びており、背面側中間部水平流路30bのほぼ正面に配置されている。
【0028】
正面側下流部鉛直流路32cは、正面側中間部水平流路32bの下流側端部から流出部16の流出口16aまでほぼ鉛直方向下方に延びており、背面側上流部鉛直流路30aのほぼ正面に配置されている。
また、正面側下流部鉛直流路32cの途中には、銀電解槽28が発電装置26と水平方向に並ぶように配置されている(図9参照)。
この銀電解槽28には、洗浄水が流れる主流路28aと、洗浄水が主流路28aから分流されこの分流後に主流路28aに戻るように流れる分流路28bの2つの流路28a,28bが形成されている。また、分流路28bには、少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極である一組の電極38(38a,38b)が、銀電解槽28の側壁28cの近傍にかつこれとほぼ平行に延びるように配置されている。
【0029】
また、正面側下流部鉛直流路32cにおいて、銀電解槽28よりも上流側の流路は、銀電解槽28の給水路40となり、銀電解槽28よりも下流側の流路は、銀電解槽28の排水路42となっており、銀電解槽28は、その側壁28cがこれら給水路40の側壁40aと排水路42の側壁42aよりも外側に突出してほぼ四角形状の箱形凹部を形成している。
【0030】
さらに、この銀電解槽28の外側に突出する部分には、一組の電極38a,38bを保持する一組の電極保持部材44a,44bが、これらの下方に水抜き用の空間が形成されるように全体的に銀電解槽28内の上方側に配置され、銀電解槽28の側壁28cとほぼ平行に延びている。すなわち、両電極保持部材44a,44bの上端は、銀電解槽28の上端である上流側端部28dの近傍に位置し、両電極保持部材44a,44bの下端と銀電解槽28の下流側端部28eとの間は、両電極保持部材44a,44bの上端と銀電解槽28の上流側端部28dとの間の距離よりも大きくなっている。
【0031】
また、各電極38a,38bは、各電極保持部材44a,44bにそれぞれ埋め込まれて保持されており、各電極保持部材44a,44bの各電極38a,38bを保持している側の表面44cは、各電極38a,38bの表面と面一となっている。各電極保持部材44a,44bにおける電極38a,38bの位置は、全体的にやや上方側に位置しており、各電極38a,38bの下端から各電極保持部材44a,44bの下端までの長さは、各電極38a,38bの上端から各電極保持部材44a,44bの上端までの長さよりも大きくなっている。
さらに、内側電極保持部材44aの外面46aは、給水路40の側壁40aの面とほぼ面一となっており、分流路28bが給水路40に対して外側にずれるように形成されている。一方、外側電極保持部材44bの内側の面である表面44cは、排水路42の側壁42aの面とほぼ面一となっており、両電極保持部材44a,44bの間に形成される分流路28bのほぼ真下に排水路42の一部が位置するようになっている。
【0032】
つぎに、図9を参照して、一例として、銀電解槽28に関する代表的な部分の寸法を以下に説明する。
まず、銀電解槽28内の幅Lは32.5mmであり、銀電解槽28内の上流側端部28dと下流側端部28eとの間の距離Hは29.5mmである。
つぎに、各電極保持部材44a,44bの諸寸法については、全長hが16mmであり、幅lが2.3mmである。各電極38a,38bの諸寸法については、全長h1が10mmであり、幅l1が0.8mmである。また、電極38a,38bの間の距離d1は3mmである。
また、電極保持部材44a,44bの上端と銀電解槽28の上流側端部28dとの間の距離h2は2mmであり、電極保持部材44a,44bの下端と銀電解槽28の下流側端部28eとの間の距離h3は11.5mmである。
さらに、各電極38a,38bの上端から各電極保持部材44a,44bの上端までの長さh4は2mmであり、各電極38a,38bの下端から各電極保持部材44a,44bの下端までの長さh5は4mmである。
また、銀電解槽28の側壁28cと外側電極保持部材44bの外面46bとの間の距離d2は、6.2mmである。
さらに、給水路40の直径D1と排水路42の直径D2はともに16mmであり、給水路40と排水路42の中心軸間距離d3は5mmである。また、給水路40の中心軸と電極保持部材44a,44bの中間との距離d4は11.5mmである。
【0033】
また、電極保持部材44a,44bに保持された一組の電極38a,38bは、銀(Ag)、又は銀を含有する金属によって形成されている。また、各電極38a,38bは、これらの間の印加電圧の極性を適宜反転させて一方をアノード(陽極)側の銀電極に設定し、他方をカソード(陰極)側の銀電極に設定することができるように構成されている。
さらに、各電極38a,38bは、銀電解槽28の外側に突出した接続端子48a,48bに接続され、詳細は後述する制御装置4からの指令により接続端子48a,48bに電力が供給されるようになっている。
なお、本実施形態では、一組の電極は何れも、銀(Ag)、又は銀を含有する金属によって形成されているが、それに限定されず、少なくとも、アノード(陽極)の電極が、銀又は銀を含む銀電極により形成されていれば良い。また、各電極38a,38bの枚数は、1枚ずつでもよいし、2枚以上でもよい。
【0034】
さらに、正面側下流部鉛直流路32cの給水路40から銀電解槽28内へ流入した洗浄水Wは、主流路28aを流速の大きい水流W1で流れ、銀電解槽28内に配置された一組の電極38a,38bを含む電極保持部材44a,44b同士の間を通過することなく、電極保持部材44a,44bの外部を通過して下流側の排水路42へ主流として流れるようになっている。
一方、分流路28bでは、主流路28aの下流側で水流W1から分流した流速の小さい水流W2が、一組の電極38a,38bを含む電極保持部材44a,44b同士の間を主流路28aの水流W1の方向と逆方向に流れるようになっている。電圧が印加された一組の電極38a,38b同士の間を通過する水流W2には、陽極側の電極38a又は電極38bから銀イオンAg+が放出され、この銀イオンAg+を含む水流W2’が、分流路28bの下流側で再び主流路28aの水流W1に合流するようになっている。また、水流W1に合流した水流W2’は、排水路42を流れて水洗小便器8に供給されるようになっている。
【0035】
また、図1、図7、及び、図8に示すように、銀電解水吐水装置本体2の流入口14は、背面側上上流部鉛直流路30aの背面側に、かつ銀電解水吐水装置本体2のほぼ中間の高さに配置されている。すなわち、流入口14は、銀電解水吐水装置1及び銀電解水吐水装置本体2の垂直方向に対してはほぼ上下対称に配置されている。一方、流入口14は、銀電解水吐水装置本体2の水平方向に対しては右側方に偏って配置されているが、銀電解水吐水装置1の水平方向に対してはほぼ中央(左右対称)に配置されている。すなわち、流入口14は、銀電解水吐水装置1の背面のほぼ中心に配置されている。
さらに、ケーシング6内の制御装置4は、銀電解水吐水装置本体2の右側方のスペースに着脱可能に配置されており、背面側上流部鉛直流路30aと正面側下流部鉛直流路32cの右側部に隣接している。また、制御装置4が銀電解水吐水装置本体2の右側部に隣接して配置された状態では、銀電解水吐水装置本体2の左側端部と制御装置4の右側端部との間の中間に銀電解水吐水装置本体2の流入部14(流入口14a)と流出部16(流出口16a)が位置している(図1参照)。
【0036】
また、本実施形態の銀電解水吐水装置1では、銀電解水吐水装置本体2を取り外してメンテナンス等を行う際には、一旦ケーシング6を取り外して制御装置4を取り外すことによって、各給水管12a,12bにそれぞれ取り付けられた銀電解水吐水装置本体2の流入部14と流出部16の右側方が開放されるようになっている。
【0037】
さらに、制御装置4は、上述したセンサー(センサー部)4a、電磁弁装置駆動部4b、整流部4c、電流供給部4d、蓄電部4e、及び、これら各部4a,4b,4c,4d,4eの回路要素を制御する制御部4fによって構成されている。
電磁弁装置駆動部4bは、制御部4fに送られるセンサー4aからの検知情報に基づいて、電磁弁装置22の開閉弁34に電圧を出力して開閉弁34を開けることにより、洗浄水が水洗小便器8に適宜流れるように構成されている。
整流部4cは、発電装置26により発電された交流電力を整流して直流電流に変換し、所定の電流を制御部4f及び電流供給部4d、蓄電部4eに供給するように構成されている。
電流供給部4dは、発電装置26から整流部4cを経て供給された所定の電流を銀電解槽28の電極38a,38bに供給し、電極38から銀イオンAg+を溶出させるように構成されている。
蓄電部4eは、発電装置26により発電された電力を蓄積し、蓄積させた電力を各部4a,4b,4c,4d,4fで利用できるように構成されている。
【0038】
つぎに、上述した本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置1の動作(作用)を説明する。
まず、使用者が水洗小便器8を使用する前の状態の銀電解水吐水装置1では、電磁弁装置22の開閉弁34は閉鎖されており、この状態では背面側中間部水平流路30b内の静水圧と止水栓装置20の付勢バネ20aによる付勢力とによって止水栓装置20の止水コマ20bは下方向に押されて、背面側上流部鉛直流路30aと背面側中間部水平流路30bとは遮断されている。
つぎに、使用者が水洗小便器8を使用する際、銀電解水吐水装置1の正面側に立つと、制御装置4のセンサー4aがこの使用者の存在を検知し、また、その使用者が立ち去ったことを検知(検知が切れる)して、この検知した信号が制御装置4に送信される。そして、制御装置4の制御部4fが使用者が立ち去ったことをセンサー4aからの信号に基づいて判断すると、電磁弁装置駆動部4bが電磁弁装置22の開閉弁34に電圧を出力し、開閉弁34が所定の開度で所定時間開放される。このとき、開閉弁34が開くと、背面側中間部水平流路30b内の水は、背面側下流部鉛直流路30cに向けて電磁弁装置22の下方に排出され、その結果、流入口14aに供給されている洗浄水の給水圧が止水栓装置20の付勢バネ20aに抗して止水コマ20bを上方に移動させ、流入口14aから供給された洗浄水が背面側上流部鉛直流路30a及び背面側中間部水平流路30bを通じて背面側下流部鉛直流路30cへと供給される。なお背面側下流部鉛直流路30cへ供給された洗浄水は、定流量弁装置24において所定の流量に調整される(図6及び図8参照)。
【0039】
定流量弁装置24を通過した洗浄水は、正面側上流部鉛直流路32aに流れ、正面側上流部鉛直流路32aの下部(上流側)から発電装置26及び正面側中間部水平流路32bに向かって上昇する(図6及び図9参照)。正面側上流部鉛直流路32a内の洗浄水が発電装置26を通過すると、この水流によって発電装置26の水車36が回転して発電が行われる。この発電によって得られた交流電力は、制御装置4の整流部4cで整流されて直流電流に変換され、所定の電流が制御部4f及び電流供給部4d、蓄電部4eに供給される。
また、正面側上流部鉛直流路32aを上昇して正面側中間部水平流路32bに流入した洗浄水Wは、正面側下流部鉛直流路32cの上部(上流側)に流れ、ここから銀電解槽28及び流出口16aに向けて下方に流れる(図7及び図9参照)。
ここで、正面側中間部水平流路32bの洗浄水Wが銀電解槽28内に流入すると、流速が大きい水流W1の洗浄水が、銀電解槽28の主流路28aを流れて排水路42へ流出し、主流路28aの下流側で水流W1から分流した流速の小さい水流W2が、一組の電極38a,38bを含む電極保持部材44a,44b同士の間を主流路28aの水流W1の方向と逆方向に流れる。
また、銀電解槽28の一組の電極38a,38bには、制御装置4の電流供給部4dによって所定の電流が各電極38a,38bの各接続端子48a,48bに供給されており、分流路28b内の洗浄水W2には、陽極側の電極38a又は電極38bから銀イオンAg+が放出され、この銀イオンAg+を含む水流W2’が、分流路28bの下流側で再び主流路28aの水流W1に合流する。また、水流W1に合流した水流W2’は、排水路42を流れ、銀イオンAg+を含む洗浄水が水洗小便器8に供給される。
【0040】
さらに、銀電解水吐水装置本体2を取り外してメンテナンス等を行う際には、上流側給水管12aを止水し、銀電解水吐水装置本体2の止水栓装置20で銀電解水吐水装置本体2内の通水路18を止水した後、銀電解水吐水装置1のケーシング6を取り外してから制御装置4を取り外す。また、ケーシング6と制御装置4を取り外すことにより、銀電解水吐水装置本体2の流入部14と流出部16の右側方が開放される。
つぎに、銀電解水吐水装置本体2の流出部16と下流側給水管12bの取り付け部分の連結を外して、下流側給水管12bを取り除くと、銀電解水吐水装置本体2と水洗小便器8との間にスペースが形成される。
また、銀電解水吐水装置本体2の右側方の開放されたスペースを利用して、銀電解水吐水装置本体2の流入部14と上流側給水管12aの取り付け部分に工具等を挿入し、この工具等を用いて上流側給水管12aと銀電解水吐水装置本体2の流入部14の螺合をゆるめる。さらに、この螺合をゆるめた状態から、銀電解水吐水装置本体2を上流側給水管12aを中心としてその螺合が解除される方向に回転させて、銀電解水吐水装置本体2と上流側給水管12aの螺合を完全に解除させた後、銀電解水吐水装置本体2を取り外す。
【0041】
上述した本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置1によれば、銀電解水吐水装置本体2に各流路30a,30b,30c,32a,32b,32cを形成することにより、これらの流路に各種関連装置20,22,24,26,28をそれぞれの機能を損なうことなく集約させて配置させることができ、銀電解水吐水装置全体を小型化させることができる。特に、縦方向のスペースを要する発電装置26と電解槽28とが互いに横方向に並置されているため、銀電解水吐水装置本体2の高さ寸法を抑えることができ、銀電解水吐水装置全体を小型化することができる。
また、本実施形態による銀電解水吐水装置1によれば、銀電解水吐水装置本体2の流入口14が、銀電解水吐水装置1の背面のほぼ中心に配置されているため、ケーシング6と制御装置4を取り外すことにより、銀電解水吐水装置本体2の流入部14と流出部16の右側方が開放されるため、銀電解水吐水装置本体2を容易に取り外すことができ、メンテナンスが容易となる。
さらに、本実施形態による銀電解水吐水装置1によれば、ケーシング6の正面6aの下部は、ケーシング6の背面又は壁面10に向かって斜め下方に延びる斜面6bを形成しており、この斜面6bの内側にセンサー4aが配置されているため、ケーシング6を前方から見た使用者にとって、センサー4aが目に付きにくくなる。したがって、センサー4aが使用者によって触られていたずらされたりするのを防ぐことができる。
【0042】
また、本実施形態による銀電解水吐水装置1によれば、分流路28bの水流W2は、層流のような乱れの少ない流れとなり、電極38a,38bの間を主流路28aの水流W1の流速に比べて非常に小さい流速で通過する。このため、塩素イオンCl-を含む水流W2の流量が制限される。加えて、電極38a,38bの近傍に形成される境界層により、電極38a,38bの間で銀イオンAg+と反応する塩素イオンCl-の絶対量が低下し、塩化銀AgClの生成が抑制される。したがって、陽極側の銀電極12aで銀電解によって溶出された銀イオンAg+については、塩化銀AgClの生成による損失が抑制されて銀イオンAg+の状態のまま維持されるため、銀イオンAg+の生成効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、電極38a,38b間の距離を小さく設定することができ、これら分流路28bの電極38a,38b間を通過する洗浄水W2の流量を抑えることができる。このため、電流供給部4dから両電極38a,38bに一定の電流が供給されている場合、所定量の銀イオンAg+の生成に伴う銀電解に要する両電極38a,38b間の電圧を抑え、消費電力を抑えることができる。また、銀電極の消耗が抑制されるため、銀電解槽の耐用期間を大幅に延ばすことができる。
また、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、水洗小便器8に供給する洗浄水における銀イオンAg+の添加量を適度に設定することができ、水洗小便器8やそれらの配管等に対して十分な殺菌効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、一組の電極38a,38bを保持する一組の電極保持部材44a,44bが、両電極保持部材44a,44bの下方に水抜き用の空間が形成されるように全体的に銀電解槽28内の上方側に配置されている。また、外側電極保持部材44bの内側の面である表面44cは、排水路42の側壁42aとほぼ面一となっており、両電極保持部材44a,44bの間に形成される分流路28bのほぼ真下に排水路42の一部が位置している。したがって、通水後に銀電解槽28内の下部に残水が溜まり始めた場合においても、両電極保持部材44a,44bの下方の残水は排水路42から排出されるため、両電極保持部材44a,44bの電極38a,38bが残水に浸かったまま溶けて消耗する可能性を低減することができる。
【0043】
なお、上述した本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置においては、一例として、銀電解水吐水装置の下流側に水洗小便器を設け、水洗小便器の洗浄装置に適用した形態について説明したが、このような形態に限定されず、水洗大便器の洗浄装置のような他の形態についても適用可能であり、上述した実施形態と同様な作用効果が得られる。
また、上述した実施形態の銀電解水吐水装置を水洗大便器の洗浄装置として適用する場合、大便器としては、フラッシュバルブ式の大便器を使用してもよいし、ロータンク式の大便器を使用してもよい。
さらに、上述した実施形態の銀電解水吐水装置においては、便器の洗浄装置以外にも、例えば、手洗器や台所用水洗、浴室水洗などに利用される洗浄水の吐水装置に適用した場合でも、銀イオン水による殺菌効果を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】小便器洗浄装置に適用した本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置を示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置を示す概略側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置の銀電解水吐水装置本体を左斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置本体の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態による銀電解水吐水装置本体の平面図である。
【図6】図4のA−A線に沿って見た断面図である。
【図7】図4のB−B線に沿って見た断面図である。
【図8】図5のC−C線に沿って見た断面図である。
【図9】図5のD−D線に沿って見た断面図である。
【図10】図8に示す電磁弁装置から定流量弁装置までの背面側下流部鉛直流路を拡大した断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 銀電解水吐水装置
2 銀電解水吐水装置本体
4 制御装置
4a センサー
4b 電磁弁装置駆動部
4c 整流部
4d 電流供給部
4e 蓄電部
4f 制御部
6 ケーシング
6a ケーシングの正面
6b ケーシングの斜面
8 水洗小便器
10 壁面
12 洗浄水給水管路
12a 上流側給水管
12b 下流側給水管
14 流入部
14a 流入口
16 流出部
16a 流出口
18 通水路
20 止水栓装置
22 電磁弁装置
24 定流量弁装置
26 発電装置
28 銀電解槽
28a 銀電解槽の主流路
28b 銀電解槽の分流路
30 背面側流路
30a 背面側上流部鉛直流路
30b 背面側中間部水平流路
30c 背面側下流部鉛直流路
32 正面側流路
32a 正面側上流部鉛直流路
32b 正面側中間部水平流路
32c 正面側下流部鉛直流路
34 開閉弁
36 水車
38,38a,38b 電極
40 給水路
42 排水路
44a,44b 電極保持部材
48a,48b 接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を吐水する銀電解水吐水装置であって、
その背面に洗浄水が流入する流入口が形成され且つその正面側下方に洗浄水が流出する流出口が形成された銀電解水吐水装置本体と、
上記流入口から下流側に延びて上記銀電解水吐水装置本体内の背面側に形成された背面側流路と、
この背面側流路から下流側に延びて上記銀電解水吐水装置本体内の正面側に形成され、上記流出口に通ずる正面側流路であって、この正面側流路が、上記背面側流路と連通し鉛直方向上方に延びる正面側上流部鉛直流路と、この正面側上流部鉛直流路から水平方向に延びる正面側中間部水平流路と、この正面側中間部水平流路の下流側から鉛直方向下方に延びる正面側下流部鉛直流路と、を備えた上記正面側流路と、
上記正面側流路の上記正面側下流部鉛直流路内に配置され、少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極を備えた電解槽と、
上記正面側上流部鉛直流路内に上記電解槽と水平方向に並ぶように配置され、上記電極に供給する電力を上記洗浄水により発電する発電手段と、
を有することを特徴とする銀電解水吐水装置。
【請求項2】
上記背面側流路は、上記流入口から鉛直方向上方に延び且つその上部に止水栓が配置された背面側上流部鉛直流路と、この背面側上流部鉛直流路の上部から水平方向に延びるように形成された背面側中間部水平流路と、この背面側中間部水平流路の下流側から鉛直方向下方に延びて上記正面側上流部鉛直流路と連通し且つその上部に開閉弁が配置されその下部に定流量弁が配置された背面側下流部鉛直流路と、を備えている請求項1記載の銀電解水吐水装置。
【請求項3】
上記背面側上流部鉛直流路は、上記正面側下流部鉛直流路の背面側に配置され、上記背面側中間部水平流路は、上記正面側中間部水平流路の背面側に配置され、上記背面側下流部鉛直流路は、上記正面側上流部鉛直流路の背面側に配置されている請求項2記載の銀電解水吐水装置。
【請求項4】
上記流入口は、上記背面側上流部鉛直流路の背面側で且つ上記銀電解水吐水装置本体のほぼ中間の高さの位置に配置されている請求項2又は請求項3記載の銀電解水吐水装置。
【請求項5】
更に、上記銀電解水吐水装置の作動を制御する制御手段を有し、この制御手段は、上記銀電解水吐水装置本体の上記背面側上流部鉛直流路又は上記正面側下流部鉛直流路の側部に隣接して着脱可能に配置されている請求項2乃至4の何れか1項記載の銀電解水吐水装置。
【請求項6】
更に、上記銀電解水吐水装置本体及び上記制御手段を覆うケーシングと、このケーシングの正面下部の斜め下方に延びる面に配置された上記銀電解水吐水装置の使用者の存在を検知する検知手段と、を有する請求項5記載の銀電解水吐水装置。
【請求項7】
上記電解槽は、上記洗浄水が流れる主流路と、上記洗浄水が上記主流路から分流されこの分流後に上記主流路に戻るように流れる分流路と、少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極であり且つ電極の間に上記洗浄水が流れて上記分流路を形成するように配置された一組の電極と、を備えている請求項1乃至6何れか1項に記載の銀電解水吐水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−283331(P2006−283331A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102589(P2005−102589)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】