説明

銀電解水吐水装置

銀電解による銀イオンの生成効率を向上させ、銀電解に伴う消費電力を低減させる銀電解水吐水装置を提供する。本発明の銀電解水吐水装置1は、洗浄水が流入する電解槽2と、この電解槽内に形成され洗浄水が流れる主流路2aと、電解槽内に形成され洗浄水が主流路から分流されこの分流後に主流路に戻るように流れる分流路2bと、少なくとも陽極の電極が
銀イオンを生成する銀電極である一組の電極12a,12bであって、これらの電極の間に洗浄水が流れて分流路を形成するように配置された電極と、電極に電力を供給する電流供給部28と、を有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀電解水吐水装置に係わり、特に、水洗便器等に銀イオンを含む洗浄水を吐水する銀電解水吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗便器では、便器の前に人が立ったことを検出し便器の使用が終了した時点で自動的に上水又は中水を流す自動洗浄や、使用者のボタン操作等による手動洗浄により、清浄度が維持される。しかしながら、水洗便器に単に洗浄水を流すのみでは、便器や排水管に水アカやぬめりが蓄積したり臭気が発生したりするが、これらを防止することは容易ではないため、従来から問題となっている。
また、小便器においては、尿石が、配管内に付着して排水路を狭くしたり、便器の表面に付着して外観を損ねたり、細菌繁殖の温床となって臭気を放つということが問題となっている。
さらに、一旦便器の表面に付着してしまった尿石はブラシで強く擦らないと除去することができない。このため、これらの尿石の除去は、通常の清掃では難しく、専門の業者に依頼する必要があり、大きな負担となっているという問題がある。
【0003】
これらの問題を解決するために、従来から、例えば、特許文献1に記載されているように、洗浄水の水流を利用して水力発電を行い、この発電によって得られた電気エネルギーを用いて銀電解によって生成された銀イオンを洗浄水に含有させる銀電解水吐水装置が知られている。
【0004】
このような従来の銀電解水吐水装置は、洗浄水に含まれる銀イオンが有する殺菌作用によって、水アカ、ぬめり、尿石などの発生を抑制している。また、銀イオンを生成するための電気エネルギー源として水力発電を利用しているため、家庭用100ボルト電源などの商用電源が不要となり、停電や感電なども問題を解消し、低ランニングコストの便器殺菌装置を実現している。
【0005】
【特許文献1】特開2000−27262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の銀電解水吐水装置では、水力発電、あるいは1次電池や2次電池などの蓄電手段を電源として用いる場合には、銀イオンの生成効率を十分に高くして、システムの消費電力を抑えなければならないという問題がある。
また、銀電極の消耗を抑制し、これらのメンテナンスフリーを長期間に亘って実現するには、銀イオンの生成効率を十分に高くする必要があるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、銀電解による銀イオンの生成効率を向上させ、銀電解に伴う消費電力を低減させる銀電解水吐水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、銀イオンを含む洗浄水を吐水する銀電解水吐水装置であって、洗浄水が流入する電解槽と、この電解槽内に形成され上記洗浄水が流れる主流路と、上記電解槽内に形成され上記洗浄水が上記主流路から分流されこの分流後に上記主流路に戻るように流れる分流路と、少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極である一組の電極であって、これらの電極の間に上記洗浄水が流れて上記分流路を形成するように配置された上記電極と、上記電極に電力を供給する給電手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明の銀電解水吐水装置においては、電解槽内に洗浄水が流れる主流路と、洗浄水が主流路から分流されこの分流後に主流路に戻るように流れる分流路が形成され、この分流路に少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極である一組の電極が配置されているため、分流路内の水は、一般的に主流路内の水流に比べて流速が小さくかつ乱れの少ない流れの状態で電極の間を通過して、電極の間には境界層が形成される。この境界層により、電極で生成された銀イオンが分流路内の水中に含まれる塩素イオンと反応して塩化銀が生成されるのが抑制され、銀イオンの状態のまま維持されるため、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。また、所定量の銀イオンを得るのに、電極の消費電力が抑制されるため、電極の消耗を抑えることができる。
【0008】
本発明において、更に、電解槽の上流側に形成された給水路と、下流側に形成された排水路を有し、電解槽が給水路と排水路よりも外側に突出する凹部を備え、この凹部に上記電極が配置されて分流路が形成されていることが好ましい。これにより、分流路内の水は、一般的に主流路内の水流に比べて流速が小さくかつ乱れの少ない流れの状態で電極の間を通過して、電極の間には境界層が形成される。この境界層により、電極で生成された銀イオンが分流路内の水中に含まれる塩素イオンと反応して塩化銀が生成されるのが抑制され、銀イオンの状態のまま維持されるため、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。また、所定量の銀イオンを得るのに、電極の消費電力が抑制されるため、電極の消耗を抑えることができる。
【0009】
本発明において、電解槽は、主流路が縦方向となるように配置され、電極は、凹部の給水路の近傍に配置されていることが好ましい。これにより、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。また、電極が電解槽内の残水に浸かったまま溶けて消耗する可能性を低減できる。なお、縦方向とは、鉛直方向を示す。
【0010】
本発明において、更に、電解槽の上流側に形成された給水路を有し、電解槽は、主流路が縦方向となるように配置され、電解槽の側壁が給水路よりも外側に突出する拡大部を備え、この拡大部の給水路側に電極が配置され分流路が形成されていてもよい。これにより、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。また、電極が電解槽内の残水に浸かったまま溶けて消耗する可能性を低減できる。
【0011】
本発明において、更に、電解槽の下流側に形成された排水路を有し、電解槽は、主流路が縦方向となるように配置され、電解槽の側壁が排水路よりも外側に突出する絞り部を備え、この絞り部の排水路側に電極が配置されて分流路が形成されていてもよい。これにより、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。
【0012】
本発明において、電極は、電極保持部材によって保持され、この電極保持部材の電極を保持している側の表面は、その電極の表面と面一となっていることが好ましい。これにより、分流路内の水が電極の間に流入する際、電極保持部材の電極を保持している側の表面が助走区間として作用するため、分流路内の水は、一般的に主流路内の水流に比べて流速が小さくかつ乱れの少ない流れの状態で電極の間を通過する。また、電極の間には境界層が形成され、この境界層により、電極で生成された銀イオンが分流路内の水中に含まれる塩素イオンと反応して塩化銀が生成されるのが抑制され、銀イオンの状態のまま維持されるため、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。さらに、所定量の銀イオンを得るのに、電極の消費電力が抑制されるため、電極の消耗を抑えることができる。
【0013】
本発明において、電解槽の凹部は、ほぼ四角形状に突出して延びる側壁により形成され、電極は、平板状に形成され、これらの電極が上記側壁とほぼ平行に配置されていることが好ましい。これにより、分流路内の水は、電極の間に流入する際、主流路内の水流に比べて流速が小さくかつ乱れの少ない流れの状態で電極の間を通過する。また、電極の間には境界層が形成され、この境界層により、電極で生成された銀イオンが分流路内の水中に含まれる塩素イオンと反応して塩化銀が生成されるのが抑制されて銀イオンの状態のまま維持されるため、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。さらに、所定量の銀イオンを得るのに、電極の消費電力が抑制されるため、電極の消耗を抑えることができる。
【0014】
本発明において、給電手段は、電解槽に流入又は流出する洗浄水により発電する発電手段を有することが好ましい。これにより、電解槽の上流側又は下流側の水の水流を利用して発電した電力を電極に供給する電力として有効に活用することができる。
【0015】
本発明において、給電手段は、更に、上記発電手段により発電された電力を蓄積する蓄電手段を有することが好ましい。これにより、発電手段が発電した電力を蓄積して電極に供給することができるため、発電手段の発電の負担を軽減させることができる。
【0016】
本発明において、電極保持部材は、その流入側端部が電極の間に流入する水流を整流化するように丸形状に形成されていることが好ましい。これにより、分流路内の水は、電極保持部材の流入側端部によって整流化され、電極の間を主流路内の水流に比べて流速が小さくかつ乱れの少ない流れの状態で通過する。また、電極の間には境界層が形成され、この境界層により、電極で生成された銀イオンが分流路内の水中に含まれる塩素イオンと反応して塩化銀が生成されるのが抑制されて銀イオンの状態のまま維持されるため、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。さらに、所定量の銀イオンを得るのに、電極の消費電力が抑制されるため、電極の消耗を抑えることができる。
【0017】
本発明において、電極保持部材は、これらの下方に水抜き用の空間が形成されるように電解槽内の上方側に配置されていることが好ましい。これにより、電極保持部材の電極が通水路内の残水に浸かったまま溶けて消耗する可能性を低減できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の銀電解水吐水装置によれば、銀電解による銀イオンの生成効率を向上させ、銀電解に伴う消費電力を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の銀電解水吐水装置の実施形態について説明する。
図1は小便器洗浄装置に適用した本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置を示す全体構成図である。図2は本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置を示す正面断面斜視図であり、図3は図2のC−C線に沿って見た断面斜視図である。
図1に示すように、符号1は、本実施形態の銀電解水吐水装置1を示し、この銀電解水吐水装置1の上流側流路は、洗浄水として利用される上水や中水などの水道水Wの流路となっており、この流路には開閉弁6が設けられている。この開閉弁6は、例えば、プランジャ式ラッチング・ソレノイド・バルブのように制御装置4により自動開閉されるものであってもよいし、手動式のものであってもよい。一方、銀電解水吐水装置1の下流側流路には、水洗小便器8が設けられている。
【0020】
また、図1〜図3に示すように、電解槽2の上流側には、給水路3が上方に延びるように形成されている。一方、電解槽2の下流側には、排水路5がほぼ給水路3の軸方向下方に延びるように形成されている。
さらに、電解槽2内には、これら給水路3と排水路5の側壁よりも中央から外側に突出した側壁16が設けられ、この側壁16により、外側にほぼ四角形状に突出する箱形凹部を形成している。
【0021】
電解槽2の側壁16の近傍には、一組の薄い平板状の銀電極12を互いに対向させるように所定間隔を置いて保持する一組の薄板状の電極保持部材14が電解槽2の側壁16とほぼ平行に配置されている。
【0022】
電解槽2内に配置された各電極保持部材14a,14bの上端部は、給水路3の下流端から電解槽2へ拡大して形成される拡大部18から所定間隔だけ離間し、各電極保持部材14の下端部は、電解槽2から排水路5へと絞られて形成される絞り部20から所定間隔だけ離間して配置されている。
【0023】
また、電極保持部材14に保持された一組の銀電極12(12a,12b)は、銀(Ag)、又は銀を含有する金属によって形成されている。また、各銀電極12a,12bは、これらの間の印加電圧の極性を適宜反転させて一方をアノード(陽極)側の銀電極に設定し、他方をカソード(陰極)側の銀電極に設定することができるように構成されている。
さらに、各銀電極12a,12bは、電解槽2の外側に延出した接続端子13に接続され、詳細は後述する制御装置4からの指令により接続端子13に電力が供給されるようになっている。
なお、本実施形態では、一組の電極は何れも、銀(Ag)、又は銀を含有する金属によって形成されているが、それに限定されず、少なくとも、アノード(陽極)の電極が、銀又は銀を含む銀電極により形成されていれば良い。また、各銀電極12a,12bの枚数は、1枚ずつでもよいし、2枚以上でもよい。
【0024】
さらに、電解槽2内には、電極保持部材14が配置されたことにより、主流路2aとこの主流路2aの下流側から分岐した分流路2bの2つの流路が区画形成されている。
主流路2aは、電解槽2内において給水路3から排水路5へ向けて縦方向に延びる流路である。この主流路2aでは、開閉弁6が開放されて銀電解水吐水装置1の給水路3から電解槽2内へ流入した水道水Wによる水流W1が、電解槽2内に配置された一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間を通過することなく、電極保持部材14の外部を通過して下流側の排水路5へ主流として流れるようになっている。
一方、分流路2bは、一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間に形成されている流路である。この分流路2bでは、主流路2aの下流側で水流W1から分流した水流W2が、一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間を主流路2aの水流W1の方向と逆方向に流れるようになっている。電圧が印加された一組の銀電極12a,12b同士の間を通過する水流W2には、陽極側の銀電極12aから銀イオンAgが放出され、この銀イオンAgを含む水流W2’が、分流路2bの下流側で再び主流路2aの水流W1に合流するようになっている。また、水流W1に合流した水流W2’は、排水路5を流れて水洗小便器8に供給されるようになっている。
【0025】
つぎに、本実施形態における銀電極12及び電極保持部材14について詳細に説明する。
図4は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材を示す斜視図であり、図5は、図4に示す本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材のD−D断面図であり、図6は、図4に示す本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材のE−E断面図である。
図4〜図6に示すように、各銀電極12a,12bは各電極保持部材14a,14bにそれぞれ埋め込まれて保持されており、各電極保持部材14a,14bの各銀電極12a,12bを保持している側の表面14cは、各銀電極12a,12bの表面12cと面一となっている。
また、各電極保持部材14a,14bの表面14cにおける銀電極12の周囲には、助走区間22が形成されている。この助走区間22は、銀電極12の上流側に位置する助走区間22a、銀電極12の下流側に位置する助走区間22b、銀電極12の側方に位置する助走区間22c,22dによって構成されている。
ここで、上述した「助走区間」とは、分流路2bの電極保持部材14a,14bの銀電極12a,12b間に洗浄水が流入する際に、銀電極12a,12bの表面12cにおける水流W2について乱れを低減させて層流のような乱れの少ない流れにさせる領域を意味する。また、助走区間22は、銀電極12a,12bが配置されている側の電極保持部材14a,14bの表面14cの領域以外にも、水流W2の流路形状が変化しないように分流路2b内において電極保持部材14a,14bの表面14cの領域から面一となるように所定方向に延びた領域も含む。
【0026】
つぎに、銀電解水吐水装置1の制御装置4について具体的に説明する。
図1に示すように、本実施形態による銀電解水吐水装置1の制御装置4は、制御部24、開閉弁電磁駆動部26、電流供給部28、電源部30、及び、センサ32によって構成されている。
制御部24は、他の回路要素26,28,30,32を制御するように構成されている。
開閉弁電磁駆動部26は、例えば、開閉弁6の開度を調整する際に開閉弁6に電圧を出力することにより開閉弁6を駆動させるように構成されている。
電流供給部28は、銀電極12に電流を供給することにより、銀電極12から銀イオンAgを溶出させるように構成されている。
電源部30は、交流100ボルトや交流200ボルトなどの商用電源からの交流電力を直流電力に変換するように構成されている。
センサ32は、例えば、水洗小便器8の上方または前面などに配置され、赤外線などにより使用者の存在を検知するように構成されている。制御部24がセンサ32からの検知情報に基づいて開閉弁電磁駆動部26を作動させて、開閉弁6の開度を調整することにより、水洗小便器8に洗浄水が適宜流されるようになっている。
【0027】
つぎに、図7は、図1に示す電流供給部28の詳細な構成を示す図である。
図7に示すように、電流供給部28は、電気伝導度検出回路34、定電流回路36、極性反転回路38によって構成されている。
洗浄水の殺菌効果を高め、同時に洗浄水による便器の変色などを防ぐためには、銀イオンAgの添加量を所定の範囲内とすることが望ましく、水道水Wの電気伝導度に応じて、銀電極12に供給する電流を調節する必要がある。このため、電気伝導度検出回路34により、水道水の電気伝導度が検出されるように構成されている。
なお、水の電気伝導度の検出は、例えば、定電流回路36により銀電極12の電極間に一定電流を流し、その時の電極間電圧を電気伝導度検出回路34で測定することによって行われるようになっている。
【0028】
また、定電流回路36は、銀イオンAgを溶出させるために最適な電流値を制御して出力するように構成されている。
さらに、極性反転回路38は、銀電極12に出力する電流の極性を適宜反転させるように構成されている。なお、極性の反転は、銀イオンAgの溶出に伴う両銀電極12a,12bの消耗が均等になるように、例えば、一回の洗浄水の生成毎に行われるようになっている。
【0029】
また、水洗小便器8に流す洗浄水に対する銀イオンAgの添加量については、一般的には、少なすぎると十分な殺菌効果が得られず、多すぎると銀電極に関する消費電力が大きくなり、銀電極の消耗も激しくなるという問題がある。さらに、銀イオンAgの添加量が多すぎると銀イオンAgと同時に発生する塩化銀AgClが便器の陶器面に付着し、黒ずみなどの変色が生ずるという問題がある。本実施形態では、このような問題を考慮し、電解槽2内における洗浄水に対する銀イオンAgの添加量が1〜50ppbの範囲内となるように構成されている。
【0030】
次に、本発明の第1実施形態の動作(作用)を説明する。
図8(a)は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の電解槽2について、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置する前の状態における水の流れを示す概略断面図であり、図8(b)は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の電解槽2について、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置した状態における水の流れを示す概略断面図である。
まず、図8(a)に示すように、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置する前の状態の銀電解水吐水装置1では、電解槽2内の給水路3と排水路5との間に電解槽2を形成したことにより、この電解槽2内には、図8(a)の点線の内側に示す主流路領域S1が給水路3から排水路5にかけてわずかに広がるように形成される。この主流路領域S1では、給水路3から電解槽2内に流入した水道水Wは、速い流速を保ったまま排水路5へ流出する。
一方、主流路領域S1の外側には、主流路外領域S2が形成される。この主流路外領域S2では、流れの剥離により渦を巻いた流れ、すなわち、非常に流速の小さい流れが逆流する。
【0031】
つぎに、図8(b)に示すように、銀電極12を含む電極保持部材14が主流路外領域S2に配置された状態の銀電解水吐水装置1では、給水路3から電解槽2内に流入した水道水Wは、主流路2aを流れて排水路5へと流出する流速の速い水流W1と、主流路2aの下流側から分流路2bへ分流して、水流W1の流速に比べて非常に小さい流速で分流路2bを流れる水流W2とに分流される。
主流路2aの水流W1は、電解槽2内に配置された一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間を通過することなく、電極保持部材14の外部を通過して下流側の排水路5へ主流として流れる。
一方、分流路2bの水流W2は、主流路2aの水流W1の方向と逆方向に、水流W1の流速に比べて非常に小さい流速で流れ、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22c,22dを経て銀電極12a,12bの間をゆっくりと通過する。
両銀電極12a,12bの間に電圧が印加され、例えば、銀電極12aが陽極として作用し、銀電極12bが陰極として作用している場合、陽極側の銀電極12aから銀イオンAgが生成され、これら銀イオンAgが銀電極12a,12b間の水流W2に放出される(詳細は後述する)。これらの銀イオンAgを含む水流W2’は、分流路2bの下流側で再び主流路2aの水流W1に合流する。
水流W1に合流した水流W2’は、排水路5を流れて水洗小便器8に供給される。銀イオンAgを含む水流W2’の洗浄水が水洗小便器8内に流入すると、この洗浄水に含まれる銀イオンAgが水洗小便器8内の殺菌や除菌に利用される。
【0032】
つぎに、銀電極12a,12b間で生成される銀イオンAgについて詳細に説明する。
図9は、銀電極12において銀イオンAgが生成されている状態を示す概略図である。図9に示すように、分流路2bの水流W2は、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22c,22dを通過して整流されることにより、少なくとも両銀電極12a,12bの間では層流のような乱れの少ない流れとなっている。このとき、陽極側の銀電極12aでは、銀電解によって銀イオンAgが溶出されている。
また、助走区間22a,22c,22dを通過した水流W2は、主流路2aの水流W1の流速よりも非常に小さい流速で両銀電極12a,12bの間に流入しているため、各銀電極12a,12bの近傍にはある程度の厚さの境界層BLが形成されている。
ここで、「境界層」とは、物体表面近くの領域であり、流速が小さく、層流域のように乱れの少ない流れの領域を意味する。
【0033】
また、銀電極12a,12b間では、水流W2が乱れの少ない流れで、かつ非常に小さい流速で流入しているため、水流W2に含まれている塩素イオンClが図9の矢印Aの方向に示すように移動して銀電極12a,12b間に供給される単位時間当たりの塩素イオン供給量が抑制される。この結果、銀電極12a,12b間の水流W2において、銀イオンAgと塩素イオンClとの反応による塩化銀AgClの生成が抑制され、銀イオンAgの状態が維持される。
【0034】
さらに、銀電極12a,12bの近傍に形成される境界層BLは、水流W2の流速が小さいほど厚く、水流W2の流速が大きく乱流に近づくほど薄くなると考えられる。
本実施形態においては、銀電極12a,12bの間では、水流W2が乱れの少ない層流のような状態で非常に小さい流速で流入しているため、境界層BLの厚さが適度に保たれている。したがって、この境界層BLによって、塩素イオンClが図9の矢印Bの方向に示すように移動して陽極の銀電極12a側へ供給されることが抑制され、銀イオンAgと塩素イオンClとの反応による塩化銀AgClの生成が抑制されるため、銀イオンAgの状態が維持される。
【0035】
上述した本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1によれば、電解槽2内の流速の小さい主流路外領域S2に一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bを配置して分流路2bを形成し、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を分流路2bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAgの生成効率を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、分流路2bの水流W2は、電極保持部材14の助走区間22a,22b,22c,22dにより層流のような乱れの少ない流れとなり、銀電極12a,12bの間を主流路2aの水流W1の流速に比べて非常に小さい流速で通過する。このため、塩素イオンClを含む水流W2の流量が制限される。加えて、銀電極12a,12bの近傍に形成される境界層BLにより、銀電極12a,12bの間で銀イオンAgと反応する塩素イオンClの絶対量が低下し、塩化銀AgClの生成が抑制される。したがって、陽極側の銀電極12aで銀電解によって溶出された銀イオンAgについては、塩化銀AgClの生成による損失が抑制されて銀イオンAgの状態のまま維持されるため、銀イオンAgの生成効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、所定量の銀イオンAgの生成に伴う銀電解による消費電力を抑えることができる。また、銀電極の消耗が抑制されるため、銀電解槽の耐用期間を大幅に延ばすことができる。
また、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、水洗小便器8に供給する洗浄水における銀イオンAgの添加量を適度に設定することができ、水洗小便器8やそれらの配管等に対して十分な殺菌効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、電極保持部材14が、四角形状に形成された電解槽2の側壁16とほぼ平行に配置されているため、電解槽2を円管状に形成した場合に比べ、分流路2bに流入する水流W2が均一となり、銀電極12a,12b間の水流の乱れを抑制することができる。
【0036】
図10は、本発明の第1実施形態の変形例による銀電解水吐水装置の銀電極を含む電極保持部材を示す断面図である。ここで、図10において、第1実施形態の銀電解水吐水装置1の電極保持部材14の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図10に示すように、本発明の第1実施形態の変形例による銀電解水吐水装置の一組の電極保持部材40においては、上流側の助走区間42aの流入側端部44が丸形状に形成されている。
このように構成された本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の変形例によれば、水流W2が電極保持部材40の上流側の助走区間42aに流入する際に、丸形状の流入端部44により水流W2を整流化して乱れを防ぐことができる。
したがって、電極保持部材40の上流側の助走区間42aと下流側の助走区間42bの距離を第1実施形態の助走区間22a,22bに比べて短く設定することができる。
【0037】
図11(a)は、本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置の銀電極を含む電極保持部材を配置する前の状態を示す、図8(a)と同様な概略断面図である。また、図11(b)は、本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置の銀電極を含む電極保持部材を配置した状態を示す、図8(b)と同様な概略断面図である。ここで、図11(a)及び図11(b)において、図8(a)及び図8(b)に示す第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
まず、図11(a)に示すように、本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置50は、電解槽52の上流側に形成された給水路53と、この給水路53の下流端からその内側壁54に向かって給水路53の側壁よりも外側に突出する拡大部58を形成する電解槽52と、この電解槽52の下流側端部に形成されるこの電解槽52とほぼ同じ太さの出口55とを備えている。
図11(a)に示す銀電解水吐水装置50では、図11(a)の点線の内側に示す主流路領域S1’が電解槽52内で下流側の出口55に向かって広がるように形成され、この主流路領域S1’を水道水Wの流速の速い流れが給水路53から電解槽52の出口55に向かって主流として流れるように構成されている。
また、この主流路領域S1’の外側の領域には、電解槽52内が満水となったとき、電解槽52の下流側で流れの剥離が発生して、非常に流速の小さい流れが逆流する主流路外領域S2’が形成されるようになっている。
【0038】
つぎに、図11(b)に示すように、主流路外領域S2’内において、電解槽52の上流側端部の近傍には、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが、電解槽52の中央から外側に突出するように形成された側壁54とほぼ平行に延びるように配置されている。この電極保持部材14により、電解槽52内には、図11(a)に示す主流路領域S1’とほぼ同じ流路である主流路52aと、この主流路52aの下流側から分岐した分流路52bの2つの流路が区画形成されている。
【0039】
上述した本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置50においては、給水路53から電解槽52の主流路52aに流入した水道水Wの流速の速い流れが、主流路52aの下流側で排水路55へ流れる流速の速い水流W1と、分流路52bへ流れる流速の小さい水流W2とに分流される。
分流路52bの水流W2は、主流路52aの水流W1の方向と逆方向に、水流W1の流速よりも非常に小さい流速で流れ、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22bを経て銀電極12a,12bの間を乱れが少なく非常に小さい流速で通過する。また、水流W2が銀電極12a,12bの間を通過する際、陽極側の銀電極12aで生成された銀イオンAgが水流W2に放出され、銀イオンAgを含む水流W2’となる。この水流W2’は、分流路52bの下流側で再び主流路52aの水流W1に合流する。これら合流した水流W1と水流W2’は、電解槽52の出口55から流出し水洗小便器8に供給される。銀イオンAgを含む水流W2’の洗浄水が水洗小便器8内に流入すると、この洗浄水に含まれる銀イオンAgが水洗小便器8内の殺菌や除菌に利用される。
また、分流路52bの銀電極12a,12b間では、水流W2が乱れの少ない流れで非常に小さい流速で流入することによって形成されるある程度の厚さの境界層BLにより、銀イオンAgと塩素イオンClとの反応による塩化銀AgClの生成が抑制されるため、銀イオンAgの状態が維持される。
【0040】
上述した本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置50によれば、第1実施形態と同様に、主流路外領域S2’に一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bを配置して電解槽52内に分流路52bを形成し、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を主流路52aの水流W1の流速よりも非常に小さい流速で分流路52bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAgの生成効率を大幅に向上させることができる。
また、所定量の銀イオンAgの生成に伴う銀電解による消費電力を抑えることができ、銀電極の消耗が抑制されるため、銀電解槽の耐用期間を大幅に延ばすことができる。
【0041】
図12は、本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置の電解槽を示す、図11(b)と同様な概略断面図である。ここで、図12において、図11(b)に示す電解槽と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図12に示すように、本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置50aにおいては、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが、その中央から外側に突出した電解槽52の主流路外領域S2’内の上流側端部の近傍に配置されて、電解槽52の側壁54に対してほぼ垂直に延びている構成が第2実施形態の構成と異なっている。
このように構成された本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置50aによれば、上述した第2実施形態と同様に、主流路外領域S2’に一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bを配置して電解槽52内に分流路52bを形成し、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を主流路52aの水流W1の流速よりも非常に小さい流速で分流路52bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAgの生成効率を大幅に向上させることができる。
なお、この図12に示すように、本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置50aにおいては、主流路52aが縦方向(鉛直方向)となるように電解槽52を配置して、この電解槽52内の残水の排出を促すこともできるが、主流路52aが横方向となるように電解槽52を配置して、銀電極12a,12bの間の分流路52bが縦方向となってこの銀電極12a,12bの間の分流路52b間の残水の排出を促すことも可能である。
【0042】
また、図13(a)は、本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置について、銀電極を含む電極保持部材を配置する前の状態を示す、図8(a)及び図11(a)と同様な概略断面図である。また、図13(b)は、本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置について、銀電極を含む電極保持部材を配置した状態を示す、図8(b)及び図11(b)と同様な概略断面図である。ここで、図13(a)及び図13(b)において、図8(a)及び図8(b)に示す第1実施形態による銀電解水吐水装置及び図11(a)及び図11(b)に示す第2実施形態による銀電解水吐水装置と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
まず、図13(a)に示すように、本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置70は、電解槽72の上流側に入口73が形成され、この入口73とほぼ同じ太さの流路を形成する電解槽72と、この電解槽72の下流側に形成された排水路75とを備え、この電解槽72の下流側端部は、排水路75の内壁76に向かって内方に絞られる絞り部78を形成している。
【0043】
図13(a)に示す本実施形態による銀電解水吐水装置70では、図13(a)の点線の内側に示す主流路領域S1”が電解槽72の入口73から排水路75に向かって窄まるように形成され、この主流路領域S1”を水道水Wの流速の速い流れが電解槽72の入口73から排水路75に向かって主流として流れるように構成されている。
また、この主流路領域S1”の外側の領域には、上流側から下流側にかけて流速の小さい流れとなる主流路外領域S2”が形成されるようになっている。
【0044】
つぎに、図13(b)に示すように、主流路外領域S2”内において、電解槽72の絞り部78の上流側近傍には、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが、その中央から外側に突出した電解槽72の側壁80とほぼ平行に延び、かつ排水路75の内壁76よりも外側に位置するように配置されている。この電極保持部材14により、電解槽72内には、図13(a)に示す主流路領域S1”とほぼ同じ流路である主流路72aと、この主流路72aから分岐した分流路72bの2つの流路が区画形成されている。
【0045】
上述した本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置70においては、入口73から電解槽72内に流入した水道水Wの流速の速い流れが、電解槽72内に配置された電極保持部材14の上流側で主流路72aから排水路75へ流れる流速の速い水流W1と、分流路72bの電極保持部材14a,14bの銀電極12a,12bの間を水流W1と同じ方向に流れる流速の小さい水流W2とに分流される。
分流路72bの水流W2は、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22bを経て銀電極12a,12bの間を乱れが少なく、水流W1の流速よりも非常に小さい流速で通過する。また、水流W2が銀電極12a,12bの間を通過する際、陽極側の銀電極12aで生成された銀イオンAgが水流W2に放出され、銀イオンAgを含む水流W2’となる。この水流W2’は、分流路72bの下流側で再び主流路72aの水流W1に合流して水洗小便器8に供給される。
また、分流路72bの銀電極12a,12b間では、水流W2が乱れの少ない流れで非常に小さい流速で流入することによって形成される境界層BLにより、銀イオンAgと塩素イオンClとの反応による塩化銀AgClの生成が抑制され、銀イオンAgの状態が維持される。
【0046】
上述した本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置70によれば、第1及び第2実施形態と同様に、主流路外領域S2’に一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bを配置して電解槽72内に分流路72bを形成し、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を分流路72bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAgの生成効率を大幅に向上させることができる。また、所定量の銀イオンAgの生成に要する銀電解による消費電力を抑えることができ、銀電極の消耗が抑制されるため、銀電解槽の耐用期間を大幅に延ばすことができる。
【0047】
図14は、本発明の第3実施形態の変形例による銀電解水吐水装置を示す、図13(b)と同様な概略断面図である。ここで、図14において、図13(b)に示す電解槽と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図14に示すように、本発明の第3実施形態の変形例による銀電解水吐水装置70aにおいては、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが、その中央から外側に突出した電解槽72の主流路外領域S2”内の絞り部78の上流側近傍に配置されて、電解槽72の側壁80に対してほぼ垂直に延びている構成が第3実施形態の構成と異なっている。
このように構成された本発明の第3実施形態の変形例による銀電解水吐水装置70aによれば、上述した第2実施形態と同様に、主流路外領域S2”に一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bを配置して電解槽72内に分流路72bを形成し、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を分流路72bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAgの生成効率を大幅に向上させることができる。
【0048】
図15は、本発明の第4実施形態による銀電解水吐水装置の電解槽を示す、図3と同様な断面斜視図である。ここで、図15において、図3に示す第1実施形態の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図15に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置90の電解槽92では、電解槽92内に、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが配置されたことによって、上述した第1〜第3実施形態のものと同様に、主流路92aと分流路92bが形成されているが、これらの流路92a,92bの形状が第1〜第3実施形態のものと異なっている。なお、電解槽92の下流側には排水路95が形成されている。
すなわち、主流路92aの流路の断面形状については、電極保持部材14によって形成される部分以外は丸形状であり、全体的に鍵穴形状のようになっている。一方、分流路92bの流路形状については、一組の板状の電極保持部材14a,14bにより、流路断面が四角形状になっている。
【0049】
上述した本発明の第4実施形態による銀電解水吐水装置90によれば、電解槽92内の主流路92aと分流路92b内の圧損上昇を抑制することができると共に、電解槽92の大きさを小型化することができる。
【0050】
図16は、本発明の第5実施形態による銀電解水吐水装置を小便器洗浄装置に適用した場合における、図1と同様な全体構成図である。また、図17は、本発明の第5実施形態による銀電解水吐水装置を示す斜視図であり、図18は、図17に示す本発明の第5実施形態による銀電解水吐水装置のF−F断面斜視図である。
ここで、図16〜図18において、第1実施形態の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図16〜図18に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置100では、電解槽2の上流側に発電装置102が配置されている構成が第1実施形態の構成と異なっている。
【0051】
また、制御装置104の制御部106には、整流部108と蓄電部110が設けられている。
整流部108は、発電装置102により発電された交流電力を整流して直流電流に変換し、この電流を制御部106及び電流供給部28に供給するように構成されている。
蓄電部110は、発電装置102により発電された電力を蓄積するように構成されており、例えば、電圧変換回路(図示せず)と蓄電手段であるキャパシタ(図示せず)などによって構成されている。
さらに、図18に示すように、発電装置102内には、電解槽2の上流側の給水路3へと通ずる通水路112が形成され、この通水路112には発電装置102の駆動軸114を回転させる水車116が設けられている。
【0052】
上述した本発明の第5実施形態の銀電解水吐水装置100においては、発電装置102の通水路112内を水道水Wが流れると、この水流により水車116が回転し、その回転運動が発電装置102の駆動軸114に伝達される。この結果、水道水Wの運動エネルギーを電気エネルギーに変換して、電力を発生させることができる。
さらに、発電装置102によって得られた電力は、制御装置104の蓄電部110に一旦蓄積され、必要に応じて、銀電極12a,12bに供給することができる。
また、発電装置102の通水路112を通過して電解槽2内に流入した水のうち、分流路2bに分流された水流W2は、銀電極12a,12bの間を流速の小さい流れで通過して銀イオンが添加されて水流W2’として主流路2aの水流W1と合流する。水流W1に合流した水流W2’は、排水路5を流れて水洗小便器8に供給され、水洗小便器8内の殺菌や除菌に利用される。
【0053】
なお、上述した本発明の第5実施形態による銀電解水吐水装置100では、銀電極12a,12bに供給される電力について、発電装置102で得られた電力を制御装置104の蓄電部110に一旦蓄積した電力を使用する形態について説明したが、このような形態に限定されず、他の形態についても適用可能である。
例えば、本発明の第5実施形態の変形例による銀電解水吐水装置として、発電装置102において得られた電力を蓄電部110に蓄電することなく、銀電極12a,12bに対して必要に応じて直接供給するような構成にしてもよい。
【0054】
このように構成された本発明の第5実施形態の変形例による銀電解水吐水装置によれば、蓄電部110において、内蔵するキャパシタなどの特性に応じて、電圧を適宜変換し、電力を蓄積する必要がない。したがって、電圧の変換やキャパシタへの電荷の蓄積、あるいは蓄積された電荷の取り出しや電圧変換などの過程である程度の損失が生ずるのを防ぐことができる。
また、発電装置102により発電された電力を蓄電部110に蓄電することなく、銀電極12に必要に応じて直接供給するため、損失が抑制され、限られた発電力を効率的に銀イオンの生成に利用することができる。
さらに、銀イオンの生成効率を大幅に向上させることができ、発電装置102から得られた電力を有効利用して十分な濃度の銀イオンAgを含有させた洗浄水を生成することができる。
【0055】
つぎに、図19は、本発明の第6実施形態による銀電解水吐水装置を示す、図18と同様な断面斜視図である。ここで、図19において、図18に示す第5実施形態の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図19に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置120では、電解槽2の下流側に発電装置102が配置されている構成が第5実施形態の構成と異なっている。
このように構成された本発明の第6実施形態による銀電解水吐水装置120によれば、電解槽2の下流側に発電装置102が配置されているため、電解槽2内に流入する水道水Wの流れは、発電装置102の水車116の回転によって乱されることなく、一様となるため、電解槽2の設定の自由度を上げることができる。
【0056】
図20は、本発明の第7実施形態による銀電解水吐水装置を小便器洗浄装置に適用した場合における、図1と同様な全体構成図である。ここで、図20において、図1に示す第1実施形態の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図20に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置130では、制御装置132の制御部134において、第1実施形態の銀電解水吐水装置1における交流電力を直流電力に変換する電源部30の代わりの手段として電池136が使用されている。この電池136は、乾電池などの1次電池でもよいし、ニッケル・カドミウム電池や燃料電池などの2次電池であってもよい。
このように構成された本発明の第7実施形態による銀電解水吐水装置130によれば、電池136により、銀電極12や制御装置132の各回路要素26,28,32に対して電力が供給される。また、第1実施形態と同様に、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を分流路52bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAgの生成効率を大幅に向上させることができ、所定量の銀イオンAgの生成に伴う銀電解による消費電力を抑えることができる。さらに、銀電極12a,12bと電池136の寿命を大幅に伸ばすことができ、銀電極12a,12bや電池136の交換等に関するメンテナンスの負担を減らすことができるため、経済性と利便性の高い銀電解水吐水装置を提供することができる。
【0057】
つぎに、図21は、本発明の第8実施形態による銀電解水吐水装置を示す正面断面図である。また、図21においては、一例として、電解槽の各部分の寸法が示されている。
図21に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置140においては、電解槽142の上流側に発電装置144が配置されている点で上述した第5実施形態の構成と共通しているが、発電装置144から電解槽142にかけて流路が折り返えして形成されるように電解槽142と発電装置144が並置されている構成が、第5実施形態の構成と異なっている。ここで、図21において、第5実施形態の部分と同一の部分については、同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態の銀電解水吐水装置140の発電装置144内には、その下部を上流側の流路とし、発電装置144の上部を下流側の流路として垂直方向に延びるように通水路146が形成されている。この通水路146には発電装置144の駆動軸144を回転させる水車116が設けられている。
また、発電装置144及び電解槽142の上部には、発電装置144の通水路146の下流側と電解槽142の上流側に形成された給水路143の上流側とを連通させるように、ほぼ水平方向に延びる上部通水路148が形成されている。
さらに、電解槽142は、給水路143の内面152と排水路145の内面154よりも外側に突出する箱形凹部を形成している。
【0058】
電解槽142内の外側に突出する部分には、一組の銀電極12a,12bを保持する一組の電極保持部材14a,14bが、これらの下方に水抜き用の空間が形成されるように全体的に電解槽142内の上方側に配置され、電解槽142の内壁面155とほぼ平行に延びている。すなわち、両電極保持部材14a,14bの上端は、電解槽142の上端である拡大部158の近傍に位置し、両電極保持部材14a,14bの下端と電解槽142の下端である絞り部160との間は、両電極保持部材14a,14bの上端と電解槽142の拡大部158との間の距離よりも大きくなっている。
また、電解槽142内には、これら銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14bが電解槽142内に配置されたことにより、主流路142aとこの主流路142aの下流から分岐した分流路142bの2つの流路が形成されている。
さらに、各電極保持部材14a,14bにおける銀電極12a,12bの位置は、全体的にやや上方側に位置しており、各銀電極12a,12bの下端から各電極保持部材14a,14bの下端までの長さは、各銀電極12a,12bの上端から各電極保持部材14a,14bの上端までの長さよりも大きくなっている。
さらに、内側電極保持部材14aの外面156aは、給水路143の内面152とほぼ面一となっており、分流路142bが給水路143に対して外側にずれるように形成されている。一方、外側電極保持部材14bの内側の面である表面14cは、排水路145の内面154とほぼ面一となっており、両電極保持部材14a,14bの間に形成される分流路142bのほぼ真下に排水路145の一部が位置するようになっている。
【0059】
つぎに、図21を参照して、一例として、電解槽142に関する代表的な部分の寸法を以下に説明する。
まず、電解槽142内の幅Lは32.5mmであり、電解槽142の拡大部158と絞り部160との間の距離Hは29.5mmである。
つぎに、各電極保持部材14a,14bの諸寸法については、全長hが16mmであり、幅lが2.3mmである。各銀電極12a,12bの諸寸法については、全長h1が10mmであり、幅l1が0.8mmである。また、銀電極12a,12bの間の距離d1は3mmである。
また、電極保持部材14a,14bの上端と電解槽142の拡大部158との間の距離h2は2mmであり、電極保持部材14a,14bの下端と電解槽142の絞り部160との間の距離h3は11.5mmである。
さらに、各銀電極12a,12bの上端から各電極保持部材14a,14bの上端までの長さh4は2mmであり、各銀電極12a,12bの下端から各電極保持部材14a,14bの下端までの長さh5は4mmである。
また、槽142の内壁面155と外側電極保持部材14bの外面156bとの間の距離d2は、6.2mmである。さらに、給水路143の直径D1と排水路145の直径D2はともに16mmであり、給水路143と排水路145の中心軸間距離d3は5mmである。また、給水路143の中心軸と電極保持部材14a,14bの中間との距離d4は11.5mmである。
【0060】
このように構成された本発明の第8実施形態による銀電解水吐水装置140においては、洗浄水として使用される水道水Wは、発電装置144の通水路146を流れ、上部通水路148を経て給水路143から電解槽142内に流入する。この電解槽142内に流入した水道水Wは、主流路142aを排水路145へと流れる流速の速い水流W1と、主流路142aの下流側で分流路142bへ分流し、銀電極12a,12bの間を非常に小さい流速で逆流する水流W2との分流される。この水流W2は、銀電極12a,12bの間を通過することにより、陽極側の銀電極12aから銀イオンAgが放出されて、銀イオンAgを含む水流W2’となる。この水流W2’は、分流路142bの下流側で再び主流路142aの水流W1に合流し、水流W1と共に排水路145を流れて水洗小便器8に供給される。
【0061】
上述した本発明の第8実施形態による銀電解水吐水装置140によれば、一組の銀電極12a,12bを保持する一組の電極保持部材14a,14bが、両電極保持部材14a,14bの下方に水抜き用の空間が形成されるように全体的に電解槽142内の上方側に配置されている。また、外側電極保持部材14bの内側の面である表面14cは、排水路145の内面154とほぼ面一となっており、両電極保持部材14a,14bの間に形成される分流路142bのほぼ真下に排水路145の一部が位置している。したがって、通水後に電解槽142内の下部に残水が溜まり始めた場合においても、両電極保持部材14a,14bの下方の残水は排水路145から排出されるため、両電極保持部材14a,14bの銀電極12a,12bが残水に浸かったまま溶けて消耗してしまう可能性を低減できる。
【0062】
なお、上述した本発明の第1〜第8実施形態による銀電解水吐水装置においては、一例として、銀電解水吐水装置の下流側に水洗小便器を設け、水洗小便器の洗浄装置に適用した形態について説明したが、このような形態に限定されず、水洗大便器の洗浄装置のような他の形態についても適用可能であり、上述した実施形態と同様な作用効果が得られる。
また、上述した実施形態の銀電解水吐水装置を水洗大便器の洗浄装置として適用する場合、大便器としては、フラッシュバルブ式の大便器を使用してもよいし、ロータンク式の大便器を使用してもよい。
さらに、上述した実施形態の銀電解水吐水装置においては、便器の洗浄装置以外にも、例えば、手洗器や台所用水洗、浴室水洗などに利用される洗浄水の吐水装置に適用した場合でも、銀イオン水による殺菌効果を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
[図1]本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置を小便器洗浄装置に適用した場合における全体構成図である。
[図2]本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置を示す正面断面斜視図である。
[図3]図2に示す本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置のC−C断面斜視図である。
[図4]本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材を示す斜視図である。
[図5]図4に示す本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材のD−D断面図である。
[図6]図4に示す本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材のE−E断面図である。
[図7]図1に示す電流供給部28の詳細な構成を示す図である。
[図8]図8(a)は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の電解槽2について、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置する前の状態における水の流れを示す概略断面図であり、図8(b)は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の電解槽2について、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置した状態における水の流れを示す概略断面図である。
[図9]銀電極間において銀イオンAgが生成されている状態を示す概略図である。
[図10]本発明の第1実施形態の変形例による銀電解水吐水装置の銀電極を含む電極保持部材を示す断面図である。
[図11]図11(a)は、本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置の電解槽について、銀電極を含む電極保持部材を配置する前の状態を示す、図8(a)と同様な概略断面図であり、図11(b)は、本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置の電解槽について、銀電極を含む電極保持部材を配置した状態を示す、図8(b)と同様な概略断面図である。
[図12]本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置の電解槽を示す、図11(b)と同様な概略断面図である。
[図13]図13(a)は、本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置の電解槽について、銀電極を含む電極保持部材を配置する前の状態を示す、図8(a)及び図11(a)と同様な概略断面図であり、図13(b)は、本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置の電解槽について、銀電極を含む電極保持部材を配置した状態を示す、図8(b)及び図11(b)と同様な概略断面図である。
[図14]本発明の第3実施形態の変形例による銀電解水吐水装置の電解槽を示す、図13(b)と同様な概略断面図である。
[図15]本発明の第4実施形態による銀電解水吐水装置の電解槽を示す、図3と同様な断面斜視図である。
[図16]本発明の第5実施形態による銀電解水吐水装置を小便器洗浄装置に適用した場合における、図1と同様な全体構成図である。
[図17]本発明の第5実施形態による銀電解水吐水装置を示す斜視図である。
[図18]図17に示す本発明の第5実施形態による銀電解水吐水装置のF−F断面斜視図である。
[図19]本発明の第6実施形態による銀電解水吐水装置を示す、図18と同様な断面斜視図である。
[図20]本発明の第7実施形態による銀電解水吐水装置を小便器洗浄装置に適用した場合における、図1と同様な全体構成図である。
[図21]本発明の第8実施形態による銀電解水吐水装置を示す正面断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1,50,50a,70,70a,90,100,120,130,140 銀電解水吐水装置
2,52,72,92,142 電解槽
2a,52a,72a,92a,142a 主流路
2b,52b,72b,92b,142b 分流路
3,53,143 給水路
4,104,132 制御装置
5,75,95,145 排水路
6 開閉弁
8 水洗小便器
12,12a,12b 銀電極
13 接続端子
14,14a,14b,40 電極保持部材
16,54,80 電解槽の側壁
18,58,158 拡大部
20,78,160 絞り部
22,22a,22b,22c,22d,42a,42b 助走区間
24,106,134 制御部
26 開閉弁電磁駆動部
28 電流供給部
30 電源部
32 センサ
34 電気伝導度検出回路
36 定電流回路
38 極性反転回
55 電解槽の出口
73 電解槽の入口
76 排水路の内壁
102,144 発電装置
108 整流部
110 蓄電部
112 146 通水路
114 駆動軸
116 水車
136 電池
148 上部通水路
152 給水路の内面
154 排水路の内面
155 電解槽の内壁面
156 内側電極保持部材の外面
BL 境界層
S1,S1’,S1” 主流路領域
S2,S2’,S2” 主流路外領域
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀イオンを含む洗浄水を吐水する銀電解水吐水装置であって、
洗浄水が流入する電解槽と、
この電解槽内に形成され上記洗浄水が流れる主流路と、
上記電解槽内に形成され上記洗浄水が上記主流路から分流されこの分流後に上記主流路に戻るように流れる分流路と、
少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極である一組の電極であって、これらの電極の間に上記洗浄水が流れて上記分流路を形成するように配置された上記電極と、
上記電極に電力を供給する給電手段と、
を有することを特徴とする銀電解水吐水装置。
【請求項2】
更に、上記電解槽の上流側に形成された給水路と、下流側に形成された排水路を有し、上記電解槽が上記給水路と排水路よりも外側に突出する凹部を備え、この凹部に上記電極が配置されて上記分流路が形成されている請求項1記載の銀電解水吐水装置。
【請求項3】
上記電解槽は、上記主流路が縦方向となるように配置され、上記電極は、上記凹部の上記給水路の近傍に配置されている請求項2記載の銀電解水吐水装置。
【請求項4】
更に、上記電解槽の上流側に形成された給水路を有し、上記電解槽は、上記主流路が縦方向となるように配置され、上記電解槽の側壁が上記給水路よりも外側に突出する拡大部を備え、この拡大部の上記給水路側に上記電極が配置され上記分流路が形成されている請求項1記載の銀電解水吐水装置。
【請求項5】
更に、上記電解槽の下流側に形成された排水路を有し、上記電解槽は、上記主流路が縦方向となるように配置され、上記電解槽の側壁が上記排水路よりも外側に突出する絞り部を備え、この絞り部の上記排水路側に上記電極が配置されて上記分流路が形成されている請求項1記載の銀電解水吐水装置。
【請求項6】
上記電極は、電極保持部材によって保持され、この電極保持部材の上記電極を保持している側の表面は、その電極の表面と面一となっている請求項1乃至5の何れか1項記載の銀電解水吐水装置。
【請求項7】
上記電解槽の上記凹部は、ほぼ四角形状に突出して延びる側壁により形成され、上記電極は、平板状に形成され、これらの電極が上記側壁とほぼ平行に配置されている請求項2記載の銀電解水吐水装置。
【請求項8】
上記給電手段は、上記電解槽に流入又は流出する洗浄水により発電する発電手段を有する請求項1乃至7の何れか1項記載の銀電解水吐水装置。
【請求項9】
上記給電手段は、更に、上記発電手段により発電された電力を蓄積する蓄電手段を有する請求項8記載の銀電解水吐水装置。
【請求項10】
上記電極保持部材は、その流入側端部が上記電極の間に流入する水流を整流化するように丸形状に形成されている請求項6記載の銀電解水吐水装置。
【請求項11】
上記電極保持部材は、これらの下方に水抜き用の空間が形成されるように上記電解槽内の上方側に配置されている請求項6記載の銀電解水吐水装置。

【国際公開番号】WO2005/095281
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【発行日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516888(P2006−516888)
【国際出願番号】PCT/JP2005/005683
【国際出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【特許番号】特許第3823323号(P3823323)
【特許公報発行日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】