説明

銅薄膜の堆積前駆体として有用な銅(I)化合物

半導体デバイスの製造時に銅薄膜を形成するための銅(I)アミジナート前駆体、および化学蒸着法または原子層堆積法を使用して、銅(I)アミジナート前駆体を基板上に堆積する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に新規な銅(I)アミジナートおよびその合成、ならびに新規な銅前駆体を使用してマイクロ電子デバイス構造物中に銅回路を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
銅は、その低抵抗率、低接触抵抗、およびRC時間遅延の低減によりデバイス性能を向上させる能力の結果、超大規模集積(VLSI)デバイスのメタライゼーションに好ましい金属として出現している。銅メタライゼーションは、多くの半導体デバイス製造業者によってマイクロ電子チップ、薄膜録音ヘッド、および包装構成要素の生成のために採用されている。
【0003】
銅の化学蒸着(CVD)は、メタライゼーション用の均一な被覆をもたらす。CVDの改良法である原子層堆積(ALD)も、銅シード層にとって重要である均一な被覆をもたらす。液体CVD前駆体および/または溶媒に溶解させた固体前駆体により、直接噴射、および/またはCVDもしくはALD気化装置への前駆体の液体送達が可能になる。体積計量により、正確で精密な送達速度が得られ、VLSIデバイスのCVDまたはALDメタライゼーションの最中に再現性を実現することができる。
【0004】
(hfac)Cu(MHY)、(hfac)Cu(3−ヘキシン)、(hfac)Cu(DMCOD)、および(hfac)Cu(VTMS)(ただし、hfac=1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトナート、MHY=2−メチル−l−ヘキセン−3−イン、DMCOD=ジメチルシクロオクタジエン、およびVTMS=ビニルトリメチルシラン)を含めて、フッ素および/または酸素を含有する多数の銅CVD前駆体が市販されている。
【0005】
集積回路製造における銅メタライゼーションは、銅層と集積回路の他の部分との相互作用により引き起こされる恐れがある有害な影響を防止するために、通常は銅層と下にある構造との間のバリア層を利用する。金属、金属窒化物、金属ケイ化物、および金属ケイ素窒化物を含む材料を含めて、広範囲のバリア材料が通常は利用される。例示的なバリア材料としては、窒化チタン、ケイ化チタン、窒化タンタル、ケイ化タンタル、タンタルケイ素窒化物、ニオブ窒化物、ニオブケイ素窒化物、窒化タングステン、およびケイ化タングステンが挙げられる。(hfac)CuL型前駆体が銅メタライゼーションに使用される場合では、界面層がバリア層と銅層の間に形成され、メタライゼーションに不十分な接着力および高接触抵抗率をもたせる。
【0006】
(hfac)CuL銅前駆体を使用する場合に酸素および/またはフッ素を含有する界面層の形成に起こりやすい、劣った接着力および過度に高い接触抵抗率という欠陥は、酸素とフッ素を共に含むhfacリガンドに起因するものと考えられている。このような欠陥を克服するために、低減されたオキシ/フルオロ含有量を有する銅前駆体を提供することは、当技術分野において大幅な進歩であるはずである。酸素を含まない特性を有する銅前駆体を提供することは、特に有利であるはずである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、新規な無酸素(酸素を含まずかつフッ素を含まない)銅前駆体および調合物、ならびにこのような前駆体および調合物を使用して集積回路および他のマイクロ電子デバイス構造物を製造する際に銅を形成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明は、一般に改善された接着力を有する、基板上に銅を形成するためのソース試薬として有用である、酸素を含まずかつフッ素を含まない特性を有することが有利である銅(1)アミジナート化合物、およびそのような銅(I)アミジナート化合物を使用する方法に関する。
【0009】
本発明は一の態様では、次式:
【化1】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体(例えば、−SiR(式中、Rは独立して、C〜Cアルキルからなる群から選択される))からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択され、
ただし、RおよびRがイソプロピル基である場合、Rはメチル基でないことを条件にする)の銅前駆体化合物に関する。
【0010】
別の態様では、本発明は、銅前駆体調合物であって、
(a)次式:
【化2】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択される)の銅前駆体化合物と、
(b)前駆体化合物用の溶媒組成物と
を含む銅前駆体調合物に関する。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は、銅を基板上に堆積する方法であって、次式:
【化3】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択され、
ただし、RおよびRがイソプロピル基である場合、Rはメチル基でないことを条件にする)
の銅前駆体を蒸発させて、前駆体蒸気を形成する工程と、
前駆体蒸気を蒸気分解条件下で基板と接触させて、銅を基板上に堆積させる工程と、
を含む方法に関する。
【0012】
本発明の他の態様、特徴、および実施形態は、後続の開示および添付の特許請求の範囲からさらに完全に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明およびその好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、銅薄膜を基板上にCVDまたはALD形成するための新規な銅(I)アミジナート前駆体、およびこのような前駆体を使用するための対応する方法に関する。
【0014】
アミジナートは、下記の塩基性化学構造を有する嵩高いモノアニオン性リガンドである:
【化4】

【0015】
一の態様では、本発明は、次式の化合物を提供する:
【化5】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体(例えば、−SiR(式中、Rは独立して、C〜Cアルキルからなる群から選択される))からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択され、
ただし、RおよびRがイソプロピル基である場合、Rはメチル基でないことを条件にする)。
【0016】
式(1)の化合物は、所与の用途について当分野の技術内で容易に決定できるような、適正な温度、圧力、濃度、流量、およびCVD技法を含めてプロセス条件を利用して、CVDまたはALD法により銅薄膜を形成するために有効に使用される。
【0017】
式(1)の好ましい化合物には、銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナート:
【化6】

および銅(I)2−ジメチルアミノ−1,3−ジイソプロピルアミジナート:
【化7】

が含まれる。
【0018】
式(1)の化合物は、下記に、本明細書の実施例でさらに完全に記載されているように、下記の式(2)および(3)に従って容易に合成される。
【化8】

【0019】
CVDまたはALDにおける使用では、本発明の銅(I)前駆体を蒸発させて、前駆体蒸気を形成し、次いで高温蒸気分解条件下で基板と接触させて、銅を基板上に堆積させる。
【0020】
銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートおよび銅(I)2−ジメチルアミノ−1,3−ジイソプロピルアミジナートは、揮発性であると共に耐熱性でもあり、CVDまたはALD反応器中、還元雰囲気堆積条件下で銅CVDまたはALD前駆体として有効に使用される。固体前駆体は、有機溶媒に溶解することができる。反応器への輸送のための気化装置に溶液を計量供給するために、液体送達を使用することができる。
【0021】
より詳細には、例として、本発明の銅(I)アミジナート前駆体組成物は、半導体集積回路、薄膜回路、薄膜包装構成要素、および薄膜録音ヘッドコイルにおいて銅相互接続線を形成する最中に使用することができる。このような集積回路または薄膜回路を形成するために、基板上および/または基板内に形成された、いくつかの誘電体層および導電層(多層)を有する半導体基板を利用することができる。半導体基板は、裸基板、または裸基板上に形成された、いくつかの構成層を含むことができる。
【0022】
本発明の幅広い実施では、第1、第2、第3、またはそれ以上のメタライゼーション層に使用するため、銅(I)アミジナート前駆体を使用して、銅を含有する層を半導体基板上に形成することができる。このような銅層は、通常、低抵抗率、高性能、および/または高速回路パスを必要とする回路位置で使用される。本明細書の背景技術のセクションに記載されたように、銅層を半導体基板上に形成する前に、バリア層を基板上に堆積またはその他の方法で形成することができる。
【0023】
次いで、本明細書に記載する銅前駆体組成物を使用して、銅をCVDまたはALDシステムを使用してウエハ上に堆積させることができる。このようなシステムは、半導体製造技術分野で周知である。さらに、水、水発生化合物、または前駆体調合物に対する他のアジュバントを、CVDまたはALDツールの上流または内部で銅前駆体と混合することができる。同様に、還元剤を類似した方式で利用することができる。
【0024】
別の変形として、銅合金組成物を基板上に堆積する場合、銅前駆体調合物は、他の金属ソース試薬材料を含み、またはそれと混合することができ、あるいはこのような他の試薬材料を別々に蒸発させ、堆積チャンバに導入することができる。
【0025】
本発明の組成物を、様々な方法でCVDまたはALD反応器に送達することができる。例えば、液体送達システムを利用することができる。あるいは、LDS300液体送達および気化装置(米国コネチカット州ダンベリーのアドバンスト・テクノロジー・マテリアルズ(Advanced Technology Materials,Inc.,Danbury,CT)から市販されている)など、液体送達およびフラッシュ蒸発プロセスを組み合わせた装置を使用して、低揮発性材料を体積計量して送達することができ、前駆体の熱分解がない再現性のある輸送および堆積がもたらされる。商業的に許容できる銅CVDまたはALD法には、熱分解がない再現性のある輸送および堆積というこれらの考察の両方が不可欠である。
【0026】
液体送達調合物では、液体である銅前駆体は、溶媒を含まない液体の形で使用することができ、あるいは液体または固体の銅前駆体は、それを含有する溶媒調合物中で使用することができる。したがって、本発明の銅前駆体調合物は、銅を基板上に形成する所与の最終使用用途において望ましく有利であり得るように適切な特性の溶媒成分を含むことができる。適切な溶媒には、例えば、アルカン溶媒、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン、またはベンゼンやトルエンなどのアリール溶媒、アミン、およびアミドが含まれ得る。特定の銅前駆体について特定の溶媒組成物の有用性を経験的に容易に決定して、使用する特定の銅前駆体の液体送達蒸発および輸送用の適切な単一成分または多成分の溶媒媒体を選択することができる。
【0027】
本発明の別の実施形態では、例えばProE−Vap固体送達および気化装置(米国コネチカット州ダンベリーのアドバンスト・テクノロジー・マテリアルズ(Advanced Technology Materials,Inc.,Danbury,CT)から市販されている)を使用して、固体送達システムを利用することができる。
【0028】
広範囲のCVDまたはALDプロセス条件を、本発明の前駆体組成物と利用することができる。一般化プロセス条件には、150〜400℃の基板温度範囲、0.05〜5トールの圧力範囲、および気化装置の50〜120℃とほぼ同じ温度において25〜750sccmでヘリウム、水素、窒素、またはアルゴンのキャリヤーガスフローが含まれ得る。
【0029】
有用な電気的諸特性(低抵抗率)を有する銅薄膜の堆積、および(例えば、TiNまたはTaNで形成された)バリア層に対する良好な接着力も、本発明の方法および前駆体により実現される。堆積されたフィルムの均一性は、好ましくは「全充填」銅メタライゼーションの実現への経路を提供するCVDまたはALD技法により実際に実現可能である。本明細書に開示されているように、「フラッシュ」蒸発および銅前駆体化学的性質の使用を含めて、本発明の液体送達手法により、次世代デバイス幾何形状および寸法、例えば線幅65ナノメートルの均一な垂直相互接続を達成することが可能になる。これらの重要な寸法の相互接続の均一堆積は、現在利用可能な物理的堆積方法では実現することができない。したがって、本発明の手法により、将来の世代のデバイスへの実行可能な経路が可能になり、当技術分野において実質的な進歩が具現化される。
【0030】
下記の例示的かつ非限定的な実施例により、本発明の特徴および利点をさらに完全に示す。
【実施例】
【0031】
実施例1
銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートの合成
定常流の窒素下で、反応を実施した。シュレンクフラスコに、6.3gの1,3−ジイソプロピルカルボジイミド((CHCHN=C=NCH(CH)、49.9mmol)および50mLの乾燥エーテルを加え、氷浴に配置した。次いで、32mLのイソプロピルリチウム(エーテル中1.6M、51.2mmol)を、磁気撹拌された混合物に約0℃で滴下した。滴下が完了した後、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。50mLのエーテルに懸濁させた6gのCuCl(60.6mmol)を含む別のフラスコに、混合物を移した。この混合物を室温で終夜撹拌し、次いで乾固するまで揮散させた。固体残渣をペンタン(3回×50mL)で抽出した。抽出した後、ペンタン濾液をわずかに曇るまで濃縮した。飽和溶液を−39℃の冷凍装置に配置し、結晶質生成物を収率約60%で得た。
【0032】
図1は、銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートのH NMR(C)を示す。下記のピークを有する:δ 1.20(d,6H,(CHCH−C),1.23(br,12H,(CHCH−N),3.20(hept,1H,CH),3.45(br,1H,CH),3.95(br,1H,CH)。
【0033】
図2は、銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートのSTA/DSCプロットを示す。溶融ピークは約160℃であり、残渣は約19%である。
【0034】
図3は、銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートのORTEP構造であり、化合物の二量体構造、および確率30%の熱振動楕円体を示す。
【0035】
実施例2
銅(I)2−ジメチルアミノ−1,3−ジイソプロピルアミジナートの合成
溶媒を含まない1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(12.37g、98mmol、15.2mL)を、125mLのTHF中LiNMe(5g、98mmol)の溶液に徐々に添加した。熱の発生が観察された。反応混合物を1時間撹拌した。その後、9.7gの固体CuCl(98mmol)を、ドライボックス中で反応混合物に添加した。得られた緑がかった懸濁液を終夜撹拌し、揮発性物質をすべて真空で除去した。残渣を150mLのヘキサンで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、冷蔵装置に配置し、それによって溶媒を含まない結晶が終夜成長した。全収率は60%であり、結晶の融点は108℃であった。H NMR(C):δ 3.42(septet,1H,J(H−H)=6Hz,CH(CH),2.55 (singlet,3H,N(CH),1.30(doublet,6H,J(H−H)=6Hz,CH(CH)。13C NMR(C):δ 171.95(MeNC(N(iPr))),48.61(CH(CH),41.29(N(CH),27.98(CH(CH)。
【0036】
図4は、揮発性の銅(I)2−ジメチルアミノ−1,3−ジイソプロピルアミジナートのSTA/DSCプロットを示す。輸送温度は230℃未満であり、残渣塊は5%未満である。
【0037】
図5は、銅(I)2−ジメチルアミノ−1,3−ジイソプロピルアミジナートのORTEP構造であり、固体状態の化合物の二量体構造を示す。2.4152(17)Åと比較的短いCu−Cu距離は、金属−金属相互作用が弱いことを示唆することができる。平均的なCu−N距離は、1.875(3)Åであり、類似化合物で観察されるものと全く同様である。
【0038】
様々な特定の実施形態を参照して、本発明を本明細書に記載しているが、本発明はこうして限定されず、当業者に理解されるように、様々な他の変更形態および実施形態に拡張かつ包含することが理解されよう。したがって、本発明は、冒頭の特許請求の範囲に従って広く解釈され、理解されるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートのH−NMRプロットである。
【図2】銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートの同時熱分析(STA)/示差走査熱分析(DSC)プロットである。
【図3】銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートのORTEP構造である。
【図4】銅(I)2−ジメチルアミノ−1,3−ジイソプロピルアミジナートのSTA/DSCプロットである。
【図5】銅(I)2−ジメチルアミノ−1,3−ジイソプロピルアミジナートのORTEP構造である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式:
【化1】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択され、
ただし、RおよびRがイソプロピル基である場合、Rはメチル基でないことを条件にする)の銅前駆体化合物。
【請求項2】
前記式の銅前駆体が、銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートまたは銅(I)2−ジメチルアミン−1,3−ジイソプロピルアミジナートである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRがイソプロピル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
銅前駆体調合物であって、
(a)次式:
【化2】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択される)の銅前駆体化合物と、
(b)前記前駆体化合物用の溶媒組成物と
を含む銅前駆体調合物。
【請求項5】
前記溶媒組成物が、有機溶媒を含む、請求項4に記載の銅前駆体調合物。
【請求項6】
前記溶媒組成物が、アルカン、アリール、アミン、およびアミド溶媒からなる群から選択された溶媒を含む、請求項4に記載の銅前駆体調合物。
【請求項7】
前記溶媒組成物が、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン、ベンゼン、トルエン、およびジメチルホルムアミドからなる群から選択された溶媒を含む、請求項4に記載の銅前駆体調合物。
【請求項8】
銅を基板上に堆積する方法であって、
(a)次式:
【化3】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択され、
ただし、RおよびRがイソプロピル基である場合、Rはメチル基とすることができないことを条件にする)
の銅前駆体を蒸発させて、前駆体蒸気を形成する工程と、
(b)前記前駆体蒸気を高温蒸気分解条件下で前記基板と接触させて、銅を前記基板上に堆積させる工程と、
を含む方法。
【請求項9】
前記銅を化学蒸着条件下で堆積させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記銅を原子層堆積条件下で堆積させる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記式の銅前駆体が、銅(I)2−イソプロピル−1,3−ジイソプロピルアミジナートまたは銅(I)2−ジメチルアミン−1,3−ジイソプロピルアミジナートである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記基板が、バリア材料である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記バリア材料が、窒化チタン、ケイ化チタン、窒化タンタル、ケイ化タンタル、タンタルケイ素窒化物、ニオブ窒化物、ニオブケイ素窒化物、窒化タングステン、およびケイ化タングステンからなる群から選択された化合物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
銅の堆積が集積回路の製造中に生じる、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
液体送達システムの使用により、前記銅前駆体化合物をプロセスツールに送達する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
固体送達システムの使用により、前記銅前駆体化合物をプロセスツールに送達する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記基板の温度が約150℃〜約400℃である、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
銅を基板上に堆積させる方法であって、
(a)
(i)次式:
【化4】

(式中、
およびRは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、シリル基のヒドロカルビル誘導体、およびNR(式中、RおよびRは、互いに同じでも異なってもよく、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、およびシリル基のヒドロカルビル誘導体からなる群から選択される)からなる群から選択される)の銅前駆体化合物と、
(ii)前記前駆体化合物用の溶媒組成物と
を含む銅前駆体調合物を蒸発させて、前駆体蒸気を形成する工程と、
(b)前記前駆体蒸気を高温蒸気分解条件下で前記基板と接触させて、銅を前記基板上に堆積させる工程と、
を含む方法。
【請求項19】
前記銅を化学蒸着条件下で堆積させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記銅を原子層堆積条件下で堆積させる、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−502680(P2008−502680A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516461(P2007−516461)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/008416
【国際公開番号】WO2006/009590
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】