説明

銅被膜を電解で析出するための酸性水溶液と方法に加えて上記水溶液の使用

金属又はプラスチック部品の大きな領域上に、高研磨で、装飾的な光沢があり、滑らかで且つ平坦な銅被膜を電解で析出するための酸性水溶液は、a)少なくとも一種の酸素含有高分子添加剤と、b)少なくとも一種の水溶性硫黄化合物を含み、その中で、水溶液は、付加的に、c)一般式(I)を有する少なくとも一つの芳香族ハロゲン誘導体を含み、式中で、ハロゲンとなるR、R、R、R、R及びR基の個数は1〜5の範囲であるという条件付きで、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルデヒド、アセチル、ヒドロキシ、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル、炭素数1〜4のアルキル及びハロゲンからなるグループから選ばれる基である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅被膜を電解で析出乃至蒸着する酸性水溶液(aqueous, acidic solution)と方法に関し、加えて上記水溶液の使用に関する。水溶液と方法の両方は、好ましくは、金属又はプラスチック部品の大きな領域上に、高研磨で、装飾的な光沢があり、滑らかで且つ平坦な表面を作り出すだけではなく、プリント回路基板材料を被膜するのにも用いられる。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】DE 1 246 347 A
【特許文献2】DE 1 521 062 A
【特許文献3】EP 0 071 512 A1
【特許文献4】DE 27 46 938 A1
【特許文献5】DE 34 20 999 A1
【特許文献6】EP 1 300 486 A1
【特許文献7】EP 1 300 487 A1
【特許文献8】DE 25 41 897 A1
【特許文献9】EP 0 068 807 A1
【特許文献10】EP 0 107 109 A1
【特許文献11】DE 20 39 831 C
【特許文献12】DE 40 32 864 A1
【非特許文献1】”Kupferschichten-Abscheidung,Eigenschaften, Anwendung”,(”Copper layers-deposition, properties, application”), N.Kanani, Leuze-Verlag, 93及び96頁
【非特許文献2】”Handbuch der Galvanotechnik”, (”Manual of Electroplating”), Dettner, Elze, Carl Hanser Verlag, 2巻、65頁
【0003】
様々な方法と析出水溶液が、金属又はプラスチック上に、装飾的な光沢があり、滑らかで且つ平坦な表面(より具体的には大きな表面領域)を作り出すために、又は例えば、その後の金属被膜のための延性層を形成するために用いられてきた。
【0004】
今日に至るまで、酸性の銅電解水溶液、より具体的には、普及した硫酸銅電解水溶液が、光沢のある銅被膜を形成するために用いられてきた。望ましくない結晶構造のつやのない析出の形成を回避するために、少量の特定の有機物質がこれらの水溶液に加えられる。したがって、最初は、例えば、セルロース、デキストリン、ゼラチン、接着グルー及び糖蜜が用いられ、その後では、チオ尿素とその誘導体、有機硫化物及び四級窒素化合物が続いている。さらに、関連文献が、添加物として、ポリビニルアルコール、有機リン化合物及びヤーヌス緑(Janus green)又はクリスタルバイオレット(crystal violet)のような有機染料に言及している(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0005】
形成される表面と金属層の質に提起される常に増え続けている要求を考慮して、これら水溶液を用いることで得られる銅被膜の質は、今日の要求を満たさないので、これらの水溶液は、今日の慣習がなんであれ、いかなる重要性も有さない。これらの被膜は、もろすぎるか又は十分な光沢がないかどちらかであるか、あるいは特定の電流密度範囲になるために、得られる被膜は、ある種のレリーフに見える。
【0006】
様々な他の水溶液が新しい要求を満たすためにテストされてきた。有機チオ化合物と組合わせてポリアルキレンイミンを加えることが周知であり(特許文献1)、酸素含有高分子化合物と有機チオ化合物、より具体的には芳香族チオ化合物と組合わせてポリビニル化合物を加えることが周知である(特許文献2)。しかし、そのようなタイプの銅電解水溶液は、高めの陰極電流密度の使用を許さない。別の短所は、析出銅被膜が、金属めっき、例えばニッケルめっきされるのに、事前に中間処理を受けさせねばならないことである。
【0007】
特許文献2は、酸素含有高分子化合物に加えて、少なくとも一種の置換フェナジニウム化合物を含む酸性銅浴を記述する。
【0008】
銅めっき電解液に、既述した低分子のフェナジニウム化合物を用いると、プロセスの実施で問題が生じる。印加される電流密度に加えて、析出金属層の経時挙動(aging behavior)が、今でも最大限に利用されることが認められた。
【0009】
クリスタルバイオレット(特許文献3)、アミド(特許文献4)、又はアポサフラニンを有するフタロシアニン誘導体(特許文献5)のような他の染料を伴う非イオノゲン湿潤剤(non-ionogencic wetting agent)と有機チオ化合物の組み合わせが、銅析出用に更に用いられる。
【0010】
更に、特許文献6及び特許文献7は、アルデヒド又はアルコールそれぞれを抑制する添加消費剤を備えてなる金属めっき浴、より具体的には、銅めっき浴を開示する。明示的に開示された多数のアルデヒド又はアルコールの間で、それぞれ、2−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドに加えて4−クロロレゾルシノール、α,α,α−トリフルオロ−m−クレゾール及び3−クロロフェノールが典型的に既述される。アルデヒド又はアルコールは、0.001〜100g/リットルの濃度で浴内に含まれる。実施例では、これらの化合物が、1g/リットルの濃度で含まれていることを示す。
【0011】
塩化ベンジルを伴うポリアミンの不確定な反応生成物(特許文献8)又はエピクロロヒドリンを伴うポリアミンの不確定な反応生成物(特許文献9)又は、チオ化合物とアクリルアミドを伴う反応生成物(特許文献10)は、染料の代わりにも用いられる。
【0012】
最後に記述した水溶液、より具体的には、含窒素チオ化合物と組み合わせた時の水溶液の大きな短所は、サブストレート表面上で銅層の不均一な析出である。
【0013】
特許文献11は、重合フェナジニウム化合物を用いて、析出される金属表面の質をどのように改良するかを記述する。めっき浴で、これら重合フェナジニウム化合物は、主に、非イオノゲン湿潤剤と有機硫黄化合物と組み合わせて利用される。
【0014】
滑らかな表面を作り出す前提条件は、被膜されるべき表面の高平滑化を水溶液が可能にすることである。しかしながら、高平滑化は、特に大きな領域部の装飾的な外観に激しく影響を及ぼす不利な微細粗さ(くぼみ、こぶ状生成物)を有する表面をもたらす。
【0015】
電解液にフィルターをかけることによって、そのような粗さを容易に避けることはできなかったので、この粗さは電解液中で浮遊する粒子に起因しないことが認められた。高平滑化と共に形成する微細粗さは、陰極の二重層で、自然的に乱された析出(ウィスカ形成(whisker formation)が姿を変えたものだとも検討される)のためであり、特に、5μmを超える厚さを有する厚めの銅層で生じる。相応する短所が、析出された金属層の研磨された断面に認められ、上記欠点は、他の層が析出されると、表面上のこぶ状生成物又はくぼみの形で明らかになる。析出の鏡面光沢研磨が、この効果を更にもっと際立たせる、研磨された大きな領域の鉄部品又はプラスチック部品上で、これらのくぼみとこぶ状生成物は特に認められる。
【0016】
この現象は、めっき電解溶液に含窒素硫黄化合物(チオ尿素誘導体)とフェナジニウム化合物を用いると、特に観察される。この短所を回避するために、特許文献12は、特別な非イオノゲン湿潤剤の使用、この場合において、より具体的には、ナフトールエトキシラート(naphthol ethoxylates)の使用を開示する。
【0017】
しかし、ナフトールエトキシラートは、有効濃度で用いられたときに、陽極フィルムが完全にはがれるような、又は、陽極が不均一に溶けるような、望ましくない陽極効果を妨害する結果となることが判明した。
【0018】
したがって、周知の方法と処理水溶液を用いて、くぼみやこぶ状生成物のような望ましくない効果を全く有さない、装飾的に光沢があり、且つ平坦な金属表面を作り出すことは不可能である。周知の水溶液を用いて、表面層の光沢のある外観を妥協することなしに、高平滑化を達成することは不可能である。さらに、水溶液と方法の両方は、費用の節約を意図され、これらのプロセス信頼性は、高くなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
それ故、本発明の課題は、先行技術の短所を回避することにある。より具体的には、本発明は、被膜されるべき表面の有利な高平滑化を可能にする析出方法及び水溶液を提供することをねらいとする一方で、同時に、微細粗さが形成することを防止することをねらいとするので、装飾的な光沢のある金属表面が、金属又はプラスチックのサブストレート及びプリント回路基板材料上の延性金属層に形成される。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これらの問題点を解決するために、本発明では、請求項1に記載の銅被膜を析出するための水溶液、請求項24に記載の方法及び請求項21と22に記載の水溶液の使用が設けられる。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項で明らかになろう。
【0021】
本発明の水溶液は、酸性水溶液(電解液)であり、自動車産業、家具産業又は衛生産業のような大きい領域の金属又はプラスチック部品、例えば、自動車バンパー又はシャワーヘッドのめっきのために、特に光沢のある銅被膜を、好ましくは装飾的な光沢のある銅被膜を電解で析出するために利用されるのに加え、プリント回路基板材料に銅を析出するためにも利用される。本発明の水溶液は、少なくとも一種の酸素含有高分子添加剤と少なくとも一種の水溶性硫黄化合物を含み、水溶液は、付加的に一般式(I)を有する少なくとも一種の芳香族ハロゲン誘導体を含む。
【0022】
【化1】

【0023】
式中、ハロゲンとなるR、R、R、R、R及びR基の個数は1〜5の範囲であるという条件付きで、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルデヒド、アセチル、ヒドロキシ、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル、炭素数1〜4のアルキル及びハロゲンからなるグループから選ばれた基である。
【0024】
いくつかの基がハロゲンである場合は、ハロゲンであるR、R、R、R、R及びR基の好ましい個数は1〜3までの範囲で、より好ましくは、1〜2までの範囲である。ハロゲンは、一つなのが最も好ましい。
【0025】
銅析出を著しく改良するために加えられる少なくとも一種の芳香族ハロゲン誘導体又はその塩のそれぞれの量は、極めて少ない。その濃度は、好ましくは約0.005〜約0.9mg/リットルまでの範囲であり、より好ましくは約0.005〜約0.5mg/リットルまでであり、約0.02mg/リットル以上の濃度が特に好ましく、約0.3mg/リットル以下の濃度がさらにより好ましく、約0.02〜約0.2mg/リットルの範囲の濃度が最も好ましい。
【0026】
驚いたことに、芳香族ハロゲン誘導体を少量だけ用いることで、微細粗さの形成を防止することができた。サイクリックボルタンメトリーを用いることで、銅析出の効果の証明を提供することができる。芳香族ハロゲン誘導体の本発明にしたがう添加は、ストリッピングピーク(stripping peak)が陽極電位の方へシフトすると明らかになる銅析出を妨げる。加えて、芳香族ハロゲン誘導体を加えることで、溶解エリアでの陽極電荷(ストリッピングピーク)と析出エリアでの陰極電荷(めっきピーク)の比は、93〜100%まで増加した。高研磨レベルの銅被膜(いかなるこぶ状生成物とくぼみもない)は、その結果として作り出される。
【0027】
芳香族化合物で、ヒドロキシ基を有する芳香族ハロゲン誘導体(ハロゲンフェノール誘導体)が、自然に作用するという事実から見れば、アルデヒド置換芳香族ハロゲン誘導体(aldehydic substituted aromatic halogen derivatives)の作用は、わずかに遅れる。これは、ヒドロキシ化合物が反応性物質を構成すること、及び、アルデヒド誘導体を減ずることによって、水溶液中にそれらが形成されることも可能であるという事実を示している。しかしながら、そのような理論考察は、本発明の範囲に影響を及ぼさないであろう。被膜される表面の銅結晶子の構造は、析出中に変化する。形成される結晶粒界はより細かく、結晶子は、概してより小さい。
【0028】
本発明にしたがう方法は、簡単で、実施容易で、安価である。それは、金属又はプラスチック表面に、高研磨な銅被膜を析出するために利用され、表面は、本発明の水溶液と接触させられ、銅は、表面上へ電解で析出させられる。
【0029】
被膜される金属又はプラスチックの表面には、例えば、自動車産業、おもちゃ産業、家具産業又は衛生産業の分野に関する大きな領域の表面を好ましくは包含する。より具体的には、例えば、被膜される自動車バンパー、自動車スポイラー、又はウインドブレーカ、おもちゃ、シャワーヘッド、タオル掛け等で、光沢のある銅被膜が装飾目的に利用される。
【0030】
金属又はプラスチック表面は、プリント回路基板の表面も包含する。この分野では、銅析出のために直流電流及びパルス電流の両方を用いることで、均一電着性が改善される。
【0031】
本発明にしたがう水溶液と方法は、周知の手段を用いることで生じる問題を排除することを可能にする。より具体的には、それらは、金属及びプラスチック表面上に、高研磨で、装飾的な表面を形成することを可能にする一方で、こぶ状生成物やくぼみのような、質を損なう効果の形成を回避する。同時に、高平滑化に加えて、微細粗さが形成することを防止する。
【0032】
本発明の水溶液にとって、既述の析出効果を達成するために、芳香族ハロゲン誘導体は、それぞれ独立して、置換基を含む。同時に、芳香族ハロゲン誘導体にあるR、R、R、R、R及びR基は、同じであっても違ってもいい。
【0033】
ハロゲンは、好ましくは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなるグループから選ばれ、塩素と臭素が特に好ましい。
【0034】
したがって、アルデヒド基は、好ましくは、ホルミル(−CHO)、メチルホルミル(−CH−CHO)及びエチルホルミル(−C−CHO)からなるグループから選ばれる。
【0035】
アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルからなる、炭素数1〜4の分枝又は非分岐炭素鎖のグループから選ばれる。
【0036】
ヒドロキシアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜4の分岐又は非分岐の炭素鎖を備えて成り、先に記述のアルキル基の既述の炭素鎖に相応し、先に記述のアルキル基のそれぞれは、少なくとも一つのヒドロキシ基を含む。好ましくは、少なくとも一つのヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシメチルである。
【0037】
一般式(I)にしたがう芳香族ハロゲン誘導体が、本発明の水溶液で用いられる場合は、以下の化合物が、特に適合する。
2−クロロベンズアルデヒド、
2−クロロフェノール、
4−クロロ−3−メチルフェノール、
2−クロロ−4,5−ジメチルフェノール、
4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、
4−クロロフェノール、
3−クロロフェノール、
o−クロロアセトフェノン、
2−クロロベンジルアルコール、
4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、
4−ブロモフェノール、
2,4−ジクロロベンジルアルコール、
2,6−ジブロモ−4−メチルフェノール、
2,5−ジクロロフェノール、
3,5−ジブロモベンズアルデヒド、
2,5−ジブロモ安息香酸、
2,4,6−トリクロロフェノール、
2,3,6−トリクロロベンズアルデヒド
【0038】
使用前に、芳香族ハロゲン誘導体は、好ましくは、メタノールあるいは他のアルコール(例えば、グリコール)又はポリアルコール(例えば、ポリエチレングリコール)に溶かされ、その後、本発明の水溶液に加えられる。本発明の水溶液に芳香族ハロゲン誘導体を溶かすために、多くの場合、水溶液をアルカリ性にすることが有用であり、アルカリハロゲンフェノラートのような水に容易に溶解する一定量の塩が、プロセス中に形成する。アルデヒド基の−CO基に形成する亜硫酸付加物は、場合によりα―ヒドロキシスルホナート(α−hydroxysulfonates)の部分的な形成で、水溶性を向上するために用いられる。含アルデヒド芳香族ハロゲン誘導体が、アルコールに溶ける場合は、部分的なアセタール形成が起こる。
【0039】
芳香族ハロゲン誘導体は、現実に知られており、大部分は、商業上利用可能であるか又は、公知な方法にしたがって作り出せる。
【0040】
現在の光沢剤、湿潤剤又はレベラーは、例えば、層の延性のような他の物理的特性も高める。これら化合物の例は、酸素含有高分子添加剤及び水溶性硫黄化合物である。
【0041】
本発明の水溶液に含まれる少なくとも一種の酸素含有高分子添加剤は、好ましくは、ポリアルキレングリコール化合物、例えば、ポリアルキレングリコール又は酸エステル、より具体的には、ポリアルキレングリコールのアルカノールエーテル又はフェノールエーテルのようなカルボン酸エステル又はアルコールエーテルである。より具体的には、添加剤は、以下の酸素含有高分子添加剤から成るグループから選ばれる。
ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース、
ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、
ステアリン酸ポリグリコールエステル、
オレイン酸ポリグリコールエステル、
ステアリルアルコールポリグリコールエーテル、
ノニルフェノール−ポリグリコールエーテル、
オクタノールポリアルキレングリコールエーテル、
オクタンジオール−ビス−(ポリアルキレングリコールエーテル)、
ポリ(エチレングリコール−ran−プロピレングリコール)、
ポリ(エチレングリコール)−block−ポリ(プロピレングリコール)−block−ポリ(エチレングリコール)、
ポリ(プロピレングリコール)−block−ポリ(エチレングリコール)−block−ポリ(プロピレングリコール)
【0042】
少なくとも一種の酸素含有高分子添加剤の量は、好ましくは、約0.005〜約20g/リットルの濃度範囲に、より好ましくは、約0.01〜約5g/リットルの濃度範囲に一致する。
【0043】
本発明の水溶液に含まれる少なくとも一種の水溶性硫黄化合物は、好ましくは、有機不含窒素チオ化合物(organic, nitrogen-free thio compound)とその塩からなるグループから選ばれる。塩は、好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムから成るグループから選ばれたアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含む。
【0044】
以下の有機不含窒素チオ化合物の塩が特に適合する。
3−(ベンズチアゾリル−2−チオ)−プロピルスルホン酸のナトリウム塩、
3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸のナトリウム塩、
チオホスホン酸−O−エチル−ビス−(ω−スルホプロピル)−エステルの二ナトリウム塩、
チオホスホン酸−トリス−(ω−スルホプロピル)−エステルの三ナトリウム塩、
エチレンジチオジプロピルスルホン酸のナトリウム塩、
ビス−(p−スルホフェニル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホプロピル)−スルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホヒドロキシプロピル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホブチル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィドのナトリウム塩、
メチル−(ω−スルホブチル)−トリスルフィドのナトリウム塩、
O−エチル−ジチオ炭酸−S−(ω−スルホプロピル)−エステルのカリウム塩、
チオグリコール酸
【0045】
少なくとも一種の水溶性硫黄化合物又はその塩の量は、好ましくは、約0.0005〜約0.4g/リットルまでの濃度範囲に、より好ましくは、約0.001〜約0.15g/リットルまでの濃度範囲に一致する。
【0046】
本発明の水溶液は、更に、少なくとも一種の酸を含む。上記酸は、好ましくは、硫酸、塩酸、フルオロホウ酸(fluoboric acid)及びメタンスルホン酸からなるグループから選ばれる。
【0047】
少なくとも一種の酸、好ましくは硫酸の量は、好ましくは、約50〜約350g/リットルまでの濃度範囲に、より好ましくは、約180〜約220g/リットルの濃度範囲又は約50〜約90g/リットルの濃度範囲に一致する。
【0048】
本発明の水溶液は、付加的に塩化物イオンを含む。塩化物イオンは、好ましくは、塩化ナトリウム及び/又は塩酸の形で水溶液に加えられる。塩化物イオンが既に他の添加剤に含まれているならば、部分的に又は全体的に、塩化ナトリウムの添加なしで済ましうる。
【0049】
銅被膜を析出するために必要とされる銅イオンは、銅塩、好ましくは硫酸銅によってか、又は水溶液の内側か外側で従来型の陽極バスケット(anode basket)に好ましくは置かれる可溶性の銅陽極のどちらかによってもたらされる。銅イオンは、大気中の酸素又は鉄(III)イオンを用いて、分離された容器中で化学的に溶解する小さな銅片よって、水溶液に供給されることもありえる。
【0050】
本発明の水溶液の基本的な組成は、示されたような広い制限を超えて変更しうる。結果として、酸素含有高分子添加剤、水溶性硫黄化合物、酸(好ましくは硫酸)及び、芳香族ハロゲン誘導体に与えられた濃度範囲に加えて、本発明の酸性水溶液は、概して、更に硫酸銅(CuSO4・5HO)と塩化物イオンを含み、硫酸銅においては、好ましくは約20〜約250g/リットルまでの濃度範囲で、より好ましくは約60〜約80g/リットルまでか又は約180〜約220g/リットルまでの濃度範囲で、塩化物イオンにおいては、好ましくは約0.02〜0.25g/リットルまでの濃度範囲で、より好ましくは約0.05〜0.12g/リットルまでの濃度範囲で含まれる。
【0051】
硫酸銅とは異なる銅塩が、部分的に用いられうる。硫酸もフルオロホウ酸、メタンスルホン酸、塩酸又はそのほかの酸と部分的にか全体的に取替えることが可能である。
【0052】
被膜される表面の平滑化を更に高めるために、本発明の水溶液は、他のさらなるレベラーを一緒にか又は個別的に含みうる。少なくとも一種の含窒素チオ化合物、少なくとも一種の重合フェナジニウム化合物及び/又は少なくとも一種の重合窒素化合物が、好ましくは、本発明の水溶液に加えられる。
【0053】
特に適する含窒素チオ化合物(チオ尿素誘導体)は、以下である。
チオ尿素、
N−アセチルチオ尿素、
N−トリフルオロアセチルチオ尿素、
N−エチルチオ尿素、
N−シアノアセチルチオ尿素、
N−アリルチオ尿素、
o−トリルチオ尿素、
N,N’−ブチレンチオ尿素、
チアゾリジンチオール−2、
4−チアゾリンチオール−2、
イミダゾリジンチオール−2−(N,N’−エチレンチオ尿素)、
4−メチル−2−ピリミジンチオール、
2−チオウラシル
【0054】
少なくとも一種の含窒素チオ化合物の量は、好ましくは、約0.0001〜約0.5g/リットルまでの濃度範囲に、より好ましくは、約0.005〜約0.04g/リットルまでの濃度範囲に一致する。
【0055】
特に適する重合フェナジニウム化合物は以下である。
ポリ(6−メチル−7−ジメチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(2−メチル−7−ジエチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムクロライド)、
ポリ(2−メチル−7−ジメチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(5−メチル−7−ジメチルアミノ−フェナジニウムアセテート)、
ポリ(2−メチル−7−アニリノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(2−メチル−7−ジメチルアミノ−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(7−メチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムアセテート)、
ポリ(7−エチルアミノ−2,5−ジフェニル−フェナジニウムクロライド)、
ポリ(2,8−ジメチル―7−ジエチルアミノ−5−p−トリル−フェナジニウムクロライド)、
ポリ(2,5,8−トリフェニル−7−ジメチルアミノ−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(2,8−ジメチル−7−アミノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(7−ジメチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムクロライド)
【0056】
少なくとも一種の重合フェナジニウム化合物の量は、好ましくは、約0.0001〜約0.5g/リットルの濃度範囲に、より好ましくは約0.005〜約0.04g/リットルの濃度範囲に一致する。
【0057】
特に適する高分子窒素化合物は、以下である。
ポリエチレンイミン、
ポリエチレンイミド、
ポリアクリル酸アミド、
ポリプロピレンイミン、
ポリブチレンイミン、
N−メチルポリエチレンイミン、
N−アセチルポリエチレンイミン、
N−ブチルポリエチレンイミン
【0058】
少なくとも一種の重合窒素化合物の量は、好ましくは、約0.0001〜約0.5g/リットルまでの濃度範囲に、より好ましくは、約0.005〜約0.04g/リットルまでの濃度範囲に一致する。
【0059】
好ましい実施形態では、本発明の水溶液は、既述の基本的な組成である酸素含有高分子添加剤、水溶性硫黄化合物、酸、硫酸銅、塩化物イオン及び芳香族ハロゲン誘導体に加えて、先に既述の少なくとも一種の含窒素チオ化合物、先に既述の少なくとも一種の重合フェナジニウム化合物及び先に既述の少なくとも一種の重合窒素化合物を含む。
【0060】
銅被膜の電解析出は、好ましくは、以下の条件で実施される。
pH値 : <1
温度 : 約15〜約50℃
より好ましくは、 約20〜約33℃
陰極電流密度: 約0.5〜約12A/dm2
より好ましくは、 約2〜約4A/dm2
【0061】
析出中における、本発明の水溶液の十分な混合は、強力な流れと、いざとなれば、混合へのクリーンエアの吹込みによって達成されるので、水溶液の表面は、強烈に撹拌される。結果として、電極の近くにある物質の移送は、最大にされ、より高い電流密度の達成を可能にさせる。さらに、陰極を動かすことによって、それぞれの表面で物質の移送を高めることが可能である。このような増加させられた対流と電極の動きのおかげで、一定で、拡散制御された(diffucion-controlled)析出が達成される。電極を、例えば、振動又は超音波によって及び/又は垂直方向に、水平方向に動かしうる。これは、特に、エアーを吹き込むことと組み合わせて効果的である。
【0062】
析出中に、可溶性銅陽極を用いて、本発明の水溶液の銅含有量を電気化学的に補充することが可能である。用いられる陽極材料は、好ましくは0.02〜0.06%(m/m)リンを含む銅である。銅陽極へ汚れの堆積を防止するために、それらは、陽極バッグ(anode bags)で電解液からシールされるべきである。別の方法では、不溶性陽極が用いられうる。この場合、銅含有量は、別個の溶解区画から補充されなければならない。
【0063】
本発明の水溶液の特性を維持するために、残っている機械的及び/又は化学的な残留物のためのフィルターが、水溶液の循環システムに挿入される。可溶性銅陽極が用いられる場合は、リンは析出プロセスを妨げることが可能な陽極スラッジを形成するので、ろ過が強く勧められる。不活性陽極を用いて、水溶液の特性をより少ない費用で維持しうる。
【0064】
加工物を、水平方向又は垂直方向にコンベア設備されためっきラインで被膜することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下の実施例が本発明を説明するのに役立つ。
【0066】
比較例1a
酸性水溶液は、以下の成分を混合することで調製された。
硫酸銅(CuSO4・5HO) 200.0g
硫酸(96%(m/m)) 65.0g
塩化ナトリウム 0.2g
ポリエチレングリコール 0.2g
ビス−(ω―スルフォプロピル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩
0.01g
7−ジメチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムクロライド(重合体)
0.02g
容積を1リットルにするために、純水乃至脱イオン水が加えられた。
【0067】
水溶液は、27℃に加熱された。その後、本発明の方法にしたがって、研磨された真ちゅう板が、本水溶液と接触させられた。
【0068】
陰極電流密度は、4A/dm2であった。析出中、十分な混合を達成するために、エアーが水溶液に吹き込まれた。
【0069】
十分に平坦で、光沢のある銅被膜が、真ちゅう板上に現れたが、より詳細な検査では、微細粗さ(くぼみ)が見受けられた。
【0070】
実施例1b−本発明にしたがう実施例
以下の芳香族ハロゲン誘導体が本発明にしたがって加えられたことを除いて、比較例1aが、同じ水溶液で繰り返された。
4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール 0.1mg
【0071】
析出は、十分に平坦で、鏡面研磨銅被膜(mirror polish copper coating)の結果となった。本被膜は、いかなる無めっき乃至空隙(voids)をも示さなかった。
【0072】
比較例1c
比較例1aが、繰り返された。76mg/リットルの4−クロロ−3,5−ジメチルフェノールが、析出水溶液に加えられた。作り出された析出は、光沢がなく、むしろ複数のくぼみとこぶ状生成物を備えるかすみ形の外観(mist-type appearance)を有した。
【0073】
比較例1d
比較例1aが、繰り返された。152mg/リットルの4−クロロ−3,5−ジメチルフェノールが、水溶液に加えられた。析出は、くすんでいて、したがって装飾被膜として用いることはできなかった。
【0074】
比較例2a
酸性水溶液が、以下の成分を混合することで調製された。
硫酸銅(CuSO4・5HO) 80.0g
硫酸(96%(m/m)) 180.0g
塩化ナトリウム 0.08g
ポリプロピレングリコール 0.6g
3−メルカプトプロパン−1−スルホナートのナトリウム塩
0.02g
N−アセチルチオ尿素 0.003g
容積を1リットルにするために、純水が加えられた。
【0075】
水溶液は、30℃に加熱された。その後、本発明の方法にしたがって、光沢のない(brushed)銅積層板と本水溶液を接触させた。陰極電流密度は、2A/dm2であった。析出中、十分な混合を達成するために、エアーが水溶液に吹き込まれた。
【0076】
銅積層板に、光沢のある銅被膜が現れたが、微細粗さ(くぼみとこぶ状生成物)が示された。
【0077】
実施例2b−本発明にしたがう実施例
以下の芳香族ハロゲン誘導体が本発明にしたがって加えられたことを除いて、比較例2aが、同じ水溶液で繰り返された。
2−クロロベンズアルデヒド 0.5mg
【0078】
析出は、十分に平坦で、鏡面研磨銅被膜の結果となった。本被膜は、いかなる無めっきをも示さなかった。
【0079】
この文書中に記述された実施例と実施形態は、例示を目的とするだけであり、その観点からみて、様々な改変と変更に加えて本願に記述された特徴の組み合わせが、当業者に提案され、記述された発明の精神と範囲に含まれ、且つ添付された特許請求の範囲に含まれることが、理解されなければならない。この文書中に引用された全ての刊行物、特許及び特許出願は、参照することにより、結果として組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解で銅被膜を析出するための酸性水溶液にして、前記水溶液は少なくとも一種の酸素含有高分子添加剤と少なくとも一種の水溶性硫黄化合物を含み、
当該水溶液は、付加的に一般式(I)を有する少なくとも一種の芳香族ハロゲン誘導体を含み、
【化I】

式中、ハロゲンとなるR、R、R、R、R及びRの基の個数は1〜5の範囲であるという条件付きで、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルデヒド、アセチル、ヒドロキシ、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル、炭素数1〜4のアルキル、及びハロゲンからなるグループから選ばれる基であることを特徴とする水溶液。
【請求項2】
少なくとも一種の芳香族ハロゲン誘導体の濃度が、約0.005〜約0.9mg/リットルの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の水溶液。
【請求項3】
アルデヒドが、ホルミル(−CHO)、メチルホルミル(−CH−CHO)及びエチルホルミル(−C−CHO)からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項4】
アルキルが、分岐又は非分岐であり、且つメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項5】
アルキルが、ヒドロキシアルキルであり、且つ分岐又は非分岐であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項6】
少なくとも一種のヒドロキシアルキルが、ヒドロキシメチルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項7】
少なくとも一種の芳香族ハロゲン誘導体が、
2−クロロベンズアルデヒド、
2−クロロフェノール、
4−クロロ−3−メチルフェノール、
2−クロロ−4,5−ジメチルフェノール、
4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、
4−クロロフェノール、
3−クロロフェノール、
o−クロロアセトフェノン、
2−クロロベンジルアルコール、
4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、
4−ブロモフェノール、
2,4−ジクロロベンジルアルコール、
2,6−ジブロモ−4−メチルフェノール、
2,5−ジクロロフェノール、
3,5−ジブロモベンズアルデヒド、
2,5−ジブロモ安息香酸、
2,4,6−トリクロロフェノール、
2,3,6−トリクロロベンズアルデヒド、
からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項8】
少なくとも一種の酸素含有高分子添加剤が、
ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース、
ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、
ステアリン酸ポリグリコールエステル、
オレイン酸ポリグリコールエステル、
ステアリルアルコールポリグリコールエーテル、
ノニルフェノール−ポリグリコールエーテル、
オクタノールポリアルキレングリコールエーテル、
オクタンジオール−ビス−(ポリアルキレングリコールエーテル)、
ポリ(エチレングリコール−ran−プロピレングリコール)、
ポリ(エチレングリコール)−block−ポリ(プロピレングリコール)−block−ポリ(エチレングリコール)、
ポリ(プロピレングリコール)−block−ポリ(エチレングリコール)−block−ポリ(プロピレングリコール)、
からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項9】
少なくとも一種の水溶性硫黄化合物が、有機不含窒素チオ化合物とその塩からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項10】
塩が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムからなるグループから選ばれたアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含むことを特徴とする請求項9に記載の水溶液。
【請求項11】
少なくとも一種の有機不含窒素チオ化合物が、
3−(ベンズチアゾリル−2−チオ)−プロピルスルホン酸のナトリウム塩、
3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸のナトリウム塩、
チオホスホン酸−O−エチル−ビス−(ω−スルホプロピル)−エステルの二ナトリウム塩、
チオホスホン酸−トリス−(ω−スルホプロピル)−エステルの三ナトリウム塩、
エチレンジチオジプロピルスルホン酸のナトリウム塩、
ビス−(p−スルホフェニル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホプロピル)−スルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホヒドロキシプロピル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
ビス−(ω−スルホブチル)−ジスルフィドの二ナトリウム塩、
メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィドのナトリウム塩、
メチル−(ω−スルホブチル)−トリスルフィドのナトリウム塩、
O−エチル−ジチオ炭酸−S−(ω−スルホプロピル)−エステルのカリウム塩、
チオグリコール酸、
からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項9及び10のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項12】
酸を水溶液に含み、且つ当該酸は、硫酸、塩酸、フルオロホウ酸及びメタンスルホン酸からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項13】
水溶液が、付加的に塩化物イオンを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項14】
塩化物イオンが、塩化ナトリウム及び/又は塩酸の形で水溶液に加えられることを特徴とする請求項13に記載の水溶液。
【請求項15】
水溶液が、付加的に少なくとも一種の有機含窒素チオ化合物を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項16】
少なくとも一種の含窒素チオ化合物が、
チオ尿素、
N−アセチルチオ尿素、
N−トリフルオロアセチルチオ尿素、
N−エチルチオ尿素、
N−シアノアセチルチオ尿素、
N−アリルチオ尿素、
o−トリルチオ尿素、
N,N’−ブチレンチオ尿素、
チアゾリジンチオール−2、
4−チアゾリンチオール−2、
イミダゾリジンチオール−2−(N,N’−エチレンチオ尿素)、
4−メチル−2−ピリミジンチオール、
2−チオウラシル、
からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項15に記載の水溶液。
【請求項17】
水溶液が、付加的に少なくとも一種の重合フェナジニウム化合物を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項18】
少なくとも一種の重合フェナジニウム化合物が、
ポリ(6−メチル−7−ジメチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(2−メチル−7−ジエチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムクロライド)、
ポリ(2−メチル−7−ジメチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(5−メチル−7−ジメチルアミノ−フェナジニウムアセテート)、
ポリ(2−メチル−7−アニリノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(2−メチル−7−ジメチルアミノ−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(7−メチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムアセテート)、
ポリ(7−エチルアミノ−2,5−ジフェニル−フェナジニウムクロライド)、
ポリ(2,8−ジメチル―7−ジエチルアミノ−5−p−トリル−フェナジニウムクロライド)、
ポリ(2,5,8−トリフェニル−7−ジメチルアミノ−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(2,8−ジメチル−7−アミノ−5−フェニル−フェナジニウムサルフェート)、
ポリ(7−ジメチルアミノ−5−フェニル−フェナジニウムクロライド)、
からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項17に記載の水溶液。
【請求項19】
水溶液が、付加的に少なくとも一種の重合窒素化合物を含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の水溶液。
【請求項20】
少なくとも一種の重合窒素化合物が、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミド、ポリアクリル酸アミド、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン、N−メチルポリエチレンイミン、N−アセチルポリエチレンイミン及びN−ブチルポリエチレンイミンからなるグループから選ばれることを特徴とする請求項19に記載の水溶液。
【請求項21】
銅被膜を析出するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の水溶液の使用。
【請求項22】
プリント回路基板材料上へ銅を析出するための請求項1〜20のいずれか一項に記載の水溶液の使用。
【請求項23】
垂直及び/又は水平搬送めっきラインで銅被膜を作り出すための請求項21及び22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
金属又はプラスチック表面上へ銅被膜を電解で析出する方法にして、請求項1〜20のいずれか一項に記載の水溶液と表面を接触させること、及び表面上へ銅を電解で析出することを備えて成る方法。

【公表番号】特表2007−501899(P2007−501899A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522934(P2006−522934)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008492
【国際公開番号】WO2005/014891
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(597075328)アトーテヒ ドイッチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (33)
【Fターム(参考)】