説明

鋳造品を製造する方法、及び系

【課題】鋳造品の金属性汚染物質を効果的に除去しつつ、鋳造品を実質的に保護する方法を提供する。
【解決手段】鋳造品を製造する方法10が示されている。この方法10は、液体金属冷却方向性凝固法12により鋳造品を形成する段階、金属性物質を鋳造品の表面から除去する段階24、及び鋳造品の表面を検査する段階26を含んでいる。鋳造品の表面を可視化試薬に暴露することにより、その表面の金属性物質の存在を検査する。鋳造品を製造するための系も示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に鋳造品に関し、より特定的には鋳造品、例えばタービンエンジン部品の清浄化に関する。
【背景技術】
【0002】
最新型ガスタービンにおける超合金部品、並びに他の工業用部品の高勾配鋳造物を形成するには液体金属冷却を使用することが多い。冷却工程中、鋳造物を冷却するのに使用される溶融金属の幾らかは鋳造容器から漏れ、鋳造品の表面上に汚染物質として付着し得る。鋳造品は通例、有用な鋳造品となる前に、一連の熱加工及び熱処理サイクルにかけられる。存在する場合、この金属汚染物質は熱加工処理サイクル中鋳造品の表面下に拡散し、完成品の表面品質及びバルク特性に大きな影響を及ぼすことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3445657号明細書
【特許文献2】米国特許第3701631号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】W.J.Ross and J.C.White;Application of Pyrocatechol Violet as a Colorimetric Reagent for Tin;Vol 33,No.3,March 1961
【非特許文献2】Pyrocatechol Violet;Product No.P 7884;Product Information;Sigma−Aldrich;2 pages
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、かかる金属性汚染物質を効果的に除去する方法のニーズがある。また、その方法が容認できない量の危険な蒸気を生成しないのであれば望ましいであろう。この方法はまたある程度の選択性も示すべきである。例えば、この方法は金属性汚染物質を効果的に除去しつつ、鋳造品を実質的に保護するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は鋳造品を製造する方法に関する。
【0007】
本発明の一実施形態に従って、鋳造品を製造する方法が開示される。この方法は、液体金属冷却方向性凝固法により鋳造品を形成し、鋳造品の表面から金属性物質を除去し、鋳造品の表面を検査する段階を含んでいる。鋳造品の表面を可視化試薬に暴露することによってその表面の金属性物質の存在を検査する。
【0008】
別の実施形態において、方法は、鋳型に溶融金属を満たし、その鋳型を冷却用金属液体中に徐々に浸漬して凝固界面が溶融金属を通過するようにさせることを含んでいる。この方法はさらに、鋳造品を鋳型から回収し、鋳造品の表面から金属性物質を除去することを含んでいる。さらにまた、この方法は、鋳造品の表面を可視化試薬に暴露することによってその表面上の金属性物質の存在を検査することを含んでいる。
【0009】
本発明の別の実施形態は、鋳型内の金属の液相線温度より高い温度の加熱炉、冷却用金属液体を含む液体冷却浴、及び水性組成物を有する浴を含んでなる系である。この水性組成物は鋳造品の表面から金属性物質を除去する。この系はさらに、鋳造品の少なくとも一部分を可視化試薬に暴露する装置、及び可視化試薬の応答を観察するための可視化補助手段を含んでいる。
【0010】
添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、本発明の上記及びその他の特徴、局面、及び利点がより良好に理解される。図面を通じて類似の数字は類似の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従って鋳造品を作製する方法を描いた流れ図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に従う鋳造プロセスのための系(炉)の概略図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に従う、図1に示した方法で使用される清浄化浴の概略図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に従って鋳造品の表面を検査する(試験する)方法を描いたフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に従う、図3に示した検査方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
近似言語は、本明細書及び特許請求の範囲を通じて使用する場合、関連する基本的な機能に変化を生じることなく変化することが許され得る定量的表現を修飾するために適用され得る。従って、「約」のような用語により修飾された値はその明記された正確な値に限定されない。幾つかの場合、近似言語はその値を測定するための機器の精度に相当し得る。
【0013】
以下の明細書及び特許請求の範囲において、単数形態は前後関係から明らかに他の意味が指図されない限り複数の対象を包含する。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「超合金」とは、高温で秀でた強度と耐酸化性を有する
ニッケル、コバルト又は鉄基の耐熱合金をいう。ニッケル及びコバルト基の合金が高性能用途に好ましい。超合金は表面安定性を付与するためにクロムを、また強化する目的でモリブデン、タングステン、チタン、鉄又はアルミニウムのような1種以上の微量成分を含有することができる。超合金はその物理的性質のために、ガスタービン部品を製造するのに特に有用である。
【0015】
代表的な鋳造プロセスの間、鋳造品は、その鋳造品の表面上に金属汚染物質が付着することによって汚染される。様々な方法又は技術を使用して、鋳造品の表面から付着した金属汚染物質を剥ぎ取ることができる。効果的な清浄化又は剥ぎ取り工程の後でも、幾らかの残留金属汚染物質が表面上に存在する可能性がある。完全に清浄化された物品又は部品が望ましいので、物品の表面が清浄化されているか又はまだ金属汚染物質を含有しているかを決定する必要がある。鋳造品の表面の品質を保証するために、本発明の一実施形態に従って、その表面の検査試験を行ってその表面上の金属汚染物質の存在を検出する。表面上に存在する残留金属の検出には可視化試薬を使用することができる。この可視化試薬の応答は、表面上の金属汚染物質の存否を示す。このように表面を試験することにより、使用した清浄化工程の有効性がさらに保証される。
【0016】
本明細書で使用する場合、用語「可視化試薬」とは、金属性物質と反応した際に光学的応答を与える化学試薬をいう。化学試薬の光学的応答は通例電磁放射線の可視領域で観察することができる。
【0017】
本発明の一実施形態に従った鋳造品を作製する方法を図1に示した流れ図10を用いて説明する。この方法は、それぞれ鋳造品を製造し、清浄化する段階12、14を含んでいる。この製造方法12は、段階16で示すような溶融金属を鋳型に注入すること、及び段階18で示すような液体冷却法によって溶融金属を一方向に凝固させることを含んでいる。製造方法の段階20は冷却された液体金属から鋳型を取り出すことを含んでいる。段階22では、鋳型から鋳造品を回収する。この方法はさらに鋳造品を清浄化する段階14を含んでいる。汚染された表面の清浄化は、段階24で示すように金属性物質又は金属汚染物質を表面から除去する段階の後、段階26で示すように表面に残留金属性物質が存在するか否かを検査する段階を含んでいる。
【0018】
図2を参照すると、一実施形態において、図1に記載した方法10により鋳造品を製造するための一方向性凝固炉40が示されている。この一方向性凝固炉40は加熱炉42と液体金属冷却浴54を含んでいる。加熱炉42は、例えば断熱されたファーネスボックス46内の黒鉛ストリップ44を用いた抵抗加熱により加熱される。セラミック鋳型48が、鋳型位置決め器50によりファーネスボックス46内に配置されている。鋳型48は鋳造される溶融金属49で充填される。加熱炉42は、鋳型48内の金属49が確実に融解されるほど充分に高い温度(すなわち、金属49の液相線温度より高い温度)に加熱される。一方向性凝固は、溶融金属49を含有する鋳型48を、加熱されたファーネスボックス46からファーネスボックス46の開口部52を介して液体金属冷却浴54中へ下げることによって達成され、凝固は鋳型48内で底部から頂部へ向かって進行する。加熱炉42は金属の合金を加熱し、液体冷却浴54は鋳造プロセス中金属の合金からの熱を除去し、鋳造品を形成する。液体冷却材浴54は金属又は耐熱性材料のるつぼ56内に収容された冷却用金属液体を含んでいる。
【0019】
鋳造品は金属、又は金属の合金を含み得る。一実施形態において、鋳造品は鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、クロム、チタン、及び混合物又は合金、例えばステンレス鋼を含んでいてもよい。好ましい実施形態において、鋳造品は超合金を含む。
【0020】
鋳型48は鋳造品の所望の形状に従って選択され、図1に示した形状と異なっていてもよい。鋳造品は多くの形状であることができる。本明細書に記載したように、一実施形態において、鋳造品はタービンエンジンの部品、例えばエアフォイル、ブレード又は「バケット」である。幾つかの実施形態では成形品をタービンエンジン用の部品として論じるが、鋳型、従って成形品は対称及び不規則の形状を両方含めていかなる形状であることもできる。
【0021】
図2に示した実施形態において、液体金属冷却浴54は、セ氏約700度未満の融点を有する冷却金属を含んでいる。適切な冷却金属としては、例えばアルミニウム、スズ、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ガリウム、インジウム又はこれらの組合せを含み得る。好ましい実施形態において、液体金属冷却浴は鋳造合金から熱を除去するために冷却金属としてスズを含み得る。冷却中、浴の金属は鋳型48を貫通し、鋳造品を汚染し得る。
【0022】
本発明の一実施形態によると、鋳造プロセス中の液体金属の進入の結果として金属性物質又は金属汚染物質が鋳造品の表面上に付着する。液体金属の進入は、鋳型がまだ液体金属冷却浴中に浸漬されている間鋳造品を収容している鋳型に亀裂が入ったときに起こり得る。鋳型がまだ液体金属冷却浴中にある間に冷却され亀裂が生成すると、液体金属が鋳型内の亀裂に沿って流れ、最終的には鋳型の内側の鋳造品の表面と接触し得る。この液体金属は鋳型の亀裂を通って流れるうちに鋳型の内部と反応し得、また鋳造品の表面と接触する間に物品の材料と反応し得る。この理由で、鋳型内及び鋳造品内のある元素は、進入した液体金属と鋳型及び鋳造品の材料との相互作用のために金属汚染物質内にも存在することがある。
【0023】
本明細書で使用する場合、「金属性物質」は金属又は金属の合金を含有する物質である。この金属性物質は、鋳造品中に存在してもよい量の物質の量を超えて鋳造品の表面上に付着する。非限定例として、金属性物質には、スズ、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、クロム、チタン、及びこれらの組合せ、例えばステンレス鋼からなる群から選択される1種以上の元素が包含され得る。金属性物質にはさらに、金属又は金属の合金と共に付着するケイ素、ジルコニウム、イットリウム、酸素又はこれらの組合せのような他の改変構成成分が包含され得る。
【0024】
表面上に付着する金属性物質の厚さは、鋳造する物品の種類、使用する鋳造プロセス、使用する材料、などのような様々な要因に依存する。一実施形態において、金属性物質は約2〜約2000ミクロンの厚さを有し得る。別の実施形態において、金属性物質は約5〜約1000ミクロンの厚さを有し得る。さらに別の実施形態において、金属性物質は約10〜約500ミクロンの厚さを有し得る。
【0025】
図1に示した実施形態において鋳造品の清浄化方法14は、通例、表面から金属性物質を除去する化学工程を含んでいる。この化学工程は、金属性物質を含有する汚染された表面を水性組成物と接触させる(処理する)ことを含んでいる。様々な技術を用いて、鋳造品を水性組成物で処理することができる。例えば、様々なタイプのスプレーガンを用いて、鋳造品に組成物を連続的に噴霧することができる。単一又は複数のスプレーガンを使用することができる。もう1つ代わりの実施形態においては、水性組成物を鋳造品上に注ぎ、連続的に再循環させることができる。
【0026】
この物品の清浄化方法14は非常の望ましい程度の選択性を有する。言い換えると、物品に悪影響を及ぼしたり損傷したりすることなく、鋳造品の表面から金属性物質を効果的に除去することができる。これは、鋳造品の構造的完全性及び寸法を保持するのに極めて有利である。さらに、本明細書に記載した処理用組成物は、環境上の観点から、鉱酸に基づく組成物と比較して相対的に温和である。
【0027】
本明細書で使用する場合、用語「金属性物質を除去する」とは、金属性物質を激しく減成させ、多くとも金属性物質残渣が残るだけのことを意味する。この残渣はその下にある表面と弱く接着している。この残渣は以下に述べるように「汚れを取る(de-smutting)」といったその後の慣用的な技術によって除去することができる。
【0028】
一実施形態において、図3は、図1に示した一方向性凝固炉40から回収された鋳造品62を水性組成物68で処理する系60を示す。この系60は水性組成物68で満たされた浴70を含んでいる。鋳造品62は、表面64上に存在する金属性物質66を含有する部分を含んでいる。鋳造品62を水性組成物68中に浸漬して金属性物質64を表面62から剥ぎ取る。このように浸漬すると、水性組成物68と除去しようとする金属性物質64との最大級の接触が可能になることが多い。所定の時間後、処理した物品72を浴70から取り出す。
【0029】
浸漬時間と浴温度は、除去しようとする金属性物質の種類、浴内に使用する水性組成物、及び機器の性能のような様々な要因に依存する。一実施形態において、処理された物品72は残留金属性物質を含まない。別の実施形態において、処理された物品72は表面74上に残留金属性物質76を含有する。
【0030】
通常、水性組成物68で満たされた浴70は、物品49をその中に浸漬する間、ほぼ室温〜セ氏約100度の範囲の温度に維持する。好ましい実施形態において、この温度は、セ氏約45〜約95度の範囲に維持する。浴内の浸漬時間はかなり変化し得る。通常は約10分〜約72時間、好ましくは約1〜約20時間の範囲である。より長い浸漬時間はより低い浴温度を補い得る。
【0031】
一実施形態において、水性組成物68又は処理用組成物は式HxAF6を有する酸を含む。この式において、AはSi、Ge、Ti、Zr、Al、及びGaからなる群から選択される。下付文字xは1〜6、より典型的には1〜3の量である。この種類の物質は市販されているか、又は過度の努力を要することなく調製することができる。本明細書中で「主要な酸」ということもあるHxAF6化合物は好ましくはH2SiF6若しくはH2ZrF6、又はこれらの混合物である。幾つかの実施形態においては、H2SiF6が殊に好ましい。化合物H2SiF6は「フッ化ケイ酸」、「ケイフッ化水素酸」、「フルオロケイ酸」及び「ヘキサフルオロケイ酸」のような幾つかの名称で呼ばれる。HxAF6酸の前駆体も使用することができる。本明細書で使用する場合、「前駆体」とは、結合して酸若しくはそのジアニオンAF6-2を形成することができるか、又は反応性条件下、例えば熱、撹拌、触媒、などの作用の下で酸若しくはそのジアニオンに変化することができるあらゆる化合物又は化合物群をいう。従って、この酸はその場で、例えば反応容器中で形成することができる。
【0032】
1つの実例として、前駆体はジアニオンがイオン結合している金属塩、無機塩、又は有機塩であってもよい。非限定例としては、Ag、Na、Ni、K、及びNH4+の塩、並びに第四アンモニウム塩のような有機塩がある。これらの塩が水溶液中で解離すると酸が生成する。H2SiF6の場合、利用することができる便利な塩はNa2SiF6である。
【0033】
一実施形態において、H2SiF6はその場で、例えばケイ素含有化合物とフッ素含有化合物との反応により形成することができる。代表的なケイ素含有化合物はSiO2であり、一方代表的なフッ素含有化合物はフッ化水素酸、すなわち水性フッ化水素である。
【0034】
単一の酸として使用する場合、HxAF6酸はクロム付着物を除去するのに多少効果的であり得る。使用する酸の好ましいレベルは除去しようとする付着物の種類と量、物品上における金属性物質の位置、物品の種類、物品と付着物の熱履歴、例えば相互拡散のレベル、物品を上記のように処理用組成物に暴露する際の技術、処理に使用する時間と温度、及び溶液中における酸の安定性のような様々な要因に依存する。
【0035】
一般に、HxAF6酸は約0.05〜約5Mの範囲のレベルで処理用組成物に存在する。ここで、Mはモル濃度を表す。モル濃度は溶液を調製する際に容易なように簡単に重量又は容量百分率に変えることができる。通常、このレベルは約0.2〜約3.5Mの範囲である。H2SiF6の場合、好ましい濃度範囲は約0.2〜約2.2Mの範囲であることが多い。より長い処理時間及び/又はより高い処理温度(以下に記載する)は、酸のより低いレベルを補い得るし、その逆も可能である。HxAF6酸、及び以下に記載する他の成分の量の調節は、特定の組成物が物品からの付着物の除去に及ぼす影響を観察することによって容易に行うことができる。
【0036】
好ましい実施形態において、処理用組成物はまた、1種以上の追加の酸若しくは「第2の酸」又はその前駆体も含んでいる。この追加又は「第2の」酸は好ましくはリン含有化合物、又は硝酸である。リン化合物の非限定例としては、リン酸及び亜リン酸、並びにこれらの混合物がある。一般に、リン化合物は硝酸と同様に市販されている。また、これらの化合物は周知の技術によって合成することもできる。
【0037】
当業者は、観察された有効性並びに入手容易性、主要な酸との適合性、コスト、及び環境上の配慮のような他の要因に基づいて最も適当な追加の酸を選択することができる。さらに、主要な酸に関連して上記したように酸の塩のような前駆体を使用してもよい。殆どの実施形態で、好ましい追加の酸はリン化合物であり、リン酸が殊に好ましい。
【0038】
本発明者はリン化合物と硝酸の予想外の効力に関していかなる特定の理論にも縛られることは望まないが、これらは金属性物質中の金属を迅速に酸化するという酸の能力を提供するようである。また、これは、金属性物質を可溶化させ、鋳造品の表面領域から容易に引き離されるようにするようである。
【0039】
使用する追加の酸、すなわちリン化合物又は硝酸の量は、その酸自体、並びに主要な酸の種類、及び上記した要因の多くに依存する。リン化合物は通常組成物中に約0.1〜約20Mの範囲のレベルで存在する。幾つかの好ましい実施形態において、例えばリン酸の場合、好ましい範囲は約0.5〜約5Mである。さらに、幾つかの好ましい実施形態では約2〜約4Mの範囲が考えられる。
【0040】
追加の酸として存在する場合、硝酸は、本発明に従って処理される鋳造品の減成を最小限に抑えるレベルで存在する。通常、このレベルは約1.2M以下である。好ましい実施形態において、この範囲は約0.3〜約1Mである。
【0041】
幾つかの実施形態において、処理用組成物68は少量の第3の酸を含んでいる。この構成成分は通常、純水中で約3.5未満のpHを有する強酸である。例えば、第2の酸がリン化合物である場合、第3の酸は硝酸であることができる。その他の強い鉱酸の非限定例は硫酸、塩化水素酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、アルキルスルホン酸、及び以上のものの任意の混合物である。この強酸は、鋳造品中に拡散しているかもしれない金属性物質の部分を除去するのに殊に有用なようである。
【0042】
一実施形態において、第3の酸は塩化水素酸、硝酸、又はこれらの混合物からなる。好ましい実施形態において、第3の酸は塩化水素酸である。通例、この酸は水性形態で、例えば水中35〜38パーセントの塩化水素酸として供給し使用するのが有利である。
【0043】
使用する第3の酸の量は、主要な酸及び第2の酸の種類、並びに上記した要因の多くに依存する。物品の減成を最小限に抑えるには、第3の酸は硝酸に関して上記したレベルで存在するのが好ましい。すなわち、処理用組成物中のこの酸の濃度は通常約1.2M以下、好ましくは約0.3〜約1Mの範囲である。
【0044】
本発明の水性組成物68は、さらに、各種の機能を果たす様々な他の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の非限定例は阻害剤、分散剤、界面活性剤、キレート剤、湿潤剤、解膠剤、安定剤、沈殿防止剤、還元剤、及び消泡剤である。当業者はかかる添加剤の特定の種類、及び有効な使用レベルについて精通している。本組成物用の阻害剤の一例は酢酸のような比較的弱い酸である。かかる物質は組成物中の主要な酸の活性を低下させる傾向がある。これは、幾つかの場合、例えば処理用組成物と接触したときにある種の鋳造品の表面の点食の可能性を減少させるために望ましい。
【0045】
水性組成物68における鋳造品62の処理により、除去しようとする金属性物質66の完全性が激しく減成する。この減成した金属性物質を本明細書中では「汚れ」又は「金属性物質残渣」と称する。この金属性物質残渣は鋳造品の下にある層に弱く接着し続けることが多い。その結果、通常はこの処理に続いて、「汚れを取る」作業といわれることが多い後に剥ぎ取る段階が来る。かかる段階は当技術分野で公知であり、各種文献に記載されている。汚れを取るのは、鋳造品又は下にある層に対する損傷を最小限に抑える穏やかな磨耗段階の形で実行することができる。1つの例として、酸化アルミニウム粒子を含有する加圧空気流を物品の表面全体に当てることによってグリットブラストを行うことができる。この空気の圧力は通常約100psi未満である。グリットブラストは、減成した付着物を除去するのに充分な時間行う。この実施形態におけるグリットブラストの持続時間は汚れ層の厚さ及び具体的な組成、グリット媒体の大きさ及び種類、などのような様々な要因に依存する。本工程は通例約30秒〜約3分行われる。
【0046】
表面を磨耗するその他の公知技術をグリットブラストの代わりに使用してもよい。例えば、物品の表面を、ポリマー性、金属性、又はセラミック繊維を含むパッドのような繊維パッドを用いて手動で擦ることができる。或いは、物品表面を、例えば、アルミナ又は炭化ケイ素粒子が埋め込まれた軟らかいホイール又はベルトで磨くことができる。また、このホイール又はベルト上に液体研磨材を使用してもよい。これらの代わりの技術は、物品表面に対する接触力を、上記グリットブラスト技術で使用される力以下に維持するように制御すべきである。
【0047】
磨耗の代わりに他の技術、又は技術の組合せを使用して、減成した金属性物質を除去することができる。例として、物品表面のレーザーアブレーション、又は水タンブリングを始めとする鋳造品のタンブリングがある。或いは、減成した物質は物品表面から擦り落とすことができよう。さらに別の代替として、音波、例えば超音波を表面に当てて、振動を起こさせて減成した物質を緩ませることができよう。これらの代替技術の各々について、当業者は、磨耗技術の場合と同様に、鋳造品の表面に加えられる関連の力を制御して保護される物品に対する損傷を最小限に抑えるために行われる操作の調節に精通しているであろう。この段階の後、物品を、例えば水又は水と湿潤剤の組合せを用いて濯ぐことがある。
【0048】
図3に示した実施形態において処理された鋳造品72は、表面74上に幾らかの残留金属性物質76をまだ含有していることがある。表面74上に金属性物質76が存在することは、この表面74が清浄化処理の後でもまだ汚染されており、追加の加工処理を要し得ることを意味している。
【0049】
本発明の一実施形態によると、清浄化方法14はさらに、図1に示されているように清浄化された鋳造品を検査する方法26を含んでいる。この方法26は可視化試薬を使用して、この試薬の応答を観察することにより表面上の金属性物質の存在の検出を補助する。この方法は、鋳造品の表面を抽出試薬で処理する段階、処理された表面を可視化試薬に暴露する段階、及び可視化試薬の応答を観察する段階を含んでいる。金属性物質と抽出試薬の反応によりある化合物が形成され、これが可視化試薬と接触したときに応答する。
【0050】
表面を抽出試薬で処理するのに適した技術として、表面を抽出試薬で強打する、抽出試薬を表面上に注ぐ、などを挙げることができる。一実施形態において、抽出試薬は酸を含む。抽出試薬として適切な酸としては、限定されることはないが、塩化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸又はこれらの組合せを挙げることができる。
【0051】
様々な可視化試薬を金属性物質の検出に使用することができる。適切な可視化試薬としては、限定されることはないが、比色試薬若しくは化学的指示薬、蛍光染料又は光学的に活性な物質を挙げることができる。「光学的に活性な物質」とは、本明細書で使用する場合、光を吸収し、散乱し又は偏向させる物質を指し得る。試薬を鋳造品の表面に暴露した際の応答を観察する。可視化試薬は、使用した可視化試薬に対応する色、吸光度、散乱又は蛍光応答の変化である比色応答を生成し得る。
【0052】
好ましい実施形態においては、表面上の金属性物質の検出に比色試薬を使用する。色の変化は、表面上に存在する金属性物質の種類及び検出に使用する比色試薬に依存し得る。いろいろな金属を検出するために様々な比色試薬を使用することができる。例えば、ピロカテコールバイオレット(PV)は、スズ、鉄、アルミニウム、クロム及びイットリウムの比色判定のための感受性試薬である。スズに対して感受性である他の比色試薬としては、ガレオン、ピロガロールレッド、ブロモピロガロールレッド、又はフェニルフルオロンを挙げることができる。
【0053】
ピロカテコールバイオレットは、2モルのピロカテコールを1モルのo−スルホ安息香酸無水物と縮合させて作成されるスルホンフタレイン染料である。ピロカテコールバイオレットは4つのヒドロキシル基、2つのスルホン酸素及び1つのキノン酸素をもっている。ピロカテコールバイオレットの化学的構造は次の通りである。
【0054】
【化1】

全ての官能基は、特有の可視波長で光を吸収することによりこの化合物に色を付与する非局在化した芳香族系と共役している。ピロカテコールバイオレットは色指示薬としての性質を有しており、金属イオンと共に青色〜青紫色の錯体を形成する。
【0055】
代表的な実施形態においてピロカテコールバイオレットを用いることによって鋳造品の清浄化された表面上の金属性物質を検査又は検出する方法を図4のフローチャート80に示す。この検査方法は、清浄化された鋳造品の表面に塩化水素酸をつける(塗布する)段階84を含んでいる。塩化水素酸は表面上に存在するスズ、鉄、アルミニウム、クロム又はイットリウムを対応する塩化物に変換する。さらに、この検査方法は、その表面をピロカテコールバイオレットに暴露する段階86を含んでいる。一実施形態においては、プロトン化されたピロカテコールバイオレットの形成によりピンク色(ブロック88)が観察される。塩化水素酸による酸素のプロトン化によって、変化した電子構造のために可視光の吸収の周波数にシフトが生じる。ピンク色は、段階92で示されるように表面上に上記金属の痕跡がなく、従って清浄な表面(ブロック94)であることを示す(ブロック90)。このように、ピンク色の生成は、清浄化処理後の表面がスズを含まないことを保証する。別の実施形態において、青紫色(ブロック96)は金属−PV錯体の形成を示し、幾らかの表面における残留金属の存在(ブロック100)を示し(ブロック98)、従って汚染された表面を意味する(ブロック102)。
【0056】
幾つかの実施形態においては、マスキング剤を使用することによって、表面上に存在する特定の金属の検出を達成することもできる。マスキング剤は、表面を可視化試薬に暴露する前に表面につけることができる。このマスキング剤は特定の金属が可視化試薬に暴露されるのを許すが、他の金属性物質が可視化試薬に暴露された反応することを許さない。例えば、スズのみが検査されるようにし、他の金属をマスクする適切なマスキング剤は乳酸及びアスコルビン酸である。これらの酸はスズ以外の金属を選択的に還元する。他のマスキング剤は、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジニトリロ三酢酸(HEDTA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)であり得、これらは他の金属を選択的にキレート化する。
【0057】
様々な技術を使用して表面を可視化試薬に暴露することができる。ある種の装置を使用して、鋳造品の少なくとも一部分を可視化試薬に暴露することができる。適切な装置としては、限定されることはないが、綿棒、ブロックペーパー、スプレー、浴、ガラス棒、ガラスパイプ、又は布を挙げることができる。
【0058】
同様に、様々な技術を使用して、可視化試薬を表面に暴露した際の応答を観察することができる。可視化試薬の応答は可視化補助手段を用いて、又は用いないで観察することができる。一実施形態において、応答は人の目で観察してもよい。別の実施形態において、可視化補助手段は光源、光学検出器、光学ディファレンシエイター(differentiator)又はこれらの組合せのような光学系であり得る。この光学ディファレンシエイターはフィルター、プリズム、分光計、干渉計などを含み得る。例えば、蛍光染料の発光はUV励起の下で観察することができる。
【0059】
代表的な実施形態において比色試薬を使用するための幾つかの好ましい技術を図5A、5B、及び5Cに示す。物品72は、図1に示した清浄化方法14の段階24の後に回収された物品である。一実施形態において、物品72の表面74は金属性物質を含まない。或いは、表面74は少なくとも一部分が残留金属性物質76を含有し得る。一実施形態において、装置は図5Aに示すような先端に綿を付けた棒112でよい。比色試薬110で湿らせた棒112で物品72の表面74を拭い、応答を観察する。別の実施形態において、装置は図5Bに示したようなブロックペーパー114でもよい。比色試薬110に浸したか又は比色試薬110を染み込ませたブロックペーパー114を表面74に押し付ける。このブロックペーパー上の色は表面74の対応する清浄化されたか又は汚染されている部分を示す。さらに別の実施形態においては、図5Cに示したような噴霧器116により比色試薬110を表面74上に吹き付ける。表面74上の色の変化が表面74の対応する部分で観察され得る。
【実施例】
【0060】
以下の実施例は単なる実例であり、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲にいかなる限定も付するものではない。
【実施例1】
【0061】
以下の実施例1は、スズ金属冷却浴を利用して実施した方向性凝固法を例証する。この方法では、まず最初に物品、例えばタービンブレードをNi基超合金製の鋳型で鋳造する。この超合金物品は7.5重量パーセントのコバルト、7.0重量パーセントのクロム、6.2重量パーセントのアルミニウム、6.5重量パーセントのタンタル、1.5重量パーセントのモリブデン、5.0重量パーセントのタングステン、3.0重量パーセントのレニウム、微量のハフニウム、イットリウム、ホウ素及び炭素を含み、残部はニッケルである。鋳型と鋳造物を0.5cm/分の速度で溶融スズの浴中に下ろす。溶融スズの温度は、純粋なスズの融解温度よりおよそセ氏50度高いセ氏約300度に維持する。鋳造部品内で測定される温度勾配は98℃/cmである。
【0062】
約500ミクロンの厚さを有する金属汚染物質の堆積は鋳造された超合金物品の表面上にある。この金属汚染物質は主として、鋳造プロセス中の液体スズの進入に起因するスズからなる。液体スズの進入は、液体スズで冷却される方向性凝固法で、鋳造超合金物品を収容する鋳型がまだ液体スズ浴に浸漬されているうちにその鋳型に亀裂が入ると起こる。鋳型が冷却されるにつれて、まだ液体スズ浴に入れられている間に亀裂が成長する。液体スズは鋳型内の亀裂に沿って流れ、鋳型の内側にある鋳造品の表面と接触する。この液体スズは、鋳型の亀裂を通って流れる間に鋳型の内部と、また鋳造品表面と接触している間にその超合金と反応することができる。その結果、鋳造用鋳型及び鋳造品中のある種の元素も金属汚染物質中に存在する可能性がある。
【0063】
汚染された鋳造品を、市販級のおよそ71体積パーセントのケイフッ化水素酸(H2SiF6)、24体積パーセントのリン酸(H3PO4)、及び5体積パーセントの塩化水素酸(HCl)からなる水性組成物の浴中に浸漬する。この浴をセ氏80度の温度に保ったまま、物品を4時間水性組成物中に浸漬する。およそ1時間の浸漬後水性酸組成物により金属汚染物質が実質的に除去される。この物品の処理された表面を検査して表面上に存在する残留スズを検出する。まず最初に表面を濃塩酸で処理する。使用した塩酸は水中10体積パーセントの酸である。表面上に存在するスズはHClと反応して塩化スズを形成する。PVの10-3M溶液中に浸した綿棒を酸性化された表面上につける。この棒は、プロトン化されたピロカテコールバイオレット(PV)の生成のためにピンク色になる。
【実施例2】
【0064】
汚染された鋳造品を、市販級のおよそ71体積パーセントのケイフッ化水素酸(H2SiF6)、24体積パーセントのリン酸(H3PO4)、及び5体積パーセントの塩化水素酸(HCl)からなる水性組成物の浴に浸漬する。この浴をセ氏80度の温度に保ったまま、物品を4時間水性組成物に浸漬する。金属汚染物質は、およそ4時間の浸漬後水性酸組成物により実質的に除去される。この物品の処理された表面を検査し、表面上に存在する残留スズを検出する。表面をまず最初に濃塩酸で処理する。使用した塩酸は水中10体積パーセントの酸である。表面上に存在するいかなるスズもHClと反応して塩化スズを形成する。PVの10-3M溶液中に浸した綿棒を酸性化された表面につける。この棒はピロカテコールバイオレット(PV)とのスズ錯体の形成のために青紫色になる。
【0065】
本発明の幾つかの特徴のみを示し本明細書に記載して来たが、多くの修正及び変化が当業者に明らかであろう。従って、特許請求の範囲は、かかる修正及び変化の全てを本発明の真の思想内のものとして包含するものと了解されたい。
【符号の説明】
【0066】
10 − 方法の流れ図
12 − 鋳造品を製造する段階
14 − 鋳造品を清浄化する段階
16 − 溶融金属を鋳型中に注入する段階
18 − 溶融金属を凝固させる段階
20 − 冷却された液体金属から鋳型を取り出す段階
22 − 鋳造品を回収する段階
24 − 金属性金属を除去する段階
26 − 表面を検査する段階
40 − 一方向性凝固炉
42 − 加熱炉
44 − 黒鉛ストリップ
46 − 断熱されたファーネスボックス
48 − 鋳型
50 − 鋳型位置決め器
52 − 開口部
54 − 液体金属冷却浴
56 − るつぼ
60 − 系
62 − 鋳造品
64 − 表面
66 − 金属性物質
68 − 水性組成物
70 − 浴
72 − 処理された物品
74 − 表面
76 − 残留金属性物質
80 − 検査する方法のフローチャート
84 − 塩酸を塗布する段階
86 − 表面をピロカテコールバイオレットに暴露する段階
88 − ピンク色を示す段階
90 − 指示段階
92 − 痕跡の金属もないことを示す段階
94 − 清浄な表面を示す段階
96 − 青紫色を示す段階
98 − 指示段階
100 − 残留金属の存在を示す段階
102 − 汚染された表面を示す段階
110 − 比色試薬
112 − 先端に綿が付いた棒
114 − ブロックペーパー
116 − 噴霧器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体金属冷却方向性凝固法により鋳造品(12)を形成する段階、
鋳造品(62)の表面(64)から金属性物質(24)を除去する段階、及び
表面(64)を可視化試薬に暴露することにより、鋳造品(62)の表面(64)上の金属性物質(66)の存在を検査する段階(26)
を含んでなる方法(10)。
【請求項2】
鋳造品(62)の表面(64)から金属性物質(66)を除去する段階が化学工程を含む、請求項1記載の方法(10)。
【請求項3】
化学工程が、式HxAF6を有する酸を含む水性組成物(68)と金属性物質(66)を接触させることを含んでおり、式中のAがケイ素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、又はガリウムであり、xが1〜6である、請求項1記載の方法(10)。
【請求項4】
鋳造品(62)が超合金材料からなる、請求項1記載の方法(10)。
【請求項5】
金属性物質(66)がスズ、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、クロム、チタン又はこれらの組合せからなる、請求項1記載の方法(10)。
【請求項6】
検査する段階(26)が、
抽出試薬(84)を鋳造品(62)の表面66に適用する段階、
表面(66)を可視化試薬(110)に暴露する段階、及び
可視化試薬(110)の応答を観察する段階
を含む、請求項1記載の方法(10)。
【請求項7】
可視化試薬(110)が比色試薬、蛍光染料又は光学的に活性な物質からなる、請求項1記載の方法(10)。
【請求項8】
比色試薬(110)がピロカテコールバイオレットからなる、請求項7記載の方法(10)。
【請求項9】
鋳型(48)に溶融金属を充填し、
鋳型(48)を冷却用金属液体に徐々に浸漬して、凝固界面に溶融金属を通過させ、
鋳造品(62)を鋳型(48)から回収し、
金属性物質(66)を鋳造品(62)の表面(64)から除去し、
鋳造品(62)の表面(64)を可視化試薬(110)に暴露することにより、表面(64)上の金属性物質(66)の存在を検査する
ことを含んでなる方法。
【請求項10】
鋳型(48)内において金属の液相線温度より高い温度の加熱炉(42)、
冷却用金属液体を含む液体冷却浴(54)、
鋳造品(62)の表面(64)から金属性物質(66)を除去するための水性組成物(68)を含む浴(70)、
鋳造品(62)の少なくとも一部分を可視化試薬(110)に暴露するための装置(112、114、116)、及び
可視化試薬(110)の応答を観察するための可視化補助手段
を含んでなる系(60)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−149189(P2010−149189A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281160(P2009−281160)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】