説明

鋳造方法及びその装置

【課題】鋳造を行う際に湯道に残留した溶湯を、効率よく冷却する。
【解決手段】鋳造装置10の金型16は、湯道38が形成された溶湯導入部28を備える。キャビティ32に溶湯14を充填した後、湯道38には、溶湯14を冷却するためのチラー18が設けられた冷却用バー20が挿入される。この際、チラー18の先端は、キャビティ32の最高位置を示す仮想線Lよりも下方に位置する。このため、湯道38を構成する方案部40の入口近傍の溶湯14が優先的に冷却される。冷却用バー20及びチラー18には、好ましくは流通路56が設けられており、この流通路56には、冷却媒体(例えば、冷却水)が流通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造方法及びその装置に関し、一層詳細には、溶湯が流通する湯道にチラーを挿入する鋳造方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造は、金型に形成されるキャビティに充填した溶湯を凝固(冷却固化)することで鋳造品を得る加工方法として周知である。溶湯は、溶湯入口である湯口から湯道(ランナとも呼称される)を介してキャビティに導入される。
【0003】
ここで、特に重力鋳造においては、溶湯が凝固する最中に若干の収縮、すなわち、体積減少を伴う。この体積減少分を補うべく、湯道を介して溶湯が再供給される。従って、湯道の溶湯は、キャビティに充填された溶湯よりも遅れて凝固しなければならない。湯道の溶湯が先に凝固すると、湯道が凝固片で閉塞されるので、キャビティに溶湯を再供給することができなくなるからである。
【0004】
溶湯が冷却固化することで得られた成形品は、金型を開く、いわゆる型開きが行われることで取り出される。この際には、湯道に残留した溶湯が凝固している必要がある。凝固していない場合、高温の溶湯が湯道出口(ゲートとも呼称される)から漏洩することになるからである。このことから諒解されるように、キャビティに対する溶湯充填を終了してから型開きを行うまでの時間を短縮するためには、湯道に残留した溶湯を短時間で凝固させる必要がある。
【0005】
特許文献1には、このための方策として、湯口にチラー(冷やし金)を挿入することが提案されている。すなわち、チラーによって溶湯を冷却することにより該溶湯の凝固を促進する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭62−39057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、複数個の鋳造品を得るべくキャビティを複数個形成するようにした場合には、各キャビティに溶湯を再供給することが可能となるようにするべく、湯道の容積を大きくして多量の溶湯を貯留しておく必要がある。このような構成において、特許文献1に記載されるように湯口にチラーを挿入した場合、湯道に残留した溶湯の表層を凝固させることは可能であるものの、内部までを効率よく凝固させることは困難である。
【0008】
従って、この未凝固の内部から熱が伝達されることにより、凝固した表層や、キャビティ内の鋳造品が再溶融する懸念がある。このような事態が生じると、型開きを行った際、溶湯が漏洩するという不具合を招く。
【0009】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、湯道の溶湯を効率よく冷却することが可能であり、このために溶湯が漏洩する懸念を払拭し得る鋳造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、本発明は、キャビティに充填した溶湯が凝固した後に金型を開いて鋳造品を取り出す鋳造方法において、
前記キャビティに溶湯を充填した後であって且つ前記鋳造品を取り出す前に、湯口から前記キャビティに向かって溶湯を流通させるための湯道に挿入したチラーによって前記湯道に残留した溶湯を冷却する工程を有し、
前記チラーの先端を、前記キャビティの最高位置よりも下方に配置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、キャビティに溶湯を充填して鋳造品を得るための鋳造装置において、
湯口から前記キャビティに向かって溶湯を流通させるための湯道に挿入され、前記キャビティに溶湯を充填した後に前記湯道に残留した溶湯を冷却するチラーを有し、
前記湯道に挿入された前記チラーの先端が、前記キャビティの最高位置よりも下方に位置することを特徴とする。
【0012】
チラーの先端をこのような位置とすることにより、湯道に残留した溶湯、特に、キャビティに近接する側の溶湯を効率よく冷却することができる。すなわち、湯道に残留した溶湯を比較的短時間で凝固させることが可能となり、このため、キャビティへの注湯を開始してから型開きを行うまでのサイクルタイムを短縮することができる。
【0013】
チラーには、流通路を形成するようにしてもよい。該流通路に流通された冷却媒体によって、溶湯の熱が奪取される。従って、溶湯を一層効率よく冷却することが可能となる。
【0014】
チラーの先端には、閉塞部材を設けるようにしてもよい。この閉塞部材によって前記湯道を閉塞することにより(換言すれば、湯道と湯口を閉塞部材で遮断することにより)、湯道に残留した溶湯がたとえ十分に凝固していなかったとしても、該溶湯が湯口側に流動して漏洩することを回避することができる。
【0015】
なお、閉塞部材を用いる場合には、該閉塞部材をチラーから離脱させて湯道に残留させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、湯道に挿入されたチラーの先端を、キャビティの最高位置よりも下方に位置させるようにしているので、湯道に残留した溶湯、特に、キャビティに近接する側の溶湯を効率よく冷却することができ、結局、該溶湯を比較的短時間で凝固させることが可能となる。従って、キャビティへの注湯を開始してから型開きを行うまでのサイクルタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鋳造装置の概略側面一部断面図である。
【図2】図1とは別の概略側面一部断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る鋳造装置の概略側面一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る鋳造方法につき、それを実施する鋳造装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、鋳鉄の溶湯を用いる場合を例示する。
【0019】
図1及び図2は、第1実施形態に係る鋳造装置10の概略側面一部断面図である。この鋳造装置10は、取鍋12(図1参照)と、該取鍋12から導出された鋳鉄の溶湯14が注湯される金型16と、溶湯14を冷却するためのチラー18(図2参照)が設けられた冷却用バー20とを備える。
【0020】
取鍋12(図1参照)は、第1台座22に支持される。この第1台座22は、例えば、ピニオンギア等からなる第1傾動機構24を介して、第2台座26に傾動自在に支持されている。該第2台座26は、図示しない第1変位機構の作用下に、上下方向と、水平方向の互いに直交する2軸との合計3軸の方向に変位可能であり、この変位により、取鍋12を第1台座22及び第1傾動機構24ごと任意の位置に移動させることが可能となっている。
【0021】
勿論、第1傾動機構24は、取鍋12を任意の角度まで傾動・停止させることが可能である。このようにして取鍋12が第1傾動機構24の作用下に傾動されることに伴い、取鍋12に貯留された溶湯14が金型16の溶湯導入部28に流下する。
【0022】
この場合、金型16は、前記溶湯導入部28と、図2に示される鋳造品30を複数個同時に得るべく複数個のキャビティ32を形成する型本体部34とを有する。この中の溶湯導入部28には、溶湯入口である湯口36が形成されるとともに、該湯口36からキャビティ32まで至る湯道38が設けられる。
【0023】
湯道38は、鉛直方向に対して若干傾斜した斜行部39と、該斜行部39に連なり略水平に延在する方案部40と、該方案部40から分岐してキャビティ32まで延在する複数個の導入路42とを有し、各導入路42におけるキャビティ32に臨んで開口した終点は、ゲート44となる。
【0024】
方案部40にはフィルタ46が配設されるとともに、ベント48が連通する。このベント48は溶湯導入部28の上端面で開口しており、従って、方案部40は、ベント48を介して大気に連通する。
【0025】
一方、型本体部34は、図2に示すように略直方体形状をなし、且つその軸線方向が略水平方向に沿って延在するように、換言すれば、横臥するようにして設置された固定型52及び可動型54を有する。下方の固定型52は位置決め固定され、一方、上方の可動型54は、図示しない昇降機構の作用下に略鉛直方向に沿って変位することが可能である。この変位に伴い、可動型54が固定型52に対して接近又は離間する。
【0026】
型本体部34に形成される複数個のキャビティ32は、図2における紙面に直交する方向に沿って並列的に配置されている。従って、方案部40から分岐した複数個の導入路42もまた、図2における紙面に直交する方向に沿って互いに並列的に配置している。湯口36から導入された溶湯14は、方案部40を経た後、複数個の導入路42によって分配されて各キャビティ32に導入される。
【0027】
冷却用バー20は、図示しない第2変位機構の作用下に、斜行部39に対して挿入又は離脱される。チラー18は、この冷却用バー20の先端に連結されている。従って、冷却用バー20が斜行部39に挿入されることに伴い、チラー18も斜行部39に挿入される。
【0028】
チラー18内には、冷却媒体としての冷却水を流通するための流通路56が形成される。なお、冷却用バー20の側壁には、前記流通路56に連通する冷却水導入口及び冷却水出口(いずれも図示せず)が開口しており、冷却水は、冷却水導入口を介して流通路56に供給され、その後、冷却水導出口から排出される。
【0029】
第1実施形態に係る鋳造装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、この鋳造装置10で実施される鋳造方法との関係で説明する。
【0030】
金型16によって鋳造品30を作製するに際しては、はじめに、図示しない溶解炉にて溶湯14が生成される。この溶湯14が、取鍋12(図1参照)に貯留される。その後、取鍋12は、前記第1変位機構の作用下に第1台座22が変位されることによって、第1台座22及び第2台座26ごと所定の適切な位置に移動される。
【0031】
次に、第1傾動機構24を付勢することにより、図1に示すように、取鍋12を傾動させる。この傾動により、溶湯14が所定の速度で溶湯導入部28の湯口36に向かって流動を開始する。これにより、溶湯14の金型16内への注湯が開始される。注湯が進行する間、湯道38に入り込んだ大気は、ベント48から排出される。
【0032】
溶湯14は、湯口36を通過した後、湯道38を形成する斜行部39を経由して方案部40に到達する。方案部40内の溶湯14は、後から斜行部39に導入される溶湯14によって押圧され、導入路42に向かってさらに流動する。この最中に前記フィルタ46を通過することにより、溶湯14中に含まれるノロ等の異物が除去される。このようにして清浄化された溶湯14は、さらに、導入路42から分配されて複数個のキャビティ32の各々に導入される。
【0033】
全てのキャビティ32に溶湯14が充填された後、該溶湯14は、所定の時間が経過することに伴って冷却され、凝固する。これにより、鋳造品30が形成されるに至る。なお、凝固の最中に溶湯14の体積が減少すると、導入路42から新たな溶湯14がキャビティ32に導入される。
【0034】
キャビティ32に充填された溶湯14が凝固する間、取鍋12は、前記第1変位機構の作用下に、第1台座22及び第2台座26ごと所定の退避位置に移動される。その後、前記第2変位機構の作用下に、冷却用バー20が下降されて前記湯口36から湯道38(斜行部39)に挿入される。斜行部39に挿入されたチラー18の先端は、キャビティ32の最高位置を示す仮想線Lよりも下方に位置する。
【0035】
この状態では、湯道38に残留した溶湯14にチラー18が埋入されている。また、冷却用バー20及びチラー18の流通路56には、冷却水導入口を介して予め供給された冷却水が流通している。このため、溶湯14の熱が効率よくチラー18によって奪取される。
【0036】
しかも、上記したように、チラー18の先端がキャビティ32の最高位置よりも下方に位置しているので、方案部40から導入路42に残留した溶湯14に近接する。以上のことが相俟って、湯道38に残留した溶湯14が効率よく冷却される。従って、湯道38に残留した溶湯14を比較的短時間で凝固させることができる。特に、チラー18が近接する方案部40の入口が優先的に凝固し、この凝固した溶湯14によって、方案部40の入口が閉塞される。
【0037】
このようにして方案部40の入口近傍の溶湯14が凝固した後(換言すれば、方案部40の入口が溶湯凝固物で閉塞された後)、可動型54を変位させて固定型52から離間させ、いわゆる型開きを行う。これにより、鋳造品30が露呈する。
【0038】
この際、方案部40の入口近傍の溶湯14が凝固して該入口が閉塞されているので、たとえ方案部40のゲート44側に近接する溶湯が十分に凝固していなかったとしても、方案部40内の溶湯14が斜行部39内の溶湯14から押湯されることが防止される。このため、方案部40の溶湯14がゲート44から漏洩することを回避することができる。すなわち、溶湯14が漏洩する懸念が払拭される。
【0039】
このように、第1実施形態によれば、方案部40の入口近傍の溶湯14を比較的短時間で型開きを行っても漏洩しない程度に凝固させ、これにより該入口を閉塞することができるので、その後に型開きを行った際、方案部40の溶湯14がゲート44から漏洩することを回避することができる。従って、溶湯14の注湯を開始してから型開きを行うまでのサイクル時間を短縮することができる。
【0040】
なお、湯道38内の溶湯凝固物は、型開きが行われた時点では、鋳造品30に対して一体的に連結している。すなわち、鋳造品30の一部位をなす。鋳造品30が金型16から取り出された後、湯道38内の溶湯凝固物に相当する部位が切断され、製品が得られる。
【0041】
以上のようにして型開きが終了した後、前記第2変位機構の作用下に、冷却用バー20ごとチラー18を上昇させて湯道38から引き抜く。次回の鋳造作業を行うときには、上記の過程を繰り返せばよい。
【0042】
次に、第2実施形態につき図3を参照して説明する。なお、図1及び図2に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0043】
図3に示すように、第2実施形態に係る鋳造装置60は、支持用バー62の先端に取り付けられてチラーとして機能する閉塞部材64を有する。なお、支持用バー62は、冷却用バー20と同様に、図示しない第2変位機構の作用下に昇降動作する。
【0044】
この場合、支持用バー62には、流通路56(図2参照)は設けられていない。また、その先端には、差込口が形成されている。この差込口には、前記閉塞部材64の一端部が緩やかに挿入されている。すなわち、閉塞部材64は、差込口から容易に離脱することが可能である。
【0045】
閉塞部材64の他端部は、断面略半円形状となるように湾曲されている。この湾曲した他端部は、幅・高さの双方の寸法が、方案部40の入口の寸法に略合致する。
【0046】
このような構成の閉塞部材64は、例えば、銅合金や鋼材等からなる薄平板の端部を湾曲することで形成することができる。
【0047】
上記した閉塞部材64がチラーである点を除き、鋳造装置60は、第1実施形態に係る鋳造装置10に準拠して構成される。すなわち、該鋳造装置60は、溶湯導入部28と、鋳造品30を得るためのキャビティ32を形成する型本体部34とを有する。勿論、溶湯導入部28には、湯口36からゲート44に至るまで、斜行部39、方案部40及び導入路42からなる湯道38が設けられる。また、型本体部34は、固定型52と可動型54を有する。
【0048】
以上のように構成される鋳造装置60の作用効果につき説明する。
【0049】
第1実施形態と同様にして、湯道38に導入された溶湯14がキャビティ32に充填される。キャビティ32内の溶湯14が冷却・凝固することにより、鋳造品30が得られる。
【0050】
この冷却の間、支持用バー62は、前記第2変位機構の作用下に下降して湯口36から湯道38(斜行部39)に挿入される。斜行部39に挿入された閉塞部材64の先端は、キャビティ32の最高位置を示す仮想線Lよりも下方に位置する。
【0051】
この際、閉塞部材64の湾曲した先端部は、湯道38の内側壁に摺接する。すなわち、閉塞部材64は、斜行部39の内側壁に案内されながら、該斜行部39の最深部に向かって下降する。この最中には、閉塞部材64の湾曲した先端は、支持用バー62側に向かって若干押圧される。このため、該先端は、その弾性によって、支持用バー62側に指向して若干撓んでいる。
【0052】
閉塞部材64の湾曲を開始した部位が斜行部39の底壁に着座すると、湾曲した先端部が斜行部39の内側壁から離間する。この際、支持用バー62側に撓んでいた先端部が、弾性によって方案部40側に復帰するとともに、閉塞部材64の先端部が方案部40の入口を閉塞する。
【0053】
閉塞部材64が溶湯14に比して低温であるため、湯道38内の溶湯14の熱が該閉塞部材64に奪取される。このため、第2実施形態においても、湯道38内の溶湯14を効率よく冷却すること、換言すれば、凝固させることができる。特に、閉塞部材64が近接する方案部40の入口が優先的に凝固し、この凝固した溶湯14によって、方案部40の入口が閉塞される。
【0054】
このようにして方案部40の入口が溶湯凝固物で閉塞された後、可動型54を変位させて固定型52から離間させ、いわゆる型開きを行う。これにより、鋳造品30が露呈する。
【0055】
この際、たとえ方案部40のゲート44側に近接する溶湯が十分に凝固していなかったとしても、方案部40内の溶湯14が斜行部39内の溶湯14から押湯されることが防止される。上記したように、方案部40の入口が閉塞部材64で閉塞されているとともに、該入口近傍の溶湯14が凝固して該入口が閉塞されているので、斜行部39と方案部40が遮断されているからである。
【0056】
以上のように、この場合においても、方案部40の溶湯14がゲート44から漏洩することを短時間で回避することができるので、溶湯14の注湯を開始してから型開きを行うまでのサイクル時間を短縮することができる。
【0057】
型開きが終了した後、前記第2変位機構の作用下に、支持用バー62を上昇させて湯道38から引き抜く。この際、閉塞部材64は支持用バー62の差込口に緩やかに挿入された程度であり、且つその先端が方案部40の入口の天井壁に引っ掛かっているので、差込口から離脱して湯道38に残留する。すなわち、閉塞部材64は、湯道38内の溶湯凝固物に鋳ぐるまれる。そして、鋳造品30から湯道38内の溶湯凝固物に相当する部位が切断される際、この部位とともに鋳造品30から切り離される。
【0058】
なお、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0059】
例えば、鋳造品30が特定のものに限定されるものではないことはいうまでもない。勿論、金型も、上記した金型16に特に限定されるものではない。
【0060】
また、溶湯14に対して接種剤や球状化剤等を添加した後、キャビティ32に充填するようにしてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
10、60…鋳造装置 14…溶湯
16…金型 18…チラー
20…冷却用バー 28…溶湯導入部
30…鋳造品 32…キャビティ
34…型本体部 36…湯口
38…湯道 40…方案部
42…導入路 52…固定型
54…可動型 56…流通路
62…支持用バー 64…閉塞部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティに充填した溶湯が凝固した後に金型を開いて鋳造品を取り出す鋳造方法において、
前記キャビティに溶湯を充填した後であって且つ前記鋳造品を取り出す前に、湯口から前記キャビティに向かって溶湯を流通させるための湯道に挿入したチラーによって前記湯道に残留した溶湯を冷却する工程を有し、
前記チラーの先端を、前記キャビティの最高位置よりも下方に配置することを特徴とする鋳造方法。
【請求項2】
請求項1記載の鋳造方法において、前記チラーの先端に閉塞部材を設け、前記閉塞部材によって前記湯道を閉塞することを特徴とする鋳造方法。
【請求項3】
キャビティに溶湯を充填して鋳造品を得るための鋳造装置において、
湯口から前記キャビティに向かって溶湯を流通させるための湯道に挿入され、前記キャビティに溶湯を充填した後に前記湯道に残留した溶湯を冷却するチラーを有し、
前記湯道に挿入された前記チラーの先端が、前記キャビティの最高位置よりも下方に位置することを特徴とする鋳造装置。
【請求項4】
請求項3記載の鋳造装置において、前記チラーに冷却媒体を流通するための流通路が形成されたことを特徴とする鋳造装置。
【請求項5】
請求項3記載の鋳造装置において、前記チラーの先端に、前記湯道を閉塞する閉塞部材が設けられたことを特徴とする鋳造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−218028(P2012−218028A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86126(P2011−86126)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】