説明

鋳鉄金属ストリップを製造する方法及び対応する2ロール鋳造設備

【課題】溶融金属とは無関係な粒子が、鋳造された金属ストリップの表面又は表面に近い領域へ混入されるのを回避する。
【解決手段】鋳造設備は、2つの鋳造ロールと、溶融金属チャンバーと鋳造ギャップを共に画定する2つの横板とを含んでいる。溶融金属は溶融金属チャンバーに導入され、前記溶融金属チャンバー内に、上部が開放された溶融浴表面を有する金属溶融浴を形成する。鋳鉄金属ストリップは、溶融金属チャンバーから鋳造ギャップを通って運ばれる。溶融金属とは無関係な粒子を収集するための、区画された表面領域(30)が、少なくとも1つのガスジェット(20、20a、20b)の効果の下に、溶融浴表面に生成される。少なくとも1つのガスジェット(20、20a、20b)が、溶融浴表面(8)の接触線(10、11)に対して所定距離にあるガスジェット軸(21)の方向で、溶融浴表面に鋳造ロール(1、2)と共に方向付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融空間と鋳造ギャップ(casting gap)とを共に形成し、溶融金属がこの溶融空間に供給され、上部が開放された溶融浴面を有する溶融浴を溶融空間内に形成し、鋳造された金属ストリップが溶融空間から鋳造ギャップを通じて送り出され、溶融物とは無関係な粒子の収集のための区画された表面領域(delimited surface region)が、少なくとも1つのガスジェットの作用の下に、溶融浴表面上に形成される、2つの鋳造ロール及び2つの側板を使用した、鋳造された金属ストリップ(cast metal strip)を製造する方法、及びこの方法のために用いられる、2ロール鋳造装置(two−roll casting device)に関する。
【0002】
本発明は、好ましくは鋳鉄ストリップが略垂直に下方へ取り出される、2ロール鋳造設備を使用する、ストリップの厚みが0.5mm〜10mmの鋳鉄ストリップを連続的に製造するための、鋳造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属ストリップが垂直に送り出される2ロール鋳造装置は周知であり、図1及び図2に図式的に示されるように、反対に回転するように駆動される2つの鋳造ロール1、2と、好ましくはこの鋳造ロールの端部側に面して配置され、それにより浴中に沈められた鋳造ノズル6を通して導入される溶融金属を受けるための溶融空間5を形成する、2つの側板3、4を含んでいる。鋳造ロールの2つの回転の軸は水平面内にあり、相互に所定距離を隔てて並行に配置され、それにより鋳造ギャップ(casting gap)7がこれらの鋳造ロールの間に形成され、この鋳造ギャップ7の長さ方向の範囲は側板により区画され、従って鋳造ギャップ7は所望の鋳造されたストリップの断面に対応する断面を有する。この溶融空間への溶融金属の連続的な供給により、上部が開放された溶融浴表面8を有する溶融浴が、その内部に形成される。溶融浴面上方では、外部気体の接触を実質的に防止するために、シールを形成するか、又は所定ギャップを維持するように、鋳造ロール及び側板に対して位置する溶融空間がカバーフード9により区画されている。底部では、金属ストリップが出てくる溶融空間が、鋳造ギャップに開放されている。鋳造ロールが回転すると、溶融浴表面と冷却された鋳造ロールとの間の接触線10、11から出発して、鋳造ロールが溶融浴に入るところで2つのストランド外郭(strand shell)12が鋳造ロールの側面に形成され、ストランド外郭は連続的により厚くなり、金属ストリップ13を形成するように最終的に鋳造ギャップ内で一体化する。
【0004】
溶融浴内に運動を起こさせる、浴中に沈められた鋳造ノズルを通しての、溶融浴への溶融金属の連続的な供給により、溶融物とは無関係な非金属粒子が混入する。これら粒子は溶融浴表面に浮かびあがり、そこで溶融物とは無関係な、耐熱材料との化学反応により、又は再酸化によりモールドされた溶融浴内に生成された粒子と共に凝集し、鋳造ロールの横表面方向の鋳造ロールとの接触線において直接優先的にストランド外郭内に組み込まれて、鋳鉄金属ストリップの表面及び表面近傍の領域内で、介在物とマクロクラック及びマイクロクラックの原因(seeds)を形成する。
【0005】
従来技術の記述に従う、溶融金属を鋳造するための2ロール鋳造設備及び鋳造方法は、例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3から知られている。
【0006】
溶融物とは無関係の粒子を鋳造ロール表面と溶融浴面との間の接触線から遠ざけておくために、特許文献1には、溶融物とは無関係の粒子を溶融物のたまりの中心に向かって漂流させるガスジェットを、この接触線の領域に適用することが提案されている。このガスジェットは、鋳造ロールの表面及び溶融浴面のエッジ領域の一部をカバーするが、ストランド外郭の成長に影響する溶融浴の変動及び温度の変動が、ガスジェットの強度と温度に応じて敏感な領域の鋳造ロール表面に発生する。都合の悪いことに、この領域におけるストランド外郭の形成に対する略均一な初期条件は、最終製品に対して特に重要である。
【0007】
特許文献2によれば、溶融物とは無関係で、金属浴と鋳造ロールの横面との間の接触線に向かって溶融浴内に取り込まれた粒子の漂流は、この金属浴内に斜めに沈められ、その下側エッジが、浴中に沈められた鋳造ノズルの出口の開口の高さよりも下に配置されたシールドによって鋳造作業中は避けられる。これの狙いは、溶融空間内に付加的な溶融プール(melt pool)を生成することであり、そこでは非金属の粒子は分離することができる。2ロール鋳造装置を使用して連続的に製造される金属ストリップはコイルに巻かれ、各々の個々の巻取作業の終了時には、このシールドは金属浴から取り出され、溶融浴表面で分離された粒子は、ガスノズルを使用して鋳造ロール表面の少なくとも1つに向かって吹き付けられ、このようにして金属ストリップの短い一片と共に排出される。この方法の主な欠点は、各々の鋳造されたコイルの一部がスクラップとなり、それが連続した製造プロセスを中断して、製造におけるスクラップの比率を増加させることである。更に、溶融金属がシールド上に堆積し、このシールドが引き上げられる度に固化する。このシールドが耐火材料で構成されている場合には、耐火材料の浸食された粒子が溶融浴中に追加して導入されるか、又は液状の鋼と耐火材料との間に化学反応が発生して、更に不純物を生成する。
【0008】
特許文献3は、浴の表面に浮遊する異物が回転するカップ機構を使用して連続的にすくい上げられることにより取り除かれる、2ロール鋳造装置を開示している。これらの装置は溶融浴表面で金属の溶融点で動作しなければならないので、これらの機械的な装置においては多数の動作不良が起こりやすい。更に鋼の溶融浴の場合には、浴の表面は大気中の酸素との接触から保護されなければならず、そのためにこれらの条件の下では、この型式の掬い上げ装置の使用は実現可能なものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−314946号公報
【特許文献2】国際公開第02/083343号パンフレット
【特許文献3】特開平2−207946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、前述の従来技術の欠点を避け、鋳造されたストリップの表面への、又は表面内への、あるいは表面近傍の領域内への溶融浴とは無関係な粒子の混入が実質的に避けられ、実質的に崩壊することなく、溶融浴表面におけるいかなる波の形成からも仕切られた、溶融浴表面と鋳造ロールの横表面との間の接触線が実現され、かつ同時に溶融浴表面との酸素の接触が可能な限り避けられる、鋳造された金属ストリップを製造するための方法、及び2ロール鋳造装置を提案することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
導入部に記載したタイプの方法に基づいて取り組むことにより、ガスジェットの軸が溶融浴表面と鋳造ロールとの間の接触線から所定距離にある状態で、少なくとも1つのガスジェットが溶融浴表面に向けられるという事実により、この目的が達成される。
【0012】
この場合、少なくとも1つのガスジェットは、溶融物とは無関係な粒子がそれを通じて逃げることができるギャップが、区画された表面領域沿いに存在し続けないような形状とされている。一般的に区画された表面領域は、任意の所望の外形を有する閉じた環を形成するガスジェットにより、又は複数の連続するガスジェットにより、形成されてもよい。同時に、鋼のような、酸化への高い傾向を有する溶融金属の場合には特に、不活性ガス又は還元性のシールドガス雰囲気が溶融金属浴の上方及び溶融空間内に形成され、維持されて、実質的に溶融金属の再酸化を支配する外部大気の侵入に対して適切に閉止される。
【0013】
少なくとも1つのガスジェットは、溶融浴表面に直接方向付けられる。これは、ガスジェットと溶融浴表面の間の接触領域と、鋳造ロール、及び/又は溶融空間を区画する側板との間で、溶融浴表面において、波の形成により実質的に影響を受けずに維持される滑らかなエッジの金属ストリップ(calm edge strip)を製造する。鋳造ロールの表面が、同様に適切に安定した、均質な一定した方法で駆動及び機能している場合には、鋳造速度に応じて回転する、鋳造ロールの横表面においての、ストランド外郭の、一定した、均一な、外乱を受けない形成に、この手段は大きく貢献する。
【0014】
この状況では、少なくとも1つのガスジェットが、水平面を基礎にして25°〜145°の角度で、好ましくは35°〜90°の角度で溶融浴表面に方向付けられる場合に、特に都合がよい。この場合、溶融浴表面は実質的にこの水平面に対応している。
【0015】
各々のガスジェットには、所定のガスジェット軸が割り当てられている。好ましくは、ガスジェット軸が、溶融浴表面と鋳造ロールとの間の接触線から、及び/又は溶融浴表面と側板との間の接触線から、所定距離にある状態で、少なくとも1つのガスジェットが溶融浴表面に方向付けられる。この距離は、好ましくは一定であり、溶融浴表面から測定して、10mm〜50mmの範囲である。
【0016】
回転している鋳造ロールとは異なり、側板は実質的に静止しているので、少なくとも1つのガスジェットは、溶融浴表面と側板との間の接触線から所定距離をもって側板の表面に方向付けることができ、かつガスジェットの少なくとも一部の流れは、溶融浴表面上に効果的に逸らされる。
【0017】
単数又は複数のガスジェットは、好ましくはファンジェットの形式であり、対応した形状のノズルから出現する。ガスメータで用いられているものに似た、連続した狭いガスジェットを生成するように、多数のノズルが連続して配置されることが好適である。
【0018】
溶融浴表面に任意の所望の形状の区画された表面領域を形成するために、少なくとも1つのガスジェットは、部分的に曲げられたファンジェットの形式である。
【0019】
ガスジェットノズルからガスジェットが一度出現すると、10°〜35°の開口角度で、流れの方向にガスジェットが分岐される。均一で安定したストランド外郭の形成のためには、鋳造ロールの横表面に部分的に方向付けられるよりもむしろ、溶融浴表面に全ての分岐されたガスジェットが、衝突することが必要である。振動運動を実行してもよい側板においては、鋳造ロールの横表面で遭遇される不利な効果がここでは起こらないので、ガスジェットと側板との間の直接の接触が完全に可能である。
【0020】
1つの好ましい望ましい実施形態に従えば、2つの側板の間で、適切な場合には側板に対して所定距離を設けておけば、少なくとも1つのガスジェットは、溶融浴表面と鋳造ロールとの間の接触線に対して中断することなく溶融浴表面に並行又は斜めに作用する。このことは、溶融物とは無関係な粒子との接触から、鋳造ロールの表面が連続してシールドされることを保証する。鋳造された金属ストリップは、少なくとも下流のコイル巻機(coiler)で巻かれる前には、実際の2ロール鋳造設備に配置されることが不必要な、トリミングステーションを通るので、側板に向かう、従って鋳造された金属ストリップのエッジ部分への、粒子の連続した排出が可能でありかつ望ましく、従ってこの領域における非金属介在物の量レベルの制御された増加は、更なるスクラップを生じさせることは無い。溶融浴表面と鋳造ロールとの間の接触線に対して、ガスジェットが斜めに噴射するように配列することは、溶融物とは無関係な粒子の、側板に向かう連続した排出を更に加速させる。更に、側板に対して所定距離を設けておけば、ガスジェットによる側板での空間的に限定された領域の局所的な冷却が回避される。
【0021】
同様に、2つの鋳造ロールの間で、適切な場合には鋳造ロールに対して所定距離を設けておくと、少なくとも1つのガスジェットは、溶融浴表面と側板との間の接触線に対して平行に、中断することなく溶融浴表面に作用する。結果として、鋳造動作の継続中には金属ストリップのエッジにおいてさえも溶融物とは無関係な粒子の増加が望ましくない場合には、適切なシールドが達成される。鋳造ロールに対して所定距離を維持しておくことにより、ストリップ表面に沿った鋳造ロールの横表面上の局所的な冷却を、従って鋳造ロールの横表面と溶融浴表面との間の接触線に沿ったストランド外郭の異なる成長のレベルを回避する。
【0022】
少なくとも複数の区域において、少なくとも2つのガスジェットが、所定距離で相互に隔てられた溶融浴表面に作用するならば、溶融物とは無関係な粒子の制限への更なる改善が達成される。この方法は、鋳造ロールの横表面と溶融浴表面との間の接触線に沿った、ストリップの表面品質を特に改善する。2つのガスジェットが相互に、等しい距離に配列されることが好ましい。
【0023】
溶融空間を形成する、又は直接その内部に配置された、2ロール鋳造装置の部品を、ガスジェットによって区画された表面領域を形成するときに含むことができる。この場合、区画された表面の領域は、少なくとも1つのガスジェットによる区域と、側板又は鋳造ロール又は浴中に沈められた鋳造ノズル又は他の内部の金付属品による区域とで形成されている。
【0024】
所定角度で金属浴に衝突する少なくとも1つのガスジェットが、ギャップフリーの弾頭波(bow wave)、即ちファンジェットの範囲の方向に平行に延伸し、少なくとも区域において区画された領域を包含する、溶融浴表面におけるうねりを形成することが好ましい。この弾頭波は連続していてもよく、この方法でこの区画された表面領域を形成し、あるいは側板の、又は鋳造ロールの、又は浴中に沈められた鋳造ノズルの、又は内部の金具の付属品などの2ロール鋳造装置の部品と組み合わせられて、区画された表面領域を形成することができる。
【0025】
ガスジェットにより形成された弾頭波は、溶融浴表面の通常の高さの0.05mm〜10mm上の、好ましくは0.1mm〜3mm上の、略一定の高さに維持されている。これは、溶融浴とは無関係な粒子のための収集タンクを生成し、それら無関係な粒子が制御された方法で排出されるまで、又は鋳造が自動的に終了するまで、そこに保持される。
【0026】
不活性ガス又は還元ガスは、この領域において溶融浴表面での、溶融金属の再酸化が起こらないことを保証するための、ガスジェットを形成するために用いられる。用いることができる好ましいガスは、アルゴン、窒素、N+H又はこれらのガスの少なくとも2つの混合ガスを含んでいる。
【0027】
鋳造プロセスの開始段階においては、本発明に従う方法は、溶融浴の高さが動作レベルに到達した時、従って溶融浴が溶融空間において、及び特に溶融浴表面において、実質的に安定され、かつ平静化された時にのみ、展開されるべきである。従って鋳造プロセスの開始段階では、溶融浴表面での少なくとも1つのガスジェットの作用は、溶融空間への溶融物の導入が開始された後(鋳造の開始)、10秒間〜2分間のみスイッチオンされることが好都合である。
【0028】
長期の鋳造期間にわたって、溶融物とは無関係な粒子は区画された表面領域に累積され、少なくとも周期的な間隔で取り除かれなければならない。これは、溶融空間それ自身が完全に空にされ、次いで設備が再度起動されて、鋳造が再開される、作業上の理由での製造の中断中に好ましくは行われる。これらの時間間隔が長すぎる場合には、溶融物とは無関係な累積された粒子が、区画された表面領域から排出されるために、溶融浴表面での少なくとも1つのガスジェットの作用は、所定の時間間隔で各区域において中断される。溶融浴表面と2つの鋳造ロールの少なくとも1つとの間の接触線に沿った、又は溶融浴表面と2つの側板の少なくとも1つとの間の接触線に沿った、及び好ましくは溶融浴表面と双方の側板との間の接触線に沿った、溶融浴表面での、少なくとも1つのガスジェットの作用が中断されることにより、これは達成される。側板に向かう、及び従って鋳造される金属ストリップのエッジ領域への、溶融物とは無関係な粒子の排出は、金属ストリップの広い側の表面に近接した異物の形成を回避し、介在物の量レベルが増加した状態のこの金属ストリップの端部は、引き続く製造ステップで行われるストリップのトリミングの際に取り除かれる。溶融空間における鋳造ロールと溶融金属の間の接触表面を経由した、溶融物とは無関係な粒子の排出は、鋳造された金属ストリップのコイルの重量が達成された直後に、所定の時間間隔で好ましくは行われる。
【0029】
また、本発明は、導入部に記載された一般的なタイプの、溶融浴表面で溶融浴を受けるための溶融空間と、鋳造ギャップとを共に形成する、回転駆動される2つの鋳造ロールと、鋳造ロールの終端側に面して位置する側板とを有する、鋳鉄金属ストリップを製造する2ロール鋳造装置を提案する。方向付けられるガスジェットのための出口開口を有する、少なくとも1つのガスジェットノズルが、溶融物とは無関係な粒子の収集のための区画された領域が溶融浴表面に形成されるような方法で溶融空間に配置され、又は方向付けられ、又は溶融空間内へ突出する。この方法により形成される2ロール鋳造装置は、ガスジェットノズルの出口開口が、溶融浴表面と鋳造ロールとの間の接触線から、所定距離を隔てて溶融浴表面に方向付けられることを特徴とする。
【0030】
溶融浴表面の上において所定距離で、カバーフードにより、溶融空間は大気の侵入から保護されている。カバーフードは、接触表面又はシールを備える側板と鋳造ロールとに対して位置し、又は特に狭いギャップで鋳造ロールに対して設定されており、どの場合においても、溶融空間に導入されたシールドガスはこれらのギャップを通じて出ていき、この方法で外部ガスがこの溶融空間に侵入することがないように防止される。少なくともガスジェットノズルの出口開口は、カバーフードを通じて溶融空間内に突出しており、好ましくはカバーフードに固定されて配向されている。
【0031】
一般的に、ガスジェットノズルの出口開口の配向は、出現するガスジェットの方向を決定する。この点で、ガスジェットノズルの出口の断面におけるノズル軸の方向は、出口開口の断面におけるガスジェットのガスジェット軸の配向に対応する。ガスジェットノズルの出口開口、及び従ってガスジェットノズルの出口開口内に定義されたノズルの軸は、溶融浴表面に直接方向付けられるので、溶融浴表面の望ましくない領域への、溶融物とは無関係な粒子の漂流が回避される。これに対する好ましい条件は、溶融浴表面に向けられたガスジェットの軸と、溶融浴表面と鋳造ロールとの間の接触線との間の距離が、溶融浴表面上から測定して10mm〜50mmにある場合に達成される。ガスジェットノズルの出口開口又は出口開口の出口の断面内のノズル軸が、水平面に対して、25°〜145°の所定角度で、好ましくは35°〜90°の所定角度で、溶融浴表面に方向付けられる場合に、好ましい条件が同様に結果として得られる。この場合、溶融浴表面は、水平面を形成する。
【0032】
極めて狭く引き伸ばされたガスジェットを生成するために、ガスジェットノズルはスロット形状の出口開口を備える、ファンジェットノズル又はスロットノズルとして構成される。この型式の複数のガスジェットノズルを連続して配列することは、ガスジェットを使用して、任意の所望の形状の区画された領域が、溶融浴表面に包囲形成されることを可能にする。
【0033】
ガスジェットノズルの出口開口が、溶融浴表面と側板との間の接触線から所定距離を隔てて溶融浴表面に方向付けられることが好都合である。
【0034】
2つの側板の間で、適切な場合には側板に対して所定距離が設けられて、ガスジェットノズルの出口開口が、溶融浴表面と鋳造ロールとの間の接触線に平行に、溶融浴表面に方向付けられると、有益な効果が生成される。
【0035】
連続したガスジェットの作用の下で、側板の過度の局所的な冷却は、2つの鋳造ロールの間で、適切な場合には鋳造ロールに対して所定距離を隔てて、ガスジェットノズルの出口開口が、溶融浴表面と側板との間の接触線に対して平行に、溶融浴表面に方向付けられると、回避される。鋳造ロールの表面の過度の局所的な冷却は、2つの鋳造ロールの間で、適切な場合には鋳造ロールに対して所定距離が適切に設けられた状態で、ガスジェットノズルの出口開口が、溶融浴表面と側板との間の接触線に対して平行に、溶融浴表面に方向付けられると、回避される。
【0036】
溶融物とは無関係な粒子に対する改善されたシールドは、ガスジェットノズルが、略等しい距離にある目標とされるガスジェットに対する出口開口を2つ備えるか、又は各々が1つの出口開口を有する2つのガスジェットが設けられた場合に達成され、この場合、溶融物とは無関係な粒子の収集のための、2段に区画された表面領域(double−delimited surface region)が溶融浴表面上に形成される。
【0037】
溶融物とは無関係な粒子の収集のための、連続して区画された領域は、少なくとも1つのガスジェットノズルの出口開口が、溶融浴表面上の区画された表面領域を、ガスジェットの作用の下に、それらが形成されるように溶融浴表面上に方向付けられると、達成される。しかしながら、少なくとも1つのガスジェットノズルの出口開口が、鋳造ロールの区域と、又は側板の区域と、又は他の溶融浴内の内部物の区域と共に、ガスジェットの作用の下に連続して、溶融浴表面上に区画された表面領域を形成するように溶融浴表面に向けられても、同様にこれは可能である。
【0038】
本発明の更なる利点と特徴は、添付図面への参照がなされる以下の非限定的な例示的実施形態の記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術に従う、2ロール鋳造装置の鋳造ロールの断面図である。
【図2】従来技術に従う、2ロール鋳造装置の平面図である。
【図3】本発明に従う鋳造ノズル、又は本発明に従って方向づけされたガスジェットを有する、2ロール鋳造装置を示す図である。
【図4】本発明の1実施形態に従う、ガスジェットノズルの配向と、ガスジェットの溶融浴表面への配向を示す図である。
【図5】本発明の1実施形態に従う、溶融浴表面上の区画された表面領域の形成を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態に従う、溶融浴表面上の区画された表面領域の形成を示す図である。
【図7】カバーフード内でのガスジェットノズルの組み込みを示す図である。
【図8】2倍のガスジェットを有する、溶融浴表面上の区画された表面領域の配置を示す図である。
【図9】2つの出口開口を有するガスジェットノズルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
2ロール鋳造装置の基本的構成は、図1及び図2を参照して、従来技術の要約に既に記述されている。それらの図面において、特定の部品に対して既に導入された参照番号が、従って以下に続く文章で同じ部品に対して同様に適用される。2ロール鋳造装置は、連続鋳造された鋼ストリップの連続製造に対して用いられる。
【0041】
表面における、又は表面に近接した領域における、スラグ、金属酸化物等の異物のわずかな包含さえも、表面の条件に対して顕著な悪影響を有する、マイクロクラックの原因となるセル及びマクロクラックを形成するので、特にステンレス鋼等級に対しては、特に高い要求が、製造されるストリップの表面品質に対して課せられている。
【0042】
本発明に従う方法が基づいている原理は、図3に示されている。浴中に沈められた鋳造ノズル6を経由して連続的に供給される溶融鋼が存在する溶融空間5は、矢印により表わされる方向に回転する2つの鋳造ロール1、2と、鋳造ロールの端部側に対して位置し、この断面図ではその1つのみが示されている側板3との間に形成されている。溶融浴は、2つの鋳造ロール1、2の間に延在する溶融浴表面8を形成する。溶融浴表面8と、内部が冷却された鋳造ロール1、2の鋳造ロール表面14、15との間の、接触線10、11から出発してストランド外郭12が形成され、鋳造ギャップ7で相互に一体化されて金属ストリップ13を形成する。
【0043】
ガスジェットノズル16は溶融浴表面8から所定距離を隔てて配置されており、それらの出口開口17、又は出口開口17の出口の断面内のそれらのノズル軸18は、溶融浴表面8に対して斜めに方向付けられている。ガスジェット軸21によって出現するガスジェット20は、溶融浴表面8上に所定の高さの弾頭波24を生成するが、この高さはガスジェットの流速と、ガスジェットが溶融浴表面に衝突する圧力により、その殆どが決定される。溶融物とは無関係で、かつ溶融浴上に浮遊する粒子は、対向する弾頭波24の間に、又は弾頭波により区画される表面領域30内部に累積する。ガスジェットノズル16は、供給ライン26に接続され、この供給ラインを通じて不活性ガス又は還元ガスがガスジェットノズルに供給される。複数のガスジェットノズルが供給ラインに接続され、それらは循環するパイプラインを形成することが好ましい。
【0044】
図4では、ガスジェットノズル16の出口開口17又はノズル軸18が、溶融浴表面8上に方向付けられ、ガスジェット20は溶融浴表面に直接衝突して弾頭波24を生成する。この場合、出口開口17、又はガスジェット20、又はガスジェットの軸21は、溶融浴表面8に向かって方向付けられ、これが25°〜145°の、水平面Eに対する所定角度αを定義する。この場合角度αは、図4に示されるように、鋳造ロール側から決定される。
【0045】
一列に配列されたガスジェットノズルにより生成される多数のガスジェットは、その表面領域内部に溶融物とは無関係な粒子が累積される、溶融浴表面上に区画された表面領域を生成する。図5は、2つの鋳造ロール1、2と2つの側板3、4の間の溶融浴表面8を示している。溶融浴表面8の上方には、鋳造ロールと平行に、かつ側板に平行に、溶融浴表面8に向けられた目標とするガスジェット20を生成するようにガスジェットノズル16が配置されている。それらは略矩形の区画された表面領域30を包囲形成し、その内部に溶融物とは無関係な粒子が累積する。
【0046】
図6は、2つの区画された表面領域30を形成するための、更に利点のある実施形態を示している。この場合には、ガスジェットノズル16は、鋳造ロール1、2に対して所定の角度位置に配向され、従って鋳造ロールに対して斜めに配向された弾頭波を形成する。溶融浴内部の中央に沈められた、浴中に沈められた鋳造ノズル6は、区画された表面領域30の形成に含まれており、この表面領域を副区域に区画する。更なる副区域では、2つの表面領域30がそれぞれ側板3、4により区画される。ほぼV字型の、2つの区画された表面領域30の形成は、側板3、4に向かう、従って鋳造された鋼ストリップの最外のエッジ部分への、溶融物とは無関係な粒子の連続的な排出の特定の利点をもたらす。
【0047】
外部大気の侵入から溶融浴をシールドするカバーフード9内部への、ガスジェットノズルの組み込みの可能な一実施形態が図7に示されている。鋳造ロール1、2の間には、鋳造ロールの表面14、15の間において、溶融浴表面8の上方で、それからある短い距離を隔てて支持部材(詳細は図示されていない)で保持されてカバーフード9が配置されている。カバーフード9は、穴又はエッジ側部の凹部を備え、カバーフード9上のブラケット32にガスジェットノズル16がはめ合わせられてねじ止めされており、そのような通路31の1つのみがここでは示されている。ガスジェットノズル16は、スロット形状の出口開口17を備える、スロットノズル又はファンジェットノズルとして設計され、少なくとも終端部分では直線状の出口通路19を有している。これは、溶融浴表面8に向けられた、極めて狭い、集中的なガスジェット20を生成し、弾頭波24を形成する。
【0048】
区画された表面領域25を形成するための、更に利点のある実施形態が図8に示されている。ガスジェットノズル16は溶融浴表面8から所定距離に、そのエッジが全ての側で鋳造ロール1、2及び側板3、4に向かって配置されており、それらの出口開口は、溶融浴表面に向かって方向付けられている。図9に示されるように、ガスジェット20a、20b、・・・を形成し、相互に平行に配置されたガスジェットノズル16a、16b、・・・の2つの列は、鋳造ロールの長さ方向の範囲に沿った区画された表面領域沿いに、副区域内で相互に平行に配向されている。2つの出口開口を備えるガスジェットノズルを、同じ効果のために用いることができる。どちらの場合にも、2段の弾頭波が生成される。図9は、2つの出口開口17a、17bを備え、かつガスの流れの方向内で分岐される、出口通路19a、19bを備えるガスジェットノズル16を示している。しかしながら出口通路は、相互に平行に設けられてもよい。2つの弾頭波24a、24bは、相互に所定距離を隔てて溶融浴表面8上に生成され、従って溶融物とは無関係な粒子への二重の障壁を生成する。
【0049】
しかしながら、本発明は以上に図示され記述された実施形態に限定されることはなく、むしろ多様な方法で修正することができる。順に並び、区画された領域を形成するガスジェットと、それに関連するガスジェットノズルとを、ガスジェットが区画された表面領域の1つの周辺部内の溶融浴表面に向かって直接方向付けし、かつガスジェットが他の区域内の鋳造ロール表面又は側板に方向付けられるような方法で配置することも可能である。
【符号の説明】
【0050】
1、2 鋳造ロール
3、4 側板
5 溶融空間
7 鋳造ギャップ
8 溶融浴面
9 カバーフード
10、11 接触線
13 鋳造された金属ストリップ
16、16a、16b ガスジェットノズル
17、17a、17b 出口開口
20、20a、20b ガスジェット
21 ガスジェット軸
30 区画された表面領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融空間(5)と鋳造ギャップ(7)とを共に形成し、溶融金属が前記溶融空間に供給され、上部が開放された溶融浴表面(8)を有する溶融浴を前記溶融空間内に形成し、鋳造された金属ストリップ(13)が前記鋳造ギャップを通じて前記溶融空間から送り出され、前記溶融物とは無関係な粒子の収集のための区画された表面領域(30)が、少なくとも1つのガスジェット(20、20a、20b)の作用の下に、前記溶融浴表面(8)上に形成される、2つの鋳造ロール(1、2)及び2つの側板(3、4)を使用した、鋳造された金属ストリップを製造する方法であって、
前記少なくとも1つのガスジェット(20、20a、20b)の全体が、前記溶融浴表面(8)と前記鋳造ロール(1、2)との間の接触線(10、11)から、前記溶融浴表面から測定して10mm〜50mmの所定距離を隔ててガスジェット軸(21)の方向で前記溶融浴表面に方向付けられることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガスジェットが、25°〜145°の所定角度(α)で、好ましくは35°〜90°の所定角度(α)で、前記溶融浴表面に方向付けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガスジェット(20、20a、20b)が、前記溶融浴表面(8)と前記側板(3、4)との間の接触線(10、11)から所定距離を隔てて前記ガスジェット軸(21)の方向で前記溶融浴表面に方向付けられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記ガスジェット(20、20b)が、前記溶融浴表面(8)と前記側板(3、4)との間の接触線(10、11)から、溶融浴表面から測定して10mm〜50mmの所定距離を隔ててガスジェット軸(21、21b)の方向で前記溶融浴表面に衝突することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのガスジェットが、前記溶融浴表面と前記側板との間の接触線から所定距離を隔てて前記側板に方向付けられ、前記ガスジェットの少なくとも一部の流れが前記溶融浴表面へと効果的に方向を逸らされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのガスジェットが、ファンジェットの形式であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガスジェットが、部分的に曲げられたファンジェットの形式であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのガスジェットが、流れの方向において10°〜35°の開き角度(γ)で分岐されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記2つの側板の間で、適切な場合には前記側板に対して所定距離が設けられて、前記少なくとも1つのガスジェットは、溶融浴表面と前記鋳造ロールとの間の接触線に対して平行又は斜めに、中断されることなく、溶融浴表面に作用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記2つの鋳造ロールの間で、適切な場合には前記鋳造ロールに対して所定距離が設けられて、前記少なくとも1つのガスジェットは、溶融浴表面と前記側板との間の接触線に対して平行に、中断されることなく溶融浴表面に作用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも所定の区域において、少なくとも2つのガスジェット(20a、20b)が、相互に所定距離を離間した状態で、前記溶融浴表面に作用することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのガスジェットが、少なくとも所定の区域内で前記区画された領域を包含し、かつ前記溶融浴表面の通常の高さの上、0.05mm〜10mmの、好ましくは、0.1mm〜3mmの所定の一定の高さに保持される弾頭波(24)を前記溶融浴表面に形成することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ガスジェットを形成するために、不活性ガス又は還元ガス、好ましくはアルゴン又は窒素又はN+H又はこれらのガスの少なくとも2つの混合ガスが用いられることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
鋳造プロセスの開始段階では、溶融浴表面での前記少なくとも1つのガスジェットの作用は、前記溶融空間への溶融物の導入の開始後、10秒間〜2分間のみスイッチオンされることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
溶融浴表面での少なくとも1つのガスジェットの前記作用が、所定の時間間隔で各区域において中断され、よって溶融物とは無関係な粒子が区画された表面領域から排出されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記溶融浴表面と前記2つの鋳造ロールの少なくとも1つとの間の接触線に沿って、前記溶融浴表面への、前記少なくとも1つのガスジェットの前記作用が中断されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記溶融浴表面と前記2つの側板の少なくとも1つとの間の接触線に沿って、好ましくは前記溶融浴表面と前記双方の側板との間の前記接触線に沿って、前記溶融浴表面への、前記少なくとも1つのガスジェットの前記作用が中断されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記溶融物とは無関係な粒子が、前記鋳造された金属ストリップのエッジをトリミングすることにより、前記金属ストリップから取り除かれることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記溶融物とは無関係な粒子の除去が、鋳造された金属ストリップのコイルの重量が達成された直後に所定の時間間隔で行われ、前記溶融物とは無関係な粒子を豊富に含む前記金属ストリップ部分が取り除かれることを特徴とする、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
溶融浴表面(8)で溶融浴を保持するための溶融空間(5)と、鋳造ギャップ(7)とを共に形成する、回転駆動される2つの鋳造ロール(1、2)と、前記鋳造ロールの終端側に面して位置する側板(3、4)とを有する、鋳造された金属ストリップを製造する2ロール鋳造装置において、
目標とするガスジェット(20、20a、20b、・・・)のための出口開口(17、17a、17b、・・・)を有する少なくとも1つのガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)が、前記溶融物とは無関係な粒子の収集のための区画された領域(30)が前記溶融浴表面(8)に形成されるような方法で、前記溶融空間に配置されるか、又は方向付けされる2ロール鋳造装置であって、
前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、前記分岐されたガスジェットの全体が前記溶融浴表面に衝突し、前記溶融浴表面(8)に向けられた前記ガスジェットの軸(21、21b)と、前記溶融浴表面と前記鋳造ロールとの間の接触線との間の距離が、前記溶融浴表面で測定して10mm〜50mmの範囲であるように、前記溶融浴表面(8)と前記鋳造ロール(1、2)との間の前記接触線(10、11)から所定距離を隔てて前記溶融浴表面(8)に向かって方向付けされていることを特徴とする、装置。
【請求項21】
前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、25°〜140°の所定角度(α)で、好ましくは35°〜90°の所定角度(α)で、前記溶融浴表面(8)に向かって方向付けられていることを特徴とする、請求項20に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項22】
前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、前記溶融浴表面(8)と前記側板(3、4)との間の接触線(10、11)から所定距離を隔てられた前記溶融浴表面に向かって方向付けられていることを特徴とする、請求項20又は21のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項23】
前記溶融浴表面(8)を向いた前記ガスジェットの軸(21、21b)と、前記溶融浴表面と前記側板(3、4)との間の接触線との間の距離が、前記溶融浴表面で測定して10mm〜50mmにあることを特徴とする、請求項22に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項24】
前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、前記溶融浴表面と側板(3、4)との間の接触線(10、11)から所定距離を隔てて、前記側板に向かって方向付けられていることを特徴とする、請求項20〜23のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項25】
前記2つの側板(3、4)の間で、適切な場合には前記側板に対して所定距離が設けられて、前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、前記溶融浴表面(8)と前記鋳造ロール(1、2)との間の接触線(10、11)に平行に、前記溶融浴表面に向かって方向付けられていることを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項26】
前記2つの鋳造ロール(1、2)の間で、適切な場合には前記鋳造ロールに対して所定距離が設けられて、前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、前記溶融浴表面と前記側板(3、4)との間の接触線(10、11)に平行に、前記溶融浴表面(8)に向かって方向付けられていることを特徴とする、請求項20〜25のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項27】
前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)が、スロット形状の出口開口(17、17a、17b、・・・)を有するファンジェットノズルの形式であることを特徴とする、請求項20〜26のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項28】
ガスジェットノズル(16a、16b)が、略等しい距離にある目標とされるガスジェット(20a、20b)に対する出口開口(17a、17b)を2つ備えるか、又は各々が1つの出口の開口を有する2つのガスジェットを備え、前記溶融物とは無関係な粒子の収集のための、2段に区画された表面領域(30)が前記溶融浴表面(8)上に形成されることを特徴とする、請求項20〜27のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項29】
少なくとも1つのガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、前記鋳造ロール(1、2)の部分、又は前記側板(3、4)、又は前記溶融空間(5)内部の他の付属品の部分と共に、ガスジェット(20、21a、20b、・・・)の前記作用の下に、溶融浴表面(8)上に区画された表面領域(30)を形成するように、前記溶融浴表面(8)に方向付けられることを特徴とする、請求項20〜28のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項30】
鋳造ロール(1、2)と側板(3、4)とにより形成される前記溶融空間(5)は、カバーフード(9)を使用して大気の侵入に対して閉止され、前記少なくとも1つのガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)の前記出口開口(17、17a、17b、・・・)が、前記溶融空間(5)の内部に開口していることを特徴とする、請求項20〜29のいずれか一項に記載の2ロール鋳造装置。
【請求項31】
前記ガスジェットノズル(16、16a、16b、・・・)は、前記カバーフード(9)に固定され、配向されていることを特徴とする、請求項30に記載の2ロール鋳造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−253560(P2010−253560A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−141988(P2010−141988)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【分割の表示】特願2006−529764(P2006−529764)の分割
【原出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【出願人】(301041586)シーメンス・ファオアーイー・メタルズ・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー・ウント・コ (41)
【Fターム(参考)】