説明

鋸歯状のナイフを有する血中グルコースセンサ分与装置

センサ分与装置は、ハウジング、センサパック、センサおよびナイフブレードアセンブリを備える。センサパックは、ハウジング内に配置されセンサキャビティおよび保護覆いを有する。センサはセンサキャビティ中に配置される。ナイフブレードアセンブリは、ハウジング内に動作可能に配置され、保護覆いを切断するための鋸歯状の刃を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体モニタリングシステムに関し、より詳細には、流体センサを取り扱いそれをパッケージから切り出すための新規の改良型の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血中グルコース濃度レベルが正常でない人達は、医学的に、自らの血中グルコース濃度レベルを定期的に自己測定する必要がある。異常な血中グルコースレベルは、糖尿病などの疾患を含む様々な原因によって引き起こされる可能性がある。米国だけでも推定1800万人が糖尿病に苦しめられている。糖尿病患者は、一般的に、レベルが高すぎないかまたは低すぎないかどうか、レベルを正常範囲内に戻すのにインスリンまたは他の薬を投与するなどの任意の修正処置が必要かどうかを判断するために自らの血中グルコース濃度レベルを測定する。修正処置を取り損ねることは深刻な意味合いを持つことがある。低血糖として知られる状態である、血中グルコースレベルが下がりすぎると、神経過敏、震え、錯乱状態になるおそれがある。判断力が損なわれることもあり、万一の場合意識を失うこともある。高血糖として知られる状態である、血中グルコースレベルが高くなりすぎても体の具合が非常に悪くなり得る。低血糖および高血糖とも、場合によっては生命にかかわる緊急事態になり得る。このため、糖尿病患者は、自らの血中グルコースを頻繁に典型的には1日数回、サンプリングする必要がある。
【0003】
あるタイプの血中グルコース試験システムでは、センサを使用して血液試料を試験する。そうしたセンサは、前端すなわち試験端および後端すなわち接触端を有する、全体的に平坦な矩形であってよい。センサは、血中グルコースと反応する生感知性物質すなわち試薬物質を含む。センサの試験端は、例えば人の指を穿刺したのちその指に溜まる血液である、試験される流体中に配置されるようになされている。流体は、センサ中を試験端から試薬物質まで延びる毛管路に吸い込まれる。毛管作用によって、十分な量の流体がセンサに吸い込まれ試薬物質と接触する。次いで、流体は、センサ中の試薬物質と化学的に反応し、試験される血液中の血中グルコースレベルを示す電気信号が発生し、次いでそれがセンサの後端すなわち接触端の近くに位置する接点区域に供給される。
【0004】
センサ接点で発生した電気信号をモニタ装置に結合するために、センサ端部を試験される流体中に配置する前に、センサをセンサホルダに挿置する必要がある。ホルダは、センサをホルダに挿置したときにセンサ上の接点に結合する、対応する嵌合接点区域を有する。したがって、ホルダは、センサと試験結果を蓄積および/または解析するモニタ装置との間のインタフェースとして働く。
【0005】
センサは、センサ中の試薬物質の完全な状態を保証するため、使用するまで適切な湿度レベルで維持されなければならない。例えば、センサは、適切な湿度レベルを維持するように設計された引き剥がし式のパッケージに個別包装されてよい。ブリスタタイプの包装方法が、この用途には特に適している。これに関連して、パッケージは、その中を適切な湿度に維持するように乾燥剤を含むことができる。血中グルコースを試験するため個々のセンサを使用するために、シールを引き剥がすことによってパッケージを開封しなければならない。あるいは、パッケージによっては、使用者がパッケージの一方の側に対して力を加えて、その結果センサが他方側の箔を破るまたは裂くようにしなければならない。理解される通り、これらのパッケージの開封は困難なこともある。その上ひとたびパッケージを開封したならば、使用者は、センサをセンサホルダ内に配置し血液試料を試験するために使用するとき、そのセンサが損傷または汚染されていないことを確認しなければならない。
【0006】
1997年5月20日発行の、「Dispensing Instrument For Fluid Monitoring Sensors」と題する米国特許第5630986号(以下「’986特許」と称する)は、多数のセンサおよび試験血中グルコースを有するタイプのセンサパック、およびそのセンサパックに収容されるセンサを取り扱うための分与装置を開示している。特に、’986特許で開示されるセンサ分与装置は、複数の血中グルコースセンサを収容するセンサパックを受けるようになされている。センサパックは、それぞれが個々のセンサを保持する複数のセンサ保持キャビティを有する円形基部、および各キャビティ中にセンサを封入する覆い箔を含む。各センサは、センサ中の試薬物質と反応するように流体がそこを通って吸い込まれる前試験端および反対側の後接触端を有する、全体的に平坦な矩形を有する。
【0007】
’986特許で開示されるセンサ装置は、センサパックをハウジング内に配置される割出し盤上に配置することができるように、互いに対して枢動可能な上側ケースおよび下側ケースを有する外側ハウジングを含む。ハウジングの上側ケース上の2つのスライド(スライドラッチおよび別個のスライドアクチュエータ)は、装置を表示モードにするのか試験モードにするのかを制御する。装置は、スライドラッチを横方向に動かしスライドアクチュエータをその待機位置から押し離すと表示モードに入る。表示モードにあるとき、装置の使用者は、上側ケースの表示ユニット上に表示されるデータを見るかつ/またはデータを装置に入力することができる。
【0008】
装置は、スライドラッチがノーマル位置にあるとき、スライドアクチュエータをその試験位置の方に押しやると試験モードに入る。スライドアクチュエータをその作動位置の方に動かすと、ナイフブレードが上にある駆動装置が送り機構の試験位置の方に動き、割出し盤駆動アームが割出し盤中を径方向に延びるまっすぐな溝中を移動する(それによって割出し盤が回転しなくなる)。それと同時に、ナイフブレードが、センサパックのセンサキャビティの1つの方に動かされ、それによってナイフブレードの斜めの刃がセンサキャビティを覆う箔を穿刺してキャビティ中に配置されたセンサに係合する。スライドアクチュエータおよび駆動装置がアクチュエータの作動位置の方にさらに押しやられると、ナイフブレードは、センサをセンサキャビティから放出し、センサハウジングの試験端の近くの試験位置に配する。
【0009】
血液分析試験完了後、スライドアクチュエータを待機位置の方に向けて反対方向に動かし、それによってセンサが分与装置から取り出されることができるようになる。駆動装置を引き込み続けると、割出し盤駆動アームが割出し盤中を曲線状に延びる溝に沿って移動し、その結果割出し盤が回転する。割出し盤の回転によって、センサパックが回転され、それによって次に実施される血中グルコース試験のために次のセンサがナイフブレードと整列するように配置される。
【0010】
1986特許で開示されるセンサ装置は、個々のセンサの使用に関連して上記で論じた問題の多くを克服するが、場合によっては、ナイフブレードの直線状の斜めの刃が箔を切断するのではなく破るまたは裂いてしまうことがある。これによって、箔の破片が外れ、ことによると装置の先端にはさまれ、それによってセンサが動かなくなるおそれがある。箔が破れて外れることは、糖尿病患者が自らの血中グルコースレベルを試験しなければならない頻度を考えれば比較的まれにしか発生しないが、箔の破片でセンサが動かなくなる可能性は起こり得る問題として考慮しなければならない。必要なものは裂かれるまたは外される包装材料の頻度を低減する改良型のナイフを有するセンサ装置である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、センサパックに収容され血中グルコース試験に使用されるセンサを取り扱うための、新規の改良型のセンサ分与装置を提供することである。具体的には、本発明の目的は、故障の可能性を低減し、上記で論じた問題または制約を別のやり方で克服する、鋸歯状ナイフを有する新規の改良型の流体センサ分与装置取扱い装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記その他多くの目的に従って、本発明は、ハウジング、センサパック、センサおよびナイフブレードアセンブリを備えるセンサ分与装置として具現化される。センサパックは、ハウジング内に配置され、センサキャビティおよび保護覆いを有する。センサはセンサキャビティ中に配置される。ナイフブレードアセンブリは、ハウジング内に動作可能に配置され保護覆いを切断するための鋸歯状の刃を有する。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、センサ分与装置は、複数のセンサを収容するセンサパックとともに使用されるように構成される。複数のセンサのそれぞれは、センサパック上のセンサキャビティ中に配置され、保護覆いによって封入される。センサ分与装置はまた、複数のセンサの1つを使用して試験を実施するようになされ、ナイフブレードアセンブリを備える。ナイフブレードアセンブリは、保護覆いを穿刺して切断しセンサの1つをセンサキャビティから放出するための鋸歯状の刃を有する。
【0014】
本発明の第3の態様は、センサ分与装置用のナイフアセンブリを作製する方法として具現化される。方法は、金属板を用意し、それからナイフを製作する行為を含む。方法は、ナイフ上に鋸歯状切刃をエッチングする行為も含む。方法は、ナイフまわりにプラスチック製の本体を成形する行為も含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次により具体的に図面を参照すると、図1には、全体的に参照番号30で指定され本発明を具現化する血中グルコースセンサ分与装置が示されている。センサ分与装置30は、上側ケース34および下側ケース36を有する外側ハウジング32、ディスプレイ(図示せず)、および電子機器アセンブリ(図示せず)を含む。上側ケース34は、センサパック38(図3)をハウジング32内の割出し盤40(図2)上に配置することができるように、下側ケース36に対してクラムシェル式に枢動可能である。センサパック38がハウジング32内にそのように装入された状態で、ハウジング32の上側ケース34上のスライドアクチュエータ42を動かして送り機構に係合させることができる。送り機構は、全体的に番号44で指定され(図2)、上側ケース34の内側に固定される。スライドアクチュエータ42は、上側ケース34の後端46に隣接する待機位置(図1)から、上側ケース34の前端すなわち試験端48に隣接する作動位置すなわち試験位置(図示せず)の方に、手で押すことができる。スライドアクチュエータ42はまた、センサ分与装置30をデータ処理モードまたは表示モードに入れるために動かすこともできる。
【0016】
図2に見られるように、送り機構44は、駆動装置50、ナイフブレードアセンブリ10およびナイフ用ばね(knife spring)56を含む。ナイフブレードアセンブリ10は、駆動装置50上に枢動的に取り付けられる。図4〜9に示されるナイフブレードアセンブリ10の一実施形態は、ブレード12およびプラスチック製の本体20を備える。ブレード12は、プラスチック製の本体20にインサート成形されてよく、その場合ブレード12を金型内に配置し、プラスチック製の本体20をその上に成形する。接着嵌合または摩擦嵌合など、ブレード12をプラスチック製の本体20に取り付ける他の方法を使用してもよい。プラスチック製の本体20は、(米国ペンシルバニア州エクストンのLNP Engineering Plastics社から市販されている)LNP DL 4020 SM、または(米国ミネソタ州ウィノナのRTP社から市販されている)RTP 399x97886、10%TEFLON(商標)(テトラフルオロエチレンまたはTFE)入りまたは1%Fluoroguard入りポリカーボネートなどのポリカーボネート化合物から形成されてよいが、他の材料を使用してもよい。
【0017】
図4〜9に示される実施形態において、ブレード12は化学エッチング処理から形成されるが、スタンピングまたはレーザ切断などの他の薄板製造技術を使用してもよい。図示の実施形態において、ブレード12は、0.254mm(0.010インチ)の302ステンレス鋼材から形成され、4分の3の硬度まで制限的に焼き戻される(tempered half)。図9に見られるように、ブレード12は鋸歯状の刃14を有する。鋸歯状の刃14は、滑らかで均一な切刃を形成するように、上記で述べたブレード12を形成するのに使用される化学エッチング処理と同じ処理で形成されてよい。鋸歯状の刃14は、弓状に曲がった凸形をしておりある角度で互いに交差する複数の曲線状セグメント16から形成される。曲線状セグメント16は、半径0.152mm(0.006インチ)で形成されることが好ましいが、他の形および寸法を使用してもよい。この構成によって、鋸歯状の刃14の切刃の長さが増大する。図9に示される実施形態において、鋸歯状の刃14は、11個の曲線状セグメント16を有するが、鋸歯状の刃14の形成にセグメントをいくつでも使用することができる。さらに、図9に示される実施形態では、二次元化学エッチング処理を使用してブレード12の片側だけに鋸歯状の刃14が形成される。ブレード12の他の側も、例えば、そこを三次元化学エッチング処理または異なるエッチングをすることによって鋸歯状されてもよい。
【0018】
ナイフアセンブリ10の鋸歯状の刃14は、(図3に示され以下に説明されるように)センサパック38上の覆い箔64をまず穿刺し次いで切断しなければならないので、ブレード12の上面18は、図7に見られるように横線に対して約32.5度の角度に形成される。鋸歯状の刃は、図9に見られるように、縦線に対して約14度の角度に形成される。図8に見られるように、鋸歯状の刃14は、約30〜45度の切刃角(cutting angle)13を有するが、他の角度を使用してもよい。
【0019】
図2を再び参照すると、ナイフばね56が上に取り付けられる割出し盤駆動アーム54は、送り機構44から延びる。動作中、スライドアクチュエータ32がその作動位置の方に動かされると、ナイフブレードアセンブリ10を上に備える駆動装置50が試験端48の方に動き(図1)、割出し盤駆動アーム54の遠位端にあるボタン58が割出し盤40中を径方向に延びる複数の溝60A〜Jのうちの1つの内部を移動し、それによって、駆動装置50がその試験位置の方に動かされる間割出し盤40が回転しないようになる。ナイフブレードアセンブリ10が試験端48の方に動かされると、ナイフブレードアセンブリ10上の鋸歯状の刃14の上面18が、箔64の、(図3に見られる)センサパック38の基部68中のナイフブレード62と一直線に並んだ例えばキャビティ66Fである複数のセンサキャビティ66A〜Jのうちの1つを覆うその一部を穿刺する。鋸歯状の刃14は、キャビティ66A中に配置されたセンサ70に係合し、センサキャビティ66Fを覆う箔64をさらに切断し、センサ70をセンサキャビティ66Fの外に押し出すまたは放出する。
【0020】
ブロックガイド162、プリント回路板76、センサアクチュエータ74、ハウジングガイド164、第2のナイフばね166、ナイフブレードアセンブリ10および駆動装置50は、それらの構成要素を貫通して上側ケース34内まで延びる締結具168〜171によって一緒に保持されて上側ケース34に固定される(図2)。さらに、割出し盤40は、保持器172によってハウジングガイド164上に回転可能に保持されることによって上側ケース34に対して固定される。保持器172は、割出し盤40の中心穴178を貫通し、ブロックガイド162の開口180にかかる一対のラッチアーム174、176を有する。エラストマコネクタ261は、較正回路(図示せず)をプリント回路板76上の回路に結合する。コネクタ261は、ブロックガイド162内に位置する通路262中に配置される。図1〜2に示される装置に関するさらなる詳細は’986特許に記載されている。本発明のセンサ分与装置30には、’986特許に記載されている装置と同様の設計および/または機能の追加構成要素が組み込まれることに留意されたい。それらの追加構成要素の説明の不必要な重複を避けるため、この特許の内容を参照により本明細書に組み込む。センサ分与装置の例は、米国インディアナ州エルクハートのBayer社から市販されている、Ascensia(登録商標)BREEZE(商標)Blood Glucose Monitoring SystemまたはAscensia(登録商標)DEX(登録商標)2 Blood Glucose Monitoring Systemである。
【0021】
同様に、センサ分与装置30に用いられる(図3に示される)センサパック38は、参照により本明細書に組み込まれる、1996年11月19日発行の、「Dispensing Instrument For Fluid Monitoring Sensors」と題する米国特許第5575403号に記載されているタイプのものである。そうしたセンサパックの1つの例は、やはり米国インディアナ州エルクハートのBayer社から市販されている、10個の試験細片が付いたAscensia(登録商標)AUTODISC(商標)である。一般に、センサパック38は、10個の別々のセンサキャビティ66A〜Jのそれぞれに10個のセンサ70の1つが入っている状態で、10個のセンサ70を収容するようになされている。各センサ70は、前端すなわち試験端304から後端306まで延びる全体的に平坦な矩形である。前端304は角ばっており、したがってセンサ70が鋸歯状の刃14によってセンサキャビティ66Jの外に押し出されるとき、保護箔64の、センサキャビティ66Jに被さる非切断部を穿刺するようになっている。前端304はまた、分析される血液中に配置されるようになされている。センサ70の後端306は、ナイフブレードアセンブリ10がセンサ70をセンサキャビティ66Jから放出するとき係合する小さな切り欠き308を含む。センサ70の後端306近くの接点(図示せず)は、センサ70が試験位置にあるとき、センサアクチュエータ(図示せず)上の金属接点(図示せず)と対合するようになされている。その結果、センサ70は、回路板アセンブリ42上の電子回路に結合され、それによって試験中にセンサ70で生成される情報が記憶され、解析されかつ/または表示されることが可能になる。
【0022】
センサパック38は、円形基部68およびそれに対応して構成される箔64からなる。センサキャビティ66A〜Jは、それぞれがセンサ70の1つを収容するようになされた、基部68のくぼみとして形成される。箔64は基部68の上面を覆うようになされ、基部に対して、箔64の外周縁全体に沿って基部68の外周縁にヒートシーリングによって貼り付けられる。箔64はまた、センサ保持キャビティ66A〜Jおよび乾燥剤キャビティ318A〜Jの各組の外周全体にわたってヒートシールされてセンサ保持キャビティ66A〜Jおよび乾燥剤キャビティ318A〜Jをシールし、それによって個々のセンサ70が乾燥状態に維持され互いに隔離されるようになる。その結果、センサキャビティ66A〜Jの1つを開けても、他のセンサキャビティ66A〜Jのいずれの乾燥状態にも影響を及ぼすことがなくなる。箔64は、センサキャビティ66A〜Jおよび乾燥剤キャビティ318A〜Jを適当にシールし、ナイフブレードアセンブリ10によって容易に切断され、センサ70がセンサキャビティ66A〜Jの外に押し出されるときセンサ70によって穿刺され得る材料ももたらす任意の材料で作製されてよい。箔64に使用することができる1つのタイプの箔は、Alusuisse Flexible Packaging社によって販売されているAL−191−01箔である。
【0023】
このように、直線ブレードよりきれいで均一な切刃を有するナイフアセンブリが付いた血中グルコースセンサ分与装置を本発明に従って開示してきた。本発明は、鋸歯状切刃でセンサパック上の覆い箔をより簡単にきれいに穿刺し切断する。これによって、切断の確実性が高められ、センサパック上の覆い箔が破られる、裂かれるまたは外される頻度が低減される。その結果として、箔の破片で動かなくなるセンサの数が低減される。さらに、鋸歯状切刃によって、センサとの係合が良くなり、それによってセンサが覆い箔を通ってよりきれいに放出されることが可能になる。さらに、鋸歯状切刃によって、別々にスタンピング作業および研削作業を行うのとは異なり、ブレードおよび鋸歯状の刃両方を形成する単一工程が可能になり、コストの低減が可能になる。その上、鋸歯状の刃によってセンサ分与装置の耐用寿命が長くなる。
代替実施形態A
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、センサキャビティおよび保護覆いを有する、センサパックと、
前記センサキャビティ中に配置されるセンサと、
前記ハウジング内に動作可能に配置され、前記保護覆いを切断するための鋸歯状の刃を有する、ナイフブレードアセンブリと
を備える、センサ分与装置。
代替実施形態B
前記ナイフブレードアセンブリが、前記保護覆いを穿刺し前記センサを前記センサキャビティから放出するように動作可能に配置される、実施形態Aのセンサ分与装置。
代替実施形態C
前記保護覆いが箔である、実施形態Aのセンサ分与装置。
代替実施形態D
前記鋸歯状の刃が、複数の曲線状セグメントを有する、実施形態Aのセンサ分与装置。
代替実施形態E
前記ナイフブレードアセンブリが、プラスチック製の本体および前記本体に固定されるブレードをさらに備える、実施形態Aのセンサ分与装置。
代替実施形態F
前記ブレードが、前記本体にインサート成形される、実施形態Eのセンサ分与装置。
代替実施形態G
前記センサパックが、円形であり、円周方向に配置される複数のセンサキャビティを有する、実施形態Aのセンサ分与装置。
代替実施形態H
複数のセンサを含むセンサパックに使用されるように構成されるセンサ分与装置であって、前記複数のセンサのそれぞれが前記センサパック上のセンサキャビティ中に配置され保護覆いによって封入され、さらに前記複数のセンサの1つを使用して試験を実施するようになされ、前記保護覆いを穿刺して切断し前記センサの1つを前記センサキャビティから放出するための鋸歯状の刃を有するナイフブレードアセンブリを備える、センサ分与装置。
代替実施形態I
前記保護覆いが箔である、実施形態Hのセンサ分与装置。
代替実施形態J
前記センサパックが、円形であり、円周方向に配置される複数のセンサキャビティを有する、実施形態Hのセンサ分与装置。
代替実施形態K
前記鋸歯状の刃が、複数の曲線状セグメントを有する、実施形態Hのセンサ分与装置。
代替実施形態L
前記ナイフブレードアセンブリが、プラスチック製の本体および前記本体に固定されるブレードをさらに備える、実施形態Hのセンサ分与装置。
代替実施形態M
前記ブレードが、前記本体にインサート成形される、実施形態Hのセンサ分与装置。
代替プロセスN
センサ分与装置用のナイフアセンブリの作製方法であって、
金属板を用意する行為と、
前記金属板からナイフを製作する行為と、
前記ナイフ上に鋸歯状切刃をエッチングする行為と、
前記ナイフまわりにプラスチック製の本体を成形する行為と
を含む方法。
代替プロセスO
前記金属板からナイフを製作する前記ステップが、化学エッチングで実施される、プロセスNの方法。
代替プロセスP
前記鋸歯状切刃が、複数の曲線状セグメントを有する、プロセスNの方法。
代替プロセスQ
前記ナイフアセンブリが、センサ分与装置内に組み付けられる、プロセスNの方法。
【0024】
本発明を、その特定の例示的な実施形態に関して説明し図示してきたが、これによって本発明がそれらの例示的な実施形態に限定されるものではない。本発明の精神から逸脱することなく、変更および修正を加えることができることを当業者なら理解するであろう。例えば、鋸歯状切刃は、ステンレス鋼から製作されるとして開示されているが、プラスチック、セラミックなどの他の材料または他の金属を使用してもよい。あるいは、鋸歯の形は、上記で開示される曲線状セグメントから三角形、凸形また他の形の歯に修正してもよい。さらに、ナイフの他の側に追加の切刃を加えてよく、または2つ以上のブレードを使用してもよい。さらに、ブレードが形成される角度を変えることができ、異なる切刃角を使用してもよい。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内にあるすべてのそうした変形形態および修正形態を本発明に包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を具現化する血中グルコースセンサ分与装置の上面斜視図である。
【図2】図1のセンサ分与装置の構成部品の分解斜視図である。
【図3】センサパックの箔部がセンサパックの基部から離れている、図1の血中グルコースセンサ分与装置で使用されるセンサパックの分解斜視図である。
【図4】図1の血中グルコースセンサ分与装置で使用されるナイフアセンブリおよびセンサパックの斜視図である。
【図5】図1の血中グルコースセンサ分与装置で使用されるナイフアセンブリの斜視図である。
【図6】図1の血中グルコースセンサ分与装置で使用されるナイフアセンブリの端面図である。
【図7】図1の血中グルコースセンサ分与装置で使用されるナイフアセンブリの側面図である。
【図8】図1の血中グルコースセンサ分与装置で使用されるナイフアセンブリの上面図である。
【図9】図7のナイフアセンブリの鋸歯状の刃の詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、センサキャビティおよび保護覆いを有する、センサパックと、
前記センサキャビティ中に配置されるセンサと、
前記ハウジング内に動作可能に配置され、前記保護覆いを切断するための鋸歯状の刃を有する、ナイフブレードアセンブリと
を備える、センサ分与装置。
【請求項2】
前記ナイフブレードアセンブリが、前記保護覆いを穿刺し前記センサを前記センサキャビティから放出するように動作可能に配置されている、請求項1に記載のセンサ分与装置。
【請求項3】
前記保護覆いが箔である、請求項1に記載のセンサ分与装置。
【請求項4】
前記鋸歯状の刃が、複数の曲線状セグメントを有している、請求項1に記載のセンサ分与装置。
【請求項5】
前記ナイフブレードアセンブリが、プラスチック製の本体および該本体に固定されるブレードをさらに備える、請求項1に記載のセンサ分与装置。
【請求項6】
前記ブレードが、前記本体にインサート成形されている、請求項5に記載のセンサ分与装置。
【請求項7】
前記センサパックが、円形であり、円周方向に配置される複数のセンサキャビティを有している、請求項1に記載のセンサ分与装置。
【請求項8】
複数のセンサを含むセンサパックとともに使用されるように構成されたセンサ分与装置であって、前記複数のセンサのそれぞれが、前記センサパック上のセンサキャビティ中に配置され且つ保護覆いによって封入されており、
さらに、前記複数のセンサの1つを使用して試験を実施するようになされており、前記保護覆いを穿刺して切断し前記センサの1つを前記センサキャビティから放出するための鋸歯状の刃を有するナイフブレードアセンブリを備える、センサ分与装置。
【請求項9】
前記保護覆いが箔である、請求項8に記載のセンサ分与装置。
【請求項10】
前記センサパックが、円形であり、円周方向に配置されている複数のセンサキャビティを有する、請求項8に記載のセンサ分与装置。
【請求項11】
前記鋸歯状の刃が、複数の曲線状セグメントを有している、請求項8に記載のセンサ分与装置。
【請求項12】
前記ナイフブレードアセンブリが、プラスチック製の本体および該本体に固定されるブレードをさらに備える、請求項8に記載のセンサ分与装置。
【請求項13】
前記ブレードが、前記本体にインサート成形されている、請求項8に記載のセンサ分与装置。
【請求項14】
センサ分与装置用のナイフアセンブリの作製方法であって、
金属板を用意する行為と、
前記金属板からナイフを製作する行為と、
前記ナイフ上に鋸歯状切刃をエッチングする行為と、
前記ナイフまわりにプラスチック製の本体を成形する行為と
を含む方法。
【請求項15】
前記金属板からナイフを製作する前記ステップが、化学エッチングで実施される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記鋸歯状切刃が、複数の曲線状セグメントを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ナイフアセンブリが、センサ分与装置内に組み付けられる、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−513135(P2008−513135A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532539(P2007−532539)
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/033290
【国際公開番号】WO2006/044084
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】