説明

鋼帯の電気ニッケルめっき設備

【課題】電気ニッケルめっきにおける酸洗に電解酸洗を用い、電解酸洗用の硫酸とスラッジ溶解用の硫酸を共用化し、なおかつスラッジ溶解用の硫酸を繰り返し使用しても良好なニッケルめっき品質を実現することのできる、鋼帯の電気ニッケルめっき設備を提供する。
【解決手段】鋼帯1を酸洗ラインタンク2で酸洗した後に鋼帯表面にニッケルラインタンク4で電気ニッケルめっきを施す鋼帯の電気ニッケルめっき設備であって、ニッケルラインタンク内の電極7に堆積したスラッジを除去する硫酸洗浄装置10を有し、酸洗ラインタンク2においては電解酸洗を行い、電解酸洗のための電極9としてチタン基材表面に白金をめっきした電極を用い、電解酸洗に際しては電解酸洗液循環タンク11に収容した硫酸を酸洗ラインタンク内に循環し、硫酸洗浄装置10で用いる硫酸として電解酸洗液循環タンク11に収容した硫酸を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼帯表面を酸洗した後に電気ニッケルめっきを施す鋼帯の電気ニッケルめっき設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施すに際しては、図4(a)に示すように、まず硫酸などの酸洗液を満たした酸洗ラインタンク2内に鋼帯1を浸漬して浸漬酸洗を行い、リンスタンク3によって鋼帯表面に付着している余剰の酸を取り除き、次いでニッケルラインタンク4に鋼帯を浸漬して電気ニッケルめっきを行う。
【0003】
ニッケルラインタンク4において、鋼帯1は通電ロール5およびシンクロール6によってニッケルラインタンク内を搬送され、鋼帯を挟むように設置された複数の電極7に通電することによってニッケルめっきが施される。電極としては、チタン製のメッシュバスケットの内部に10〜30mmφ程度のニッケルペレットを充填したものが用いられる。めっき浴としては、例えばワット浴と呼ばれるめっき浴が用いられる。
【0004】
鋼帯にニッケルめっきを施すに際し、電極表面にスラッジが発生する。スラッジは電極の電気抵抗を上昇させてめっきの生産性を阻害することから、このスラッジを除去することが必要である。特許文献1においては、ニッケルラインタンク内のめっき浴を一旦系外に排出し、スラッジを溶解することができる酸を供給し、電極内部に堆積したスラッジを溶解し系外に排出してスラッジを除去する装置が開示されている。図4(b)に示すように、スラッジを溶解する酸として硫酸を用い、硫酸洗浄液循環タンク12とニッケルラインタンク4との間を循環させる。スラッジ溶解に用いた硫酸は、毎回廃棄している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3909041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気ニッケルめっきラインにおいて、めっき前の酸洗については前述のとおり浸漬酸洗が用いられていた。一方、ニッケルめっき鋼板の高級志向として複層めっきの需要が伸びており、下層めっきの上の酸化膜除去、上層めっきの密着性確保のために酸洗能力の向上が求められている。このような場合、酸洗能力の弱い浸漬酸洗に代えて、電解酸洗を適用することが好ましい。電解酸洗においては、電極として鉛電極を酸洗ラインタンク内に設け、酸洗液として硫酸を用い、電解酸洗液循環タンクに硫酸を収容して酸洗ラインタンクとの間で硫酸酸洗液を循環する。
【0007】
電解酸洗において硫酸酸洗液を循環して用いており、酸洗液は繰り返し使用される。一方、ニッケルラインタンク内のスラッジを溶解するためにも硫酸が用いられ、スラッジ溶解の硫酸は毎回廃棄されていた。どちらも硫酸を用いるので、電解酸洗用の硫酸とスラッジ溶解用の硫酸とを共用できれば好適である。また、スラッジ溶解用の硫酸を毎回廃棄するのではなく、繰り返し使用できれば好適である。
【0008】
ところが、電気ニッケルめっきにおける酸洗に電解酸洗を用い、電解酸洗用の硫酸とスラッジ溶解用の硫酸を共用化し、共用化した硫酸を繰り返し使用することとしたところ、ニッケルめっき後の鋼帯表面に鉛付着による品質異常が発生するようになった。
【0009】
本発明は、上記問題を解決し、電気ニッケルめっきにおける酸洗に電解酸洗を用い、電解酸洗用の硫酸とスラッジ溶解用の硫酸を共用化し、なおかつスラッジ溶解用の硫酸を繰り返し使用することのできる、鋼帯の電気ニッケルめっき設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
鋼帯表面を酸洗するための酸洗ラインタンク2と、鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施すニッケルラインタンク4とを有し、鋼帯1を酸洗した後に鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施す鋼帯の電気ニッケルめっき設備であって、
ニッケルラインタンク内に配置された電極7に堆積したスラッジを除去するための硫酸洗浄装置10を有し、硫酸洗浄実施時には硫酸洗浄装置10を用いてニッケルラインタンク内に硫酸を循環し、
酸洗ラインタンク2においては電解酸洗を行い、酸洗ラインタンク内に電解酸洗のための電極9を有し、電解酸洗に際しては電解酸洗液循環タンク11に収容した硫酸を酸洗ラインタンク内に循環し、
硫酸洗浄装置10で用いる硫酸として電解酸洗液循環タンク11に収容した硫酸を用い、
前記電解酸洗のための電極9としてチタン基材表面に白金をめっきした電極を用いることを特徴とする鋼帯の電気ニッケルめっき設備。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、鋼帯表面を酸洗するための酸洗ラインタンクと、鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施すニッケルラインタンクとを有し、ニッケルラインタンク内に配置された電極に堆積したスラッジを除去するための硫酸洗浄装置を有し、鋼帯を酸洗した後に鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施す鋼帯の電気ニッケルめっき設備において、酸洗ラインタンクにおいて電解酸洗を行うに際し、電解酸洗のための電極としてチタン基材表面に白金をめっきした電極を用いることにより、電解酸洗用の硫酸とスラッジ溶解用の硫酸を共用化し、なおかつスラッジ溶解用の硫酸を繰り返し使用しても良好なニッケルめっき品質を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の電気ニッケルめっき設備の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の電気ニッケルめっき設備の動作状況を示す概略図である。
【図3】電解酸洗を用い、電解酸洗電極に鉛電極を用いた比較例の電気ニッケルめっき設備の動作状況を示す概略図である。
【図4】浸漬酸洗を用いた従来例の電気ニッケルめっき設備の動作状況を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1、2を用いて本発明の電気ニッケルめっき設備について説明する。
【0014】
本発明の電気ニッケルめっき設備は、鋼帯表面を酸洗するための酸洗ラインタンク2と、鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施すニッケルラインタンク4とを有し、鋼帯1を酸洗した後に鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施す。
【0015】
本発明は、酸洗ラインタンク2において電解酸洗を行う。酸洗ラインタンク2内に電解酸洗のための電極9を有し、電解酸洗に際しては電解酸洗液循環タンク11に収容した硫酸を酸洗ラインタンク2内に循環する。従来の浸漬酸洗から電解酸洗に変更することにより、酸洗能力が向上するので、複層めっきにおいて下層めっきの上の酸化膜除去、上層めっきの密着性確保を図ることができる。
【0016】
本発明はまた、ニッケルラインタンク4内に配置された電極に堆積したスラッジを除去するための硫酸洗浄装置10を有する。鋼帯1にニッケル電気めっきを施す際には、ニッケルラインタンク4内にニッケルめっき浴を満たす。めっき浴としては、例えばワット浴と呼ばれるめっき浴が用いられる。硫酸洗浄実施時にはニッケルラインタンク内のニッケルめっき浴を排除し、かわりに硫酸洗浄装置10を用いてニッケルラインタンク内に硫酸を循環する。電極に堆積したスラッジは硫酸に溶解し、スラッジが電極から排除される。
【0017】
本発明においてはさらに、硫酸洗浄装置10で用いる硫酸として電解酸洗液循環タンク11に収容した硫酸を用いる。これにより、電解酸洗に用いる硫酸と硫酸洗浄に用いる硫酸を共用することができる。そして、硫酸洗浄のたびに硫酸を廃棄することなく、繰り返し使用する。
【0018】
電気ニッケルめっきにおける酸洗に電解酸洗を用い、電解酸洗用の硫酸とスラッジ溶解用の硫酸を共用化し、共用化した硫酸を繰り返し使用することとした比較例を図3に示す。図3において、電解酸洗の電極として鉛電極8を用いている。前述のとおり、図3に示す比較例において、ニッケルめっき後の鋼帯表面に鉛付着による品質異常が発生するようになった。鉛付着部には錫は検出されなかったので、めっき設備中のはんだ接合部が脱落して付着したものでないことがわかった。そうとすると、品質異常部の鉛源としては電解酸洗における鉛電極8が想定される。一方、めっき鋼板の鉛付着部を観察したところ、鉛はNiめっき層の上層に付着していた。従って、鉛はニッケルめっき前に付着したのではなく、ニッケルめっき後に付着したことがうかがわれる。そうとすると、鉛は酸洗ラインタンク2内で鋼帯に付着したのではなく、ニッケルラインタンク4内でニッケルめっき後に付着したことになる。
【0019】
図3に示す比較例の電気ニッケルめっき設備において、鋼帯1にニッケルめっきを施す際は、図3(a)に示すように、電解酸洗液循環経路21を用いて電解酸洗液循環タンク11と酸洗ラインタンク2の間を硫酸酸洗液が循環し、めっき液循環経路23を用いてめっき液循環タンクとニッケルラインタンク4との間をめっき液が循環する。また、ニッケルラインタンク4内のスラッジを溶解する際は、図3(b)に示すように、ニッケルラインタンク4内のめっき液を除去し、硫酸洗浄装置10を作動させ、硫酸洗浄液循環経路22を経由して電解酸洗液循環タンク11とニッケルラインタンク4の間を硫酸が循環する。以上の事実から、図3(a)に示すように電解酸洗を行う際に電解酸洗の鉛電極8から鉛が脱落し、硫酸中に混入し、次に図3(b)に示すようにニッケルめっき電極の硫酸洗浄を行う際に硫酸中の鉛がニッケルラインタンク4中に運ばれ、その後に鋼帯のニッケルめっきを行う際にこの鉛がニッケルめっき後の鋼帯に付着したものと推定されるにいたった。
【0020】
電気ニッケルめっきに用いるニッケルめっき浴としてワット浴が用いられる。ワット浴中には塩化ニッケルが含まれる。図3(b)に示すようにニッケルラインタンク4の硫酸洗浄を行うに際し、ニッケルめっき浴を排出した上で電解酸洗液循環タンク11の硫酸を循環させる。このとき、ニッケルめっき液中の塩化物イオンが微量ながら硫酸中に混入することとなる。次に、図3(a)に示すように、このように塩化物イオンが混入した電解酸洗液循環タンク11の硫酸を用いて酸洗ラインタンク2において電解酸洗を行うと、酸洗液中の塩化物イオンによって鉛電極8の表面がエッチングされ、エッチングが進行すると鉛が損傷・脱落し、酸洗液中に鉛が混入する。この混入した鉛が、めっき鋼板表面の鉛付着にいたったものと推定される。
【0021】
そこで本発明においては、電解酸洗で用いる電極として、鉛電極8に代えて、図1、2に示すように、チタン基材表面に白金をめっきした電極9を用いることとした。白金めっきは、電極9の表面のうち鋼帯と対面する側のみ行えばよい。チタンも白金も、塩化物イオンを含んだ酸洗液と接触しても表面がエッチングされることがないので、鉛電極を用いた場合のような品質異常が発生することがない。また、電極9のうち鋼帯1と対面する側について白金めっきを施すこととすれば、電極を安価に製造することができる。
【0022】
本発明により、酸洗に電解酸洗を適用した結果として、酸洗能力が向上するので、複層めっきにおいて下層めっきの上の酸化膜除去、上層めっきの密着性確保を図ることができる。また、ニッケルラインタンク中のスラッジ除去のために硫酸洗浄装置を用い、硫酸洗浄装置で用いる硫酸として電解酸洗液循環タンクに収容した硫酸を用いる。これにより、電解酸洗に用いる硫酸と硫酸洗浄に用いる硫酸を共用することができる。そして、硫酸洗浄のたびに硫酸を廃棄することなく、繰り返し使用する。本発明はさらに、電解酸洗で用いる電極として、チタン基材表面に白金をめっきした電極を用いるので、鉛電極を用いた場合のような品質異常が発生することがない。
【0023】
電解酸洗用の電極として鉛電極を用いた場合、特に電解酸洗の電流密度を5.5A/dm2以上と高電流密度とした場合に、めっき鋼板の鉛付着異常発生頻度が高くなった。高電流密度によって鉛電極の損傷を促進していたものと思われる。これに対し本発明を適用した結果、電解酸洗の電流密度が高電流密度であっても、電極に起因する品質異常は一切発生しなかった。従って、本発明は、電解酸洗の電流密度を5.5A/dm2以上とする場合に特に高い効果を発揮する。
【実施例】
【0024】
電気ニッケルめっき設備において本発明を適用した。図1、2に示す本発明例、図3に示す比較例、図4に示す従来例についてニッケルめっきを行った。電気ニッケルめっき設備は2基の酸洗ラインタンク2と、3基のニッケルラインタンク4を有し、酸洗ラインタンク2とニッケルラインタンク4との間に1基のリンスタンク3を有している。図1〜4において、鋼帯1は右側から左側に進行し、まず酸洗ラインタンク2によって鋼帯表面を酸洗し、次にリンスタンク3によって鋼帯上に付着している余剰の酸を取り除いた後、ニッケルラインタンク4にてニッケル電気めっきを行う。本実施例における鋼帯は、厚み0.15mm、板幅860mmのものをラインスピード80m/sで通板している。
【0025】
ニッケルラインタンク4において、鋼帯1は通電ロール5およびシンクロール6によってラインタンク内を搬送され、鋼帯1を挟むように設置された複数の電極7に図示しない整流器およびブスバーを介して通電することによってめっきが施される。電極7はチタン製のメッシュバスケットの内部に10〜30mmφ程度のニッケルペレットを充填したものであり、電極長は1.8m、電極幅は1.1mである。めっき浴にはワット浴を用い、硫酸ニッケル:340g/l、塩化ニッケル:70g/l、ホウ酸45g/lの組成とし、浴温を60℃として、めっき液循環タンク13に収容されている。
【0026】
酸洗ラインタンク2において、図4に示す従来例は浸漬酸洗方式とした。酸洗ラインタンク2中に硫酸を充填し、鋼帯1が硫酸中に浸漬することによって酸洗される。図3に示す比較例と図1、2に示す本発明例は電解酸洗方式とする。電解酸洗において、酸洗ラインタンク内に電解酸洗のための電極を有し、電解酸洗に際しては電解酸洗液循環タンク11に収容した硫酸を酸洗ラインタンク2内に循環する。比較例は電極として鉛電極8を用い、本発明例は電極としてチタンを基材として片面に白金をめっきした電極9を用いた。白金めっきした面を鋼帯に対面して配置する。電解酸洗において、比較例、本発明例ともに、電流密度を2.8A/dm2と5.5A/dm2の2種類で試験を行った。
【0027】
ニッケルラインタンク4には硫酸洗浄装置10が設けられる。硫酸洗浄実施時にはニッケルラインタンク内のニッケルめっき浴を排除し、かわりに硫酸洗浄装置10を用いてニッケルラインタンク内に硫酸を循環する。電極7に堆積したスラッジは硫酸に溶解し、スラッジが電極7から排除される。図4に示す従来例においては、硫酸洗浄装置10専用の硫酸洗浄液循環タンク12を配置し、硫酸洗浄液循環タンク12とニッケルラインタンク4との間で硫酸洗浄液循環経路22を経由して硫酸を循環する。図3に示す比較例と図1、2に示す本発明例においては、電解酸洗液循環タンク11が硫酸洗浄装置10の硫酸供給タンクを兼ねている。
【0028】
表1に示す条件で電気ニッケルめっきを行い、めっき密着性、鉛付着の品質欠陥の発生状況の2点について評価を行った。めっき密着性の評価については、単層ニッケルめっき材及び複層ニッケルめっき材のそれぞれで行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
従来例では浸漬酸洗のため、酸洗能力が弱く、複層ニッケルめっき材では客先プレス時のめっき層が剥がれる等のめっき密着性不良が発生する。単層ニッケルめっき材についても、良好ではあるが、操業条件や客先プレス条件によってはごく希にめっき剥離が発生していた。
【0031】
比較例No.1は鉛電極を用いた電解酸洗であるが、2.8A/dm2の低電流密度では、複層めっき材の上層めっき時に、下層めっき層の酸化膜を十分に除去できずめっき剥離が発生する。また僅かな頻度ではあるが、鉛付着の品質欠陥も発生する。比較例No.2のように電流密度を5.5A/dm2まで上昇させると、強力な酸洗能力によって、上述のめっき剥離は発生しないが、電極の損傷が促進した結果、鉛付着が発生する。
【0032】
本発明例No.1、No.2はチタン白金電極を採用しており、電流密度:2.8、5.5A/dm2のいずれも、めっき密着性、鉛付着の品質欠陥とも良好となる。
【符号の説明】
【0033】
1 鋼帯
2 酸洗ラインタンク
3 リンスタンク
4 ニッケルラインタンク
5 通電ロール
6 シンクロール
7 電極
8 鉛電極
9 電極
10 硫酸洗浄装置
11 電解酸洗液循環タンク
12 硫酸洗浄液循環タンク
13 めっき液循環タンク
21 電解酸洗液循環経路
22 硫酸洗浄液循環経路
23 めっき液循環経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼帯表面を酸洗するための酸洗ラインタンクと、鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施すニッケルラインタンクとを有し、鋼帯を酸洗した後に鋼帯表面に電気ニッケルめっきを施す鋼帯の電気ニッケルめっき設備であって、
ニッケルラインタンク内に配置された電極に堆積したスラッジを除去するための硫酸洗浄装置を有し、硫酸洗浄実施時には該硫酸洗浄装置を用いてニッケルラインタンク内に硫酸を循環し、
前記酸洗ラインタンクにおいては電解酸洗を行い、酸洗ラインタンク内に電解酸洗のための電極を有し、電解酸洗に際しては電解酸洗液循環タンクに収容した硫酸を酸洗ラインタンク内に循環し、
前記硫酸洗浄装置で用いる硫酸として前記電解酸洗液循環タンクに収容した硫酸を用い、
前記電解酸洗のための電極としてチタン基材表面に白金をめっきした電極を用いることを特徴とする鋼帯の電気ニッケルめっき設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−52212(P2012−52212A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197986(P2010−197986)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)