鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造
【課題】例えば内外二重の函状の鋼殻間にコンクリートやモルタルを充填して形成してなる鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付ける場合の取付構造に係り、上記内装パネルを鋼殻沈埋トンネルの内面に簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることのできる鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造を提供する。
【解決手段】セパレータ2により所定の間隔おいて連結固定した鋼殻1b・1b間にコンクリート等の固結材1cを充填して構築される鋼殻沈埋トンネル1の内面に耐火パネル8等の内装パネルを取付ける場合の取付構造であって、上記セパレータ2のトンネル空間側に突出する端部2bにパネル支持金具7を取付け、そのパネル支持金具7に上記内装パネルを取付け支持させたことを特徴とする。
【解決手段】セパレータ2により所定の間隔おいて連結固定した鋼殻1b・1b間にコンクリート等の固結材1cを充填して構築される鋼殻沈埋トンネル1の内面に耐火パネル8等の内装パネルを取付ける場合の取付構造であって、上記セパレータ2のトンネル空間側に突出する端部2bにパネル支持金具7を取付け、そのパネル支持金具7に上記内装パネルを取付け支持させたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば内外方向に二重に形成した函状の鋼殻間にコンクリートやモルタル等の固結材を充填固化させて構成してなる鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付け支持させる場合の内装パネル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような鋼殻沈埋トンネルは、一般に工場やドッグ等で所定長さに形成した内外方向に二重に形成した函状の鋼殻を岸壁等に係留し、その内外方向に重合する鋼殻を成形用型枠として、その両鋼殻間にコンクリートやモルタル等の固結材を充填してトンネル構造体を構成し、そのトンネル構造体を海底等に順次沈下させて連結ボルト等で接続することによって長尺なトンネル空間を形成するものである。
【0003】
上記のような鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付けることは、従来種々提案されており、例えば下記特許文献1においては、耐火ボードに形成した貫通穴内に溶接部として小さな金属筒体等を設け、その金属筒体等の一端を鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分に溶接することによって、上記パネルを鋼殻沈埋トンネルの内面に取付けることが提案されている。
【0004】
ところが、上記のような耐火ボードの貫通穴内に設けた小さな金属筒体等の一端を鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分に溶接する作業は、繊細かつ煩雑で作業性が悪く、しかも溶接後は上記貫通穴内に不燃材料等を充填して閉塞しなければならので、作業に多大な労力と時間を要し、非能率的で製作コストが増大する等の不具合がある。
【0005】
また上記特許文献1のものは、耐火ボードを鋼殻に直接取付るものであるから、例えば火災発生時の熱で鋼殻が伸びたり、変形したときには、耐火ボードが追従できずに剥離したり割れたりして所期の耐火性能を発揮できなくなるおそれがある。また鋼殻沈埋トンネルは、トンネル延長に際して溶接継目に不陸が生じやすいが、それが内装パネルの表面にまで波及したり、上記の不陸によって耐火ボードを平らに且つ安定性よく取付けるのが難しい等の不具合があった。
【0006】
そこで、本出願人は先に下記特許文献2に記載のように、鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分にスタッドボルトを打設し、そのスタッドボルトにパネル取付金具としての間隔保持金具を取付けると共に、その間隔保持金具を介して耐火パネル等の内装パネルを鋼殻沈埋トンネルの内面に所定の間隔をおいて取付け支持させることを提案した。
【0007】
【特許文献1】特開2003−269097号公報
【特許文献2】特開2006−144477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2のようにスタッドボルトを鋼殻に打設する作業は、前記特許文献1のような貫通穴内に設けた小さな溶接部の一端を鋼殻に溶接する作業に比べ容易ではあるものの、現場で1つずつ所定位置に打設しなければならないので、作業が面倒で施工コストが嵩む等の不具合がある。
【0009】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて提案されたもので、耐火パネル等の内装パネルを鋼殻沈埋トンネルの内面に簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることのできる鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造は以下の構成としたものである。すなわち、セパレータにより所定の間隔おいて連結固定した鋼殻間にコンクリート等の固結材を充填して構築される鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付ける場合の取付構造であって、上記セパレータのトンネル空間側に突出する端部にパネル支持金具を取付け、そのパネル支持金具に上記内装パネルを取付け支持させたことを特徴とする。
【0011】
具体的には、例えば上記セパレータとしては、少なくともトンネル空間側に突出する端部に雄ねじを有するものが用いられ、その雄ねじ部に、上記パネル支持金具を挿通させると共にナットを螺合して、該パネル支持金具を上記セパレータの端部に取付ける。この場合、上記パネル支持金具は上記セパレータの端部に直接取付けるか、あるいは補助金具を介して取付けることもできる。
【発明の効果】
【0012】
鋼殻沈埋トンネルは、前述のように一般に内外方向に重合する函状の鋼殻間にコンクリートやモルタル等の固結材を充填してトンネル構造体を構成するもので、その際、上記鋼殻間を所定の間隔に保つため、或いは上記鋼殻間に充填した固結材の圧力で鋼殻の間隔が広がったり、鋼殻の一部が外方に孕み出すのを防ぐために、隣接する鋼殻を棒状のセパレータで連結して所定の間隔に保つのが一般的であり、そのようなセパレータは通常鋼殻の面方向に所定の間隔をおいて多数設けられている。
【0013】
本発明は上記のような鋼殻沈埋トンネルに設けられるセパレータを利用して耐火パネル等の内装パネルを上記鋼殻沈埋トンネルの内面に取付けるようにしたもので、このような構成としたことによって、前記特許文献1のように耐火ボードの貫通穴内に設けた小さな金属筒体等の溶接部を鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分に溶接したり、特許文献2のように鋼殻部にスタッドボルトを打設することなく、鋼殻沈埋トンネルの内面に内装パネルを簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることが可能となる。
【0014】
特に、上記のようなセパレータは、少なくとも一端側がトンネル空間側に突出すると共に、その突出端部には雄ねじが形成されているのが一般的であり、その雄ねじ部にナットを螺合してパネル支持金具を取付け、そのパネル支持金具に耐火パネル等の内装パネルを取付け支持させると、トンネル側には何ら加工を施したり、構造的に不要なものを取付けることなく、施工性よく内装パネルを取付けることができる。しかも、隣接する鋼殻を所定の間隔に連結固定するための頑丈なセパレータにパネル支持金具を介して内装パネルを取付け支持させるので、パネル支持金具を強固に且つ安定性よく取付けることができると共に、上記内装パネルが支持金具から不用意に離脱したり外れるおそれも少ない。
【0015】
さらに本来は、セパレータの端部ねじ部がトンネル空間側に突出していると邪魔になるため、上記ねじ部はナットを嵌めたら殆ど隠れるぎりぎりの長さにした方が外観上は望ましいが、このようにすると、ボルトとナットの結合強度や安全率が低くなってしまう。これに対し、本発明のようにセパレータのトンネル空間側に突出する端部を利用して内装パネルを取付けると、上記端部が邪魔にならないだけでなく、上記内装パネルで隠蔽されて外観体裁や見栄えが向上すると共に、上記端部を残すことによってボルトとナットの結合強度や安全率を向上させることができる等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0017】
図1〜図4は本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造の一実施形態を示すもので、図1は本発明を適用した鋼殻沈埋トンネルの横断面図、図2(a)〜(c)はそれぞれ図1におけるa〜c部の拡大図、同図(d)は(b)および(c)におけるd部の拡大図、図3(a)は図2(b)および(c)において矢印A方向から見た一部の横断平面図、図3(b)はパネル内面側から見た正面図、図4(a)は図3(a)の一部の拡大図、図4(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図、図5はパネル取付部の斜視図である。
【0018】
図示例の鋼殻沈埋トンネル1は、図1に示すように鋼板等で形成した断面長方形状の外側の鋼殻1a内に、同様に鋼板等で形成した複数個(図の場合は5つ)の内側の鋼殻1bを、それぞれ所定の間隔をおいて配置し、その内外方向および横方向に隣接する鋼殻1b・1a,1b・1b間にコンクリートやモルタル等の固結材1cを充填することによって内部にトンネル空間S1〜S5を有するトンネル構造体Tを形成し、このようなトンネル構造体Tを海底等に順次沈下させ、図に省略した連結ボルト等で順次接続することによって上記のトンネル空間S1〜S5をそれぞれ連続させて設けるようにしたものである。
【0019】
上記の内外方向および横方向に隣接する鋼殻1b・1a,1b・1bは、図2(a)〜(c)に示すように棒状のセパレータ2で互いに連結固定することによって、隣接する鋼殻を所定の間隔に保持すると共に、上記固結材1cを充填する際の圧力で鋼殻がトンネル空間S1〜S5側またはトンネル構造体Tの外側に孕み出すのを防ぐ構成であり、上記セパレータ2は鋼殻1b(1a)の面方向に縦横に所定の間隔をおいて多数設けられている。また上記各セパレータとして、本実施形態においては少なくとも端部の所定長さに雄ねじを有するボルトが用いられ、その端部2aは外側の鋼殻1aに対しては図2(a)の左側に示すように該鋼殻1aに溶接等で固着したナット3にねじ込まれ、内側の鋼殻1bに対しては図2(a)の右側および同図(b)(c)に示すようにを該鋼殻1bを貫通して、その先端部に厚手の金属板よりなるワッシャ4を挿通嵌合すると共に、ナット5をねじ込んだ構成である。
【0020】
そして本発明は、上記のトンネル空間内に突出するセパレータ2を利用して耐火パネル等の内装パネルを取付けるようにしたもので、本実施形態においては上記図1における左右両側の非常用通路等として用いられるトンネル空間S1,S5を除くトンネル空間S2〜S4の内面のほぼ全面に内装パネルとしての耐火パネル8を取付けたものである。なお、トンネル空間の内面の底部に、道路等を形成するためにコンクリートが打設される場合は、このコンクリートがトンネル構造体の耐火被覆を兼ねるので、耐火パネルを取付ける必要はない。
【0021】
また上記耐火パネル8は、上記トンネル空間S2〜S4内に突出するセパレータ2の端部2aにパネル支持金具7を介して取付けたもので、特に図の場合は図3および図4に示すように上記端部2aに取付けた補助金具6を介してパネル支持金具7を取付け、そのパネル支持金具7に上記耐火パネル8を取付け支持させたものである。
【0022】
上記補助金具6は、本実施形態においては図4および図5に示すように所定幅の帯状の金属板の長手方向中央部6a付近が鋼殻1b側に突出する平面凸型形状に屈曲形成したもので、上記中央部6aに形成した取付孔6hに上記セパレータ2の端部2aを挿通し、その端部2aの雄ねじ部にナット9を螺合して、そのナット9と前記ナット5との間に上記補助金具6を挟んで締め付け固定した構成である。
【0023】
一方、上記パネル支持金具7は、図4および図5に示すように上記補助金具6の両端部6b・6bに形成した貫通孔6gにそれぞれボルト11とナット12とで取付けるようにしたもので、上記支持金具7の取付基部7aは断面コ字形に形成され、そのコ字形の基部7aの縦片に上記貫通孔6gに対する取付孔7hが設けられている。
【0024】
また上記パネル支持金具7のコ字形の基部7aの上下両端部には、それぞれ上向きの差込片7bと、下向きの差込片7c・7cおよび押え片7dとが一体的に設けられ、その上向きの差込片7bに耐火パネル8の背面下部に設けた係止金具10を、また下向きの差込片7c・7cに耐火パネル2の背面上部に設けた係止金具10を、それぞれ挿入嵌合すると共に、上記差込片7c・7cと、その両者間に設けた上記押え片7dとの間に上記耐火パネル8の背面上部に設けた係止金具10を挟んで固定する構成である。
【0025】
上記係止金具10は、本実施形態においては上記パネル支持金具7の取付位置に対応して各耐火パネル8の背面側の四隅に1つずつ設けられ、その各係止金具10は図4および図5に示すように全体略帯板状に形成され、その長手方向両端部に厚さ方向に段差状に屈曲形成した取付部10aが設けられている。その取付部10aに形成した不図示の取付穴に図4(a)に示すようにボルト13を挿通し、耐火パネル8内に埋設したインサートナット14にねじ込むことによって、上記各係止金具10を耐火パネル8に取付ける構成であり、その各係止金具10の長手方向中央部と耐火パネル8との間にはスリット状の隙間が形成され、その隙間内に前記パネル支持金具7の差込片7b・7cを差し込んで係合保持させる構成である。
【0026】
なお、図3において、符号15は図で左右方向(トンネル長手方向)に隣接する耐火パネル接合部を塞ぐための敷目板で、本実施形態においては耐火パネル8と同材質の耐火材が用いられ、上記接合部の背面側に接着材等で固着すると共に、上記耐火パネル8とセパレータ2の端部2aとの間に狭持されている。
【0027】
上記のように本発明においては、隣接する鋼殻1b・1b(1b・1a)の連結固定用のセパレータ2を利用して耐火パネル8を取付けるようにしたから、前記従来のように耐火パネル(耐火ボード)に形成した貫通穴内に小さな金属筒体等を挿入して溶接したり、鋼殻部にスタッドボルトを打設する等の面倒な作業を行うことなくことなく、鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネルを簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることができるものである。
【0028】
なお、上記実施形態は、耐火パネル8の四隅を取付けるようにしたが、必要に応じて耐火パネル8の中央部をも取付け支持させるようにしてもよい。図6〜図8はその一例を示すもので、本例は耐火パネル8の四隅を上記実施形態と同様の要領でセパレータ2に取付けると共に、耐火パネル8の上下部の幅方向(図6で左右方向)中央部を上記実施形態と同様の支持金具7と補助金具61とでセパレータ2に取付けたものである。
【0029】
上記補助金具61は、図7に示すように所定幅の帯状の金属板の長手方向中央部61a付近が鋼殻1bと反対側に突出する凹型形状に屈曲形成したもので、その両端部61bに形成した取付孔61hにそれぞれセパレータ2の端部2aを挿通し、その各端部2aの雄ねじ部にそれぞれ前記と同様にナット9を螺合して、そのナット9と前記ナット5との間に上記補助金具61を挟んで締め付け固定した構成である。
【0030】
そして、上記補助金具61の中央部61aに形成した貫通孔61gに前記と同様の支持金具7をボルト11とナット12とで取付け、その支持金具7に対応して耐火パネル8の上下部の幅方向中央部の背面側に設けた各係止金具10と耐火パネル8との間に、前記と同様の要領で支持金具7の差込片7b・7cを挿入すると共に、差込片7c・7cと押さえ片7dとの間に係止金具10を挟んで係合保持させた構成である。なお上記耐火パネル8の四隅は前記と同様の要領でセパレータ2に取付けられている。
【0031】
上記のように耐火パネル8の四隅だけでなく中央部付近も支持金具7等を介してセパレータ2に取付け支持させると、上記耐火パネル8をより確実に且つ安定性よく取付け支持させることができると共に、その場合にもセパレータ2を利用することによって耐火パネル8を簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることが可能となるものである。
【0032】
なお、上記各実施形態は、セパレータ2に補助金具6または61を介して支持金具7を取付けるようにしたが、セパレータ2に支持金具7を直接取付けることもできる。図9〜図11はその一例を示すもので、支持金具7の取付孔7hに前記セパレータ2の端部2aを嵌合し、その端部2aの雄ねじ部にナット9をねじ込んで、そのナット9と前記ナット5との間に支持金具7の基部7aを挟んで取付けると共に、その支持金具9に前記と同様の要領で耐火パネル8を取付けた構成である。前記図6〜図8のように耐火パネルの中央部を取付ける場合も、その中央部付近にセパレータ2があれば同様の要領でセパレータ2に支持金具7を直接取付けることができる。
【0033】
また上記各実施形態は、セパレータ2として両端部にのみ雄ねじを有するものを用いたが、例えば全ねじボルトでもよく、少なくとも耐火パネル等の内装パネルを取付けるトンネル空間側にセパレータ2の端部が突出し、その突出端に雄ねじ部を有するものであれば適用可能である。さらに上記各実施形態は、図1におけるトンネル空間S2〜S4の内面に耐火パネル8を取付けたが、必要に応じて非常用通路等として用いられるトンネル空間S1,S5の内面にも上記と同様の要領で耐火パネル8を取付けることができる。また上記実施形態は内装パネルとして耐火パネルを取付ける場合を例にして説明したが、耐火パネル以外の各種内装パネルを取付ける場合にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造は、鋼殻沈埋トンネルにおいて上下方向または横方向に隣接する鋼殻を所定の間隔に連結固定するためのセパレータを利用して、パネル支持金具を取付け、その支持金具に耐火パネル等の内装パネルを取付け支持させるようにしたから、上記支持金具を取付けるための溶接やスタッドボルトの打設作業が不要となり、内装パネルを簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることが可能となるもので、耐火パネルに限らず、鋼殻沈埋トンネル内面に各種の内装パネルを敷設する場合などに有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した鋼殻沈埋トンネルの横断正面図。
【図2】(a)〜(c)は図1におけるa〜c部の拡大図、(d)は(b)および(c)におけるd部の拡大図。
【図3】(a)は図2(b)および(c)において矢印A方向から見た一部の横断平面図、(b)はパネルの内面側から見た図。
【図4】(a)は図3(a)の一部の拡大図、(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図。
【図5】パネル取付部の斜視図。
【図6】(a)は本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造の他の実施形態を示す横断平面図、(b)はパネルの内面側から見た図。
【図7】(a)は図6(a)の一部の拡大図、(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図。
【図8】パネル取付部の斜視図。
【図9】(a)は本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造の更に他の実施形態を示す横断平面図、(b)はパネルの内面側から見た図。
【図10】(a)は図9(a)の一部の拡大図、(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図。
【図11】パネル取付部の斜視図。
【符号の説明】
【0036】
1 鋼殻沈埋トンネル
1a、1b 鋼殻
1c 固結材
2 セパレータ
2a 端部
3、5、9、12 ナット
4 ワッシャ
6 補助金具
7 パネル支持金具
7a 基部
7b、7c 差込片
7d 押え片
7h 取付孔
8 耐火パネル(内装パネル)
10 係止金具
10a 取付部
11、13 ボルト
14 インサートナット
T トンネル構造体
S1〜S5 トンネル空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば内外方向に二重に形成した函状の鋼殻間にコンクリートやモルタル等の固結材を充填固化させて構成してなる鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付け支持させる場合の内装パネル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような鋼殻沈埋トンネルは、一般に工場やドッグ等で所定長さに形成した内外方向に二重に形成した函状の鋼殻を岸壁等に係留し、その内外方向に重合する鋼殻を成形用型枠として、その両鋼殻間にコンクリートやモルタル等の固結材を充填してトンネル構造体を構成し、そのトンネル構造体を海底等に順次沈下させて連結ボルト等で接続することによって長尺なトンネル空間を形成するものである。
【0003】
上記のような鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付けることは、従来種々提案されており、例えば下記特許文献1においては、耐火ボードに形成した貫通穴内に溶接部として小さな金属筒体等を設け、その金属筒体等の一端を鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分に溶接することによって、上記パネルを鋼殻沈埋トンネルの内面に取付けることが提案されている。
【0004】
ところが、上記のような耐火ボードの貫通穴内に設けた小さな金属筒体等の一端を鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分に溶接する作業は、繊細かつ煩雑で作業性が悪く、しかも溶接後は上記貫通穴内に不燃材料等を充填して閉塞しなければならので、作業に多大な労力と時間を要し、非能率的で製作コストが増大する等の不具合がある。
【0005】
また上記特許文献1のものは、耐火ボードを鋼殻に直接取付るものであるから、例えば火災発生時の熱で鋼殻が伸びたり、変形したときには、耐火ボードが追従できずに剥離したり割れたりして所期の耐火性能を発揮できなくなるおそれがある。また鋼殻沈埋トンネルは、トンネル延長に際して溶接継目に不陸が生じやすいが、それが内装パネルの表面にまで波及したり、上記の不陸によって耐火ボードを平らに且つ安定性よく取付けるのが難しい等の不具合があった。
【0006】
そこで、本出願人は先に下記特許文献2に記載のように、鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分にスタッドボルトを打設し、そのスタッドボルトにパネル取付金具としての間隔保持金具を取付けると共に、その間隔保持金具を介して耐火パネル等の内装パネルを鋼殻沈埋トンネルの内面に所定の間隔をおいて取付け支持させることを提案した。
【0007】
【特許文献1】特開2003−269097号公報
【特許文献2】特開2006−144477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2のようにスタッドボルトを鋼殻に打設する作業は、前記特許文献1のような貫通穴内に設けた小さな溶接部の一端を鋼殻に溶接する作業に比べ容易ではあるものの、現場で1つずつ所定位置に打設しなければならないので、作業が面倒で施工コストが嵩む等の不具合がある。
【0009】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて提案されたもので、耐火パネル等の内装パネルを鋼殻沈埋トンネルの内面に簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることのできる鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造は以下の構成としたものである。すなわち、セパレータにより所定の間隔おいて連結固定した鋼殻間にコンクリート等の固結材を充填して構築される鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付ける場合の取付構造であって、上記セパレータのトンネル空間側に突出する端部にパネル支持金具を取付け、そのパネル支持金具に上記内装パネルを取付け支持させたことを特徴とする。
【0011】
具体的には、例えば上記セパレータとしては、少なくともトンネル空間側に突出する端部に雄ねじを有するものが用いられ、その雄ねじ部に、上記パネル支持金具を挿通させると共にナットを螺合して、該パネル支持金具を上記セパレータの端部に取付ける。この場合、上記パネル支持金具は上記セパレータの端部に直接取付けるか、あるいは補助金具を介して取付けることもできる。
【発明の効果】
【0012】
鋼殻沈埋トンネルは、前述のように一般に内外方向に重合する函状の鋼殻間にコンクリートやモルタル等の固結材を充填してトンネル構造体を構成するもので、その際、上記鋼殻間を所定の間隔に保つため、或いは上記鋼殻間に充填した固結材の圧力で鋼殻の間隔が広がったり、鋼殻の一部が外方に孕み出すのを防ぐために、隣接する鋼殻を棒状のセパレータで連結して所定の間隔に保つのが一般的であり、そのようなセパレータは通常鋼殻の面方向に所定の間隔をおいて多数設けられている。
【0013】
本発明は上記のような鋼殻沈埋トンネルに設けられるセパレータを利用して耐火パネル等の内装パネルを上記鋼殻沈埋トンネルの内面に取付けるようにしたもので、このような構成としたことによって、前記特許文献1のように耐火ボードの貫通穴内に設けた小さな金属筒体等の溶接部を鋼殻沈埋トンネルの鋼殻部分に溶接したり、特許文献2のように鋼殻部にスタッドボルトを打設することなく、鋼殻沈埋トンネルの内面に内装パネルを簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることが可能となる。
【0014】
特に、上記のようなセパレータは、少なくとも一端側がトンネル空間側に突出すると共に、その突出端部には雄ねじが形成されているのが一般的であり、その雄ねじ部にナットを螺合してパネル支持金具を取付け、そのパネル支持金具に耐火パネル等の内装パネルを取付け支持させると、トンネル側には何ら加工を施したり、構造的に不要なものを取付けることなく、施工性よく内装パネルを取付けることができる。しかも、隣接する鋼殻を所定の間隔に連結固定するための頑丈なセパレータにパネル支持金具を介して内装パネルを取付け支持させるので、パネル支持金具を強固に且つ安定性よく取付けることができると共に、上記内装パネルが支持金具から不用意に離脱したり外れるおそれも少ない。
【0015】
さらに本来は、セパレータの端部ねじ部がトンネル空間側に突出していると邪魔になるため、上記ねじ部はナットを嵌めたら殆ど隠れるぎりぎりの長さにした方が外観上は望ましいが、このようにすると、ボルトとナットの結合強度や安全率が低くなってしまう。これに対し、本発明のようにセパレータのトンネル空間側に突出する端部を利用して内装パネルを取付けると、上記端部が邪魔にならないだけでなく、上記内装パネルで隠蔽されて外観体裁や見栄えが向上すると共に、上記端部を残すことによってボルトとナットの結合強度や安全率を向上させることができる等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0017】
図1〜図4は本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造の一実施形態を示すもので、図1は本発明を適用した鋼殻沈埋トンネルの横断面図、図2(a)〜(c)はそれぞれ図1におけるa〜c部の拡大図、同図(d)は(b)および(c)におけるd部の拡大図、図3(a)は図2(b)および(c)において矢印A方向から見た一部の横断平面図、図3(b)はパネル内面側から見た正面図、図4(a)は図3(a)の一部の拡大図、図4(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図、図5はパネル取付部の斜視図である。
【0018】
図示例の鋼殻沈埋トンネル1は、図1に示すように鋼板等で形成した断面長方形状の外側の鋼殻1a内に、同様に鋼板等で形成した複数個(図の場合は5つ)の内側の鋼殻1bを、それぞれ所定の間隔をおいて配置し、その内外方向および横方向に隣接する鋼殻1b・1a,1b・1b間にコンクリートやモルタル等の固結材1cを充填することによって内部にトンネル空間S1〜S5を有するトンネル構造体Tを形成し、このようなトンネル構造体Tを海底等に順次沈下させ、図に省略した連結ボルト等で順次接続することによって上記のトンネル空間S1〜S5をそれぞれ連続させて設けるようにしたものである。
【0019】
上記の内外方向および横方向に隣接する鋼殻1b・1a,1b・1bは、図2(a)〜(c)に示すように棒状のセパレータ2で互いに連結固定することによって、隣接する鋼殻を所定の間隔に保持すると共に、上記固結材1cを充填する際の圧力で鋼殻がトンネル空間S1〜S5側またはトンネル構造体Tの外側に孕み出すのを防ぐ構成であり、上記セパレータ2は鋼殻1b(1a)の面方向に縦横に所定の間隔をおいて多数設けられている。また上記各セパレータとして、本実施形態においては少なくとも端部の所定長さに雄ねじを有するボルトが用いられ、その端部2aは外側の鋼殻1aに対しては図2(a)の左側に示すように該鋼殻1aに溶接等で固着したナット3にねじ込まれ、内側の鋼殻1bに対しては図2(a)の右側および同図(b)(c)に示すようにを該鋼殻1bを貫通して、その先端部に厚手の金属板よりなるワッシャ4を挿通嵌合すると共に、ナット5をねじ込んだ構成である。
【0020】
そして本発明は、上記のトンネル空間内に突出するセパレータ2を利用して耐火パネル等の内装パネルを取付けるようにしたもので、本実施形態においては上記図1における左右両側の非常用通路等として用いられるトンネル空間S1,S5を除くトンネル空間S2〜S4の内面のほぼ全面に内装パネルとしての耐火パネル8を取付けたものである。なお、トンネル空間の内面の底部に、道路等を形成するためにコンクリートが打設される場合は、このコンクリートがトンネル構造体の耐火被覆を兼ねるので、耐火パネルを取付ける必要はない。
【0021】
また上記耐火パネル8は、上記トンネル空間S2〜S4内に突出するセパレータ2の端部2aにパネル支持金具7を介して取付けたもので、特に図の場合は図3および図4に示すように上記端部2aに取付けた補助金具6を介してパネル支持金具7を取付け、そのパネル支持金具7に上記耐火パネル8を取付け支持させたものである。
【0022】
上記補助金具6は、本実施形態においては図4および図5に示すように所定幅の帯状の金属板の長手方向中央部6a付近が鋼殻1b側に突出する平面凸型形状に屈曲形成したもので、上記中央部6aに形成した取付孔6hに上記セパレータ2の端部2aを挿通し、その端部2aの雄ねじ部にナット9を螺合して、そのナット9と前記ナット5との間に上記補助金具6を挟んで締め付け固定した構成である。
【0023】
一方、上記パネル支持金具7は、図4および図5に示すように上記補助金具6の両端部6b・6bに形成した貫通孔6gにそれぞれボルト11とナット12とで取付けるようにしたもので、上記支持金具7の取付基部7aは断面コ字形に形成され、そのコ字形の基部7aの縦片に上記貫通孔6gに対する取付孔7hが設けられている。
【0024】
また上記パネル支持金具7のコ字形の基部7aの上下両端部には、それぞれ上向きの差込片7bと、下向きの差込片7c・7cおよび押え片7dとが一体的に設けられ、その上向きの差込片7bに耐火パネル8の背面下部に設けた係止金具10を、また下向きの差込片7c・7cに耐火パネル2の背面上部に設けた係止金具10を、それぞれ挿入嵌合すると共に、上記差込片7c・7cと、その両者間に設けた上記押え片7dとの間に上記耐火パネル8の背面上部に設けた係止金具10を挟んで固定する構成である。
【0025】
上記係止金具10は、本実施形態においては上記パネル支持金具7の取付位置に対応して各耐火パネル8の背面側の四隅に1つずつ設けられ、その各係止金具10は図4および図5に示すように全体略帯板状に形成され、その長手方向両端部に厚さ方向に段差状に屈曲形成した取付部10aが設けられている。その取付部10aに形成した不図示の取付穴に図4(a)に示すようにボルト13を挿通し、耐火パネル8内に埋設したインサートナット14にねじ込むことによって、上記各係止金具10を耐火パネル8に取付ける構成であり、その各係止金具10の長手方向中央部と耐火パネル8との間にはスリット状の隙間が形成され、その隙間内に前記パネル支持金具7の差込片7b・7cを差し込んで係合保持させる構成である。
【0026】
なお、図3において、符号15は図で左右方向(トンネル長手方向)に隣接する耐火パネル接合部を塞ぐための敷目板で、本実施形態においては耐火パネル8と同材質の耐火材が用いられ、上記接合部の背面側に接着材等で固着すると共に、上記耐火パネル8とセパレータ2の端部2aとの間に狭持されている。
【0027】
上記のように本発明においては、隣接する鋼殻1b・1b(1b・1a)の連結固定用のセパレータ2を利用して耐火パネル8を取付けるようにしたから、前記従来のように耐火パネル(耐火ボード)に形成した貫通穴内に小さな金属筒体等を挿入して溶接したり、鋼殻部にスタッドボルトを打設する等の面倒な作業を行うことなくことなく、鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネルを簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることができるものである。
【0028】
なお、上記実施形態は、耐火パネル8の四隅を取付けるようにしたが、必要に応じて耐火パネル8の中央部をも取付け支持させるようにしてもよい。図6〜図8はその一例を示すもので、本例は耐火パネル8の四隅を上記実施形態と同様の要領でセパレータ2に取付けると共に、耐火パネル8の上下部の幅方向(図6で左右方向)中央部を上記実施形態と同様の支持金具7と補助金具61とでセパレータ2に取付けたものである。
【0029】
上記補助金具61は、図7に示すように所定幅の帯状の金属板の長手方向中央部61a付近が鋼殻1bと反対側に突出する凹型形状に屈曲形成したもので、その両端部61bに形成した取付孔61hにそれぞれセパレータ2の端部2aを挿通し、その各端部2aの雄ねじ部にそれぞれ前記と同様にナット9を螺合して、そのナット9と前記ナット5との間に上記補助金具61を挟んで締め付け固定した構成である。
【0030】
そして、上記補助金具61の中央部61aに形成した貫通孔61gに前記と同様の支持金具7をボルト11とナット12とで取付け、その支持金具7に対応して耐火パネル8の上下部の幅方向中央部の背面側に設けた各係止金具10と耐火パネル8との間に、前記と同様の要領で支持金具7の差込片7b・7cを挿入すると共に、差込片7c・7cと押さえ片7dとの間に係止金具10を挟んで係合保持させた構成である。なお上記耐火パネル8の四隅は前記と同様の要領でセパレータ2に取付けられている。
【0031】
上記のように耐火パネル8の四隅だけでなく中央部付近も支持金具7等を介してセパレータ2に取付け支持させると、上記耐火パネル8をより確実に且つ安定性よく取付け支持させることができると共に、その場合にもセパレータ2を利用することによって耐火パネル8を簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることが可能となるものである。
【0032】
なお、上記各実施形態は、セパレータ2に補助金具6または61を介して支持金具7を取付けるようにしたが、セパレータ2に支持金具7を直接取付けることもできる。図9〜図11はその一例を示すもので、支持金具7の取付孔7hに前記セパレータ2の端部2aを嵌合し、その端部2aの雄ねじ部にナット9をねじ込んで、そのナット9と前記ナット5との間に支持金具7の基部7aを挟んで取付けると共に、その支持金具9に前記と同様の要領で耐火パネル8を取付けた構成である。前記図6〜図8のように耐火パネルの中央部を取付ける場合も、その中央部付近にセパレータ2があれば同様の要領でセパレータ2に支持金具7を直接取付けることができる。
【0033】
また上記各実施形態は、セパレータ2として両端部にのみ雄ねじを有するものを用いたが、例えば全ねじボルトでもよく、少なくとも耐火パネル等の内装パネルを取付けるトンネル空間側にセパレータ2の端部が突出し、その突出端に雄ねじ部を有するものであれば適用可能である。さらに上記各実施形態は、図1におけるトンネル空間S2〜S4の内面に耐火パネル8を取付けたが、必要に応じて非常用通路等として用いられるトンネル空間S1,S5の内面にも上記と同様の要領で耐火パネル8を取付けることができる。また上記実施形態は内装パネルとして耐火パネルを取付ける場合を例にして説明したが、耐火パネル以外の各種内装パネルを取付ける場合にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造は、鋼殻沈埋トンネルにおいて上下方向または横方向に隣接する鋼殻を所定の間隔に連結固定するためのセパレータを利用して、パネル支持金具を取付け、その支持金具に耐火パネル等の内装パネルを取付け支持させるようにしたから、上記支持金具を取付けるための溶接やスタッドボルトの打設作業が不要となり、内装パネルを簡単・確実に且つ容易・安価に取付けることが可能となるもので、耐火パネルに限らず、鋼殻沈埋トンネル内面に各種の内装パネルを敷設する場合などに有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した鋼殻沈埋トンネルの横断正面図。
【図2】(a)〜(c)は図1におけるa〜c部の拡大図、(d)は(b)および(c)におけるd部の拡大図。
【図3】(a)は図2(b)および(c)において矢印A方向から見た一部の横断平面図、(b)はパネルの内面側から見た図。
【図4】(a)は図3(a)の一部の拡大図、(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図。
【図5】パネル取付部の斜視図。
【図6】(a)は本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造の他の実施形態を示す横断平面図、(b)はパネルの内面側から見た図。
【図7】(a)は図6(a)の一部の拡大図、(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図。
【図8】パネル取付部の斜視図。
【図9】(a)は本発明による鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造の更に他の実施形態を示す横断平面図、(b)はパネルの内面側から見た図。
【図10】(a)は図9(a)の一部の拡大図、(b)および(c)は(a)におけるb−bおよびc−c断面図。
【図11】パネル取付部の斜視図。
【符号の説明】
【0036】
1 鋼殻沈埋トンネル
1a、1b 鋼殻
1c 固結材
2 セパレータ
2a 端部
3、5、9、12 ナット
4 ワッシャ
6 補助金具
7 パネル支持金具
7a 基部
7b、7c 差込片
7d 押え片
7h 取付孔
8 耐火パネル(内装パネル)
10 係止金具
10a 取付部
11、13 ボルト
14 インサートナット
T トンネル構造体
S1〜S5 トンネル空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータにより所定の間隔をおいて連結固定した鋼殻間にコンクリート等の固結材を充填して構築される鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付ける場合の取付構造であって、
上記セパレータのトンネル空間側に突出する端部にパネル支持金具を取付け、そのパネル支持金具に上記内装パネルを取付け支持させたことを特徴とする鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造。
【請求項2】
上記セパレータは、少なくともトンネル空間側に突出する端部に雄ねじを有し、その雄ねじ部に、上記パネル支持金具を挿通させると共にナットを螺合して、該パネル支持金具を上記セパレータの端部に取付けてなる請求項1に記載の鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造。
【請求項3】
上記パネル支持金具は補助金具を介して上記セパレータの端部に取付けてなる請求項1または2に記載の鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造。
【請求項1】
セパレータにより所定の間隔をおいて連結固定した鋼殻間にコンクリート等の固結材を充填して構築される鋼殻沈埋トンネルの内面に耐火パネル等の内装パネルを取付ける場合の取付構造であって、
上記セパレータのトンネル空間側に突出する端部にパネル支持金具を取付け、そのパネル支持金具に上記内装パネルを取付け支持させたことを特徴とする鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造。
【請求項2】
上記セパレータは、少なくともトンネル空間側に突出する端部に雄ねじを有し、その雄ねじ部に、上記パネル支持金具を挿通させると共にナットを螺合して、該パネル支持金具を上記セパレータの端部に取付けてなる請求項1に記載の鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造。
【請求項3】
上記パネル支持金具は補助金具を介して上記セパレータの端部に取付けてなる請求項1または2に記載の鋼殻沈埋トンネル内面への内装パネル取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−82052(P2008−82052A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264297(P2006−264297)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(500072862)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【出願人】(000126609)株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(500072862)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【出願人】(000126609)株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【Fターム(参考)】
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