説明

鋼管杭と、該鋼管杭を用いる杭基礎工法

【課題】施工の手間を減らし、鉄筋籠を支持してその位置固定を確実にする上、水平方向からより強い支持力を得ることができる鋼管杭と、該鋼管杭を用いる杭基礎工法とを提供する。
【解決手段】上下に垂直に延伸している中空管状体3の上部と下部を分離する仕切り板33を設け、下部の管状壁32に、複数の連通孔35を中空管状体3の管内、管外を連通させるように開け、中空管状体3の上端は、キャップ31により封止し鋼管杭とした。この鋼管杭を杭孔に打設したコンクリート中に挿入し、コンクリート硬化後キャップを取り外し、鉄筋籠の挿入後コンクリートを打設して、上部との接続を容易に可能とする杭基礎工法とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋼管杭と、該鋼管杭を用いる杭基礎工法と、に関し、特に、横方向にある地盤との結合力が高くて且つ杭頭処理が不要な鋼管杭と、該鋼管杭を用いる杭基礎工法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の基礎を構築するための杭基礎工法として、例えば非特許文献1に記載の方法がある。従来では、例えば図7における(a)〜(e)の手順で行われる埋め込み杭工法がある。
【0003】
手順(a)では、まず掘削機により地盤に竪穴21を掘削する。それから手順(b)にて掘削した竪穴21に生コンクリート100を注入した後、手順(c)において竪穴21の内径より細い鋼管杭11を竪穴21に押し込む。鋼管杭11の押し込みにより、竪穴21内にあった生コンクリート100は、主に、鋼管杭11の押し込みと共に鋼管杭11の下端開口から鋼管杭内に流し込まれるが、一部が鋼管杭11の外表面と竪穴21の内壁との間にある隙間に沿って、地盤における竪穴21の周囲にある土などの不純物と混ざり合いながら上昇し、鋼管杭11の上端側から溢れ出して鋼管杭11の上端開口から管内に流れ込んで貧配合コンクリート101となる。
【0004】
それから14日ほどの養生期を経て生コンクリート100が凝固した後、手順(d)において、杭頭処理を行い、即ち、鋼管杭11の上端部分周辺の土や鋼管杭内外の貧配合コンクリート101などを取り除いてから、鋼管杭11内に鉄筋籠22を設置し、鋼管杭11の上端面を横断するように置かれるサポータ23で鉄筋籠22の位置を仮固定する。
【0005】
最後に、鉄筋籠22が設置されている鋼管杭11内に生コンクリート102を注入し、生コンクリート102が凝固すると、構造物の杭基礎は完成する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】蕭 文達、“土木施工学 第六章 基椿工程”、[online]、2007年10月12日、朝陽科技大学、[2011年9月29日検索]、インターネット〈URL:http://www.cyut.edu.tw/~wdshiau/teach/land/CH6.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記埋め込み杭工法では、使用される鋼管杭11の上端111が開口しているため、鋼管杭11の押し込みにより生コンクリート100と地盤における竪穴21の周囲の土とが混合してなった貧配合コンクリート101は、該上端開口から鋼管杭11の管内に流れ込むので、手順(d)にて管内に流れ込んだ貧配合コンクリート101を取り除く杭頭処理を行う必要がある。
【0008】
また、このような埋め込み杭工法では、鉄筋籠22は、該鉄筋籠を仮固定するためのサポータ23にぶら下がるようになるので、重量がほぼ全て該サポータ23により支持され、サポータ23に相当なせん断応力がかかる上、最後の生コンクリート注入工程においても、位置が確実に制限されず、理想位置からずれる可能性が大きい。
【0009】
更に、図8に示されているように、このような埋め込み杭工法に使用される鋼管杭11は、真っ直ぐ延伸する鋼管杭11が使用され、外表面に凹凸などがなく、地盤からの水平的支持力(即ち地盤からの固定力)が弱い。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みて、施工の手間を減らし、鉄筋籠を支持してその位置固定を確実にする上、水平方向からより強い支持力を得ることができる鋼管杭と、該鋼管杭を用いる杭基礎工法と、の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明は、上下に垂直に延伸している中空管状体に、複数の連通孔が前記中空管状体の管内、管外を連通させるように開けられていると共に、前記中空管状体の上端は、キャップにより封止されていることを特徴とする鋼管杭を提供する。
【0012】
上記鋼管杭において、前記中空管状体の管内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板を更に有し、すべての前記連通孔は、前記仕切板の下側に形成されていることが好ましい。
【0013】
上記鋼管杭において、前記仕切板の上側に、2つの設置孔が互いに向き合うように開けられていることが好ましい。
【0014】
また、上記鋼管杭において、前記仕切板は水平に形成された板状体であり、前記仕切板から前記中空管状体の上端までの距離が、前記仕切板から前記中空管状体の下端までの距離よりも短くなるように設定することが好ましい。
【0015】
上記鋼管杭において、前記仕切板から前記中空管状体の上端までの距離は略2000mmに設定することが好ましい。
【0016】
また、本発明は、上記鋼管杭を用いる杭基礎工法をも提供する。
【0017】
即ち、地面に開口をなす上、該開口から地中へ、上記本発明の鋼管杭の全長に対応する深さまで真っ直ぐに延伸する竪穴を掘削する掘削ステップと、
掘削した前記竪穴に生コンクリートを打設する第1コンクリート打設ステップと、
打設した生コンクリートが凝固する前に、前記鋼管杭の上端一部が露出するように、前記鋼管杭を前記竪穴内に挿し込む鋼管杭挿入ステップと、
打設した生コンクリートが凝固した後、前記鋼管杭のキャップを除去するキャップ除去ステップと、
前記キャップが除去された前記鋼管杭の上端一部の内側にある空間内に鉄筋籠を設置する鉄筋籠設置ステップと、
鉄筋籠を設置した前記空間内にコンクリートを打設して凝固させる第2コンクリート打設ステップと、を順番に実行する杭基礎工法をも提供する。
【0018】
上記杭基礎工法において、前記鋼管杭が露出している上端一部の長さは、前記鋼管杭における上部空間の長さと一致し、また、前記鉄筋籠設置ステップは、前記鉄筋籠を下から前記仕切板に受けられるように前記上部空間内に設置してから、固定手段を前記中空管状体の外側から前記2つの設置孔における1つの設置孔を経由して前記中空管状体の内側へ挿し込み、前記鉄筋籠の隙間を通過して前記2つの設置孔における他の1つの設置孔を経由してまた前記中空管状体の外側に突出するように設置して、前記中空管状体及び前記鉄筋籠を共に貫通することにより、該鉄筋籠の位置を仮固定することが好ましい。
【0019】
更に、前記コンクリートにおけるセメントとして膨張セメントを使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
上記構成により、本発明の鋼管杭は、本発明の杭基礎工法において、コンクリートが注入された竪穴に押し込まれる時、該鋼管杭の外表面と前記竪穴の内表面との間の生コンクリートが地盤における竪穴の内表面にある土と混合して一体になり(以下土―コンクリート混合体と称す)、また該鋼管杭の下端開口より内側に押し込まれるコンクリートが連通孔を経由して該鋼管杭外の前記土―コンクリート混合体と連結することができるため、コンクリート全体が凝固すると、鋼管杭の内側にあるコンクリートと外側にある土―コンクリート混合体とは、各連通孔を経由して一体化するので、竪穴の周辺にある地盤からの水平支持力は、従来の方法より強くなる。
【0021】
また、中空管状体の上端は、キャップにより封止されているので、鋼管杭の押し込みと共に鋼管杭の外表面と竪穴の内壁との間にある隙間に沿って、竪穴の周囲の土と混合しながら上昇するコンクリートの一部が鋼管杭の上端開口から鋼管杭内に流れ込んで貧配合コンクリートになることがないので、本発明の杭基礎工法では、該貧配合コンクリートを取り除く手間を省くことができる。
【0022】
また、前記2つの設置孔の形成により、鉄筋籠を仮固定する固定手段を該2つの設置孔を経由して鋼管杭を横断させると共に鉄筋籠を保持させることができ、そして、前記第2コンクリート打設ステップで鋼管杭の管内にコンクリートが充満する時、注入されたコンクリートは該2つの設置孔にも浸入して凝固するので、鉄筋籠に対する支持力を高めることができる。
【0023】
更に、前記仕切板の形成により、前記鉄筋籠設置ステップにおいて、鉄筋籠を下から該仕切板に受けられるように前記上部空間内に設置してから、固定手段を挿し込むことができるので、鉄筋籠は、その重量がせん断応力になって固定手段にかからない上、前記第2コンクリート打設ステップにおいても、生コンクリートの注入に移動されず、正当な位置に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の鋼管杭の第1の好ましい実施形態の断面図である。
【図2】本発明の鋼管杭の第1の好ましい実施形態の一部拡大断面図である。
【図3】本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法のフローチャートである。
【図4A】本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法の各手順に対応する説明図である。
【図4B】本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法の各手順に対応する説明図である。
【図4C】本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法の各手順に対応する説明図である。
【図4D】本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法の各手順に対応する説明図である。
【図4E】本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法の各手順に対応する説明図である。
【図4F】本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法の各手順に対応する説明図である。
【図5】鉄筋籠及びその固定手段の設置状態が示されている拡大断面図である。
【図6】本発明の鋼管杭の第2の好ましい実施形態の一部拡大断面図である。
【図7】従来の杭基礎工法の一例が示されている説明図である。
【図8】図7の杭基礎工法例に使用される鋼管杭の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では各図面を参照しながら、本発明の鋼管杭及び該鋼管杭を用いる杭基礎工法について詳しく説明する。
【0026】
図1は、本発明の鋼管杭の第1の好ましい実施形態の断面図であり、図2は、該鋼管杭の一部拡大断面図である。
【0027】
図示されているように、本発明の鋼管杭の第1の好ましい実施形態は、上下に垂直に延伸する管状壁32を有する中空管状体3に、該管状壁32を貫通する複数の連通孔35が中空管状体3の管内、管外を連通させるように開けられていると共に、該中空管状体3の上端は、キャップ31により封止されるように構成されている。
【0028】
また、該中空管状体3は、その管内空間36を上部空間361と下部空間363とに仕切る仕切板33を更に有しており、すべての連通孔35は、仕切板33より下側に形成されている。
【0029】
更に、仕切板33より上側に、2つの設置孔34が互いに向き合うように開けられている。
【0030】
この第1の実施形態において、仕切板33は水平に形成された板状体であると共に、仕切板33から中空管状体3の上端までの距離が、仕切板33から中空管状体3の下端までの距離よりも短くなるように配置されている。即ち、仕切板33は、上部空間361の上下方向での長さが、下部空間363の上下方向での長さより短くなるように中空管状体3の管内に配置されている。ちなみに、この第1の実施形態において、仕切板33から中空管状体3の上端までの距離は、略2000mmに設定されている。
【0031】
続いて、図3〜図5を用いて、本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法について詳しく説明する。上記本発明の鋼管杭の各構成の効果については、杭基礎工法の説明と共に説明する。
【0032】
図3は、本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法のフローチャートであり、図4A〜図4Fには各手順に対応する説明図が示されており、図5は、鉄筋籠53及びその固定手段54(後述参照)の設置状態が示されている拡大断面図である。
【0033】
図3のフローチャートに示されているように、本発明の鋼管杭を用いる杭基礎工法は、掘削ステップ41と、第1コンクリート打設ステップ42と、鋼管杭挿入ステップ43と、キャップ除去ステップ44と、鉄筋籠設置ステップ45と、第2コンクリート打設ステップ46と、に分けることができる。
【0034】
図4Aは、掘削ステップ41に対応しており、この掘削ステップ41では地面から地中へ真っ直ぐに延伸する竪穴51を掘削する。竪穴51の長さは、上記本発明の鋼管杭の全長に対応して仕切板33より下側の下部空間363の長さと一致すると共に、内径が鋼管杭の外径より少し大きくなるように掘削される。
【0035】
図4Bは、第1コンクリート打設ステップ42に対応しており、図示されているように、この第1コンクリート打設ステップ42では掘削した竪穴51に、膨張セメントを使用する生コンクリート52を打設する。竪穴51に打設される生コンクリート52の量は竪穴51内の空間の容積より少なく、地面にある竪穴51の開口から溢れ出さないように制御することによって、生コンクリート52のコストを抑えることができる。このステップにおいて使用する生コンクリート52は、例えば水とセメントとが1:1の比で混合されたもの、または更に砂や砂利を加えたものを使用することができる。
【0036】
図4Cは、鋼管杭挿入ステップ43に対応しており、この鋼管杭挿入ステップ43では、第1コンクリート打設ステップ42において打設した生コンクリート52が凝固する前に、上記鋼管杭を竪穴51内に挿し込む、または押し込む工程である。
【0037】
この工程において、竪穴51に打設された生コンクリート52は、主に、鋼管杭の挿入と共に連通孔35の下開口から下部空間363に浸入し、下部空間363内にあった空気を連通孔35を経由して外部に逃がしてから、一部が連通孔35から押し出されて鋼管杭外の生コンクリート52と合流する。従って、中空管状体3の管内、管外にある生コンクリート52は、連通孔35を経由して繋がるようになっており、凝固して一体化するようになる。また、鋼管杭外の生コンクリート52は、この工程において地盤におけるこの竪穴51の内周面にある土とも若干混合して土―コンクリート混合体になるので、生コンクリート52が凝固した後の鋼管杭は、中空管状体3の内外にそれぞれあるコンクリートの強い結合によって地盤に強く固定されるようになる。
【0038】
また、本発明の鋼管杭は、中空管状体3の上端を封止するキャップ31を備えているので、鋼管杭の挿し込み/押し込みにより生コンクリート52と竪穴51の周囲の土とが混合してなった貧配合コンクリートが中空管状体3の上方から浸入するのを防ぐことができ、杭頭処理を行う必要がなくなる。
【0039】
更に、上記のように、竪穴51の長さは、本発明の鋼管杭の全長に対応して仕切板33より下側の下部空間363の長さと一致しているので、仕切板33の位置は、地面と略一致するようになり、そして上部空間361に対応する部分はすべて地面から露出するようになる。即ち、本発明の鋼管杭が露出している上端一部の長さは、上部空間361の長さと一致している。
【0040】
図4Dは、キャップ除去ステップ44に対応しており、このキャップ除去ステップ44は、打設した生コンクリート52が凝固した後に行われ、鋼管杭のキャップ31を除去する工程である。
【0041】
図4Eは、鉄筋籠設置ステップ45に対応しており、この鉄筋籠設置ステップ45では鉄筋籠53及びその固定手段54が設置される。
【0042】
図5は、図4Eにおける鋼管杭の上部空間361周辺の拡大図であり、図示されているように、キャップ31が除去された鋼管杭の上部空間361に、仕切板33の上面に置くように鉄筋籠53を設置してから、固定手段54としての横方向鉄筋を中空管状体3の外側から2つの設置孔34における1つの設置孔34aを経由して中空管状体3の内側へ挿し込み、鉄筋籠53の内部を通過して2つの設置孔34における他の1つの設置孔34bを経由してまた中空管状体3の外側に突出するように設置して、中空管状体3及び鉄筋籠53を共に貫通することにより、下記の第2コンクリート打設ステップ46において生コンクリート55の注入によって該鉄筋籠53の位置が動かされないように仮固定する。
【0043】
ちなみに、この鉄筋籠設置ステップ45において設置される鉄筋籠53は、地面に建築予定の構造物と繋がるための複数の鉄筋を中空管状体3の上端開口から上方へ突出するように有している。
【0044】
図4Fは、第2コンクリート打設ステップ46に対応しており、この第2コンクリート打設ステップ46では、鉄筋籠53の設置が完了した上部空間361を充満するように生コンクリート55を打設して凝固させる工程である。
【0045】
このように、本発明の鋼管杭は、複数の連通孔35を有しているので、中空管状体3の管内、管外にある生コンクリート52は、連通孔35を経由して繋がるようになって、凝固して一体化するようになり、横方向にある土との結合力、摩擦力を強めることができる。
【0046】
また、本発明の鋼管杭を用いることにより、本発明の杭基礎工法は、中空管状体3の上端を封止するキャップ31が貧配合コンクリートの浸入を防ぐことができるので、杭頭処理を行う必要がなくなる。
【0047】
更に、本発明の杭基礎工法において用いられる鉄筋籠53は、2つの設置孔34を通過する固定手段54により仮固定される上、下からも仕切板33に受けられるので、鉄筋籠53乃至固定手段54の位置ずれを防ぐことができる。
【0048】
図6は、本発明の鋼管杭の第2の好ましい実施形態の一部拡大断面図である。図示されているように、本発明の鋼管杭は、更に2つの設置孔34をそれぞれ封止するプラグ37を更に備えることができる。プラグ37を備えることによって、貧配合コンクリートが2つの設置孔34を経由して上部空間361に浸入することを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
上記構成により、本発明の鋼管杭及び該鋼管杭を用いる杭基礎工法は、連通孔35を利用して鋼管杭内側と外側とのコンクリートを一体化して横方向にある地盤の土との結合力、摩擦力を高めることができる上、キャップ31を利用して上方から貧配合コンクリートの浸入を防いで杭頭処理を行う必要もなくすことができるので、杭基礎の構築コストを減らすと共に高性能な鋼管杭を提供することができる。
【符号の説明】
【0050】
3 中空管状体
31 キャップ
32 管状壁
33 仕切板
34 設置孔
34a 設置孔
34b 設置孔
35 連通孔
36 管内空間
361 上部空間
363 下部空間
37 プラグ
41 掘削ステップ
42 第1コンクリート打設ステップ
43 鋼管杭挿入ステップ
44 キャップ除去ステップ
45 鉄筋籠設置ステップ
46 第2コンクリート打設ステップ
51 竪穴
52 生コンクリート
53 鉄筋籠
54 固定手段
55 生コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に垂直に延伸している中空管状体に、複数の連通孔が前記中空管状体の管内、管外を連通させるように開けられていると共に、
前記中空管状体の上端は、キャップにより封止されていることを特徴とする鋼管杭。
【請求項2】
前記中空管状体の管内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板を更に有し、すべての前記連通孔は、前記仕切板の下側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭。
【請求項3】
前記仕切板の上側に、2つの設置孔が互いに向き合うように開けられていることを特徴とする請求項2に記載の鋼管杭。
【請求項4】
前記仕切板は、水平に形成された板状体であり、前記仕切板から前記中空管状体の上端までの距離が、前記仕切板から前記中空管状体の下端までの距離よりも短くなっていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の鋼管杭。
【請求項5】
前記仕切板から前記中空管状体の上端までの距離は略2000mmであることを特徴とする請求項4に記載の鋼管杭。
【請求項6】
地面から地中へ、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の鋼管杭の全長に対応する深さまで真っ直ぐに延伸する竪穴を掘削する掘削ステップと、
掘削した前記竪穴に生コンクリートを打設する第1コンクリート打設ステップと、
打設したコンクリートが凝固する前に、前記鋼管杭の上端一部が露出するように、前記鋼管杭を前記竪穴内に挿し込む鋼管杭挿入ステップと、
打設したコンクリートが凝固した後、前記鋼管杭のキャップを除去するキャップ除去ステップと、
前記キャップが除去された前記鋼管杭の上端一部の内側にある空間内に鉄筋籠を設置する鉄筋籠設置ステップと、
鉄筋籠を設置した前記空間内にコンクリートを打設して凝固させる第2コンクリート打設ステップと、を順番に実行する杭基礎工法。
【請求項7】
前記鋼管杭として請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の鋼管杭を使用し、前記鋼管杭が露出している上端一部の長さは、前記鋼管杭における上部空間の長さと一致し、また、前記鉄筋籠設置ステップは、前記鉄筋籠を下から前記仕切板に受けられるように前記上部空間内に設置してから、固定手段を前記中空管状体の外側から前記2つの設置孔における1つの設置孔を経由して前記中空管状体の内側へ挿し込み、前記鉄筋籠の内部を通過して前記2つの設置孔における他の1つの設置孔を経由してまた前記中空管状体の外側に突出するように設置して、前記中空管状体及び前記鉄筋籠を共に貫通することにより、該鉄筋籠の位置を仮固定することを特徴とする請求項6に記載の杭基礎工法。
【請求項8】
前記コンクリートにおけるセメントとして膨張セメントを使用することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の杭基礎工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−154162(P2012−154162A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−221831(P2011−221831)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(511242395)▲徳▼翰智慧科技有限公司 (2)
【Fターム(参考)】