説明

錐体外路症候群および他の運動障害の処置のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト

錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期的四肢運動(PLMS)の処置または予防のための方法が開示され、この方法は、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストを、単独でか、または、EPS、失調症、RLSまたはPLMSを処置するのに有用な他の薬剤と組み合わせて投与することを包含する;また、抗精神病薬、抗痙攣薬、リチウムまたはオピオイドと組み合わせた、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストから構成される薬学的組成物が特許請求の範囲に含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、錐体外路運動系に関与する種々の神経学的症候群(すなわち、錐体外路症候群)の処置のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用に関し、その神経学的症候群は、ほぼすべての抗精神病薬剤の急性使用および慢性使用によって生じる。本発明はまた、他の異常な運動障害(例えば、不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期的四肢運動(PLMS))の処置のための、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用に関する。本発明はまた、EPSを処置するためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび抗精神病薬からなる薬学的組成物、ならびに他の異常な運動障害(例えば、RLSまたはPLMS)の処置のために有用なA2aレセプターアンタゴニストおよび他の薬剤からなる薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
錐体外路症候群(EPS)は、抗精神病薬剤の使用に関連する一連の有害な神経学的反応に対する集合的な用語である。6種の異なる種類の、EPSに関連する神経学的症候群が存在し、それらのうちの4種(失調症、静坐不能、偽性振戦麻痺(パーキンソン症候群)、および遅発性ジスキネジア)は、抗精神病薬を摂取している患者において特に広く認められる。失調症は、特に、頸、顎、背部、咽頭、および喉頭の筋肉群の有痛性攣縮である。それは、抗精神病薬剤で処置されている若年の男性において最も一般的であるが、コカイン、三環系抗うつ薬、リチウム、および抗痙攣薬(例えば、フェニトインおよびカルバマゼピン)の使用とも関連付けられ得る。偽性振戦麻痺は、静坐不能(固縮(rigidity)、硬直(stiffness)、および遅い随意運動、前かがみの引きずり歩行(stooped、shuffling walk))ならびに振戦として表れ、これらの症状は、治療の開始後数週間または数ヶ月以内に発症する。静坐不能は、運動性不穏状態(motor restlessness)に特徴付けられる、苦痛または不快の、強力で自覚的な内面の感情として表れる。動揺または不安としばしば間違えられるものの、この一般的な症候群は、頻繁に過小診断され、処置に対して最も反応性がない。遅発性ジスキネジアは、神経抑制薬剤の慢性使用に関連する、遅発性の症候群である。それは、高齢の患者においてより頻繁に起こり、顔、瞼、口、舌、四肢および胴体の、定型的で、反復的な、無意識の、素早い舞踏病性運動により特徴付けられる。
【0003】
EPSは、定型抗精神病薬の使用が原因でより広く認められるが、非定型薬の使用が原因で認められることも報告されている。定型抗精神病薬としては、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジン、およびチオチキセンが挙げられる。非定型抗精神病薬としては、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドン(ziprasidone)、リスペリドン、アリピプラゾール(aripiprazole)、セルチンドール、およびゾテピンが挙げられる。
【0004】
静坐不能はまた、RLSおよびPLMS、ならびにPLMD(周期的脚(または四肢)運動障害)の一つの特徴である。RLSは、脚を動かすという、抑えがたい、かつ不快な欲求を患者に引き起こさせる一般的な障害であり;それは、非活動期間および/または夜間に通常は表れ、そして睡眠を妨害し得る。代表的なRLS症状を有しないが、睡眠に悪影響を与える周期的脚運動を示す患者は、PLMSを有すると診断される。RLSおよびPLMSに対する処置としては、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、ドパミンアゴニスト(例えば、プラミペキソールおよびロピネロール(ropinerole))、ベンゾジアゼピン、オピオイド、抗痙攣薬、および鉄(硫酸鉄)が挙げられる。RLSおよびPLMSは、文献(例えば、非特許文献1)において広範に記載されている。
【0005】
プリンヌクレオチドであるアデノシンは、中枢神経系(CNS)および末梢神経系において、数多くの生理学的機能の内因性調節因子であることが公知である。
【0006】
アデノシンは、その生物学的作用を、Gタンパク質に結合するレセプターのスーパーファミリーに属する膜特異的レセプターのクラス全体に及ぼす。生化学的研究および薬理学的研究は、分子生物学における進歩を伴って、少なくとも四種のアデノシンレセプターのサブタイプ:A、A2a、A2b、およびAの同定を可能にしている。A、A2a、A2b、およびAレセプターと、アンタゴニストとして、互いに作用し合うことのできるアデノシンのアナログもまた同定されている。
【0007】
CNSにおいて、データにより、A2aレセプターは、繊細な運動の調節において重要であることが公知である脳幹神経節において、高密度で存在することが示された。その上、A2aレセプターに対する選択的アンタゴニストは、それらが運動欠陥を低減する(その結果、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、および関連する運動障害(例えば、ハンティングトン病)における機能を改善する)効力が示されたために、薬理学的に興味深い。A2aアンタゴニストは、現在のドパミン作用性治療と比較して、副作用が低減する(例えば、ジスキネジアのない)可能性を示すようであり、その結果、改善された治療指数をもたらすようである。A2aアンタゴニストはまた、抗うつ特性を有し得、認知機能を刺激し得る。数種のキサンチン関連化合物は、Aレセプター選択的アゴニストであることが見出されており、そしてキサンチンおよび非キサンチン化合物は、種々の程度のA2a対A選択性を伴う高いA2a親和性を有することが見出されている。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、以前に、例えば、特許文献1;および特許文献2において、開示されている。
【特許文献1】国際公開第95/01356号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,630,475号明細書
【非特許文献1】Saletu et al,Neuropsychobiology.(2000)41,4,p.190−9
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、錐体外路症候群(例えば、失調症、静坐不能、偽性振戦麻痺、および遅発性ジスキネジア)の処置または予防のための方法に関し、この方法は、その処置または予防を必要とする患者に、治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を包含する。特に、この方法は、EPSを誘発する副作用を有する抗精神病薬で処置される患者における、EPSの処置または予防のためのものである。このアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、EPSの症状が表れた後に投与され得るか、またはアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、EPSの発生を防ぐために、抗精神病薬の投与の開始時に、投与され得る。したがって、本発明はまた、抗精神病薬により誘発されるEPSを処置または予防する方法を包含し、この方法は、その処置または予防を必要とする患者に、抗精神病薬とアデノシンA2aアンタゴニストとの組み合わせを投与する工程を包含する。より詳細には、本発明は、単一療法または併用療法のための特定のアデノシンA2aアンタゴニストを使用する方法に関する。
【0009】
本発明はまた、異常な、特発性の、そして薬物誘発性の運動障害の処置に関する。より詳細には、本発明は、異常な、特発性の、そして薬物誘発性の運動障害の処置に関し、ここで、低運動および/または過剰運動は、その状態の主要な特徴である。例えば、本発明は、一次性(特発性)失調症の処置、および三環系抗うつ薬、リチウム、または抗痙攣薬を用いる処置の結果として失調症を発症するか、あるいは、コカインを使用した患者における、失調症の処置もしくは予防に関し、その処置または予防を必要とする患者に、治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を包含する。失調症が、三環系抗うつ薬、リチウム、または抗痙攣薬を用いる処置に起因する場合、そのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、失調症の症状が表れた後に投与され得るか、あるいは、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、失調症の発生を防ぐために、三環系抗うつ薬、リチウム、または抗痙攣薬の投与の開始時に、投与され得る。したがって、本発明はまた、三環系抗うつ薬、リチウム、または抗痙攣薬により誘発される失調症を処置または予防する方法を包含し、その処置または予防を必要とする患者に、アデノシンA2aアンタゴニストと、三環系抗うつ薬、リチウム、または抗痙攣薬との組み合わせを投与する工程を包含する。
【0010】
本発明はまた、RLSまたはPLMSの処置に関し、その処置を必要とする患者に、治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を包含する。本発明はまた、RLSまたはPLMSを処置する方法を包含し、その処置を必要とする患者にアデノシンA2aアンタゴニストと、RLSまたはPLMSの処置に有用な別の薬剤(例えば、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、抗痙攣薬、または鉄)との組み合わせを投与する工程を包含する。
【0011】
別の局面において、本発明は、単一の包装の別々の容器に、抗精神病薬を用いる処置に起因するEPSを処置または予防するために組み合わせて用いるための薬学的組成物を含むキットに関し、ここで一つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中の、有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、そして別の容器は、有効量の抗精神病薬を含む薬学的組成物を含む。
【0012】
別の局面において、本発明は、単一の包装の別々の容器に、三環系抗うつ薬、リチウム、または抗痙攣薬を用いる処置に起因する失調症を処置または予防するために組み合わせて用いるための薬学的組成物を含むキットに関し、ここで一つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中の、有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、そして別の容器は、有効量の三環系抗うつ薬、リチウム、または抗痙攣薬を含む薬学的組成物を含む。
【0013】
別の局面において、本発明は、単一の包装の別々の容器に、RLSまたはPLMSを処置するために組み合わせて用いるための薬学的組成物を含むキットに関し、ここで一つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中の、有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、そして別の容器は、有効量のレボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、抗痙攣薬、または鉄を含む薬学的組成物を含む。
【0014】
なおも別の局面において、本発明は、EPSを処置または予防するための、固定用量の薬学的組成物に関し、それは治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストと抗精神病薬との組み合わせ、および薬学的に受容可能なキャリアからなる。さらに、本発明はまた、リチウムまたは抗痙攣薬による処置に起因する失調症を処置または予防するための、固定用量の薬学的組成物に関し、それは治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストとリチウムまたは抗痙攣薬との組み合わせ、および薬学的に受容可能なキャリアからなる。本発明はまた、RLSまたはPLMSを処置するための、固定用量の薬学的組成物に関し、それは治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストとオピオイド、抗痙攣薬、または鉄との組み合わせ、および薬学的に受容可能なキャリアからなる。
【0015】
本発明はまた、EPS、失調症、RLS、またはPLMSを処置または予防するための医薬の調製のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの単独での使用、または上で考察された他の薬剤と組み合わせた使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
任意のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、本発明の方法における使用のために意図される。本発明の方法において有用な適切なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、以下に記載される結合アッセイにより同定され得る。適切なアデノシンA2aアンタゴニストの特定の例としては、いくつかの特許および特許出願(例えば、WO 95/01356;米国特許第5,565,460号;同第6,630,475号;同第5,935,964号;同第6,653,315号;同第6,916,811号;米国特許出願公開第2003/0212080号;米国特許第6,875,772号;および米国特許第6,787,541号)に開示される化合物が挙げられる。詳細には、これらの特許および特許出願は、以下の化合物を開示する。
【0017】
米国特許第6,630,475号は、構造式I
【0018】
【化19】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を開示し、ここで、
Rは、R−フラニル、R−チエニル、R−ピリジル、R−ピリジル N−オキシド、R−オキサゾリル、R10−フェニル、R−ピロリル、またはC〜Cシクロアルケニルであり;
Xは、C〜Cアルキレンまたは−C(O)CH−であり;
Yは、
【0019】
【化20】

であり、そして、
Zは、R−フェニル、R−フェニル(C〜C)アルキル、R−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R−C(O)−、
【0020】
【化21−1】

フェニル−CH(OH)−、またはフェニル−C(=NOR)−であるか;あるいは、Qが、
【0021】
【化21−2】

である場合、Zはまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;あるいは、ZおよびYは一緒に、
【0022】
【化22】

【0023】
【化23】

もしくはそのN−オキシド、
【0024】
【化24】

であり;
は、水素、C〜C−アルキル、−CF、ハロゲン、−NO、−NR1213、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、およびC〜Cアルキルスルホニルから独立して選択される1個〜3個の置換基であり;
およびRは、水素およびC〜Cアルキルからなる群より独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
Qは、
【0025】
【化25】

であり、
は、水素およびC〜Cアルキルからなる群より独立して選択される1個〜2個の置換基であるか、または同一の炭素上の2個のR置換基は、=Oを形成し得;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−CN、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、アセチル、−NO、ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)−アルコキシ)(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ−(C〜C)−アルコキシ、カルボキシ(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルコキシ、モルホリニル、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−(C〜C)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C〜C)アルキルカルボニル(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニルオキシ(C〜C)−アルコキシ、−SONH、フェノキシ、
【0026】
【化26】

からなる群より独立して選択される1個〜5個の置換基であるか;あるいは、隣接するR置換基は一緒に、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CF−O−、または−O−CFCF−O−であり、それらが結合する炭素原子とともに環を形成し;
は、(C〜C)アルキル、R−フェニル、R−フェニル(C〜C)アルキル、チエニル、ピリジル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキル−OC(O)−NH−(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノメチル、または
【0027】
【化27】

であり;
は、(C〜C)アルキル、R−フェニル、またはR−フェニル(C〜C)アルキルであり;
は、水素または(C〜C)アルキルであるか;あるいは、RおよびRは一緒に、−(CH−A−(CHであり(ここで、pおよびqは、独立して2または3であり、そしてAは結合、−CH−、−S−、または−O−である)、そしてそれらが結合する窒素とともに環を形成し、;
は、水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、−CF、および(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシから独立して選択される1個〜2個の基であり;
10は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−CN、−NH、C〜Cアルキルアミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、および−S(O)0〜2(C〜C)アルキルからなる群より独立して選択される1個〜5個の置換基であり;
11は、H、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルキル、ピロリジニル(C〜C)アルキル、またはピペリジノ(C〜C)アルキルであり;
12は、HまたはC〜Cアルキルであり;そして
13は、(C〜C)アルキル−C(O)−または(C〜C)アルキル−SO−である。
【0028】
式Iの好ましい化合物は、Rが、R−フラニル、R−チエニル、R−ピロリル、またはR10−フェニル、より好ましくはR−フラニルである化合物である。Rは、好ましくは、水素またはハロゲンである。好ましい化合物の別の群は、Xが、アルキレン、好ましくはエチレンである化合物である。Yは、好ましくは、
【0029】
【化28−1】

であり、ここで、Qは、
【0030】
【化28−2】

であり、Qは好ましくは窒素である。好ましくは、mおよびnは、各々2であり、Rは、Hである。Zに対する好ましい定義は、R−フェニル、R−ヘテロアリール、R−C(O)−、またはR−SO−である。Rは、好ましくは、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、またはアルコキシアルコキシである。Rは、好ましくは、R−フェニルである。
【0031】
式Iの好ましい特定の化合物は、式IA
【0032】
【化29】

の化合物であり、ここで、RおよびY−Zは、以下の表で定義される:
【0033】
【化30】

【0034】
【化31】

他の有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストとしては、構造式II
【0035】
【化32】

を有する化合物のような、WO95/01356に開示される化合物が挙げられ、ここで:
Aは、ピラゾール環、イミダゾール環、またはトリアゾール環であり;
Rは、水素;C〜Cアルキル;C〜Cアルケニル;C〜Cアルキニル;C〜Cシクロアルキル;一つまたは一つより多いハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、式−NR、−CONRの基で置換されたC〜Cアルキル;ハロゲン原子、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミドで必要に応じて置換されたアリール、;C〜C10アラルキル(ここで、そのアリール部分は、アリール基に対して上で示された、置換基のうちの一つまたは一つより多くで置換され得る);式−(CH−Hetの基(ここで、Hetは、N、O、Sから選択される一つまたは一つより多いヘテロ原子を含む、5〜6員の芳香族または非芳香族の複素環であり、そしてmは、1〜5の整数である)であり;
、R(これらは、同じであるか、または異なる)は、水素、C〜Cアルキル、C〜C10アラルキル、フェニルであるか、あるいは、それらが結合する窒素と一緒になって、アゼチジン環、または一つまたは一つより多いヘテロ原子(例えば、N、O、S)を含む5〜6員の複素環を形成し、そしてnは、2〜5の整数である。
【0036】
好ましくは、式IIの化合物は、Rが、水素、C〜Cアルキル、アリール、または、好ましくはハロゲン原子で必要に応じて置換されたC〜C10アラルキルである化合物である。
【0037】
米国特許第5,935,964号は、構造式III
【0038】
【化33】

を有する、有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物を開示し、ここで、
Aは、ピラゾール環、イミダゾール環、またはトリアゾール環であり;
Rは、
【0039】
【化34】

であり、
およびR(これらは、同じであるか、または異なる)は、H、OH、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、カルボキシ、またはカルボキサミドであるか;あるいは、そのOH基は、RもしくはRのうちの一つと一緒になって、またはRおよびRが一緒になって、メチレンジオキシ基−O−CH−O−を形成し得;そして
nは、0〜4の整数である。
【0040】
式IIIの好ましい化合物は、Aが、ピラゾロ[4,3−e]または1,2,3−トリアゾロ[5,4−e]である化合物である。
【0041】
米国特許第5,565,460号は、構造式IVAおよびIVBを有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物を開示し、ここで、式IVAは、
【0042】
【化35】

であり、ここで、Rは、水素、置換または非置換の低級アルキル、あるいは置換または非置換の低級アルカノイルを表し、
は、水素、置換または非置換の低級アルキル、置換または非置換の低級アルケニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアラルキル、あるいは、置換または非置換の複素環基を表し;
は、置換または非置換の複素環基を表し;
Xは、単結合、O、S、S(O)、S(O)、またはNR(ここで、Rは、水素、または置換もしくは非置換の低級アルキルを表すか;あるいは、RおよびNRは、合わされて、置換または非置換の4〜6員の飽和された複素環基を形成する)を表し:そして
Aは、NまたはCR(ここで、Rは、水素、または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)を表し;そして
式IVBは、
【0043】
【化36】

であり、ここで、
は、置換または非置換のアリール、あるいは置換または非置換の複素環基を表し;
Yは、O、S、またはNR(ここで、Rは、置換または非置換の低級アルキル、置換または非置換のシクロアルキル、あるいは置換または非置換のアリールを表す)を表し;
は、水素、置換または非置換の低級アルキル、置換または非置換の低級アルケニル、置換または非置換の低級アルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアラルキル、あるいは、置換または非置換の複素環基を表し;そして
Bおよび隣接する二個の炭素原子は、合わされて、置換または非置換の、部分的に飽和されているかまたは不飽和の、単環式または二環式の、炭環素または複素環を形成する。
【0044】
米国特許第6,653,315号は、構造式V
【0045】
【化37】

を有する、有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を開示し、ここで、
Rは、R−ヘテロアリール、R10−フェニル、C〜Cシクロアルケニル、
【0046】
【化38】

であり
Xは、C〜Cアルキレン、−C(O)CH−、または−C(O)N(R)CH−であり;
Yは、−N(R)CHCHN(R)−、−OCHCHN(R)−、−O−、−S−、−CHS−、−(CH2〜3−N(R)−、R−二価ヘテロアリール、
【0047】
【化39】

であり、そして
Zは、R−フェニル、R−フェニル(C〜C)アルキル、R−ヘテロアリール、R−二環式ヘテロアリール、R−ベンゾ縮合ヘテロアリール、ジフェニルメチル、またはR−C(O)−であるか;あるいは、
Yが、
【0048】
【化40−1】

である場合、Zはまた、R−SO−、R−N(R)−C(O)−、R−N(R)−C(S)−、またはROC(O)−であるか;あるいは、
Qが、
【0049】
【化40−2】

である場合、Zはまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか:あるいは、
ZおよびYは一緒に、
【0050】
【化41】

もしくはそのN−オキシド、
【0051】
【化42】

であるか;あるいは、
YおよびZは一緒に、単環式もしくは二環式のアリール、または単環式もしくは二環のヘテロアリールと縮合したピペリジニル環またはピロリジニル環を形成し、ここで、Xは、そのピペリジニル環またはピロリジニル環のN原子に結合し;
は、水素、C〜C−アルキル、−CF、ハロゲン、−NO、−NR1213、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、−COOR、または−C(O)NRから独立して選択される1個〜3個の置換基であり;
およびRは、水素およびC〜Cアルキルからなる群より独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
pおよびqは、独立して0〜2であり;
QおよびQは、
【0052】
【化43】

からなる群より独立して選択され、但し、QおよびQのうちの少なくとも一つは、
【0053】
【化44】

であり、
は、水素、C〜Cアルキル、R−アリール、およびR−ヘテロアリールからなる群より独立して選択される1個〜2個の置換基であるか、または同一の炭素上の2個のR置換基は、=Oを形成し得;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−CN、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、アセチル、−NO、ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)−アルコキシ)(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ−(C〜C)−アルコキシ、カルボキシ(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルコキシ、モルホリニル、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−(C〜C)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C〜C)アルキルカルボニル(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニルオキシ(C〜C)−アルコキシ、−SONH、フェノキシ、
【0054】
【化45】

からなる群より独立して選択される1個〜5個の置換基であるか;あるいは、隣接するR置換基は一緒に、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CF−O−、または−O−CFCF−O−であり、それらが結合する炭素原子とともに環を形成し;
は、(C〜C)アルキル、R−フェニル、R−フェニル(C〜C)アルキル、チエニル、ピリジル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキル−OC(O)−NH−(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノメチル、または
【0055】
【化46】

であり;
は、(C〜C)アルキル、R−フェニル、またはR−フェニル(C〜C)アルキルであり;
は、水素または(C〜C)アルキルであるか;あるいは、RおよびRは一緒に、−(CH−A−(CHであり(ここで、pおよびqは、独立して2または3であり、そしてAは結合、−CH−、−S−、または−O−である)、そしてそれらが結合する窒素とともに環を形成し、;
は、水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、−CF、および(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルコキシからなる群より独立して選択される1個〜2個の置換基であり;
10は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−CN、−NH、C〜Cアルキルアミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、−S(O)0〜2(C〜C)アルキル、および−CH−SO−フェニルからなる群より独立して選択される1個〜5個の置換基であり;
11は、H、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルキル、ピロリジニル(C〜C)アルキル、またはピペリジノ(C〜C)アルキルであり;
12は、HまたはC〜Cアルキルであり;
13は、H、(C〜C)アルキル−C(O)−または(C〜C)アルキル−SO−であり;
14は、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、チオ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルチオ(C〜C)アルキル、またはNR−(C〜C)アルキルであり;そして、
15は、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシである。
【0056】
式Vの好ましい化合物は、Rが、R−フラニル、R−チエニル、R−ピロリル、R−ピリジル、またはR10−フェニル、より好ましくはR−フラニルまたはR10−フェニルである化合物である。Rは、好ましくは、水素またはハロゲンである。R10は、好ましくは、水素、ハロゲン、アルキル、または−CFである。好ましい化合物の別の群は、Xがアルキレン、好ましくはエチレンである群である。Yは、好ましくは
【0057】
【化47】

であり、ここで、Qは、
【0058】
【化48】

であり、Qは好ましくは、窒素である。好ましくは、mおよびnは、各々2であり、そしてRは、Hである。Zに対する好ましい定義は、R−フェニルまたはR−ヘテロアリールである。Rは、好ましくは、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、またはアルコキシアルコキシである。Rは、好ましくは、R−フェニルである。
【0059】
式Vの好ましい特定の化合物は、式VA
【0060】
【化49】

の化合物であり、ここで、RおよびZ−Yは、以下の表で定義される:
【0061】
【化50】

【0062】
【化51】

米国特許第6,916,811号は、構造式VI
【0063】
【化52】

を有する、有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、または上記化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を開示し、ここで、
Rは、R−フラニル−、R−チエニル−、R−ピリジル−、R−オキサゾリル−、R−ピロリル−、およびR−アリール−からなる群より選択され;
Xは、−(CH−であり;
Yは、Y上の二個の隣接する炭素原子と縮合したアリール部分もしくはヘテロアリール部分を有するピペリジニル基、ピロリジニル基、またはアゼパニル基であり、ここで、Xは、そのピペリジニル基、ピロリジニル基、またはアゼパニル基のN原子に結合し;
Qは、1個〜4個の置換基であり(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)、水素、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アミノ、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アルキル、CF、CN、ハロゲン、NO、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アシルオキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホンアミノ、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、NHSO−、およびヒドロキシからなる群より独立して選択され;
nは、1〜4であり;
は、1個〜3個の置換基(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)であり、水素、アルキル、CF、ハロゲン、およびNOからなる群より独立して選択され;
は、1個〜3個の置換基(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)であり、水素、アルキル、CF、ハロゲン、NO、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アミノスルホニル、およびヒドロキシからなる群より独立して選択される。
【0064】
式VIの化合物の好ましい実施形態において、Yは、
【0065】
【化53】

であり、ここで、
は、N−Xであり、そしてAおよびAはそれぞれ、CRであるか、または
およびAはそれぞれ、CRであり、そしてAはN−Xであるか、または
およびAはそれぞれ、CRであり、そしてAは、N−Xであり;
は、CRであり;
、Z、ZおよびZ(これらは同じであっても、異なっていてもよい)は、NおよびCRからなる群よりそれぞれ独立して選択され、但しZ、Z、ZまたはZのうちの0〜2個は、Nであり、そしてその残りはCRであり;
は、NR、O、S、またはCRであり;
は、NまたはCRであり;
は、NまたはCRであり;
mは、0〜2の整数であり;
は、水素、シクロアルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル、CF、CN、ハロゲン、NO、C〜C−アルコキシ、C〜C−アシルオキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アシルアミノ、C〜C−アルキルスルホンアミノ、C〜C−アルキルアミノスルホニル、C〜C−ジアルキルアミノスルホニル、NH−SO−、およびヒドロキシからなる群より選択され;
は、水素、ヒドロキシアルキル、アリール、アラルキル、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CF、CN、ハロゲン、ヒドロキシ、およびNOからなる群より選択され;そして
は、水素またはC〜Cアルキルである。
【0066】
式VIの化合物の好ましい特定の例としては、以下の式の化合物が挙げられる:
【0067】
【化54】

米国特許出願公開第2003/0212080号は、構造式VII
【0068】
【化55】

を有する、有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を開示し、ここで、
Rは、R−ヘテロアリール、R−フェニル、(C〜C)シクロアルケニル、
【0069】
【化56】

からなる群より選択され、
は、−W−X、−NR19(CH−W−X、および−NR19CH(CH)−W−Xからなる群より選択されるか;あるいは
は、アルキル、アルケニル、および−NR1819からなる群より選択され、ここで、上記アルキル、アルケニル、または−NR1819は、必要に応じて−W−Xで置換され;
は、H、ハロ、アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびCNからなる群より選択され;
は、1個〜3個の置換基(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)であり、水素、(C〜C)−アルキル、−CF、ハロゲン、−NO、−NR1516、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、−COOR17、および−C(O)NRからなる群より独立して選択され;
は、1個〜5個の置換基(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)であり、水素、ハロゲン、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、−CN、−NH、(C〜C)アルキルアミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、−S(O)0〜2(C〜C)アルキル、および−CH−SO−フェニルからなる群より独立して選択され;
およびR(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)は、水素および(C〜C)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
は、1個〜5個の置換基(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)であり、水素、ハロゲン、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−CN、アミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、アセチル、−NO、ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)−アルコキシ)(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルコキシ、カルボキシ(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルコキシ、モルホリニル、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−(C〜C)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C〜C)アルキルカルボニル(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニルオキシ(C〜C)−アルコキシ、−SONH、フェノキシ、
【0070】
【化57】

からなる群より独立して選択されるか;あるいは、隣接するR置換基は一緒に、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CF−O−、または−O−CFCF−O−であり、それらが結合する炭素原子とともに環を形成し;
は、(C〜C)アルキル、R−アリール−、R−アリール(C〜C)アルキル−、チエニル、ピリジル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキル−OC(O)−NH−(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノメチル、シクロヘテロアルキル(C〜C)アルキル、アリールオキシ(C〜C)アルキル、アルコキシ(C〜C)アルキル、および
【0071】
【化58】

からなる群より選択され;
10は、1個〜2個の置換基(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)であり、水素、(C〜C)アルキル、R−アリール、およびR−ヘテロアリールからなる群より独立して選択されるか、あるいは同一の炭素上の二個のR10置換基は、=Oを形成し得;
11は、水素または(C〜C)アルキル;−C(O)アルキルであるか、またはR17およびR11は一緒になって、−(CH−A−(CHであり(ここで、pおよびqは、それぞれ独立して2または3であり、そしてAは結合、−CH−、−S−、および−O−からなる群より選択される)、それらが結合する窒素とともに環を形成し;
12は、1個〜2個の置換基(これらは、同じであっても、異なっていてもよい)であり、水素、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、および−CFからなる群より独立して選択され;
13は、H、(C〜C)アルキル、フェニル、ベンジル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルキル、ピロリジニル(C〜C)アルキル、およびピペリジノ(C〜C)アルキルからなる群より選択され;
14は、H、ハロゲン、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシからなる群より選択され;
15は、Hおよび(C〜C)アルキルからなる群より選択され;
16は、H、(C〜C)アルキル−C(O)−、および(C〜C)アルキル−SO−からなる群より選択され;
17は、(C〜C)アルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アリル、プロパルギル、R−ヘテロアリール−、R−アリール−、およびR−アリール(C〜C)アルキル−からなる群より選択され;
18は、結合、−CH−、−CH(OH)−、−CH(CH)−、−C(CH−、−(CH−、および−O(CH−からなる群より選択され;
19は、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、および(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルからなる群より選択され;
QおよびQは、同じであっても、異なっていてもよく、
【0072】
【化59】

からなる群よりそれぞれ独立して選択され、
mおよびnは、それぞれ独立して1〜3であり;
pおよびqは、それぞれ独立して0〜2であり;
sは、0〜4であり;
Wは、1個〜3個のヘテロ原子を有するアリールまたはヘテロアリールであり、これらは同じであっても、異なっていてもよく、N、O、およびSからなる群より独立して選択され、ここで上記アリールまたはヘテロアリールは、1個〜3個の置換基で必要に応じて置換され、その置換基は同じであっても、異なっていてもよく、アルキル、アリール、アルキルシクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルキルアルコキシ、アルコキシアルコキシ、−NR、(C−C)アルケン、および−CNからなる群より独立して選択されるか、あるいは
Xは、H、NH、−N(R)(CH−アリール、−N(R)(CH−ヘテロアリール、−N(R)(CHm+1−OH、および−N(CHからなる群より選択されるか、あるいは、
Xは、−R18−Y−Zであり;
Yは、−N(R)CHCHN(R)−、−N(R)(CHアリール、−OCHCHN(R)−、−O−、−S−、−CHS−、−(CH2〜3−N(R)−、R−二価ヘテロアリール、
【0073】
【化60】

からなる群より選択され;そして、
Zは、H、アルキル、アルコキシアルキル、R−アリール−、R−アリール(C〜C)アルキル−、R−ヘテロアリール−、R−二環式アルキル−、アミノアルキル、アルキルアミノ、NH、−N−(R)(CH−アリール、−N(R)(CH−ヘテロアリール、−N(R)C(O)OR17、アルキルシクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アルコキシシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール;R−ベンゾ縮合ヘテロアリール−、ジフェニルメチル、およびR−C(O)−からなる群より選択されるか;あるいは、Yが、
【0074】
【化61】

である場合、Zはまた、−OH、R−SO−、R17−N(R11)(CH−C(O)−、R17−OC(O)−、R17−O(CHC(O)−、ベンゾ縮合ヘテロアリール(CHC(O)−、ベンゾ縮合ヘテロアリール(CH−、またはR17−N(R11)−C(S)−であり得るか;あるいは、
Qが、
【0075】
【化62】

である場合、Zはまた、R1711N−、フェニルアミノ、またはピリジルアミノであり得るか;あるいは、ZおよびYは一緒になって、
【0076】
【化63】

もしくはそのN−オキシド、
【0077】
【化64】

からなる群より選択される。
【0078】
式VIIの好ましい化合物は、以下の構造を有する化合物である:
【0079】
【化65】

【0080】
【化66】

【0081】
【化67】

米国特許第6,875,772号は、構造式VIII
【0082】
【化68】

を有する、有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を開示し、ここで、
Aは、C(R)またはNであり;
およびR1aは、H、(C〜C)−アルキル、ハロ、CN、および−CFからなる群より独立して選択され;
Yは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−ヘテロアリールジイル、R−アリーレン、または
【0083】
【化69】

であり、
pおよびqは、独立して2〜3であり;
QおよびQは、
【0084】
【化70】

からなる群より独立して選択され、但し、QおよびQのうちの少なくとも一つは、
【0085】
【化71】

であり、
Rは、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−(C〜C)アルケニル、またはR−(C〜C)アルキニルであり;
は、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−アリール(C〜C)アルキル、またはR−ヘテロアリール(C〜C)アルキルであるか;あるいは、R−Yは、
【0086】
【化72】

であり;
U、V、およびWは、NおよびCRからなる群より独立して選択され、但し、U、V、およびWのうちの少なくとも一つは、CRであり;
nは、1、2、または3であり;そして、
(a)Aは、C(R)であり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−アリーレン、R−ヘテロアリールジイル、もしくは−N(R)−であるか;または、Aは、C(R)であり、Yは結合であり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−アリーレン、−N(R)−、もしくはR−ヘテロアリールジイルであり、但し、Xが、−N(R)−もしくはR−ヘテロアリールジイルである場合、Rは、フェニルでもフェニル−(C〜C)アルキルでもなく;または、
(b)Aは、Nであり、Xは、−N(R)−であり、Yは、R−アリーレンであり、そして、R
【0087】
【化73】

であるか、
あるいは、nは2または3であり、そして
(c)AはNであり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)−、R−アリーレン、もしくはR−ヘテロアリールジイルであるか;または、AはNであり、Yは結合であり、Xは、−C(O)−、−N(R)−、R−アリーレン、もしくはR−ヘテロアリールジイルであるか;または、AはNであり、Yは、−N(R9a)−、−C(O)N(R9a)−、もしくは−O−(CH−N(R9a)−であり、そしてXは−N(R)−であるか;または、AはNであり、Xは−N(R)−であり、そしてYおよびRは一緒に、
【0088】
【化74】

であるか、
あるいは、nは0であり;そして
(d)AはNであり、Yは結合であり、Xは−N(R)−であり、そしてRは、
【0089】
【化75】

であるか;または
(e)AはNであり、Xは−N(R)−であり、そしてYおよびRは一緒に、
【0090】
【化76】

であり、ここで、Zは、−C(O)−CH−、−C(O)−CH(C〜Cアルキル)−、−CH−CH(C〜Cアルキル)−、もしくは−CH(C〜Cアルキル)−CH−であり;
およびR3aは、H、−OH、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、およびジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルからなる群より独立して選択され;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ハロ、−CF、および−CNからなる群より選択される1個〜3個の置換基であり;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)−アルコキシ、ハロ、−CF、−CN、−NH、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、アミノ(C〜C)−アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル−アミノ、(C〜C)アルカンスルホニルアミノ、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルチオ(C〜C)アルキル、R−(C〜C)アルケニル、R−(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ−C(O)−アミノ、またはヘテロシクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群より独立して選択される1個〜3個の置換基であり;
は、H、−OH、(C〜C)アルコキシ、およびハロからなる群より独立して選択される1個〜3個の置換基であり;
およびR7aは、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、R−アリール、およびR−ヘテロアリールからなる群より独立して選択されるか、または同一の炭素上のRおよびR7a置換基は、=Oを形成し得;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ハロ、−CF、およびCNからなる群より独立して選択される1個〜3個の置換基であり;
およびR9aは、H、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ハロ−(C〜C)アルケニル、CF−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)シクロアルキル、および(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキルからなる群より独立して選択され;そして、
10は、H、−C(O)−O−(C〜C)アルキル、R−アリール、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(R−アリール)、またはR−アリール−(C〜C)アルキルである。
【0091】
式VIIIの好ましい化合物は、AがNである化合物である。Rは、好ましくはフリルである。R1aは、好ましくは水素である。好ましい化合物の別の群は、Xが、−O−、−S−、−N(R)−、またはR−アリーレンである群であり、Xが−N(R)−である化合物がより好ましい。Rは、好ましくはC〜Cアルキルである。Yに対する好ましい定義は、結合またはピペラジニルである。Rは、好ましくは、R−アリールである。Yおよび/またはRが、
【0092】
【化77】

である場合、Qは好ましくはNであり、Qは好ましくはNであり、pおよびqはそれぞれ、好ましくは2であり、RおよびR7aはそれぞれ、好ましくは水素であり、そしてR10は、好ましくは−C(O)−O−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、または−C(O)−(R−アリール)である。Rは、好ましくは、H、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)−アルコキシ、ハロ、および−CFからなる群より選択される1個または2個の置換基である。Rは、好ましくは、H、ハロ、または(C〜C)アルキルである。RおよびR3aは、Hおよび(C〜C)アルキルから、好ましくは独立して選択される。R9aは、好ましくは、Hまたは(C〜C)アルキルである。Rは、好ましくはハロゲンである。
【0093】
式VIIIの化合物の好ましい特定の例としては、式
【0094】
【化78】

の化合物が挙げられ、ここで、R−Y−(CH−N(R)−は、以下の表に定義される通りである:
【0095】
【化79】

【0096】
【化80】

米国特許第6,787,541号は、構造式IX
【0097】
【化81】

を有する、有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグを開示し、ここで、
Xは、OまたはSであり;
およびRは、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、シアノ、ニトロ、
【0098】
【化82−1】

から独立して選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒に、カルボニル基(C=O)、オキシム基(C=NOR11)、イミン基(C=NR11)、またはヒドラジン基(C=NNR1112)を形成するか、あるいは、RおよびRは一緒に、5員、6員、もしくは7員の炭素環または複素環を形成し;
は、アルキルまたはアリールであり;
、RおよびRは、水素、アルキル、アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、
【0099】
【化82−2】

から独立して選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒に、5員、6員、もしくは7員の炭素環または複素環を形成し;
、R、R、R10、R11およびR12は、水素、アルキル、およびアリールから独立して選択される。
【0100】
米国特許第5,484,920号は、構造式X
【0101】
【化83】

を有する、有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を開示し、ここで、
、RおよびRは、独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり;
は、シクロアルキル、−(CH−R−、または
【0102】
【化84】

であり、
nは、0、1、2、3、または4であり;
は、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換された複素環であり;
およびYは、独立して、H、ハロゲン、または低級アルキルであり;
Zは、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換された複素環、または
【0103】
【化85】

であり、
は、H、OH、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、またはアミノであり;
mは、1、2、または3であり;そして
およびXは、独立してOまたはSである。
【0104】
式Xの好ましい化合物は、RおよびRが、メチルまたはエチルであり;Rが、Hまたは低級アルキルであり;Rが、
【0105】
【化86】

であり;YおよびYが、それぞれHであり;XおよびXが、それぞれOであり;そしてZが、式
【0106】
【化87】

の必要に応じて置換されたアリールである化合物であり、ここで、R、RおよびRのうちの少なくとも一つは、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、その他はHであり、そしてR10は、Hまたは低級アルキルであるか、あるいは、Zは、
【0107】
【化88】

であり、ここで、Rおよびmは、上に定義される通りである。
【0108】
式Xの好ましい化合物はまた、RおよびRが独立して、H、プロピル、ブチル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり;Rが、
【0109】
【化89】

であり;XおよびXが、それぞれOであり;Zが、必要に応じて置換されたナフチルまたは
【0110】
【化90】

である化合物であり、ここで、R、m、R、YおよびYは、上に定義される通りである。
【0111】
本発明における使用のために意図される他のA2aアンタゴニストとしては、
米国特許第6,545,000号で開示される、ピペラジンで置換されたトリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
米国特許第6,222,035号で開示される、トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
米国特許第5,703,085号で開示される、キサンチン誘導体;
米国特許第5,756,735号で開示される、キサンチン誘導体;
式XI
【0112】
【化91】

を有する、WO 2005/063743で開示される、チアゾール誘導体であって:
ここで、nは0、1、2、または3であり;
は、必要に応じて置換されたシクロアルキル、アリール、脂環式複素環またはヘテロアリールであり;
は、ハロゲン、必要に応じて置換されたアルキル、アリール、脂環式複素環、ヘテロアリールおよび−CORを含み;そして
およびRは、独立して、H、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアラルキル、および−COR12を含む、チアゾール誘導体;
JP2005154434で開示される、2−アミノキナゾリン誘導体;
EP1544200で開示される、トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
JP2005132834で開示される、2−アミノキノリン誘導体;
WO2003/068776で開示される、トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
WO2003/020723で開示される、トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
WO1999/43678で開示される、トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
米国特許出願公開第2004/0092537号で開示される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
米国特許出願公開第2004/0097524号で開示される、チエノピリミジンおよびフラノピリミジン;
米国特許出願公開第2004/0097526号で開示される、トリアゾロピリミジン;
米国特許出願公開第2004/0102459号で開示される、プリン誘導体;
米国特許出願公開第2004/0116447号で開示される、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
式XII
【0113】
【化92】

を有する、WO2005/079800で開示される、ピリミジン化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、
は、必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、または−NR、−OR、−SRもしくはハロゲンであり;
は、必要に応じて置換されたアリールまたは炭素原子を介して結合するヘテロアリールであり;
は、H;必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキル;ハロゲン;OH;または−OR10であり;
は、H;必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、Hまたは必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルであるか;あるいはRとRとが一緒になって、5員または6員の複素環式環を形成し;
は、Hまたは必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルであり;
、R、RおよびR10は、必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルであるか;あるいはRとRとが一緒になって、5員または6員の複素環式環を形成する、ピリミジン化合物;
式XIII
【0114】
【化93】

を有する、WO2005/079801で開示される、ピリミジン化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、
は、Hまたは−NHであり;
は、必要に応じて置換されたアリールまたは炭素を介して結合するヘテロアリールであり;
は、H;必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキル;ハロゲン;OH;または−OR10であり;
は、H;必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、Hまたは必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルであるか;あるいはRとRとが一緒になって、5員または6員の複素環式環を形成し;
10は、必要に応じて置換されたアルキルである、ピリミジン化合物;
米国特許出願公開第2005/0065151号で開示される、チアゾロピリジン;
米国特許第6,872,833号で開示される、2−アシルアミノベンゾチアゾール誘導体;
米国特許出願公開第2004/0152702号で開示される、ベンゾオキサゾール誘導体;
米国特許第6,734,179号で開示される、カルボキサミドベンゾチアゾール誘導体;
米国特許第6,730,670号で開示される、7−フェニル−ベンゾ[b]チオフェンアミド誘導体;
米国特許第6,713,499号で開示される、7−アミノ−カルボキサミドベンゾチアゾール誘導体;
米国特許第6,727,247号で開示される、7−複素環置換ベンゾチアゾールアミド誘導体;
米国特許第6,624,163号で開示される、2−(置換アロイルアミノ)−7−モルホリニル−ベンゾチアゾール誘導体;
米国特許第6,596,718号で開示される、2−アミノアシル−7−モルホリニル−ベンゾチアゾール誘導体;
米国特許第6,620,811号で開示される、ベンゾチアゾールのニコチンアミド誘導体およびイソニコチンアミド誘導体;
米国特許第6,599,901号で開示される、2−(ピリドン−アシルアミノ)−7−モルホリニル−ベンゾチアゾール誘導体;
米国特許第6,693,116号で開示される、5−メトキシ−8−アリール−トリアゾロ[1,5−a]ピリジン誘導体;
米国特許第6,689,790号で開示される、8−アミノ−トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−カルボン酸アミド;
米国特許第6,514,989号で開示される、5−フェニル−トリアゾロ[1,5−a]ピリジン誘導体または5−チオフェニル−トリアゾロ[1,5−a]ピリジン誘導体;
米国特許第6,506,772号で開示される、7−置換5−アミノトリアゾロ[1,5−a]ピリジン誘導体;
米国特許第6,521,754号で開示される、2−(置換アミノ)−ベンゾチアゾール誘導体;
米国特許第6,586,441号で開示される、ピリミジンアミンおよびピリジンアミン;
米国特許第6,355,653号で開示される、5−アミノ置換トリアゾロ[1,5−a]ピリジン誘導体;
WO2005/058883で開示される、2,6−ビス−ヘテロアリール−4−アミノピリミジン;
WO2003/082873で開示される、4−ピロロピリミジニル−ベンゼンスルホンアミド誘導体;
WO2005/073210で開示される、ベンゾフラン誘導体;
JP2005126374で開示される、ベンゾフラン誘導体;
WO2005/039572で開示される、N−チアゾリルベンズアミド誘導体;
WO2004/092177で開示される、トリアゾロピラジン誘導体;
WO2004/092173で開示される、トリアゾロトリアジンおよびその誘導体;
WO2004/092172で開示される、トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン誘導体およびピラゾロ[1,5−c]ピリミジン誘導体;
WO2004/092171で開示される、トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン誘導体およびピラゾロ[1,5−c]ピリミジン誘導体;ならびに
WO2004/092179で開示される、トリアゾロトリアジン誘導体およびピラゾロトリアジン誘導体
が挙げられる。
【0115】
本明細書中で引用される米国特許および特許出願は、本明細書中に参考として援用される。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、引用される特許および特許出願に記載されるような公知の方法により、調製される。
【0116】
本明細書中で使用される場合、「患者」とは、哺乳動物、特に、ヒトを意味する。
【0117】
1種より多く(例えば、2種または3種)のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、EPS、失調症、RLSまたはPLMSを処置するために投与され得ることが企図される。好ましくは、1種のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが投与される。
【0118】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストにより処置されるESPを引き起こし、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストと組み合わせて使用するための抗精神病薬としては、定型抗精神病薬および非定型抗精神病薬が挙げられる。定型抗精神病薬としては、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンが挙げられる。非定型抗精神病薬としては、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドン、リスペリドン、アリピプラゾール、セルチンドールおよびゾテピンが挙げられる。
【0119】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストにより処置される失調症を引き起こす三環系抗うつ薬としては、パーフェナジン、アミトリプチリン、デシプラミン、ドキセピン、トリミプラミンおよびプロトリプチリンが挙げられる。失調症を引き起こし得るがRLSまたはPLMSを処置する際に有用であり得る抗痙攣薬としては、フェニトイン、カルバマゼピンおよびガバペンチンが挙げられる。
【0120】
RLSおよびPLMSを処置する際に有用なドパミンアゴニストとしては、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール(ropinerole)、フェノールドパムおよびカベルゴリンが挙げられる。
【0121】
PRLSおよびPLMSを処置する際に有用なオピオイドとしては、コデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、プロポキシフェンおよびトラマドールが挙げられる。
【0122】
PRLSおよびPLMSを処置する際に有用なベンゾジアゼピンとしては、クロナゼパム、トリアゾラムおよびテマゼパムが挙げられる。
【0123】
これらの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、抗痙攣薬、ドパミンアゴニスト、オピオイドおよびベンゾジアゼピンは、市販されており、そして文献(例えば、The Physicians’Desk Reference(Montvale:Medical Economics Co.,Inc.,2001))に記載されている。
【0124】
2種以上のA2aレセプターアンタゴニストが、1種以上の他の薬剤(例えば、抗精神病薬、三環系抗うつ薬、抗痙攣薬、ドパミンアゴニスト、オピオイドまたはベンゾジアゼピン)と組み合わせて投与され得ることが企図されるが、1種の他の薬剤と組み合わせた1種のA2aアンタゴニストの投与が、上記適応症の各々について好ましい。
2aアンタゴニストと他の薬剤との別々の投薬形態が、1つの好ましい実施形態である。別の好ましい実施形態は、固定用量の薬学的組成物(すなわち、EPS、失調症、RLSまたはPLMSの処置または予防のための他の薬剤と組み合わせたA2aレセプターアンタゴニスト、および薬学的に受容可能なキャリアからなる単回投薬形態)である。好ましい固定用量の組成物は、1種のA2aレセプターアンタゴニストと、EPS、失調症、RLSまたはPLMSを処置または予防するための1種の他の薬剤と、薬学的に受容可能なキャリアからなる。
【0125】
好ましいアデノシンA2aアンタゴニストは、米国特許第6,630,475号に記載されるアデノシンA2aアンタゴニストである。
【0126】
本発明の特に好ましい化合物は、式
【0127】
【化94】

の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である。この化合物は、米国特許第6,630,475号に開示されており、そして構造Iの化合物の表において、最初の化合物として列挙されている。
【0128】
別の好ましい化合物は、式
【0129】
【化95】

の化合物B、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である。この化合物は、米国特許第5,484,920号に開示されており、そしてイストラデフィリン(istradefylline)として公知である。
【0130】
本発明の方法において有用な化合物は、これらのアッセイにおいて、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストとしての有用性を示す。
【0131】
(ヒトアデノシンA2aおよびAレセプター競合結合アッセイプロトコル)
膜の供給源:A2a:ヒトA2aアデノシンレセプター膜、カタログ番号RB−HA2a,Receptor Biology,Inc.,Beltsville,MD。膜希釈緩衝液(以下を参照のこと)中で17μg/100μlまで希釈する。
【0132】
アッセイ緩衝液:膜希釈緩衝液:Dulbeccoのリン酸緩衝化生理食塩水(Gibco/BRL)+10mM MgCl
【0133】
化合物希釈緩衝液:1.6mg/mlのメチルセルロースおよび16%のDMSOを補充した、Dulbeccoのリン酸緩衝化生理食塩水(Gibco/BRL)+10mM MgCl。毎日新しく調製する。
【0134】
リガンド:A2a:[3H]−SCH 58261,カスタム合成,AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックを、膜希釈緩衝液中1nMで調製する。最終アッセイ濃度は0.5nMである。
【0135】
:[3H]−DPCPX,AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックを、膜希釈緩衝液中2nMで調製する。最終アッセイ濃度は1nMである。
【0136】
非特異的結合:
2a:非特異的結合を決定するために、100nMのCGS 15923(RBI,Natick,MA)を加える。実験に使用するストック(working stock)を、化合物希釈緩衝液中400nMで調製する。
【0137】
:非特異的結合を決定するために、100μMのNECA(RBI,Natick,MA)を加える。実験に使用するストックを、化合物希釈緩衝液中400μMで調製する。
【0138】
化合物の希釈:
100% DMSO中に1mMの化合物のストック溶液を調製する。化合物希釈緩衝液中で希釈する。3μM〜30pMの範囲の10の濃度で試験する。化合物希釈緩衝液中、実験に使用する溶液(working solution)を最終濃度の4倍の濃度で調製する。
【0139】
アッセイの手順:
深底の96ウェルプレートにおいてアッセイを行う。総アッセイ容量は200μlである。50μlの化合物希釈緩衝液(総リガンド結合)、または50μlのCGS 15923の実験に使用する溶液(A2aの非特異的結合)、または50μlのNECAの実験に使用する溶液(Aの非特異的結合)、または50μlの薬物の実験に使用する溶液を加える。50μlのリガンドストック(A2aについて[3H]−SCH 58261、Aについて[3H]−DPCPX)を加える。100μlの希釈した、適切なレセプターを含む膜を加える。混合する。室温で90分間インキュベートする。Brandel細胞回収具を用いて、Packard GF/Bフィルタープレート上で回収する。45μlのMicroscint 20(Packard)を加え、そして、Packard TopCount Microscintillation Counterを用いて計数する。繰り返し曲線フィッティングプログラム(iterative curve fitting program)(Excel)を用いて、置換曲線(displacement curve)にフィットさせることによって、IC50値を決定する。Cheng−Prusoffの式を用いて、Ki値を決定する。
【0140】
(ラットにおけるハロペリドール誘発性のカタレプシー)
体重175〜200gの雄性Sprague−Dawleyラット(Charles River,Calco,Italy)を使用する。垂直方向のグリッド試験(vertical grid test)において動物を試験する90分前に、ドパミンレセプターアンタゴニストであるハロペリドールの皮下投与(1mg/kg、皮下)により、カタレプシーの状態を誘発する。この試験のために、卓上台に対して約70°の角度で置いた25×43のプレキシガラス(plexiglas)ケージのワイヤーメッシュカバーの上に、ラットを置く。このラットを、4本全ての脚が外転し、そして、伸長された状態(「カエルの姿勢」)でグリッドの上に置く。このような不自然な姿勢を使用することは、カタレプシーについてのこの試験の特異性に必須である。足を置いてから一本の足を最初に完全に引っ込めるまでの時間間隔(急襲潜伏時間(descent latency))を、最大120秒間測定する。
【0141】
評価下の選択的A2Aアデノシンアンタゴニストを0.03mg/kgと3mg/kgとの間の範囲の用量で、動物をスコア付けする1時間前および4時間前に経口投与する。
【0142】
別の実験において、参照化合物であるL−ドパ(25mg/kg、50mg/kgおよび100mg/kg、腹腔内)について、抗カタレプシー効果を決定する。
【0143】
以下の実施例は、ドパミンDレセプターアンタゴニストであるハロペリドールに対して感作されたCebus apellaザルにおいて示された、錐体外路症候群(EPS)を弱めるためのアデノシンA2aアンタゴニストの使用を示す。
【実施例】
【0144】
ハロペリドールの慢性的な効果に対して予め感作した7匹のCebus apellaザルの集団は、ハロペリドールを急速投与(0.3mg/kg、p.o.)したとき、EPSを示す。0.3mg/kg〜30mg/kgの用量の化合物Aを、ハロペリドールと組み合わせて経口投与(p.o.)した。3mg/kg〜100mg/kgの用量の化合物Bを、ハロペリドールと組み合わせて経口投与(p.o.)した。この研究を、交差・平衡化した計画において、各サルが6つ全ての処置(ビヒクルおよび5つの用量の化合物A)を受けるような、被験体内計画を用いて行った。この全ての研究において、7匹のサルの群は、ハロペリドールを投薬されたときに、基線レベルのEPSを示した。
【0145】
化合物Aは、最大EPSスコアにおいて用量依存性の減少を生じ(図1A)、同様に、EPSの発症における用量依存性の遅れも生じた(図1B)。1mg/kgの用量において、化合物Aは、1匹のサルにおいてESPの発症を防止し、そして、EPSの発症を1時間遅延させた。化合物Aは、3mg/kgの用量において、2匹のサルにおいてEPSの発症を防止し、そして、残りのサルにおいてEPSの発症をほぼ2時間遅らせた。10mg/kgおよび30mg/kgの用量において、化合物Aは、3匹のサルにおいてEPSの発症を防止し、そして、EPSの発症を平均2.3〜2.9時間遅らせた。
【0146】
化合物Bは、最大EPSスコアにおいて用量依存性の減少を生じ(図2A)、同様に、EPSの発症における用量依存性の遅延も生じた(図2B)。さらに、化合物Bは、1匹のサルでは3mg/kg〜30mg/kgにおいて、そして、2匹のサルでは57mg/kgおよび100mg/kgの用量において、EPSの発症を防止した。
【0147】
RLSおよびPLMSの処置のための臨床上のガイドラインは確立されている:A.L.Chessonら、Sleep.22,7(1999),p.961〜8を参照のこと。RLSおよびPLMSの処置におけるアデノシンA2aアンタゴニストの効能は、Weimerskirchら(Annals of Pharmacotherapy,35,5(2001),p.627〜30)によりプラミペキソールおよびロピネロールについての文献に記載された臨床上の方法に類似する方法によって決定され得る。
【0148】
本発明の方法において有用な化合物から薬学的組成物を調製するためには、不活性な薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形態の調製物としては、散剤、錠剤、分散可能な顆粒剤、カプセル剤、サシェ剤および坐剤が挙げられる。散剤および錠剤は、約0.1%〜約99%の活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、糖、乳糖である。錠剤、散剤、サシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適切な固体投薬形態として使用され得る。
【0149】
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物のような低融点蝋をまず融解させ、そして、撹拌などによって活性成分がその中に均一に分散される。次いで、融解した均一な混合物を簡便なサイズの型に注ぎ、冷却させ、それによって、凝固させる。
【0150】
液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。一例としては、非経口注射のための水または水−プロピレングリコール溶液が挙げられ得る。
【0151】
液体形態の調製物としてはまた、鼻腔内投与のための溶液が挙げられ得る。
【0152】
吸入に適切なエアロゾル調製物としては、不活性な圧縮ガスのような薬学的に受容可能なキャリアと組合され得る、粉末形態の溶液および固体が挙げられ得る。
【0153】
また、使用直前に経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態の調製物へと変換されることが意図される固体形態の調製物も含まれる。このような液体形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0154】
本発明の方法において有用な化合物はまた、経皮送達可能であり得る。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/またはエマルジョンの形態をとり得、そして、この目的について当該分野で従来どおりである、マトリクス型またはレザバ型の経皮パッチ内に含められ得る。
【0155】
好ましくは、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび抗精神病薬は経口投与される。
【0156】
好ましくは、薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態において、調製物は、活性成分の適切な量(例えば、所望の目的を達成するために有効な量)を含む単位用量へと細分される。
【0157】
調製物の単位用量におけるアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの量は、特定の用途に従って、約0.1mg〜1000mg、より好ましくは、約1mg〜300mgで変化または調整され得る。
【0158】
使用される実際の投薬量は、患者の要件および処置される状態の重篤度に依存して変化し得る。特定の状況のために適切な投薬量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量よりも少ない投薬量で開始される。その後、投薬量は、その状況下で最適の効果に到達するまで、少量ずつ増加される。簡便さのために、毎日の投薬量の合計は、分割され、そして、所望される場合、1日の間に分けて投与され得る。
【0159】
本発明の方法において有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの投与の量および頻度は、患者の年齢、状態および大きさ、ならびに、処置される症状の重篤度のような要因を考慮した、主治医の判断に従って調節される。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストのための代表的な推奨される投薬レジメンは、EPS、失調症、RLSまたはPLMSの作用からの軽減を提供する2〜4回に分割された用量での、1日あたり約10mg〜2000mg、好ましくは、1日あたり10〜1000mgの経口投与である。化合物は、この投薬量範囲内で投与されるとき、非毒性である。
【0160】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストと組み合わせて使用される他の薬剤(すなわち、抗精神病薬、三環系抗うつ薬、抗痙攣薬、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、リチウムまたは鉄)の用量および投薬レジメンは、患者の年齢、性別および状態、ならびに、疾患の重篤度を考慮し、包装の挿入物における認可された用量および投薬レジメンを考慮して、主治医によって決定される。組み合わせて投与される場合、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび他の薬剤は、同時または連続して投与され得る。これは、組み合わせの成分が好ましくは異なる投薬スケジュールで投与されるとき(例えば、一方の成分が一日一回投与され、そしてもう一方の成分が6時間毎に投与されるとき)、または、好ましい薬学的組成物が異なるとき(例えば、一方が好ましくは錠剤であり、そして、もう一方はカプセルであるとき)に特に有用である。それゆえ、EPS、失調症、RLSまたはPLMSを処置または防止するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を、単一包装内の別個の容器内に含むキットにおいて、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび他の薬剤を提供することが有益である。このキットにおいて、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、そして、別の容器は、示される状態を処置するために適切な別の薬剤の有効量を含む薬学的組成物を含む。
【0161】
当業者は、組み合わせの成分の一方についての投薬形態が、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストと別の薬剤(例えば、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストと抗精神病薬、または、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストとドパミンアゴニスト)の両方を含むように改変され得ることを認識する。
【0162】
本発明は、上に示される特定の実施形態と組み合わせて説明されてきたが、その多くの変更、修正および改変が、当業者に明らかである。全てのこのような変更、修正および改変は、本発明の精神および範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0163】
Cebus apellaザルにおけるハロペリドール誘発性のEPSに関する添付の図面と組み合わせて、上記の明細書を読むことによって、本発明のより完全な理解が得られ得る。
【図1A】図1Aは、最大EPSスコアに対する化合物A(1〜30mg/kg、p.o.)の効果を示す。
【図1B】図1Bは、ビヒクルコントロール群と比較した、化合物Aを用いる処置群の各々についてのEPSの発症の平均遅れを表す。
【図2A】図2Aは、最大EPSスコアに対する化合物B(3〜100mg/kg、p.o.)の効果を示す。
【図2B】図2Bは、ビヒクルコントロール群と比較した、化合物Bを用いる処置群の各々についてのEPSの発症の平均遅れを表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストと抗精神病薬との組み合わせ、および薬学的に受容可能なキャリアからなる薬学的組成物。
【請求項2】
前記抗精神病薬が、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジン、およびチオチキセンからなる群より選択される定型抗精神病薬であるか、または、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドン、リスペリドン、アリピプラゾール、セルチンドール、もしくはゾテピンからなる群より選択される非定型抗精神病薬である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、式I
【化1】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
Rは、R−フラニル、R−チエニル、R−ピリジル、R−ピリジル N−オキシド、R−オキサゾリル、R10−フェニル、R−ピロリル、またはC〜Cシクロアルケニルであり;
Xは、C〜Cアルキレンまたは−C(O)CH−であり;
Yは、
【化2】

であり、そして、
Zは、R−フェニル、R−フェニル(C〜C)アルキル、R−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R−C(O)−、
【化3−1】

フェニル−CH(OH)−、またはフェニル−C(=NOR)−であるか;あるいは、Qが、
【化3−2】

である場合、Zはまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;あるいは、ZおよびYは一緒に、
【化4】

もしくはそのN−オキシド、
【化5】

であり;
は、水素、C〜C−アルキル、−CF、ハロゲン、−NO、−NR1213、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、およびC〜Cアルキルスルホニルから独立して選択される1個〜3個の置換基であり;
およびRは、水素およびC〜Cアルキルからなる群より独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
Qは、
【化6】

であり、
は、水素およびC〜Cアルキルからなる群より独立して選択される1個〜2個の置換基であるか、または同一の炭素上の2個のR置換基は、=Oを形成し得;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−CN、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、アセチル、−NO、ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)−アルコキシ)(C〜C)アルコキシ、(C〜C)−アルコキシ(C〜C)アルコキシ−(C〜C)−アルコキシ、カルボキシ(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルコキシ、モルホリニル、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−(C〜C)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C〜C)アルキルカルボニル(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニルオキシ(C〜C)−アルコキシ、−SONH、フェノキシ、
【化7】

からなる群より独立して選択される1個〜5個の置換基であるか;あるいは、隣接するR置換基は一緒に、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CF−O−、または−O−CFCF−O−であり、それらが結合する炭素原子とともに環を形成し;
は、(C〜C)アルキル、R−フェニル、R−フェニル(C〜C)アルキル、チエニル、ピリジル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキル−OC(O)−NH−(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノメチル、または
【化8】

であり;
は、(C〜C)アルキル、R−フェニル、またはR−フェニル(C〜C)アルキルであり;
は、水素または(C〜C)アルキルであるか;あるいは、RおよびRは一緒に、−(CH−A−(CHであり、そしてそれらが結合する窒素とともに環を形成し、ここで、pおよびqは、独立して2または3であり、そしてAは結合、−CH−、−S−、または−O−であり;
は、水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、−CF、および(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシから独立して選択される1個〜2個の基であり;
10は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−CN、−NH、C〜Cアルキルアミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、−CF、−OCF、および−S(O)0〜2(C〜C)アルキルからなる群より独立して選択される1個〜5個の置換基であり;
11は、H、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルキル、ピロリジニル(C〜C)アルキル、またはピペリジノ(C〜C)アルキルであり;
12は、HまたはC〜Cアルキルであり;そして
13は、(C〜C)アルキル−C(O)−または(C〜C)アルキルSO−である、化合物;
ならびに、式X
【化9】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで、
、RおよびRは、独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり;
は、シクロアルキル、−(CH−R−、または
【化10】

であり、
nは0、1、2、3、または4であり;
は、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換された複素環であり;
およびYは、独立して、H、ハロゲン、または低級アルキルであり;
Zは、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換された複素環、または
【化11】

であり、
は、H、OH、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、またはアミノであり、
mは、1、2、または3であり;そして
およびXは、独立してOまたはSである、化合物;
からなる群より選択される化合物、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化12】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化13】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化14】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストと抗痙攣薬との組み合わせ、および薬学的に受容可能なキャリアからなる薬学的組成物。
【請求項8】
前記抗痙攣薬が、フェニトイン、カルバマゼピン、およびガバペンチンからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化15】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストとリチウムとの組み合わせ、および薬学的に受容可能なキャリアからなる薬学的組成物。
【請求項11】
前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化16】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
治療有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストとオピオイドとの組み合わせ、および薬学的に受容可能なキャリアからなる薬学的組成物。
【請求項13】
前記オピオイドが、コデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、プロポキシフェン、およびトラマドールからなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化17】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
錐体外路症候群を処置または予防する方法であって、該錐体外路症候群は、セルチンドールまたはゾテピンを用いる処置に起因し、該方法は、該処置または予防を必要とする患者に、治療有効量の、
【化18】

またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を包含する、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2009−511588(P2009−511588A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535638(P2008−535638)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/039689
【国際公開番号】WO2007/047293
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】