説明

錠剤フィーダ及び計数充填機

【課題】割れや欠けを生じにくく、かつ高速に錠剤やカプセル剤等を排出することができるフィーダ、及び該フィーダ含む計数充填機を提供する。
【解決手段】外周に沿って規則的に整列した錠剤排出口6を有し、垂直方向に回転するドラム状のフィーダ5を提供する。また該フィーダ5が、フィーダ回転装置7に設置され、錠剤をフィーダ5に供給するための手段、例えばホッパ2、振動式錠剤供給機3、シュート4、及び錠剤を計数し充填するための手段、例えば計数器8、シュート9を備えた計数充填機1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤(カプセルを含む)を供給するフィーダ、及び該フィーダを含む計数充填機に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤を回転式フィーダで供給する方法としては、フィーダが平行または平行に近い状態で回転し、錠剤を供給する方法と、垂直方向で回転し、錠剤を供給する方法がある。
【0003】
平行または平行に近い状態で回転し、供給する方法としては、例えば、錠剤排出口を有する基台と、基台上に駆動手段を介して回転可能に設けられ、外周部に沿って切欠部が形成された分離フィーダと、分離フィーダを囲むように基台に連結された筒状の錠剤ホッパで構成された自動高速計数装置(例えば、参考文献1参照)、内底部にロータを回転自在に組み込んだ錠剤収納ケースと、上記ロータの回転駆動用のモータを支持する支持台に対し着脱自在に組み込み、ロータ外周には内底部との間に錠剤を収納する複数のポケットを所定の間隔で設け、所定位置に設けた排出路にポケットのいずれかが一致すると錠剤を排出自在とした錠剤フィーダ(例えば、参考文献2参照)、回転駆動により、外周部に形成した各ポケット部に順次錠剤を保持して排出位置で排出する錠剤整列盤にて供給する方法(例えば、参考文献3参照)、のように中央部に回転装置があり、錠剤がその回転装置により外周に整列されて、外部へと供給する方法、また平行に対して傾斜した軸線を中心として回転するように設けられ、回転中心を中心とする円状に複数の錠剤計量穴を形成した供給回転盤にて、回転盤が回転することにより、錠剤を整列させ、外周にある排出穴に、排出させる方法(例えば、参考文献4参照)がある。
【0004】
また垂直方向に回転することによって、錠剤を供給する方法としては、投入ドラムの外周面に錠剤等被包装物品をドラム外周面から突出した状態に吸引保持し、投入時には、吸引保持状態を解除して供給する方法(例えば、参考文献5参照)、ドラム表面に整列されたポケットを有し、そのポケットに錠剤を設置して、錠剤を供給する方法(例えば、参考文献6参照)がある。
【0005】
平行または平行に近い状態で回転し、錠剤を供給する方法は、錠剤が回転する部分やその周囲に接触し、割れや欠けを生じやすい。そのため、それらを防止する手段が設けられているが十分ではない。また一度に充填できる錠剤量は、平行面の面積に左右され、設置する関係上、それほど多くはできない。一方、垂直方向に回転し、錠剤を供給する従来の方法は、割れや欠けは生じにくいものの、ポケットに収納するため、吸引装置等を用いても、回転速度は遅く、また吸引装置を設置するため、装置全体が複雑化し、制御が困難であるという欠点があった。
【特許文献1】特開2001−204795号公報
【特許文献2】特開2000−203502号公報
【特許文献3】特開平9−39910号公報
【特許文献4】特開2000−203525号公報
【特許文献5】特開2001−294204号公報
【特許文献6】特開平11−301601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、割れや欠けを生じにくく、かつ高速に錠剤またはカプセルを排出することができるフィーダ、及び該フィーダを含む計数充填機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、錠剤が投入されるための入り口がフィーダ側面中央部に存在し、外周と平行して内部に溝があり、その溝及び外周に沿って整列した錠剤排出口があり、垂直方向に回転することによる遠心力を利用して、錠剤を排出することを特徴とするフィーダを用いることにより、割れや欠けを生じにくく、かつ高速に充填することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、錠剤(カプセルを含む)が投入されるための入り口がフィーダ側面中央部に存在し、外周と平行して内部に溝があり、外周及び溝に沿って規則的に整列した排出口があり、垂直方向に回転することによる遠心力を利用して、錠剤を排出することを特徴とするフィーダを提供するものである。
【0009】
また本発明は、錠剤を連続的にフィーダ側面中央部に投入させるための手段、本発明のフィーダ、排出された錠剤の計数を測定する計数器、及び容器に充填するための手段を有する計数充填機を提供するものである。
【0010】
さらに本発明は、錠剤がフィーダ側面中央部から投入され、排出に際してフィーダが回転することによる遠心力を利用し、ドラムが垂直方向に回転し、排出口から排出することを特徴とする、錠剤の供給方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、割れや欠けが生じにくく、高速に錠剤を供給可能なフィーダ及び該フィーダを利用した計数充填機が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の計数充填装置の構成例を挙げている。計数充填機1は、外周に沿って規則的に整列した錠剤排出口6を有するドラム状のフィーダ5が、フィーダ回転装置7に設置され、錠剤をフィーダ5に供給するための手段、例えばホッパ2、振動式錠剤供給機3、シュート4を有する。シュート4の一方はホッパ2に、他方はフィーダ5の側面中央部にある錠剤供給口12へと伸びている。フィーダ5の錠剤排出口6から排出された錠剤は、計数器8、容器へ充填するための手段、例えば、シュート9を通って、コンベア11により供給される容器10へと充填される。
【0013】
フィーダ5は、図2に示すように、外周及び溝に沿って規則的に整列した錠剤排出口6を有する。錠剤14は、図3に示すように、フィーダ5内部に外周に沿って存在する溝15を有し、錠剤を整列させる。この溝15の深さは、錠剤が整列するのに容易な深さであり、好ましくは入り込んだ錠剤の高さを1とした場合、0.3〜2.0の間であり、さらに好ましくは0.5〜1.5の間である。溝15の幅は、錠剤14の幅よりも大きければよく、好ましくは錠剤1に対して、幅は1〜1.5、好ましくは1.1〜1.3である。また錠剤14が溝15に入りやすいように、図3に示すように、錠剤に傾斜をつけるため、溝の仕切りの高さを交互に入り組ませて行うとよい。このように錠剤を整列させることで、フィーダ5が高速回転しても、錠剤の割れや欠けを少なくすることができる。溝15を構成する部分はパーツ16のように、分離できないような構成でもよく、パーツ13のように、リング状の構成物を何枚も重ね合わせて構成してもよい。パーツ13では、錠剤の種類によって適宜組みなおすことが可能である。
【0014】
錠剤排出口6は、外周及び溝15に沿って規則的に整列しており、大きさは錠剤14が容易に排出される大きさでよい。また錠剤14が容易に排出されるように、縁18は、丸みを帯び、角度を調整すればよい。錠剤排出口の整列例として、図4及び図5に示す。
【0015】
計数器8は、図4に示すように、平行して計数センサー19を配置することができる。錠剤14が計数センサー19で感知され、一定の数値になったことが確認されると、フィーダ5は一旦停止し、錠剤14の供給を一時中断する。その後、コンベア11が作動し、あらたな容器10がシュート9の下へ移動した後、フィーダ5が再び回転し、錠剤14を供給する。
【0016】
また、計数器8は、錠剤排出口6の整列状態に対応して、図5のように配置することができる。フィーダのロール面に垂直な状態で、計数センサー19が、錠剤排出口6に対応して配置され、一定の数値を計数センサー19が感知すると、ダンパー20が開き、シュート9に、錠剤14を供給する。
【0017】
本発明のフィーダを用いることにより、錠剤は、図6に示すように排出される。溝15に入った錠剤14は、計数器8の錠剤進入口17に到達するまで、フィーダカバー21によって抑えられており、錠剤排出口6と錠剤進入口17が重なり、錠剤14が十分通過できる程度の大きさになったとき、錠剤14は計数器8へ排出される。錠剤進入口17は、錠剤排出口6よりも大きく、かつ外周及び溝に沿って整列された錠剤排出口6が、1つのみ、錠剤14が排出されるに十分な大きさを持つ。
【0018】
錠剤進入口17の位置は、図2に示すように、角度aで表わすことができるが、aは、10°〜90°であり、好ましくは30°〜60°である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による錠剤充填機1を模式的に示した図である。
【図2】本発明によるフィーダ5の断面図の一部を示した図である。
【図3】本発明によるフィーダ5の溝15の構成例を示した図である。
【図4】本発明による錠剤排出口6と計数器8及び錠剤を充填する手段の構成例を示した図である。
【図5】本発明による錠剤排出口6と計数器8及び錠剤を充填する手段の構成例を示した図である。
【図6】本発明によるフィーダ5による錠剤14の排出過程を示した図である。
【符号の説明】
【0020】
1 計数充填機
2 ホッパ
3 振動式錠剤供給機
4 シュート
5 フィーダ
6 錠剤排出口
7 フィーダ回転装置
8 計数器
9 シュート
10 容器
11 コンベア
12 錠剤供給口
13 パーツ
14 錠剤
15 溝
16 パーツ
17 錠剤進入口
19 計数センサー
20 ダンパー
21 フィーダカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤を排出するためのドラム状のフィーダであり、錠剤が投入されるための入り口がフィーダ側面中央部に存在し、外周と平行して内部に溝があり、外周及び溝に沿って規則的に整列した排出口があり、垂直方向に回転することによる遠心力を利用して、錠剤を排出することを特徴とするフィーダ。
【請求項2】
錠剤を連続的にフィーダ側面中央部に投入させる供給手段、請求項1のフィーダ、排出された錠剤の計数を測定する計数器、及び容器に充填するため手段を有する計数充填機。
【請求項3】
錠剤がフィーダ側面中央部から投入され、排出に際してフィーダが回転することによる遠心力を利用し、フィーダが垂直方向に回転し、錠剤排出口から排出することを特徴とする、錠剤の供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−151451(P2006−151451A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345159(P2004−345159)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000250100)湧永製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】