説明

錫を含まないシリコーン組成物を可撓性媒体上に被覆するための方法

本発明は、テキスタイル、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ガラス繊維不織布又はポリエチレンテレフタレートから作られた可撓性基材を、錫を含まない重縮合架橋性エラストマーシリコーン組成物で被覆するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキスタイル、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ガラス繊維不織布又はポリエチレンテレフタレートから作られた可撓性基材を、錫を含まない重縮合架橋性エラストマーシリコーン組成物で被覆するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の一般的分野は、重縮合反応によって架橋可能なシリコーン組成物を使用して、テキスタイル、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ガラス繊維不織布又はポリエチレンテレフタレートから作られる可撓性基材上に随意に薄層の状態のエラストマーを生じさせる分野である。
【0003】
シリコーン処方物を可撓性基材上に被覆することについて多数の用途が存在している。例えば、可撓性基材がテキスタイルの場合には、撥水性が目的であり、又は、基材が紙片やPVC、PET型などの重合体の場合には、剥離特性が望ましい場合が多い。
【0004】
そうして、シリコーン処方物は、基材への塗布後に架橋してシリコーンエラストマーの硬質皮膜を形成する。これらの液体シリコーン被覆用処方物では、シリコーン相を溶媒で希釈することができる。
【0005】
架橋性シリコーン組成物は、皮膚への密着特性及び滑り止め特性を得る目的で、織物材料を被覆するため、例えば、特に所定の衣類及び衛生商品のために使用することが知られている。しかし、粘着効果、言い換えれば密着効果が必ずしも得られるわけではなく、或いは十分なわけではない。
【0006】
また、架橋性シリコーン組成物を、例えば紙や重合体フィルムから作られた可撓性基材上に撥水性及び剥離性の被膜を生じさせるために使用することも知られている。これらの用途では、液体シリコーン被覆用処方物は、シリコーン重合体のほかに、重縮合又は重付加触媒やフリーラジカル開始剤又は陽イオン性開始剤を含む。
【0007】
このようなシリコーン被膜の主な機能は、その外層が付着しないことであるが、それでもなお、この被膜は、その内層が可撓性固体基材に良好な密着性で密着しなければならない。
【0008】
剥離被膜は、所定の表面又は材料を、通常であれば付着するであろう他の材料に対して非付着性にするのに必要な多数の用途にとって有用である。例えば、シリコーン組成物は、剥離紙用の被膜として使用されるため、接着性を損なうことなく容易に引き離すことのできる接着剤と併用できる:このような成分は、ラベル、化粧板、転写テープなどのための感圧接着剤であることができる。また、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル及びこのタイプの他の基材に適用される、シリコーンを主成分とする剥離被膜も、工業包装及び食品を取り扱う用途のための剥離表面として有用である。
【0009】
重付加又は陽イオンにより架橋する組成物は可撓性基材上に被膜を形成させるために広く使用されているが、重縮合反応により架橋する組成物は、それらの使用の容易さ(大気中水分又は周囲温度での水添加により架橋する)と、それらを使用するにあたってエネルギー(熱又は紫外線照射)の供給を必要としないという理由で利点大きい。
【0010】
重縮合により架橋するエラストマーの処方物は、通常、シリコーンオイル、一般には、末端ヒドロキシル基を有し、随意にアルコキシ末端基を有するようにシランで予備官能化されたポリジメチルシロキサンと、架橋剤と、重縮合触媒、従来では錫塩又はチタン酸アルキルと、補強充填剤と、増量剤、接着促進剤、染料、殺生物剤などの他の随意の添加剤とを含む。
【0011】
周囲温度で加硫可能なこれらのオルガノポリシロキサン組成物は周知であり、2つの別々のグループに分類されている:1成分(RTV−1)組成物及び2成分(RTV−2)組成物である。
【0012】
用語「RTV」は、「Room Temperature Vulcanizing」(室温加硫)の頭字語である。
【0013】
架橋時に、水(RVT−1組成物の場合には大気中水分により与えられるか、又はRTV−2組成物の場合には該組成物の一部分に導入されるかのいずれかである)は重縮合反応を可能にし、それによりエラストマーネットワークの形成に至る。
【0014】
一般的に言えば、1成分組成物(RTV−1)は、これらが大気中水分に曝されたときに架橋するため、密閉媒体中での架橋には使用できない。例えば、マスチック樹脂や接着剤として使用される1成分シリコーン組成物は、アセトキシシラン、ケトイミノキシシラン及び/又はアルコキシシラン型などの反応性官能基の加水分解、続いて形成されたシラノール基と他の残りの反応性官能基との縮合反応という機構に従って冷温架橋する。加水分解は、一般に、大気に露出した表面から上記材料に拡散する水蒸気により行われる。一般的に言えば、重縮合反応の反応速度は極めて緩やかである。そのため、これらの反応は、適切な触媒によって触媒される。触媒を使用する場合には、錫、チタン若しくはアミンを主成分とする触媒又はこれらの触媒の組成物を使用するのが普通である。錫を主成分とする触媒(特にFR−A−2557582号参照)及びチタンを主成分とする触媒(特にFR−A−2786497号参照)が非常に効果的な触媒である。−Si(OR)末端基を有する1成分シリコーンエラストマーのことを、アルコキシエラストマーという場合がある。
【0015】
2成分組成物は市販されており、重合体ベース材料を含有する第1成分と、触媒を含有する第2成分との2種成分の形態で保存されている。使用時にこれら2種成分を混合し、そして該混合物は、比較的硬質のエラストマーとして架橋する。これら2成分組成物は周知であり、しかも、特にWalter Nollの論文「Chemistry and Technology of Silicones」,1968,第2版,第395〜398頁に記載されている。これらの成分は、本質的に、4種の異なる成分を含む:
反応性α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン重合体、
架橋剤、一般にはシリケート又はポリシリケート、
錫触媒、及び
水。
【0016】
縮合触媒は、通常、有機錫化合物を主成分とする。実際に、多数の錫系触媒がこれらRTV−1又はRTV−2組成物用の架橋触媒として既に提案されている。従来の重縮合触媒は、ジアルキル錫化合物、特に、ジブチル錫ジラウレート及びジブチル錫ジアセテートなどのジアルキル錫ジカルボキシレート、チタン酸テトラブチルやチタン酸テトライソプロピルなどのチタン酸アルキル化合物及びチタンキレートを含む(EP−A−0885933、US−5519104、US−A−4,515,932、US−A−4,563,498、US−A−4,528,353)。
【0017】
しかし、アルキル錫系触媒は、非常に効果的で、かつ、通常は無色の液体であり、しかもシリコーンオイルに可溶ではあるものの、毒性があるという欠点を有する(CMR2、生殖に対する毒性)。
【0018】
したがって、国際出願公開WO2004/020525号には、マスチック樹脂又は接着剤として使用され、かつ、大気中水分に曝されたときに低温架橋する1成分(RTV−1)シリコーン組成物が記載されており、これらの組成物は、従来の成分のほかに、次の成分を含む:
1−メチルビニルオキシ官能基を有するシランであり、かつ、反応性が従来の架橋剤と比較して高いことが知られている特定の必須の架橋剤(D)、及び
有機イミノ官能性誘導体である、次式(I)又は(II)の触媒:
【化1】

式中、Rは、次の基から選択される特定のラジカルである:メチル、イソプロピル、フェニル及びo−トリル。これらの有機イミン型誘導体の例は、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン及び好ましい誘導体である1,1,3,3−テトラメチルグアニジンである。これらの誘導体には、非置換イミン官能基、言い換えれば、C=NH型の官能基を有するという特定の特徴がある。
従来のトリアルコキシシラン架橋剤、すなわち成分(E)は、依然として、1−メチルビニルオキシ官能基の存在のため高い反応性で知られているシランである架橋剤(D)と併用されていることに留意すべきある。
【0019】
しかし、国際出願公開WO2004/020525号に記載されたイミノ官能性有機触媒の使用に関連する問題は、これらを、反応性が高くかつ高価な特定の架橋剤(1−メチルビニルオキシ官能基を有するシラン)の存在下で使用しなければならないこと、すなわち、例えばアルキルトリアルコキシシラン、アルキルシリケート又はポリアルキルシリケートなどの、RTV−1又はRTV−2処方物に非常に幅広く使用されている単純な構造を有する従来の架橋剤を、1−メチルビニルオキシ官能基を有するシランといった反応性の高い架橋剤を強制的に存在させることなしには併用できないことである。その理由は、この反応性の高いシランが存在しなければ、上記組成物を架橋してエラストマーを形成させることが不適切になり、しかも良好な機械的性質を得ることができなくなるためである。したがって、この特許出願の好ましい実施形態において与えられた1,1,3,3−テトラメチルグアニジン誘導体を、1成分RTV(RTV−1)において反応性メチルビニルオキシ官能性シランを存在させることなく、例えばポリアルキルシリケートといった従来の架橋剤と併用した場合には、この系の架橋は不十分なものとなり、しかもシリコーンエラストマーを生じさせることができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】仏国特許第2557582号明細書
【特許文献2】仏国特許第2786497号明細書
【特許文献3】欧州特許第0885933号明細書
【特許文献4】米国特許第5519104号明細書
【特許文献5】米国特許第4515932号明細書
【特許文献6】米国特許第4563498号明細書
【特許文献7】米国特許第4528353号明細書
【特許文献8】国際公開第2004/020525号パンフレット
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Walter Noll「Chemistry and Technology of Silicones」1968,第2版,第395〜398頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
例えば1成分シリコーン組成物(RTV−1)における、これら架橋剤の反応性の問題は、当業者にはよく知られている。その理由は、最も一般的に使用されているアルコキシシラン架橋剤が、固有の反応性という理由でメトキシ基を有するものであるためである。しかし、このタイプのアルコキシシランの使用に関わる問題の一つは、衛生及び安全性の観点からの問題の根元となるメタノールの放出である。
【0023】
この状況にあって、本発明の主要目的の一つは、可撓性基材を、錫を有しない重縮合架橋性エラストマーシリコーン組成物で被覆するための方法を開発することである。
【0024】
本発明の第2の主要目的は、錫を有しないシリコーン組成物の架橋後に、皮膚へのテキスタイルの圧力を増加させることなく、被覆したテキスタイルへの付着(又は密着)効果を付与する、可撓性テキスタイル基材の被覆方法を開発することである。
【0025】
本発明の第3の主要目的は、架橋後に、基材に好適に密着すると共に、処理を受けた可撓性基材に剥離性を付与する、可撓性基材をシリコーン組成物で被覆するための方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
これらの目的は、とりわけ、エラストマーの前駆体であり、かつ、重縮合反応によって架橋することのできるシリコーン組成物Xを、テキスタイル、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン又はポリエチレンテレフタレートから作られた可撓性基材Sに被覆するための方法であって、次の工程(a)、(b)及び(c):
(a)重縮合反応によってエラストマーに架橋することができ、金属触媒を含まず、しかも次の物質を含むシリコーンXを製造し:
重縮合反応によって架橋してシリコーンエラストマーを形成することのできる少なくとも1種のポリオルガノシロキサンオイルを含むシリコーンベースB、及び
触媒として有効な量の、次の一般式(I)に従う非シリル化有機化合物である少なくとも1種の重縮合触媒A:
【化2】

式中、
同一又は異なる基R1、R2、R3、R4又はR5は、互いに独立に、直鎖又は分岐1価アルキル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基(ここで、該環状部分は置換又は非置換であり、かつ、少なくとも1個のヘテロ原子を有していてよい)又はフルオルアルキル基、芳香族基、アリールアルキル基、フルオルアルキル基或いはアルキルアミン又はアルキルグアニジン基を表し、
基R1、R2、R3又はR4は、一緒になって、1個以上の置換基で置換されていてよい3、4、5、6又は7員の脂肪族環状部分を形成することができるが、ただしR1、R2、R3、R4及びR5は珪素原子を有しないものとし;
(b)続いて、該シリコーン組成物Xを該可撓性基材Sに連続的に又は非連続的に塗布し、そして
(c)該シリコーン組成物Xを周囲空気によって与えられる湿気の存在下で又は事前の水の添加によって架橋させてシリコーンエラストマーを形成させること
を含むことを特徴とする方法によって達成される。
【0027】
つまり、基R1、R2、R3、R4又はR5は水素原子ではない。
【0028】
この目的を達成するために、本出願人は、完全に驚くべきことに、かつ、予期せぬことに、一般式(I)に従う非シリル化化合物により、機械的性質の良好な錫を有しないシリコーンエラストマーで被覆された可撓性基材を製造することが可能になることを実証した。
【0029】
本発明者は、さらに、例えば、これまで、RTV処方物を架橋させるためには、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン又は1,1,3,3−テトラメチルグアニジンといった構造的に近い触媒を反応性が高くかつ高価な特定の触媒(1−メチルビニルオキシ官能基を有するシラン)と併用すべきだったことが示唆されている国際出願公開WO2004/020525号に教示されるような技術的課題を解決したという利益も得た。
【発明を実施するための形態】
【0030】
一般式(I)に従う本発明の非シリル化化合物は、五置換グアニジンであり、しかも液体で、無色で、無臭で、しかもシリコーンマトリックスに可溶であるという利点を有する。本発明に従う非シリル化グアニジンは、非常に少量で架橋すべきシリコーン系に使用され、かつ、その量に応じて作業時間をその用途に合わせることを可能にすると共に、得られるエラストマーの優れた硬度を確保するのみならず、優れた熱安定性も確保し、それによって逆転現象に関連する問題を回避する。
【0031】
重縮合触媒Aは、一般式(I)に従う非シリル化有機化合物であり、式中:
・同一又は異なる基R1及び基R3は、イソプロピル基、シクロヘキシル基及び直鎖又は分岐の1価C1〜C12アルキル基よりなる群から互いに独立に選択され、
・基R2は、直鎖又は分岐1価アルキル基、シクロアルキル基、置換又は非置換でかつ少なくとも1個のヘテロ原子を有していてよい環状部分で置換されたアルキル基、アリールアルキル基、フルオルアルキル基或いはアルキルアミン又はアルキルグアニジン基を表し、そして
・基R1、R2、R3又はR4は、一緒になって、1個以上の置換基で置換されていてよい3、4、5、6又は7員の脂肪族環状部分を形成することができる。
【0032】
特に好ましい重縮合触媒Aは、次の化合物(A1)〜(A4)よりなる群から選択される非シリル化有機化合物である:
【化3】

【0033】
本発明に従う触媒は、アルキル錫触媒とは異なり、生殖に対して毒性ではない。さらに、1成分又は2成分組成物について、エンジンに使用される流体に対する抵抗性が、従来のチタン系触媒やアルキル錫系触媒を含有する組成物から得られるものに対して向上したガスケットを得ることが可能になる。
【0034】
本発明に従う重縮合触媒Aの量は、一般に、1成分製剤又は2成分製剤について、該組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%である。
【0035】
シリコーン剥離フィルムで被覆された可撓性基材は、テキスタイル、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン又はポリエチレンテレフタレートから作られる基材よりなる群から選択される。
【0036】
本発明の目的のためのテキスタイルは、全ての織物構造を包含する一般的な用語であると解される。テキスタイルは、糸、繊維、フィラメント及び/又は他の材料から構成できる。特に、これらは、織られているか、結われているか、編まれているか、編み込まれているか、フェルト化されているか、針縫いされているか、ミシン縫いされているか、或いは別の製造方法で製造されているかどうかにかかわらず、可撓性の織物を含む。
【0037】
これらのテキスタイルには開口があってもよい。すなわち、テキスタイルからなるものではない自由空間を含むことができる。効果的な本発明のシリコーン組成物の被膜については、これら自由空間の最も小さな寸法が5mm未満、特に1mm未満であることが好ましい。
【0038】
本発明によれば、どのタイプの可撓性テキスタイル基材Sも使用できる。次のものが例示できる:
・天然テキスタイル、例えば、綿、亜麻、麻、黄麻、コイア、紙のセルロース繊維などの植物起源のテキスタイル;並びにウール、毛髪、レザー及び絹などの動物起源のテキスタイル;
・人工テキスタイル、例えば:セルロース又はその誘導体などのセルローステキスタイル;及び動物又は植物起源のタンパク質テキスタイル;並びに
・合成テキスタイル、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリマリックアルコール(alcools polymalliques)、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、アクリロニトリル、(メタ)アクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体及びポリウレタン。
【0039】
重合又は重縮合によって得られる合成テキスタイルは、特に、それらのマトリックス中に各種添加剤、例えば、顔料、つや消し剤、無光沢化剤、触媒、熱及び/又は光安定剤、耐電防止剤、難燃剤並びに抗細菌剤、抗真菌剤及び/又は抗ダニ剤を含むことができる。
【0040】
テキスタイル表面のタイプとしては、特に、糸又は繊維の直線交差によって得られる表面、糸又はニットの曲線織編によって得られる表面、直線曲線混成表面又はチュール不織表面及び複合表面が挙げられる。本発明の方法で使用できる、見込まれる多数のテキスタイル表面としては、フェルト、デニム、ジャカード織、ニードルフェルト、縫製織物、かぎ針編物、グレナディン織り、レース及びレース細工、ダマスク織り、ボイル織物、アルパカ織物、バラセア織物、ディミティー織物、ループ織物、ブロケード、キャラコ、ベルベット、キャンバス、シフォン、フロック織物、サイジング加工織物、旗布、編組、ファイユ、フーラード、チーズクロス、ジオテキスタイル、碧玉状織物、マトラッセ、タフテッド織物、オーガンザ、プリーツ織物、リボン並びにトワルが挙げられる。
【0041】
本発明の方法で使用される可撓性テキスタイル基材Sは、様々な方法で集められた1以上の同一の又は異なるテキスタイルから構成できる。テキスタイルは、単層又は多層テキスタイルであることができる。テキスタイル基材は、例えば、ミシン掛け、溶接又は連続式若しくはドット式密着といった機械的手段などの様々な集成手段により製造できる多層構造からなることができる。
【0042】
本発明に従う被覆方法に加えて、可撓性テキスタイル基材Sは、その後、増進処理又は仕上げ処理とも呼ばれる1以上の他の処理を受けることができる。これらの他の処理は、該本発明の被覆方法の前、後及び/又は間に実施できる。他の後処理としては、特に、染色、印刷、積層、被覆、他のテキスタイル表面若しくは材料との集成、洗浄、脱脂、予備成形又は固定が挙げられる。
【0043】
本発明の好ましい一実施形態によれば、可撓性テキスタイル基材Sは、レース一片又は弾性ストリップである。
【0044】
このようにして得られたテキスタイルは、それら自体又はテキスタイル物品に作り上げられたときに、例えば、特にブラジャーのレース細工やストッキングのトップなどのランジェリー用の服飾部分及びサポートバンドや包帯などの衛生商品といった様々な用途に使用できる。これらのテキスタイル物品は、身体や衣類上の様々な場所に、例えばシリコーンエラストマーによって与えられる付着力により設置できる。
【0045】
実際には、抗接着シリコーンを、ほぼマイクロメートルの厚さに応じて0.1〜1、好ましくは0.3〜0.5g/m2の速度で塗布する。
【0046】
シリコーンベースBの説明:
以下の本願明細書においては、線状ポリオルガノシロキサン、分岐構造のポリオルガノシロキサン及びポリオルガノシロキサン樹脂に関する一般的な説明を、次の通例の表記法により行う。この表記法は、次式M、D、T及びQの様々なシロキシ単位を指定するために使用されるものである:
【化4】

これらの式において、Rは、ヘテロ原子で置換されていてよい、様々な飽和又は不飽和炭化水素基、特に芳香族基のみならず、非炭化水素基も表すことができる。
【0047】
通常、この表記法では、酸素原子は、2個の珪素原子間で共有されている。通常、特定のR基は、記号M、D又はTの後に上付で引用することにより示される。例えば、MOHは、1個のR基がヒドロキシル基−OHであるM単位を表す。
【0048】
用語「実質的に線状」とは、Dシロキシ単位から構成され、かつ、さらにTシロキシ単位及び/又はQシロキシ単位(ここで、T及びQシロキシ単位の数は、100個の珪素原子当たり1個以下である)を含むPOSオイルを意味するものと解すべきである。
【0049】
本発明で使用する、重縮合反応によって架橋及び効果するシリコーンベースは周知のものである。「重縮合反応によって架橋することのできるポリオルガノシロキサンオイル」という記載には、例えばEP−A1−1985666の第4頁7〜52行に記載されているような、重縮合によって架橋することのできる珪素含有基を有する有機重合体は含まれない。
【0050】
本発明に従うシリコーンベースは、特に多数の特許文献に詳細に説明されており、また市販されている。
【0051】
これらのシリコーンベースは、単一成分のベース、すなわち、単一の包装容器に収容され、かつ、湿気の非存在下では保存中に安定であり、湿気、特にその使用時に周囲の空気によって与えられる湿気や該ベース内で生じた水によって与えられる湿気の存在下で硬化することのできる主成分であることができる。
【0052】
単一成分のベースとは別に、2成分のベース、すなわち、これら2つの部分を混合すると硬化する、2個の包装容器に包装されるベースを使用することができる。これらのものは、触媒を取り入れた後に、2つの別個の部分、すなわち、該部分の一つが、例えば本発明に従う触媒又は架橋剤との混合物しか含有していなくてよいものに包装される。
【0053】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、上記本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物Xは、本願において定義した重縮合触媒Aの触媒として有効な量と、次のものを含むシリコーンベースBとをさらに含むことを特徴とする:
重縮合により架橋してエラストマーを与えることのできる少なくとも1種のポリオルガノシロキサンオイルC;
随意に、少なくとも1種の架橋剤D;
随意に、少なくとも1種の接着促進剤E;及び
随意に、少なくとも1種の非ケイ質充填剤、有機充填剤及び/又はケイ質無機充填剤F。
【0054】
特に好ましい実施形態の一つによれば、重縮合反応によりエラストマーに架橋することのできるポリオルガノシロキサン組成物Xは次のものを含む:
有機基が好ましくは1〜20個の炭素原子を有するアルキル;3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル;2〜8個の炭素原子を有するアルケニル;及び5〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルから選択される炭化水素基である反応性α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン重合体である、重縮合によって架橋することのできる少なくとも1種のポリオルガノシロキサンオイルC 100重量部当たり;
ポリアルコキシシラン及びポリアルコキシシランの部分加水分解により生じる生成物よりなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤D 0.1〜60重量部;
以下で説明する接着促進剤E 0〜60重量部;
少なくとも1種の非ケイ質充填剤、有機充填剤及び/又はケイ質無機充填剤F 0〜250重量部、好ましくは5〜200重量部;
水0〜10重量部;
1分子当たり、珪素原子に結合する互いに同一の又は異なる1価有機置換基がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリーレン及びアリールアルキレン基から選択される直鎖単独重合体又は共重合体からなる少なくとも1種の非反応性線状ポリオルガノシロキサン重合体G 0〜100重量部;
着色ベース又は着色剤H 0〜20重量部;
ポリオルガノシロキサン樹脂I 0〜70重量部;及び
当業者に知られている補助添加剤J、例えば、可塑剤、有機希釈剤、架橋遅延剤、鉱油、抗菌剤、及び酸化チタン、酸化鉄又は酸化セシウムなどの熱安定剤添加剤0〜20重量部;並びに
本発明に従う、本願において定義した少なくとも1種の重縮合触媒A 0.1〜50重量部。
【0055】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ポリオルガノシロキサンオイルCは、アルコキシ型の官能化末端基を有しており、かつ触媒として有効な量の水酸化リチウムの存在下で、珪素原子に結合したヒドロキシル基を有する、一般式Mxyz(x、y及びzは整数である)の架橋ポリジメチルシロキサン又は珪素原子に結合したヒドロキシル基を各鎖の末端に有する線状ジオルガノポリシロキサンと、次式(II)の少なくとも1種のポリアルコキシシランとを反応させることによってその場で製造される:
(R4c(R5aSi(OR64-(a+c) (II)
式中:
・aは、0、1又は2であり、
・cは、0、1又は2であり、
・a+cの合計は0、1又は2に等しく、
・R4は、脂肪族、脂環式又は芳香族の置換又は非置換及び飽和又は不飽和1価C1〜C13炭化水素基を表し、ここで、R4はR5と同一であってもよく、
・R5は、エポキシ、第一級、第二級若しくは第三級アミン又はメルカプト官能基を有していてよい、脂肪族、脂環式又は芳香族の置換又は非置換及び飽和又は不飽和1価C1〜C13炭化水素基を表し、そして
・R6は、特にアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、アルキルシアノ基及び7〜13個の炭素原子を有するアラルキル基から選択される1〜8個の炭素原子を有する脂肪族有機基を表し、ここで、式(II)のシランのアルコキシ基は、それぞれ、R6とは異なる意味又は同じ意味を有していてよいものとする。
【0056】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ポリオルガノシロキサンオイルCは、好ましくは、25℃で50〜5000000mPa.sの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサン重合体であり、架橋剤Dは、好ましくは、珪素原子に結合した加水分解性基を1分子当たり2個よりも多く有する有機珪素化合物である。
【0057】
また、ポリオルガノシロキサンオイルCは、その末端が、ヒドロキシ官能基を有する先駆物質と加水分解性基を有する架橋性シランとを縮合することによって(又は末端≡Siビニル若しくは≡SiH官能基のヒドロシリル化によって)得られた加水分解性基で官能化されていてもよい。また、鎖内及び/又は鎖末端にアルキルシリル基を有していてよい架橋ポリオルガノシロキサンも考慮でき、ここで、これらは、鎖内及び/又は鎖末端に重縮合反応によって反応することのできる基と、2種のポリオルガノシロキサン鎖を互いに結合させる「中間鎖」アルキル基とを有するポリオルガノシロキサンである。
【0058】
架橋剤Dは、シリコーン市場で入手できる製品である;さらに、これらを周囲温度から効果する組成物に使用することも知られている;特に、次の仏国特許に記載されている。FR−A−1126411、FR−A−1179969、FR−A−1189216、FR−A−1198749、FR−A−1248826、FR−A−1314649、FR−A−1423477、FR−A−1432799及びFR−A−2067636。
【0059】
架橋剤Dは、次のような少なくとも1個の加水分解性基を有する:
式−O−CO−R’のアシルオキシ
式−O−R’のアルコキシ
式−NR12のアミノ
式−NR1COR2のアミド
式−O−CR1=CHR2のアルケニルオキシ
式−O−NR12のアミノキシ
式−O−N=CR12のケトイミノキシ又は
【化5】

ここで、R’は、1〜15個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を表し、R1及びR2は、同一のもの又は異なるものであり、1〜8個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を表し、そして、Tは4〜8個の炭素原子を有するアルキレン基である。特に、R’、R1及びR2基としては、次の基が挙げられる:メチル、エチル、シクロヘキシル及びフェニル。T基としては、特に、次式:−(CH24−、−(CH25−及び−(CH26−のものが挙げられる。
【0060】
アルコキシシランの例としては、次式のものが挙げられる:
【化6】

【0061】
ケトイミノキシシラン架橋剤は、古くから知られているものである。これらは、例えば、仏国特許FR−A−1314649及びFR−A−1371250、米国特許US−A−3678003及びUS−A−3986999、英国特許GB−A−1468467、ベルギー特許BE−A−901479及び欧州特許EP−A−157580に記載されている。
【0062】
ケトイミノキシシランの例としては、次式のものが挙げられる:
【化7】

アシルオキシシラン架橋剤は古くからよく知られているものである。これらは、特に、US−A−3077465、US−A−3382205、US−A−3701753、US−A−3957714、US−A−4115356、US−A−4273698、FR−A−2429811及びFR−A−2459820に記載されている。
【0063】
アシルオキシシランの例としては、次式のものが挙げられる:
【化8】

架橋剤Dの他の例としては、次のものが挙げられる:
・シラン及びこのシランの部分加水分解生成物で、次の一般式のもの:
1kSi(OR2(4-k)
式中:
・記号R2は、同一のもの又は異なるものであり、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及び2−エチルヘキシル基並びにC3〜C6オキシアルキレン基を表し、そして
・記号R1は、直鎖又は分岐飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基或いは飽和又は不飽和及び/又は芳香族単環式又は多環式の炭素環式基を表し、そして、kは0、1又は2である。
【0064】
架橋剤Dとしては、特に、アルコキシシラン、ケトイミノキシシラン、アルキルシリケート及びポリアルキルシリケートであって、有機基が1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であるものが挙げられる。
【0065】
架橋剤Dの他の例としては、ポリエチルシリケート及びポリn−プロピルシリケートが挙げられる。
【0066】
一般的に言えば、0.1〜60重量部の架橋剤Dを、重縮合によって架橋してエラストマーとなることのできるポリオルガノシロキサンC 100重量部につき使用する。
【0067】
したがって、本発明に従う組成物は、例えば、次の両者を有する有機珪素化合物などの少なくとも1種の接着促進剤Eを含むことができる:
(1)珪素原子に結合した1個以上の加水分解性基、及び
(2)1個以上の窒素原子、ヘテロ原子S又はO(メルカプタン、尿素若しくはイソシアヌレート基の)を含む基で置換された1個以上の有機基又は(メタ)アクリレート、エポキシ及びアルケニル基よりなる群から選択される1個以上の有機基、さらに好ましくは次の化合物よりなる群から単独で又は混合物として選択されるもの:
ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)、
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、
【化9】

又はこのような有機基を20%よりも多く含有するポリオルガノシロキサンオリゴマー。
【0068】
これらの1成分ベースは、例えば、一方ではアミノ、ウレイド、イソシアネート、エポキシ、アルケニル、イソシアヌレート、ヒデントイル、グアニジド及びメルカプトエステル基よりなる群から選択される基で置換された有機基を有し、他方では珪素原子に結合した加水分解性基、一般にはアルコキシ基を有する有機珪素化合物から選択される接着促進剤Eと混合できる。このような接着促進剤の例は、米国特許第3517001号、同4115356号、同4180642号、同4273698号及び同4356116号並びに欧州特許第31996及び同74001号に記載されている。
【0069】
1成分ベース及び2成分ベースについては、無機充填剤Fとして、平均粒径が0.1μm未満の非常に細かな製品を使用する。これらの充填剤としては、ヒュームドシリカ及び沈降シリカが挙げられる;それらのBET比表面積は、一般的に40m2/gを超える。また、これらの充填剤は、0.1μmよりも大きい平均粒径を有する、より粗い製品の形態をとることもできる。これらの充填剤の例としては、石英粉末、珪藻シリカ、有機酸や有機酸のエステルで表面処理されていてよい炭酸カルシウム、焼成粘土、ルチル酸化チタン、鉄、亜鉛、クロム、ジルコニウム及び酸化マグネシウム、様々な形態のアルミナ(水和又は非水和)、窒化硼素、リトポン、メタ硼酸バリウム、硫酸バリウム及びガラスマイクロビーズが挙げられる;これらの比表面積は、概して30m2/g未満である。
【0070】
これらの充填剤は、この目的で一般的に使用される様々な有機化合物による処理で表面改質されたものであることができる。したがって、これらの有機珪素化合物は、オルガノクロルシラン、ジオルガノシクロポリシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、ヘキサオルガノジシラザン又はジオルガノシクロポリシラザンであることができる(仏国特許FR−A−1126884、FR−A−1136885及びFR−A−1236505、英国特許GB−A−1024234)。ほとんどの場合、処理を受けた充填剤は、有機珪素化合物の重量の3%〜30%を含有する。これらの充填剤は、異なる粒度を有する2種以上のタイプの充填剤の混合物からなることができる;すなわち、例えば、これらは、40m2/gを超えるBET比表面積を有する細かなシリカ30%〜70%と、30m2/g未満の比表面積を有する粗いシリカ70%〜30%とからなることができる。これらの充填剤は、表面処理を受けたものであることができる。
【0071】
充填剤を導入する目的は、本発明に従う組成物を硬化させることにより得られるエラストマーに良好な機械的性質と流動学的性質とを付与するためである。
【0072】
これらの充填剤と共に、有機顔料及び/又は無機顔料のみならず、エラストマーの耐熱性を向上させる(酸化セシウム及び水酸化セシウムなどの希土類金属の塩及び酸化物)及び/又は耐火性を向上させる薬剤も使用することが可能である。例えば、国際出願WO98/29488号に記載される酸化物のカクテルを使用することができる。耐火性を向上させる薬剤としては、ハロゲン化有機誘導体、有機リン誘導体、クロロ白金酸などの白金誘導体(アルカノール及びエーテル酸化物との反応生成物)及び塩化白金・オレフィン錯体が挙げられる。これらの顔料及び薬剤は、共に、充填剤の20重量%以下を占める。
【0073】
他の通常の添加剤及び助剤を本発明に従う組成物に導入することができる;これらのものは、該組成物が使用される用途に従って選択される。
【0074】
本発明に従う組成物を製造するために使用されるシリコーンベースは次のものを含むことができる:
重縮合によって架橋してエラストマーとなることのできるポリオルガノシロキサンオイルC 100重量部;
架橋剤D 0〜20重量部;
接着促進剤E 0〜20重量部;及び
充填剤F 0〜50重量部。
【0075】
これらの主成分の他に、本発明に従う組成物の物理的特性及び/又はこれらの組成物の硬化により得られるエラストマーの機械的性質に影響を及ぼす目的で、非反応性線状ポリオルガノシロキサン重合体Gを導入することができる。
【0076】
これらの非反応性線状ポリオルガノシロキサン重合体Gは周知である;これらは、特に次のものを含む:ジオルガノシロキシ単位と、1%以下のモノオルガノシロキシ及び/又はシロキシ単位とから本質的形成された、25℃で少なくとも10mPa.sの粘度を有するα,ω−ビス(トリオルガノシロキシ)ジオルガノポリシロキサン重合体であって、珪素原子に結合した有機基がメチル、ビニル及びフェニル基から選択され、これらの有機基の少なくとも60%がメチル基であり、10%以下がビニル基であるもの。これらの重合体の粘度は、25℃で数千万mPa.sに達することができる;すなわち、流動体から粘ちょうな外観を有するオイル及び軟質から硬質までのガムが挙げられる。これらは、特に仏国特許FR−A−978058、FR−A−1025150、FR−A−1108764及びFR−A−1370884に記載されている通常の技術に従って製造される。25℃で10mPa.s〜1000mPa.sの粘度を有するα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ジメチルポリシロキサンオイルを使用することが好ましい。可塑剤として機能するこれらの重合体は、重縮合によって架橋することのできるポリオルガノシロキサンオイルC100部あたり、70部以下、好ましくは5〜20部の割合で導入できる。
【0077】
本発明に従う組成物は、有利には、少なくとも1種のシリコーン樹脂Hをさらに含むことができる。これらのシリコーン樹脂は、周知でかつ市販されている分岐オルガノポリシロキサン重合体である。これらは、1分子あたり、次式R'''3SiO1/2(M単位)、R'''2SiO2/2(D単位)、R'''SiO3/2(T単位)及びSiO4/2(Q単位)から選択される少なくとも2個の単位を有する。R'''基は、同一のもの又は異なるものであり、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基並びにビニル、フェニル及び3,3,3−トリフルオルプロピル基から選択される。アルキル基は、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。特に、アルキル基Rとしては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル及びn−ヘキシル基が挙げられる。
【0078】
樹脂の例としては、MQ樹脂、MDQ樹脂、DT樹脂及びMDT樹脂が挙げられる。
【0079】
本発明に従う組成物を製造するために、1成分組成物の場合には、湿気のない環境中で熱を供給しつつ又は熱を供給することなく様々な主成分を緊密に混合するのを可能にする装置を使用することが必要であり、ここで、これらの主成分は、上記助剤及び添加剤と混合されていてよい。まず、オルガノポリシロキサンオイルCと充填剤Fとを混合し、続いて得られたペーストに架橋剤D、化合物E及び本発明に従う触媒を添加することが可能である。また、オイルCと、架橋剤Dと、化合物Eと、充填剤Fとを混合し、続いて本発明に従う触媒を添加することも可能である。これらの操作の間に、揮発性物質の除去を促進させるために混合物を大気圧下又は減圧下において50〜180℃の範囲内の温度で加熱することができる。一変形例によれば、アルコキシ単位を有するシリコーンオイルは、触媒として有効な量の水酸化リチウムの存在下にシラン又はポリアルコキシシランとの反応によるα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンオイルの官能化反応によってその場で製造される(FR2638752号に記載された方法)。
【0080】
そのままの状態、すなわち希釈されていない状態、又は希釈剤への分散液の状態で使用される、本発明の1成分組成物は、水が存在しない状態での貯蔵については安定であるが、水が存在すると低温から硬化して(分散液の場合には溶媒の除去が可能になる)エラストマーが形成される。
【0081】
湿気のある雰囲気下で組成物をそのままの状態で固体基材に塗布した後に、塗布された材料の外側から内側に向かって生じるエラストマーへの硬化プロセスが観察される。まず、表面に外皮が形成され、続いて深いところで架橋が続行する。表面への非粘着的な感触をもたらす外皮の完全な形成には、数分の時間を要するが、この時間は、組成物を取り巻く雰囲気の相対湿度の程度と、該組成物の架橋能力とによる。
【0082】
同様に、本発明の2成分組成物の製造は、様々な成分を好適な装置で混合することによって行う。均質な組成物を得るために、まず、重合体Aと充填剤Cとを混合させることが好ましい;混合物全体を80℃を超える温度で少なくとも30分間加熱して、オイルによる充填剤の湿潤を完了させることができる。周囲温度付近から80℃よりも低い温度にされた、得られた混合物を他の成分、すなわち架橋剤と、触媒と、随意に各種添加剤及び助剤と、さらには水とを混合させることができる。
【0083】
特に好ましい別の実施形態によれば、重縮合反応によってエラストマーに架橋することのできるポリオルガノシロキサン組成物Xは、該組成物Xを形成せるために混合されることを目的とした2つの別個の部分P1及びP2の形態をとる2種成分系から製造され、ここで、これらの部分の一方は、上記本発明に従う重縮合触媒A及び架橋剤Dを含むのに対し、他方の部分は、これらの種を含まず、かつ、次のものを含む:
・重縮合によって架橋してエラストマーを形成することのできるポリオルガノシロキサンオイルCの100重量部当たり
・水を0.001〜10重量部。
【0084】
別の特に好ましい実施形態によれば、重縮合反応によってエラストマーに架橋することのできるポリオルガノシロキサン組成物Xは、湿気の非存在下では貯蔵時に安定であり、かつ、水の存在下ではエラストマーに架橋する1成分系から製造され、しかも次のものを含む:
・官能化アルコキシ、オキシム、アシル及び/又はエノキシ、好ましくはアルコキシ末端基を有する少なくとも1種の架橋性線状ポリオルガノシロキサンオイルC、
・少なくとも1種の架橋剤D、
・少なくとも1種の充填剤F、及び
・上記本発明に従う重縮合触媒Aである、少なくとも1種の重縮合反応触媒。
【0085】
1成分ベースは、例えば、参考として引用するEP141685、EP147323、EP102268、EP21859、FR2121289及びFR2121631に詳しく記載されている。
【0086】
2成分ベースは、例えば、参考として引用するEP118325、EP117772、EP10478、EP50358、EP184966、US3801572及びUS3888815に詳しく記載されている。
【0087】
本発明の特に有利な実施形態の一つによれば、重縮合反応によりエラストマーに架橋することのできるポリオルガノシロキサン組成物Xは、チキソトロピー性を有するように、十分な量の少なくとも1種のチキソトロープ剤Kを含む。
【0088】
本発明において、チキソトロープシリコーン組成物とは、ある材料の構造を徐々に分解する剪断を受けた該材料の部分での流動学的挙動であると定義されるチキソトロピーを示す組成物のことである。つまり、チキソトロピーとは、静止時にはゲル状であり、撹拌や剪断にさらされると液化する組成物を得ることを可能にする可逆的現象のことである。したがって、チキソトロープ性材料は、これに加えられた剪断が増加するとその粘度の減少を招き、剪断を加えなくなると、所定時間後に元の粘度条件に戻る(Rheology Handbook:「A practical Guide to Rheological Additives」,Rheox,Inc.,1998参照。).
【0089】
チキソトロープ剤Kを添加すると、エラストマーに架橋することのできるポリオルガノシロキサン組成物Xのレオロジーを制御することが可能になり、特に、該組成物に非連続的粘弾性挙動を付与することを可能にする。
【0090】
チキソトロープ剤は、当該技術分野において周知である。これらのものとしては、シリコーン組成物において普通に使用されている様々な有機及び無機増粘剤が挙げられる。
【0091】
本発明のチキソトロープ剤Kは、次の化合物よりなる群から選択される:
・無機増粘剤、硼酸及びボレート、チタネート、アルミネート及びジルコネート;
・ヒドロキシル基を有する化合物;
・ポリエチレン及び/又はポリプロピレンを主成分とする化合物;
・環状アミン官能基を有する化合物;
・ポリエーテル型の化合物又はポリエーテル基を有する化合物;及び
・好ましくはポリフルオルエチレン(PFE)を主成分とする、さらに好ましくはポリテトラフルオルエチレン(PTFE又はテフロン(商標))を主成分とするフルオロ樹脂。
【0092】
ヒドロキシル基を有する化合物としては、特にヒドロキシル基を有する親水性シリコーン、例えばポリジメチルシロキサン又はポリメチルフェニルシロキサン又はポリジフェニルシロキサン或いはジメチルヒドロキシル末端基を有する共重合体、或いは「MDT」型のヒドロキシル化シリコーン樹脂が挙げられる。
【0093】
ポリエチレン及び/又はポリプロピレンを主成分とする化合物としては、弗素含有基を有していてよい結晶性ポリエチレン又はポリプロピレンワックス(Crayvallac(商標))が挙げられる。
【0094】
本発明において、「フルオロ樹脂」とは、C−F結合を有する任意のフルオロポリマーのことであり(例えば、「Encyclopedia of Chemical Technology」−第4版,1994,第11巻,pp.621−721参照)、例えば次のようなものである:
・ポリフッ化ビニル、
・ポリフッ化ビニリデン、
・ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)、
・ポリモノクロルトリフルオルエチレン、
・ポリフルオルポリエーテル、
・エチレンとテトラフルオルエチレンとの共重合体、
・テトラフルオルエチレンとペルフルオルビニルエーテルとの共重合体、及び
・ペルフルオルエチレンとペルフルオルプロピレンとの共重合体。
【0095】
本明細書に関連する粘度の全ては、1972年2月の基準法AFNOR NFT 76 102に従って、ブルックフィールドの器具を用いて25℃でそれ自体周知の態様で測定される動的粘度値に相当する。流動性の高い物質の場合には、本願明細書に関連する粘度は、25℃での動的粘度、すなわちニュートン粘度であり、言い換えれば、測定される粘度が速度勾配とは無関係なほど十分に低い剪断速度勾配で、それ自体周知の態様で測定される動的粘度である。
【0096】
本発明の好ましい一実施形態によれば、工程(b)において、シリコーン組成物Xを、可撓性基材Sに、キスロールによって、又はノズル、ドクター、回転機械又は逆回転ロールを使用してスプレーすることによる転写によって塗布する。テキスタイルに塗布されたシリコーン組成物Xの層の厚みは、0.1〜0.5mm、好ましくは0.1〜0.4mm、より好ましくは0.1〜0.3mmである。
【0097】
さらに、本発明は、上記シリコーン組成物Xの、可撓性テキスタイル基材S、特にレース片又は弾性ストリップを被覆するための使用に関するものでもある。
【0098】
最後に、本発明は、上記シリコーン組成物Xの、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ガラス繊維不織布又はポリエチレンテレフタレートから作られた可撓性基材Sを被覆するための使用に関するものである。
【0099】
本明細書においては、本発明の原理の理解を容易にするために特定の用語を使用している。ただし、この特定の用語の使用が本発明の範囲の限定を意図するものではないことを理解しなければならない。当業者であれば、その一般的な知識に基づいて改変、改良及び向上を想起することができる。「及び/又は」という用語には、及び、又はという意味のみならず、この用語に関連する要素の考えられる他の組み合わせの全てが包含される。
【0100】
本発明の別の詳細な内容又は利点は、単なる例示として以下に与える実施例を読めばさらに明らかになるであろう。
【実施例】
【0101】
例:
(1)本発明による触媒の製造
(A−2):1−ブチル−2,3−ジシクロヘキシル−1,3−ジメチルグアニジン
19.12gのN−メチル−N−シクロヘキシルアミン(0.169mol)の160mLヘキサン溶液を18.38gのシクロヘキシルイソシアネート(0.147mol)と滴下で混合し、続いて曇った混合物を還流状態で2時間加熱し、その後、乾燥状態にまで蒸発させて35gの粗N,N’−ジシクロヘキシル−N−メチル尿素を得る。この粗生成物17g(71.33mmol)の65mL乾燥トルエンへの懸濁液を12gのPOCl3(78mmol)と1時間にわたって混合し、続いて、20℃で数時間後、15.5gのN−ブチル−N−メチルアミン(0.178mmol)を2時間にわたって添加し、続いて、さらに20℃で2時間後に、50mLの水を添加する。続いて、49gの35%水酸化ナトリウム溶液を冷却した状態で添加し、その後、2相混合物をジイソプロピルエーテルで抽出する。乾燥及び乾燥状態までの蒸発後に、得られたオイル26.5gを180℃で1mbar下において蒸留して所期のグアニジン21.25gを得た(97%の収率)。
【0102】
(A−3):N−ブチル−N’−シクロヘキシル−N−エチルピペリジン−1−カルボキシアミジン
18.62gのピペリジン(0.219mol)の360mLヘキサン溶液を23.8gのシクロヘキシルイソシアネート(0.190mol)と滴下で混合し、続いて、曇った混合物還流状態で2時間加熱し、その後、これを冷却し、ろ過して39.3gの純N−シクロヘキシルピペリジン−1−カルボキシアミドを得た(98.3%の収率)。この純粋生成物15.05g(71.6mmol)の65mL乾燥トルエンへの懸濁液を12gのPOCl3(78mmol)と1時間にわたって混合し、続いて、20℃で数時間後に、18.1gのN−ブチル−N−エチルアミン(0.179mmol)を2時間にわたって添加し、続いて、さらに20℃で2時間後に、50mLの水を添加する。続いて、49gの35%水酸化ナトリウム溶液を冷却した状態で添加し、その後、2相混合物をジイソプロピルエーテルで抽出する。乾燥及び乾燥状態までの蒸発後に、得られたオイル20gを185℃で1mbar下において蒸留して、所期のグアニジン17gを得た(81%の収率)。
【0103】
II.1成分組成物の製造 - ペースト試験:ビニルトリメトキシシラン架橋剤
使用するペーストを次のとおりに製造する:20000センチポイズの粘度を有し、0.066%のOHを含有する3464gのα,ω−ジヒドロキシオイルと120gのビニルトリメトキシシランとの混合物を撹拌しながら16gの2重量%水酸化リチウムメタノール溶液と混合し、続いて、5分後に、400gのAE55ヒュームドシリカを添加する。この混合物を減圧下で揮発分除去し、続いて湿気のない環境中で保存する。
各試験について、試験する触媒をこのペーストの50gと混合し、続いて触媒能力を3つの方法で評価する:
・外皮形成時間(SOT)、つまり、2mmフィルムについて表面架橋が認められる時間;
・48時間目での粘着的感触の存続;
・調節された状態(23℃及び50%相対湿度)及び経時(2、3、4、7及び14日)での、また、周囲温度(AT)で7日(7d)後、続いて100℃で7日後の6mmの厚さのビードの硬度(ショアーA硬度)。この結果の表において、記号「>」は、該ビードの上部で測定された硬度値に相当し、記号「<」は、該上部よりも周囲空気にさらされていない該ビードの下部で測定された硬度値に相当する。
【0104】
試験した触媒(A1)〜(A4):
【化10】

比較のために、次のものも試験した:
・錫系触媒:ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、及び
・1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)。
【0105】
【表1】

【0106】
1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)は、本発明のグアニジン(A1)〜(A3)よりも極めて高いモル濃度であっても、シリコーンオイルを架橋することができない。グアニジン(A1)〜(A3)は、それらの量を非常に低い値に合致させて外皮形成時間を調節することができることのみならず、錫触媒(DBTDL)で得られる熱安定性及び機械的性質に非常に近い高い熱安定性及び機械的性質を有するエラストマーを得ることも可能にする。さらに、これらの結果は、非毒性である本発明の触媒(A1)〜(A3)が、テトラメチルグアニジン(TMG)を主成分とする触媒よりも効果的な触媒作用をもたらすことを示している。既存の触媒を本発明の触媒で有利に置き換えることができる。
【0107】
(III)レースへの被覆(アセトキシRTV−1:アセトキシ型シラン架橋剤)
試験した処方物(重量%):
次のペーストを製造する:
50000mPa.sの粘度を有する、70.8%のα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンオイル
14000mPa.sの粘度を有する6.4%のα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンオイル
α,ω−ジヒドロキシ
500mPa.sの粘度を有する9.6%のポリジメチルシロキサンオイル
10.4%のジメチルシラザン処理シリカ
続いて、このペーストをx%の試験触媒及び3.8%のエチルトリアセトキシシランとメチルトリアセトキシシランとの混合物と混合する。
【0108】
(a)触媒の添加量(重量%):
DBTDL 0.06%
本発明に従う触媒(A1)〜(A4)=0.10〜0.14%(5当量/錫のモル数)。
【0109】
ポリアミド、ポリエステル及びエラステインを基材とする基準ニットレースに組成物を0.3mmの厚さで連続的に被覆する。続いて、被覆したレースをエラストマーが得られるまで周囲温度で架橋させる。得られたエラストマーの特性は、レース用途にとって満足のいくものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマーの前駆体であり、かつ、重縮合反応によって架橋することのできるシリコーン組成物Xをテキスタイル、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ガラス繊維不織布又はポリエチレンテレフタレートから作られた可撓性基材Sに被覆するための方法であって、次の工程(a)、(b)及び(c):
(a)重縮合反応によってエラストマーに架橋することができ、金属触媒を含まず、しかも次の物質を含むシリコーンXを製造し:
重縮合反応によって架橋してシリコーンエラストマーを形成することのできる少なくとも1種のポリオルガノシロキサンオイルを含むシリコーンベースB、及び
触媒として有効な量の、次の一般式(I)に従う非シリル化有機化合物である少なくとも1種の重縮合触媒A:
【化1】

式中、
同一又は異なる基R1、R2、R3、R4又はR5は、互いに独立に、直鎖又は分岐1価アルキル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基(ここで、該環状部分は置換又は非置換であり、かつ、少なくとも1個のヘテロ原子を有していてよい)又はフルオルアルキル基、芳香族基、アリールアルキル基、フルオルアルキル基或いはアルキルアミン又はアルキルグアニジン基を表し、
基R1、R2、R3又はR4は、一緒になって、1個以上の置換基で置換されていてよい3、4、5、6又は7員の脂肪族環状部分を形成することができるが、ただし
1、R2、R3、R4及びR5は珪素原子を有しないものとし;
(b)続いて、該シリコーン組成物Xを該可撓性基材Sに連続的に又は非連続的に塗布し、そして
(c)該シリコーン組成物Xを周囲空気によって与えられる湿気の存在下で又は事前の水の添加によって架橋させてシリコーンエラストマーを形成させること
を含む方法。
【請求項2】
前記重縮合触媒Aが次の化合物(A1)〜(A4)よりなる群から選択される非シリル化有機化合物である請求項1に記載の方法:
【化2】

【請求項3】
前記重縮合反応によってエラストマーに架橋することのできるオルガノポリシロキサン組成物Xが、請求項1又は2に記載の少なくとも1種の重縮合触媒Aの触媒として有効な量と、次のものを含むシリコーンベースBとを有する、請求項1に記載の方法。:
重縮合によって架橋してエラストマーとなることのできる少なくとも1種のポリオルガノシロキサンオイルC;
随意に、少なくとも1種の架橋剤D;
随意に、少なくとも1種の接着促進剤E;及び
随意に、少なくとも1種の非珪質有機及び/又は珪質無機充填剤F。
【請求項4】
工程(b)において、前記シリコーン組成物Xを、前記可撓性基材Sに、キスロールによる又はノズル、ドクター、回転機械若しくは逆回転ロールを使用したスプレーによる転写によって塗布することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記可撓性テキスタイル基材Sがレース片又は弾性ストリップであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーン組成物Xの、可撓性テキスタイル基材S、特にレース片又は弾性ストリップを被覆するための使用。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーン組成物Xの、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ガラス繊維不織布又はポリエチレンテレフタレートから作られた可撓性基材Sを被覆するための使用。

【公表番号】特表2012−530198(P2012−530198A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515531(P2012−515531)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000433
【国際公開番号】WO2010/146250
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(507421304)ブルースター・シリコーンズ・フランス (62)
【Fターム(参考)】