説明

録画信号生成装置、録画信号生成方法、受信装置、受信方法、送受信方法

【構成】 情報信号の発生手段2,3により発生した日付や時刻、タイムコードなどの情報信号を多重手段7により映像信号に多重し、磁気テープ11に記録するとともに、発生した情報信号をメモリ20に記憶する。メモリ20から読み出した情報信号を、文字信号発生回路19により文字信号に置き換えて、加算手段18により映像信号に加算して出力して、テープ別に一覧表示する。
【効果】 使用者はテープをVTRに挿入・再生しなくても、記録内容を知ることができる。また、一覧表示から番組を選択して、容易に録画予約や番組頭出しが行なえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の磁気テープに記録された内容を管理し、検索および録画予約を容易にした磁気記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気記録再生装置(以下、VTRと記す)で映像や音声を記録した磁気テープ(以下、単にテープと記す)を管理する手法は、記録内容などを書き込んだインデックスラベルを貼り付けて管理するのが一般的であった。また、複数の番組が一本のテープに記録されている場合に、見たい番組の頭出し再生(テープを早送りまたは巻戻して見たい番組の冒頭部分を探し出し、再生すること)を行なうシステムの例として、VISS(VHS Ind
ex Search System )などがよく知られている。これはテープに記録されている頭出し信号数をカウントしながら、テープを巻き戻しあるいは早送りし、所望のカウント数に達したときにテープを再生するものである。
【0003】
また、VTRに挿入されたテープの内容を表示するものとして特許文献1に記載の技術がある。これはテープをVTRから取り出す時に、そのテープの記録内容を示す情報(各番組の番号とその番組開始位置,番組終了位置,入力信号種別,記録日時,記録時間,録画モード,コメント等)をテープ上のサブコードエリアに記録し、再生時にはこの情報を再生して表示するものである。
【0004】
さらにまた、複数のテープの記録内容を、テープをVTRに挿入しなくとも表示できるVTRも製品化されている(松下(株)製;NV−BX25)。これは、録画時にVTR本体にテープ毎の記録内容を記憶しておき、再生時には各テープに貼り付けたバーコードのラベルによりテープ番号を識別して、メモリからそのテープの記録内容を呼び出して表示し、上記したVISSにより頭出しを行なうものである。
【0005】
なお、録画したい番組を予約する録画予約を行なうためには、録画したい日付または曜日,チャンネル,録画時間,録画モードなどを使用者が入力するか、Gコードと呼ばれる番組固有の番組コードを入力する方法が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭64−13278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したインデックスラベルに記録内容を書き込んでテープを管理する従来手法は面倒である上、録画をやり直した場合にはインデックスラベルを書き直す必要がある。またVISSなどの方法を利用して頭出しを行なう場合には、見たい番組がそのテープの何番目に記録されているかを覚えておくか、もしくはインデックスラベルに書いておく必要があり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0008】
また、前記した特開昭64−13278号公報に開示された技術では、テープ内容を表示させるためには、VTRにテープをいちいち挿入しなければならないので、複数のテープの中から見たい番組を探すのに手間がかかるという問題がある。
【0009】
また、前記したバーコードラベルでテープを識別する手法では、バーコードを読み取るための機構や回路が必要となり、コストアップにつながるという問題がある。
【0010】
さらにまた、録画予約を行なうために、日付,時刻,その他データを使用者がいちいち入力する操作は非常に面倒であり、入力ミスも多いという問題があった。これに対し、前記Gコードを入力して録画予約を行なう方法は操作は簡単であるが、Gコードが使用者にとっては意味の無いコードであるため、番組コードを付したコード表が別途必要となり、Gコードが判らない場合には適用できないという問題がある。
【0011】
従って、本発明の解決すべき技術的課題は上記した従来技術のもつ問題点を解消することにあり、その目的とするところは、複数のテープの検索や、録画予約が容易に行なえるVTRを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明では、複数の磁気テープの記録内容を記憶するメモリ手段と、磁気テープに記録された日時,タイムコードに基づきテープ番号を識別し、対応するテープの記録内容を上記メモリ手段から読み出し、表示する手段と、表示した記録内容から選択的に頭出し動作、あるいは番組予約を行なう手段と、を設ける。
【0013】
本発明では、複数の磁気テープの記録内容をVTR自身が記憶し、表示することができるので、使用者は各テープの記録内容を容易に知ることができ、この表示された記憶内容を利用して、簡便に番組の頭出しや、録画予約の操作を行なうことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像信号に日付,時刻,タイトル,タイムコードなどの情報信号を多重してテープに記録するとともに、VTR内のメモリにこれらの情報信号を記憶し、目次表示させることができるので、使用者はテープをいちいち挿入して再生することなく、テープに記録されている内容を知ることができる。
【0015】
また、日付や時刻、あるいはタイムコードなどの情報に基づいてテープ番号を識別するので、従来のようなバーコード読み取り装置などは必要がない。
【0016】
さらに、目次表示を見ながら番組を選択することで、番組の頭出しや録画予約の入力が行なえるので、これらの操作を簡略化できる。
【0017】
総じて、テープの管理やテープ内容の検索が容易・確実で、番組の頭出しや録画予約が極めて容易な、使い勝手の良いVTRを実現でき、その価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例に係るVTRの要部回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例によるVTRの全体動作の処理フローチャート図である。
【図3】図2のフローチャートにおける予備再生動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図4】図2のフローチャートにおける録画動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図5】図1のVTRにおける出力端子31から出力される表示画面の1例を示す説明図である。
【図6】図2のフローチャートにおける巻き戻し動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図7】図2のフローチャートにおける早送り動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図8】図2のフローチャートにおける再生動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図9】図2のフローチャートにおける録画予約動作の処理の1例の詳細を示すフローチャート。
【図10】図2のフローチャートにおける録画予約動作の処理の他の1例の詳細を示すフローチャート図である。
【図11】図2のフローチャートにおける録画予約動作の処理の更に他の1例の詳細を示すフローチャート図である。
【図12】図2のフローチャートにおける録画予約動作の処理の更に他の1例の詳細を示すフローチャート図である。
【図13】図2のフローチャートにおける目次作成動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の第2実施例に係るVTRの要部回路構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第2実施例による録画動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図16】本発明の第2実施例による放送中の番組一覧表示動作の処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図17】本発明の第3実施例に係るVTRの要部回路構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施例を図1〜図17を用いて説明する。
【0020】
先ず、本発明の第1実施例を説明する。図1は本発明の第1実施例に係るVTRの要部回路構成を示すブロック図である。
【0021】
図1において、11はテープ(磁気テープ)、9および10は、テープ11を巻取るリ
ールである。また、29はTV放送信号の入力端子、5は該入力端子29からのTV放送信号を受信するTVチューナ、30は、例えばビデオカメラや他のVTRなどの外部機器からの映像信号の入力端子、6は、チューナ5と入力端子30からの映像信号を切替えて出力するスイッチ回路であり、1は、チューナ5における選局およびスイッチ回路6の切替えを制御する映像信号入力切替え制御回路である。
【0022】
2は日付・時刻信号発生回路、3はタイムコード信号発生回路、4は情報信号記録処理回路で、映像信号入力切替え制御回路1からの入力信号の選択情報や、日付・時刻信号発生回路2からの日付・時刻情報、およびタイムコード信号発生回路3からのタイムコード信号を入力とし、これらの情報信号をあらかじめ定めた記録フォーマットに従って出力する。7は情報信号多重回路で、スイッチ回路6からの映像信号の垂直ブランキング期間(
垂直同期信号を含む画像の信号が存在しない期間)に、情報信号記録処理回路4からの情報信号を多重する。
【0023】
8は映像信号記録・再生処理回路で、記録時には、情報信号多重回路7からの映像信号を周波数変換して記録可能な信号に変換するとともに、再生時には、再生信号を逆周波数変換する。12および13は磁気ヘッドで、映像信号記録・再生処理回路8からの記録電気信号を磁気信号に変換してテープ11に記録し、また、テープ11からの再生磁気信号を電気信号に変換して映像信号記録・再生処理回路8に出力する。
【0024】
15はスイッチ回路で、映像信号記録・再生処理回路8へ入力される記録映像信号と、同回路8より出力される再生映像信号とを切り替えて出力する。33は画面全体を青一色とする信号を発生するブルーバック発生回路、32はスイッチ回路で、スイッチ回路15からの出力とブルーバック回路33からの出力とを切り替えて出力する。19は文字信号発生回路、18は文字信号加算回路で、スイッチ回路32からの映像信号に文字信号発生回路19からの文字信号を加算する。31は文字信号加算回路19からの映像信号を出力する出力端子である。
【0025】
16は映像信号有無検出回路で、スイッチ回路15からの出力信号を入力とし、映像信号の有無を検出する。17は情報信号再生処理回路で、同じくスイッチ回路15からの出力信号を入力とし、スイッチ回路15からの映像信号に多重されている情報信号を読み取り出力する。
【0026】
22はコントロール信号記録処理回路で、テープ11の走行を制御するためのコントロール信号を発生し、このコントロール信号のパルス幅を変化させることにより頭出し信号などの情報を付加する。14はコントロール信号を記録・再生するコントロールヘッドである。23はコントロール信号再生処理回路で、再生されたコントロール信号を読み取り
、頭出し信号などの付加された情報を判別する。21はスイッチ回路で、コントロール信号の記録時には、コントロール信号記録処理回路22からの記録コントロール信号をコントロールヘッド14へ出力し、また、コントロール信号の再生時には、コントロールヘッド14からの再生コントロール信号をコントロール信号再生処理回路23へ出力する。
【0027】
24はテープ11が本VTRに挿入されたことを検出するテープ挿入検出回路、25はリール9および10の回転数を検出するリール回転数検出回路、37は誤消去防止モード検出回路で、本VTRに挿入されたテープ11が誤消去防止モードであるかどうかを、テープケース(図示していない)にあるツメの切取り、あるいはスライド式のふたの開閉等により検出する。また、27は本VTRの使用者が本VTRの動作を操作するための操作部、28は本VTRの動作状態などを使用者に知らせるための表示部である。
【0028】
26は全体制御を司るシステムコントロール回路で、このシステムコントロール回路26は本VTRの各部の動作をコントロールするとともに、現在の時刻と日付情報を発生する時計およびカレンダー機能を有したものとなっている。また、20はメモリで、システムコントロール回路26の制御のもとに各種情報データを読み書きできるようになっている。なお、メモリ20やシステムコントロール回路26を含めた必要最小限の回路要素には、主電源の遮断時にもスリープモード用のサブ電源等により電源電流が供給されるようになっている。なおまた、メモリ20は、バッテリーバックアップされたRAM,EEPROM等の不揮発性半導体メモリ手段とされることがより望ましい。
【0029】
なお本実施例においては、発生されるタイムコードはテープの巻頭部分でリセットされ
、テープの走行時間に対応して時・分・秒・フレーム番号を表す値をとるものとする。
【0030】
ここで、映像信号の垂直ブランキング期間に情報信号を多重する技術としては、例えば業務用VTRにおけるタイムコード(VITC;Vertical Interval Time Code )や文字放送、あるいはレーザーディスクにおけるチャプター情報など、すでに多くの技術が一般に知られているので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0031】
次に本実施例の動作を、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0032】
図2は本実施例の動作全体を示すフローチャートであり、この全体の処理の流れはシステムコントロール回路26により制御される。先ず、本実施例のVTRにより、全く信号が記録されていない状態のテープ11へ記録を行う場合の動作について説明する。
【0033】
ステップST1において、先ず使用者が電源の投入を指示すると、システムコントロール回路26は本VTRの電源投入を行う。本VTRの購入時には、メモリ20にはデータが書き込まれていないので、使用者はステップST2において全目次表示の要求はせず、従ってシステムコントロール回路26はステップ3の全目次表示処理は行わず、ステップST4に処理を移す。さらに、最初は本VTRにテープ11は挿入されていないので、システムコントロール回路26は処理をステップST5に進める。使用者によりテープ11が本VTRに挿入されると、テープ挿入検出回路24がそれを検出し、それを受けてシステムコントロール回路26は、予備再生(ステップST6)および情報信号の検出(ステップST7)を行う。
【0034】
ここで、予備再生(ステップST6)について説明する。図3は、上記ステップST6の予備再生処理の詳細を示すフローチャートであり、これは後述する図2のステップST10,ST30,ST33の予備再生処理にも共通の処理である。
【0035】
予備再生処理が開始されると、まずテープ再生のための走行が開始される(ステップST301)。なお、テープ走行のためのメカニズム部は図1には図示していない。磁気ヘ
ッド12及び13がテープ11から再生した信号は、映像信号記録・再生処理回路8により再生処理がなされ、情報信号再生処理回路17により情報信号が抽出され、システムコントロール回路26へと出力される。ステップST302の処理において、システムコントロール回路26は、情報信号再生処理回路17からの再生された情報信号を読み取る。またこの時、システムコントロール回路26はスイッチ回路32を制御し、画面全体を青一色とするブルーバック信号を、ブルーバック発生回路33から文字信号加算回路18を介して出力端子31に出力する。したがって、予備再生処理によって再生された映像信号は、出力端子31には出力されない。何となれば、予備再生動作は情報信号を読み取ることを目的としているので映像信号を出力する必要はなく、これにより使用者に不必要な映像を見せ違和感を与えることがないようにしている。
【0036】
情報信号を読み取った結果、再生信号にタイムコードが多重されている場合には、システムコントロール回路26は、読み取ったタイムコード値をタイムコード信号発生回路3にプリセットする(ステップST303,ST304)。再生信号にタイムコードが多重されていない場合には、システムコントロール回路26は、リール回転数検出回路25の出力情報たるリール回転数からテープ走行時間を計算し、この値をタイムコードに換算してタイムコード信号発生回路3にプリセットする(ステップST303,ST305)。この際、リール回転数からの計算値がタイムコードに比べて精度が悪ければ、例えばフレーム数までは計算せず、時,分,秒の値をプリセットするようにすればよい。
【0037】
予備再生動作をあらかじめ定められた一定期間(例えば1秒間)行なったら、システムコントロール回路26は自動的にテープ走行を終了する(ステップST306,307)。
【0038】
以上の動作により、現在のテープ位置の情報信号を読み取ることができ、また、タイムコード信号発生回路3がプリセットされる。例えば、挿入されたテープに既に映像信号およびタイムコードを含む情報信号が記録されており、このテープに続けて番組を録画する場合には、予備再生でプリセットされたタイムコード値から連続したタイムコード値が発生され記録されるので、タイムコードの連続性が保たれる。また、タイムコードが記録されていない部分に録画をする場合には、テープ走行時間に対応したタイムコード値が記録されるので、例えば1本のテープ上に無記録部分をはさんで複数の番組が記録されるような場合でも、タイムコードの値が重複することがない。
【0039】
図2のステップST7において、システムコントロール回路26は上述したステップST6の予備再生動作の結果、情報信号が検出されたか否かを判定し、検出されていなければ処理をステップST50に移す。ステップST50では、映像信号有無検出回路16が映像信号が再生されているか否か検出し、その結果をシステムコントロール回路26に出力する。そして、システムコントロール回路26は予備再生の結果、映像信号有無検出回路16により映像信号が検出されたか否かを判定する。ステップST50において映像信号が検出された場合には、処理はステップST14に移る。ステップST50において映像信号が検出されない場合には、自動的にテープを巻頭へ巻き戻して予備再生(ステップST10)及び情報信号の検出(ステップST11)を行う。ここでも情報信号が検出されなければ、システムコントロール回路26はステップST14において、誤消去防止モード検出回路37の出力により、挿入されたテープ11が誤消去防止モードになっているか否かの検出を行う。
【0040】
無記録のテープでは情報信号および映像信号は検出されず、誤消去防止モードにもなっていないので、システムコントロール回路26は処理をステップST18に進める。新しいテープに初めて記録を行おうとする場合には、記録を行なう前にステップST18において、使用者はテープ登録を指示する。これを受けシステムコントロール回路26は処理をステップST19に移し、挿入されているテープ11に対するテープ番号としてこれまでにまだ使っていない最も小さい数字を割り当てる。ここでは本VTRの最初のテープであるから番号「1」が割り当てられる。テープ11は無記録のテープであるから、使用者はステップST20の目次の作成処理は行なわず、処理はステップST26に進められる。
【0041】
ステップST26からステップST39までは、使用者の指示により選択的に行われる処理である。使用者が操作部27により、再生,もしくは巻き戻し,もしくは早送り,もしくは録画予約,もしくはタイトル入力,もしくは録画の指示を行うと、それぞれステップST26,ST28,ST31,ST34,ST36,ST38において各指示の入力が検出され、ステップST27,もしくはST29とST30,もしくはST32とST33,もしくはST35,もしくはST37,もしくはST39において、それぞれの処理が行われる。
【0042】
本実施例では、使用者は録画する番組のタイトルを入力することができる(ST36とST37)。すなわち、使用者によりタイトル入力が操作部27から指示された場合には、ステップST36によりそれが検出され、操作部27によって入力されたタイトルが、一旦システムコントロール回路26内に保持される(ステップST37)。
【0043】
また図2には示していないが、本実施例においては、上記番組のタイトルの入力と同様にして、番組のジャンルを使用者が入力することもできるようにしている。この場合は、使用者が操作部27からジャンル入力を指示すると、システムコントロール回路26は、予め定めた番組のジャンルの一覧(例えばスポーツ,音楽,映画,教養,バラエティ,ドキュメンタリーなど)を表示部28に表示するか、もしくは、文字信号発生回路19と文字信号加算回路18により出力映像信号にスーパインポーズしてジャンルの一覧をモニタに表示する。これにより、使用者は表示されたジャンル一覧表の中から、希望のジャンルを操作部27によって選択する。そして、システムコントロール回路26は、選択されたジャンルを番組データの一つとして保持しておくようにされる。
【0044】
システムコントロール回路26に保持された番組のタイトルやジャンルは、その番組の録画前であれば、録画時に番組データの一部としてメモリ20に記憶する。番組の録画後であれば、メモリ20に記憶されている該当する番組データに付加的に記憶する。これにより、使用者は番組の録画前にタイトルやジャンルを入力する時間がない場合は、番組の録画後にこれらの入力を行なえる。
【0045】
使用者により録画の指示が操作部27から入力されると、ステップST38においてシステムコントロール回路26はそれを検出し、録画処理を行う(ステップST39)。ここで、この録画処理について説明する。
【0046】
図4は、上記ステップST39の録画処理の詳細を示したフローチャートである。記録処理が開始されるとシステムコントロール回路26の処理により、図2のステップST19において既に割り当てられたテープ番号(ここでの説明では前記したように「1」)、
および図2のステップST37で既に入力されたタイトル情報やジャンル情報、さらに録画開始時の日時,曜日,タイムコード値,チャンネル等の入力信号の種類、標準あるいは長時間などの録画モードが、メモリ20に自動的に記憶される(ステップST401)。
なお、必ずしも曜日をメモリ20に記憶しなくてもよく、日付をメモリ20から読み出した後に必要に応じて日付から曜日を割り出すものとしてもよい。次に、録画のためのテープ走行が開始されると同時に、タイムコード信号発生回路3によるタイムコードのカウントが開始される。また、システムコントロール回路26はコントロール信号記録処理回路22を制御し、コントロールヘッド14により頭出し信号をテープ上に記録する(ステップST402)。
【0047】
録画中は、日時,チャンネル等の入力信号の種類、およびタイムコードなどの情報信号を多重した映像信号をテープ11に記録する(ステップST403)。ステップST404にて録画終了が指示された場合には、システムコントロール回路26は、ステップST405の処理によりテープ走行を停止すると同時に、タイムコードのカウント動作を停止させる。続いて、録画終了時のタイムコード値,日時,曜日、およびこれらの数値から計算した録画開始から終了までの時間、およびテープ残量時間をメモリ20に記憶して(ステップST406)、録画処理を終了する。
【0048】
図2において、テープをVTRから取り出す場合には、ステップST40において使用者は操作部27からテープ11の取り出しを指示する。この指示を受け、システムコントロール回路26はステップST41の処理により、テープ11を取り出すとともに、テープ番号を表示部28に表示するか、または、文字信号発生回路19を制御して文字加算回路18によりテープ番号を映像信号出力にスーパインポーズする。これにより使用者は取り出したテープのテープ番号を知ることができるので、テープを取り出した後、テープ番号をテープケースに書き込んだり番号シールを貼る作業を、容易に行うことができる。
【0049】
その後、ステップST42において、使用者が操作部27から電源オフを指示すると、システムコントロール回路26はVTRの電源を切り、すべての処理を終了する。
【0050】
次に、このようにして複数のテープに録画を行なった後、これを本VTRにより再生する場合について説明する。
【0051】
図2のステップST5において、使用者がテープ11を挿入したことがテープ挿入検出回路24により検出されると、それを受けシステムコントロール回路26は、前記したステップST6の予備再生処理を行う。その結果、ステップST7において情報信号が検出されると、システムコントロール回路26は、情報信号再生処理回路17において再生された情報信号とメモリ20に記憶されている情報信号との比較を行い、一致するデータがあるかどうかを検索する。すなわちメモリ20には、本VTRで過去に録画した番組の録画開始時の日時とタイムコード,録画終了時の日時とタイムコード,タイトル,チャンネル,録画モード,テープ番号などが記憶されているので、これらと情報信号再生処理回路17からの出力である再生中の情報信号の日時やタイムコードの値との比較を行ない、該当する番組データがあるかどうかを検索していく(ステップST8)。
【0052】
こうして該当する番組が見つかった場合には(ステップST9)、システムコントロール回路26は、その番組データのテープ番号をメモリ20から読み出しテープ番号を識別する(ステップST15)。ステップST6の予備再生時にテープ11が録画されている部分よりも先に送られていたため、ステップST7およびST50において情報信号および映像信号が検出されなかったり、ステップST9において該当する番組が検索されなかったときは、ステップST10において、磁気テープ11は自動的に巻頭まで巻き戻されて、再度予備再生が行われ、ステップST12およびST13において、ステップST8およびST9と同様の検索が再度行われる。これにより、登録済みテープを未登録テープと誤認識することを防ぐことができる。
【0053】
また、情報信号を多重して記録することができない他のVTRで記録が行なわれたテープを本VTRで再生した場合には、ステップST50にて映像信号が検出され、処理は自動的にステップST14に移る。
【0054】
ステップST15においてテープ番号が識別された後は、システムコントロール回路26はステップST23の処理により、テープ番号を表示し、また、メモリ20に記憶されている同一テープ番号の番組データを目次として一覧表示する。この表示方法は、表示部28に表示するようにしてもよいし、文字信号発生回路19と文字信号加算回路18によって映像信号出力にスーパインポーズしてもよい。
【0055】
目次に表示する項目としては、各番組のタイトル,ジャンル,録画開始日時,終了日時,タイムコード値,チャンネル,録画時間,録画モード,無記録部のテープ残量時間などがあり、多くの情報を表示すればするほど使用者はその番組に関する多くの情報を得られる。表示できるエリアに制限がある場合は、これらの情報の中から選択的に表示を行う。図5は目次の表示例である。図5においては、タイトル情報が使用者により入力されている番組については、タイトルと録画した日付,曜日を、タイトル情報が入力されていない番組については、録画開始の日付,曜日と時間、およびチャンネルなどの入力選択情報を表示するようにしている。このような表示を行うようになせば、使用者はタイトルが入力されていない番組についても、その内容を目次表示の日時,曜日,チャンネルから推察することができる。
【0056】
目次表示が行われたら、使用者はそれを見ながら図2のステップST24において、見たい番組を操作部27によって指定(頭出し番組番号を指定)することができる。システムコントロール回路26はこれを受け、ステップST25の処理において所望の番組の頭出し動作を実行する。
【0057】
次に、この頭出し動作について詳しく説明する。コントロールヘッド14からの出力信号は、スイッチ回路21を介してコントロール信号再生処理23に供給され、コントロール信号に含まれる各番組の冒頭部分に書き込まれている頭出し信号がシステムコントロール回路26に出力される。システムコントロール回路26は、この頭出し信号をカウントしながらテープ11を早送りあるいは巻戻しする。そしてシステムコントロール回路26は、予備再生した情報信号とメモリ20内の番組データとを照合することによって、現在のテープ再生位置が目次表示中のどの番組であるかを判別し、使用者が見たいと希望した番組まで頭出し信号をカウントしながら、必要に応じて磁気テープ11を早送りあるいは巻き戻しを行い、所望のカウント数に達したところで再生を行う。
【0058】
頭出し動作の別の方法として、リール回転数検出回路25からのリール回転数からテープの位置を計算し、所望の位置まで早送りあるいは巻戻しを行なって頭出しする方法もある。また、これらの方法と組み合わせて、テープ上に記録されているタイムコードを利用すればより正確な頭出しが迅速に行える。
【0059】
頭出しが行われた後は、処理はステップST27に移り、自動的に再生が行われる。従って、使用者が表示された目次上で見たい番組を選択するだけで、自動的に頭出し再生が行われる。
【0060】
使用者がテープ11の巻き戻しを操作部27により指示した場合には、システムコントロール回路26はステップST28にてその指示を検出し、ステップST29の巻戻しの処理を行なう。図6は、ステップST29の巻戻し処理の詳細を示すフローチャートである。ステップST601にてテープの巻戻し動作が開始され、ステップST602にて巻戻し終了が指示されたら、ステップST603にてテープ巻戻し動作を停止する。図2において巻戻し動作終了後、自動的にステップST30において、予備再生動作を行ない情報信号を読み取る。
【0061】
早送りの場合も同様で、図2のステップST31,ST32,ST33において早送り動作および予備再生動作が行なわれる。図7は、ステップST32の早送り動作処理の詳細を示すフローチャートである。図7の処理は図6とほぼ同様であり、同図からその処理動作は自明であるのでその説明は省略する。
【0062】
このように、テープ11の巻戻し動作および早送り動作の後に、自動的に予備再生を行ない、情報信号を再生してタイムコードや日付等を読み取ることにより、システムコントロール回路26は、現在のテープ11の再生位置や番組データを検出できるので、使用者は巻戻しや早送りを行なった後、再生を指示しなくともこれらの情報を知ることができる。また、その後、続けて目次表示や番組の頭出し再生を行なう場合には、予備再生を行なう必要がないので処理時間を短縮できる。
【0063】
図2において、使用者がテープ11の再生を操作部27により指示した場合には、システムコントロール回路26はステップST26にてその指示を検出し、ステップST27にて再生動作を行なう。図8は、このステップST27の再生処理の詳細を示すフローチャートである。ステップST801にて再生処理が開始され、使用者が操作部27から指示することによりステップST802およびST803の処理によって、必要に応じて再生中の番組のタイトルや録画日時,タイムコード値,テープのアドレス情報などの情報信号を、モニタ画面あるいは表示部28に表示させて見ることができる。また、ステップST804およびST805の処理により、再生しながらそのテープに録画されている内容を目次表示させることが可能である。さらに、ステップST806,ST807,ST808の処理により、続けて頭出し動作を行なうことができる。
【0064】
図2において、操作部27により使用者が録画の予約を指示した場合には、システムコントロール回路26はステップST34にてその指示を検出し、処理をステップST35に移す。使用者は操作部27により、録画したい番組の日時,チャンネル,録画モードなどを入力する。この場合、Gコードなどの番組コードを入力するものとしてもよい。使用者が録画予約した後は、システムコントロール回路26は、予約した日時になると録画開始の命令を発生し、ステップST38にてその命令を検出し録画動作を開始する。
【0065】
図9は、上記ステップST35の録画予約動作処理の詳細を示すフローチャートである。使用者は操作部27によりステップST902において、録画したい日付あるいは曜日,録画開始時刻,録画時間あるいは録画終了時刻,チャンネル,録画モードなどを入力する。勿論、これらの代わりにGコードと呼ばれる番組コードを使用者が入力するものとしてもよい。録画予約のためのデータが入力されたら、システムコントロール回路26はメモリ20の検索を行ない、入力された曜日,時刻,録画時間が一致する番組データを探す(ステップST903)。
一致する番組データがメモリ20内に見つかった場合には、その番組のタイトル名を読み出して映像信号出力に重畳して表示するか、表示部28に出力して表示する(ステップST905)。これにより、使用者は表示されたタイトルが録画予約したい番組のタイトル
と合っていれば、操作部27によってステップST906においてその旨を指示し、そのタイトルを録画予約データとして登録する(ステップST909)。メモリ20に一致する番組データがない場合、または表示されたタイトルが録画予約したい番組のタイトルと違っている場合には、使用者は操作部27からステップST907,ST908の処理により、番組タイトルの入力を行なうことになる。
【0066】
なお、ステップST904の処理において、一致する番組データが複数個検索された場合には、ステップST905においてそれらの番組タイトルを一度に、あるいは順次に表示し、使用者が操作部27によって所望の番組タイトルを選択できるようにしてもよい。
【0067】
このように図9の処理によると、同じ曜日の同じ時刻、同じチャンネルの番組に対しては、以前に入力した番組タイトルが自動的に表示されるので、再度これを入力する必要がなく便利である。
【0068】
図10は、前記ステップST35の録画予約処理の他の1例の詳細を示すフローチャートである。図10の処理フローでは、ステップST1009,ST1010において、使用者は入力した番組タイトルを登録するかどうかを操作部27より入力できる。使用者が登録を指示した場合には、システムコントロール回路26は、登録されたことを示す情報(例えば“0”または“1”のフラグ)を番組データに付加し、録画時にメモリ20に記憶する。次回からのメモリ検索処理ST1004では、この登録された番組データについてのみ検索を行なう。なお、その他の処理動作は、図9と同じであるので説明は省略する。
【0069】
このように図10の処理によると、使用者は番組タイトルを登録するか否かを選択できる。従って、例えば毎週連続して放送される番組を録画する場合にはその番組タイトルを登録し、1回限りの放送番組については入力した番組タイトルを登録しない、などの指定ができるので便利である。
【0070】
図11は、前記ステップST35の録画予約処理の更に他の1例の詳細を示すフローチャートである。図11の処理フローは、過去に録画した番組の目次表示の中から番組を選択して録画予約を行なうものである。ステップST1101において、使用者が操作部27により目次画面上での録画予約を行なうことを指示したら、システムコントロール回路26はステップST1102の処理により、現在挿入されているテープ11に録画されている番組のデータを、メモリ20より読み出し目次表示する。使用者はこの目次表示を見ながら、所望の番組の番号を操作部27によって、ステップST1103において入力する。目次表示に希望の番組がない場合には、使用者はステップST1104,ST1105,ST1106の処理により、他のテープに録画した番組の目次表示を使って番組番号を指定することができる。番組が指定されたら、システムコントロール回路26はステップST1107において、メモリ20から指定された番組の曜日,時刻,チャンネル,録画時間,録画モード,番組タイトル,ジャンルを読み出し、録画予約データとする。
【0071】
以上の図11の処理により、使用者はこれまでに録画した番組データを利用して、簡単に録画予約が行なえる。また現在VTRに挿入されているテープの番組目次を最初に表示するので、例えば一本のテープに毎週放送される番組を連続録画する場合に、予約の手続きがより簡単になり便利である。
【0072】
図12は、前記ステップST35の録画予約処理の更に他の1例の詳細を示すフローチャートである。図12の処理フローは、録画予約を目次画面上で行なうものである。ステップST1201で、使用者が操作部27により録画予約を目次画面上で行なう旨を指示したら、ステップST1202において、システムコントロール回路26はメモリ20のデータを検索し、曜日,時刻,タイトルが一致する番組データを探し、過去の録画回数(
あるいは予約録画回数でもよい)の多い番組の番組データを、一覧表示する。一度に表示できない場合は、分割して表示してもよい。そして、次にステップST1203において、使用者は操作部27によって表示内容の中から希望の番組を選択し、これによりステップST1204において、システムコントロール回路26は、指定された番組の曜日,時刻,チャンネル,録画時間,録画モード,番組タイトル,ジャンルを読み出し、録画予約データとする。
【0073】
このように図12の処理によると、使用者は過去に録画(あるいは予約録画)したことがある番組については予約データを入力する必要がない上、録画頻度が高い番組が優先的に目次表示されるので、予約録画の手続きが至って簡単になり便利である。
【0074】
以上、テープ別あるいは録画頻度による番組を目次表示して、予約番組を選択する例について説明したが、その他、曜日別,チャンネル別,番組ジャンル別,あるいは録画日の近い順に、過去録画した番組データを目次表示して予約番組を選択することも考えられ、これらは本実施例において、図1のシステムコントロール26による処理を変更することで、容易に実現できることは当業者には自明である。
【0075】
また、本VTRで複数のテープ11に録画をし終わった状態において、図2のステップST2で、使用者が操作部27によって全目次表示を指示すると、システムコントロール回路26は、ステップST3の処理によりメモリ20より番組データを読み出し、録画されている番組の目次をテープ別に表示する。したがって、使用者は複数本のテープを1本づつ、本VTRに挿入して再生しなくても、各テープに録画されている番組の内容を知ることができる。
【0076】
なお、使用者がステップST42において電源を切った場合には、最後に再生した最新の情報信号を、システムコントロール回路26またはメモリ20に保持する。こうすることにより、使用者がテープ11を本VTRに挿入したまま電源を切り、再びステップST1にて電源を入れた場合には、最後の情報信号は保持されているので、電源再投入後、予備再生およびテープ番号の識別を改めて行なう必要がない。この場合には電源再投入後、システムコントロール回路26は、テープ挿入検出回路24からの出力によりステップST4にてテープが挿入されていることを検出し、処理をステップST16に移すので、予備再生およびテープ識別処理を省くことができ、処理を簡略化できる。
【0077】
次に本VTRと同一機能を持つ他のVTRで録画されたテープを、本VTRで再生する場合について説明する。
【0078】
この場合には、テープ11上に情報信号は記録されているが、メモリ20には該当する番組データが記憶されていないので、まず使用者は目次データの作成を行なう。
【0079】
テープ11の挿入後の予備再生ステップST6およびST10では、記録されている情報信号は再生されるがメモリ20には該当するデータは記憶されていないので、ステップST9およびST13では一致データは検出されず、処理はステップST18に移る。ここで、使用者によりテープ登録を行なうことが操作部27によって指示されると、システムコントロール回路26はステップST19にて新しいテープ番号を割り当てる。次にステップST20において使用者が操作部27より目次作成を指示すると、システムコントロール回路26はステップST21にて目次作成処理を行なう。
【0080】
図13は、上記ステップST21の目次作成処理の詳細を示すフローチャートである。この図13の処理フローについて説明する。システムコントロール回路26は、まずステップST1301にてテープ11を巻頭まで巻き戻す。続いて、ステップST1302にて番組の通し番号を表す変数Nを1に初期化した後、ステップST1303にてテープの再生をスタートする。ステップST1304は番組の冒頭部分を検出する処理である。具体的には録画時にコントロールヘッド14により記録されたコントロール信号を、同ヘッド14およびコントロール信号再生処理回路23により再生し、コントロール信号に付加された頭出し信号を検出する。なお、この頭出し信号の検出の代りに、情報信号の日時が不連続である個所を検出するようにしてもよい。システムコントロール回路26は、番組のこの冒頭部分を検出したら、ステップST1305においてテープ番号と番組冒頭部分の情報信号をメモリ20に記憶する。この際、タイムコードが記録されていない場合には、リール回転から計算したテープ走行時間をメモリ20に記憶する。
【0081】
使用者は再生された映像信号を見ながら、番組タイトル(あるいはジャンル、あるいはそれら両方でもよい。以下、同様。)を入力したい場合には、ステップST1306にて
その旨を操作部27から指示する。そして、システムコントロール回路26は、ステップST1307にて、使用者が操作部27から入力したタイトル情報をメモリ20に記憶する。使用者がタイトルを入力しない場合はこの処理は省略される。システムコントロール回路26は、次にステップST1308にて番組番号Nをインクリメントし、ステップST1309にて次の番組の頭出しを開始する。この間、ステップST1310にてテープエンドが検出されなければ、ステップST1304に戻って上述の動作を繰返し、録画されている各番組について順次、データをメモリ20に記憶していく。
【0082】
以上の動作により、テープに記録されている番組のデータが順次メモリ20に記憶される。また、タイムコードが記録されていないテープに対しても目次を作成することができる。また、ステップST1305の処理において、(N+1)番目の番組の冒頭部分の検出時にN番目の番組の記録終了時の情報や記録時間を計算してメモリ20に記憶するようして、目次表示時にこれらの情報を表示できるようにしてもよい。なお、タイトルの入力は図2のステップST36とST37により別途行なうことも可能であるので、ステップST1306とST1307の処理は省いてもよい。
【0083】
図14は、本発明の第2実施例に係るVTRの要部回路構成を示すブロック図である。同図において、34は入力信号に情報信号が多重されているか否かを検出する情報信号有無検出回路、35は情報信号有無検出回路34の出力結果に従って、情報信号記録処理回路4からの情報信号を情報信号多重回路7へ出力するか否かを制御するスイッチ回路、36はタイトル信号発生回路である。その他の構成要素は図1の実施例と同じであり、同一の部分には同一の符号を付しているので、その説明は省略する。
【0084】
図1の実施例では、日付や時刻、番組のタイトルなどの情報信号を、本VTR内部で発生するか使用者が入力して映像信号に多重するものとしたが、映像信号の供給側の装置の処理(例えば放送局の処理や他のVTRなどの映像信号発生源の処理)により、あらかじめ情報信号が多重された映像信号が本VTRに入力される場合が考えられる。以下の説明では、VTRに入力される映像信号には、日付,時刻,番組タイトルなどの情報信号があらかじめ多重されているものと、多重されていないものがある場合について説明する。
【0085】
図14の実施例は、情報信号が多重されていない映像信号入力に対しては本VTR内での情報信号の多重を行ない、情報信号があらかじめ多重された映像信号入力に対しては本VTR内での情報信号の多重を行なわず、記録を行なうものである。
【0086】
図15は本第2実施例における録画処理の動作を示すフローチャートである。システムコントロール回路26は、ステップST1502において情報信号有無検出回路34からの出力により、入力された映像信号に情報信号が多重されているか否かを検出し、多重されている場合には、スイッチ回路35を制御して情報信号多重回路7において入力信号の種類やチャンネル,日付,時刻,タイトルなどの情報信号の多重を行なわないようにする(ステップST1503)。但し、タイムコード信号は、垂直ブランキング期間内の既に情報信号が多重されているのとは別の位置(例えば数走査線分離れた位置)へ多重する。逆に情報信号が検出されない場合には、ステップST1505において、入力信号の種類やチャンネル,日付,時刻あるいは使用者が入力したタイトル信号など、本VTR内で発生した情報信号を映像信号に多重する。スイッチ回路15は録画する信号を出力するごとく制御され(図14中、上側の端子を選択)、情報信号再生処理回路17により読み取った情報信号,タイムコード値やテープのアドレス情報,および録画モードなどをメモリ20に記憶し、番組データを作成する(ステップST1504,ST1506,ST1509)。
【0087】
本第2実施例による図15の処理によれば、放送局などの処理によりあらかじめ番組の情報が多重されている場合には、これを番組データとしてメモリ20に自動的に記憶する。よってこの場合には、使用者はタイトルなどを入力する必要はなく、目次作成の手続きが簡略化でき便利である。従って、使用者は番組情報が多重されていない場合にのみ、必要に応じてこれらを入力すればよいことになる。
【0088】
図16は、本第2実施例のVTRにより放送中の番組の番組データを目次表示する処理のフローチャートである。ステップST1601にて使用者の処理実行指示を検出したら、システムコントロール回路26は、TVチューナ5のチャンネルを順次切り替えながら、情報信号再生処理回路17により各チャンネルの映像信号に多重されている情報信号を読み取り、メモリ20に記憶していくと共に、この内容を映像信号にスーパインポーズして表示するか、表示部28に表示する(ステップST1603,ST1604,ST1605)。使用者が各チャンネルで放送している放送内容を調べたい場合、従来は使用者が
チャンネルを自分で切り換えながら放送内容を見て判断していたため面倒であったし、例えば、たまたまチャンネル切り換え時にCM放送中の場合には番組の内容が判らなかったが、図16の処理によれば、自動的にチャンネルを順次サーチして、放送局により映像信号に多重された情報信号から、その番組内容を文字で一覧表示できる。
【0089】
なお、図14の本第2実施例のその他の部分の回路動作やその動作処理の詳細は、第1実施例で説明した図1〜図13と同じであり、本実施例においても先と同様の効果を奏するので、重複を避けるためその説明は省略する。
【0090】
図17は、本発明の第3実施例に係るVTRの要部回路構成を示すブロック図である。図14の第2実施例では、入力信号に情報信号が多重されているか否かを検出し、VTR内での情報信号の多重を制御するものとしたが、図17の本第3実施例は、多重されている情報信号を読み取り、テープへの記録時に読み取ったデータを再度多重し直すことを可能にしたものである。
【0091】
図17において、スイッチ回路15の上側の端子には、情報信号多重回路7への入力信号が接続されており、情報信号再生処理回路17は、本VTRに入力される映像信号に既に多重されている情報信号を読み取る。テープ11への記録を行なう場合には、情報信号再生処理回路17が読み取った日付,時刻、および番組タイトルのデータを、日付・時刻信号発生回路2、およびタイトル信号発生回路36にそれぞれロードし、これにタイムコードを加えて映像信号に多重する。すなわち、日付と時刻、番組タイトルはあらかじめ入力信号に多重されていた情報と同じ情報が多重されることになる。この際、入力信号から読み取った情報信号を一旦保持しておいて、次の垂直ブランキング期間に多重するようにすれば、情報信号を多重する走査線の位置を変えることなくテープ11に記録することができる。
【0092】
本第3実施例によれば、録画する際に情報信号を新たに記録し直すので、情報信号の波形劣化による誤動作を防ぐことができる。またその際に、日時やタイトル情報はそのまま記録されるが、タイムコードは録画テープの位置情報と対応した値が記録されるので、例えば、情報信号の多重機能を持つビデオカメラ一体型VTRで録画した映像を本VTRにより編集しながら録画する場合など、録画日時やタイトルは変更されないが、タイムコードによるテープの管理は行なえる
【符号の説明】
【0093】
2 日付・時刻信号発生回路
3 タイムコード信号発生回路
4 情報信号記録処理回路
7 情報信号多重回路
8 映像信号記録・再生処理回路
11 磁気テープ
12,13 磁気ヘッド
17 情報信号再生処理回路
18 文字信号加算回路
19 文字信号発生回路
20 メモリ
26 システムコントロール回路
34 情報信号有無検出回路
36 タイトル信号発生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号と情報信号とを磁気テープに記録し再生することができる磁気記録再生装置において、
上記情報信号を磁気テープに記録する際に該情報信号を記憶するメモリ手段と、磁気テープから再生した上記情報信号に基づいてテープを識別する識別手段と、上記メモリ手段から読み出した上記情報信号をテープ別に一覧表示する表示手段と、を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】
請求項1記載において、
上記情報信号は、記録する映像信号の内容を示す情報と磁気テープの記録位置とを示す情報であって、使用者が上記表示手段により表示された映像信号の内容一覧表示を参照して希望の映像の内容を指定する指定手段と、該指定手段により選択された内容の映像の記録位置を検索して再生する手段と、を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項3】
映像信号と情報信号とを磁気テープに記録し再生することができ、上記情報信号を磁気テープに記録する際に該情報信号を記憶するメモリ手段と、該メモリ手段から読み出した上記情報信号を一覧表示する表示手段と、を有する磁気記録再生装置であって、
上記メモリ手段に記憶する上記情報信号は、記録の日付あるいは曜日,時刻,放送チャンネル,タイトルや記録モードなど記録条件を示す情報であり、使用者が上記表示手段により一覧表示される過去の記録条件を参照してその中から希望の記録条件を指定する指定手段と、該指定手段により指定された記録条件に基づいて記録を行なう手段と、を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項4】
入力される映像信号を磁気テープに記録し再生することができる磁気記録再生装置において、
上記入力される映像信号に情報信号が多重されているか否かを検出する検出手段と、上記情報信号を発生する情報信号発生手段と、該情報信号発生手段からの情報信号を上記入力される映像信号に多重する多重手段と、上記情報信号の上記入力される映像信号への多重処理を上記検出手段の検出結果に基づいて制御する手段と、を有し、
上記入力される映像信号に情報信号が多重されてない場合には、上記情報信号発生手段により発生した情報信号を、記録する映像信号入力に多重することを特徴とする磁気記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−80050(P2010−80050A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270987(P2009−270987)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【分割の表示】特願2005−369017(P2005−369017)の分割
【原出願日】平成5年4月22日(1993.4.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レーザーディスク
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】