説明

録画装置および録画方法

【課題】ユーザが望む番組についてのみ簡易な方法で一括して録画予約を行いつつ、番組の見逃しを効果的に防止できるとともに、設定した録画予約情報を他のユーザと共有することのできる録画装置および録画方法を提供する。
【解決手段】録画設定手段と、第1受信手段と、第2受信手段と、録画制御手段と、を備える録画装置。録画設定手段は放送される所定数のコンテンツの同時録画を行う時間帯を規定する録画スケジュールを設定し、第1受信手段は外部記憶装置に記憶されている他の録画スケジュールを外部記憶装置から受信し、第2受信手段は録画設定手段により設定された録画スケジュールまたは第1受信手段により受信した他の録画スケジュールに従い時間帯に送信される所定数のコンテンツを受信し、録画制御手段は第2受信手段が受信したコンテンツを記憶装置に録画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、録画装置および録画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、録画装置では、番組の録画予約機能が設けられている。そして、録画装置では、録画予約機能を利用することで、設定された時間になると設定されたチャンネル(放送局)の番組を自動的に録画できる。この場合、ユーザは、視聴したい番組毎に予約録画を設定する必要があった。
【0003】
これに対し、従来の録画装置の一例として、複数のチューナと大容量の記憶装置を備えた録画装置が提案されている。当該録画装置では、複数のチューナ及び大容量の記憶装置を用いて、全チャンネル、全時間帯の番組の録画を行う録画モードを備えている。これにより、ユーザは、予約録画を行わずとも、録画された番組の視聴が可能となり、番組の見逃しも効果的に防止することができる。
【0004】
また、近年では、番組毎の予約録画情報を共有する予約録画システムが提案されている。当該予約録画システムでは、複数の録画装置と共有サーバとがネットワークによって接続され、ある録画装置において設定された録画予約情報が共有サーバにアップロードされ、他の録画装置が共有サーバからこの録画予約情報をダウンロードする。
【0005】
このようなシステムでは、他の録画装置において設定された録画予約情報を用いて録画予約を行えるため、各録画装置において録画予約を行う手間が省け、便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−110047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した全チャンネル、全時間帯の録画を行う録画モードを用いる場合、ユーザが視聴を望む時間帯だけでなく、不要な時間帯も録画してしまうことがある。このような不要な時間帯を録画することは、HDD等の記憶手段の記憶容量を不必要に増大させる。そのため、ユーザが望む時間帯についてのみ簡易な方法で一括して録画予約を行いつつ、番組の見逃しを効果的に防止できる録画装置が望ましい。
【0008】
また、上述したように、設定された録画予約情報を他のユーザと共有できるようにすることが望ましい。特に、ユーザが望む所定のジャンルを多く含む時間帯の一括録画予約情報は、同じ嗜好を有する他のユーザにも有用である。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザが望む番組についてのみ簡易な方法で一括して録画予約を行い、番組の見逃しを効果的に防止できるとともに、設定した録画予約情報を他のユーザと共有することのできる録画装置および録画方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の録画装置は、録画設定手段と、第1受信手段と、第2受信手段と、録画制御手段と、を備える。録画設定手段は放送される所定数のコンテンツの同時録画を行う時間帯を規定する録画スケジュールを設定し、第1受信手段は外部記憶装置に記憶されている他の録画スケジュールを外部記憶装置から受信し、第2受信手段は録画設定手段により設定された録画スケジュールまたは第1受信手段により受信した他の録画スケジュールに従い時間帯に送信される所定数のコンテンツを受信し、録画制御手段は第2受信手段が受信したコンテンツを記憶装置に録画する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態に係る録画装置を含む放送システムを示すブロック図である。
【図2】図2は、録画装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本実施形態における録画装置の制御部の機能ブロック図である。
【図4】図4は、映像表示器に表示した同時録画予約表の一例を示す図である。
【図5】図5は、図4の設定・アップロードボタンを選択した場合に表示される画面の例を示す図である。
【図6】図6は、設定共有サーバにアップロードされた録画スケジュールのダウンロード時に映像表示器に表示されるダウンロード画面の例を示す図である。
【図7】図7は、図6のダウンロード画面において複数の録画スケジュールを選択した状態を示す図である。
【図8】図8は、自機が備えるチューナ数よりも多いチューナ数を想定した録画スケジュールをダウンロードするときのダウンロード画面の例を示す図である。
【図9】図9は、本実施形態に係る録画装置による録画スケジュールの設定とアップロードの手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、設定共有サーバにアップロードされた録画スケジュールをダウンロードする手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る録画装置について図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る録画装置を含む放送システム1を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態に係る放送システム1は、デジタル放送システムであり、複数の録画装置2がインターネット回線3を通じて設定共有サーバ4に接続されている。なお、本実施携帯に係る放送システム1による録画が行われる放送としては、一般的な電波を介する放送の他、IP放送も含まれている。
【0014】
録画装置2は、複数のチューナを備えていて、放送中の複数のコンテンツを同時に受信し、録画する。また、録画装置2は、予め設定された録画スケジュールに従い将来放送されるコンテンツの録画を行う、いわゆる予約録画を行うこともできる。録画装置2は、予約録画を行う場合も、予め設定された時間帯に放送される複数のコンテンツを同時に受信し、同時に録画する。録画スケジュールとして、録画を行う1つまたは複数の時間帯、録画対象とする複数のチャンネルおよび1つまたは複数の曜日が規定される。
【0015】
なお、本実施形態に係る録画装置2は、所定の時間帯に同時に放送される複数のチャンネルのコンテンツを全て同時に録画する一方で、設定により1つのコンテンツのみを録画することも可能である。
【0016】
録画装置2は、設定した録画スケジュールを後述する設定共有サーバ4に送信(アップロード)することができる。また、録画装置2は、設定共有サーバ4に保存され共有されている録画スケジュールを受信(ダウンロード)して、自機の録画スケジュールとして利用することができる。
【0017】
なお、本実施形態に係る録画装置2は、デジタルテレビ等のテレビジョンに内蔵された録画装置を想定しているが、本発明においてはこれに限らず、テレビジョンと別体であるHDDレコーダやDVDレコーダ等であってもよい。
【0018】
設定共有サーバ4は、録画装置2において設定され送信された録画スケジュールを受信し記憶する。また、設定共有サーバ4は、録画装置2からの要求に従い、記憶されている録画スケジュールを録画装置2に送信する。すなわち、設定共有サーバ4に記憶された録画スケジュールは、インターネット回線3を介して接続されている複数の録画装置2により共有された状態となっている。
【0019】
図2は、録画装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。録画装置2は、分配器211と、6つのチューナ212、復調器213および復号器214と、信号処理部215と、映像処理部217と、映像表示器218と、音声処理部219と、スピーカ220と、制御部221と、操作部225と、受光部226と、通信インターフェース227と、HDD228と、リモコン229とを備えて構成されている。
【0020】
この録画装置2は、装置各部の動作を制御する制御部221を備えている。制御部221は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵している。制御部221は、操作部225から入力される操作信号や、リモートコントローラ229から送信され受光部226を介して受信される操作信号に応じて、ROM(Read Only Memory)222に予め記憶されたシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを起動させる。制御部221は、起動したプログラムに従って、RAM(Random Access Memory)223をワークメモリとして装置各部の動作を制御する。各部の動作制御に必要な各種の設定情報及び制御情報等は、一例として、不揮発性メモリ224に格納される。
【0021】
分配器211は、各放送局から送信される放送コンテンツが含まれる信号を、放送局毎に各チューナ212に分配する。
【0022】
チューナ212は、受信した信号を同調して処理可能なベースバンド信号に変換する。なお、このデータ信号は圧縮された状態となっている。本実施形態において、録画装置2は6個のチューナ212を備えている。そして、6個のチューナ212は、後述する時間帯選択部により選択された時間帯に放送される複数のチャンネルの番組を同時に録画する同時録画に用いられる。チューナ212は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングしたデジタル放送信号をそれぞれの復調器213に送信する。なお、本実施形態においては録画装置2が備えるチューナの数を6つとしたが、本発明においてはこれに限らず、6つより少ない、あるいは6より多い数のチューナを備えてもよい。
【0023】
復調器213は、TSの復調を行い、復調したTSをそれぞれの復号器214に供給し、復号器214は、TSをデジタル映像信号および音声信号等に復号した後、復号した信号を信号処理部215に出力する。なお、復調器213と復号器214はそれぞれ、チューナ212と同数個である6個ずつ存在し、それぞれ1つずつ6個のチューナ212のそれぞれに割り当てられている。
【0024】
信号処理部215は、復号器214から出力された放送信号に、適切な信号処理を施す。放送信号は、データ信号、映像信号および音声信号に分離される。このデータ信号には放送された番組を示す種々の情報である番組関連情報が含まれている。この番組関連情報には、番組の番組名、番組が属するジャンル、番組が放送されるチャンネルを示すチャンネル情報、番組が放送される日付および時間(以下、日時とする)を示す日時情報などを含む番組情報が番組毎に含まれているものとする。分離された映像信号はグラフィック処理部216に、音声信号は音声処理部219に出力される。また、信号処理部215は、通信インターフェース227を介する外部機器からの入力信号にも所定の信号処理を施す。なお、映像信号および音声信号を合わせて、コンテンツデータという。
【0025】
グラフィック処理部216は、信号処理部215から出力される映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、映像処理部217に出力される。
【0026】
映像処理部217は、グラフィック処理部216から出力された信号を、映像表示器218で表示可能なフォーマットの映像信号に変換する。変換された映像信号は、映像表示器218に出力される。また、映像処理部217は、外部出力端子(不図示)に接続されたHDD228等の外部装置に映像信号を出力することができる。なお、映像表示器218は、本実施例においてはデジタルテレビのディスプレイである。
【0027】
音声処理部219は、入力された音声信号を、スピーカ220で再生可能なフォーマットの音声信号に変換する。変換された音声信号は、スピーカ220に出力されて再生される。また、音声処理部219は、外部出力端子(不図示)に接続されたアンプ等の外部装置(不図示)に音声信号を出力することができる。
【0028】
制御部221は、HDD228にコンテンツデータ、画像、音楽、各種情報(例えば、放送信号から分離したデータ信号に含まれる番組関連情報やコンテンツデータ、録画するチャンネルとして予め選択されたチャンネルを示す録画スケジュールなど)を格納することができる。なお、制御部221は、信号処理部215において放送信号から分離したデータ信号に含まれる番組関連情報を、所定時間毎に取得し、取得した番組関連情報によってHDD228に格納されている番組関連情報を更新するものとする。これにより、HDD228に格納されている番組関連情報を最新の状態に維持することができる。また、制御部221は、HDD228に格納されたコンテンツデータ、画像、音楽を読み出して、映像表示器218に表示させたり、スピーカ220から音声出力させたりすることができる。
【0029】
本実施形態では、HDD228は、制御部221の制御の下で、ユーザにより選択された時間帯に放送される複数のチャンネルの番組のコンテンツデータを同時に録画する同時録画に用いられる。
【0030】
図3は、本実施形態における録画装置2の制御部221の機能ブロック図である。制御部221は、第1受信部301、録画制御部302、録画設定部303、送信部304、第2受信部305および記憶部306が設けられている。
【0031】
第1受信部301は、設定共有サーバ4に記憶されている他の録画スケジュールの受信を行う。
【0032】
録画制御部302は、後述する第2受信部305により受信されたコンテンツを、記憶装置としてのHDD228に録画する。録画制御部302は、最大で6つのチャンネルのコンテンツを同時に録画することができる。録画制御部302は、コンテンツデータをHDD228に録画する際、録画するコンテンツデータに、そのコンテンツデータの識別情報を付加してHDD228に録画する。ここで、識別情報は、コンテンツデータを識別するための情報であり、コンテンツデータを録画した番組の番組名、コンテンツデータを録画した番組が属するジャンル、コンテンツデータを録画した録画日時、コンテンツデータを録画した番組のチャンネルを示すチャンネル情報などを含むものとする。なお、識別情報は、放送信号から分離したデータ信号に含まれる番組関連情報から取得するものとする。
【0033】
録画制御部302は、HDD228にコンテンツデータを録画する場合、新たなコンテンツデータを録画するための領域を確保し、確保した領域にコンテンツデータを録画させる。その際、録画制御部302は、確保した領域に既にコンテンツが録画されている場合には、当該既に録画されているコンテンツデータに、新たなコンテンツデータを上書きするものとする。なお、HDD228内の領域は、同時録画するチャンネル毎に分けられており、録画制御部302は、コンテンツデータを、チャンネル毎に分けて録画する。また、本実施形態においては録画制御部302はHDD228にコンテンツデータの録画を行っていたが、本発明においてはこれに限らず、外付HDD等の外部記憶装置に録画を行うようにしてもよい。
【0034】
録画設定部303は、録画制御部302により実行される録画の時間帯を規定する録画スケジュールを設定する。録画スケジュールの設定は、後述する同時録画予約表400(図4参照)を用いて行われる。
【0035】
送信部304は、録画設定部303により設定された録画スケジュールを外部記憶装置としての設定共有サーバ4(図1参照)に送信する。
【0036】
第2受信部305は、図2に示す分配器211、チューナ212、復調器213、復号器214および信号処理部215等を制御し、最大で6つのチャンネルのコンテンツを同時に受信することができる。
【0037】
記憶部306は、録画設定部303により設定された録画スケジュールおよび第1受信部301が設定共有サーバ4から受信した他の録画スケジュールを記憶する。本実施形態にかかる録画装置2は、全チャンネル、全時間帯の番組の録画を行う録画モード(全録画モード)を備えているが、録画スケジュールが設定されている場合に当該録画スケジュールに従って番組の録画制御を行う。ところで、全録画モードでは、全チャンネル、全時間帯の番組の録画を行うことで、ユーザの見逃しを防止することができるが、記憶部306の容量の増大を招くことになる。これに対し、録画設定部303が、録画スケジュールを設定することで、記憶部306の容量の増大を抑止できる一方、ユーザの見逃しが生じる可能性も生じるため、適切に録画時間帯を設定する必要がある。そこで、本実施形態にかかる録画装置2では、ユーザの負担を軽減するために録画スケジュールを、他のユーザとの間で共有することとした。
【0038】
次に、上述した録画装置2を用いた録画スケジュールの設定について説明する。図4は、映像表示器218に表示した同時録画予約表400の一例を示す図である。
【0039】
録画設定部303は、図4に示す同時録画予約表400に配列された時間帯セル403が表す時間帯の中からユーザにより選択された、録画制御部302によって録画する1または複数の時間帯を認識する。
【0040】
同時録画予約表400は、時間帯を示す時間帯情報401、録画を行う曜日を示す曜日情報402、録画を行う時間帯を示す選択単位である時間帯セル403、録画を行うチャンネルを示すチャンネル情報405、選択した内容で録画スケジュールを設定する設定ボタン407、選択した内容で録画スケジュールを設定すると共に、設定した録画スケジュールを他の録画装置2と共有するため設定共有サーバ4にアップロードする設定・アップロードボタン408、および設定操作をキャンセルするキャンセルボタン409を備えて構成されている。
【0041】
カーソル410は、時間帯セル403の選択に用いられるカーソルであり、カーソル406は、チャンネルの選択に用いられるカーソルである。すでに選択が行われた時間帯セル403は、図4中411で示すように、未選択のセルと異なる色で表示される。また、すでに選択が行われたチャンネルは、図4のチャンネル情報405において、未選択のチャンネルと異なる色で表示される。なお、本実施形態に係る録画装置2においては、全チャンネルが選択された状態が初期設定となっていて、図4も全チャンネルが選択された状態を示している。
【0042】
録画設定部303は、映像表示器218に表示された同時録画予約表400において、リモートコントローラ229または操作部225による所定の操作により、カーソル410が移動した時間帯セル403が表す時間帯を、録画する時間帯として選択する。
【0043】
なお、本実施形態では、録画設定部303による時間帯の選択は、時間帯セル403単位で行われる。録画設定部303は、ユーザにより所定の時間帯の時間帯セル403が選択された後、カーソル410が曜日情報402に移動され、複数の曜日間で移動された場合、カーソル410が移動した複数の曜日の全てについて録画スケジュールに含めるものとして選択する。
【0044】
また、録画設定部303は、ユーザによりカーソル406が移動され、チャンネルの選択が解除されたときは、当該解除されたチャンネル以外のチャンネルについて録画スケジュールに含めるものとして選択する。
【0045】
このように、本実施例に係る録画装置2を用いることで、同一時間帯において録画を行う録画スケジュールとして、複数の曜日および複数のチャンネルを容易に一括して設定することができる。
【0046】
そして、録画設定部303は、上述したように同時録画を行う時間帯、チャンネルおよび曜日が選択された後、ユーザにより設定ボタン407が選択されることで、選択した内容を録画スケジュールとして設定する。
【0047】
また、ユーザにより設定・アップロードボタン408が選択されると、録画設定部303は、選択した内容を録画スケジュールとして設定する。また、送信部304は、設定された録画スケジュールを他の録画装置2と共有するため設定共有サーバ4にアップロードする。こうしてアップロードされた録画スケジュールは、インターネット回線3を通じて他の録画装置2によりダウンロード可能な状態となる。
【0048】
図5は、図4の設定・アップロードボタン408を選択した場合に表示される画面の例を示す図である。図4の同時録画予約表400を用いて録画する時間帯、曜日およびチャンネルを選択した後、設定・アップロードボタン408を選択すると、録画スケジュールの設定が行われると共に、図5に示す画面が表示される。
【0049】
図5に示す画面は、選択した録画スケジュールの設定共有サーバ4へのアップロードに先立ち、録画スケジュールのファイルに名前をつけるための画面である。ユーザが図5に示す画面の設定名欄501に設定名を入力した後、アップロードボタン502を選択すると、送信部304は、選択した録画スケジュールに設定名を付して設定共有サーバ4にアップロードする。なお、アップロードをキャンセルしたい場合には、キャンセルボタン503を選択すればよい。
【0050】
こうして設定共有サーバ4にアップロードされた録画スケジュールは、他の録画装置2による利用が可能な状態となる。次に、設定共有サーバ4にアップロードされた録画スケジュールを他の録画装置2が利用する場合について説明する。
【0051】
図6は、設定共有サーバ4にアップロードされた録画スケジュールのダウンロード時に制御部221により映像表示器218に表示されるダウンロード画面600の例を示す図である。ユーザが録画装置2の操作部225またはリモコン229を用いて所定の操作をすると、制御部221は、図6に示すダウンロード画面600を映像表示器218に表示する。
【0052】
ダウンロード画面600は、左右2つの領域に大別される。左側の領域は、ダウンロード可能な録画スケジュールリスト615が表示される領域となっている。右側の領域は、録画スケジュールリスト615において選択された録画スケジュールの内容、すなわち録画を行う曜日、時間帯およびチャンネルが表示される領域となっている。
【0053】
録画スケジュールリスト615には、設定共有サーバ4にアップロードされている録画スケジュールの一覧が縦に並べて表示されている。また、ユーザが縦に並べられた録画スケジュールの一覧の上側にある上キー617および下側にある下キー618を操作部225またはリモコン229を用いて選択することで、表示をスクロールし、画面に表示されていない他の録画スケジュールを表示することができる。
【0054】
各録画スケジュールには、設定名、アップロードしたユーザ名、および登録日時が表示されている。設定名は図5において設定した名称である。ユーザ名としては予め自身の録画装置2において設定した任意の名前が表示される。登録日時は録画スケジュールを設定共有サーバ4にアップロードした日時が表示される。
【0055】
各録画スケジュールの左側には、チェックボックス616が表示されている。ユーザがリモートコントローラ229または操作部225を用いて任意の録画スケジュールを選択すると、このチェックボックス616にチェックが入るようになっている。図6においては、設定名が「ドラマ全録り」となっている録画スケジュールが選択され、当該録画スケジュールの左側にあるチェックボックス616にチェックが入った状態となっている。本実施形態にかかる「ドラマ全録り」では、ドラマを放送されている可能性のある時間帯について、複数チャンネルの同時録画を行うよう設定がなされているものとする。「ドラマ全録り」は、番組の予約設定ではなく、ドラマを放送している可能性のある時間帯の設定であるため、ユーザが事前に認識していなかったドラマ等の見逃しを抑止することができる。さらには、本実施形態にかかる録画装置2では、複数チャンネルの同時録画を行っているため、ドラマの視聴を可能にするほか、当該ドラマの裏番組の視聴も可能とする。
【0056】
ダウンロード画面600の右側には、選択されている録画スケジュールについての詳細が表示される。図6では「ドラマ全録り」の録画スケジュールが選択されているため、右側の画面には、この「ドラマ全録り」の内容が表示されている。「ドラマ全録り」の内容としては、図4を用いて説明した同時録画予約表400と同様に、録画を行う曜日、時間帯およびチャンネルが表示されている。
【0057】
右側の画面には、時間帯を示す時間帯情報601、録画を行う曜日を示す曜日情報602、録画を行う時間帯を示す選択単位である時間帯セル603、録画を行うチャンネルを示すチャンネル情報605および選択した録画スケジュールをダウンロードするダウンロードボタン607を備えて構成されている。また、カーソル606は、現在録画スケジュールが表示されているチャンネルを示している。このカーソル606を移動させることで、「ドラマ全録り」の他の曜日の録画スケジュールが表示される。選択が行われている時間帯セル603は、図6中611で示すように、未選択のセルと異なる色で表示される。
【0058】
なお、このダウンロード画面600においては、複数の録画スケジュールを指定してダウンロードすることができる。図7は、図6のダウンロード画面600において複数の録画スケジュールを選択した状態を示す図である。図7に示す画面では、録画スケジュールとして上述した「ドラマ全録り」の他、設定名が「アニメ中心」となっている録画スケジュールの2つが選択されている。
【0059】
ここで、右側の画面における「ドラマ全録り」の録画スケジュールの内容611aは、録画スケジュールリスト615に表示されている「ドラマ全録り」の部分の色やトーン等の表示形態と同様の表示形態を用いて表示されている。また、右側の画面における「アニメ中心」の録画スケジュールの内容611bは、録画スケジュールリスト615に表示されている「アニメ中心」の部分の表示形態と同様の表示形態を用いて表示されている。
【0060】
なお、本実施例においては図2に示すように録画装置2のチューナ212の数は6つである。しかし、録画装置2の機種によっては6つより多いチューナを備え、その機種用の録画スケジュールを設定し、アップロードしていることがある。このように、自機が備えるチューナ数よりも多いチューナ数を想定した録画スケジュールをダウンロードするときの操作を、図8を用いて説明する。
【0061】
図8は、自機が備えるチューナ数よりも多いチューナ数を想定した録画スケジュールをダウンロードするときのダウンロード画面800の例を示している。この例では、本実施形態に係る録画装置2と同様に6つのチューナを有する機種が、8つのチューナを有する機種を想定した録画スケジュールをダウンロードする場合を示している。なお、図8においては、図6または図7に示す画面の左側に表示されていた録画スケジュールリストが省略されているが、実際の装置では、図8の画面の左側にも録画スケジュールリストが表示されるものとする。
【0062】
図8の画面は、図6または図7に示した画面と同様に、時間帯を示す時間帯情報801、録画を行う曜日を示す曜日情報802、録画を行う時間帯を示す選択単位である時間帯セル803、録画を行うチャンネルを示すチャンネル情報806および選択した録画スケジュールをダウンロードするダウンロードボタン807を備えて構成されている。また、図8の画面では、チャンネル情報806の下に、どのチャンネルを選択するかを示すチェックボックス808が、チャンネル毎に設けられている。
【0063】
そして、ユーザは、操作部225またはリモコン229を用いてこのチェックボックス808にチェックを入れることで、自機のチューナ数と同じ6つまでチャンネルを選択することができる。図8では、Ch1〜Ch8の8つのチャンネルのうち、Ch1、Ch2、Ch4、Ch5、Ch6およびCh8の6つのチャンネルが選択されている。このように、選択した録画スケジュールが自機のチューナ数より多いチューナ数を有する機種を想定して設定されている場合でも、選択されたチャンネルに関してのみダウンロードをすることができ、自機のチューナ数より多いチューナ数を有する機種を想定した録画スケジュールも利用することができる。
【0064】
次に、上述した録画装置2を用いた録画スケジュールの設定とアップロードの手順について説明する。図9は、本実施形態に係る録画装置2による録画スケジュールの設定とアップロードの手順を示すフローチャートである。
【0065】
まず、制御部221は、映像表示器218に、図4に示す同時録画予約表400を表示する(ステップS1)。
【0066】
次に、制御部221(録画設定部303)は、設定後、図4の設定ボタン407、設定・アップロードボタン408およびキャンセルボタン409のうち、どのボタンが選択されたかを判断する(ステップS2)。
【0067】
ステップS2において選択されたのが設定・アップロードボタン408の場合、制御部221は、映像表示器218に、図5の設定名入力GUI(Graphical User Interface)を表示する(ステップS3)。
【0068】
次に、制御部221(録画設定部303)は、図5のアップロードボタン502およびキャンセルボタン503の、どちらのボタンが選択されたかを判断する(ステップS4)。
【0069】
ステップS4において選択されたのがアップロードボタン502である場合、制御部221(送信部304)は、設定共有サーバ4に録画スケジュールの設定情報をアップロードする(ステップS5)。また、キャンセルボタン503である場合には、制御部221はステップS1に戻る。
【0070】
次に、制御部221は、録画スケジュールを自機に設定し(ステップS6)、一連の動作が終了する。
【0071】
一方、ステップS2において選択されたのが設定ボタン407である場合には、制御部221(録画設定部303)はステップS6に進む。また、キャンセルボタン409である場合には、制御部221(録画設定部303)は一連の動作を終了する。
【0072】
次に、設定共有サーバ4にアップロードされた録画スケジュールをダウンロードする場合の手順について説明する。図10は、設定共有サーバ4にアップロードされた録画スケジュールをダウンロードする手順を示すフローチャートである。
【0073】
まず、制御部221は、映像表示器218に、図6に示すダウンロード画面600を表示する(ステップS11)。
【0074】
次に、制御部221(録画設定部303)は、図6に示すダウンロード画面600において、録画スケジュールのうち何れかが操作部225またはリモコン229の操作により選択された状態であるか否かを判断する(ステップS12)。
【0075】
録画スケジュールが選択された状態である場合(ステップS12:Yes)、制御部221は、選択された録画スケジュールの左側にあるチェックボックス616にチェックを入れて選択状態として、録画時刻設定画面(図6の右側の画面)に録画スケジュールの情報を表示する(ステップS13)。
【0076】
次に、制御部221(録画設定部303)は、1つ以上の録画スケジュールが選択された状態でダウンロードボタン607が押されたか否かの判断を行う(ステップS14)。
【0077】
ステップS14において1つ以上の録画スケジュールが選択された状態でダウンロードボタン607が押された場合(ステップS14:Yes)、制御部221(録画設定部303)は、選択された各録画スケジュールに含まれるチャンネル数(放送局数)が、自機のチューナ212の数より多いか否かを判断する(ステップS15)。
【0078】
ステップS15において選択された各録画スケジュールに含まれる放送局数が、自機のチューナ212の数より多い場合(ステップS15:Yes)、制御部221は、図8のダウンロード画面800(放送局選択画面)を表示する(ステップS16)。
【0079】
次に、ユーザの操作部225またはリモコン229の操作によりダウンロードする放送局が選択されると、制御部221(第2受信部305)は、選択された録画スケジュールを設定共有サーバ4からダウンロードする。そして、制御部221(記憶部306)がダウンロードした録画スケジュールをROM222に記憶することで、当該録画スケジュールを自機に適用し(ステップS17)、一連の動作が終了する。
【0080】
一方、ステップS14において、1つ以上の録画スケジュールが選択されずにダウンロードボタン607が押された場合(ステップS14:No)、制御部221(録画設定部303)は、ステップS12に戻る。
【0081】
また、ステップS15において、選択された各録画スケジュールに含まれる放送局数が、自機のチューナ212の数以下である場合(ステップS15:No)、制御部221は、ステップS17へと進む。
【0082】
そして、録画装置2は、録画スケジュールに従って、同時間帯の複数チャンネルの番組を録画している。これにより、制御部221は、ユーザからの操作に従って、録画した番組の再生制御できる。さらに、同時間帯の複数チャンネルの番組を録画しているため、録画装置2が、録画している番組の再生制御中に、ユーザからチャンネルの選択操作を受け付けた場合、再生制御していた番組と同時間帯に放送していた番組の再生を行うことができる。これにより、録画装置2は、ユーザが録画された番組を視聴する場合であっても、リアルタイムに視聴している場合と同様の体験を提供することができる。
【0083】
上述した本実施形態に係る録画装置によると、ユーザは所定の時間帯に同時に放送されている複数の番組を一括して録画することができる。ニュースやアニメ、ドラマ等、似たジャンルのテレビ番組は同一の時間帯に放送される傾向があるため、ユーザは好みのジャンルの番組が放送される時間帯を指定して複数のチャンネルの同時録画を行うことで、各チャンネルで放送される好みのジャンルの番組をまとめて録画することができる。
【0084】
また、所定の時間帯に放送される複数の番組を同時に録画することで、最も視聴したい番組だけでなく、その番組に対するいわゆる裏番組についても見逃しを効果的に防止することができる。
【0085】
また、全時間帯の番組を録画するのではなく、所望の時間帯についてのみ録画を行うことで、録画装置の記憶容量の増大を効果的に防止することができる。
【0086】
また、設定した録画スケジュールを設定共有サーバにアップロードして他のユーザと共有可能となることで、他のユーザは自らの嗜好に合った録画スケジュールを得ることができ、自分で録画予約の設定を行う手間を省くことができる。
【0087】
なお、本実施形態の録画装置2で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されるが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0088】
さらに、本実施形態の録画装置2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の録画装置2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0089】
本実施形態の録画装置2で実行されるプログラムは、上述した各部(第1受信部301、録画制御部302、録画設定部303、送信部304、第2受信部305、記憶部306など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROM222からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、第1受信部301、録画制御部302、録画設定部303、送信部304、第2受信部305、記憶部306などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0090】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1…放送システム、2…録画装置、3…インターネット回線、4…設定共有サーバ、211…分配器、212…チューナ、213…復調器、214…復号器、215…信号処理部、216…グラフィック処理部、217…映像処理部、218…映像表示器、219…音声処理部、220…スピーカ、221…制御部、222…ROM、223…RAM、224…不揮発性メモリ、225…操作部、226…受光部、227…通信インターフェース、228…HDD、229…リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送される所定数のコンテンツの同時録画を行う時間帯を規定する録画スケジュールを設定する録画設定手段と、
外部記憶装置に記憶されている他の録画スケジュールを前記外部記憶装置から受信する第1受信手段と、
前記録画設定手段により設定された前記録画スケジュールまたは前記第1受信手段により受信した前記他の録画スケジュールに従い前記時間帯に送信される前記所定数のコンテンツを受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記コンテンツを記憶装置に録画する録画制御手段と、
を備える録画装置。
【請求項2】
前記録画設定手段により設定された前記録画スケジュールを前記外部記憶装置に送信する送信手段を備える請求項1記載の録画装置。
【請求項3】
前記録画設定手段は、前記録画スケジュールとして、録画を行う曜日または録画対象とする放送局を規定する請求項1または2記載の録画装置。
【請求項4】
前記他の録画スケジュールに含まれる放送局の数が、前記第2受信手段が同時に受信できる前記コンテンツの数より多い場合、前記録画設定手段は、前記他の録画スケジュールに含まれる前記放送局から、録画対象とする前記放送局を、前記第2受信手段が同時に受信できる前記コンテンツの数以下となるように選択する請求項3記載の録画装置。
【請求項5】
前記録画設定手段により設定された前記録画スケジュールおよび前記第2受信手段が前記外部記憶装置から受信した前記他の録画スケジュールを記憶する記憶手段を備える請求項1乃至4の何れかに記載の録画装置。
【請求項6】
所定数の放送局から送信される所定数のコンテンツの同時録画を行う時間帯を規定する録画スケジュールを設定する録画設定工程と、
外部記憶装置に記憶されている他の録画スケジュールを前記外部記憶装置から受信する第1受信工程と、
前記録画設定工程において設定された前記録画スケジュールまたは前記第1受信工程において受信した前記他の録画スケジュールに従い前記時間帯に送信される前記所定数のコンテンツを受信する第2受信工程と、
前記第2受信工程において受信した前記所定数のコンテンツを記憶装置に録画する録画工程と、
を備える録画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−115757(P2013−115757A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262701(P2011−262701)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】