説明

鍵の管理装置

【課題】キーボックス内から借用したカードの戻し忘れを防止できる鍵の管理装置を提供する。
【解決手段】建物の所定位置に設けられ,予め定めた居室の扉10の施錠装置10Aを解錠するカード8a,8bを配列させたキーボックス8と,カード8a,8bに記憶される識別コードを読取るカードリーダ11a,11bと,前記扉の施錠装置10Aに解錠指令信号及び施錠指令信号を出力するようにした錠の管理装置において,キーボックス8の扉8Aが解錠すると解錠信号を出力するキーボックス解錠検出手段4,3,2と,解錠信号の出力で,キーボックス8内のカード8a,8bが使われることを登録するカード選出手段6,5,3,2と,カードリーダ11a,11bが退出時のカード8a,8bの使用を検出すると,所定の報知を行う報知部11a1,11b1,12とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鍵の管理装置に関する
【背景技術】
【0002】
従来、建物の設備機器が設置される居室の扉を解錠するカードは、建物の所定の位置に設置される施錠されたキーボックスの中に配置されている。
【0003】
このような、キーボックス内のカードを第三者へ使用させないため、所定の操作でキーボックスの扉の施錠を解錠させ、キーボックス内めカードで該当扉を開放し、その解放時間が所定時間を越えると、警報を鳴動させることで、建物のセキュリティを図るものである(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−151634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の発明は、キーボックスの扉の解放を報知することで、キーボックス内のカードの盗難を防止するごとができるが、キーボックス内から持ち出したカードを、キーボックスへ戻し忘れてしまうことがあり、セキュリティ上問題となることがあった。
【0006】
本発明の目的は、キーボックス内から借用しだカードの戻し忘れを防止できる鍵の管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、建物の所定位置に設けられ、予め定めた居室の扉の施錠装置を解錠するカードを配列させたキーボックスと、前記カードに記憶される識別コードを読取るカードリーダと、前記扉の施錠装置に解錠指令信号及び施錠指令信号を出力するようにした鍵の管理装置において、前記キーボックスの扉が解錠すると解錠信号を出力するキーボックス解錠検出手段と、前記解錠信号の出力で、前記キーボックス内の前記カードが使われることを登録するカード選出手段と、前記カードリーダが退出時の前記カードの使用を検出すると所定の報知を行い、少なくとも退室用カードリーダに設けられている報知部と、前記報知部が報知する内容を記憶する報知内容記憶部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キーボックス内のカードを使って居室を退出するとき、常に報知を行うようにしたので、カードをキーボックスへ戻し忘れによる防犯性低下の阻止が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図1、図2を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の実施形態の構成を示すブロック図で、図2は本発明の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【0012】
図1において、図示しない建物の所定位置にキーボックス8が設置され、このキーボックス8の隣接位置に取付けられるテンキー9の釦(図示しない)の操作が、予め設定された順序に押圧されると、扉8Aを解錠させるとともに、キーボックス8の内部にはカードである保守用カード8a ,8bが収納されている。
【0013】
ここで、保守用カード8a ,8bには、それぞれ独自の識別コードが記憶されており、識別コードによって入退出可能な居室を選定している。
【0014】
また、テンキー9は、図示しない建物内の専有部や共有部の入退出を管理する鍵管理装置1のテンキー信号入力部4に接続されている。
【0015】
次に、鍵管理装置1は、図示しない建物の所定場所に設置され、鍵管理装置1の制御を行う制御部2と、この制御部2に接続されるテンキー信号入力部4と、制御部2に接続され、後述するカードリーダ11a,11bから送信された識別コードが、当該ドアを解錠させるか否かの判定を行うドア解錠判定部5と、制御部2に接続され、保守用力―ド8a, 8b及びその他のカードの識別コードが、図示しない建物におけるどのドアを開扉するかの識別コード情報を少なくとも記憶するカード情報記憶部3と、制御部2及び入力部6と出力部7に接続され、入力部6を介して、カードの識別コードとカードリーダ11a,11bを特定するカードリーダ情報を取得するとともに、これらの情報をカード情報記憶部3の識別コード情報を参照し、出力部7を介して後述する施錠装置10Aへ解錠信号を出力するドア解錠判定部5と、このドア解錠判定部5がドアの開扉の是非に応じ、音声、ブザー音や文章等のメッセージを記憶する報知内容記憶部12とで構成されている。
【0016】
次に、図示しない居室のドア10の近傍には、室外に入室用のカードリーダ11a、室内に退室用のカードリーダ11bが設けられ、ドア10の先端には、出力部7から送信される解錠信号によって解錠動作をする施錠装置10Aが設けられている。
【0017】
また、カードリーダ11a,11bは報知部である表示装置11a1,11b1を有し、この表示装置11a1,11b1は、出力部7に接続され、報知内容記憶部12から選択された例えば文字データを表示する。ここで、表示装置11a1,11b1は文字データを表示するものとしたが、解錠済、解錠受付けず等発光色を変えて表示する赤、黄、緑のLEDでも良く、スピーカでも良く、これらを組み合わせでも良い。
【0018】
次に、本実施形態の動作の説明を、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0019】
図2において、清掃作業等を委託された図示しない作業者は、まず清掃作業を行なう図示しない居室へ入室するため、キーボックス8から保守用カード8a、8bのいずれかを取り出すために、予め指定された暗証番号をテンキー9に入力する(ステップS1)。
【0020】
また、テンキー9からの暗証番号情報は、テンキー4信号入力部4を介して制御部2へ送信され、制御部2の指令により、ドア解錠判定部5は送信された暗証番号情報とカード情報記憶部3に記憶される暗証番号情報の照合を行い(ステップS2)、キーボヅクス8の扉8Aの解錠の是非を判断し、是の場合、扉8Aを解錠する(ステップS3)。
【0021】
次に、図示しない作業者は、キーボックス8から清掃作業を行なう図示しない居室へ入室用の保守用カード8aを取り、扉8Aを閉じ、図示しない居室へと移動する。
次に、図示しない作業者は、図示しない居室へ入室するために、保守用カード8aをカードリーダ11aへ翳すと、カードリーダ11aは保守用カード8aの識別コードを読取り(ステップS4)、この識別コードを鍵管理装置1の入力部6へ送信する(ステップS5)。
【0022】
次に、入力部6を介して保守用カード8aの識別コードを取得したドア解錠判定部5は、カード情報記憶部3に記憶される識別コード情報とカードリーダ情報を参照し、保守用カード8aの識別コードがドア10の施錠装置10Aに対し、解錠動作させて良いか否かを判断し(ステヅプS6)、否の場合は、報知内容記憶装置12に記憶されるメッセージである例えば、「ガードが間違えています。ドアを開くことはできません。」なるメッセージを、表示装置1に表示し(ステップS7)、ステップS5へ戻る。
【0023】
また、ステップS6で、施錠装置10Aの解錠動作良しと判定した場合、ドア解錠判定部5は、出力部7を介して解錠信号を施錠装置10Aへ送信して解錠する(ステップS8)。
【0024】
次に、図示しない作業者は、図示しない居室の清掃作業が終了し、図示しない居室を退室するとき、保守用カード8aをカードリーダ11bへ翳すと、カードリーダ11bは保守用カード8aの識別コードを読取り、この識別コードを鍵管理装置1の入力部6へ送信する(ステップS9)。
【0025】
次に、入力部6を介して保守用カード8aの識別コードを取得したドア解錠判定部5は、カード情報記憶部3に記憶される識別コード情報とカードリーダ情報を参照し、保守用カード8aの識別コードがドア10の施錠装置10Aに対し、解錠動作させて良いか否’かを判断し(ステップS10)、否の場合は、報知内容記憶装置12に記憶されるメッセージである例えば、「カードが間違えています。ドアを開くことはできません。」なるメッセージを、表示装置11a1に表示し(ステップS11)、ステップS9へ戻る。
【0026】
また、ステップS10で、施錠装置10Aの解錠動作良しと判定した場合、ドア解錠判定部5は、識別コードが保守用カード8aのものか否かをカード情報記憶部3に記憶される識別コード情報で確認し(ステップS12)、保守用カード8aの場合は、報知内容記憶装置12に記憶されるメッセージである例えば、「ドアを開けます。カードを必ずキーボックスへ返却ください。」なるメッセージを、表示装置11b1に表示するとともに(ステップS11 )、出力部7を介して解錠信号を施錠装置10Aへ送信して解錠する(ステップS14)。
【0027】
また、ステップS12で、識別コードが保守用カード8a以外の場合は、ステップS14へ移行して施錠装置10Aを解錠する。
【0028】
本実施形態によれば、キーボックス8に収納される保守用カード8a,8bを持ち出した場合、退室用のカードリーダ11bに保守用カード8a,8bを翳した場合、カードリーダ11bの表示装置11b1へ、保守用カード8a,8bをキーボックス8へ返却する旨の表示を行うようにしたので、保守用カード8a,8bの返却忘れを防止できる。
【0029】
本実施形態では、表示装置11b1に文言を表示する説明を行ったが、音声を出力しても同様な効果が得られる。
【0030】
また、本実施形態では、作業を行う図示しない居室を退室するときに、報知内容記憶装置12に記憶されるメッセージを表示装置11b1に表示するようにしたが、全ての退出用のカードリーダに保守用カード8a,8bを翳したとき、表示装置11b1にメッセージを表示するようにしても同様なる効果が得られる。
【符号の説明】
【0031】
1 鍵管理装置
2 制御部
3 カード情報記憶部
4 テンキー信号入力部
5 ドア解錠判定部
6 入力部
7 出力部
8 キーボックス
8A 扉
8a,8b 保守用カード
9 テンキー
10 ドア
10A 施錠装置
11a,11b カードリーダ
11a1,11b1 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の所定位置に設けられ、予め定めた居室の扉の施錠装置を解錠するカードを配列させたキーボックスと、前記カードに記憶される識別コードを読取るカードリーダと、前記扉の施錠装置に解錠指令信号及び施錠指令信号を出力するようにした鍵の管理装置において、
前記キーボックスの扉が解錠すると解錠信号を出力するキーボックス解錠検出手段と、
前記解錠信号の出力で、前記キーボックス内の前記カードが使われることを登録するカード選出手段と、
前記カードリーダが退出時の前記カードの使用を検出すると、所定の報知を行う報知部と
を備えたことを特徴とする鍵の管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の鍵の管理装置において、
前記報知部は少なくとも退室用カードリーダに設けられ、前記報知部が報知する内容を記憶する報知内容記憶部を備えたことを特徴とする鍵の管理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−100639(P2013−100639A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243425(P2011−243425)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)