説明

鎖骨下静脈穿刺具および鎖骨下静脈穿刺方法

【課題】セルディンガー法による深部静脈穿刺術を行う際に、23G試験穿刺針先端が通過した経路と同一の経路で、イントロデューサー先端を深部静脈に刺入する。
【解決手段】23G試験穿刺針を通じて挿入したガイドラインに試験穿刺針先端の軌跡を記録保存させ、前記ガイドラインにイントロデューサーを案内させることにより、太い穿刺針を使用する本穿刺の過程を省略し、23G試験穿刺針が通過したと同じ経路を通ってイントロデューサーの先端を静脈内に誘導させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルディンガー法により鎖骨下静脈を安全確実に穿刺して、深部静脈カテーテルを静脈内に留置する鎖骨下静脈穿刺具および鎖骨下静脈穿刺方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鎖骨下静脈などの深部静脈を穿刺する際は、予め細い試験穿刺針で試験穿刺を行って静脈の方向や深さを確認した後に、イントロデューサーを取り付けた太い穿刺針で本穿刺を行っている。しかし、試験穿刺針で静脈の位置を確認して同じ距離方向に本穿刺を行っても、本穿刺針が静脈内に刺入されないことがある。その理由は、試験穿刺針は静脈を確認した後に抜去され、静脈を確認した試験穿刺針の通過した軌跡が保存されないために、本穿刺針が試験穿刺針と同一の経路を進行することができないためである。
血管内に刺入した可撓性の金属製ワイヤーに沿ってカテーテルを導入するセルディンガー法においても、試験穿刺は血管の位置を確認する目的でのみ行われる。試験穿刺針は血管を確認した後に一旦抜去されるので、試験穿刺と本穿刺の間に連続性がなく、血管を確認した試験穿刺針の通過した軌跡は記録保存されない。
【0003】
深部静脈穿刺術の内で鎖骨下静脈の鎖骨下穿刺法は、▲1▼カテーテルの汚染が少なく、▲2▼カテーテルの固定が容易、▲3▼カテーテルが短く血栓が出来難い、等の理由で最も優れている一方、カテーテル留置に際して気胸、血胸、縦隔内出血などの偶発症を発生し易いという重大な障害がある。そのため、高カロリー輸液のルートとして最適で第一選択されるべきであるにも拘わらず、カテーテル留置時の偶発症を恐れて鎖骨下静脈穿刺を避け、カテーテル汚染や血栓形成を生じる危険性が大きい大腿静脈が長期間輸液ルートとして利用されることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、鎖骨下静脈穿刺を行う際にイントロデューサーが試験穿刺針と同一の経路を進行出来ないために血管内に刺入されない点である。
【課題を解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、鎖骨下静脈穿刺を行う際、イントロデューサーが試験穿刺針と同一の経路を進行できるようにすることを主要な目的とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の鎖骨下静脈穿刺方法によれば、試験穿刺針の先端が通過した経路が記憶保存され、イントロデューサーは試験穿刺針の針先が通過した経路そのものを進行するので、試験穿刺に成功すればイントロデューサーの先端は必然的に鎖骨下静脈内に刺入されるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の第一点は、細い23Gの試験穿刺針を通じて静脈内に挿入した合成樹脂製のガイドラインに沿ってイントロデューサーを進行させ、試験穿刺針が通過したと同じ経路で静脈内に刺入するという目的を実現した。
発明の第二点は、アジャスターを使用して、ガイドラインを内径0点数mm以下の細い拡張器内腔に円滑に挿入することを可能にした。
【実施例1】
【0008】
ガイドライン留置方法について説明する。
実施例は、試験穿刺針A、ガイドラインB、アジャスターC、拡張器D、イントロデューサーEから構成される。
▲1▼試験穿刺針Aは、23Gの針管長が数cmの注射針が最適である。
▲2▼ガイドラインBは、試験穿刺針Aの針管腔に緩く挿入し抜去できる、適当なコシがある合成樹脂製のモノフィラメント糸が適している。
▲3▼アジャスターCは、拡張器Dの小さな先端孔を通じて拡張器内腔に細いガイドラインBの尾端を挿入する補助具である。
▲4▼拡張器Dは、内径がガイドラインBを緩やかに通させる大きさで、外径がイントロデューサーEの内腔に緩く挿入し抜去できる、両端を開放した先端部が細い肉厚の管状体である。拡張器Dの基部は注射器を接続するための拡張器ハブD1とする。
▲5▼イントロデューサーEは、深部静脈カテーテルを緩く挿入可能なカニューラで、市販されているIVHセットで使用されているものと同様である。
【0009】
以下、図により使用法を説明する。
図1(a)〜(d)は試験穿刺針Aの先端の軌跡を記憶し保存する手順を示す。
▲1▼図1(a)の如く、試験穿刺を行って試験穿刺針先端A3の静脈V内刺入を確認する。
▲2▼図1(b)の如く、注射器Sを抜去して、試験穿刺針ハブA1からガイドライン先端B3を挿入する。
▲3▼図1(c)の如く、ガイドライン先端B3を試験穿刺針針管A2に貫通させ、試験穿刺針先端A3から静脈V内に送り込む。
▲4▼図1(d)の如く、ガイドラインBを残して試験穿刺針Aを抜去すると、ガイドラインBは試験穿刺針先端A3が通過した軌跡を記憶保存する。
【0010】
図2(a)〜(e)はガイドラインに沿ってイントロデューサーの先端を深部静脈内に刺入する手順を示す。先ず、予め拡張器をイントロデューサーに挿入して固定する。
▲1▼図2(a)に示す如く、イントロデューサー先端E3と拡張器先端D3をそれぞれ、アジャスターCの拡張器先端部CD、イントロデューサー部CEに嵌める。後述するように、拡張器先端D3の拡張器先端孔は括れCZを介してガイドライン部CBと交通する。
▲2▼図2(b)に示すように、アジャスターCのガイドライン部CBに沿ってガイドライン尾端B1を滑らせて送り込むと、ガイドライン尾端B1は括れCZから拡張器先端孔に進入し、拡張器Dの内腔を貫通して拡張器ハブD1から突出する。
▲3▼図2(c)に示すように、ガイドラインBに沿って拡張器D(イントロデューサーE)を押し込むと、拡張器先端D3はガイドラインBに案内されて静脈Vに刺入されると共に、イントロデューサー先端E3が静脈V内に達する。
▲4▼図2(d)に示すように拡張器D(イントロデューサーE)を残してガイドラインBを抜去し、拡張器ハブD1に注射器Sを装着して血液を吸引し、拡張器先端D3が静脈Vに刺入されていることを確認する。引き続いて、拡張器Dを数mm押し込んで再度血液を吸引し、イントロデューサー先端E3を確実に静脈V内に刺入する。
▲5▼最後に図2(e)に示すように拡張器Dを抜去すると、イントロデューサー先端E3が静脈Vに刺入された状態でイントロデューサーEの静脈内設置が完了する。
【0011】
深部静脈カテーテルの留置方法は以下の通りである。深部静脈カテーテルをイントロデューサーEの内腔を通じて所定の位置まで挿入後、イントロデューサーEを引き抜いて取り外すことは従来の鎖骨下静脈穿刺術と同じである。イントロデューサーEは従来のものと同様に、全長に設けた分割線に沿って分割できるものを使用するとよい。
以上の操作により、深部静脈カテーテルの先端は、イントロデューサーEの内腔を貫通して、試験穿刺針先端A3が通過した経路と全く同一の経路を進行する。従って、試験穿刺に成功すればイントロデューサーの刺入は必然的に成功するので、従来のように試験穿刺に成功しながら本穿刺に失敗することは起こり得ない。
【0012】
発明の第二点、細いガイドラインを細い拡張器内腔に貫通させるためのアジャスターについて説明する。図3(a)、(b)はアジャスターCaを示す。
拡張器はガイドラインを貫通させる細い内腔を有する肉厚の管状体で、拡張器先端孔は内径0点数mmであり、直径0点数mmの細いガイドラインを挿入ことは容易でない。アジャスターは、拡張器の細い拡張器先端孔に細いガイドラインを円滑に挿入するための補助具で、細い括れ(最狭部はガイドラインが緩く通過し、両端に向かって次第に広がる構造)を有する構造体である。
【実施例1】
【0013】
図3はアジャスターCの斜視図で、図3(b)は後述のスリットに沿った縦断面図であり、アジャスターCは側壁の全長に内腔に至るスリットCSを設けた筒体である。アジャスターCの内腔は、図3(b)に示すように、中心軸中央部分にガイドラインが緩く貫通可能な内径の括れ部CZを設け、括れ部CZから一端に向かって喇叭状に広がるイントロデューサー部CBを設けると共に、括れ部CZから他端に向かって拡張器先端D3とイントロデューサー先端E3を挿入できるイントロデューサー部CEを設けたものである。ガイドライン部CBは括れ部CZを通じてイントロデューサー部CEと交通する。アジャスターCは、内腔に通したガイドラインBを引くと、スリットCSが広がってガイドラインBを取り外すことができるように、滑りがよく適当なな硬度を有する、ポリエチレンなどの合成樹脂材料で作成するとよい。
【0014】
使用法は、図4(a)〜(c)に示す。
▲1▼ 図3(a)に示すように、拡張器Dを嵌めたイントロデューサーEをイントロデューサー部CEに挿入し、ガイドライン尾端B1をガイドライン部CBに挿入する。
▲2▼ 図3(b)に示すように、ガイドライン尾端B1は括れCZから拡張器先端孔に入り拡張器Dの管腔内を貫通し拡張器尾端D3から突出するする。
▲3▼ 図3(b)に示すように、アジャスターCの側壁のスリットCSを開いて、ガイドラインB(イントロデューサーE)からアジャスターCを取り外す。
【実施例2】
【0015】
図5(a)〜(d)は別の形態のアジャスターCbを示す。図5(a)は全体の斜視図、図5(b)は蝶番CbHを開いた斜視図である。アジャスターCbは、図5(b)に示すように基盤Cb1と基盤Cb2を蝶番CbHで開閉自在に連結したもので、蝶番CbHを閉じると、図5(a)のような筒状になる。
アジャスターCbは、図5(b)に示すように、基盤Cb1(Cb2)の中心軸中央部分に括れ部CbZを設け、括れ部CbZから一端に向かって喇叭状に広がるガイドライン部CbBを設けると共に、括れ部CbZから他端に向かって拡張器先端Db3とイントロデューサー先端Eb3を嵌めるイントロデューサー部CbEを溝状に設けたものである。ガイドライン部CbBは括れ部CbZを通じてイントロデューサー部CbEと交通する。図5(a)のように基盤Cb1と基盤Cb2を閉じると、対面するイントロデューサー部CbE、括れ部CbZ、ガイドライン部CbBは、図5(a)のように実施例1と同様な一個の内腔を形成する。
使用法は、図5(c)に示すように、アジャスターCbを閉じてできた内腔に、拡張器Db(イントロデューサーEb)を嵌めて、ガイドライン尾端Bb3をアジャスターCbのガイドライン部CbBから挿入すると、ガイドライン尾端Bb1は括れ部CcZを通過して拡張器ハブDb1内腔を貫通する。実施例2では、図5(d)に示すように、蝶番CbHを開くと、アジャスターCbを取り外すことができる。
【実施例3】
【0016】
実施例3は一個の基盤に、イントロデューサー部CcE、括れ部CcZ、ガイドライン部CcBを、溝状に設けたものである。図6(a)に示すように、イントロデューサー部CcEに嵌めた拡張器Dcの先端孔は括れ部CcZに直線的に交通している。図6(b)に示すように、ガイドライン部CcBから括れ部CcZに挿入したガイドライン先端Bc1は、ガイドライン部CcBの底から括れ部CcZの底を滑って拡張器先端Dc1の内腔に挿入させて貫通する。実施例3では、拡張器Dc(イントロデューサーEc)とガイドラインBcは、アジャスターCcから自由に取り外すことができる。
【0017】
図7に示すように、拡張器の長さをイントロデューサーの長さより長くすることもできる。この方法による場合の静脈穿刺は、先ず拡張器先端Dd3をガイドラインBdに沿って進行させて経路を拡張させた後に、イントロデューサーEdを拡張器Ddに沿って移動させて静脈内に刺入する。以下、使用法を説明する。
▲1▼図7(a)に示すように、イントロデューサーEdを装着した拡張器DdをガイドラインBdに沿って、静脈内に刺入する。
▲2▼図7(b)に示すように、拡張器Ddに沿ってイントロデューサーEdを移行させ、イントロデューサー先端Ed3を静脈内に到達させる。あるいは、ガイドラインBdを残したまま拡張器先端Dd3を皮膚の刺入点まで引き抜き、イントロデューサー先端Ed3を拡張器先端Dd3まで移動させ、改めて拡張器DdをガイドラインBdに沿って移動させてイントロデューサー先端Ed3を静脈内に到達させてもよい。
▲4▼図7(c)に示すように、ガイドラインBdを抜去し、拡張器基部Dd1連結した注射器Sを吸引して拡張器先端Dd3が静脈内にあることを確認する。
▲4▼図7(d)に示すように、イントロデューサーEdを残して拡張器Ddを抜去し、イントロデューサーEdの留置を完了する。
静脈カテーテルの留置法は従来の方法と同様である。
【0018】
試験穿刺針に外套針を使用することもできる。外套に金属を使用することもできる。外套が金属である場合は、試験穿刺を反復しても外套の先端がササクレない。
【0019】
試験穿刺針には、外径が22Gより細い金属性注射針が使用できる。この場合、アゴを潰した注射針を使用すれば、合成樹脂製のガイドラインが注射針の刃先で切断されることはない。しかし、ガイドラインをアラミド繊維のような強靭で防刃性に優れた、適当なコシのあるラインとして使用するとよい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
アジャスターを使用して、極細のガイドラインを利用することが可能である。23Gのサイズの注射針であれば、試験穿刺の際に針先が誤って動脈に刺入されても止血可能であり、大出血に至ることはない。また、23G針の先端が肺に刺入されても空気の漏出は僅かであり、刺入孔は自然に治癒し閉鎖される。一方、従来通常使用された本穿刺のイントロデューサーは16G以上の太さであり、本穿刺針の針先が誤った部位に穿刺されると重大な偶発症が発生する。本発明の鎖骨下静脈穿刺具によれば、イントロデューサーは試験穿刺針の針先が通過した経路そのものを進行するので、誤った方向にイントロデューサーが進む可能性はない。従って、試験穿刺が成功すればイントロデューサーの先端は必然的に鎖骨下静脈内に刺入れる。本発明では、細い試験穿刺針で試験穿刺を行い本穿刺の過程は省略されるので、安全確実で容易な鎖骨下静脈穿刺術を行うことが可能となり、重大な偶発症の発生を回避できる。
合成樹脂製のガイドラインは金属性ガイドラインに比較して容易に製造可能であり、製造単価を格段に安くすることができる。
本発明は、鎖骨下静脈の鎖骨下穿刺のみでなく、その他の管腔の穿刺にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)試験穿刺針で静脈を穿刺した説明図。(b)試験穿刺針ハブにガイドラインを挿入しようとする説明図。(c)試験穿刺針の針管を通じてガイドライン先端を静脈内に送り込んだ図。(d)試験穿刺針を抜去し、静脈内にガイドラインを留置した図。
【図2】(a)拡張器先端(イントロデューサー先端)をアジャスターに嵌めた断面図。(b)拡張器の内腔にガイドラインを貫通させた図。(c)アジャスターを取り外し、ガイドラインに沿って拡張器先端を静脈内に送り込んだ図。(d)拡張器先端が静脈内に存在することを確認する図。(e)拡張器を抜去してイントロデューサーの静脈内設置を完了した図。
【図3】(a)実施例1のアジャスターの斜視図。(b)実施例1のアジャスターの縦断面図。
【図4】(a)実施例1のアジャスターにガイドラインを挿入する説明図。(b)実施例1のアジャスターにガイドラインを挿入した説明図。(c)実施例1のアジャスターを取り外した説明図。
【図5】(a)実施例2のアジャスターの全体の斜視図。(b)実施例2のアジャスターを開いた斜視図。(c)実施例2の使用説明図。(d)実施例2の使用説明図。
【図6】(a)実施例3のアジャスターの平面図。(b)実施例3のアジャスターの底面図。(c)実施例3のアジャスターの左側面図。(d)実施例3のアジャスターの右側面図。(e)実施例3のアジャスターの正面図。(f)実施例3のアジャスターの断面図。(g)実施例3のアジャスターの使用説明図。(h)実施例3のアジャスターの使用説明図。
【図7】(a)拡張器の先端を静脈に刺入した説明図。(b)拡張器に沿ってイントロデューサーを静脈に刺入した説明図。(c)イントロデューサーの静脈内刺入を確認する図。(d)拡張器を抜去してイントロデューサーを静脈内に留置した図。
【符号の説明】
【0022】
A 試験穿刺針
A1 試験穿刺針ハブ
A2 試験穿刺針針管
A3 試験穿刺針先端
B、Bb、Bc、Bd ガイドライン
B1、Bb1、Bc1、Bd1 ガイドライン尾端
B3、Bb3、Bc3、Bd3 ガイドライン先端
C、Cb、Cc、Cd アジャスター
Cb1、Cb2 基盤
CB、CbB、CcB、CdB ガイドライン部
CD、CbD、CcD、CdD 拡張器先端部
CE、CbE、CcE、CdD イントロデューサー部
CbH 蝶番
CS スリット
CZ、CbZ、CcZ、CdZ 括れ
D、Db、Dc,Dd 拡張器
D1、Db1、Dc1、Dd1 拡張器ハブ
D2、Db2、Dc2、Dd2 拡張器管体
D3、Db3、Dc3、Dd3 拡張器先端
E、Eb、Ec、Ed イントロデューサー
E1、Eb1、Ec1、Ed1 イントロデューサー基部
E2、Eb2、Ec2、Ed2 イントロデューサー管体
E3、Eb3、Ec3、Ed3 イントロデューサー先端
S 注射器
V 静脈

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルディンガー法による血管穿刺術を安全に行う為の穿刺具であって、試験穿刺針と、拡張器と、イントロデューサーから構成される穿刺具に、試験穿刺針針管腔内を緩やかに貫通可能な合成樹脂製ガイドラインを組み合わせたことを特徴とする鎖骨下静脈穿刺具。
【請求項2】
セルディンガー法による血管穿刺術を安全に行う為の穿刺具であって、試験穿刺針と、拡張器と、イントロデューサーと、試験穿刺針管腔内を緩やかに貫通可能な合成樹脂製ガイドラインと、から構成される血管穿刺具において、a.前記ガイドラインを緩く通過させる内径の括れ部から延設した喇叭状に広がる内腔よりなるガイドライン部と、b.前記括れ部から前記ガイドライン部と反対方向に拡張器先端が緩く嵌るイントロデューサー部を延設した筒体の、c.前記筒体の側壁にスリットを設けてなるアジャスターを組み合わせ、c.前記拡張器の先端孔に前記アジャスターの括れ部の内腔の先端を合わせて、前記アジャスターの内腔を通じて前記拡張器内腔にガイドラインを挿入することを特徴とする請求項1に記載の鎖骨下静脈穿刺具。
【請求項3】
アジャスターが、a.基盤の表面にガイドラインを緩く通過させる内径の溝状の括れ部と、b.前記括れ部に延設した溝状のガイドライン部と、c.拡張器先端(イントロデューサー)を嵌脱可能な溝状の拡張器先端部を延設してなる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鎖骨下静脈穿刺具。
【請求項4】
アジャスターが、2個の基盤を蝶番で連結してなる、ことを特徴とする請求項3に記載の鎖骨下静脈穿刺具。
【請求項5】
試験穿刺針が24Gないし22Gの注射針であること、を特徴とする請求項1乃至4内の1項に記載の鎖骨下静脈穿刺具。
【請求項6】
試験穿刺針が23Gの金属注射針であること、を特徴とする請求項5に記載の鎖骨下静脈穿刺具。
【請求項7】
試験穿刺針が24Gないし22Gの外套針であること、を特徴とする請求項5に記載の鎖骨下静脈穿刺具。
【請求項8】
a.ガイドラインを緩く通過させる内径の括れ部から延設した喇叭状に広がる内腔よりなるガイドライン部と、b.前記括れ部から前記ガイドライン部と反対方向に拡張器先端が緩く嵌るイントロデューサー部を延設した筒体の、c.前記筒体の側壁にスリットを設けてなるアジャスター。
【請求項9】
a.基盤の表面にガイドラインを緩く通過させる内径の溝状の括れ部と、b.前記括れ部に延設した溝状のガイドライン部と、c.拡張器先端(イントロデューサー)を嵌脱可能な溝状の拡張器先端部を延設してなる、ことを特徴とするアジャスター。
【請求項10】
2個の基盤を蝶番で連結してなる、ことを特徴とする請求項9に記載のアジャスター。
【請求項11】
a.予め試験穿刺針を通じて先端を静脈内に到達させたガイドラインの基部を、b.先細でガイドラインが内腔を貫通可能なアジャスターを介して挿入して拡張器を貫通させ、c.前記拡張器の先端をガイドラインに沿って進行させることにより拡張器先端の進行方向を制御して静脈内に刺入させること、を特徴とする鎖骨下静脈穿刺方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−102482(P2006−102482A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224662(P2005−224662)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000180494)
【出願人】(000180508)
【出願人】(501229791)
【出願人】(301045403)
【Fターム(参考)】