説明

鎮痛活性および/または免疫賦活活性を有する3−ヘテロアリール−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピルアミンおよび関連化合物

【課題】鎮痛剤または免疫賦活剤として有用な新規化合物の提供。
【解決手段】次式で示される、1−アリール−1−ヒドロキシ−2,3−ジアミノ−プロピルアミンまたは1−ヘテロアリール−1−ヒドロキシ−2,3−ジアミノ−プロピルアミンの誘導体。


(式中、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基等を表し、R10はアリール基またはヘテロアリール基を表す)該化合物は、哺乳類において鎮痛活性および/または免疫賦活効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張:本出願は、2005年1月26日に出願した米国仮出願第60/647271号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、1−アリール−1−ヒドロキシ−2,3−ジアミノ−プロピルアミン、1−ヘテロアリール−1−ヒドロキシ−2,3−ジアミノ−プロピルアミンの誘導体および鎮痛活性およびある場合には免疫賦活活性を有する化合物に関する。
【0003】
また、本発明は、哺乳動物において疼痛を緩和もしくは除去するかつ/または哺乳動物において免疫系を賦活する活性成分として、これらの化合物を含有する医薬組成物、ならびに当該医薬組成物を鎮痛薬および/または免疫賦活薬として使用する方法にも関するものである。
【背景技術】
【0004】
1−フェニル−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−プロパノール(PDMP)は、Vunam, R. R. and Radin, N., Chem. Phys. Lipids, 26, 265-278, 1980により発見された。PDMPの製造については、Inokuchi, J. et al., J. Lipid Res. 28, 565-571, 1987;Radin, A. et al., NeuroProtocols, 3(2), 145-55, 1993;Radin, A. et al., J. Lipid Res. 36, 611-621, 1995および米国特許第5916911号に記載されている。
【化1】

【0005】
これらの誘導体は、グルコシルセラミド(GlcCer)シンターゼを阻害することによりグルコシルセラミド形成を阻害し、それによりスフィンゴ糖脂質のレベルが低下する。最も活性な異性体は、R,R−(D−トレオ)−配置を有する。合成の間に4種類のエナンチオマーが生じる。グルコシルセラミドシンターゼの阻害において、D−トレオエナンチオマーのみが活性であるので、活性なD−トレオ阻害剤の分割はキラルクロマトグラフィーによって行われた。
【0006】
さらに、Inokuchi J., Cancer Letters 38(1-2), 23-30, 1987に記載されているように、D−トレオ−PDMPは、スフィンゴ糖脂質生合成の阻害を介して抗腫瘍活性を有する。
【化2】

【0007】
さらに、D−トレオ−PDMPがシナプス機能を抑制することが、Mizutani A. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 222, 494-498, 1996によって報告されている。
【0008】
エナンチオマー的に純粋なD−トレオ−PDMPの製造については、Mitchell, Scott A.[ J. Org Chem., 63 (24), 8837-8842, 1998];Miura, T. et al, [Bioorg Med. Chem., 6, 1481-1498, 1998];Shin, S. et al., [Tetrahedron asymmetry, 11, 3293-3301, 2000];WO 2002012185に報告されている。
【0009】
L−トレオ−PDMPは、神経疾患を処置する物質である(WO95/05177)。この化合物はまた、米国特許第6407064号において、脳を保護するための試薬として記載されている。さらに、八放射迷路課題によるよく覚えさせた空間記憶の損失は、ラットにおける一過性の前脳虚血後のL−トレオ−PDMPでの処置により改善し、Inokuchi et al., Ann. N.Y. Acad. Sci., 845(1), 219-224, 1998および特開平10−324671(生化学工業株式会社)に記載されているように、神経変性障害に対する潜在能力が示唆されている。
【0010】
エナンチオマー的に純粋なD−トレオ−PDMPの立体選択的合成は、Shin, S. et al., Tetrahedron asymmetry, 11, 3293-3301, 2000およびWO2002/012185にも記載されており、鍵となる工程は、活性化されていないエナンチオマー的に純粋なアジリジン−2−メタノールのC(3)−N−結合の、モルホリン等の窒素求核試薬による位置選択的開裂である。
【化3】

【0011】
一方、L−セリンからの、エナンチオマー的に純粋な(1S,2S)−1−フェニル−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−プロパノール(L−トレオ−PDMP)の合成もまた、Mitchell, Scott A., J. Org Chem., 63 (24), 8837-8842, 1998に記載されている。
【化4】

【0012】
L−トレオ−PDMPを得るための他の既知の方法は、Miura, T. et al, Bioorg Med. Chem., 6, 1481-1498, 1998および特開平9−216858号に記載されている。L−トレオ−PDMPは神経疾患の治療物質である(WO95/05177)。この化合物はまた脳を保護する物質として米国特許第6407064号に記載されている。さらに、八放射迷路課題によるよく覚えさせた空間記憶の損失は、ラットにおける一過性の前脳虚血後のL−トレオ−PDMPでの処置により改善し、Inokuchi et al., Ann. N.Y. Acad. Sci., 845(1), 219-224, 1998および特開平10−324671(生化学工業株式会社)に記載されているように、神経変性障害に対する潜在能力が示唆されている。
L−セリンのGarnerアルデヒドを出発物質とする(1S,2S)−トレオ−および(1R,2S)−エリトロ−1−フェニル−2−パルミトイルアミノ−3−N−モルホリノ−1−プロパノール(PPMP)の合成は、Nishida, A., Synlett, 4, 389-390, 1998に記載されている。
【化5】

【0013】
(デカノイルよりも)長い脂肪鎖アシル基を有する化合物は、GCSの阻害剤として実質的により効果的であることが分かっている。Abe, A. et al., J. Biochem., 111, 191-196, 1992または米国特許第5916911号およびWO2001/004108に記載されているように、D−トレオ−1−フェニル−2−パルミトイルアミノ−3−ピロリジノ−1−プロパノール(P4またはPPPP)アナログは、マンニッヒ反応により最初に得られた。
【化6】

【0014】
GCSの最も強力な阻害剤のひとつであるD−トレオ−4’−ヒドロキシ−P4は、Lee, L. et al., J. Biol. Chem., 274, 21, 14662-14669, 1999に記載されている。さらに、一連のジオキサン置換が設計され試験されている。これらには、3’,4’−メチレンジオキシフェニル−3’,4’−エチレンジオキシフェニル置換された同族体、および3’,4’−トリメチレンジオキシフェニル置換された同族体が含まれている。
【化7】

n−ベンジルオキシカルボニル−D−セリンからのエナンチオマー的に純粋なD−トレオ−1−フェニル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ピロリジノ−1−プロパノール(PBPP)およびD−トレオ−P4およびそのアナログの合成は、Jimbo M. et al, J. Biochem., 127(3), 485-91, 2000およびEP 782992 (Seikagaku Kogyo Co.)に記載されている。PBPPは強力なGCS阻害剤として記載された。
【化8】

【0015】
P4誘導体の新規プロドラッグは、US2002/0198240およびWO2002/062777に記載されている。
エナンチオマー的に純粋なD−トレオ−エチレンジオキシ−P4およびD−トレオ−p−メトキシ−P4の合成は、Husain A. and Ganem B., Tetrahedron Lett., 43, 8621-8623, 2002に記載されている。鍵となる工程は、GarnerアルデヒドへのアリールGrignard試薬の高度のsyn−選択的付加である。
【化9】

【0016】
P4アナログのジアステレオ選択的合成は、US03/0153768およびWO2003/045928(Genzyme Corp.)に記載されている;オキサゾリンI[R1=(非)置換されたアリール;R2、R3=H、(非)置換された脂肪族;NR23=複素環]を、R1CHOおよびR23NCOCH2CNからP4グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤の中間体として製造した。即ち、メチルイソシアノアセテートCNCH2CO2Meをピロリジンで処理し、アミドを1,4−ベンゾジオキサン−6−カルボキシアルデヒドで処理した後、オキサゾリンをメタノール中HClを用いて加水分解し、アミドIIのケト基をLiAlH4を用いて還元し、パルミトイルクロリドでアシル化してD,L−トレオ−エチレンジオキシ−P4 IIIを得た。
【化10】

エナンチオ純粋なP4アナログはWO2003/008399(Genzyme Corp.)に記載されている。I[R1、R5=非(置換)芳香族;R2、R3=H、非(置換)脂肪族;NR23=(非)置換非芳香族複素環;R4=O、H2]等のP4誘導体は、GCS阻害剤として治療用として製造された。即ち、D−トレオ−エチレンジオキシ−P4は、S−(+)−Phグリシノール、フェニル−α−ブロモアセテート、1,4−ベンゾジオキサン−6−カルボキシアルデヒド、ピロリジンおよびパルミトイルクロリドを出発物質として、多段階の合成経路によって製造された。
【化11】

【0017】
Slavish., J. P. et al., Bioorg Med. Chem. Lett., 14, 1487-1490, 2004に記載されているように、芳香族環にエーテル置換基を有する新しいD−トレオ−P4アナログが最近D−セリンから合成され、昆虫胚細胞系における軸索伸張を抑制することが分かった。
【0018】
本発明の背景について記載するさらなる文献としては、米国特許第5,945,442号;同第5,952,370号;同第6,030,995号;および同第6,051,598号;Journal of Labelled Compounds & Radiopharmaceuticals (1996), 38(3), 285-97;国際公開公報WO01/38228;およびKastron et al. Latvijas PSR Zinatnu Akademijas Vestis, Kimijas Serija (1965) (4), 474-7が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
重要なことに、本発明者らの最新の知識によれば、本発明の新規化合物に構造的に類似する従来技術の化合物に、鎮痛剤または免疫賦活剤として知られているものはない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、式1
【化12】

[式中、
1は、Hまたは1個〜6個の炭素のアルキルであり、
2は、H、1個〜6個の炭素のアルキルであるか、R1およびR2の基が、窒素と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を所望により含む飽和または不飽和の4、5、6または7員環を形成し、当該4、5、6または7員環は、ハロゲン、COOH、CH2OH、OH、B(OH)2、シアノでまたは1個〜6個のアルキル基を有するアルキル基で所望により置換されており、
3は、H、1個〜20個の炭素のアルキル、アリールもしくはヘテロアリール、アリール−アルキル、またはアルキル部分が1個〜4個の炭素を有するヘテロアリール−アルキル、3〜6炭素のシクロアルキルから独立に選択され、当該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1個〜6個の炭素のアルキル、1個〜6個の炭素のアルコキシおよび1個〜6個の炭素のチオキシからなる群から独立に選択される1個〜3個の基で所望により置換されているか、R3は、CO−R7またはCO−O−R7であり、但し、R7は、H、1個〜20個の炭素のアルキル、ベンジル、NH2基でもしくはアルキル基が1個〜6個の炭素を有するNHCOOアルキル基またはNH−COアルキル基で置換されている1個〜20個の炭素のアルキルであるか、またはR7は、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキルまたはヘテロアリール−アルキルであってアルキル部分が分岐または分岐していない1個〜4個の炭素を有しており、当該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1個〜6個の炭素のアルキル、1個〜6個の炭素のアルコキシおよび1個〜6個の炭素のチオキシからなる群から独立に選択される1個〜3個の基で所望により置換されており;
4は、H、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R8(ここでR8は1〜6炭素のアルキルである)であり;
波線はRまたはS配置を有する炭素に結合した結合を示し、および
10は、式(i)および(ii)からなる群から選択され
【化13】

*は分子の残りの部分がそこへ結合する炭素原子を示し;
5およびR6は、独立にH、1〜6炭素のアルキル、ハロゲン、1〜6炭素のアルコキシであるかまたはR5およびR6基がそれらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、炭素環は環に5または6原子を有し、複素環は環に5または6原子を有し、へテロ原子はN、OおよびSから独立に選択される1〜3個を有し、
該炭素環または複素環は、1〜6個のR9で置換されていてもよいR5およびR6により形成され、R9は独立に、ハロゲン、1〜6炭素のアルキル、1〜6炭素のアルコキシから選択され、
但し、
10が式(ii)を有するとき、式1は、R4が水素でR1およびR2が窒素と一緒になってモルホリンまたはピロリジン環を形成しR5およびR6がいずれもHであるかまたはR5およびR6の一方がOCH3で他方がHである化合物は包含しない]
で示される化合物に関し、本発明はまた、該化合物の製薬的に許容し得るすべての塩に関する。
【0021】
また、本発明は、上記の新規な化合物を含有する、哺乳動物において鎮痛薬および/または免疫賦活薬として使用する医薬組成物、ならびに当該医薬組成物を鎮痛薬または免疫賦活薬として使用する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の化合物の一般的な説明は、本特許出願の課題を解決するための手段で述べられている。ほとんどの本発明の化合物は、1個または複数の不斉中心を含有し、そのため、そのような化合物には、鏡像異性体およびジアステレオ異性体が存在することができる。事実上、ほとんどの本発明の化合物は、互いに隣接する2個の不斉炭素を有し、したがって、エリトロ形またはトレオ形として存在することができ、これらの2種の形のそれぞれが、右旋性(D)または左旋性(L)の鏡像異性体を有する。本発明によれば、通常、鎮痛活性を得るには、トレオ形が好ましいが、特に別途述べない限り、本発明の範囲には、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、およびジアステレオ異性混合物またはラセミ混合物の全てを含む。上記に照らして、本出願においては、「DL」または「(+/−)」または「(±)」が指定されている場合には、純粋な右旋性鏡像異性体、純粋な左旋性鏡像異性体、および2種の鏡像異性体が均等または不均等な割合で存在する混合物を含む、全てのラセミ混合物を含むことを明確に理解されたい。さらに、簡素化のために、下記の例においてなど、構造式の多くにおいて、鏡像異性体の1種のみが実際に示されているが、「DL」または「(+/−)」または「(±)」が指定されている場合には、当該式で実際に示されている構造の鏡像異性体(鏡映像)も含まれる。
【0023】
例えば:
【化14】

である。
【0024】
したがって、上記の例では、鏡像異性体の1種のみが示されているが、「DL」(または「(+/−)」または「(±)」)が、式の下に指定されているので、その光学異性体
【0025】
【化15】

および2種の光学異性体のラセミ混合物の全ても含まれる。
【0026】
本発明のいくつかの化合物の場合には、トレオ形、およびエリトロ形の一部において、一方の鏡像異性体が、同一の対の他方の鏡像異性体よりも、鎮痛薬として顕著に活性が高いことがある。このため、他方より顕著に活性が高い、単離された鏡像異性体を、たとえ同一の化合物のラセミ混合物または他方の対応する鏡像異性体が従来技術にすでに記載されている場合であっても、新規な発明組成物と見なすものとする。
【0027】
本発明の新規な化合物のいくつかは、3個以上の不斉中心を含有する。
【0028】
広い意味では、異性体、鏡像異性体およびラセミ混合物の全てが、本発明の範囲に属するが、読者である当業者には、上記の例を記憶にとどめれば、個々の記載されている例の範囲が容易に理解されるであろう。
【0029】
化合物の一般的な説明および定義における「アルキル」という用語には、直鎖および分枝鎖のアルキル基が含まれる。
【0030】
一般に、本発明の化合物は、製薬的に許容される酸または塩基と塩を形成することができ、式1の化合物の製薬的に許容される塩も、本発明の範囲に属する。
【0031】
式1の新規な化合物について述べると、R5およびR6 基は好ましくはいずれもH, アルキル, アルコキシから独立に選択され、さらにより好ましくはHである。好ましい化合物 においては、R3 基は好ましくはいずれもHであるか、またはR3 基の一方がHであり、他方がアシル基またはアリールアルキルカルバモイル基である。R4 基は好ましくはH (但し、上記但書き参照)またはアルカノイルであり、R1およびR2 基は好ましくはピロリジノまたはモルホリノである。
【0032】
本明細書中、本発明の最も好ましい新規な化合物を以下の表中の構造式および/または例示的な化合物の、鎮痛薬および/または免疫賦活薬として作用する能力に関する活性を示す説明を付けて開示する。
【0033】
生物学的活性、投与形態
本発明の新規な化合物は、哺乳動物において、鎮痛活性および/または免疫賦活活性を有する。背景技術に記載した化合物のいくつかは、当技術分野においては、それ自体が既知であるが、本発明の発明者らによって、哺乳動物において鎮痛効果も示すことが発見された。本発明の発明者らの知る限りにおいては、これらの既知の化合物の鎮痛活性または免疫賦活性の生物学的活性は、今回発見されるまでは知られていなかった。
【0034】
慢性の疼痛(特に、末梢性神経障害)における化合物の鎮痛効果の測定に用いる、当技術分野で認められているモデルまたはアッセイは、KimおよびChung 1992、Pain 150、pp 355−363(Chungモデル)として知られるモデルである。このモデルでは、実験動物の片側のL5(および所望によりL6)脊髄神経を外科的に結紮することになる。ラットは、手術から回復するにつれ、体重が増加し、正常なラットに類似する通常の活動のレベルを示す。しかし、これらのラットは、足においては異常を示すようになり、後足が中等度に裏返り、つま先が一緒になって離れなくなる。より重要な点は、手術を受けた側の後足では、機械的刺激に対する感受性の閾値が低下し、かすかな接触感の代わりに疼痛を感じるようになることである。正常であれば無痛性の接触に対するこのような感受性は、「接触性アロディニア」と呼ばれ、手術後1週間以内に発生し、少なくとも2ヶ月は持続する。アロディニア応答には、刺激から逃れるために手術を受けた後足を持ち上げること、足をなめること、および足を何秒間も空中に保つことが含まれる。これらの応答はいずれも、対照群では、通常認められない。
【0035】
接触性アロディニアを発生させるために、ラットに手術前に麻酔をかける。術部を剪毛し、ベタダインまたはノボケインのいずれかを用いて手術に備える。第8胸椎から仙骨に向かって下方に切開する。L4〜S2のレベルにおいて、脊椎(左側)から筋肉組織を分離させる。L6椎の位置を決定し、横突起を小型の骨鉗子を用いて注意深く取り除いて、L4〜L6脊髄神経を露出させる。L5およびL6脊髄神経を単離し、6−0絹糸を用いて、しっかりと結紮する。対照として、同一の処置を右側に施すが、脊髄神経の結紮は行なわない。
【0036】
止血が完全であることを確認した後、創部を縫合する。少量の抗生物質の軟膏を切開部に施用し、調節されている熱−温度ランプ下にある回復用のプラスチック製ケージに、ラットを移す。
【0037】
手術後少なくとも7日後である実験日には、通常、6匹のラットを各試験群に用い、試験薬剤を腹腔内注射(i.p.)または経口胃管栄養法(p.o.)によって投与する。i.p.投与では、化合物を水中で調製し、1ml/kg体重の容量で腹腔内に注射することによって投与する。p.o.投与では、化合物を水中で調製し、1ml/kg体重の容量で、食道を介して胃内にゆっくり挿入する18ゲージの、3インチ胃管栄養針を使用して投与する。
【0038】
接触性アロディニアをフォンフレイの触毛を介して評価する。これは、一連の硬度が少しずつ異なる細い毛である。金網製の底を有するプラスチック製のケージにラットを入れ、約30分かけて順応させる。投与前のベースラインを確立するために、フォンフレイの触毛をラットの後足の足底の中央部分に、わずかなバックリングに十分な力で、網を介して垂直に接触させ、6〜8秒間保持する。接触させる力は、0.41〜15.1グラムの範囲であるように計算されている。足が素早く引っ込む場合には、陽性の反応と見なされる。正常な動物は、この範囲の刺激には応答しないが、外科的に結紮した足は、1〜2グラムの毛に応答して引っ込む。足の引っ込め50%閾値を本明細書に参照によって組み入れられているDixon, W.J., Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.20:441-462(1980)の方法を用いて求める。投与前と投与15、30および60分後に、接触性アロディニアを測定する。投与後の閾値を投与前の閾値と比較し、15.1グラムの正常閾値に基づいて、接触感受性の低下率を計算する。
【0039】
以下の表1に、Chungモデルにおいて、本発明の例示的な化合物を用いて得られた疼痛の低下の程度を示す。化合物の腹腔内(i.p.)および/または静脈内(iv)投与の用量は、術後、1μg/kg〜300μg/kgまたは3mg/kgの範囲であり、アロディニアの低下率のピークを投与15、30または60分後に測定し、表に示した。ラットのChungモデルにおいては、アロディニアの低下は、最低でも20%とし、データは、(投与後15分、30分または60分の3時点のいずれかにおける)アロディニアの低下率の最大値として表した。群間(投薬処置群対食塩水処置群)の比較を両側独立2標本t検定を用いて行なった。300μg/kgを腹腔内投与した後、鎮痛性を統計的に示さなかった化合物は、示されていないが、これらにも鎮痛性がある場合がある。100mg/kgで有意な鎮痛性を示さない化合物は、鎮痛性があるとは見なさない。
【表1】

【0040】
免疫の賦活の測定に用いる、当技術分野で認められている方法は、化合物の全身投与を含み、恐らく血液リンパ細網系の上方制御によって、免疫系を賦活する能力を試験する。この上方制御によって、T細胞およびB細胞の両方の系列のリンパ球の数を増加させることが可能であると思われる。出願人は、免疫賦活のこの生物学的理論に縛られるつもりはないが、実験用のラットに試験化合物を投与し、それに応答する脾臓の大きさを試験することによって、化合物の実際の免疫賦活効力をin vivoにおいて実証することができる。一般に、200mg/kgまたはそれ以下の投与により脾臓を拡大させる化合物はいずれも、免疫賦活薬と見なすことができる。
【0041】
投与形態:
本発明の化合物を薬学的有効量で投与することができる。通常、そのような投与量は、所望の治療効果を達成するために必要とする最少の用量である。慢性疼痛の治療においては、この量は、およそ、疼痛によって生じる不快感を低減させるのに必要とする量であろう。一般に、ヒト成人では、そのような用量は、0.1〜5000mg/日の範囲であり、より好ましくは、1〜3000mg/日の範囲であり、さらにより好ましくは、10〜1000mg/日の範囲である。しかし、所与の症例において投与する化合物の実際の量は、疼痛の重症度、患者の年齢および体重、患者の全身状態、疼痛の原因、ならびに投与経路など、関連する状況を考慮して医師が決定するものとする。
【0042】
本化合物は、哺乳動物、特に、ヒトにおいて、疼痛の治療に有用である。好ましくは、本化合物は、錠剤、液剤、カプセル剤、散剤など、いずれかの許容される剤型で、経口的に患者に投与される。しかし、その他の経路が望ましい場合または必要である場合があり、特に、患者が悪心を訴える場合がそうである。そのようなその他の経路として、例外なしに、経皮、腹腔内、非経口、皮下、鼻腔内、くも膜下腔内、筋肉内、静脈内および直腸内による送達の形態があげられる。本発明の別の態様では、本発明の新規な化合物と、これらの化合物の製薬的に許容される塩と、製薬的に許容される賦形剤とを含む治療用組成物を対象とする。そのような賦形剤は、担体または希釈剤となることができる。多くの場合、これを活性のある化合物と混合する、またはこれで活性のある化合物を希釈もしくは封入する。希釈剤の場合、この担体は、活性のある化合物に対して、賦形剤またはビヒクルとして作用する固体、半固体、または液体の材料であることができる。処方は、湿潤剤、乳化剤、保存剤、甘味剤、および/または嬌味剤も含むことができる。眼科用または注入用の場合、多くの場合、処方の浸透圧を変化させるために、処方は、1種または複数の塩を含有するであろう。
【0043】
本発明の別の態様では、本発明の対象は、疼痛、特に、慢性疼痛を1種または複数の、本発明の新規な、もしくはそうでなければ既知の化合物、またはそれらの製薬的に許容される塩をそれを必要とする哺乳動物に投与することによって治療する方法である。上記で示したように、多くの場合、本化合物は、所望の送達形態に合致した剤型に製剤化される。
【0044】
免疫賦活薬である本発明の化合物は、鎮痛活性を有する化合物と同一の原理に基づいて、症例毎および/または種毎に、ヒトの場合には、時に、患者毎に、最適な用量で投与される。一般に、有効量は、10μg/kg〜200mg/kgの範囲であろう。
【0045】
本発明の化合物を得るための合成方法、実験例
本発明の化合物を以下の実験例に記載する合成方法、または本開示に照らせば当業者には容易に明らかになるであろうような、以下に記載する実験的方法の変法を利用して合成することができる。
【0046】
一般論
Advance 300分光計(Bruker製)を用いて、室温で1H NMRスペクトルを記録した。Waters 2525ポンプ、Waters 2696フォトダイオードアレイ検出器およびXTerraカラム(Part. No.186000482、5μm、C18、4.5×50mm)を備えるWaters Autopurification Systemを使用して、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、化合物を分析した。使用したHPLC法では、7分間で、溶媒Bの濃度を5%から100%に変化させた。溶媒Aは、0.05%TFAを有する水であり、溶媒Bは、0.05%TFAを有するCH3CNであった(方法A)。Buchi B−545型融点測定装置を用いて、融点を測定したが、補正はしなかった。反応生成物を単離するために、回転式真空蒸発器を使用して溶媒を蒸発させて除去した。水浴の温度は、40℃以下とした。
【0047】
一般的合成経路
本発明の化合物を一般的な意味では直下に、さらにより詳細には本出願の実験例の項に記載する合成法を利用することによって、または本開示に照らせば当業者には容易に明らかになるであろうような、以下に記載する実験例の方法の変法によって合成することができる。
【0048】
置換された「1−ヒドロキシル−プロピルアミン」である本発明の化合物の一般的合成経路は、対応する置換された「3−ヒドロキシル−プロピルアミド」化合物を経たのち、「カルボン酸アミド」部分のカルボニル基を、水素化アルミニウムリチウム等の還元剤還元剤で還元することにより行うことができる。
【化16】

この反応を一般的合成反応スキームAに示す。ここで、一般的に言えば、置換基は本願の要旨の項に記載した意味を有する。有機合成の当業者は、R1、R2およびR10に指定した置換基の性質によっては、還元工程を実施するために特定の基を保護することが必要になり得ることを容易に理解する。
【0049】
置換された「3−ヒドロキシル−プロピルアミド」化合物は、一般的に言えば、以下の一般的スキーム1および一般的スキーム2に記載するように合成することができる。
【化17】

【0050】
したがって、一般的スキーム1によれば、イソシアノ酢酸メチル(または市販されているイソシアノ酢酸エチル)をR1およびR2基を含む「アミン」と反応させて、一般反応スキーム1に示す2−イソシアノ酢酸アミド誘導体を得る。反応に使用するアミンの典型的な例は、ピロリジン、ピペリジン、アゼチジン、モルホリン、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール、ジエチルアミンなどのジアルキルアミン、3−フルオロ、3,3−ジフルオロもしくは3−ヒドロキシ置換ピロリジンである。次いで、2−イソシアノ酢酸アミド誘導体を(KOHなどの)塩基の存在下、R10基を含む「アルデヒド」と反応させて、一般的スキーム1に示すような、ジアステレオ選択性の高いトランス「オキサゾリン」を得る(通常、トランス:シス比は、>97:3)。次いで、トランスのオキサゾリンをHClなどの強酸で処理し、開環して、一般反応スキーム1に示すような、本発明のトレオ−3−置換−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピオン酸アミド中間体(通常、トレオ:エリトロ比が、>97:3である)を得る。
【0051】
式NHR12のアミノ基が、インドリン、チオモルホリンなどの弱い求核試薬である式1のまたは一般反応スキーム1の化合物は、(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−1−(インドリン−1−イル)−3−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物243、および(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−1−(チアゾリジン−3−イル)−3−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物242を合成するためのスキーム2に示すように合成することができる。
【0052】
【化18】

【0053】
スキーム2において、EDClは、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−エチルカルボジイミド塩酸塩の略語であり、HOBTは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの略語であり、BOC2Oは、二炭酸ジ−t−ブチルの略語であり、TEAは、トリエチルアミンの略語である。化合物 242および243は一般合成反応式 Aに記載したように還元して本発明の化合物を得ることができる。
【0054】
別の一般的な合成経路は、本明細書の開示に照らして当業者に明かな修飾を加え、以下に実施例に具体的に記載された化合物1、化合物2および化合物3の合成に一般的に従う。
【0055】
異性体として純粋である、および/または鏡像異性体として純粋である化合物、ならびに本発明の3−置換−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピオン酸アミド中間体または置換された1−ヒドロキシプロピルアミンのさらなる誘導体は、分離の手法および反応によって得られ、それら自体は、合成系の化学者には周知である。いくつかの典型的な分離の手法および反応を一般的に下記に記載する。
【0056】
トレオおよびエリトロの異性体の分離は、両方が本発明の化合物に至る反応で形成される場合には、通常、クロマトグラフフィーの方法によって分離することができる。クロマトグラフィーによる分離は、本発明の置換された3−ヒドロキシプロピオン酸アミド中間体化合物のレベルで、または置換された1−ヒドロキシプロピルアミン化合物のレベルで行うことができる。
【0057】
より豊富に形成したトレオ異性体はまた、プロパン酸部分の3位のヒドロキシル基をケトンレベルに酸化したのち、中間体の3−置換−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピオン酸アミド化合物または本発明の化合物において生じたケトンをヒドロキシルレベルに還元することにより、エリトロ異性体に変換することができる。
【0058】
鏡像異性混合物の分離は、当技術分野で周知であるChiralpackカラム上で行なうことができる。
【0059】
一般に、プロピルアミン部分の2位のアミノ官能基は、1位のヒドロキシル基よりも、アシル化およびカルバモイル化に対して、反応性が高い。したがって、2−アミノ官能基のアシル化誘導体を塩化アセチル、塩化ヘキサノイルのような塩化アシルを使用することによって調製することができる。または、本発明の化合物の1−ヒドロキシおよび2−アミノ基を同じ反応でアシル化することができる。2−アミノ官能基のカルバミン酸誘導体をベンジルクロロホルマートのようなクロロホルマートを使用することによって得ることができる。また、第三級ブチルカルバモイル官能基またはベンジルカルバモイル官能基を2−アミノ官能基の離脱可能な保護基として用いることもできる。
【0060】
2−アミノ官能基のアルキル化は、2−NH2基を有する化合物をアルデヒドと縮合させてSchiff塩基中間体を得、これを単離することなく還元して、本発明のN−アルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリール−アルキル化合物を得ることによって行うことができる。
【実施例】
【0061】
好ましい化合物の合成に関する詳細な説明(実験例)
D−トレオ−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オール二塩酸塩、化合物4の製造
(R)−メチル1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−カルボキシレート、EBE06044B
2,3−ジブロモプロピオン酸メチル(25mL、198mmol)のトルエン溶液(5℃)にトリエチルアミン(55mL、0.39mmol)のトルエン溶液(100mL)を加えた。5分間攪拌した後、(S)−(1)−フェネチルアミン(25mL、198mmol)のトルエン溶液(100mL)を滴加した。懸濁液を3時間還流した後冷却し、濾過し、揮発性成分を減圧下で留去して残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル950g、シクロヘキサン中0〜20%EtOAcのグラジェント)により精製して(S)−メチル1−(S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−カルボキシレートEBE06044Aを黄色の油(17.31g、43%の収率)として、および(R)−メチル1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−カルボキシレートEBE06044Bを黄色の油(15.14g、37%の収率)として得た。
【化19】

分子量:205.3;収率EBE06044B:37%;黄色の油.収率:EBE06044A:43%,黄色の油
f:EBE06044A=0.5;Rf:EBE06044B=0.35(EtOAc:シクロヘキサン=25:75). 1H−NMR(CDCl3,δ)EBE06044A:1.47(d,3H,J=6.6Hz,CH3),1.60(d,1H,J=6.4Hz,CH),2.13(d,1H,J=2.6Hz),2.21(dd,1H,J=3.2Hz,J=6.4Hz),2.54(q,1H,J=6.6Hz),3.75(s,3H,OCH3)7.23−7.40(m,5H,ArH)
1H−NMR(CDCl3,δ)EBE06044B:1.46(d,3H,J=6.6Hz,CH3),1.79(d,1H,J=6.6Hz,CH),2.08(d,1H,J=3.11Hz,6.6Hz),2.34(dd,1H,J=3.1Hz,J=1.0Hz),2.56(q,1H,J=6.6Hz),3.67(s,3H,OCH3)7.24−7.36(m,5H,ArH)
13C−NMR(CDCl3,δ)EBE06044B:23.5,35.0,36.9,52.2,69.8,126.5,127.2,128.5,143.6,171.1
HPLC:方法A,検出(254nm),EBE06044B RT=6.11min,ピーク面積92.9%
【0062】
((R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−イル)メタノール、EBE06046
250mL容の丸底フラスコに無水THF(100mL)およびLiAlH4(2.77g,73.1mmol)を入れた。懸濁液を0℃で攪拌しながら、(S)−メチル1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−カルボキシレートEBE06044B(10.0g,48.7mmol)のTHF溶液(50mL)を20分間かけて滴加した。滴加漏斗をTHF(2×3mL)で洗浄して0℃にて20分反応させた。反応混合物を0℃に保ち、KOH溶液(10%,20mL)を20分間滴加した(発熱に注意)。混合物を25℃で0.5時間攪拌し、白色の沈殿をセライトパッドの濾過により除き、ジエチルエーテル(30mL)で洗浄した。集めた有機の濾液をNaH2PO4で洗浄し、水層をEt2O(3×30mL)で抽出した。集めた有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮して((R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−イル)メタノールEBE06046を白色の固体として得た(10.4g,90%の収率)。
【化20】

分子量:177.2;収率:90%;白色の固体;Mp(℃):37.7
1H−NMR(CDCl3,δ):1.43(d,3H,J=6.6Hz,CH3),1.49(d,1H,J=6.5Hz,CH),1.65−1.71(m,1H,CH),1.92(d,1H,J=3.5Hz,NCH),2.26(s,1H,OH),2.53(q,1H,J=6.6Hz,NCH),3.32−3.37(m,1H,OCH2),3.56(m,1H,OCH2),7.23−7.35(m,5H,ArH)
13C−NMR(CDCl3,δ):22.9,31.4,39.3,62.5,69.4,126.6,127.3,128.6,144.5
【0063】
(R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−カルバルデヒド、EBE06048
250mL容の三口の丸底フラスコに低温の温度計と均等な滴加漏斗2個を取り付けた。一方を窒素ラインに繋ぎ((R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−イル)メタノールEBE06046(7.0g,39.5mmol)のCH2Cl2溶液(75mL)を入れ、もう一方にDMSO(9.25g,118.5mmol)のCH2Cl2溶液(11mL)を入れた。N2下、−78℃の塩化オキサリル(7.5g,59.3mmol)のCH2Cl2溶液(90mL)に、20分間DMSO溶液を滴加し20分間攪拌した。EBE06046(7.0g,39.5mmol)のCH2Cl2溶液(75mL)を50分間かけて滴加した後、滴加漏斗にDIEA(42.6mL,237mmol)のCH2Cl2溶液(10mL)を加え、反応混合物を−45℃で30分間攪拌した。DIEA溶液を5分間かけて−78℃の反応混合物に加え、反応物を室温に加温した。反応混合物をH2O(3×50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、留去した。得られた粗製物をシリカのカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0−20%[v/v]EtOAcグラジェント)により精製して(R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−カルバルデヒドEBE06048を黄色の油として得た(5.59g,81%の収率)。
【化21】

分子量:175.2;収率:81%;黄色の油
f:EBE06048:0.3(EtOAc:シクロヘキサン=20:80). 1H−NMR(CDCl3,δ):1.47(d,3H,J=6.6Hz,CH3),1.94(d,1H,J=6.7Hz,NCH2),2.08(dt,J=2.9Hz,J=6.4Hz,NCH),2.37(d,1H,J=2.6Hz,NCH2),2.61(q,1H,J=6.6Hz,NCH),7.20−7.38(m,5H,ArH),8.92(d,1H,J=6.2Hz)
13C−NMR(CDCl3,δ):22.7,32.1,43.2,68.1,125.5,126.5,127.6,142.4,198.7
【0064】
(R)−フェニル((R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−イル)メタノール、EBE06066
窒素下−78℃のブロモベンゼン(4.93g,31.4mmol)のTHF(125mL)溶液にt−BuLi(ペンタン中1.7M,50mL)を加えた。混合物を室温にて0.5時間攪拌した。混合物を−78℃に冷却し、−78℃の(R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−カルバルデヒドEBE06048(2.5g,14.3mmol)のTHF(16.7mL)溶液を滴加した。反応混合物H2O(20mL)で処理し、有機層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。集めた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過して減圧濃縮して残留物を得、これをシクロヘキサン中0〜20%[v/v]EtOAcグラジェントを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して(R)−フェニル((R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−イル)メタノールEBE06066(3.13g,86%の収率)を得た。
【化22】

分子量:253.3;収率:86%
f:=0.3(EtOAc:シクロヘキサン=20:80). 1H−NMR(CDCl3,δ):1.47(d,3H,J=6.6Hz,CH3),1.57(d,1H,J=6.5Hz,CH),1.79(dt,1H,J=3.5Hz,J=8.7Hz,CH),2.04(d,1H,J=3.5Hz,OCH),2.35(bs,1H,OH),2.53(q,1H,J=6.5Hz,CH),4.23(d,1H,J=5.7Hz,OCH),7.07−7.13(m,2H,ArH),7.16−7.20(m,3H,ArH),7.24−7.34(m,5H,ArH)
13C−NMR(CDCl3,δ):22.4,32.0,44.6,69.4,74.1,125.8(2xC),126.9(2xC),127.3,127.6,128.2(2xC),128.7(2xC),142.0,144.2
[α]22D=−71.53(c=0.59,CHCl3
【0065】
D−トレオ−2−((S)−1−フェニルエチルアミノ)−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オール二塩酸塩、化合物5
室温の(R)−フェニル((R)−1−((S)−1−フェニルエチル)アジリジン−2−イル)メタノールEBE06066(1.5g,5.92mmol)のCH3CN(19mL)溶液に、ヨードトリメチルシラン(3.55g,17.8mmol)を加えた。この溶液を2時間攪拌し、モルホリン(1.032g,11.84mmol)を加えた。2時間還流した後、反応混合物を塩酸(1M)で処理してpH=1にし、10分間攪拌した。NaHCO3をゆっくりと加えてpH=9とし、生成物をEtOAcで抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過して留去した後、褐色の粗製の油を得、これをEtOAc中0−20%[v/v]MeOHのグラジェントを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製してD−トレオ−2−((S)−1−フェニルエチルアミノ)−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オールEBE06068A(0.831g,42%)を淡褐色の固体として得た。D−トレオ−2−((S)−1−フェニルエチルアミノ)−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オールEBE06068A(0.100g,0.294mmol)のエタノール(1mL)溶液に、HCl(0.8M,0.816mL)のEtOH溶液を加えた。揮発性成分を留去してD−トレオ−2−((S)−1−フェニルエチルアミノ)−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オール二塩酸塩化合物5を白色の固体(0.125g,100%)として得た。
【化23】

分子量:412.37;収率:42%;白色の固体;Mp(℃):157.2(dec)
f:0.3(MeOH:EtOAc=20:80)EBE06068A
1H−NMR(CD3OD,δ):1.19(t,2H,J=7.0Hz,NCH2),1.71(d,3H,J=6.8Hz,CH3),3.45(m,2H,J=7.1Hz,NCH2),3.62(q,2H,J=7.1Hz,NCH2),3.97(t,4H,J=4.5Hz,OCH2),4.06(m,1H,CH−N),4.75(q,1H,J=6.8Hz,CH−N),5.21(d,1H,J=5.1Hz,CH−O),7.44−7.56(m,10H,ArH)
MS−ESIm/z(%rel. int.):341.1([MH]+,20)
13C−NMR(CD3OD,δ):24.4,54.5(2xC),55.5,55.9,60.0,67.0(2xC),75.6,126.3(2xC),126.5(2xC),127.0,127.1,128.1(2xC),128.5(2xC),142.2,145.3
HPLC:方法A,検出(254nm),化合物5 RT=4.41min,ピーク面積99%
【0066】
トレオ−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オール二塩酸塩、化合物4
室温のD−トレオ−2−((S)−1−フェニルエチルアミノ)−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オールEBE06068A(0.400g,1.17mmol)のMeOH(6mL)溶液に、酢酸(0.133mL,2.35mmol)を加えた。反応容器を窒素でフラッシュしPd(OH)2(25%重量,0.150g)を加えた。吸引と水素のバルーンを用いた水素添加を3回繰り返して窒素を水素に置き換えた。水素化で16時間攪拌した後、反応混合物をセライトで濾過して(2R)−アミノ−3−モルホリン−4−イル−(1R)−フェニル−プロパン−1−オールの酢酸塩EBE06070A(0.279g,98%の収率)を得た。(2R)−アミノ−3−モルホリン−4−イル−(1R)−フェニル−プロパン−1−オールの酢酸塩EBE06070A(0.100g,0.338mmol)のエタノール(1mL)溶液にHCl(0.8M,0.930mL)のEtOH溶液を加えた。揮発性成分を留去してD−トレオ−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オール二塩酸塩化合物4(0.104g,100%の収率)を灰白色の固体として得た。(Adapted from Shin, S-H.;Han, E.Y.;Park, C.S.;Lee, W.K.;Ha, H.-J. Tetrahedron Asymmetry, 2000, 11, 3293-3301)
【化24】

分子量:309.23;収率:99%;灰白色の固体;Mp(℃):183.4
1H−NMR(CD3OD,δ):3.30−3.77(m,6H,CH2N),3.92−4.05(m,4H,CH2O),4.05−4.16(m,1H,CH),4.85−4.98(m,1H,CH),7.35−7.60(m,5H,ArH)
13C−NMR(CD3OD,δ):53.2,58.3,58.5(2xC),64.9(2xC),72.6,128.0(2xC),130.2(2xC),140.3
MS−ESIm/z(%rel. int.):237.1(100,[MH]+
HPLC:アイソクラチック10%CH3CN(H2O中)(pH10,[NH4OH]=5mM),検出UV254nm,化合物4 RT=6.63min,ピーク面積97.3%
[α]22D=−10.7(c=1.00,MeOH)
【0067】
ベンジルL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートハイドロクロライド、化合物1の製造
ベンジル(S)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメート TTA08010B
窒素下、0℃の32mL無水THF中のZ−L−Ser−OH(6.00g,25.08mmol)の攪拌した溶液に、1MフェニルマグネシウムブロミドのTHF(32mL,200mmol)溶液を滴加した(Zは、ベンジルカルバモイル基を表する)。混合物を窒素下、室温で15時間攪拌した。2MHCl溶液(100mL)を0℃にてゆっくりと加え、混合物を酢酸エチル(750mL)と酸性水の間に分配した。有機層を水(2x20mL)、1N炭酸水素ナトリウム水溶液(2x20mL)、ブライン(2x20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。30〜35℃にて蒸発させることにより酢酸エチルを除去した後、粗製物(4.50g,60%の収率)を酢酸エチル:ヘキサン=25mL:20mLの混合物中で結晶化してベンジル(S)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメート TTA08010Bを白色の固体として得た(1.40g,20%の収率)。
【化25】

分子量:299.32;収率:20%;白色の固体;Mp(℃):106.5
f:0.75(CH2Cl2:MeOH=9:1)
1H−NMR(CDCl3,δ):2.78(s,1H,OH),3.85−3.93(m,1H,CH2O),4.00−4.09(m,1H,CH2O),5.14(s,2H,ArCH2O),5.40(t,1H,J=3.3Hz,CH),6.17(d,1H,J=6.4Hz,NH),7.35(s,5H,ArH),7.49(t,2H,J=7.60Hz,ArH),7.62(t,1H,J=7.1Hz,ArH),8.99(t,2H,J=7.6Hz,ArH)
13C−NMR(CDCl3,δ):58.3,64.6,67.3,128.1,128.3,128.6,128.7,129.0,134.1,136.0,156.6,196.6
MS−ESIm/z(%rel. int.):300.1([MH]+,5),256.1(100)
HPLC:方法A,検出UV254nm,TTA08010B RT=5.40min,ピーク面積98.5%
[α]22D=−5.8(c=1.00,MeOH)
【0068】
ベンジルL−トレオ−1,3−ジヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメート、TTA08012
窒素下、−78℃の無水THF28mL中のベンジル(S)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートTTA08010B(1.40g,4.70mmol)の攪拌した溶液に、ヘキサン(18.8mL,18.80mmol)中の1MDIBAL−Hをゆっくりと滴加した。混合物を−78℃にて2時間、次いで室温で1.5時間攪拌した。2MHCl(35mL)の溶液を−20℃でゆっくりと加え、混合物を酢酸エチル(750mL)と酸性水との間に分配した。有機相を水(2x20mL)、ブライン(2x20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。酢酸エチルを30〜35℃で留去し、粗製物をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=98:2〜97:3)で精製してベンジルL−トレオ−1,3−ジヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートTTA08012を白色の固体として得た(1.10g,78%の収率)。
【化26】

分子量:301.34;収率:78%;白色の固体;Mp(℃):102.5
f:0.30(CH2Cl2:MeOH=95/5). 1H−NMR(CDCl3,δ):3.08(t,1H,J=5.0Hz,OH),3.59(d,1H,J=3.1Hz,OH),3.64−3.78(m,2H,CH2O),3.80−3.89(m,1H,CH),4.95(s,2H,ArCH2O),5.57(d,1H,J=8.3Hz,NH),7.17−7.38(m,10H,ArH)
13C−NMR(CDCl3,δ):57.5,63.6,66.9,73.8,126.0,127.8,127.9,128.1,128.5,128.6,136.2,141.0,156.9
MS−ESIm/z(%rel. int.):302.0([MH]+,5);132.0(100)
HPLC:方法A,検出UV254nm,TTA08012 RT=5.00min,ピーク面積99.5%
[α]22D=+39.4(c=1.00,MeOH)
【0069】
ベンジルトレオ−1−ヒドロキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートハイドロクロライド、化合物1
ピリジン13mL中の−10℃のベンジルL−トレオ−1,3−ジヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートTTA08012(1.00g,3.30mmol)の攪拌した溶液にメタンスルホニルクロリド(0.27mL,3.50mmol)を滴加した。混合物を窒素下で−20℃にて6時間攪拌した。ピリジンを30〜35℃で留去し、残留物を酢酸エチル(250mL)と0.1NHCl(20mL)との間に分配した。有機相を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、留去してL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−メタンスルホニル−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートTTA08014を得た(1.25g,65%収率)。
DMF6mL中の室温の粗製のベンジルL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−メタンスルホニル−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートTTA08014(1.25g,3.30mmol)の攪拌した溶液にモルホリン(1.2mL,13.20mmol)を加えた。混合物を窒素下、50℃にて15時間攪拌した。DMFを留去し、残留物を酢酸エチル(250mL)と1N炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)との間に分配した。有機相を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。留去した後、組成物をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=98:2〜97:3)により精製してベンジルL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートを油状物として得た(380mg,31%の収率)。ジエチルエーテル中の0.3MHClの溶液を用い、0℃にてジエチルエーテル中の遊離塩基100mgから塩酸塩を得た。沈殿を濾過し、乾燥してベンジルL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートハイドロクロライド化合物1を白色の固体として得た(70mg,65%の収率)。
【化27】

分子量:406.90;収率:20%;白色の固体;Mp(℃):144.5
f:0.40(CH2Cl2:MeOH=95:5). 1H−NMR(CD3OD,δ):3.14−3.77(m,6H,CH2N),3.70−4.07(m,4H,CH2O),4.30−4.33(m,1H,CH),4.90−5.06(m,3H,CH,ArCH2O),7.20−7.43(m,10H,ArH)
13C−NMR(CD3OD,δ):51.2,51.8,53.2,59.3,63.2,66.3,72.5,125.8,127.2,127.3,127.5,127.8,127.9
MS−ESIm/z(%rel. int.):371.0([MH]+,100)
HPLC:方法A,検出UV254nm,化合物1 RT=4.40min,ピーク面積96.5%
[α]22D=+13.9(c=1.00,MeOH)
【0070】
トレオ−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オール二塩酸塩、化合物2の製造
20mLのMeOH中の室温のベンジルL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメート(化合物1,0.26g,0.70mmol)の攪拌した溶液に、Pd−C10%(140mg)を加えた。混合物を水素で飽和し、水素雰囲気下(バルーン)、室温で24時間攪拌した。触媒Pd−C10%をセライトで濾過して除き、溶液を留去した。粗製物をシリカカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:NH4OH=79:20:1〜75:20:5)で精製してL−トレオ−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オールを油として得た(100mg,60%の収率)。ジエチルエーテル中の0.3MHClを用いて、0℃にてジエチルエーテル中の遊離塩基83mgから塩酸塩を得た。ジエチルエーテルで沈殿させた後、濾過および乾燥してL−トレオ−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オール二塩酸塩化合物2を白色の固体として得た(80mg,74%の収率)。
【化28】

分子量:309.23;収率:44%;白色の固体;Mp(℃):166.4−170.9
f:0.20(CH2Cl2:MeOH=9:1). 1H−NMR(CD3OD,δ):3.30−3.77(m,6H,CH2N),3.92−4.05(m,4H,CH2O),4.05−4.16(m,1H,CH),4.85−4.98(m,1H,CH),7.35−7.60(m,5H,ArH)
13C−NMR(CD3OD,δ):53.1,54.9,58.5,64.8,72.6,127.2,128.0,130.2,140.3
MS−ESIm/z(%rel. int.):237.0([MH]+,100)
HPLC:方法A,検出UV254nm,化合物2 RT=0.90min,ピーク面積98.0%
[α]22D=+10.8(c=1.00,MeOH),遊離塩基:[α]22D=−6.1(c=0.25,CHCl3
【0071】
ベンジルL−トレオ−1−アセトキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートハイドロクロライド、化合物3の製造
ベンジルL−トレオ−1−アセトキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートハイドロクロライド 化合物3
30mLのCHCl3中の室温のベンジルL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートハイドロクロライド(化合物1,0.510g,1.25mmol)の攪拌した溶液にトリエチルアミン(700μL,5.00mmol)および塩化アセチル(145μL,2.00mmol)をゆっくりと加えた。窒素下、室温で混合物を10時間攪拌し、氷水(20mL)とCH2Cl2(100mL)の混合物の間に分配した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。留去した後、粗製物をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=99.5:0.5〜98:2)で精製してベンジルL−トレオ−1−アセトキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートを油として得た(0.420g,81%の収率)。
ジエチルエーテル中の0.3MHClを用いて、0℃にてジエチルエーテル中の遊離塩基45mgから塩酸塩を得た。沈殿を濾過し、乾燥してベンジルL−トレオ−1−アセトキシ−3−モルホリノ−1−フェニルプロパン−2−イルカルバメートハイドロクロライド化合物3を白色の固体として得た(40mg,82%の収率)。
【化29】

分子量:448.94;収率:66%;白色の固体;Mp(℃):69.9
f:0.70(CH2Cl2:MeOH=95:5). 1H−NMR(CD3OD,δ):2.10(s,3H,CH3),3.14−3.44(m,4H,CH2N),3.70−4.00(m,4H,CH2O),4.51−4.53(m,1H,CH),4.90−5.13(m,2H,ArCH2O),5.89(d,1H,CH),7.28−7.48(m,10H,ArH)
13C−NMR(CD3OD,δ):20.8,52.0,52.6,59.7,64.6,68.0,76.5,127.7,129.0,129.2,129.5,129.8,137.9,158.7,171.3
MS−ESIm/z(%rel. int.):413.0([MH]+,100)
HPLC:方法A,検出UV254nm,化合物3 RT=4.70min,ピーク面積98.5%
【0072】
DL−トレオ−2−(デカンアミド)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロピルデカン酸塩、化合物10
2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098
イソシアノ酢酸メチル(96%、工業用グレード、5.0g、47.8mmol)に、冷却(0℃)および撹拌しながら、ピロリジン(6.5mL、78mmol)をゆっくり添加した。混合物を引き続き冷却しながら、1.5時間撹拌し、次いで、濃縮した。得られた油をCH2Cl2:ヘキサンから、2回にわたり共蒸発させて、残留しているピロリジンを除去した。2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098を黄色の固体(6.85g、収率98%)として得た後、精製せずに、次の工程で使用した。
【化30】

分子量:138.17;収率:98%;黄色の固体;融点(℃)=73.9
1H-NMR (CDCl3,δ):1.81-2.08 (m, 4H, 2xCH2), 3.35-3.45 (m, 2H, -NCH2), 3.50-3.60 (m, 2H, -NCH2), 4.23 (s, 2H, CH2CO).
【0073】
トランス−(4,5−ジヒドロ−5-(ピリジン−3−イル)オキサゾール-4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04110B
トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(4−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、SLA07074
メタノール(30mL)中に水酸化カリウム(0.37g、6.57mmol)を含む溶液に、冷却(0℃)および撹拌しながら、4−メトキシ−ベンズアルデヒド(0.88mL、7.23mmol)および2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098(1.0g、6.57mmol)の混合物を添加した。溶液を引き続き冷却しながら、4時間撹拌し、次いで、濃縮した。残滓を酢酸エチルと水とに分配した。有機層をさらなる酢酸エチル抽出液と合わせ、塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、MgSO4上で乾燥させた。濃縮により、粗生成物をガラス状の固体として得た。シリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって、トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(4−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、SLA07074を淡黄色の固体(1.2g、90.5%)として得た。
【化31】

分子量:274.32;収率:90.5%;淡黄色の固体;融点(℃):91.2
f:0.30(EtOAc)
1H-NMR (CDCl3,δ):1.75-2.08 (m, 4H, 2xCH2), 3.40-3.58 (m, 3H, CH2N), 3.52 (s, 3H, CH3O), 3.88-3.98 (m, 1H, CH2N), 4.59 (dd, 1H, J=7.6 Hz, J=2.2 Hz, CH-N), 6.06 (d, 1H, J=7.6 Hz, CH-O), 6.90 (d, 2H, J=8.7 Hz, ArH), 7.01 (d, 1H, J=2.2 Hz, .CH=N), 7.25 (d, 2H, J=8.7 Hz, ArH).
MS-ESI m/z (% rel. Int.): 275.1 ([MH]+, 10), 247.1 (100).
HPLC: Method A, detection UV 280 nm, SLA 07074 RT=5.2 min, peak area 92 %.
【0074】
DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩、SLA07078
メタノール(13mL)中にトランス−(4,5−ジヒドロ−5−(4−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、SLA 07074(1.61g、5.93mmol)を含む溶液に、撹拌しながら、塩酸(1mL)を添加した。50℃で3時間加熱した後、反応混合物を濃縮し、得られた黄色の油を酢酸エチルと共に、2回にわたり共蒸発させた後、凝固させた。粉砕(酢酸エチル)および乾燥により、DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩、SLA 07078を白色の固体(1.64g、93%)として得た。
【化32】

分子量:300.78;収率:93%;白色の固体;融点(℃):177.0
1H-NMR (CD3OD,δ):1.32-1.50 (m, 1H, 0.5xCH2), 1.50-1.88 (m, 3H, 1.5xCH2), 2.15-2.28 (m, 1H, CH2N), 3.15-3.42 (m, 3H, 1.5xCH2N), 3.79 (s, 3H, CH3O), 4.06 (d, 1H, J=9.2 Hz, CH-N), 4.78 (d, 1H, J=9.2 Hz, CHO), 6.94 (d, 2H, J=8.5 Hz, ArH), 7.34 (d, 2H, J=8.5 Hz, ArH).
13C-NMR (CD3OD,δ):24.8, 26.6, 47.2, 47.6, 55.9, 59.6, 73.9, 115.0 (2xC), 128.9 (2xC), 132.5, 161.7, 166.4.
【0075】
DL−トレオ−2−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール、化合物9
窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン(200mL)中のDL−トレオ−[5−(4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル]−ピロリジン−1−イル−メタノンSLA07078(1.61g,5.35mmol)の攪拌した懸濁液に、リチウムアルミニウム水素化物(1.22g,32.12mmol)を0℃で2回に分けてゆっくりと加えた。反応混合物を室温で17時間攪拌した後、水(50mL)をゆっくりと滴加してクエンチした。次いで、白色の懸濁液を濃縮してTHFを除去し、300mLCH2Cl2と1N塩酸水溶液(50mL)の混合物に溶解した。1N水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと加えて水層をpH=10〜11の塩基性にした。有機層を除去し、さらにCH2Cl2抽出物(4x200mL)と合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗製物をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:NH3=94:05:01)により精製した。留去および乾燥後、DL−トレオ−2−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール化合物9を淡黄色の固体として得た(0.62g,46%)。
【化33】

分子量:250.34;収率:46%;淡黄色の固体;Mp(℃):77.7
f:0.35(CH2Cl2:MeOH:NH3=94:05:01)
1H−NMR(CDCl3,δ):1.65−1.87(s,4H,2xCH2),2.40−2.90(m,9H,CH2N,NH2&OH),3.11−3.17(m,1H,CH−N),3.81(s,3H,CH3O),4.61(d,1H,J=3.8Hz,CH−O),7.89(d,2H,J=8.6Hz,ArH),7.26(d,2H,J=8.5Hz,ArH)
13C−NMR(CDCl3,δ):23.6(2xC),54.5,54.7(2xC),55.3,60.1,75.9,113.6,127.4,134.4,158.8
MS−ESIm/z(%rel. int.):251.1([MH]+,100)
【0076】
DL−トレオ−2−(デカンアミド)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロピルデカン酸塩、化合物10
ジクロロメタン(10mL)中のDL−トレオ−2−アミノ−1−(4−メトキシ−フェニル)−3−ピロリジン−1−イル−プロパン−1−オール化合物9 (0.15g,0.60mmol)の攪拌した溶液に、n−ヒドロキシスクシンイミド(0.07g、0.60mmol)、トリエチルアミン(0.10mL,0.63mmol)およびデカノイルクロリド(112μL,0.54mmol)を窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を室温で22時間攪拌し、塩化メチレンと1N水酸化ナトリウム水溶液の間に分配した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、留去した。粗製物をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=95:05)で精製した。DL−トレオ−2−(デカンアミド)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロピルデカン酸塩 化合物10を白色の油として得た(0.104g,31%)。
【化34】

分子量:558.84;収率:40%;白色の油
f:0.35(CH2Cl2:MeOH=95:05). 1H−NMR(CDCl3,δ):0.88(t,6H,J=0.7Hz,2xCH3),1.26(s,14H,7xCH2),1.57−1.59(m,4H,2xCH2),1.80(m,4H,2xCH2),2.10−2.50(m,5H,CH2),2.65−2.76(m,5H,CH2),3.79(s,3H,CH3O),4.54(m,1H,CH−N),5.89(d,1H,J=6.2Hz,CH−O),6.16(dbroad,1H,J=8.8Hz,NH),6.85(d,2H,J=8.7Hz,ArH),7.24(d,2H,J=8.7Hz,ArH)
MS−ESIm/z(%rel. int.):559.5([MH]+,100)
HPLC:方法A,検出UV280nm,化合物10 RT=6.99min,ピーク面積96.4%
【0077】
N−(DL−トレオ−1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)パルミタミドまたはDL−トレオ−4−MeO−P4、化合物11
ジクロロメタン(10mL)中のDL−トレオ−2−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール化合物9(015g,0.60mmol)の攪拌した溶液に、n−ヒドロキシスクシンイミド(0.07g,0.60mmol)、トリエチルアミン(0.100mL,0.63mmol)およびパルミトイルクロリド(0.15g,0.54mmol)を窒素雰囲気下で順次に加えた。反応混合物を室温で17時間攪拌し塩化メチレンと1N水酸化ナトリウム水溶液の間に分配した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、留去した。粗製物をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=95:05)により精製した。n−(DL−トレオ−1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)パルミタミド化合物11を白色の固体として得た(0.117g,40%)。
【化35】

分子量:488.75;収率:40%;白色の固体;Mp(℃):82.3
f:0.35(CH2Cl2:MeOH=95:05). 1H−NMR(CDCl3,δ:0.88(t,3H,J=7.0Hz,CH3),1.22−1.33(m,16H,8xCH2),1.47−1.54(m,2H,CH2),1.81(m,4H,2xCH2),2.09(t,2H,J=7.0Hz,COCH2),2.60−2.80(m,4H,2xCH2),2.84(d,2H,J=5.1Hz,CH2),3.80(s,3H,CH3O),4.23(m,1H,CH−N),5.00(d,1H,J=2.2Hz,CH−O),5.90(d,1H,J=7.4Hz,NH),6.87(d,2H,J=8.7Hz,ArH),7.24(d,2H,J=8.7Hz,ArH)
13C−NMR(CDCl3,δ):14.1,22.7,23.6,25.6,29.1,29.3,29.4,29.5,29.7,29.7,31.9,36.8,52.3,55.2,57.8,75.4,113.7(2xC),127.0(2xC),133.1,158.9,173.6
MS−ESIm/z(rel. int.):489.2([MH]+,100)
HPLC:方法A,検出UV280nm,化合物11 RT=6.55min,ピーク面積96.4%
【0078】
DL−トレオ−2-アミノ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6−イル)-3-(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール、化合物 6
トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04100
MeOH(6.5mL)中に水酸化カリウム(0.43mg、7.60mmol)を含む溶液に、冷却(0℃)および撹拌しながら、1,4−ベンゾジオキサン−6−カルボキサルデヒド(1.31g、7.96mmol)および2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098(1.0g、6.57mmol)を順次添加した。溶液を0℃で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。残滓をEtOAc(100mL)と水とに分配した。有機層を2回のさらなるEtOAc抽出液(100mL、2回)と合わせ、ブラインで洗浄、MgSO4上で乾燥、ろ過後、蒸発させた。濃縮により粗生成物を得、これをシリカ上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製し、蒸発および乾燥後、トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE04100を無色の油(1.76g、収率89%)として得た。
【化36】

分子量:440.49;収率:89%;無色の油
1H-NMR (CDCl3,δ):1.75-2.10 (m, 4H, 2xCH2), 3.40-3.59 (m, 3H, 1.5xCH2N), 3.85-4.00 (m, 1H, 0.5xCH2N), 4.26 (s, 4H, CH2O), 4.59 (dd, 1H, J=7.5 Hz, J=2.2 Hz, CH-N), 6.00 (d, 1H, J=7.5 Hz, CH-O), 6.75-6.90 (m, 3H, ArH), 7.00 (d, 1H, J=2.2 Hz, CH=N).
【0079】
DL−トレオ−2−アミノ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)−3−ヒドロキシ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩、化合物12
メタノール(15mL)中にトランス−(4,5−ジヒドロ−5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04100(1.74g、5.77mmol)を含む溶液に、撹拌しながら、塩酸(1mL)を添加した。50℃で3時間加熱した後、反応混合物を濃縮し、得られた黄色の油を酢酸エチルと共に、2回にわたり共蒸発させた後、凝固させた。粉砕(酢酸エチル)および乾燥により、DL−トレオ−2−アミノ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)−3−ヒドロキシ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩、化合物12を白色の固体(1.85g、95%)として得た。
【化37】

分子量:328.79;収率:95.0%;白色の固体;融点(℃):176.2
1H-NMR (CD3OD,δ):1.42-1.58 (m, 1H, 0.5xCH2), 1.58-1.70 (m, 1H, 0.5xCH2), 1.70-1.88 (m, 2H, CH2), 3.20-3.45 (m, 4H, 2xN-CH2), 4.06 (d, 1H, J=9.1 Hz, CH-N), 4.25 (s, 2H, OCH2), 4.75 (d, 1H, J=9.2 Hz, CH-O), 4.89 (s, 2H, OCH2), 6.82-6.95 (m, 3H, ArH).
13C-NMR (CD3OD,δ):24.9, 26.7, 47.3, 47.6, 59.5, 65.7, 73.6, 116.4, 118.3, 120.3, 133.7, 145.1, 145.6, 166.4.
【0080】
DL−トレオ−2−アミノ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール、化合物6
THF(220mL)中のトランス−(4,5−ジヒドロ−5−(4−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノンSLA07080(1.79g,5.44mmol)の攪拌した懸濁液にLiAlH4(1.28g,33.7mmol)を2回に分けて0℃でゆっくりと加えた。混合物を室温で3.5時間攪拌し、0℃で水(350mL)をゆっくりと加えてクエンチした。白色の懸濁液を濃縮してTHFを除去し、CH2Cl2(300mL)および1NHCl水溶液(50mL)に溶解した。1NNaOH水溶液を加えて水層をpH=10〜11の塩基性にした。有機層を除去し、さらに2回抽出したものを合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、留去した。濃縮して粗製物を黄色の油として得た。この物質をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:NH4OH20%=94:5:1)により精製してDL−トレオ−2−アミノ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール化合物6(0.705g,46.5%の収率)を無色に近いゴム状物として得た。
【化38】

分子量:278.35;収率:46.5%;無色のゴム状物
f:0.20(CH2Cl2:MeOH:NH4OH20%=94:5:1) 1H−NMR(CDCl3,δ):1.70−1.85(m,4H,2xCH2),2.40−2.70(m,6H,3xCH2N−),3.05−3.15(m,1H,CH−N),4.25(s,4H,CH2O),4.55(d,1H,J=2.2Hz,CH−O),5.30(s,1H,−OH),6.75−6.90(m,3H,ArH)
【0081】
N−(DL−トレオ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)デカンアミド、化合物7
10mLのCH2Cl2中のDL−トレオ−2−アミノ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オールBLE04104(0.186g,0.67mmol)の攪拌した溶液に、2mLのCH2Cl2中のn−ヒドロキシスクシンイミド(0.081g,0.70mmol)、トリエチルアミン(112μL,0.80mmol)およびデカノイルクロリド(125μL,0.60mmol)をこの順序で加えた。混合物を室温で一晩攪拌した後、CH2Cl2と1N水酸化ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、留去して得られた残留物をシリカのカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=95:5)により精製した。白色の固体n−(DL−トレオ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)パルミタミド 化合物7を得た(126mg,43.5%の収率)。
【化39】

分子量:516.76;収率:43.5%;白色の固体;Mp(℃):84.6
f:0.40(MeOH:CH2Cl2=10:90)
1H−NMR(CDCl3,δ):0.88(t,3H,J=6.7Hz,CH3),1.12−1.39(m,12H),1.40−1.60(m,2H,CH2),1.72−1.90(m,4H,2xCH2),2.10(t,2H,J=6.7Hz,CH2),2.55−2.90(m,6H),4.13−4.30(m,1H,CH−N),4.24(s,4H,CH2N),4.91(d,1H,J=3.3Hz,CH−O),5.90(d,1H,J=7.4Hz,NH),6.75−6.88(m,3H,ArH),OH not seen
13C−NMR(CDCl3,δ):14.1,22.7,23.6(2xC),25.6,29.1,29.3,31.9,36.8,52.3,55.1(2xC),57.7,64.3(2xC),75.2,77.2,115.0,117.0,118.9,134.4,142.8,143.4,173.5,174.8
MS−ESIm/z(%rel. int.):433.1([MH]+,100)
HPLC:方法A,検出UV280nm,化合物7, RT=5.2min,ピーク面積96.2%
【0082】
N−(DL−トレオ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)パルミタミド、化合物8
10mLのCH2Cl2中のDL−トレオ−2−アミノ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オールBLE04104(0.158g,0.57mmol)の攪拌した溶液に、2mlCH2Cl2中のn−ヒドロキシスクシンイミド(0.068g,0.59mmol)、トリエチルアミン(95μL,0.68mmol)および3mLCH2Cl2中のパルミトイルクロリド(155μL,0.511mmol)をこの順序で加えた。
混合物を室温で一晩攪拌した後、CH2Cl2と1N水酸化ナトリウム水溶液の間に分配した。有機層をCH2Cl2:MeOH=95:5を溶出液として用いるシリカのカラムクロマトグラフィーにより精製した。白色の固体n−(DL−トレオ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)パルミタミド化合物8を得た(148mg,50.4%の収率)。
【化40】

分子量:516.7;収率:50.4%;白色の固体;Mp(℃):66.4
f:0.50(MeOH:CH2Cl2=10:90)
1H−NMR(CDCl3,δ):0.88(t,3H,J=6.7Hz,CH3),1.15−1.35(m,24H), 1.45−1.58(m,2H,CH2),1.75−1.90(m,4H,2xCH2),2.10(t,2H,J=7.4Hz,CH2),2.61(s,1H,OH),2.52−2.72(m,4H),2.72−2.92(m,2H),4.15−4.22(m,1H,CH−N),4.24(s,4H,CH2N),4.92(d,1H,J=3.3Hz,CH−O),6.08(d,1H,J=7.4Hz,NH),6.75−6.90(m,3H,ArH)
MS−ESIm/z(%rel. int.):517.2([MH]+,100)
HPLC:方法A,検出UV280nm,化合物8 RT=6.60min,ピーク面積97.2%
【0083】
DL−トレオ−2-アミノ-1-(ピリジン−4−イル)-3-(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール、化合物 46の調製
トランス−(4,5−ジヒドロ−5-(ピリジン−3−イル)オキサゾール-4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04110B
オキサゾリンを形成するための一般的な方法DをBLE 04110Bの調製によって説明する:メタノール(10mL)中に水酸化カリウム(0.55g、9.80mmol)を含む溶液に、冷却(0℃)および撹拌しながら、3−ピリジンカルボキサルデヒド(1.03mL、10.84mmol)および2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098(1.50g、10.86mmol)の混合物を添加した。溶液を0℃で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。残滓を酢酸エチル(100mL)と水とに分配した。有機層を2回のさらなる酢酸エチル抽出液(100mL、2回)と合わせ、塩化ナトリウム水溶液で洗浄、MgSO4上で乾燥、ろ過後、蒸発させた。濃縮により粗生成物を得、これをシリカ上のカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=98:2)によって精製して、トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04110Bを淡黄色の固体(0.95g、収率39%)として得た。
【化41】

分子量:245.28;収率:39%;淡黄色の固体;融点(℃):107.0
1H-NMR (CDCl3,δ):1.78-2.10 (m, 4H, 2xCH2), 3.40-3.61 (m, 3H, CH2N), 3.90-4.04 (m, 1H, CH2N), 4.59 (dd, 1H, J=7.7 Hz, J=2.2 Hz, CH-N), 6.21 (d, 1H, J=7.7 Hz, CH-O), 7.04 (d, 1H, J=2.2 Hz, O-CH=N), 7.33 (m, 1H, ArH), 7.64 (m, 1H, ArH), 8.59 (d, 2H, J=2.8 Hz, ArH).
13C-NMR (CDCl3,δ):24.2, 26.0, 46.4, 46.6, 75.7, 79.3, 123.7, 133.5, 135.3, 147.6, 149.9, 155.2, 166.2.
【0084】
トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、化合物19
化合物19は、ピリジン−4−カルバルデヒド(1.88mL,19.76mmol),メタノール(18mL)中のKOH(1.01g,18.00mmol)および2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノンBLE04098(2.73g,19.76mmol)を用い、方法Dにしたがって製造した。残留物を酢酸エチル(200mL)と水(150mL)の間に分配した。有機層をさらに酢酸エチル抽出物(2x150mL)と合わせ、塩化ナトリウム水溶液(2x150mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、留去した。トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン化合物19を白色の固体として得た(4.32g,98%の収率)。
【化42】

分子量:245.28;収率:98%;白色の固体;Mp(℃)=69.2
f:0.65(MeOH:CH2Cl2=10:90)
1H−NMR(CDCl3,δ):1.78−2.06(m,4H,2xCH2),3.44−3.60(m,3H,CH2N),3.90−4.01(m,1H,CH2N),4.52(dd,1H,J=7.9Hz,J=2.2Hz,CH−N),6.19(d,J=7.9Hz,1H,CH−O),7.03(d,1H,J=2.2Hz,N=CH−O),7.24(dd,2H,J=4.5Hz,J=1.5Hz,ArH),8.61(dd,2H,J=4.5Hz,J=1.5Hz,ArH)
【0085】
オキサゾリンの酸加水分解の一般的方法(方法E)を、置換されたプロピオン酸アミドであり、一般的合成反応式1にしたがって製造することができるオキサゾリン中間体BLE04110Bから製造される化合物20の製造において説明する。
【化43】

DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−3−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物20
メタノール(10mL)中のトランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04110B(0.932g、3.80mmol)に、37%塩酸(1.2mL)を添加した。混合物を2.25時間加熱(50℃)した後、反応混合物を濃縮し、粗生成物を酢酸エチルと共に、2回にわたり共蒸発させた。酢酸エチルと共に粉砕し、ろ過および乾燥後、DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−3−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物20を白色の固体(1.10g、収率94%)として得た。
【化44】

分子量:308.2;収率:94%;白色の固体;融点(℃):123.4
1H-NMR (CD3OD,δ):1.65-2.00 (m, 4H, 2xCH2), 2.82-3.11 (m, 1H, -CH2N), 3.30-3.57 (m, 2H, CH2N), 3.57-3.77 (m, 1H, CH2N), 4.54 (d, 1H, J=5.3 Hz, CH-N), 5.38 (d, 1H, J=5.3 Hz, CH-O), 8.15 (dd, 1H, J=7.6 Hz, J=5.0 Hz, ArH), 8.68 (d, 1H, J=7.6 Hz, ArH), 8.89 (d, 1H, J=7.6 Hz, ArH), 8.96 (s, 1H, ArH).
13C-NMR (CD3OD,δ):24.9, 26.9, 47.7, 48.2, 58.1, 69.6, 128.7, 141.5, 141.6, 143.1, 146.5, 165.4.
【0086】
DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物22
化合物22をトランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、化合物19(0.750g、3.07mmol)、37%塩酸(1.0mL)およびメタノール(10mL)を用いて、方法Eにしたがって調製した。50℃で3.0時間加熱した後、精査して、DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物22を白色の固体(0.935g、収率99%)として得た。
【化45】

分子量:308.28;収率:99%;白色の固体;融点(℃):117.0
1H-NMR (CD3OD,δ):1.75-2.03 (m, 4H, 2xCH2), 2.93-3.08 (m, 1H, CHN), 3.32-3.75 (m, 3H, 2xCH2), 4.54 (d, 1H, J=5.9 Hz, CH-N), 5.40 (d, 1H, J=5.9 Hz, CH-O), 8.21 (d, 2H, J=5.8 Hz, ArH), 8.94 (d, 2H, J=5.8 Hz, ArH).
MS−ESI m/z(%rel.int.):236.1([MH]+,17)、219(25)、148(100)
HPLC:方法A、検出UV 254nm、化合物22 RT=0.8分、ピーク面積 96.3%
【0087】
DL−トレオ−2−アミノ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール、化合物46
テトラヒドロフラン(108mL)中にDL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物22(0.86g、2.80mmol)を含む懸濁液に、撹拌しながら、窒素雰囲気下で、0℃で水素化アルミニウムリチウム(0.64g、16.82mmol)を2回に分けて、ゆっくり添加した。反応混合物を室温で20時間撹拌した後、2N水酸化ナトリウム水溶液(8.4mL、6当量)をゆっくり滴下することによって、反応を止めた。黄色の沈殿をろ過した。有機層を水(80mL)で洗浄し、有機層を取り出し、さらなる酢酸エチル抽出液(200mL、4回)と合わせ、MgSO4上で乾燥させ、ろ過後、蒸発させた。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:NH3=94:05:01)によって精製した。蒸発および乾燥後、DL−トレオ−2−アミノ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール、化合物46を淡黄色の固体(0.075g、収率12%)として得た。
【化46】

分子量:221.30;収率:12%;淡黄色の固体
f:0.35(CH2Cl2:MeOH:NH3=90:08:02)、遊離の塩基
1H-NMR (CD3OD,δ):1.60-1.80 (m, 4H, 2xCH2), 2.30-2.80 (m, 6H, 3xCH2N), 3.14-3.19 (m, 1H, CHNH2), 4.68 (d, 1H, J=3.0 Hz, CHO), 7.30 (d, 2H, J=6.0 Hz, ArH), 8.55 (d, 2H, J=6.0 Hz, ArH).
13C-NMR (CD3OD,δ):23.5 (2xC), 54.1, 54.7 (2xC), 60.1, 74.5, 121.4 (2xC), 149.5 (2xC), 152.1.
MS−ESI m/z(rel.int.):222.1([MH]+,100)、205.0(80)、189.0(45)、151.0(70)、134.0(42)、121.9(100)、107.9(40)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式で示される化合物
【化1】

[式中、
1は、Hまたは1〜6炭素のアルキル、
2は、H、1〜6炭素のアルキルまたはR1およびR2基は窒素と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1または2のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和または不飽和の4、5、6または7員環を形成し、該4、5、6または7員環はハロゲンまたは1〜6アルキル基を有するアルキル基で置換されていてもよく、
3は独立に、H、1〜20炭素のアルキル、アリールまたはヘテロアリール、アリール−アルキルまたはヘテロアリール−アルキルから選択され、アルキル部分は1〜4炭素を有し、3〜6炭素のシクロアルキル、該アリールまたはヘテロアリール基はハロゲン、1〜6炭素のアルキル、1〜6炭素のアルコキシおよびチオキシ1〜6炭素のからなる群から独立に選択される1〜3の基で置換されていてもよいか、または
3はCO−R7またはCO−O−R7であり、ここでR7は、H、1〜20炭素のアルキル、ベンジル、またはNH2基、NHCOOアルキルもしくはNH−COアルキル基で置換された1〜20炭素のアルキルであり、アルキル基は1〜6炭素を有するか、またはR7はアリール、ヘテロアリール、アリール−アルキルまたはヘテロアリール−アルキルであり、アルキル部分は、枝分かれしているまたは枝分かれしておらず1〜4炭素を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6炭素のアルキル、1〜6炭素のアルコキシおよび1〜6炭素のチオキシからなる群から独立に選択される1〜3の基で置換されていてもよく、
4は、H、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R8(ここでR8は1〜6炭素のアルキルである)であり;
波線はRまたはS配置を有する炭素に結合した結合を示し、そして
10は、式(i)および(ii)の基から選択され
【化2】

*は分子の残りの部分がそこへ結合する炭素原子を示す);
5およびR6は、独立にH、1〜6炭素のアルキル、ハロゲン、1〜6炭素のアルコキシであるかまたはR5およびR6基がそれらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、炭素環は環に5または6原子を有し、複素環は環に5または6原子を有し、へテロ原子はN、OおよびSから独立に選択される1〜3個を有し、
該炭素環または複素環は、1〜6個のR9で置換されていてもよいR5およびR6により形成され、R9は独立に、ハロゲン、1〜6炭素のアルキル、1〜6炭素のアルコキシから選択され、
但し、
10が式(ii)を有するとき、R4が水素でR1およびR2が窒素と一緒になってモルホリンまたはピロリジン環を形成しR5およびR6がいずれもHであるかまたはR5およびR6の一方がOCH3で他方がHである化合物は包含しない]
で示される化合物またはその製薬的に許容し得る塩。
【請求項2】
10が式(i)で表される請求項1記載の化合物。
【請求項3】
10が式(ii)で表される請求項1記載の化合物。
【請求項4】
次式
【化3】

[式中、R5およびR6は、H、アルキルおよびアルコキシから独立に選択され、R4はHまたはCO−R8である]
を有する請求項2記載の化合物またはその製薬的に許容し得る塩。
【請求項5】
次式
【化4】

を有する請求項4記載の化合物またはその製薬的に許容し得る塩。
【請求項6】
次式
【化5】

[式中、R3はCO−R7またはCO−O−R7であり、R4はCO−R8であり、R5およびR6はH、1〜6炭素のアルキルおよび1〜6炭素のアルコキシから独立に選択される]
を有する請求項3記載の化合物またはその製薬的に許容し得る塩。
【請求項7】
次式
【化6】

を有する請求項6記載の化合物またはその製薬的に許容し得る塩。
【請求項8】

【化7】

で示される化合物またはその製薬的に許容し得る塩。
【請求項9】

【化8】

で示される化合物またはその製薬的に許容し得る塩。
【請求項10】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項1記載の化合物を含有する方法。
【請求項11】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項2記載の化合物を含有する方法。
【請求項12】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項3記載の化合物を含有する方法。
【請求項13】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項4記載の化合物を含有する方法。
【請求項14】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項5記載の化合物を含有する方法。
【請求項15】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項6記載の化合物を含有する方法。
【請求項16】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項7記載の化合物を含有する方法。
【請求項17】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項8記載の化合物を含有する方法。
【請求項18】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項9記載の化合物を含有する方法。
【請求項19】
請求項1記載の化合物および製薬的に許容し得る賦形剤を含有する、哺乳類における疼痛を処置するための医薬組成物。

【公開番号】特開2012−162546(P2012−162546A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−85676(P2012−85676)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2007−553191(P2007−553191)の分割
【原出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】