説明

鎮静剤およびその睡眠改善剤

【課題】 鎮静剤を提供し、それを睡眠改善剤として使用する。
【解決手段】以下の(1)から(18)からなる群の1種又は2種以上を有効成分とする鎮静剤を提供する。

(1)ペパーミント葉乾燥エキス

(2)ザイラリア

(3)レモンバーム

(4) 金針菜エキス

(5) グリーンオート麦エキス

(6) ローズバッツエキス

(7) ラフマエキス(ヤンロン茶)

(8) フィーバーフュー

(9) メドウスイート

(10)菊花エキス

(11)エゾウコギ(エレウテロコック)

(12)レモンバーベナ

(13)ボスウェラセラータ

(14)酵素処理イソケルシトリン

(15)ビール酵母エキス由来RNA

(16)バンブーリーフ

(17)クマザサエキス

(18)リンゴ由来フロレチン

【その他】
「国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18年度独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)」

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鎮静剤および鎮静剤の睡眠改善剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現代はストレス社会と言われており、摂取により精神状態を安定化させる鎮静効果を有する物質への期待は依然として高い。また、人生の約3分の1は「眠り」に占められており、眠りの質を改善することは重要であるが、睡眠は、ストレスと密接に関係していることがデータで裏付けられている。例えば厚生労働省から発表された「平成12年保険福祉動向調査」によると、ストレスが高くなる程、「朝起きても熟睡感がない」、「なかなか寝付けない」などの問題が起こりやすいことが指摘されている。従って、鎮静効果を有する物質を就寝前摂取すれば、睡眠の状態が改善することを期待できる。
【特許文献1】WO01/058435
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、鎮静剤およびその睡眠改善剤としての使用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、天然界に存在する生理効果を持つ物質の中から幅広い検索を行い、鎮静効果を有する物質を見出した。
本発明は、以下の物質の鎮静剤およびその睡眠改善剤としての使用に関する。
(1) ペパーミント葉乾燥エキス

(2) ザイラリア

(3) レモンバーム

(4) 金針菜エキス

(5) グリーンオート麦乾燥エキス

(6) ローズバッツエキス

(7) ラフマエキス(ヤンロン茶)

(8) フィーバーフュー

(9) メドウスイート

(10)菊花エキス

(11)エゾウコギ(エレウテロコック)

(12)レモンバーベナ

(13)ボスウェラセラータ

(14)酵素処理イソケルシトリン

(15)ビール酵母エキス由来RNA

(16)バンブーリーフ

(17)クマザサエキス
(18)リンゴ由来フロレチン
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、天然界に存在し、高い安全性を有するペパーミント葉乾燥エキス、ザイラリア、 レモンバーム、金針菜エキス、グリーンオート麦乾燥エキス、ローズバッツエキス、ラフマエキス(ヤンロン茶)、フィーバーフュー、メドウスイート、菊花エキス、エゾウコギ(エレウテロコック)、レモンバーベナ、ボスウェラセラータ、酵素処理イソケルシトリン、ビール酵母エキス由来RNA、 バンブーリーフ、クマザサエキス、リンゴ由来フロレチンを経口摂取することで、鎮静効果を得ることができる。また、本発明の鎮静剤は、睡眠状態を改善する目的で使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の鎮静剤は、公知の製剤化方法、特に経口摂取に適した製剤化技術を使用して製剤化することができる。製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤等を挙げることができる。該製剤には、有効成分以外に通常の添加成分を適宜配合することができる。
本発明の鎮静剤は、無毒であり、経口摂取後速やかに効果を表す。したがって、日常的に安全に経口摂取することができる。
【実施例】
【0007】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
【0008】
(実施例1)
1.方法
(i)使用動物
ICRマウス(オス、生後10週齢、体重38-40g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
マウスは、6〜8匹ずつを市販のプラスチック製の飼育ケージに入れ、それを防音チャンバー内に設置して管理した。12時間ごとの明暗周期(午前7時より明期開始)下で、マウス用固形型飼料と水を自由に摂取させた。実験開始前に、この馴化期間を1週間以上の設けることにより、明暗サイクルに完全に同調させた。
(iii)サンプル調製・投与
ペパーミント葉乾燥エキスを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてペパーミント葉乾燥エキス水溶液を投与した(n=7)。
(iv)行動量の記録と解析
動物から放出される赤外線の変化量を計測することで、一定の時間内にマウスの動いた距離を積算する原理の行動量測定装置((有)
バイオテックス製)を用いて、サンプル投与後の10分毎の積算行動量を測定して、水を投与した時の行動量との比較を行った。新しい環境に1匹の状態で置かれることによる興奮から、水投与時には行動量が顕著に増加するが、「鎮静効果」を持つ物質を経口投与すれば、興奮が冷め、落ち着きを取り戻し、行動量の顕著の増加がなくなることにより、その効果を確認できる。
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与直後から1時間後までの累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図1)。
【0009】
(実施例2)
1.方法
(i)使用動物
Sprague-Dawleyラット(オス、生後8週、体重250-280g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
ラットは防音チャンバー内に設置したアクリル製ケージで個別に管理した。12時間ごとの明暗周期(午前8時より明期開始)下で、ラット用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
(iii)脳波・筋電位測定用電極の処置手術と測定装置への接続
ラットに脳波・筋電位測定用の電極の処置手術(Huang
Z.L. et al., J. Neurosci. 2003 Jul 9;23(14):5975-83., Okada T. et al., Biochem.
Biophys. Res. Commun. 2003 Dec 5;312(1):29-34.)を実施し、回復用チャンバーに10日おいて回復させた。その後、記録用チャンバーに移して電極に測定ケーブルを接続し、4日間順応させた。
(iv)サンプル調製・投与
ペパーミント葉乾燥エキスを水に溶解させ、投与重量2g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は20:00(暗期の開始時刻)に行い、1日目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2日目にペパーミント葉乾燥エキス水溶液を投与した(n=6〜7)。
(v)脳波・筋電位の記録と解析
脳波および筋電位は増幅(脳波:0.5-30 Hz、筋電位:20-200 Hz)後、サンプリング速度:128
Hzでデジタル化して記録した。解析は脳波記録ソフトウェア'SleepSign'(キッセイコムテック社製)を用いて、10秒間のデータを1エポックとし、脳波と筋電位の周波数成分・波形によって、各エポックを覚醒、NREM睡眠、REM睡眠のいずれかに自動判定した。得られた判定結果は最終的に研究者自身が確認し必要に応じて修正を行った。投与後7時間にわたる脳波データを解析し、7時間累積の覚醒、NREM睡眠、REM睡眠の時間を算出した。
2.結果
投与量2g/kgにおいて、ビークル(水)投与時に比べて統計的に有意に7時間累積のノンレム睡眠時間を延長する睡眠改善効果が見られた(図2)。
【0010】
(実施例3)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
ザイラリアをCMC-Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム)0.5%溶液に懸濁させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、CMC-Na 0.5%水溶液のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてザイラリアのCMC-Na懸濁液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与直後から累積行動量が溶媒(ビークル)投与時に比べて低下する「鎮静効果」が見られた(図3)。
【0011】
(実施例 4)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
レモンバームを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてレモンバーム水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与1時間後〜2時間後までの累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図4)。
【0012】
(実施例 5)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
金針菜エキスを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとして金針菜エキス水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与3時間後から累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて低下し、6時間後から7時間後は、統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図5)。
【0013】
(実施例 6)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
グリーンオート麦乾燥エキスを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてグリーンオート麦乾燥エキス水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与2時間後から累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて低下する「鎮静効果」が見られた(図6)。
【0014】
(実施例 7)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
ローズバッツエキスを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてローズバッツエキス水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与2時間後から累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて低下し、6時間後から7時間後は、統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図7)。
【0015】
(実施例 8)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
ラフマエキスを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてラフマエキス水溶液を投与した(n=6)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与1時間後から累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて低下する「鎮静効果」が見られた(図8)。
【0016】
(実施例 9)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
フィーバーフィューを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてフィーバーフィュー水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与直後から1時間後、3時間後〜4時間後、4時間後〜5時間後および6時間後〜7時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図9)。
【0017】
(実施例 10)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
メドウスイートを水に溶解させ、投与重量1g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてメドウスイート水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量1g/kgにおいて、投与6時間後から11時間後にかけて累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図10)。
【0018】
(実施例 11)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
菊花エキスを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとして菊花エキス水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与直後から1時間後及び4時間後〜5時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図11)。
【0019】
(実施例 12)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
エゾウコギを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてエゾウコギ水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量3g/kgにおいて、投与直後から1時間後及び投与2時間後以降にかけて累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて低下する「鎮静効果」が見られた(図12)。
【0020】
実施例 13
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
レモンバーベナを水に溶解させ、投与重量1g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてレモンバーベナ水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量1g/kgにおいて、投与直後から1時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図13)
【0021】
(実施例 14)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
ボスウエラセラータを大豆油に溶解させ、投与重量1g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、大豆油のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとして、ボスウエラセラータの大豆油溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量1g/kgにおいて、投与直後から10時間以上にわたって累積行動量がビークル(溶媒:大豆油)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図15)
【0022】
(実施例 15)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
酵素処理イソケルシトリンを水に溶解させ、投与重量1g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとして酵素処理イソケルシトリン水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量1g/kgにおいて、投与直後から1時間後及び投与1時間後〜2時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図15)
【0023】
(実施例 16)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
ビール酵母抽出RNAを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は 19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてビール酵母抽出RNA水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量1g/kgにおいて、投与直後から1時間後、2時間後〜3時間後及び4時間後〜5時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図16)。
【0024】
(実施例 17)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
バンブーリーフを水に溶解させ、投与重量0.3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてバンブーリーフ水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量0.3g/kgにおいて、投与直後から1時間後及び3時間後〜4時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図17)。
【0025】
(実施例 18)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
クマザサエキスを水に溶解させ、投与重量1g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてクマザサエキス水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量1g/kgにおいて、投与直後から1時間後、1時間後〜2時間後及び4時間後〜5時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図18)。
【0026】
(実施例 19)
1.方法
(i)使用動物
実施例1と同じ。
(ii)飼育方法
実施例1と同じ。
(iii)サンプル調製・投与
リンゴ由来フロレチンを水に溶解させ、投与重量3g/kgでゾンデ針を用いて経口投与した。投与は19:00(暗期の開始時刻)に行い、1回目は溶媒単独のコントロールトとして、水のみを投与し、2回目は、3日後の同じ時刻にサンプルとしてリンゴ由来フロレチン水溶液を投与した(n=8)。
(iv)行動量の記録と解析

実施例1と同じ
2.結果
投与量1g/kgにおいて、投与直後から1時間後及び2時間後〜3時間後の累積行動量がビークル(溶媒:水)投与時に比べて統計的に有意に低下する「鎮静効果」が見られた(図19)。

【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ペパーミント葉乾燥エキス3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図2】ペパーミント葉乾燥エキスを2g/kg経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときのノンレム睡眠に対する効果を表す。
【図3】ザイラリア 3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図4】レモンバーム3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図5】金針菜エキス3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図6】グリーンオート麦乾燥エキス3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図7】ローズバッツエキス3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図8】ラフマエキス3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図9】フィーバーフュー 3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図10】メドウスイート1g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図11】菊花エキス3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図12】エゾウコギ3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図13】レモンバーベナ1g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図14】ボスウェラセラータ1g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図15】酵素処理イソケルシトリン1g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図16】ビール酵母抽出RNA 1g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図17】バンブーリーフ 0.3g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図18】クマザサエキス1g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。
【図19】リンゴ由来フロレチン1g/kgを経口摂取したときとビヒクルのみを摂取したときの行動量の変化に対する効果を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)から(18)からなる群の1種又は2種以上を有効成分とする鎮静剤。

(1) ペパーミント葉乾燥エキス

(2) ザイラリア
(3) レモンバーム

(4) 金針菜エキス

(5) グリーンオート麦エキス

(6) ローズバッツエキス

(7) ラフマエキス(ヤンロン茶)

(8) フィーバーフュー

(9) メドウスイート

(10)菊花エキス

(11)エゾウコギ(エレウテロコック)

(12)レモンバーベナ

(13)ボスウェラセラータ

(14)酵素処理イソケルシトリン

(15)ビール酵母エキス由来RNA

(16)バンブーリーフ抽出物

(17)クマザサエキス

(18)リンゴ由来フロレチン
【請求項2】
請求項1に記載の鎮静剤の睡眠改善剤としての使用


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−64969(P2010−64969A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230843(P2008−230843)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000000228)江崎グリコ株式会社 (187)
【出願人】(390000745)財団法人大阪バイオサイエンス研究所 (32)
【Fターム(参考)】