説明

鏡付きトイレ清掃具

【課題】便器内部の目で直接見ることができない部分に対しても、汚れの付着具合や落ち具合等を観察しながら清掃することができる、使用性に勝れたトイレ清掃具を得る。
【解決手段】握持用の柄1の先端にブラシ台4を先方に向けて折れ曲がった形に連設し、該ブラシ台4の上面中央位置に鏡6を取り付けると共に、該ブラシ台4における鏡6の左右両側の台部分4aと台下面4bとにブラシ5を植設し、便器の上端のフランジ状内周縁の下面やその周辺部分に対する汚れの付着具合や落ち具合等を上記鏡6で確認しながら、それらの部分に上記ブラシ5を押し当てて擦り洗いするように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器を清掃するためのトイレ清掃具に関するものであり、更に詳しくは、目で直接見ることができない便器部分を映して見るための鏡を備えた鏡付きトイレ清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
便器を清掃するための清掃具として、従来より、柄の先端にブラシを備えたものが良く知られている。このような清掃具で便器を清掃する場合、該便器の内表面のように直接目で見える部分の汚れは簡単に落とすことができるが、便器の縁の下面のような下向きの部分については、汚れの状態を直接目で見ることができないばかりでなく、角度的にもブラシをうまく押し当てることができないため、非常に清掃しづらく、汚れが落ちているかどうかを確認することもできないという問題があった。
便器の縁を清掃するための清掃具も市販されてはいるが、単にブラシを縁の下面に押し当てて擦るだけで、汚れの落ち具合を確認しながら清掃することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明の目的は、便器の縁の下面のような下向きの面であっても、汚れの付着具合や落ち具合等を目で観察しながら清掃することができる、使用性に勝れたトイレ清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明によれば、握持用の柄と、便器を擦り洗いするためのブラシと、該便器の下向き面を映して見るための鏡とを有することを特徴とする鏡付きトイレ清掃具が提供される。
【0005】
本発明において好ましくは、上記柄の先端にブラシ台が連結され、該ブラシ台に上記ブラシと鏡とが設けられていることである。
より好ましくは、上記柄とブラシ台とが相互に折れ曲がった形に連なっていて、該ブラシ台の上面中央位置に上記鏡が配設されると共に、該ブラシ台における鏡の左右両側の台部分と台下面とに上記ブラシが植設されていることである。
また、上記鏡はブラシ台に対して傾斜した状態に設けられていることが望ましく、上記ブラシ台における鏡の前方部分は、ブラシの設けられていない空間部であることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明のトイレ清掃具によれば、便器の縁の下面のような下向きの部分であっても、その部分を鏡に映して汚れの付着具合や落ち具合等を目で観察しながらブラシで清掃することができる。また、便器の内表面のように直接目で見える部分については、鏡を使用することなく、通常の清掃具と同様にして清掃することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜図4は本発明に係るトイレ清掃具の好ましい一実施形態を示すもので、この清掃具は、握持用の柄1と、該柄1の先端に折れ曲がった形に連設された清掃ヘッド2とを有し、この清掃ヘッド2に、擦り洗い用のブラシ5と、目で直接見ることができない便器部分を映して見るための鏡6とを備えている。
【0008】
そして、例えば図5に示すように、便器30の内部に上記清掃ヘッド2を挿入し、該清掃ヘッド2の先端部を便器上端のフランジ状内周縁31の下に差し込むことにより、該内周縁31の下面31aやその周辺部分を上記鏡6に映し、汚れの付着具合や落ち具合等を観察しながら、それらの部分に上記ブラシ5を押し当てて擦り洗いするものである。この場合、柄1の向きや傾き等を変化させて鏡6の向きや傾斜角度を変化させることにより、便器30内部の直接目で見られない様々な部分を見ることができる。
【0009】
上記柄1は、合成樹脂により形成され、その基端部に手で握るためのグリップ部1aを有すると共に、該グリップ部1aの先端に、上記清掃ヘッド2を連結するための連結部1bを有している。
【0010】
一方、上記清掃ヘッド2は、ブロック形をした合成樹脂製のブラシ台4を有し、このブラシ台4に上記ブラシ5と鏡6とを取り付けたものである。そして、該ブラシ台4の基端部に上記柄1が、該ブラシ台4の軸線L4を水平に向けたとき柄1の軸線L1が斜め上方を向くような角度αで、図示しない螺子によって着脱自在に連結されている。上記角度αの好ましい大きさは90〜130度程度であり、より好ましくは100〜120度の大きさである。この角度αは、ブラシ台4に上下及び左右の様々な向きに植設されているブラシ5を、便器30の様々な部分に選択的に押し付けて擦り洗いする場合に、その作業を行い易い角度であり、特に、上記内周縁31の下面31aなどの下向き面やその周辺部分などを清掃するのに最も適した角度である。
【0011】
上記ブラシ台4は、その上面中央部が溝状に落ち窪んでいて、その溝底部分に一定幅の鏡取付部10が形成され、この鏡取付部10上に上記鏡6が着脱自在に取り付けられている。この鏡取付部10は、上記軸線L4に対してやや前下がり状に傾斜した状態でブラシ台4の前後方向に延び、その先端は該ブラシ台4の先端部まで達している。従って、上記鏡6も、この鏡取付部10に沿ってやや前下がり状に傾斜した状態に設置されている。なお、この鏡6は、上記内周縁31の下面31aなどの下向き面やその周辺部分を確実に映すことができるように、できるだけ鏡取付部10の先端寄りの位置に取り付けることが望ましい。
【0012】
上記鏡6のブラシ台4に対する傾斜角度βは、5〜20度程度が好ましく、より好ましくは10〜15度程度である。このように鏡6をブラシ台4に対して傾斜させて取り付けた結果、柄1に対する該鏡6の傾斜角度は、柄1に対する清掃ヘッド2の傾斜角度αよりも若干大きくなっており、その好ましい傾斜角度は95〜150度、より好ましくは110〜135度の範囲ということになる。柄1に対して鏡6をこのような角度に傾斜させることにより、便器30の内周縁31の下面31aやその周辺部分を観察する際の鏡6の向きや角度等の操作を容易に行うことができる。しかし、鏡6の大きさやその配置、あるいは柄1とブラシ台4との傾斜角度等によっては、鏡6をブラシ台4の軸線と平行に設置しても良い。
【0013】
上記ブラシ台4における上記鏡取付部10の左右両側の台部分4aは、該鏡取付部10よりも高く立ち上がった状態に形成され、これらの台部分4aの凸曲面状をした外面に、上記ブラシ5が、毛先をブラシ台4の上面と前面及び側面とに向けて植設され、これらの毛先によって凸曲面状をなすブラシ面5aが形成されている。また、該ブラシ台4の上記軸線L4と平行する平らな台下面4bにも、ブラシ5が毛先を下方に向けて植設され、この下面4bのブラシ5によって上記軸線L4と平行する平坦なブラシ面5bが形成されている。このように、上記ブラシ5を全ての方向に毛先を向けて植設することにより、便器30の様々な部分をもれなく擦り洗いすることができる。
【0014】
しかし、上記ブラシ台4における鏡6の前方の部分には、ブラシ5が設けられることなく、開放した空間部11aが形成されており、この空間部11aは、鏡6の上方の空間部11bと連続している。このように、鏡6の前方の部分をブラシ5を設けない空間部11aとすることにより、上記鏡取付部10の先端部にブラシ5を植設するための肉厚部を突設する必要がないため、鏡6を該鏡取付部10の限りなく先端寄りの位置に配置することが可能となり、この結果、この鏡6で上記内周縁31の奥まで確実に映して見ることができる。
【0015】
上記構成を有するトイレ清掃具を使用すれば、便器30の縁の下面31aのような下向きの部分やその周辺部分など、目で直接見ることができない部分であっても、上記鏡6を介してその部分を見ることができるため、汚れの付着具合や落ち具合等を実際に確認しながら、それらの部分をブラシ5で清掃することができる。また、便器30の内表面のように直接目で見える部分については、鏡6を使用することなく、通常の清掃具と同様にして清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るトイレ清掃具の斜視図である。
【図2】図1の清掃具の側面図である。
【図3】図1の清掃具の正面図である。
【図4】図1の清掃具の断面図である。
【図5】本発明に係る清掃具の使用方法を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 柄
4 ブラシ台
4a 台部分
4b 台下面
5 ブラシ
6 鏡
11a 空間部
30 便器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
握持用の柄と、便器を擦り洗いするためのブラシと、該便器の下向き面を映して見るための鏡とを有することを特徴とする鏡付きトイレ清掃具。
【請求項2】
上記柄の先端にブラシ台が連結され、該ブラシ台に上記ブラシと鏡とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトイレ清掃具。
【請求項3】
上記柄とブラシ台とが、相互に折れ曲がった形に連なっていて、該ブラシ台の上面中央位置に上記鏡が配設されると共に、該ブラシ台における鏡の左右両側の台部分と台下面とに上記ブラシが植設されていることを特徴とする請求項2に記載のトイレ清掃具。
【請求項4】
上記鏡がブラシ台に対して傾斜した状態に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のトイレ清掃具。
【請求項5】
上記ブラシ台における鏡の前方部分が、ブラシの設けられていない空間部であることを特徴とする請求項3又は4に記載のトイレ清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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