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鏡像異性体的に富化されたβ−アミノ酸誘導体の製造方法
説明

鏡像異性体的に富化されたβ−アミノ酸誘導体の製造方法

本発明は、一般式(II)の化合物の有機触媒された速度論的ラセミ体の分割のための方法に関する。従って、一般式(Ia)又は(Ib)の鏡像異性体的に富化された化合物の触媒量の作用は、一方では鏡像異性体的に富化された、場合によりN−アシル化されたβ−アミノ酸を、他方では鏡像異性体的に富化された4,5−ジヒドロオキサジン−6−オン(オキサジノン)を得ることができる。対応する鏡像異性体的に富化されたβ−アミノ酸は、簡単な加水分解によって容易に分離可能な種類の化合物から形成されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡像異性体的に富化された、場合によりN−アシル化された、β−アミノ酸エステル及び場合によりN−アシル化β−アミノ酸、並びに鏡像異性体的に富化された4、5−ジヒドロオキサジン−6−オン(オキサジノン)の製造方法に関する。
【0002】
光学活性β−アミノカルボン酸(β−アミノ酸)は、天然産物、例えばアルカロイド及び抗生物質に見出される。従ってそれらの分離は、特に医薬の製造における中間生成物の領域における重要性の増加によって、利益を増加する(とりわけ、E.Juaristi、H.Lopez−Ruiz、Curr.Med.Chem.1999、6、983〜1004を参照)。光学活性β−アミノカルボン酸及びそれらの誘導体の遊離形は、興味深い薬理学的効果を示し、かつ改質ペプチドの合成にも使用されうる。
【0003】
多数の方法は、鏡像異性体的に富化されたβ−アミノ酸及びそれらの誘導体を製造するために原則として使用できるが、工業的に実用できる合成の数は、制限される。
【0004】
例えば、β−アミノカルボン酸の製造は、ジアステレオマー対の塩を経る古典的なラセミ体の分割の補助(H.Boech et al.、Org.Proc.Res.Developm.2001、5、23〜27に提案された経路)によって、又は光学活性リチウムフェニルエチルアミドのジアステレオ選択的付加を経るジアステレオ選択的合成の補助(A.F.Abdel−Magid、J.H.Cohen、C.A.Maryanoff、Curr.Med.Chem.1999、6、955〜970)によって実施されうる。後者の方法は、集中的研究として見なされ、かつ有利には、それらによって生じる多数の欠点にもかかわらず適用される。一方で、キラル試薬の理論量を必要とし、触媒性不斉法と比較して多数の欠点を表すことが不利であると見なされる。理論量において要求される作用物質は、さらにもう一度再利用されることができず、さらに欠点を示しうる。加えて、さらに工業的安全性の観点で問題がある高価な助剤、例えばn−ブチルリチウムは、脱プロトン化によって化学量論的試薬を活性化するために要求される。加えて、十分に高い立体選択性のために約−70℃の低い温度で反応を行うことが重要であり、反応物質に対する多量な要求、多くの追加費用、及び高いエネルギー消費量を生じる。
【0005】
選択的な解決手段は、工業適用のためにも特に好適であることを証明させた生体触媒的手法である。好ましい酵素を基礎とする合成は、これに関連して、N−フェニルアセチル化β−アミノ酸の加水分解によるペニシリンGアミダーゼ触媒のラセミ体の分割(V.A.Soloshonok、V.K.Svedas、V.P.Kukhar、A.G.Kirilenko、A.V.Rybakova、V.A.Solodenko、N.A.Fokina、O.V.Kogut、I.Y.Galaev、E.V.Kozlova、I.P.Shishkina及びS.V.Galushko、Synlett 1993、339〜341;V.A.Soloshonok、A.G.Kirilenko、N.A.Fokina、I.P.Shishkina、S.V.Galushko、V.P.Kukhar、V.K.Svedas及びE.V.Kozlova、Tetrahedron:Asymmetry 1994、5、1119〜1126;V.A.Soloshonok、N.A.Fokina、A.V.Rybakova、I.P.Shishkina、S.V.Galushko、A.E.Sochorinsky、V.P.Kukhar、M.V.Savchenko及びV.K.Svedas、Tetrahedron:Asymmetry 1995、6、1601〜1610;G.Cardillo、A.Tolomelli及びC.Tomasini、Eur.J.Org.Chem.1999、155〜161)と、N−非保護の又はN−保護されたβ−アミノ酸エステルの加水分解によるリパーゼ触媒のラセミ体の分割(S.G.Cohen、S.Y.Weinstein、J.Am.Chem.Soc.1964、86、725;M.Prashad、D.Har、O.Repic、T.J.Blacklock、P.Giannousis、Tetrahedron:Asymmetry 1998、9、2133〜2136;S.Katayama、N.Ae、R.Nagata、Tetrahedron:Asymmetry 1998、9、4295〜4299;S.J.Faulconbridge、K.E.Holt、L.G.Sevillano、C.J.Lock、P.D.Tiffin、N.Tremayne、S.Winter、Tetrahedron Lett.2000、41、2679〜2681;US6869781)である。β−アミノ酸エステルのエステル加水分解によるリパーゼ触媒のラセミ体の分割の概念は、鏡像異性体の純粋なアリールで置換されたβ−アミノ酸の製造において工業的に適用させ、単離された生成物に対して99%eeより多い、高い鏡像異性体過剰量を得ることが可能である。しかしながら、合成の高い能率にもかかわらず、基質のスペクトルは、酵素の特異性のために制限される:芳香族の基質は、非常に寛容されるのに対し、脂肪族の代表例を得ることが難しいことが証明された。従って、例えば、立体的な要求の多い、この方法において十分によい光学活性β−ネオペンチルグリシンを得ることができない。
【0006】
従って、本発明の目的は、β−アミノ酸の製造のための別の方法を提供することである。それは、生態学的及び経済的側面に関して先行技術の方法よりも優れたかかる方法を意味した。特に、本発明の方法が、直鎖及び分枝鎖状に置換されたβ−アミノ酸を、工業規模に対して製造されることを可能にすることを意味した。
【0007】
それらの目的、及び詳細に明記されないが、しかし先行技術から明らかであるさらなる目的が、請求項1の特徴による方法によって得られる。本発明による方法のさらに好ましい実施態様は、請求項1に従属するサブクレームにおいて保護される。
【0008】
上記の目的は、N−アシル化β−アミノ酸エステル、β−アミノ酸エステル、N−アシル化β−アミノ酸、β−アミノ酸及び4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンからなる群から選択される鏡像異性体的に富化された化合物の、例えば相応するラセミ体のN−アシル化β−アミノ酸から形成された4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンから開始され、かつこの4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンを、一般式(Ia)又は(Ib)
【化1】

[式中、
*は、キラル中心を表し、
Xは、OもしくはS、又はNR12もしくはNHR1であってよく、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、互いに無関係に、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−アルコキシ、HO−(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルコキシアルキル、(C6−C18)−アリール、(C7−C19)−アラルキル、(C3−C18)−ヘテロアリール、(C4−C19)−ヘテロアラルキル、(C1−C8)−アルキル−(C6−C18)−アリール、(C1−C8)−アルキル−(C3−C18)−ヘテロアリール、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C8)−アルキル−(C3−C8)−シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C8)−アルキルであり、かつ
1及びR2並びに/又はR2及びR3は、(C3−C5)−アルキレン架橋によって互いに結合してよい]で示される鏡像異性体的に富化された化合物の触媒量と求核試薬の存在下で反応させる速度論的なラセミ体の分割による製造方法は、単純だが極めて有利な方法で得られる。その方法は、以前に開示された触媒反応系と比較することによって、β−アミノ酸の芳香族誘導体だけでなく脂肪族置換誘導体をも製造するために驚くべきことに好適である。
【0009】
以下の反応式は、本発明による反応を図示している:
【化2】

【0010】
双方の鏡像異性体的に富化された化合物((1)及び(2))は、その後、当業者によって決定されるように、直接、例えば加水分解によって、相当する光学活性β−アミノ酸に転化されうる。
【0011】
好ましい触媒は、次の型の構造である:
【化3】

【0012】
本発明による反応を使用したオキサジノン型の出発化合物は、当業者によって決定されたように製造されうる(C.Drey、E.Mtetwa、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1 1982、587〜1592)。有利な製造は、ラセミβ−アミノ酸から始まり、ショッテン・バウマン反応において窒素原子上でアシル化され、そして脱水条件下で、例えば有機酸又は無機酸の無水物の作用を通してオキサジノンに閉環される。
【0013】
【化4】

【0014】
前記反応は、2,4−、2,4,5−又は2,5−置換された4,5−ジヒドロオキサジノンで行われうる。
【0015】
有利には、本発明による反応に使用されるのは、一般式(II)
【化5】

[式中、
*はキラル中心を表し、
8、R9は、(C1−C18)−アルキル、(C1−C8)−アルコキシ、HO−(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルコキシアルキル、(C6−C18)−アリール、(C7−C19)−アラルキル、(C3−C18)−ヘテロアリール、(C4−C19)−ヘテロアラルキル、(C1−C8)−アルキル−(C6−C18)−アリール、(C1−C8)−アルキル−(C3−C18)−ヘテロアリール、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C8)−アルキル−(C3−C8)−シクロアルキル、(C3−C8)−シクロアルキル−(C1−C8)−アルキルを表す]で示される2,4−二置換された4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンである。R9が(C6−C18)−アリール基、特にフェニル基である、一般式(II)の化合物を使用することが、非常に特に好ましい。ラセミ体の分割のために、R8基が、(C1−C18)−アルキル、特に第三級炭素原子及び4〜10個の炭素原子を有する、かさ高な、分枝鎖状のアルキル基、例えばtert−ブチル又はネオペンチル、並びに(C6−C18)−アリール、特にフェニルである一般式(II)の化合物を使用することもまた、非常に特に好ましい。
【0016】
本発明による該反応は、使用されたオキサジノンの立体選択的開環が、求核試薬の作用によって起こるかかる方法で進行する。アルコールは、有利には、この目的のために使用される。有利に選択されるアルコールは、単純な方法で所望のアミノ酸になる鏡像異性体的に富化されたN−アシル化β−アミノ酸エステルを転化することができるために、その後に酸性又は塩基性の加水分解により簡単に取り除かれうるアルコールである。従って、有利には反応に使用されるアルコールは、アリルアルコール、メチルアルコール、エチルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、n−又はイソ−プロピルアルコール、並びにn−、tert−、sec−及びイソ−ブタノールからなる群から選択される化合物である。アリルアルコールの使用は、これに関連して非常に特に好まれる。しかしながら、それらアルコールの他に、求核試薬として、水もしくはOH-イオン又はチオールもしくはアミンを使用することもまた可能である。水又はOH-イオンが使用される場合に、N−アシル化β−アミノ酸は、直接得られてよい。その目的がそれらを得ることである場合に、水又はOH-イオンは、求核試薬として好適である。反応が行われうるpH範囲は、当業者によって決定されることができる。
【0017】
当業者は、反応に使用される触媒量を自由に選択できる。一般式(I)の触媒は、有利には、速度論的なラセミ体の分割のための基質に対して、0.01〜40mol%の範囲で使用されうる。0.5〜10mol%の範囲がより好適であり、1〜5mol%の範囲が非常に特に好適である。
【0018】
速度論的なラセミ体の分割のために調節される温度は、所望されるように当業者によって選択されうる。この関連における当業者のための主な基準は、生成物における鏡像異性体過剰ができるだけ高く、かつ反応速度は実質上減速されないことである。反応は、約15℃〜40℃の間の温度が反応中に設定される場合に、最適に進行することが明らかにされている。好ましい範囲は、20℃〜30℃に位置する。
【0019】
本発明による方法は、速度論的なラセミ体の分割中に不活性の挙動を示す有機溶剤で行われる。それらは、さらに、相対的に極性の化合物の十分な程度まで溶解することが可能であるべきである。従って、有機非プロトン性溶媒の群から選択される有機溶剤は、有利には対象の反応において使用される。トルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル又はそれらの混合物を使用することが、非常に特に好まれる。
【0020】
鏡像異性体的に富化された形である一般式(I)の触媒は、本発明による反応のために使用される。80%eeより多い鏡像異性体富化を有するかかる触媒は、有利には、速度論的なラセミ体の分割において使用される。90%eeより多い、さらに有利には95%eeより多い、及び非常に特に有利には98%eeより多い鏡像異性体富化を有する触媒を使用することがより好まれる。
【0021】
速度論的なラセミ体の分離の例として選択されるのは、rac−4,5−ジヒドロ−2,4−ジフェニル−1,3−オキサジン−6−オン(4)とアリルアルコールとの反応である(図表1を参照)。
【0022】
【化6】

【0023】
無水トルエン中のオキサジノンの0.1M溶液が調製され、かつこれに、アリルアルコールの1.0当量及び二官能価のチオ尿素触媒5の0.05当量を添加した。この種類の触媒は、キラルジアミンとイソチオシアネートとの反応による1段階において合成されうる(T.Okino、Y.Hoashi、Y.Takemoto、J.Am.Chem.Soc.2003、125、12672〜12673)。試料は、決められた時間で反応溶液から採取され、かつ使用されたオキサジノン、得られたβ−アミノ酸エステル(6)の鏡像異性体過剰及び反応の転化率が、キラルHPLCによって決定された。その結果は、速度論的なラセミ体の分離に予期される特性を示し、かつ図1及び図2においてグラフの形で図示される。オキサジノンの鏡像異性体過剰が、ただ一つの鏡像異性体が残るまで連続的に増大するために、ラセミ体基質の1つの鏡像異性体が優先的に反応することが明らかになった。生成物の鏡像異性体過剰は、転化が促進するため、ゆっくりと減少する(図1及び図2)。残っているオキサジノンと形成されたN−ベンゾイル−β−アミノ酸エステルの双方は、鏡像異性体純度の減少なしに遊離β−アミノ酸に転化されうる。従って、双方のβ−アミノ酸の鏡像異性体を得ることが、一つの反応において可能である。さらなる実験において、構造的に類似のチオ尿素化合物7及び8もまた、オキサジノン4の速度論的なラセミ体の分離の活性かつ高エナンチオ選択的な触媒として有効であることを示すことができた。表1は、得られた転化率を示す。
【0024】
【表1】

【0025】
要約において、記述された方法が、純粋なβ−アミノ酸の鏡像異性体に対して非常に効率的及び選択的な経路を示すと言うことができる。この方法は、多くの他のβ−アミノ酸誘導体の合成にも適用されうることが予期されうる。使用される触媒はモジュール構造を有し、かつ従って新しい基質と簡単に適応させることができることが、これに関連して偉大な利益である。
【0026】
(C1−C8)−アルキル基は、すべての結合異性体を含めて、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチルであると見なされる。
【0027】
(C1−C18)−アルキル基は、本発明による定義の範囲内では、(C1−C8)−アルキル基に対応するが、1〜18個以下の炭素原子を有する。
【0028】
(C1−C8)−アルコキシ基は、(C1−C8)−アルキルに対応するが、ただし酸素原子を介して分子と連結される。
【0029】
(C2−C8)−アルコキシアルキル基は、アルキル鎖が少なくとも1つの酸素官能基によって分断されるものを示し、2個の酸素原子を互いに結合させることができない。炭素原子数は、遊離基中に存在する炭素原子の総数を示す。
【0030】
(C3−C5)−アルキレン架橋は、3〜5個の炭素原子を有する炭素鎖であり、かつこの鎖は、2個の異なった炭素原子によって対象となる分子と連結される。
【0031】
ちょうど前記節において記述された遊離基は、ハロゲン及び/又はN、O、P、S、Si原子を有するヘテロ原子含有遊離基によって1回以上置換されてよい。これらは、特に、前記の型のアルキル基であり、それらの鎖において該ヘテロ原子の1つ以上を有し、これらの該ヘテロ原子1個によって分子と連結される。
【0032】
(C1−C8)−アシルオキシは、本発明の本文において、前記のような(C1−C8)−アルキル基を示し、最大8個の炭素原子を有し、かつCOO官能基を介して分子と連結される。
【0033】
(C1−C8)−アシルは、本発明の本文において、前記のような(C1−C8)−アルキル基を示し、最大8個の炭素原子を有し、かつCO官能基を介して分子と連結される。
【0034】
(C6−C18)−アリール基は、6〜18個の炭素原子を有する芳香族基を示す。これらは、特定の化合物、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基又は関連分子に融合される前記の型の系、例えばインデニル系を含有し、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−アルコキシ、(C2−C8)−アルコキシアルキル、NH(C1−C8)−アルキル、N((C1−C8)−アルキル)2、OH、O(C1−C8)−アルキル、NO2、NH(C1−C8)−アシル、N((C1−C8)−アシル)2、F、Cl、CF3、(C1−C8)−アシル、(C1−C8)−アシルオキシ、(C7−C19)−アラルキル、(C4−C19)−ヘテロアラルキルによって任意に置換されてよい。
【0035】
(C7−C19)−アラルキル基は、(C6−C18)−アリールを介して分子と連結させた(C1−C8)−アルキル基である。
【0036】
(C3−C18)−ヘテロアルキル基は、本発明の本文において、3〜18個の炭素原子からなる5,6又は7員芳香環系を示し、該環において、ヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄を有する。このようなヘテロ芳香族基は、特に、例えば1−、2−、3−フリル、例えば1−、2−、3−ピロリル、1−、2−、3−チエニル、2−、3−、4−ピリジル、2−、3−、4−、5−、6−、7−インドリル、3−、4−、5−ピラゾリル、2−、4−、5−イミダゾリル、アクリジニル、キノキニル、フェナントリジニル、2−、4−、5−、6−ピリミジニルであると見なされる。ヘテロ芳香族系は、前記の(C6−C18)−アリール基と同様の方法で置換されてよい。
【0037】
(C4−C19)−ヘテロアラルキルは、(C7−C19)−アラルキル基に対応するヘテロ芳香族系を示す。
【0038】
(C3−C8)−シクロアルキルは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基等を示す。それらは、1個以上のハロゲン及び/もしくはN−、O−、P−、S−、Si原子を含有する遊離基によって置換されてよく、かつ/又は環中にN−、O−、P−、S−原子、例えば1−、2−、3−、4−ピペリジル、1−、2−、3−ピロリジニル、2−、3−テトラヒドロフリル、2−、3−、4−モルホリニルを有しうる。シクロアルキル基は、前記の(C6−C18)−アリール基と同様の方法で置換されてよい。
【0039】
(C3−C8)−シクロアルキル−(C1−C8)−アルキル基は、前記のようなシクロアルキル基を示し、前記のようにアルキル基を介して分子と連結される。
【0040】
ハロゲン(Hal)は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。Hal’は、塩素、臭素、ヨウ素である。
【0041】
N−アシル基は、(C1−C8)−アシル基に加えて、保護基も示し、それは、一般的に、通常アミノ酸化学で使用され、窒素原子を保護する。特定の記載は、ホルミル、アセチル、Moc、Eoc、フタリル、Boc、Alloc、Z、Fmoc等でなされるべきである。
【0042】
鏡像異性体的に富化された又は鏡像異性体過剰という用語は、本発明の本文において、その光学鏡像体と50%より多く100%未満の範囲で混合させた1つの鏡像異性体の割合を示す。そのeeは、以下のように計算される:
([鏡像異性体1]−[鏡像異性体2])/([鏡像異性体1]+[鏡像異性体2])×100=ee[%]
【0043】
鏡像異性体的に富化されたβ−アミノ酸及びそれらの誘導体、並びにオキサジンの特定は、本発明の本文において、すべて可能なジアステレオマーを含み、本目的はまた、それぞれのジアステレオマーの光学異性体の双方を挙げるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、キラルHPLCによって決定された、使用されたオキサジノン、得られたβ−アミノ酸エステル(6)の鏡像異性体過剰を示す。
【図2】図2は、キラルHPLCによって決定された、使用されたオキサジノン、得られたβ−アミノ酸エステル(6)の鏡像異性体過剰及び反応の転化率を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−アシル化β−アミノ酸エステル、β−アミノ酸エステル、N−アシル化β−アミノ酸、β−アミノ酸及び4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンからなる群から選択される鏡像異性体的に富化された化合物の相応するラセミ体N−アシル化β−アミノ酸から形成される4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンの速度論的ラセミ体の分割による製造方法であって、この4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンを、一般式(Ia)又は(Ib)
【化1】

[式中、
*は、キラル中心を表し、
Xは、OもしくはS、又はNHR1もしくはNR12であってよく、
R、R1、R2、R3、R4は、互いに無関係に、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−アルコキシ、HO−(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルコキシアルキル、(C6−C18)−アリール、(C7−C19)−アラルキル、(C3−C18)−ヘテロアリール、(C4−C19)−ヘテロアラルキル、(C1−C8)−アルキル−(C6−C18)−アリール、(C1−C8)−アルキル−(C3−C18)−ヘテロアリール、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C8)−アルキル−(C3−C8)−シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C8)−アルキルであり、かつ
1及びR2並びに/又はR2及びR3は、(C3−C5)−アルキレン架橋によって互いに結合してよい]で示される鏡像異性体的に富化された化合物の触媒量と求核試薬の存在下で反応する製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、一般式(II)
【化2】

[式中、
*は、キラル中心を表し、
8、R9は、(C1−C18)−アルキル、(C1−C8)−アルコキシ、HO−(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルコキシアルキル、(C6−C18)−アリール、(C7−C19)−アラルキル、(C3−C18)−ヘテロアリール、(C4−C19)−ヘテロアラルキル、(C1−C8)−アルキル−(C6−C18)−アリール、(C1−C8)−アルキル−(C3−C18)−ヘテロアリール、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C8)−アルキル−(C3−C8)−シクロアルキル、(C3−C8)−シクロアルキル−(C1−C8)−アルキルを表す]で示されるラセミ体4,5−ジヒドロオキサジン−6−オンが、速度論的ラセミ体の分割において使用されることを特徴とする方法。
【請求項3】
アリルアルコール、メタノール、エタノール、フェノール、n−及びイソ−プロピルアルコール、並びにn−、tert−、sec−及びイソ−ブタノールからなる群から選択される1種類以上のアルコールが、反応のために求核試薬として使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
一般式(I)の触媒が、基質に対して、0.01〜40mol%の範囲で使用されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
15℃〜40℃の間の温度が、反応中に調節されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記反応が、有機非プロトン性溶媒の群から選択される有機溶媒、特にトルエン中で行われることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
80%より多い鏡像異性体富化を有する触媒が使用されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−506001(P2009−506001A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527417(P2008−527417)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064615
【国際公開番号】WO2007/023056
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】