説明

鏡像異性的に純粋なベータ作動薬、その製造及び使用

【課題】活性の持続時間がより長い、呼吸器疾患の治療用薬剤の提供。
【解決手段】式(1)(式中、R1、R2、R3、m及びYm-は、特許請求の範囲及び説明に示される意味をもつものである)の鏡像異性的に純粋な化合物を用いる。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式1の鏡像異性的に純粋な化合物、その調製方法及び薬剤として、特に呼吸器疾患の治療用薬剤としての使用に関する:
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、基R1、R2、R3、m及びYm-は、特許請求の範囲及び明細書に示される意味を有する)。
【背景技術】
【0004】
β模倣薬(betamimetics, β-アドレナリン作動性物質)は、従来技術から知られている。この点で、例えば、広範囲の病気の治療用β模倣薬を提唱しているUS 4,341,778の開示内容を参照することができる。
疾病の薬剤治療の場合、活性の持続期間がより長い薬剤を調製することはしばしば望ましいことである。一般に、このことは、治療効果を達成するために必要とされる体内の活性物質の濃度が頻繁な間隔で薬剤を再投与することを必要とせずにより長時間維持されることを確実にすることである。更に、より長い時間間隔で活性物質を投与することは、患者の健康に高程度に寄与することである。
1日1回投与(単回投与)することによって治療的に使用し得る医薬組成物を調製することが特に望ましい。1日1回の薬剤の使用は、患者がその日のある一定の時間に薬剤を定期的に服用することに比較的早く慣れることができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 4,341,778
【特許文献2】EP 43940
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故、本発明の目的は、一方では呼吸器疾患の治療に治療的有用性を与え、更に活性の持続時間がより長いことを特徴とするので、活性の持続期間がより長い医薬組成物を調製するために使用し得るβ模倣薬を提供することである。本発明の具体的な目的は、それらの長時間にわたる効果によって、1日1回投与するための喘息の治療用薬剤を調製するために使用し得るβ模倣薬を調製することである。これらの目的に加えて、本発明の目的は、更に、例外的に強力なだけでなく、β2アドレナリン受容体に関して高度な選択性を特徴とするこのようなβ模倣薬を提供することである。本発明の目的は、更に、それらの物理化学的特性によって吸入による使用に特に適する医薬製剤の調製に特に使用し得るβ模倣薬を提供することである。特に、本発明は、上述の特性を有することに加えて、吸入用粉末及び懸濁液エアゾールの製造に特に適するβ模倣薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、上述の問題が一般式1の化合物によって解決されることがわかった。本発明は、式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物に関する
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、R1及びR2は、互いに独立してH、ハロゲン又はC1-4アルキルを示すか又は一緒になってC1-6アルキレンを示し;
R3は、H、ハロゲン、OH、C1-4アルキル又はO-C1-4アルキルを示し;
Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、プロパンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるアニオンを示し;
mは、1又は2を示す)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドの遊離塩基のX線粉末ダイアグラム。
【図2】図2: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドのモノ塩酸塩のX線粉末ダイアグラム。
【図3】図3: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドのモノ臭化水素酸塩のX線粉末ダイアグラム。
【図4】図4: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドの遊離塩基のDSC/TGダイアグラム。
【図5】図5: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドのモノ塩酸塩のDSC/TGダイアグラム。
【図6】図6: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドのモノ臭化水素酸塩のDSC/TGダイアグラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
式1の化合物は、単一の正電荷を有する分子と単一の電荷を有するアニオンYm-又はm電荷を有するアニオンYm-の対応する1/m分からなる。従って、例えば、式の二つ分子は、二重荷電アニオンYm- (m = 2)との結晶結合、例えば、エタンジスルホン酸塩又はプロパンジスルホン酸塩で存在することができる
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、基R1、R2及びR3は、上記の意味をもつものである)。
鏡像異性的に純粋な化合物の形での上記の式1の化合物が好ましく、本発明の式1の化合物のRエナンチオマーが例外的に重要である。式1の化合物のR-エナンチオマーは、一般式R-1によって表すことができる:
【0014】
【化4】

【0015】
(式中、基R1、R2、R3、m及びYm-は、上で示した意味をもつものである)。
(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知である一般法によって得ることができる。
式中、
R1及びR2は、同じでも異なってもよく、水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、プロピル、ブチルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3は、水素、フッ素、塩素、OH、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し;
Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、プロパンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mは、1又は2を示す、
【0016】
式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が好ましい。
式中、
R1及びR2は、同じでも異なってもよく、水素、メチル、エチル、プロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3は、水素、フッ素、OH、メチル又はメトキシを示し;
Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mは、1又は2を示す、
式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が好ましい。
【0017】
式中、
R1及びR2は、同じでも異なってもよく、エチル、プロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3は、水素、フッ素、OH、又はメトキシを示し;
Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mは、1又は2を示す、
式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が好ましい。
【0018】
式中、
R1及びR2は、エチル、プロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3は、水素、フッ素、OH、又はメトキシを示し;
Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mは、1又は2を示す、
式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が好ましい。
【0019】
以下の式の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が好ましい
1.1: N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(4-メチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.2: N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.3: N-(5-{2-[3-(4-エチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.4: N-(5-{2-[3-(4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.5: N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチルフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.6: N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-メトキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチルフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.7: N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.8: N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
【0020】
1.9: N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.10: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.11: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.12: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.13: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.14: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
(式中、Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mは、1又は2を示す)。
【0021】
以下の式の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が好ましい
1.7: N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.8: N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.9: N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.10: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.11: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.12: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.13: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
1.14: N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド * H(Ym-/m)
(式中、Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mは、1又は2を示す)。
【0022】
式1 (式中、基R1、R2及びR3は、上述の意味をもつものであり、Ym-は、塩素アニオン又は臭素アニオンを示す)の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が特に好ましい。
式 1.1〜1.14 (式中、Ym-は、塩素アニオン又は臭素アニオンを示す)の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が特に好ましい。
式 1.7〜1.14 (式中、Ym-は、塩素アニオン又は臭素アニオンを示す)の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物が特に好ましい。
また、結晶形での上記の一般式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その結晶性互変異性体、結晶性水和物又は結晶性溶媒和物の形であってもよい化合物が特に好ましい。単結晶変態で存在する結晶性化合物であることを更に特徴とする、上記の一般式1の鏡像異性的に純粋な結晶性化合物、必要により、その結晶性互変異性体、結晶性水和物又は結晶性溶媒和物の形であってもよい化合物が特に好ましい。
用語“単結晶変態”は、既存の結晶変態の混合物を構成しない式1の結晶性化合物を意味する。
他の態様において、本発明は、式1-baseの化合物の鏡像異性的に純粋な溶媒を含まない結晶形に関する
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、R1及びR2は、同じであっても異なってもよく、好ましくは異なり、エチル又はプロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又はCH2-CH2-CH2-CH2-CH2-示し、R3は、水素、フッ素、塩素、OH、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示す)。
式1-base (式中、
R1及びR2は、同じであっても異なってもよく、好ましくは同じであり、エチル又はプロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又はCH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し、
R3は、水素、フッ素、OH、メチル又はメトキシ、好ましくは水素を示す)
の鏡像異性的に純粋な溶媒を含まない結晶形の化合物が好ましい。
【0025】
以下の式の鏡像異性的に純粋な溶媒を含まない結晶形の化合物が特に好ましい
1.7-base - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.8-base - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド
1.9-base - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド
1.10-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.11-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.12-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.13-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.14-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド。
【0026】
用いられる用語及び定義
用語“C1-4アルキル”(他の基の一部であるものを含む)は、炭素原子1〜4個を有する分枝鎖及び直鎖アルキル基を意味する。例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルが挙げられる。必要により、上述の基に、略号Me、Et、n-Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu等が用いられてもよい。特に明記しない限り、定義プロピル及びブチルは、問題の基の可能な異性体全てが含まれる。従って、例えば、プロピルには、n-プロピル及びイソプロピルが含まれ、ブチルには、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル等が含まれる。
【0027】
用語“C1-6アルキレン”(他の基の一部であるものを含む)は、炭素原子1〜6個を有する分枝鎖及び直鎖アルキレン基を意味し、用語“C1-4アルキレン”は、炭素原子1〜4個を有する分枝鎖及び直鎖アルキレン基を意味する。炭素原子1〜4個を有するアルキレン基が好ましい。例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、1-メチルエチレン、ブチレン、1-メチルプロピレン、1,1-ジメチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、ペンチレン、1,1-ジメチルプロピレン、2,2-ジメチルプロピレン、1,2-ジメチルプロピレン、1.3-ジメチルプロピレン又はヘキシレンが挙げられる。特に明記しない限り、定義プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレンは、炭素数が同じの問題の基の可能な異性体全てが含まれる。従って、例えば、プロピルには、1-メチルエチレンが含まれ、ブチレンには、1-メチルプロピレン、1,1-ジメチルエチレン、1,2-ジメチルエチレンが含まれる。
【0028】
本発明の範囲内のハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示す。反対に明記されない限り、フッ素、塩素及び臭素は、好ましいハロゲンとみなされる。
用語鏡像異性的に純粋なは、少なくとも85%ee、好ましくは少なくとも90%ee、特に好ましくは> 95%eeのエナンチオマー純度で存在する本発明の範囲内の式1の化合物を記載する。用語ee(鏡像体過剰率)は、当該技術において既知であり、キラル化合物の光学純度を記載するものである。
本発明の範囲内の用語溶媒を含まないは、溶媒が結晶の格子位置に定義された化学量論的比率で結晶結合に組み込まれていない結晶形で式1-baseの化合物を記載するものである。
【0029】
適応症
本発明の式1の化合物は、治療分野における使用の多用途性を特徴とする。可能な適用の本発明によれば、式1の本発明の化合物がβ模倣薬としての薬剤活性のために好ましく用いられることを具体的に挙げるべきである。
従って、他の態様において、本発明は、医薬組成物として式1の上述の鏡像異性的に純粋な化合物に関する。本発明は、更に、呼吸器疾患の治療用医薬組成物を調製するための上述の一般式1の化合物の使用に関する。本発明は、好ましくは、種々の由来の閉塞性肺疾患、種々の由来の肺気腫、限定的肺疾患、間質性肺疾患、嚢胞性線維症、種々の由来の気管支炎、気管支拡張症、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)及び全ての様態の肺水腫より選ばれる呼吸器疾患の治療用医薬組成物を調製するための上述の一般式1の化合物の使用に関する。
【0030】
好ましくは、一般式1の化合物は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、小児喘息、重症の喘息、急性喘息発作及び慢性気管支炎より選ばれる閉塞性肺疾患の治療用医薬組成物を調製するために用いられ、本発明によれば、気管支喘息の治療用医薬組成物を調製するためにそれらを用いることが特に好ましい。
好ましくは、式1の化合物は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)又はα1-プロテイナーゼ阻害剤不足の由来をもつ肺気腫の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
好ましくは、式1の化合物は、アレルギー性肺胞隔炎、業務上の有害物質が引き金になる限定的肺疾患、例えば、石綿肺症又は珪肺症、及び肺腫瘍、例えば、癌性嚢症、気管支肺胞の癌腫及びリンパ腫によって引き起こされる制限より選ばれる限定的肺疾患の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
好ましくは、式1の化合物は、感染症によって引き起こされる肺炎、例えば、ウイルス、細菌、真菌、原虫、蠕虫又は他の病原体による感染、種々の因子、例えば、吸引や左心不全によって引き起こされる肺炎、放射線障害性肺炎又は線維症、膠原病、例えば、紅斑性狼瘡、全身性強皮症又はサルコイドーシス、肉芽腫症、例えば、ベック病、特発性間質性肺炎又は特発性肺線維症(IPF)より選ばれる間質性肺疾患の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
【0031】
好ましくは、一般式1の化合物は、嚢胞性線維症又は膵線維症の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
好ましくは、一般式1の化合物は、気管支炎、例えば、細菌又はウイルスの感染、アレルギー性気管支炎及び毒性気管支炎によって引き起こされる気管支炎の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
好ましくは、一般式1の化合物は、気管支拡張症の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
好ましくは、一般式1の化合物は、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
好ましくは、一般式1の化合物は、肺水腫、例えば、有害物質及び異物の吸引又は吸入後の毒性肺水腫の治療用医薬組成物を調製するために用いられる。
特に好ましくは、本発明は、喘息又はCOPDの治療用医薬組成物を調製するための式1の化合物の使用に関する。また、炎症性及び閉塞性呼吸器疾患の1日1回の治療用、特に喘息又はCOPDの1日1回の治療用医薬組成物を調製するための上述の式1の化合物の使用が特に重要である。
本発明は、また、上述の一般式1の化合物の一つ以上が治療的に有効な量で投与されることを特徴とする、上述の疾病の治療方法に関する。本発明は、更に、上述の一般式1の化合物の一つ以上が治療的に有効な量で1日1回投与されることを特徴とする、喘息又はCOPDの治療方法に関する。
本発明の化合物は、スキーム1に概略図で示される方法によって調製することができる。
【実施例1】
【0032】
N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(4-メチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0033】
【化6】

【0034】
この化合物は、EP 43940から既知である。この実施態様の個々のジアステレオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。
【実施例2】
【0035】
N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0036】
【化7】

【0037】
この化合物は、EP 43940から既知である。この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。
【実施例3】
【0038】
N-(5-{2-[3-(4-エチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0039】
【化8】

【0040】
この化合物は、EP 43940から既知である。この実施態様の個々のジアステレオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。
【実施例4】
【0041】
N-(5-{2-[3-(4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0042】
【化9】

【0043】
この化合物は、EP 43940から既知である。この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。
【実施例5】
【0044】
N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチル}フェニル)メタンスルホンアミド
【0045】
【化10】

【0046】
この化合物は、EP 43940から既知である。この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。
【実施例6】
【0047】
N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-メトキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチルフェニル)メタンスルホンアミド
【0048】
【化11】

【0049】
この化合物は、EP 43940から既知である。この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。
以下に記載する合成の実施例は、本発明の新規な化合物を更に詳細に示すものである。しかしながら、これらは、以下の具体例において記載される内容に限定することなく手順の例としてのみ本発明を具体的に示すものである。
HPLC法(方法A): SymmetryC18(Waters): 3.5μm; 4.6×150mm;カラム温度: 20°C; 勾配: アセトニトリル/リン酸緩衝液(pH 7)20:80→80:20、30分間;流速: 1.0mL/分; 220及び254nmで検出。
中間生成物1-8の合成
中間生成物1: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジプロピル-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン
【0050】
【化12】

【0051】
a) 4-(2-アミノフェニル)ヘプタン-4-オール: 無水THF(70mL)中の7.00mL(54.0ミリモル)のアンスラニル酸メチルの溶液に90mL(180.0ミリモル)の塩化プロピルマグネシウム(2M/エーテル)を0°Cで30分以内に滴下する。この混合液を周囲温度で1時間撹拌し、次に、100mLの3モルの塩化アンモニウム水溶液及び酢酸エチルと混ぜ合わせる。相は分離し、水相を酢酸エチルで徹底的に抽出する。合わせた有機相を、炭酸水素カリウム溶液及び塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。粗生成物を精製せずに次の反応工程に用いる。
収量: 6.70g(60%)。
【0052】
b) tert-ブチル{3-[2-(1-ヒドロキシ-1-プロピルブチル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: メタノール(40mL)及び酢酸(6mL)中の3.10g(14.05ミリモル)の4-(2-アミノフェニル)ヘプタン-4-オール及び3.60g(17.88ミリモル)のtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートの溶液に1.40g(22.27ミリモル)シアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加する。この混合液を周囲温度で16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、0.5モルの硫酸水素カリウム溶液及び塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させる。粗生成物を精製せずに次の反応工程に用いる。収量: 6.00g(定量的収率)。
【0053】
c) tert-ブチル[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピル]カルバメート: 無水THF(80mL)中の6.00g(15.28ミリモル)のtert-ブチル{3-[2-(1-ヒドロキシ-1-プロピルブチル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート及び5.32mL(38.21ミリモル)のトリエチルアミンの溶液に8.85mL(16.81ミリモル)のホスゲン溶液(20wt.%/トルエン)を0°Cで徐々に滴下する。この混合液を周囲温度で2時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、氷と混ぜ合わせ、アンモニア飽和水溶液で塩基性にした。水相を酢酸エチルで徹底的に抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させる。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル= 6:1)処理後、生成物を得る。収量: 4.57g(71%)。
【0054】
d) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジプロピル-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン: 35mLのギ酸中の4.20g(10.03ミリモル)のtert-ブチル[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピル]カルバメートの溶液を、周囲温度で24時間撹拌し、次に、氷に注ぐ。水相を、アンモニア飽和水溶液で塩基性にし、酢酸エチルで徹底的に抽出する。合わせた有機抽出液を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させる。残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、4mLの塩酸と酢酸エチル(飽和)中で混ぜ合わせる。この溶液を蒸発させ、少量のエタノールと二回混合し、減圧下で蒸発させる。残留物をジイソプロピルエーテルで摩砕して、吸湿性の塩酸塩を得る。
収量: 2.60g(73%)。
中間生成物2: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-7-フルオロ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン
【0055】
【化13】

【0056】
a) 3-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)ペンタン-3-オール: 中間生成物1aと同様にして-78°Cのジクロロメタン中の2-アミノ-4-フルオロ安息香酸メチルエステルと臭化エチルマグネシウムを周囲温度に加熱しながら反応させることによって生成物を得る。収量: 4.1g(99%)。
【0057】
b) tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-5-フルオロフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: 3-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)ペンタン-3-オールとtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートから出発して中間生成物1bと同様にして生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=100:0→98:2)によって精製する。
収量: 7.70g(99%)。
【0058】
c) tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメート: tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-5-フルオロフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメートから出発して中間生成物1cと同様にして生成物を得る。収量: 4.20g(51%)。
【0059】
d) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-7-フルオロ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン: tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメートから出発して中間生成物1dと同様にして生成物を遊離塩基として調製する。
収量: 2.90g(96%); ESI-MS: [M+H]+ = 309。
中間生成物3: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オン
【0060】
【化14】

【0061】
a) 1-(2-ジベンジルアミノフェニル)シクロプロパノール:150mL THF中の18.5g(55.8ミリモル)のメチル2-ジベンジルアミノベンゾエート溶液に2.45mL(8.4ミリモル)のチタンテトライソプロポキシドを周囲温度で徐々に滴下する。1時間撹拌した後、40.9mL(122.7ミリモル)の臭化エチルマグネシウム(3M/ジエチルエーテル)を添加する。この混合液を1時間撹拌し、もう4mLの3モルの臭化エチルマグネシウム溶液を添加し、この混合液を2時間撹拌する。反応混合液を塩化アンモニウム飽和溶液と混ぜ合わせ、酢酸エチルで抽出する。水相を、透明な溶液が得られるまで1モルの塩酸と混ぜ合わせ、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム溶液及び塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物をクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル= 20:1)によって精製する。収量: 10.0g(54%)。
【0062】
b) 1-(2-アミノフェニル)シクロプロパノール: 9.90g(30.1ミリモル)の1-(2-ジベンジルアミノフェニル)シクロプロパノールを70mLのメタノールに溶解し、1gのパラジウム/木炭(10%)の存在下に3バールの水素圧で水素添加する。触媒を吸引ろ過によって除去し、ろ液を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィ(シリカゲル;シクロヘキサン/酢酸エチル= 5:1)によって精製する。収量: 1.80g(40%)。
【0063】
c) tert-ブチル{3-[2-(1-ヒドロキシシクロプロピル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: 1.77g(11.86ミリモル)の1-(2-アミノフェニル)シクロプロパノール及び3.15g(15.66ミリモル)のtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートから中間生成物1bに記載された方法と同様にして調製する。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)によって精製する。収量: 2.60g。
【0064】
d) tert-ブチル{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピル}カルバメート: 2.60g(7.74ミリモル)のtert-ブチル{3-[2-(1-ヒドロキシシクロプロピル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメートから出発して中間生成物1cと同様にして生成物を得る。ここでの違いは、カラムクロマトグラフィによる精製がないことである。収量: 2.60g。
【0065】
e) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オン: 3.10g(8.60ミリモル)のtert-ブチル{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピル}カルバメートと30mLのギ酸を反応させることによって中間体1dに記載された方法と同様にして得られる。黄色の油状物。収量: 2.10g(94%)。
中間生成物4: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン
【0066】
【化15】

【0067】
a)3-(2-アミノフェニル)ペンタン-3-オール: 130mLのTHF中の7.77mL(60ミリモル)の2-アミノメチル安息香酸の溶液にジエチルエーテル中の100mLの3モルの臭化エチルマグネシウム溶液を-40°Cで滴下する。この混合液を加熱しながら周囲温度に一晩撹拌し、塩化アンモニウム飽和溶液と混ぜ合わせ、1モルの塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。油状物が晶出し、直接反応させる。収量: 10.9g;質量分析: [M+H]+ = 180。
【0068】
b) tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: 18mLのメタノール中の5.70g(31.8ミリモル)の3-(2-アミノフェニル)ペンタン-3-オール及び2.63mL(47.7ミリモル)酢酸に3.16g(47.7ミリモル)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを周囲温度で添加する。次に、18mLメタノール中の7.04g(35ミリモル)のtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートの溶液を徐々に滴下する。添加が終了した後、この混合液を4時間撹拌し、1モルの塩酸(ガス発生)と混ぜ合わせ、次に、アンモニア水溶液で塩基性にする。酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去する。残留物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、0.1%アンモニアによるジクロロメタン/メタノール勾配)によって精製する。収量: 4.25g(37%); 質量分析: [M+H]+ = 365。
【0069】
c) tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメート: 35mLのTHF中の3.50g(9.6ミリモル)のtert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート及び3.37mL(24ミリモル)のトリエチルアミンの溶液に2.91g(9.6ミリモル)のトリホスゲンを0〜5°Cで添加する。この混合液を撹拌しながら周囲温度に一晩放置し、生じた沈殿を吸引ろ過する。ろ液を蒸発させ、残存する粗生成物を直接反応させる。
収量: 3.33g; 質量分析: [M+H]+ = 391。
【0070】
d) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン: 25mLのジクロロメタン中の3.20gのtert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメート(約75%)の溶液に25mLのトリフルオロ酢酸を、氷浴で冷却しながら滴下する。この混合液を周囲温度で2時間撹拌し、溶媒を留去し、酸残留物をトルエンで反復共蒸留することによって除去する。遊離塩基を遊離させるために、残留物を1モルの水酸化ナトリウム溶液と混ぜ合わせ、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発する。遊離塩基を8mLのメタノールに溶解し、エーテル塩酸と混ぜ合わせる。これを一晩撹拌し、生じた沈殿を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄する。収量: 2.15g(塩酸塩); 質量分析: [M+H]+ = 291。
中間生成物5: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オン
【0071】
【化16】

【0072】
a) 1-(2-ニトロフェニル)シクロヘキサノール: 150mLのTHF中の20.0g(80.32ミリモル)の2-ニトロヨードベンゼンの溶液(2M/THF)に40.16mL(80.32ミリモル)の塩化フェニルマグネシウムを窒素下-50°Cで滴下する。15分間撹拌した後、9.98mL(96.30ミリモル)のシクロヘキサノンを急速に添加する。反応混合液を周囲温度に加熱し、2時間撹拌し、塩化アンモニウム溶液と混ぜ合わせる。水相を分離し、酢酸エチルで徹底的に抽出する。合わせた有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=20:1)処理して生成物を得る。収量: 5.20g(29%); Rf = 0.26(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=10:1); ESI-MS:[M+H-H2O]+ = 204。
【0073】
b) 1-(2-アミノフェニル)シクロヘキサノール: 70mLのエタノール中の5.20g(16.45ミリモル)の1-(2-ニトロフェニル)シクロヘキサノールをラネーニッケルの存在下に周囲温度と3バールの水素圧で4時間水素添加する。触媒をセライトでろ別し、ろ液を減圧下で蒸発させる。残留物をヘキサンから沈殿させる。収量: 1.53g(49%); Rf = 0.38(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=4:1); ESI-MS: [M+H-H2O]+ = 174。
【0074】
c) tert-ブチル{3-[2-(1-ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: 1-(2-アミノフェニル)シクロヘキサノールとtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートから中間生成物1bと同様にしてこの化合物を得る。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=7:1)処理して生成物を得る。収量: 2.65g(66%); Rf = 0.50(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=4:1)。
【0075】
d) tert-ブチル{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピル}カルバメート: tert-ブチル{3-[2-(1-ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメートから中間生成物1cと同様にして調製する。収量: 2.60g(92%); Rf = 0.38(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル4:1)。
【0076】
e) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オン: tert-ブチル[1,1-ジメチル-3-(スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル)プロピル]カルバメートから中間生成物1dと同様にして調製する。収量: 1.80g(92%); Rf = 0.10(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア= 95:5:0.5); ESI-MS:[M+H]+ = 303。
中間生成物6: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-8-メトキシ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン
【0077】
【化17】

【0078】
a) 3-(2-アミノ-3-メトキシフェニル)ペンタン-3-オール: 中間生成物1aと同様にしてメチル2-アミノ-3-メトキシベンゾエートと臭化エチルマグネシウムをジクロロメタン中-78°C→RTで反応させることによって生成物を得る。収量: 5.20g(92%); HPLC-MS: Rt = 12.85分(方法A); ESI-MS:[M+H]+ = 210。
【0079】
b) tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: 3-(2-アミノ-3-メトキシフェニル)ペンタン-3-オールとtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートから出発して中間生成物1bと同様にして生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル=4:1)によって精製する。収量: 4.60g(47%)。
【0080】
c) tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメート: tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメートから出発して中間生成物1cと同様にして生成物を得る。収量: 4.60g(94%)。
【0081】
d) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-8-メトキシ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン: tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメートから出発して中間生成物1dと同様にして生成物を遊離塩基として得る。収量: 3.00g(93%); ESI-MS:[M+H]+ = 321。
中間生成物7: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン
【0082】
【化18】

【0083】
a) 3-(2-アミノ-5-フルオロフェニル)ペンタン-3-オール: メチル2-アミノ-5-フルオロベンゾエートと臭化エチルマグネシウムから中間生成物1aと同様にして調製する。得られた生成物をクロマトグラフィ(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル=8:1)によって精製する。収量: 6.00g(74%)。
【0084】
b) tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-4-フルオロフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: 3-(2-アミノ-5-フルオロフェニル)ペンタン-3-オールとtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートから出発して中間生成物1bと同様にして生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=6:1→2:1)によって精製する。収量: 4.50g(41%)。
【0085】
c) tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメート: tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-4-フルオロフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメートから中間生成物1cと同様にして調製する。ここでの違いは、カラムクロマトグラフィによる精製がないことである。収量: 4.8g。
【0086】
d) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン: tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメートから中間生成物1dと同様にして遊離塩基として目標化合物を調製する。収量: 3.00g(99%)。
中間生成物8: 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-6-メトキシ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン
【0087】
【化19】

【0088】
a) 3-(2-アミノ-5-メトキシフェニル)ペンタン-3-オール: 4.00g(22ミリモル)のメチル2-アミノ-5-メトキシベンゾエートと5当量の臭化エチルマグネシウムとをジクロロメタン中-78°C- > RTで反応させることによって生成物を得る。収量: 4.47g(97%)。
【0089】
b) tert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-4-メトキシフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメート: 4.45g(21ミリモル)の3-(2-アミノ-5-メトキシフェニル)ペンタン-3-オールと5.66g(28ミリモル)のtert-ブチル(1,1-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメートから中間生成物1bと同様にして調製する。収量: 6.00g(72%)。
【0090】
c) tert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメート: 6.00g(15.2ミリモル)のtert-ブチル{3-[2-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-4-メトキシフェニルアミノ]-1,1-ジメチルプロピル}カルバメートから中間生成物1cと同様にして生成物を調製する。収量: 3.10g(48%)。
【0091】
d) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-6-メトキシ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン: 3.10g(8.5ミリモル)のtert-ブチル[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]カルバメートから中間生成物1dと同様にして調製する。生成物を遊離塩基として単離し、塩酸塩に変換しない。収量: 2.20g(98%)。
【実施例7】
【0092】
N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0093】
【化20】

【0094】
a) N-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミド: 5mLのTHF中の200mg(0.564ミリモル)の1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジプロピル-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン塩酸塩の溶液に86μl(0.619ミリモル)のトリエチルアミンを窒素雰囲気下に周囲温度で添加する。この混合液を30分間撹拌し、218mg(0.575ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドを添加し、この混合液を周囲温度で更に2時間撹拌する。この混合物液を10°Cに冷却し、51mg(2.34ミリモル)の水素化ホウ素リチウムと混ぜ合わせ、周囲温度に加熱し、1時間撹拌する。再び10°Cに冷却し、15mLの水と20mLのジクロロメタンで希釈する。水相を分離し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させる。残留物を8mLの酢酸エチルに溶解し、塩酸の酢酸エチル飽和溶液を添加してpH 2の酸性にする。生じた沈殿をろ別し、酢酸エチルで洗浄し、蒸発させる。収量: 260mg(67%、塩酸塩)、HPLC: Rt = 19.8分(方法A)。
【0095】
b) N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド: 8mLのメタノール中の260mg(0.386ミリモル)のN-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩を26mgのパラジウム/木炭(10%)の存在下に周囲温度で水素添加する。触媒をセライトでろ別し、メタノールで洗浄する。ろ液を減圧下で蒸発させ、残留物をジエチルエーテルに撹拌する。
収量: 120mg(53%、塩酸塩); 質量分析: [M+H]+ = 548; HPLC: Rt = 14.7分(方法A)。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。この実施態様の(R)-エナンチオマーが本発明によれば特に重要である。
【実施例8】
【0096】
N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド
【0097】
【化21】

【0098】
a) N-[2-ベンジルオキシ-5-(2-{3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]-1,1-ジメチルプロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル]フェニル]メタンスルホンアミド: 250mg(0.66ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドと200 mg (0.66 ミリモル) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オンから実施例7aに記載された方法と同様にして調製する。ここでの違いは、塩酸塩として得られる生成物がクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製されることである。
収量: 190mg(46%)、HPLC: Rt = 17.8分(方法A)。
【0099】
b) N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド: 190mg(0.31ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-{3- [スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]-1,1-ジメチルプロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル]フェニル]メタンスルホンアミドを、実施例7bと同様にして水素添加する。触媒を分離した後、ろ液を溶媒から除去し、8mLの酢酸エチルと混ぜ合わせ、酢酸エチル中の塩酸を添加してpH 2の酸性にする。溶媒を留去し、残留物をジエチルエーテル中で撹拌し、ろ過する。収量: 40mg(23%、塩酸塩); 質量分析: [M+H]+ = 532; HPLC: Rt = 11.8分(方法A)。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーを当該技術において既知の一般法によって得ることができる。本発明のこの実施態様の(R)-エナンチオマーが特に重要である。
【実施例9】
【0100】
N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド
【0101】
【化22】

【0102】
a) N-[2-ベンジルオキシ-5-(2-{3- [スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]-1,1-ジメチルプロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル]フェニル]メタンスルホンアミド: 292mg(0.77ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドと200mg(0.77ミリモル)の1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オンを実施例7aと同様にして反応させ処理した。粗生成物を8mLの酢酸エチルと混ぜ合わせ、酢酸エチル中の塩酸でpH 2の酸性にする。溶媒を留去し、残留物をジエチルエーテル中で撹拌する。収量: 400mg(84%、塩酸塩)、HPLC: Rt = 15.2分(方法A)。
【0103】
b) N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド: 400mg(0.65ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-{3- [スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]-1,1-ジメチルプロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル]フェニル]メタンスルホンアミド塩酸塩から実施例1bと同様にして生成物を調製する。収量: 230mg(67%、塩酸塩); 質量分析: [M+H]+ = 490; HPLC: Rt = 8.9分(方法A)。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。本発明のこの実施態様の(R)-エナンチオマーが特に重要である。
【実施例10】
【0104】
N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド:
【0105】
【化23】

【0106】
379mg(1ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドと290mg(1 ミリモル)の1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オンを5mLエタノールに懸濁させ、70°Cに加熱する。得られた溶液を70°Cで1時間撹拌し、次に、周囲温度に冷却する。113mg(3ミリモル)の水素化ホウ素ナトリウムを添加した後、混合液を周囲温度で3時間撹拌し、0.7mLの炭酸カリウム飽和溶液と混ぜ合わせ、更に30分間撹拌する。この混合液を酸化アルミニウム(塩基性)によってろ過し、ジクロロメタン/メタノール(15:1)で繰り返し洗浄し、蒸発させる。このようにして得られた粗生成物をクロマトグラフィ(0-10%のメタノール/アンモニア=9:1 を有するジクロロメタン)によって精製する。このようにして得られたベンジルエーテルを10mLのメタノールに溶解し、1バールの水素圧で触媒としてパラジウム/木炭を用いて水素添加する。次に、触媒をろ別し、ろ液を蒸発させる。白色固体。収量: 338mg(2工程にわたって65%); 質量分析: [M+H]+ = 520。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。本発明のこの実施態様の(R)-エナンチオマーが特に重要である。(R)-N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩(アセトン分子によって共結晶化した)の旋光度は、-28.8°である(c = 1% 、メタノール中、20°C)。
【0107】
N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド (遊離塩基、結晶性):
2.50g(4.81ミリモル)のN-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドを、250mLメタノール中で加熱する。活性炭を添加し、混合液を珪藻土で熱ろ過する。次に、溶液を50mLまで蒸発させ、徐々に冷却する。沈殿した固形物を吸引ろ過し、メタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。収量: 1.11g; 質量分析[M+H]+ = 520; 融点= 168°C。
【実施例11】
【0108】
N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0109】
【化24】

【0110】
a) N-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミド: 実施例7aと同様にして246mg(0.65ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドと200mg(0.65ミリモル)の1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロベンゾ[D][1,3]オキサジン-2-オンを反応させる。一つの違いは、塩酸塩の調製が省略されることである。代わりに、遊離塩基がクロマトグラフィによって精製される(逆相(0.1%トリフルオロ酢酸によるアセトニトリル/水勾配)。
収量: 180mg(トリフルオロ酢酸塩)、HPLC: Rt = 17.4分(方法A)。
【0111】
b) N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド: 9mLのメタノール中の175mgのN-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミドトリフルオロ酢酸塩を40mgのラネーニッケルの存在下に周囲温度と3バールの水素圧で水素添加する。触媒をろ別し、ろ液を溶媒から除去する。
収量: 131mg(トリフルオロ酢酸塩); 質量分析: [M+H]+ = 538。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。本発明のこの実施態様の(R)-エナンチオマーが特に重要である。
【実施例12】
【0112】
N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0113】
【化25】

【0114】
a) N-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミド: 246mg(0.65ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドと200 mg (0.65 ミリモル) 1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-7-フルオロ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オンを実施例7aと同様にして反応させ処理する。違いは、塩酸塩の製造が省略され且つ遊離塩基がクロマトグラフィ(逆相、0.1%トリフルオロ酢酸によるアセトニトリル/水勾配)によって精製されることである。
収量: 220mg(トリフルオロ酢酸塩)、HPLC: Rt = 17.7分(方法A)。
【0115】
b) N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド: 210mgのN-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミドトリフルオロ酢酸塩から実施例11bと同様にして調製する。
収量: 154mg(トリフルオロ酢酸塩); 質量分析: [M+H]+ = 538。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。本発明のこの実施態様の(R)-エナンチオマーが特に重要である。
【実施例13】
【0116】
N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0117】
【化26】

【0118】
a) N-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミド: 実施例7aと同様にして237mg(0.625ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドと200mg(0.624ミリモル)の1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-8-メトキシ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オンを反応させる。粗生成物を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチル中の塩酸でpH 2の酸性にする。溶媒を留去し、残留物をジエチルエーテル中で撹拌する。次に、このようにして得られた塩酸塩(330mg)をクロマトグラフィによって精製する。
収量: 90mg(トリフルオロ酢酸塩)、HPLC: Rt = 17.6分(方法A)。
【0119】
b) N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド: 80mg(0.118ミリモル)のN-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミドトリフルオロ酢酸塩を、実施例11bと同様にして水素添加する。収量: 70mg(トリフルオロ酢酸塩); 質量分析: [M+H]+ = 550。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。本発明のこの実施態様の(R)-エナンチオマーが特に重要である。
【実施例14】
【0120】
N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0121】
【化27】

【0122】
a) N-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミド: 235mg(0.619ミリモル)のN-[2-ベンジルオキシ-5-(2-エトキシ-2-ヒドロキシアセチル)フェニル]メタンスルホンアミドと200mg(0.624ミリモル)の1-(3-アミノ-3-メチルブチル)-4,4-ジエチル-6-メトキシ-1,4-ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オンを、実施例7aと同様にして反応させる。一つの違いは、粗生成物が塩酸塩として沈殿せず、クロマトグラフィ(逆相、0.1%トリフルオロ酢酸によるアセトニトリル/水勾配)によって精製されることである。
収量: 150mg(トリフルオロ酢酸塩)、HPLC: Rt = 16.9分(方法A)。
【0123】
b) N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド: N-(2-ベンジルオキシ-5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}フェニル)メタンスルホンアミドトリフルオロ酢酸塩から実施例11bと同様にして目標化合物を調製する。灰色の固形物。質量分析: [M+H]+ = 550。
この実施態様の(R)-及び(S)-エナンチオマーは、当該技術において既知の一般法によって得ることができる。本発明のこの実施態様の(R)-エナンチオマーが特に重要である。
【0124】
塩の合成
一般的には、以下の方法を用いて式1の化合物を調製することができる。
a) 臭化水素酸塩: 1.02ミリモルの式1の化合物の遊離塩基を3mLのアセトンに懸濁させ、1mLのアセトン中の170μL(1.01ミリモル)の48%臭化水素酸と混ぜ合わせる。得られた溶液に充分なジエチルエーテルを添加して、黄色の油状物を沈殿させる。油状物を分離し、2mLのアセトンに溶解し、少量の酢酸エチルで希釈し、結晶化助剤と混合する。沈殿した塩をろ別し、酢酸エチル及びジエチルエーテルで洗浄する。次に、固形物をアセトニトリルから再結晶する。収量: 約75%、融点: 145±5°C。
【0125】
b) 塩酸塩: 2.05ミリモルの式1の化合物の遊離塩基を7mLのアセトンに懸濁させ、550μlのアセトン中の506μl(2.02ミリモル)の4モルの塩酸と混ぜ合わせると、透明な溶液が生じる。結晶化助剤を添加した後、合計7mLのジエチルエーテルを滴下する。3時間後に沈殿した固形物を分離し、ジエチルエーテルで洗浄し、40°Cで乾燥する。次に、固形物を数滴の水を添加してアセトニトリルから再結晶させ、ろ過し、再びジエチルエーテルで洗浄する。収量: 46%、融点: 162±3°C
【0126】
c) 塩酸塩: 1.92ミリモルの式1の化合物の遊離塩基を、7mLのアセトンに懸濁させ、1mLのアセトン中の200μl(1.76ミリモル)の32%塩酸と混ぜ合わせる。透明な溶液が生じ、結晶化助剤を添加した後に固形物が沈殿する。この溶液をジエチルエーテルで希釈し、ろ過する。固形物をアセトン/ジエチルエーテルで洗浄し、アセトニトリルから再結晶する。収量: 73%.
【0127】
上文に記載される方法によって下で指定される化合物を調製することができる:
実施例1.1a - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(4-メチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.2a - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.3a - N-(5-{2-[3-(4-エチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.4a - N-(5-{2-[3-(4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.5a - N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチルフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
【0128】
実施例1.6a - N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-メトキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチルフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.7a - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.8a - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.9a - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.10a - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
【0129】
実施例1.11a - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.12a - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.13a - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
実施例1.14a - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド臭化水素酸塩
【0130】
実施例1.1b - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(4-メチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.2b - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.3b - N-(5-{2-[3-(4-エチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.4b - N-(5-{2-[3-(4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.5b - N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチルフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
【0131】
実施例1.6b - N-(2-ヒドロキシ-5-{1-ヒドロキシ-2-[3-(6-メトキシ-4,4-ジメチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]エチルフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.7b - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.8b - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド塩酸塩
【0132】
実施例1.9b - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.10b - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
【0133】
実施例1.11b - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.12b - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.13b - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
実施例1.14b - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
化合物1.1a、1.2a、1.3a、1.4a、1.5a、1.6a,1.7a、1.8a、1.9a、1.10a、1.11a、1.12a、1.13a、1.14a、1.1b、1.2b、1.3b、1.4b、1.5b、1.6b,1.7b、1.8b、1.9b、1.10b、1.11b、1.12b、1.13b、1.14bのR-エナンチオマーが好ましい。
【0134】
実施例10及びその塩のX線粉末ダイアグラム
測定に用いられるX線粉末回折計のパラメータ:
湾曲ゲルマニウム(111)一次モノクロメータによる透過方式の位置高感度検出器を有するSTOE Stadi P X線粉末回折計; 使用波長: CuKα1、λ= 1.540598オングストローム; X線管の電力吸収: 40kV、40mA; 吸収域: 3-40 °2θ~
以下の表は、指定される実施例の強度(標準化、〜40°2θ)を有する特性X線反射を示すものである。対応するダイアグラム(図1-図3)は、添付の図面に見ることができる。
当業者には既知であるように、反射の強度は試料の調製によって変動する場合がある。下で指定される強度は、上述の実施例の測定時に見られたものであり、他の測定に導入することができない。
【0135】
表1: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドの遊離塩基の強度(標準化)を有するX線反射(〜30°2θ)

【0136】
表2: N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドのモノ塩酸塩の強度(標準化)を有するX線反射(〜30°2θ)

【0137】
表3:N-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドの遊離塩基のモノ臭化水素酸塩の強度(標準化)を有するX線反射(〜30°2θ)

【0138】
実施例10及びその塩の熱分析(DSC/TG)
用いられる熱分析DSCデバイスに関する技術データ: DSC 822 Mettler Toledo製; 加熱速度: 10K/分; るつぼの種類: 穴のあいたアルミニウムるつぼ; 雰囲気: N2、80ml/分のフラックス; 典型的な質量: 3-10mg。
用いられる熱分析TGデバイスに関する技術データ: 排除した揮発性画分を分析するIR連結(Nicolet FT-IR 4700)Mettler Toledo製のTGA/SDTA 851; 加熱速度: 10K/分; るつぼの種類: 開放酸化アルミニウムるつぼ; 雰囲気: N2、20ml/分のフラックス; 典型的な質量: 15-25mg。
DSCで測定された融点は、実施例に明記されている。対応するダイアグラム(図4-図6)は、添付の図面に見ることができる。
組成物
【0139】
式1の化合物は、単独で又は式1の他の活性物質と組合わせて用いることができる。所望される場合には、式1の化合物は、Wと組み合わせて用いてもよく、Wは薬理的に活性な物質を示し、(例えば)β模倣薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド剤、PDE4阻害剤、LTD4拮抗薬、EGFR阻害剤、ドーパミン作動薬、H1抗ヒスタミン剤、PAF拮抗薬及びPI3-キナーゼインヒビターより選ばれる。更に、式1の化合物とWとの二元又は三元組成物を組み合わせてもよい。Wの組成物は、例えば、以下である場合がある:
- Wは、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤又はLTD4拮抗薬と組み合わせた、β模倣薬を示す、
- Wは、β模倣薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤又はLTD4拮抗薬と組み合わせた、抗コリン作用薬を示す、
- Wは、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤又はLTD4拮抗薬と組み合わせた、コルチコステロイドを示す、
- Wは、EGFR阻害剤又はLTD4拮抗薬と組み合わせた、PDE4阻害剤を示す、
- Wは、LTD4拮抗薬と組み合わせた、EGFR-阻害剤を示す。
【0140】
β模倣薬として用いられる化合物は、好ましくは、アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、CHF-1035、HOKU-81、KUL-1248及び
- 3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルフェニル)エチルアミノ]ヘキシルオキシ}ブチル)ベンジルスルホンアミド
- 5-[2-(5.6-ジエチルインダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシエチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン
- 4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン
- 1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール
- 1-[3-(4-メトキシベンジルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール
- 1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2プロピルアミノ]エタノール
- 1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2プロピルアミノ]エタノール
- 1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール
- 1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール
- 5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンゾキサジン-3-(4H)-オン
- 1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert-ブチルアミノ)エタノール
- 6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
- 6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(エチル4-フェノキシアセテート)-1,1-ジメチルエチルアミノ]エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0141】
- 6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-フェノキシ酢酸)-1,1-ジメチルエチルアミノ]エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
- 8-{2-[1,1-ジメチル-2-(2.4.6-トリメチルフェニル)エチルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
- 6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
- 6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-イソプロピルフェニル)-1.1-ジメチルエチルアミノ]エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
- 8-{2-[2-(4-エチルフェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン- 8-{2-[2-(4-エトキシフェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
- 4-(4-{2-[2-ヒドロキシ-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3.4-ジヒドロ2H-ベンゾ[1,4]オキサジン-8-イル)エチルアミノ]-2-メチルプロピル}フェノキシ)酪酸
- 8-{2-[2-(3.4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
- 1-(4-エトキシカルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert-ブチルアミノ)エタノール
より選ばれる化合物であり、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形であってもよく、また、必要により、これらの薬理的に許容され得る酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形であってもよい。本発明によれば、β模倣薬の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩より選ばれる。
【0142】
用いられる抗コリン作用薬は、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくはブロマイド塩、オキシトロピウム塩、好ましくはブロマイド塩、フルトロピウム塩、好ましくはブロマイド塩、イプラトロピウム塩、好ましくはブロマイド塩、グリコピロニウム塩、好ましくはブロマイド塩、トロスピウム塩、好ましくはクロリド塩より選ばれる。
上述の塩において、カチオンは、薬理的に活性な成分である。
アニオンとして上述の塩は、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、硝酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸又はp-トルエンスルホン酸を含有する場合があり、対イオンとして、塩素、臭素、ヨウ素、硫酸、メタンスルホン酸又はp-トルエンスルホン酸が好ましい。全ての塩の中で、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
他の好ましい抗コリン作用薬は、下記式AC-1の塩より選ばれ、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又は水和物の形で選ばれてもよい
【0143】
【化28】

【0144】
(式中、X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるアニオン、好ましくは1個の負電荷をもつアニオン、特に好ましくは、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、メタンスルホン酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるアニオン、特に好ましくは臭素アニオンである)。
下記式AC-1-eneのエナンチオマーを含有する医薬組成物が特に重要である
【0145】
【化29】

【0146】
(式中、X - は上述の意味を有するものである)。
他の好ましい抗コリン作用薬は、下記式AC-2の塩より選ばれる
【0147】
【化30】

【0148】
(式中、Rはメチルか又はエチルを示し、X - は上述の意味を有するものである)。
別の実施態様において、式AC-2の化合物は、遊離塩基AC-2-baseの形で存在する場合がある
【0149】
【化31】

【0150】
他の指定される化合物は以下の化合物である:
- トロペノール2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、
- スコピン2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、
- スコピン2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロマイド、
- トロペノール2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロマイド;
- トロペノール3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、
- スコピン3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、
- トロペノール4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、
- スコピン4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、
- トロペノール3,3'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、
- スコピン3,3'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド;
- トロペノール9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- スコピン9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- スコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロマイド;
- シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロマイド;
- シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- シクロプロピルトロピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- シクロプロピルトロピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- シクロプロピルトロピンメチル4,4'-ジフルオロベンジレートメトブロマイド;
- トロペノール9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- スコピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- トロペノール9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- スコピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- トロペノール9-エチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- トロペノール9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド;
- スコピン9-ヒドロキシメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド。
【0151】
本発明の範囲内の塩として、上述の化合物が用いられてもよく、メトブロマイドの代わりに塩メト-Xが用いられ、ここで、Xは、上文でX - に示された意味を有するものものである。
コルチコステロイド剤として、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコートプロピオネート、フルニソリド、ベクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、デキサメタゾン、ベタメタゾン、デフラザコート、RPR-106541、NS-126、ST-26及び
- (S)-フルオロメチル6,9-ジフルオロ-17-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオネート
- (S)-(2-オキソテトラヒドロフラン-3S-イル)6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-17-プロピオニルオキシアンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオネート、
−エチプレドノールジクロロアセテート
より選ばれ、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形で、また、必要により、これらの塩及び誘導体、これらの溶媒和物及び/又は水和物の形で選ばれてもよい化合物が好ましい。ステロイド剤について述べることは、存在することがあり得るいかなる塩又は誘導体、これらの水和物又は溶媒和物にもあてはまる。ステロイド剤の可能な塩及び誘導体の例は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフラン酸塩である場合がある。
【0152】
用いることができるPDE4阻害剤は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アロフィリン、アチゾラム、D-4418、Bay-198004、BY343、 CP-325.366、D-4396 (Sch-351591)、AWD-12-281(GW-842470)、NCS-613、CDP-840、D-4418、PD-168787、T-440、T-2585、V-11294A、Cl-1018、CDC-801、CDC-3052、D-22888、YM-58997、Z-15370及び
- N-(3,5-ジクロロ-1-オキソピリジン-4-イル)-4-ジフルオロメトキシ-3-シクロプロピルメトキシベンズアミド、
- (-)p-[(4aR*,10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド、
- (R)-(+)-1-(4-ブロモベンジル)-4-[(3-シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリドン、
- 3-(シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-1-(4-N'-[N-2-シアノ-S-メチルイソチオウレイド]ベンジル)-2-ピロリドン、
- cis[4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸]、
- 2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン、
- cis[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]、
- (R)-(+)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]酢酸塩、
- (S)-(-)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]酢酸塩、
- 9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(2-チエニル)-9H-ピラゾロ[3,4 c]-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、
- 9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(tert-ブチル)-9H-ピラゾロ[3,4 c]-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジンより選ばれ、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形で、また、必要により、これらの薬理的に許容され得る酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形で選ばれてもよい化合物である。本発明によれば、β模倣薬の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩より選ばれる。
【0153】
LTD4拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC-847(ZD-3523)、MN-001、MEN-91507(LM-1507)、VUF-5078、VUF-K-8707、L-733321及び
- 1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エテニル)フェニル)-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン-酢酸、
- 1-(((1(R)-3(3-(2-(2,3-ジクロロチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸、
- [2-[[2-(4-tert-ブチル-2-チアゾリル)-5-ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸
より選ばれ、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形で、また、必要により、これらの薬理的に許容され得る酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形で選ばれてもよい化合物が用いられる。本発明によれば、β模倣薬の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、オキサル酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩より選ばれる。LTD4拮抗薬が、必要により、形成することができてもよい塩又は誘導体は、例えば: アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフラン酸塩を意味する。
【0154】
EGFR阻害剤は、好ましくは、セツキシマブ、トラスツズマブ、ABX-EGF、Mab ICR-62及び
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジエチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(R)-(1-フェニルエチル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ]キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-2-メトキシメチル-6-オキソモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[2-((S)-6-メチル-2-オキソモルホリン-4-イル)エトキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシキナゾリン、
- 4-[(R)-(1-フェニルエチル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ビス(2-メトキシエチル)-アミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(R)-(1-フェニルエチル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシエチル)-N-エチルアミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(R)-(1-フェニルエチル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(R)-(1-フェニルエチル)アミノ]-6-({4-[N-(テトラヒドロピラン-4-イル)-N-メチルアミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-((R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)キナゾリン、
【0155】
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロペンチルオキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N-シクロプロピル-N-メチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(R)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6,7-ビス-(2-メトキシエトキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[3-(モルホリン-4-イル)プロピルオキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]キナゾリン、
- 4-[(R)-(1-フェニルエチル)アミノ]-6-(4-ヒドロキシフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
- 3-シアノ-4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-エトキシキノリン、
- 4-{[3-クロロ-4-(3-フルオロベンジルオキシ)フェニル]アミノ}-6-(5-{[(2-メタンスルホニル-エチル)アミノ]メチル}-フラン-2-イル)キナゾリン、
- 4-[(R)-(1-フェニルエチル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N,N-ビス(2-メトキシエチル)アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-yl}アミノ)-7-[(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]キナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-{[4-(5,5-ジメチル-2-オキソモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソモルホリン-4-イル)エトキシ]-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソモルホリン-4-イル)エトキシ-7-[(R)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソモルホリン-4-yl)エトキシ]-6-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-yl)メトキシ]キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{2-[4-(2-オキソモルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]エトキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシキナゾリン、
【0156】
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(トランス-4-アミノシクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メタンスルホニルアミノシクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-3-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-メチルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(メトキシメチル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(ピペリジン-3-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(2-アセチルアミノエチル)ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-エトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-7-ヒドロキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシエトキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(モルホリン-4-イル)カルボニルアミノ]シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(モルホリン-4-イル)スルホニルアミノ]シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-アセチルアミノエトキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-メタンスルホニルアミノエトキシ)キナゾリン、
【0157】
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-アミノカルボニルメチルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(テトラヒドロピラン-4-イル)カルボニル]-N-メチルアミノ}シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-N-メチルアミノ}シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)スルホニル]-Nメチル-アミノ}シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(トランス-4-エタンスルホニルアミノシクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イルオキシ)-7-エトキシキナゾリン、- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシエトキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(2-メトキシアセチル)ピペリジン-4-イルオキシ]-7-(2-メトキシ-エトオキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(シス-4-アセチルアミノシクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ]-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]-N-メチルアミノ}シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(シス4-{N-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-N-メチルアミノ}シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{シス-4-[(モルホリン-4-イル)カルボニルアミノ]シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
【0158】
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-(2-メトキシ-エトキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-(1-アセチルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-(1-メチルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
-4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-メチルピペリジン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシエトキシ)キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-イソプロピルオキシカルボニルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(シス-4-メチルアミノシクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{シス-4-[N-(2-メトキシアセチル)-N-メチルアミノ]シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-(ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-[1-(2-メトキシアセチル)ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(シス-2.6-ジメチルモルホリン-4-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(2-メチルモルホリン-4-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(S,S)-(2-オキサ-5-アザビシクロ[2,2,1]ヘプタ-5-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(N-メチルN-2-メトキシエチルアミノ)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
【0159】
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-エチルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(2-メトキシエチル)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{1-[(3-メトキシプロピルアミノ)カルボニル]ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-メタンスルホニル-N-メチルアミノ)シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-アセチル-N-メチルアミノ)シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メチルアミノシクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[トランス-4-(N-メタンスルホニル-Nメチル-アミノ)シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(トランス-4-ジメチルアミノシクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(トランス4-{N-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-N-メチルアミノ}シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソモルホリン-4-イル)エトキシ]-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]キナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシキナゾリン、
- 4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-(1-シアノピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
より選ばれ、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形で、また、必要により、これらの薬理的に許容され得る酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形で選ばれてもよい化合物を用いることができる。本発明によれば、β模倣薬の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩より選ばれる。
【0160】
ドーパミン作動薬は、好ましくは、ブロモクリプチン、カベルゴリン、アルファ-ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリド及びビオザンより選ばれる化合物、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形で、また、必要により、これらの薬理的に許容され得る酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形で選ばれてもよい化合物を用いることができる。本発明によれば、β模倣薬の好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩より選ばれる。
【0161】
H1抗ヒスタミン剤は、好ましくは、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、デクスクロルフェニラミン、フェニラミン、ドキシルアミン、クロロフェノキシアミン、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラチジン及びメクリジンより選ばれ、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形で、また、必要により、これらの薬理的に許容され得る酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形で選ばれてもよい化合物を用いることができる。本発明によれば、β模倣薬の好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩より選ばれる。
【0162】
PAF拮抗薬は、好ましくは、
- 4-(2-クロロフェニル)-9-メチル-2-[3(4-モルホリニル)-3-プロパノン-1-イル]-6H-チエノ-[3,2-f]-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン
- 6-(2-クロロフェニル)-8,9-ジヒドロ-1-メチル-8-[(4-モルホリニル)カルボニル]-4H,7H-シクロペンタ-[4,5]チエノ-[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン、
より選ばれ、必要により、これらのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形で、また、必要により、これらの薬理的に許容され得る酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形で選ばれてもよい化合物が用いられる。本発明によれば、β模倣薬の好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩より選ばれる。
【0163】
製剤
式1の化合物1を投与するのに適切な製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、坐薬、液剤、散剤等が挙げられる。一つ又は複数の医薬的に活性な化合物は、全体として0.05〜90質量%、好ましくは0.1〜50質量%の範囲でなければならない。適切な錠剤は、例えば、一つ又は複数の活性物質と既知の賦形剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトースのような不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸のような崩壊剤、デンプン又はゼラチンのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム又はタルクのような滑沢剤及び/又はカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース又はポリ酢酸ビニルのような遅延放出剤とを混合することによって得ることができる。錠剤は、また、数層を含む場合がある。
【0164】
コーティング錠は、従って、錠剤と同様にして製造されたコアを錠剤コーティングに通常用いられる物質、例えば、コリドン又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することによって調製することができる。遅延放出を達成するか又は禁忌を防止するために、コアは多くの層からなってもよい。同様に、錠剤コーティングは、遅延放出を達成するために多くの層をからなってもよく、おそらく錠剤のための上述の賦形剤を用いてもよい。
本発明の活性物質又は活性物質の組合わせを含有するシロップ剤又はエレキシル剤は、更に、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖のような甘味剤及び香味増強剤、例えば、バニラ又はオレンジのエキスのような香味剤を含有することができる。また、懸濁液補助剤又は増粘剤、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含有することができる。
【0165】
液剤は、通常の方法で、例えば、等張剤、防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート、又は安定剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩の添加によって、必要により、乳化剤及び/又は分散剤を用いて調製され、例えば、希釈剤として水が用いられる場合には、有機溶媒が、必要により、溶解剤又は溶解助剤として用いられてもよく、液剤が注射バイアル又はアンプル又は注入びんに移される。
【0166】
本発明の式1の化合物を含有するカプセル剤は、例えば、活性物質と不活性担体、例えば、ラクトース又はソルビトールとを混合するとともにゼラチンカプセルにそれらを装填することによって調製することができる。適切な坐薬は、このために供給される担体、例えば、中性脂肪又はポリエチレングリコール又はこれらの誘導体と混合することによって製造することができる。
用いることができる賦形剤としては、例えば、水、パラフィンのような医薬的に許容され得る有機溶媒(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度に分散したケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、甘ショ糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
【0167】
経口使用のために、錠剤が、指定した担体に加えて、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムのような添加剤をデンプン、好ましくはポテトデンプン、ゼラチン等の種々の添加剤と共に含有することは当然のことである。ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤は、錠剤を製造するために用いることができる。水性懸濁液剤の場合、活性物質は、前述の賦形剤に加えて種々の香味増強剤又は着色剤と組合わせることができる。
呼吸器疾患の治療のための式1の化合物の好ましい使用において、吸入によって投与することができる製剤又は医薬製剤を用いることは、本発明によれば特に好ましい。吸入用製剤としては、吸入用散剤、噴射剤を含有する定量エアゾール剤又は噴射剤を含有しない吸入用液剤が挙げられる。本発明の範囲内の用語噴射剤を含有しない吸入用溶液は、濃縮物又は用時調製吸入用滅菌溶液が含まれる。
【0168】
本発明の結晶形で特に好ましく用いられる式1の化合物は、好ましくは、吸入用粉末を調製するために用いられる。本発明に用いることができる吸入用粉末は、式1の結晶性化合物を単独で又は適切な生理的に許容され得る賦形剤と混合して含有することができる。
活性物質が生理的に許容され得る賦形剤と混合して存在する場合には、本発明の吸入用粉末を調製するために次の生理的に許容され得る賦形剤: 単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクロース、サッカロース、マルトース、トレハロース)、オリゴ糖類又は多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤の混合物を用いてもよい。好ましくは単糖類又は二糖類が用いられ、ラクトース、トレハロース又はグルコースの使用が好ましく、特に、全部ではないが水和物の形で用いられる。本発明のためにラクトースが特に好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が特に最も好ましい。
【0169】
本発明の吸入用粉末の範囲内で賦形剤の最大平均粒径は、250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmである。場合によっては、上述の賦形剤に平均粒径が1〜9μmの微細な賦形剤部分を加えることが適切であると思われることがある。これらの微細な賦形剤は、可能な上記賦形剤の群より選ばれる。最後に、本発明の吸入用粉末を調製するために、平均粒径が、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmの微粉化活性物質が賦形剤混合物に添加される。粉砕し微粉化し、最後にこれらの成分を共に混合することによる、本発明の吸入用粉末を製造する方法は、従来技術から既知である。
本発明の吸入用粉末は、従来の技術から既知の吸入器を用いて投与することができる。
本発明の噴射剤ガスを含有する吸入エアゾールは、噴射剤ガスに溶解した又は分散した形の活性物質を含有することができる。吸入エアゾールを調製するために用いることができる噴射剤ガスは、従来の技術から既知である。適切な噴射剤ガスは、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタンのような炭化水素及びメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体のようなハロゲン炭化水素より選ばれる。上述の噴射剤ガスは、それだけで又はその混合物で用いることができる。特に好ましい噴射剤ガスは、TG134a、TG227及びこれらの混合物より選ばれたハロゲン化アルカン誘導体である。
【0170】
噴射剤駆動吸入エアゾールは、共溶媒、安定剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤又はpH調整剤のような他の成分を含むことができる。これらの成分はすべて当該技術において既知である。
上述の本発明の噴射剤駆動吸入エアゾールは、当該技術において既知の吸入器(MDI = 定量吸入器)を用いて投与することができる。
本発明の化合物の用量は、投与方法及び治療される疾患に非常に左右されることは当然のことである。吸入によって投与される場合、式の化合物は、μg範囲の投与量でさえ大きい効力が確認される。式の化合物は、また、μg範囲を超えて効果的に用いることができる。そのとき、用量は、例えば、ミリグラム範囲である場合がある。
他の態様において、本発明は、式1の化合物を含有することを特徴とする、このように上述の医薬製剤、特に好ましくは吸入によって投与される上述の医薬製剤に関する。
以下の製剤の実施例は、本発明の範囲を制限することなく本発明を具体的に説明すものである:
【0171】
医薬製剤の実施例
A)
錠剤 一錠当たり
活性物質 100mg
ラクトース 140mg
コーンスターチ 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
微細に粉砕した活性物質、ラクトース及びコーンスターチの一部を、一緒に混合する。この混合物を篩過し、次に、水中のポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混練し、湿潤顆粒状にし、乾燥する。顆粒、残りのコーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムを篩過し、一緒に混合する。混合物を圧縮して、適切な形状とサイズの錠剤を製造する。
【0172】
B)
錠剤 一錠当たり
活性物質 80mg
コーンスターチ 190mg
ラクトース 55mg
ミクロクリスタリンセルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
カルボキシメチルデンプンナトリウム 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
微細に粉砕した活性物質、コーンスターチの一部、ラクトース、ミクロクリスタリンセルロース及びポリビニルピロリドンを、一緒に混合し、混合物を篩過し、残りのコーンスターチと水で処理して、顆粒を形成し、これを乾燥し、篩過する。カルボキシメチルデンプンナトリウムとステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、混合物を圧縮して、適切なサイズの錠剤を形成する。
【0173】
C)
コーティング錠 一コーティング錠当たり
活性物質 5 mg
コーンスターチ 41.5mg
ラクトース 30 mg
ポリビニルピロリドン 3 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
80 mg
活性物質、コーンスターチ、ラクトース及びポリビニルピロリドンを、充分に混合し、水で湿らせる。湿った塊を、1mmのメッシュサイズを有するスクリーンに通過させ、約45°Cで乾燥し、次に、顆粒を同じスクリーンに通過させる。ステアリン酸マグネシウムを混合した後、直径が6mmの凸面錠剤コアを、錠剤成形機で圧縮する。このように製造した錠剤コアを、本質的に砂糖とタルクからなる覆いで既知の方法で被覆する。仕上げコーティング錠を、ワックスで研磨する。
【0174】
D)
カプセル 一カプセル当たり
活性物質 50 mg
コーンスターチ 268.5mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
320 mg
物質とコーンスターチを混合し、水で湿させる。湿った塊を篩過し、乾燥する。乾いた顆粒を篩過し、ステアリン酸マグネシウムと混合する。仕上げ混合物を、サイズ1の硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0175】
E)
アンプル溶液
活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用水 5ml
活性物質は、それ自体のpHか又は必要によりpH 5.5〜6.5の水に溶解し、塩化ナトリウムを添加して等張にする。得られた溶液をろ過して発熱物質を除去し、ろ液を無菌条件下でアンプルに移し、次に、滅菌し、融着して密封する。アンプルは、5mg、25mg及び50mgの活性物質を含有する。
【0176】
F)
坐剤
活性物質 50mg
固形脂肪 1650mg
1700mg
固い脂肪を融解する。40°Cで、粉砕した活性物質をその中に均一に分散させる。38°Cに冷却し、わずかに冷却した坐剤の金型に注入する。
【0177】
G)
経口懸濁液
活性物質 50mg
ヒドロキシエチルセルロース 50mg
ソルビン酸 5mg
ソルビトール(70%) 600mg
グリセロール 200mg
香味剤 15mg
水全量 5ml
蒸留水を70°Cに加熱する。ヒドロキシエチルセルロースを撹拌しながらその中に溶解する。ソルビトール溶液とグリセロールを添加した後、製剤を周囲温度に冷却する。周囲温度で、ソルビン酸、香味剤及び物質を、添加する。懸濁液を撹拌しながら排気し、いかなる空気も排除する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物
【化1】

(式中、R1及びR2は、互いに独立してH、ハロゲン又はC1-4アルキルを示すか又は一緒になってC1-6アルキレンを示し;
R3は、H、ハロゲン、OH、C1-4アルキル又はO-C1-4アルキルを示し;
Ym-は、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、プロパンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mは、1又は2を示す)。
【請求項2】
R1及びR2が、同じでも異なってもよく、水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、プロピル、ブチルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3が、水素、フッ素、塩素、OH、メチル、エチル、メトキシ、又はエトキシを示し;
Ym-が、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mが、1又は2を示す;
請求項1に記載の式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物。
【請求項3】
R1及びR2が、同じでも異なってもよく、水素、メチル、エチル、プロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3が、水素、フッ素、OH、又はメトキシを示し;
Ym-が、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mが、1又は2を示す;
請求項1又は2に記載の式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物。
【請求項4】
R1及びR2が、同じでも異なってもよく、エチル、プロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3が、水素、フッ素、OH、メチル又はメトキシを示し;
Ym-が、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mが、1又は2を示す;
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物。
【請求項5】
R1及びR2が、エチル又はプロピルを示すか又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3が、水素、フッ素、OH、メチル又はメトキシを示し;
Ym-が、m負電荷を有するアニオン、好ましくは、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、安息香酸アニオン、クエン酸アニオン、サリチル酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、エタンジスルホン酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるm負電荷を有するアニオンを示し;
mが、1又は2を示す;
請求項1〜4のいずれか1項に記載の式1の鏡像異性的に純粋な化合物、必要により、その互変異性体、互変異性体の混合物、水和物又は溶媒和物の形であってもよい化合物。
【請求項6】
結晶形で存在し、必要により、その結晶性互変異性体、結晶性水和物又は結晶性溶媒和物の形で存在してもよいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式1の鏡像異性的に純粋な化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のN-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドモノクロリド。
【請求項8】
吸熱が162°Cで最大であることを特徴とする、請求項7に記載の結晶性化合物。
【請求項9】
d = 5.82オングストローム、5.78オングストローム、5.43オングストローム及び3.99オングストロームにおいてX線反射を有することを特徴とする、請求項7又は8に記載の結晶性化合物。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のN-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミドモノブロマイド。
【請求項11】
吸熱が145°Cで最大であることを特徴とする、請求項10に記載の結晶性化合物。
【請求項12】
d = 5.89オングストローム、5.81オングストローム、5.48オングストローム、4.59オングストローム及び4.03オングストロームにおいてX線反射を有することを特徴とする、請求項10又は11に記載の結晶性化合物。
【請求項13】
医薬組成物としての請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の鏡像異性的に純粋な化合物。
【請求項14】
呼吸器疾患の治療用医薬組成物を調製するための請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の鏡像異性的に純粋な化合物の使用。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物を含有することを特徴とする、医薬製剤
【請求項16】
式1-baseの鏡像異性的に純粋な溶媒を含まない結晶形の化合物
【化2】

(式中、R1及びR2は、同じでも異なってもよく、好ましくは同じであり、エチル又はプロピルを示すか、又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3は、水素、フッ素、塩素、OH、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示す)。
【請求項17】
R1及びR2が、同じでも異なってもよく、好ましくは同じであり、エチル又はプロピルを示すか、又は一緒になって-CH2-CH2、-CH2-CH2-CH2-CH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-を示し;
R3が、水素、フッ素、OH、メチル又はメトキシ、好ましくは水素を示す、
請求項16に記載の式1-baseの鏡像異性的に純粋な溶媒を含まない結晶形の化合物。
【請求項18】
下記の式の請求項16又は17に記載の鏡像異性的に純粋な溶媒を含まない結晶形の化合物
1.7-base - N-(5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-4,4-ジプロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)プロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.8-base - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロヘキサン-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド
1.9-base - N-[5-(2-{1,1-ジメチル-3-[スピロ(シクロプロピル-1,4'-2H-3',1'-ベンゾキサジン)-2'-オキソ-1-イル]プロピルアミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド
1.10-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.11-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.12-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-7-フルオロ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.13-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-8-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド
1.14-base - N-(5-{2-[3-(4,4-ジエチル-6-メトキシ-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド。
【請求項19】
請求項16〜18のいずれか1項に記載の鏡像異性的に純粋な溶媒を含まない結晶性のN-(5-{(R)-2-[3-(4,4-ジエチル-2-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-1-イル)-1,1-ジメチルプロピルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド。
【請求項20】
吸熱が168°Cで最大であることを特徴とする、請求項19に記載の結晶性化合物。
【請求項21】
d = 18.56オングストローム、8.14オングストローム及び6.31オングストロームにおいてX線反射を有することを特徴とする、請求項19又は20に記載の結晶性化合物。
【請求項22】
医薬組成物としての請求項16〜21のいずれか1項に記載の式1-baseの鏡像異性的に純粋な化合物。
【請求項23】
呼吸器疾患の治療用医薬組成物を調製するための請求項16〜21のいずれか1項に記載の式1-baseの鏡像異性的に純粋な化合物の使用。
【請求項24】
請求項16〜21のいずれか1項に記載の式1-baseの化合物を含有することを特徴とする、医薬製剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−501522(P2010−501522A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525052(P2009−525052)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058654
【国際公開番号】WO2008/023004
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】