説明

長寿命および低消費電力のRGBWOLEDディスプレイ

【課題】寿命延長および/または消費電力低減を実現できる赤色、緑色、青色および白色(RGBW)OLEDを提供すること。
【解決手段】少なくとも1つの有機発光デバイスを有する第1の光源を含む第1のデバイスが提示され、この有機発光デバイスは、6504K未満の相関色温度(CCT)を有する近白色光を放出できる。第1のデバイスはまた、第1のサブ画素を含む複数の画素を有し、第1のサブ画素は、400から500nmの間にピーク波長がある光を通す、第1の光源と光学的に連絡したカラーフィルタを有する。第2のサブ画素は、500から580nmの間にピーク波長がある光を通す、第1の光源と光学的に連絡したカラーフィルタを有する。第3のサブ画素は、580から700nmの間にピーク波長がある光を通す、第1の光源と光学的に連絡したカラーフィルタを有する。第4のサブ画素は、6504K未満のCCTを有しうる近白色光を放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機材料を使用する光電子デバイスがいくつかの理由でますます望ましくなっている。このようなデバイスを作製するために使用される材料の多くは比較的安価であり、したがって有機光電子デバイスには、無機デバイスと比べて潜在的コスト優位性がある。加えて、有機材料は、その可撓性などの固有の特性により、可撓性基板上に製造することなどの特別な応用に十分に適応させることができる。有機光電子デバイスの例には、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池、および有機光検出器が含まれる。OLEDでは、有機材料が、従来の材料と比べて性能的優位性を有しうる。例えば、有機放出層で放出する光の波長は一般に、適切なドーパントで容易に調整することができる。
【背景技術】
【0002】
OLEDでは、そのデバイスの両端に電圧が印加されたときに光を放出する有機薄膜を使用する。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明、および背面照射などの応用例で使用するための、ますます関心が持たれる技術になってきている。いくつかのOLEDの材料および構成が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5844363号明細書、第6303238号明細書、および第5707745号明細書に記載されている。
【0003】
燐光発光分子の一応用例は、フルカラーディスプレイである。このようなディスプレイの業界標準では、「飽和」色と呼ばれる特定の色を発光するように適合された画素が要求される。具体的には、これらの標準では、飽和した赤、緑、および青の画素が要求される。色は、当技術分野でよく知られているCIE座標を使用して測定することができる。
【0004】
緑発光分子の一例は、Ir(ppy)と表されるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムであり、化学式1の構造を有する。
【0005】
【化1】

【0006】
ここでは、また本明細書の後の方の図で、窒素から金属(ここではIr)への配位結合を直線で表す。
【0007】
本明細書で「有機」という語は、有機光電子デバイスを製造するのに使用できる高分子材料ならびに小分子有機材料を含む。「小分子」とは、重合体ではないあらゆる有機材料のことを指し、「小分子」は実際には非常に大きいこともある。小分子は、場合によっては繰返し単位を含むことがある。例えば、ある分子が、置換基として長鎖アルキル基を使用することにより、「小分子」類から除かれることはない。小分子はまた、重合体の中に例えば重合体骨格上の懸垂基として、または骨格の一部分として組み込まれることもある。小分子はまた、核部分に構築された一連の化学殻からなるデンドリマーの核部分としての役割を果たすこともある。デンドリマーの核部分は、蛍光性または燐光性の小分子発光体になりうる。デンドリマーは「小分子」でありうるとともに、OLEDの分野で現在使用されているすべてのデンドリマーは小分子であると考えられる。
【0008】
本明細書では、「最上部」は基板から最も遠いことを意味し、「最低部」は基板に最も近いことを意味する。第1の層が第2の層の「上に配置される」と記述される場合、第1の層は基板からより遠くに配置される。第1の層が第2の層と「接触している」と明記されていない限り、第1の層と第2の層の間には他の層がありうる。例えば、様々な有機層が間にあっても、カソードがアノードの「上に配置されている」と記述されることがある。
【0009】
本明細書では、「溶液処理可能」とは、溶液または懸濁液の形で、液体媒体中に溶解する、分散させる、または送り込む、かつ/または液体媒体から堆積することができることを意味する。
【0010】
あるリガンドは、発光材料の光活性特性にそのリガンドが直接寄与すると考えられる場合に「光活性である」と呼ばれることがある。あるリガンドは、発光材料の光活性特性にそのリガンドが寄与しないと考えられる場合に「補助的である」と呼ばれることがあるが、補助的リガンドが光活性リガンドの特性を変えることもある。
【0011】
本明細書でいうように、かつ当業者に一般に理解されるように、第1の「最高占有分子軌道」(HOMO)または最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルは、第1のエネルギーレベルが真空エネルギーレベルに近い場合には、第2のHOMOまたはLUMOのエネルギーレベルよりも「大きい」または「高い」。イオン化電位(IP)が真空レベルに対して負エネルギーとして測定されるので、より高いHOMOエネルギーレベルが、より小さい絶対値を有するIP(小さい負のIP)に対応する。同様に、より高いLUMOエネルギーレベルは、より小さい絶対値を有する電子親和力(EA)(小さい負のEA)に対応する。真空レベルが上にある従来のエネルギーレベル図では、ある材料のLUMOエネルギーレベルは、同じ材料のHOMOエネルギーレベルよりも高い。「より高い」HOMOまたはLUMOのエネルギーレベルは、「より低い」HOMOまたはLUMOのエネルギーレベルよりも、このような図の最上部により近く現れる。
【0012】
本明細書でいうように、かつ当業者に一般に理解されるように、第1の仕事関数は第2の仕事関数よりも、第1の仕事関数がより高い絶対値を有する場合に、「大きい」または「高い」。仕事関数が一般に、真空レベルに対して負数として測定されるので、この数は、「より高い」仕事関数がより負であることを意味する。真空レベルが上にある従来のエネルギーレベル図では、「より高い」仕事関数は、下向きの真空レベルからより遠くに示される。すなわち、HOMOおよびLUMOのエネルギーレベル定義は、仕事関数とは異なる慣習に従う。
【0013】
OLEDについてのさらなる詳細、および上述の定義は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7279704号明細書に見出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5844363号明細書
【特許文献2】米国特許第6303238号明細書
【特許文献3】米国特許第5707745号明細書
【特許文献4】米国特許第7279704号明細書
【特許文献5】米国特許第4769292号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0230980号明細書
【特許文献7】米国特許第5703436号明細書
【特許文献8】米国特許第6097147号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0174116号明細書
【特許文献10】米国特許第5247190号明細書
【特許文献11】米国特許第6091195号明細書
【特許文献12】米国特許第5834893号明細書
【特許文献13】米国特許第6013982号明細書
【特許文献14】米国特許第6087196号明細書
【特許文献15】米国特許第6337102号明細書
【特許文献16】米国特許出願第10/233470号明細書
【特許文献17】米国特許第6294398号明細書
【特許文献18】米国特許第6468819号明細書
【特許文献19】米国特許第7279704号明細書
【特許文献20】米国特許出願公報第2006/0105198号明細書
【特許文献21】米国特許出願公報第2010/0013748号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Baldo他、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、Nature、vol. 395、151〜154頁、1998年、(”Baldo−I”)
【非特許文献2】Baldo他、「Very high−efficiency green organic light−emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl. Phys. Lett.、vol. 75、No. 3、4−6頁、(1999年)、(”Baldo−II”)
【非特許文献3】GTI Graphic Technology, Inc.の「Explanation of Various Light Sources and Their Use in Visual Color Matching Applications」
【非特許文献4】J.P. Spindler、T.K. Hatwar、M.E. Miller、A.D. Arnold、M.J. Murdoch、P.J. Kane、J.E. Ludwicki、P. J. Alessi、およびS.A. Van Slyke、「System Considerations for RGBW OLED Displays」、Journal of the Society for Information Display、Vol. 14.1、37頁(2006)
【非特許文献5】J.P. Spindler、T.K. Hatwar、M.E. Miller、A.D. Arnold、M.J. Murdoch、P.J. Kane、J.E. Ludwicki、およびS.A. Van Slyke、「Lifetime−and Power−Enhanced RGBW Displays Based on White OLEDs」、Journal of the Society for Information Display、36頁(2005)
【非特許文献6】S.A. Van Slyke、「Advanced Active Matrix OLED Technologies」、Display and Components OLED Modules Business Unit、Eastman Kodak Company Rochester、New York、USA、Intertech (2004)
【非特許文献7】Hack他、「High Efficiency Phosphorescent AMOLEDs: The Path to Long Lifetime TVs」、Journal of the Society for Information Display、Vol. 42.1 (2011年5月15日)
【非特許文献8】Kawamura他の「New Deep Blue Fluorescent Materials and Their Application to High Performance OLEDs」、Proc. Soc. Inf. Disp. Tech. Papers、829頁(2011)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
諸実施形態では、長寿命および/または消費電力低減を実現できる赤色、緑色、青色、および白色(RGBW) OLEDを提示する。少なくとも1つの有機発光デバイスを有する第1の光源を含む第1のデバイスを提示する。第1の光源は、6504K未満の相関色温度(CCT)を有する光を放出することができる。第1のデバイスはまた、複数の画素を備えうる。それぞれの画素は、第1の光源と光学的に連絡した第1のカラーフィルタを備える第1のサブ画素を含みうる。第1のカラーフィルタは、400から500nmの間の可視スペクトル内にピーク波長がある第1の光源からの光を通すように適合させることができる。第1のデバイスのそれぞれの画素はまた、第1の光源と光学的に連絡した第2のカラーフィルタを備える第2のサブ画素を含みうる。第2のカラーフィルタは、第1の光源からの、500から580nmの間の可視スペクトル内にピーク波長がある光を通すように適合させることができる。第1のデバイスのそれぞれの画素はまた、第1の光源と光学的に連絡した第3のカラーフィルタを備える第3のサブ画素を含みうる。第3のカラーフィルタは、第1の光源からの、580から700nmの間の可視スペクトル内にピーク波長がある光を通すように適合させることができる。第1のデバイスのそれぞれの画素はまた、近白色光を放出する第4のサブ画素を含みうる。近白色光は、6504K未満のCCTを有しうる。
【0017】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素はカラーフィルタを含まない。いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源の色度は、第4のサブ画素によって放出される光の色度とほぼ同じである。いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360によって画定される第1の領域内に第1の点を有する光を放出する。
【0018】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上でプランク軌跡から0.010のDuv距離内にある第1の点を有する光を放出する。好ましくは、第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上でプランク軌跡から0.005のDuv距離内にある第1の点を有する光を放出する。より好ましくは、第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上でプランク軌跡から0.002のDuv距離内にある第1の点を有する光を放出する。
【0019】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素は、4000Kを超え6504K未満のCCTを有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え6400K未満の相関色温度を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え5600K未満の相関色温度を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え5200K未満の相関色温度を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え4800K未満の相関色温度を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、5800Kを超え6200K未満の相関色温度を有する光を放出する。
【0020】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスは、第4のサブ画素から放出される光の色度とほぼ等しい色度を有したホワイトバランスを備えるディスプレイである。
【0021】
上述の第1のデバイスが、あるホワイトバランスを有するディスプレイであるいくつかの実施形態では、このホワイトバランスは、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上に第1の点を有する。第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上に第2の点を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第1の点と第2の点の間の相違は、duv値が0.005未満である。好ましくは、第1の点と第2の点の間の相違は、duv値が0.002未満である。より好ましくは、第1の点と第2の点の間の相違は、duv値が0.001未満である。
【0022】
いくつかの実施形態で、上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は、ちょうど2つの有機発光材料、すなわち第1の有機発光材料および第2の有機発光材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.100〜0.200、CIE = 0.050〜0.300によって画定される第1の領域内に第1の点を有する青色光を放出する。いくつかの実施形態では、第2の有機発光材料は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.450〜0.600、CIE = 0.400〜0.550によって画定される第2の領域内に第2の点を有する黄色光を放出する。いくつかの実施形態では、第1の点および第2の点は、第1の点と第2の点の間に線を引いたとすればその線が、CIE 1931 XYZ色空間色度図上でCIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360の範囲内に画定される所望の白色領域を通過するような点になっている。第1および第2の有機発光材料の濃度は、第1の光源によって生成される光がCIE 1931 XYZ色空間色度図上の、所望の白色領域の中の第3の点にあることになるようなものである。いくつかの実施形態では、第1および第2の有機発光材料は燐光性発光体を含む。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は蛍光性発光体を含み、第2の有機発光材料は燐光性発光体を含む。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は、400から500nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出し、第2の有機発光材料は、500から700nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出する。いくつかの実施形態では、第2の有機発光材料は、570から600nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出する。
【0023】
いくつかの実施形態で、上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は3つの有機発光材料、すなわち、第1の有機発光材料、第2の有機発光材料、および第3の有機発光材料を含む。第1の有機発光材料は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.100〜0.200、CIE = 0.050〜0.300によって画定される第1の領域内に第1の点を有する青色光を放出する。第2の有機発光材料は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.200〜0.400、CIE = 0.600〜0.750によって画定される第2の領域内に第2の点を有する緑色光を放出する。第3の有機発光材料は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.600〜0.720、CIE = 0.280〜0.400によって画定される第3の領域内に第3の点を有する赤色光を放出する。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の点は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360の範囲内に画定される所望の白色領域を含む第4の領域が、第1の点と第2の点の間、第2の点と第3の点の間、および第3の点と第1の点の間に引かれる線によって画定されるようなものである。第1、第2、および第3の有機発光材料の濃度は、第1の光源によって生成される光がCIE 1931 XYZ色空間色度図上の、所望の白色領域の中の第4の点にあることになるようなものである。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の有機発光材料は燐光性発光体を含む。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は蛍光性発光体を含み、第2、および第3の有機発光材料は燐光性発光体を含む。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は、400から500nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出し、第2の有機発光材料は、500から570nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出し、第3の有機発光材料は、570から700nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出する。
【0024】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素は、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360によって画定される第1の領域内に第1の点を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は積層有機発光デバイス(SOLED)を備える。いくつかの実施形態では、SOLEDは、燐光性発光体だけを含む。いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は単一の電荷発生層(CGL)を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第1、第2、第3、および第4のサブ画素のそれぞれが、ある開口サイズを有する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも大きい。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりもかなり大きい。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも約10%から300%の間だけ大きい。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも小さい。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも約10%から30%の間だけ小さい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】有機発光デバイスを示す図である。
【図2】別個の電子輸送層がない反転有機発光デバイスを示す図である。
【図3】いくつかの実施形態によるデバイスの例示的な一実施形態である。
【図4】いくつかの実施形態による例示的な光源の放出光を表すグラフである。
【図5】いくつかの実施形態による例示的なカラーフィルタの通過率を示すグラフである。
【図6】いくつかの実施形態による例示的な光源の積層の数に対する消費電力のグラフである。
【図7】いくつかの実施形態による、1931 CIE XYZ色空間色度図のグラフ上に一光源の例示的な放出光を示した図である。
【図8】複数のホワイトバランスに対する、例示的なデバイスによる例示的カラーフィルタの光放出および白色発光スペクトルを示すグラフである。
【図9】いくつかの実施形態による例示的なデバイスのWサブ画素の消費電力および寿命を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
一般にOLEDは、アノードとカソードの間に配置され電気的に接続された少なくとも1つの有機層を備える。電流が加えられたとき、この有機層(1つまたは複数)の中にアノードはホールを注入し、カソードは電子を注入する。注入されたホールおよび電子はそれぞれ、反対に荷電された電極に向かって移動する。1つの電子およびホールが同じ分子上に局在するとき、ある励起エネルギー状態を有する局在電子−ホール対である「励起子」が形成される。励起子が光放出機構により緩和するとき、光が放出される。場合により、励起子は、エキシマまたはエキシプレックスに局在することもある。熱緩和などの非放射機構もまた生じることがあるが、これは一般に望ましくないと考えられる。
【0028】
例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4769292号明細書に記載されているように、初期のOLEDでは、一重項状態(「蛍光性」)から発光する放出分子を使用した。蛍光発光は一般に、10ナノ秒未満の時間枠内に発生する。
【0029】
もっと最近では、三重項状態(「燐光性」)から発光する発光材料を有するOLEDが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBaldo他、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、Nature、vol. 395、151〜154頁、1998年、(”Baldo−I”)、およびBaldo他、「Very high−efficiency green organic light−emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl. Phys. Lett.、vol. 75、No. 3、4−6頁、(1999年)、(”Baldo−II”)で論証されている。燐光については、参照により組み込まれる米国特許第7279704号明細書の段落5〜6に、より詳細に記載されている。
【0030】
図1は、有機発光デバイス100を示す。各図は、必ずしも原寸に比例して描かれていない。デバイス100は、基板110、アノード115、ホール注入層120、ホール輸送層125、電子阻止層130、放出層135、ホール阻止層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、およびカソード160を含みうる。カソード160は、第1の導電層162および第2の導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、上記の層を順番に堆積することによって製造することができる。これらの様々な層の特性および機能、ならびに例示的な材料は、参照によって組み込まれる米国特許第7279704号明細書の段落6〜10に、より詳細に記載されている。
【0031】
これらの層それぞれのより多くの例が得られる。例えば、可撓性で透明な基板−アノードの組合せが、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5844363号明細書に開示されている。pドープされたホール輸送層の一例は、50:1の分子比でF4−TCNQでドープされたm−MTDATAであり、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号明細書に開示されている。発光材料およびホスト材料の例は、参照によりその全体が組み込まれる、Thompson他の米国特許第6303238号明細書に開示されている。nドープされた電子輸送層の一例は、1:1の分子比でLiを用いてドープされたBPhenであり、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号明細書に開示されている。参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5703436号明細書および第5707745号明細書では、複合カソードを含むカソードの諸例を開示しており、この複合カソードは、Mg:Agなどの金属の薄い層を、上にある透明で導電性の、スパッタリング堆積されたITO層とともに有する。阻止層の理論および使用法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6097147号明細書および米国特許出願公開第2003/0230980号明細書に、より詳細に記載されている。注入層の諸例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号明細書に提示されている。保護層についての説明は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号明細書に見出すことができる。
【0032】
図2は、反転OLED 200を示す。このデバイスは、基板210、カソード215、放出層220、ホール輸送層225、およびアノード230を含む。デバイス200は、上記の層を順番に堆積することによって製造することができる。最も一般的なOLED構成では、アノードの上に配置されたカソードを有し、デバイス200は、アノード230の下に配置されたカソード215を有するので、デバイス200は「反転」OLEDと呼ばれることがある。デバイス100に関して説明したものと類似の材料は、デバイス200の対応する層に使用することができる。図2は、デバイス100の構造からどのようにして一部の層を省くことができるかを提示する。
【0033】
図1および図2に示された簡単な積層構造は、非限定的な例として提示されており、本発明の諸実施形態は、多種多様な他の構造体と関連して使用できることを理解されたい。説明される特定の材料および構造は、例示的な性質のものであり、他の材料および構造を使用することもできる。機能できるOLEDは、別々に説明される様々な層を組み合わせることによって実現することができ、あるいは、設計、性能およびコストの要因に基づいて複数の層を完全に省くこともできる。具体的に説明されない他の層もまた含まれうる。具体的に説明されたもの以外の材料が使用されることもある。本明細書に提示された諸例の多くで、様々な層が単一の材料を含むと説明しているが、ホストとドーパントの混合物などの材料の組合せ、またはより一般的に混合物を使用できることを理解されたい。また、各層は様々なサブ層を有しうる。本明細書で様々な層に与えられた名称は、厳格に限定するためのものではない。例えば、デバイス200で、ホール輸送層225は、ホールを輸送し、またホールを放出層220に注入し、これらはホール輸送層またはホール注入層と記述されることがある。一実施形態では、OLEDが、カソードとアノードの間に配置された「有機層」を有すると説明されることがある。この有機層は単一層を含むことがあり、あるいはさらに、例えば図1および図2に関して説明した異なる有機材料の複数の層を含むこともある。
【0034】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Friend他の米国特許第5247190号明細書などに開示されている高分子材料からなるOLED(PLED)など、具体的に説明されていない構造および材料もまた使用されることがある。別の例として、単一の有機層を有するOLEDが使用されることがある。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Forrest他の米国特許第5707745号明細書に例えば記載されているように、OLEDは積層することができる。OLED構造は、図1および図2に示された簡単な積層構造から逸脱することがある。例えば、その構造は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるForrest他の米国特許第6091195号明細書に記載されているメサ構造、および/またはBulovic他の米国特許第5834893号明細書に記載されているピット構造など、外部結合を改善するための角のある反射面を含むことがある。
【0035】
特に明記されていない限り、様々な実施形態の層のいずれも、任意の適切な方法で堆積することができる。有機層では、好ましい方法に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6013982号明細書、第6087196号明細書などに記載されている熱蒸発、インクジェット、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるForrest他の米国特許第6337102号明細書などに記載されている有機気相堆積(OVPD)、ならびに、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/233470号明細書などに記載されている、有機蒸気ジェット印刷(OVJP)による堆積が含まれる。他の適切な堆積方法には、スピンコーティングおよび他の溶液ベースの処理が含まれる。溶液ベースの処理は、好ましくは窒素中または不活性雰囲気中で実施される。他の層では、好ましい方法に熱蒸発が含まれる。好ましいパターニング方法には、マスクを介した堆積、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6294398号明細書および第6468819号明細書などに記載されている冷間圧接、ならびにインクジェットおよびOVJDなどの堆積方法のいくつかと関連したパターニングが含まれる。他の方法もまた使用されてよい。堆積されるべき材料は、それを特定の堆積方法に適合させるために修正することができる。例えば、好ましくは少なくとも3個の炭素を含む、分岐または非分岐のアルキル基またはアリール基などの置換基を小分子に使用して、溶液処理を受けるその能力を高めることができる。20個以上の炭素を有する置換基を使用することができるが、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称構造を有する材料は、非対称材料では再結晶する傾向が低いことがあるので、対称構造を有するものよりも良好な溶液処理可能性を有しうる。デンドリマー置換基を使用して、溶液処理を受ける小分子の能力を強化することができる。
【0036】
本発明の諸実施形態により製造されるデバイスは、多種多様な消費者製品に組み込むことができ、これらの製品には、フラットパネルディスプレイ、コンピュータディスプレイ、テレビジョン、ビルボード、屋内または屋外の照明および/または合図用発光体、ヘッドアップディスプレイ、完全に透明なディスプレイ、可撓性ディスプレイ、レーザプリンタ、電話、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダ、超小型ディスプレイ、自動車、大面積壁面、劇場もしくは競技場のスクリーン、照明器具、または標識が含まれる。本発明により製造されるデバイスを制御するには、受動マトリックスおよび能動マトリックスを含む、様々な制御機構を使用することができる。デバイスの多くは、18℃から30℃などの人間にとって快適な温度範囲で、より好ましくは室温(20〜25℃)で使用するものである。
【0037】
本明細書で説明される材料および構造には、OLED以外のデバイスにも応用分野がありうる。例えば、これらの材料を有機太陽電池および有機光検出器など他の光電子デバイスで使用することができる。より一般的には、これらの材料および構造を、有機トランジスタなどの有機デバイスで使用することができる。
【0038】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールキル、複素環基、アリール、芳香族基、およびヘテロアリールという用語は当技術分野で知られており、また参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7279704号明細書の段落31〜32に定義されている。
【0039】
本出願で用いられる用語の追加定義を以下に提示する。
【0040】
本明細書では、「サブ画素」は、個々にアドレス指定できる画素のセグメントまたは構成要素を指すことがあり、各セグメントは、画素内で他のセグメントと一緒にできる異なる波長の可視光を放出して、照光デバイス(ディスプレイなど)内で所望の色を生成することができる。「画素」とは通常、ディスプレイ(コンピュータまたはテレビジョンのスクリーンなど)、プリンタ、または他のデバイス上に表示される画像の最も基本的な単位である。画素はどのようにも配列することができ(例えば、行と列に)、様々な輝度値および色値の画素の中での所与の組合せにより画像を形成することができる。各サブ画素は、カラー画像の表示に使用される画素の構成要素でありうる。サブ画素を含む画素の一例が図3に示されており、後で説明する。
【0041】
本明細書では、サブ画素(もしくは他の構成要素)によって、またはサブ画素(もしくは他の構成要素)から光を「放出すること」は、光をデバイスの画素に通すことを含みうるが、サブ画素が何らかの方法で光を発生することは必要としない。例えば、サブ画素から「放出される」光は、最初は第1の光源から発出することができ(つまり、例えば、RGBWディスプレイ中の白色OLEDからの放出光を含みうる)、1つまたは複数のカラーフィルタを経由して妨げられずにサブ画素を通過することができ、かつ/または、偏光子など他の任意の数の光学構成要素を通過することができる。
【0042】
本明細書では、「色度」は、色の特性の客観的基準をその輝度にかかわらずに指すことがある。つまり色度は、色の色相および彩度(または飽和度、クロミナンス、純度、または刺激純度)によって決まる。放出光の色度は、例えばCIE 1931 XYZ色空間、またはCIE 1976(L*, u*, v*)色空間を使用して測定することができる。
【0043】
本明細書では、「ホワイトバランス」は、画像の符号化または復元において「白」色を規定するのに役立つ色度座標を指すことがある。ホワイトバランスはまた、「ホワイトバランス点」または「白色点」とも呼ばれる。ホワイトバランスは、「白」色を表示するためにデバイス(またはその構成要素)によって生成され、発出され、かつ/または通される色を指定する。当業者には理解されるように、暖色および寒色を含む白色の多くの異なる濃淡の度合いがあり、それぞれが入力色(例えば、赤光、青光、および緑光)の量の別々の相対的バランスを含みうる。すなわち、ホワイトバランスは、所与の画像に対するディスプレイ中の赤、緑および青の画素の相対的輝度を調整する設定でありうる。
【0044】
本明細書では、「光学的連絡」は、第1の構成要素から発出する、または第1の構成要素を通過する光がまた第2の構成要素を通過する、または第2の構成要素から発出するように構成されている構成要素を指すことがある。例えば、光が光源(OLEDデバイスなど)で生成され、次に、生成された放出光が画素(またはサブ画素)の開口を通る場合、OLEDと画素(またはサブ画素)は光学的に連絡しているといえる。光学的に連絡では、第1の構成要素から発出する、または第1の構成要素を通過する光のすべてがまた、第2の構成要素を通過する必要はない。4つのサブ画素と光学的に連絡しているOLEDの一例が図3に示されている。
【0045】
本明細書では、「D65」は、6504Kの相関色温度(CCT)を有する光を指しうる。D65は当初、6500KのCCTを有する光を表したが、プランクの法則の定数の補正により、このCCTは後でわずかに高い6504KのCCTに修正された。CIE 1931 XYZ色空間色度図におけるD65の色度座標は、CIE 1931 (x, y) = (0.313, 0.329)である。この白色光は、参照によりその全体が本明細書によって組み込まれるGTI Graphic Technology, Inc.の「Explanation of Various Light Sources and Their Use in Visual Color Matching Applications」に記載されている。手短に述べると、D65はさらに、次のように記載されている。「D65は、絵の具、プラスチック、布地、未精製インク、および他の製造製品の色合わせ応用分野で使用される明るい青みがかった色の光源である。D65は、実際に測定された唯一の昼光光源である。他の昼光光源(D75およびD50)は、D65の測定値から数学的に導き出された。D65は青を強め、緑および赤を抑制しており、通常、色測定計測設備の一次光源として使用される。D65は、1年を通して様々な時期の、1日を通して様々な時間に、空一面雲に覆われた日の北半球の北に面する窓に入ってくる光について行われた測定の平均値から導き出される。」
【0046】
本明細書では、「D50」は、5003Kの相関色温度(CCT)を有する光を指しうる。D50は当初、5000KのCCTを有する光を表したが、プランクの法則の定数の補正により、このCCTは後でわずかに高い5003KのCCTに修正された。CIE 1931 XYZ色空間色度図におけるD50の色度座標は、CIE 1931 (x, y) = (0.346, 0.359)である。この白色光もまた、参照によりその全体が本明細書によって組み込まれるGTI Graphic Technology, Inc.の「Explanation of Various Light Sources and Their Use in Visual Color Matching Applications」に記載されている。手短に述べると、D50はさらに、次のように記載されている。「D50は、グラフィックアートおよび撮像応用分野で使用される近白色光である。D50は、赤、緑、および青の同様な量のエネルギーを有する。D50は、色を強めることも抑制することもせず、これは、プレスシートおよび元の画像(すなわち写真)を見る場合に、これらが通常その制作品内に評価されるべき多くの色を有するので、主要な要件である。」
【0047】
本明細書では、「duv」は、種々の照光デバイス(OLEDディスプレイ、またはOLEDディスプレイの構成要素)間の色度の相違を定量化するために使用できる一般的な用語である。これは、
【0048】
【数1】

【0049】
によって定量化することができ、ここで(u’, v’)は、種々の照光デバイスのCIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図における座標である。CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間は、CIE 1931 XYZ色空間よりも好まれて使用される。というのは、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図では距離が、知覚される色の相違とほぼ比例するからである。CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図の別称は、CIE 1976 UCS(等分色度目盛)図である。これらの色空間の座標間の換算は非常に簡単である。すなわち、u’ = 4x / (−2x + 12y + 3)、およびv’ = 9y / (−2x + 12y + 3)となり、ここで(x, y)はCIE 1931 XYZ色空間色度図の座標である。
【0050】
「Duv」という用語は、「duv」のある特定の例である。この関連でDuvは、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図において、照光デバイス色度の黒体曲線からの最小距離を指す。つまりDuvは、照光デバイスと等価相関色温度の黒体放射体との間の色度の相違の尺度である。これは、
【0051】
【数2】

【0052】
によって定量化することができ、ここで(u1’, v1’)は照光デバイスの座標であり、(u2’, v2’)は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図における、照光デバイスから最小距離にある黒体曲線の座標である。
【0053】
諸実施形態では、寿命を延長し、かつ/または消費電力を低減した可能性があるデバイス設計(ディスプレイ用など)を提示する。このデバイスでは、デバイス内の各画素が4つのサブ画素に分割されるRGBW配置を用いることができる。4つのサブ画素ごとに放出光を得るのに白色OLEDを使用することができ、またサブ画素のどれかまたは全部にカラーフィルタを使用することができる。例えば、赤色フィルタをサブ画素の1つ(R)に結合し、緑色フィルタをサブ画素の1つ(G)に結合し、青色フィルタをサブ画素の別の1つ(B)に結合することができる。いくつかの実施形態では、4番目のサブ画素にはカラーフィルタを使用せず、したがって白色光(W)を放出する。しかし、諸実施形態ではそのように限定されず、カラーフィルタまたは他の着色構成要素を含むことがある。諸実施形態でさらに、デバイス(例えば、ディスプレイ)のホワイトバランスが、以前に用いられていた、または考えられていたよりも暖色の白色に設定されることを提示することができる。
【0054】
例示的なRGBWデバイスの諸例、ならびにこれらの実施および利益についての詳細な議論は、参照によりその全体が本明細書によって組み込まれる以下の説明的な参照文献に記載されている。
J.P. Spindler、T.K. Hatwar、M.E. Miller、A.D. Arnold、M.J. Murdoch、P.J. Kane、J.E. Ludwicki、P. J. Alessi、およびS.A. Van Slyke、「System Considerations for RGBW OLED Displays」、Journal of the Society for Information Display、Vol. 14.1、37頁(2006)。
J.P. Spindler、T.K. Hatwar、M.E. Miller、A.D. Arnold、M.J. Murdoch、P.J. Kane、J.E. Ludwicki、およびS.A. Van Slyke、「Lifetime−and Power−Enhanced RGBW Displays Based on White OLEDs」、Journal of the Society for Information Display、36頁(2005)。
S.A. Van Slyke、「Advanced Active Matrix OLED Technologies」、Display and Components OLED Modules Business Unit、Eastman Kodak Company Rochester、New York、USA、Intertech (2004)。
Hack他、「High Efficiency Phosphorescent AMOLEDs: The Path to Long Lifetime TVs」、Journal of the Society for Information Display、Vol. 42.1 (2011年5月15日)。
Spindler他の「Selecting white point for OLED devices」という名称の米国特許出願公報第2006/0105198号明細書。
Cok他の「Converting Three−Component to Four Component Image」という名称の米国特許出願公報第2010/0013748号明細書。
【0055】
上に列挙した参照文献は単に説明のためのものであり、限定のためでは決してないことを理解されたい。さらに、これらの参照文献のどれも、RGBWデバイスで使用するための暖色化白色光(例えば、6504K未満のCCTを有する)を放出する光源を利用すること、および/またはこのような例示的なデバイスのホワイトバランスを暖色化白色に設定することを、とりわけ特定せず、示唆せず、または扱ってさえいないことに留意されたい。以下で説明するように、本発明者らは、暖色化白色光源、および/またはこのようなデバイスで暖色化ホワイトバランスを利用して寿命および性能を向上した可能性がある例示的なデバイスを認識し、開発した。
【0056】
いくつかの実施形態では、白色のサブ画素からの放出光は、デバイスのホワイトバランスとよく一致した。上記のように、諸実施形態で、デバイスのホワイトバランスをD50(CCT = 5003Kである標準発光体)などの暖色化白色に設定できることが提示される。この関連で、諸実施形態では一般に、デバイスのホワイトバランスをD65(6504Kに等しいCCTを有する)未満であるCCTを有する白色に設定できることが提示される。本発明者らは、以前に使用された寒色化白色(6504Kを超えるCCTを有するD65、またはさらに寒色の白色(例えば、9000Kにほぼ等しいCCTを有するD90)など)ではなく、暖色化白色を使用することが好ましいことを見出した。というのは、暖色化白色を生成する場合には、必要とされる青色放出光が少なくてすむからである。青色放出光は、白色OLEDを制限する成分であることが多いので、用いる青色放出光が少ないとそれによって、RGBWディスプレイの寿命を決める重要なサブ画素であることが多いWサブ画素の寿命を伸ばすことができる。つまり、白色サブ画素は、デバイスの劣化(例えば、デバイスの使用状況、および動作温度、動作電力などの要因に基づく)がデバイスの性能に、その性能がもはや完璧ではなくなる、あるいはその意図した目的に対し許容できなくなる点に至るまで影響を及ぼす1番目のサブ画素であることが多い。このようにして、本発明者らは、例えば、寒色化ホワイトバランスを用いる類似のデバイスと比べて寿命の延長が実現するように、デバイスのホワイトバランスを最適にすることによって得られる利益のいくつかを認識した。
【0057】
デバイスの寿命を改善するために暖色化ホワイトバランスを利用することに加えて、本発明者らは、いくつかの実施形態で、RGBWディスプレイでは、少なくとも2つの有機積層を備える白色OLED有機層設計を用いることが好ましいといえることを認識した。後で図6を参照して説明するように、複数の積層を使用することにより、薄膜トランジスタ(TFT)を利用するデバイスの消費電力が低減する。というのは、いくつかの実施形態では、OLED積層がTFT電圧オフセットを含むからである。したがって、一般にこのようなデバイスが備える有機積層が多ければ多いほど、デバイスはより効率的になる。しかし、OLEDに追加積層を導入すると、追加層を堆積することに伴う製造コストの上昇などで、デバイスに別途コストが加わりうる。
【0058】
本発明者らはまた、いくつかの実施形態で、同じ光出力を得るのに必要なOLEDの電流密度を低減するようにWサブ画素が拡張される(例えば、白色光を放出するサブ画素の開口)ことが好ましいといえることを認識した。つまり、白色光を放出するサブ画素の面積を拡張することによって、同じ総放出光値を得るのに必要な単位面積当たりの輝度が低くなり、したがって、OLEDに供給される必要がある電流が少なくなる。実際、多くのディスプレイでは、白色光がディスプレイからの放出光の大部分を構成し、その結果、このサブ画素が最大の発光開口面積を有することが好ましいことがある。
【0059】
本発明者らはまた、いくつかの実施形態で、Wサブ画素のサイズを低減することが好ましい場合があることを認識した。いくつかの実施形態では、これにより、解像度が改善されることになり、またディスプレイ全色域が広くなりうる。しかし、Wサブ画素のサイズを低減することは、それがサブ画素の単位面積当たりの輝度の増加を必要とするので、照光デバイスに悪影響を及ぼした可能性がある。こうすると次には、より高い電流密度が必要になり、それによってデバイスの寿命が低減する。
【0060】
本発明者らはまた、より効率的、かつ/またはより長期の耐久性があるデバイスを得ることができる他の方法および設計を認識した。例えば、いくつかの実施形態で、RGBWディスプレイは、OLEDの駆動電流を低減するように有機光源に燐光性発光体を使用することが好ましいことがある。駆動電流を低減すると白色OLEDの動作温度が低減され、したがってデバイスの寿命が伸びる可能性がある(温度上昇が有機デバイスをより早く劣化させることに注意されたい)。この関連で、すべての発光体が燐光性であることが好ましいことがある。しかし、例えば、燐光性の赤色および緑色の構成要素と、蛍光発光性の青色構成要素とを備えるデバイス設計もまた適切でありうる。
【0061】
図3は、例示的なRGBWディスプレイ構成を示す。図示のように、例示的なデバイス300は、好ましくは白色光を放出する単一のOLED 301を有する画素を備える。デバイス300の画素はまた、4つのサブ画素を備え、このサブ画素302〜305のそれぞれが、単一のOLED 301と光学的に連絡して示されている。つまり、OLED 301から放出された光は、サブ画素302〜305のそれぞれを通過することができ、またサブ画素302〜305のそれぞれから放出することができる。図示のように、4つのサブ画素は、カラーフィルタなしで示された白色(「W」)サブ画素302、赤色フィルタを含む赤色(「R」)サブ画素303、青色フィルタを含む青色(「B」)サブ画素304、および緑色フィルタを含む緑色(「G」)サブ画素305を備える。つまり、サブ画素303のカラーフィルタは、570〜700nmの範囲にピーク波長がある光だけが通過できるように構成され、サブ画素304のカラーフィルタは、400〜500nmの範囲にピーク波長がある光だけが通過できるように構成され、サブ画素305のカラーフィルタは、500〜570nmの範囲にピーク波長がある光だけが通過できるように構成される。Wサブ画素302は、カラーフィルタを備えないものとして示されており、そのため、OLED 301からの光を、色に基づく(すなわち、放出光波長に基づく)いかなるフィルタリングもしないでサブ画素から放出することができる。しかし、こうである必要はなく、いくつかの実施形態では、白色サブ画素302にカラーフィルタを備えることもできる。
【0062】
サブ画素302〜305のそれぞれからの放出光は、任意の所与の時間にサブ画素からのそれぞれの発光量をそれぞれが決定する複数の薄膜トランジスタ(TFT)によって制御される。しかし、サブ画素のそれぞれからの放出光を制御する任意の適切な方法が使用されてよい。加えて、デバイス300は、偏光子、外部結合デバイスなど、サブ画素のどれかまたは全部に結合される任意の追加の層または構成要素を有してよい。このようにして、単一の白色OLED 301は、複数のサブ画素(通常1つまたは複数のカラーフィルタを含む)と組み合わせて使用して、対応するサブ画素それぞれから放出される青色、緑色、赤色、および白色の光の量に基づく多種多様の色を実現することができる。図3で、サブ画素302〜305は線を形作って描かれているが、諸実施形態ではそのように限定されず、正方形、行もしくは列、または他の任意の適切な配置などの、いかなるサブ画素(および画素)の配置も形作ることができることに留意されたい。加えて、図3では各サブ画素が同じ開口サイズを備えて表されているが、諸実施形態ではそのように限定されず、あらゆる異なる形状およびサイズのサブ画素が含まれうる。これにより、デバイスを特定の目的のために設計できるようになることがあり、あるいは上記のように、Wサブ画素に他のサブ画素よりも大きい開口サイズを備えることなどによって、デバイスを最適化するように設計することができる。
【0063】
例示的な諸実施形態
【0064】
暖色化ホワイトバランス、および/またはデバイスの暖色化白色放出光を利用することによって寿命延長および/または消費電力低減を実現できる、赤色、緑色、青色、および白色(RGBW)デバイス設計(OLEDディスプレイなど)を含むデバイスの例示的な諸実施形態を以下で説明する。以下で説明する実施形態は、説明だけが目的であり、それによって限定するものではない。本開示を読んだ後で、当業者には、以下で説明する様々な構成要素を、説明される原理を実践しながら特定の実施形態で組み合わせる、または省くことができることが明らかになろう。
【0065】
少なくとも1つの有機発光デバイスを有する第1の光源を含む第1のデバイスを提示する。好ましくは、この光源は白色光を、その放出光が1つまたは複数のカラーフィルタを通されて様々な異なる色が得られるように、放出する。いくつかの実施形態では、例えば第1の光源は、少なくとも2つの発光体(黄色光および青色光を放出する発光材料など)を有する白色OLEDを備えうるが、任意の数の材料(赤色、緑色、および青色の光を放出する各発光材料など)を含んでよい。このような実施形態では、1つまたは複数の共通放出層を使用する利点が得られ(すなわち、微細メタルマスクを通して有機材料を堆積する必要がない可能性がある)、それによって、必要とされるOLED処理ステップを少なくし、かつ/または老化の差異が低減されたデバイスを利用することができる(白色OLEDは非常に安定である傾向があるので)。しかし、諸実施形態はそのように限定されず、複数の着色照光デバイス(すなわち、マルチカラー発光OLED)を有する、または例えば、個別にパターニングされた複数の白色OLEDを有する第1の光源を備えうる。
【0066】
第1の光源は、6504K(D65白色光に相当する)未満の相関色温度(CCT)を有する光を放出することができる。暖色化白色を発光することによって、第1の光源は、寒色化白色放出光に比べて高いレベルの青色放出光を有する必要がない。青色発光材料は、有機発光デバイスの制約材料であることが多いので、本発明者らは、白色放出光を最適化すること(すなわち、暖色化白色光を選ぶこと)でデバイスの寿命および効率を向上できることを見出した。加えて、諸実施形態では暖色化ホワイトバランス(これは、以下で説明するように、いくつかの実施形態では第1の光源および/または第4のサブ画素からの白色放出光に対応するように設計される)を利用することができ、その結果、必要とされる青色放出光が少なくてすむことによって(例えば、ディスプレイ上に画像を表示しているときに)、デバイスの寿命が伸びる。上で定義したように、ホワイトバランスとは、デバイスの白色光の色を決定する第1のデバイス(ディスプレイなど)の設定である。典型的な画像コンテンツの大部分が、刺激純度によって定量化できる著しく白色の成分を含む。したがって、利用する青色光が少ないホワイトバランスを選ぶことでまた、デバイスが動作するのに必要な青色放出光の量が低減する。それによって本発明者らはさらに、ホワイトバランスの選択を最適化すること(すなわち、暖色化ホワイトバランスを選ぶこと、および/または暖色化ホワイトバランスと調和させるための照光デバイスの白色放出光を選ぶこと)で、照光デバイス(上述の、図3の例示的な実施形態で示したRGBWディスプレイなど)の寿命および/または効率を著しく向上できることを発見した。
【0067】
第1のデバイスはまた、複数の画素を備えうる。画素のそれぞれは、第1の光源と光学的に連絡した第1のカラーフィルタを備える第1のサブ画素を含みうる。第1のカラーフィルタは、第1の光源からの、400から500nmの間の可視スペクトル内にピーク波長がある光を通すように適合させることができる。つまり、第1のサブ画素は青色フィルタを備えることができ、第1の光源から放出された光がこのサブ画素を通過できるように構成することができる。これは図3に示されている。光は、サブ画素を通過するとき、所望の波長の光だけが通ることができるカラーフィルタを通過する。このようにして第1のサブ画素は、白色(または近白色)光源から放出された光を利用して、青色光を放出することができる。
【0068】
第1のデバイスの画素のそれぞれはまた、第1の光源と光学的に連絡した第2のカラーフィルタを有する第2のサブ画素を含みうる。第2のカラーフィルタは、第1の光源からの、500から580nmの間の可視スペクトル内にピーク波長がある光を通すように適合させることができる。第1のサブ画素と同様に、第2のサブ画素は緑色フィルタを備えることができ、第1の光源から放出された光がこのサブ画素を通過できるように構成することができる。これもやはり図3に示されている。光は、サブ画素を通過するとき、所望の波長の光だけが通ることができるカラーフィルタを通過する。このようにして第2のサブ画素は、白色(または近白色)光源から放出された光を利用して、緑色光を放出することができる。
【0069】
第1のデバイスの画素のそれぞれはまた、第1の光源と光学的に連絡した第3のカラーフィルタを有する第3のサブ画素を含みうる。第3のカラーフィルタは、第1の光源からの、580から700nmの間の可視スペクトル内にピーク波長がある光を通すように適合させることができる。第1および第2のサブ画素と同様に、第3のサブ画素は赤色フィルタを備えることができ、第1の光源から放出された光がこのサブ画素を通過できるように構成することができる。これもやはり図3に示されている。光は、サブ画素を通過するとき、所望の波長の光だけが通ることができるカラーフィルタを通過する。このようにして第3のサブ画素は、白色(または近白色)光源から放出された光を利用して、赤色光を放出することができる。
【0070】
第1のデバイスの画素のそれぞれはまた、近白色光を放出する第4のサブ画素を含みうる。近白色光は、6504K未満のCCTを有することができる。第1、第2、および第3のサブ画素とは異なり、第4のサブ画素はカラーフィルタを備える必要がない(しかし備えることもある)。実際、いくつかの諸実施形態では、第1の光源から放出された光は、いかなるカラーフィルタリングも用いずに第4のサブ画素を通過でき、またこのサブ画素から放出されうる。つまり、例えば、第4のサブ画素からの放出光には、第1の光源から放出された白色光に相当する白色光が含まれうる。このようにして、第1の光源が6504K未満のCCTを有する場合(すなわち、それ以前にRGBWディスプレイ用に考えられた暖色化白色光)、それによって第4のサブ画素もまた暖色化白色光を放出する。以下で説明するように、いくつかの実施形態では、白色放出光(すなわち、第4のサブ画素から放出される白色光)は、第1のデバイスのホワイトバランス設定とよく一致しうる。
【0071】
上記のように、いくつかの実施形態で、第1の光源と、第1、第2、第3、および第4のサブ画素とを有する上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素はカラーフィルタを含まず、その結果、第1のデバイスから放出された白色光は、このようなフィルタによる吸収によって相対的に妨げられない第4のサブ画素を通過できることになる(それによって、より効率的に動作する)。いくつかの実施形態では、第1の光源の色度は、第4のサブ画素によって放出される光の色度とほぼ同じであり、ここで色度は上で定義されている。つまり、前に暗示したように、第4のサブ画素から放出される光は、第1の光源から放出される同じ(またはほぼ同じ)白色光を含みうる(これによりやはり、第4のサブ画素からの白色光の放出に伴う損失が少ないので、より効率的なデバイスが得られることになりうる)。いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて第4のサブ画素は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360によって画定される第1の領域内に第1の点を有する光を放出する。これらの座標によってCIE 1931 XYZ色空間に画定される領域は、暖色化白色光(すなわち、6504K未満のCCTを有する)に対応する。第4のサブ画素がディスプレイの白色放出光を供給できるこのような実施形態では、そのデバイスは、より高い効率で動作することができ、また、第4のサブ画素からの白色放出光を暖色化白色光として設定することによって青色放出光の需要が低減することに一部は基づき、より長い寿命を有することができる。しかし、1931 CIE XYZ色空間の領域に与えられた範囲によって示されるように、第4のサブ画素は、プランク軌跡上に正確に位置するCIE座標を有する光を放出しなくてもよい。
【0072】
この関連で、いくつかの実施形態では、第1の光源と、第1、第2、第3、および第4のサブ画素とを有する上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上でプランク軌跡から0.010のDuv距離内にある第1の点を有する光を放出し、ここでDuvは上記のように定義することができる。好ましくは、第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上でプランク軌跡から0.005のDuv距離内にある第1の点を有する光を放出する。さらに好ましくは、第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上でプランク軌跡から0.002のDuv距離内にある第1の点を有する光を放出する。つまり、第4のサブ画素は、プランク軌跡に可能な限り近い光を放出することが好ましい。例えば、第4のサブ画素からの放出白色光の色度がプランク軌跡からより遠くに位置するほど、色が白熱黒体のように見えることが少なくなる。これにより、第4のサブ画素からの白色放出光が、赤色、緑色、または青色のどれかまたは全部の余分な痕跡を含むように見えることになり(例えば、光は「青みを帯びて」、「赤みを帯びて」、「緑を帯びて」見えることになりうる)、かつ/または、プランク軌跡から遠くに位置する点の方向に応じて、これらの色のどれかまたは全部の何らかの組合せが生じることになる。また、白色光がディスプレイの多くのカラー画像の一構成要素であることが一部には理由で(つまり、第4のサブ画素からの光が、色を表示しているときでも供給されることが多い)、第4のサブ画素から放出される白色光は、それがプランク軌跡からの距離があまりに遠い色度を有する場合、表示されるカラー画像中に目に見えて分かる色相を生じさせることになりうる。したがって、第4のサブ画素によって放出される光は、黒体曲線とよく一致していることが望ましい。
【0073】
いくつかの実施形態で、第1の光源と、第1、第2、第3、および第4のサブ画素とを有する上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素は、4000Kを超え6504K未満のCCTを有する光を放出する。つまり、上記のように、本発明者らは、デバイス(RGBWディスプレイなど)に暖色化白色光(すなわち、6504K未満のCCTを有する)を利用することで、デバイスの効率および寿命を向上できると判断した。しかし白色放出光が、低すぎるCCT値を有する場合(すなわち、4000K未満)、この白色光は、画像を表示するのに、または他の望ましい機能を果たすのにもはや理想的ではない、または適切ではないことがある。したがって、いくつかの実施形態では、第4のサブ画素から放出される白色光は、4000Kを超えるCCT値を有することが好ましい。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え6400K未満のCCTを有する光を放出する。再び、第4のサブ画素(および/または第1の光源、および/またはデバイスのホワイトバランスの設定)によって放出される白色光は、暖色化CCT値に対応するように構成されるので、本発明者らはこのことが、青色発光材料からの光放出の必要レベルが低下することに一部は基づいて、より効率的なデバイスおよび/またはより長い寿命をもたらしうることを見出した。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え5600K未満のCCTを有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え5200K未満のCCTを有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、4000Kを超え4800K未満のCCTを有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素は、5800Kを超え6200K未満のCCTを有する光を放出する。本発明者らは、いくつかの実施形態について、第4のサブ画素からの白色放出光のこのCCTの範囲に、デバイスの好ましい性能を維持しながら寿命および電力効率を向上するための好ましい設定が含まれうることを見出した。つまり、本発明者らは、5800Kから6200Kの間のCCTを有する白色放出光を利用することによって、第1のデバイスがディスプレイの場合に画像の描画および表示などの第1のデバイスの機能上の特性の一部を著しく犠牲にすることなく、効率および寿命の向上という利益のいくらかをデバイスが受けられることを見出した。例えば、いくつかの実施形態で、放出される白色光があまりに暖色である場合には(すなわち6504Kよりもずっと低いCCTを有する)、このことが、黄色または赤い色調を作り出すことによって画像の品質または色に影響を及ぼすことがある。したがって、いくつかの実施形態では、5800Kから6200Kの間のCCTを有する白色放出光の範囲が好ましいことがある。特に消費者は、D65(6504KのCCT)近辺のホワイトバランスを有するディスプレイをよく知っている。消費者はまた、D90(約9000KのCCT)近辺のかなり寒色のホワイトバランスを有するディスプレイもよく知っている。これらのホワイトバランスは一般に、OLEDを利用する照光技術ではなく、寒色化白色(すなわち高いCCT値)で動作するときにより効率的になる無機LEDおよび蛍光管などの照光技術により適している。これらの寒色化ホワイトバランスは、青を強調する傾向があり、表示される画像の色に人為的な鮮やかさを加える。消費者は現在、これらの特性を有するディスプレイに慣れており、表示される画像の見え方のあらゆる極端な変化に対する抵抗がありうる。
【0074】
いくつかの実施形態で、第1の光源と、第1、第2、第3、および第4のサブ画素とを有する上述の第1のデバイスにおいて、第1のデバイスはディスプレイである。第1のデバイスはさらに、第4のサブ画素から放出される光の色度とほぼ等しい色度を有するホワイトバランスを含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイのホワイトバランスを第4のサブ画素から放出される光の色度とほぼ等しく設定すると、デバイスは、第1の光源(例えば、白色OLED)によって放出される光だけを利用して白色を描画でき、この光は、第4の画素から直接放出される(例えば、白色光がカラーフィルタリングされない)、またその必要はないが、他のサブ画素からの光を含みうることに一部は基づいて、効率の向上が実現しうる。さらに、上述のように、ホワイトバランスはまた、白色光がほとんどの画像のかなりの部分を構成するので、ディスプレイによって他の色を描画するための放出光の特性を決定する。したがって、ホワイトバランスを第1の光源から放出される白色光の色度とほぼ等しく設定することによって、第1のデバイスは、それぞれ異なるカラー画像を描画するためにカラーフィルタを通過させる必要がある(吸収損失が生じる)光が少なくなりうるので、第1のデバイスの電力効率を最適にすることができる。
【0075】
いくつかの実施形態で、第1の光源と、第1、第2、第3、および第4のサブ画素とを有する上述の第1のデバイスにおいて、第1のデバイスは、あるホワイトバランスを有するディスプレイであり、このホワイトバランスは、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上に第1の点を有する。つまり、ホワイトバランスは、CIE 1976 (u’, v’)座標を有する色によって表すことができる。同様に、第4のサブ画素は、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上に第2の点を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、第1の点と第2の点の間の相違は、duv値(すなわち、上述のように、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上の2つの点の間の相違の尺度)が0.005未満である。好ましくは、第1の点と第2の点の間の相違は、duv値が0.002未満である。より好ましくは、第1の点と第2の点の間の相違は、duv値が0.001未満である。上記のように、いくつかの実施形態では、第1の光源から放出される光の色度は、第4のサブ画素によって放出される光の色度とほぼ等しいことが好ましい。これら2つの値の間の相違の尺度の単位としてduvを使用することは、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図を使用して相違を定量化する一方法である。CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図内の2つの点の間のduvの値が小さければ小さいほど、その相違が観察者の目に見えて分かることが少なくなりうる。第4のサブ画素の色度を表す点とホワイトバランスを表す点との間の相違が0.005のduvよりもずっと大きい値であれば、第1のデバイスは、ディスプレイの白色がホワイトバランス設定と一致するように、例えば、他のサブ画素のうちの1つまたは複数からの追加放出光を第4のサブ画素によって放出される光に追加するという形で、補正を行う必要がありうる(第4のサブ画素にカラーフィルタを追加するなどの他の補正もまた用いることができる)。これらの補正の多くがデバイスの効率を低下させうる(例えば、カラーフィルタを使用すると、フィルタが光を吸収することにより損失が増大する)。したがって、第4のサブ画素(および第1の光源)の色度がディスプレイのホワイトバランスと可能な限りよく一致し、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図内の点間のduv値が相対的に小さいことが好ましいといえる。
【0076】
いくつかの実施形態で、第1の光源と、第1、第2、第3、および第4のサブ画素とを有する上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は、ちょうど2つの有機発光材料、すなわち第1の有機発光材料および第2の有機発光材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.100〜0.200、CIE = 0.050〜0.300によって画定される第1の領域内に第1の点を有する青色光を放出する。いくつかの実施形態では、第2の有機発光材料は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.450〜0.600、CIE = 0.400〜0.550によって画定される第2の領域内に第2の点を有する黄色光を放出する。いくつかの実施形態では、第1の点および第2の点は、第1の点と第2の点の間に線が引かれたとすればその線が、CIE 1931 (x, y)色度図上でCIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360の範囲内に画定される所望の白色領域を通過するような点になっている。これらのCIE 1931 (x, y)座標によって画定されるこの所望の白色領域は、6504Kよりも暖色であるCCT値を有する白色光に対応する。というのは、上記のように本発明者らは、第1のデバイスによって放出される白色に暖色化値を利用することで必要な青色発光が少なくてすみ、それによって第1のデバイスの寿命を向上できることを見出したからである。加えて、第1および第2の有機発光材料の濃度は、第1の光源によって生成される光が色度図上の、所望の白色領域の中の第3の点にあることになるようなものである。
【0077】
このような一実施形態の説明図が図7に示されており、線701は、青色放出光に対応する第1の点703(CIE = 0.100〜0.200、CIE = 0.050〜0.300によって示された領域内に位置する)と、黄色放出光に対応する第2の点704(CIE = 0.450〜0.600、CIE = 0.400〜0.550によって示された領域内に位置する)との間に引かれている。青色発光材料および黄色発光材料のそれぞれの濃度は、線701に沿って動くように調整することができる(すなわち、黄色放出光と比較して青色放出光が多ければ多いほど、組み合わされた放出光は点703に近くなり、逆も同様である)。このようにして、第1の光源の所望の白色放出光を選び、第1のデバイス用に実施することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1および第2の有機発光材料は燐光性発光体を含む。上記のように、燐光性材料を使用することで動作温度が低下し、それによって第1のデバイスの寿命が向上しうる。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は蛍光性発光体を含み、第2の有機発光材料は燐光性発光体を含む。このことは、燐光性青色材料の寿命が現在、蛍光性青色材料ほど長くなく、そのため青色用に蛍光性材料系を使用することによる寿命の大きな利益を受けることができるので、好ましいことがある。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は、400から500nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出し(青色スペクトルの光に相当する)、第2の有機発光材料は、500から700nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出する。いくつかの実施形態では、第2の有機発光材料は、570から600nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出する(黄色スペクトルの光に相当する)。上記のように、青色および黄色の発光体は、CIE 1931 (x, y)色度図上の2つの点を結ぶ線が所望の白色点を通過するように選ぶことができる。次に、所望のCIE 1931 (x, y)座標を有する白色光の組合せ放出光を第1の光源に与えるように、2つの材料の適正な濃度が選ばれる。
【0079】
いくつかの実施形態で、第1の光源と、第1、第2、第3、および第4のサブ画素とを有する上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は3つの有機発光材料、すなわち、第1の有機発光材料、第2の有機発光材料、および第3の有機発光材料を含む。第1の有機発光材料は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.100〜0.200、CIE = 0.050〜0.300によって画定される第1の領域内に第1の点を有する青色光を放出する。第2の有機発光材料は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.200〜0.400、CIE = 0.600〜0.750によって画定される第2の領域内に第2の点を有する緑色光を放出する。第3の有機発光材料は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.600〜0.720、CIE = 0.280〜0.400によって画定される第3の領域内に第3の点を有する赤色光を放出する。3つの異なる発光材料を利用することによって、2つだけの発光材料を有することによっては得ることができない多くの色を含む、様々な色を得ることが可能になりうる。いくつかの実施形態では、カラーフィルタを使用することで、(例示的な一実施形態で上述した)2つだけの発光体を使用することをより経済的(すなわち、製造するのに低コスト)にすることができる。というのは、第1のデバイスによって放出される様々な色が、サブ画素の組合せによって与えられるからである(つまり、第1の光源は、いくつかの実施形態で、2つだけの発光材料によって得ることができる白色光しか放出する必要がない)。しかし、いくつかの実施形態では、第1の光源は、異なる色の光(すなわち、異なる波長を有する光)をそれぞれが放出する複数のデバイス(または単一デバイス中の複数の発光材料)を備えることができ、各放出光は組み合わされる。
【0080】
この例示的な実施形態を続けると、第1、第2、および第3の点は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360の範囲内に画定される所望の白色領域を含む第4の領域が、第1の点と第2の点の間、第2の点と第3の点の間、および第3の点と第1の点の間に引かれる線によって画定されるようなものとすることができる。例えば、所望の領域は、第1、第2、および第3の有機発光材料からの各放出光を結ぶ線によって作られる三角形の中にありうる。上で論じた実施形態と同様に、所望の領域は、6504K未満のCCT値を有する白色光に対応しうる。というのは、上記のように本発明者らは、第1のデバイスによって放出される白色に暖色化値を利用することで必要な青色発光が少なくてすみ、それによって第1のデバイスの寿命を向上できることを見出したからである。第1、第2、および第3の有機発光材料の濃度は、第1の光源によって生成される光がCIE 1931 (x, y)色度図上の、所望の白色領域の中の第4の点にあることになるようなものである。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の有機発光材料は燐光性発光体を含む。上記のように本発明者らは、デバイスの動作温度を低下させるように第1の光源に1つまたは複数の燐光性発光体を使用することによって、第1のデバイスの寿命向上が実現することを認識した。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は蛍光性発光体を含み、第2、および第3の有機発光材料は燐光性発光体を含む。こうすると、燐光性青色材料の寿命が現在、蛍光性青色材料ほど長くなく、そのため青色用に蛍光性材料系を使用することにより大きな寿命上の利益を受けることができるので、好ましいことがある。いくつかの実施形態では、第1の有機発光材料は、400から500nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出し(青色光に相当する)、第2の有機発光材料は、500から570nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出し(緑色光に相当する)、第3の有機発光材料は、570から700nmの間に可視スペクトルのピーク波長がある光を放出する(赤色光に相当する)。
【0082】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第4のサブ画素は、CIE 1931 (x, y)色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360によって画定される第1の領域内に第1の点を有する光を放出する。上記の例示的な諸実施形態のいくつかに関して説明したように、これらの座標によって1931 CIE XYZ色空間内に画定される領域は、6504K未満のCCTを有する白色光に対応しうる。この関連で、第1のデバイスの寿命(第1の光源の劣化の制限措置に対応する第4のサブ画素の寿命に基づく)は、青色発光のレベルの低下に一部は起因して改善されうる(青色発光材料が制限要因であることが多いので)。いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は積層有機発光デバイス(SOLED)を備える。いくつかの実施形態では、SOLEDは、低温および/または高効率で動作できる燐光性発光体だけを含む。いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第1の光源は単一の電荷発生層(CGL)を有する。
【0083】
いくつかの実施形態では、上述の第1のデバイスにおいて、第1、第2、第3、および第4のサブ画素のそれぞれが、ある開口サイズを有する。第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも大きい。つまり、第4のサブ画素(すなわち白色サブ画素)の開口サイズ(および/またはこのサブ画素自体のサイズ)は、他のサブ画素よりも大きい方が好ましいことがある。というのは、第4のサブ画素で放出される白色光は、それが多くの画像色の一構成要素を成すので、最も多く使用されるからである。より大きい開口サイズを有することにより(この開口を通って白色光はサブ画素から放出される)、デバイスを低い電流密度で動作させてもなお同じ輝度を得ることができる。そのために、こうすることがデバイスの寿命を伸ばしうる。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりもかなり大きい。かなり大きいということによって、光が通って放出される開口部が少なくとも5%大きいことを意味する。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも約10%から300%の間だけ大きい。上記のように、第4のサブ画素の開口サイズが大きければ大きいほど、所望の輝度を得るために第1の光源で必要とされる電流密度が低減する可能性が高くなる。
【0084】
本発明者らはまた、いくつかの実施形態では、Wサブ画素のサイズを低減することが好ましい場合もあることを認識した。いくつかの実施形態では、こうすることで、解像度が改善され、表示色域が広くなることがある。いくつかの実施形態では、第4のサブ画素の開口サイズは、第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズより小さく約1/1.1から1/3.0の間になりうる。しかし、Wサブ画素のサイズを低減すると、サブ画素の単位面積当たりの輝度を増加させる必要がありうるので、照光デバイスに悪影響が及ぶ可能性がある。これによりひいては、より高い電流密度が必要になり、その結果デバイスの寿命が低減する可能性がある。
【0085】
例示的な実施形態の例示的なシミュレーション
【0086】
以上で説明したように、諸実施形態で、暖色化ホワイトバランスを有するRGBW照光デバイス(OLEDディスプレイなど)を実現することができる。例えば、ディスプレイのホワイトバランスは、約6504K未満の相関色温度(CCT)を有することができる。いくつかの実施形態では、白色(W)サブ画素からの放出光は、ディスプレイのホワイトバランスとよく一致する場合があり、その結果このデバイスは、より効率的に動作できることになる。いくつかの実施形態では、OLEDは少なくとも2つの有機積層を含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、Wサブ画素は、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のサブ画素の開口サイズよりも大きい開口サイズを有することが好ましく、またWサブ画素の開口サイズは、このサブ画素からの放出光がこのようなデバイスから放出される光の最大部分を成すことが多いので、かなり大きいことが好ましい。いくつかの実施形態では、白色放出光は、OLEDの動作温度を低下させ寿命を向上させるために、全燐光性発光体を使用して得られることが好ましい。これにより、消費電力が少ないデバイスを得ることができる。いくつかの実施形態では、赤色および緑色の燐光性構成要素を青色の蛍光性構成要素とともに使用することが好ましいことがある。以下に、本発明者らが実施した、上述の概念の一部を示すシミュレーションの結果を提示する。
【0087】
いくつかの実施形態で、また上記のように、特にRGBW OLEDディスプレイにおいては、白色(「W」)サブ画素が一般に最も高頻度に使用され、したがって、ディスプレイの寿命を決めるのはWサブ画素の寿命になる。本明細書に開示されたように、本発明者らは、Wサブ画素放出光(例えば、照光デバイスの白色放出光)が、寒色化ホワイトバランス(例えば、CCTがD65以上のホワイトバランスを有する)ではなく暖色化ホワイトバランス(例えば、6504KのCCTを有するD65未満のCCT値を有する)と一致すれば、Wサブ画素の寿命が改善されうることを実証した。これは、本発明者らが実施し、以下で詳細に説明する下記のシミュレーションで示される。説明されるデバイスは、特定の構成要素、値、設定などの選択を含めて、説明だけが目的であり、それによって限定するものではないことを理解されたい。
【0088】
説明のために、また簡単にするために、この例示的なシミュレーションでは温度の影響を無視した。より高度のモデルでは、各サブ画素内の電流密度を用いてWサブ画素動作温度を見積もることができ、また追加の寿命補正係数を導入することもできることに留意されたい。この関連で、低消費電力、および特に小さい電流密度は、それにより一般にWサブ画素の動作温度が低下し、この温度低下でひいてはサブ画素の寿命が向上しうるので、有利なことがある。加えて、動作温度の低下を実現するためのいくつかの方法がありうる。動作温度の低下を効果的に実現するための、本発明者らが認識した(いくつかの実施形態で好ましいことがある)1つの方法は、OLEDに高効率の燐光性発光体を使用するものである。
【0089】
次のWサブ画素OLED構成、すなわち、1つの内部接合(または電荷発生層(CGL))を伴う2積層OLEDデバイスを、このシミュレーションのために使用した。黄色放出光は図4(a)に示され、青色放出光は図4(b)に示されている。図4(a)で分かるように、黄色放出光は566nmでピークに達し、半値全幅(FWHM)が84nmに等しい。図4(b)に示されるように、青色放出光は455nmでピークに達し、FWHMが47nmに等しい。青色発光スペクトルは、参照によりその全体が本明細書によって組み込まれるKawamura他の「New Deep Blue Fluorescent Materials and Their Application to High Performance OLEDs」、Proc. Soc. Inf. Disp. Tech. Papers、829頁(2011)から取られている。結果として得られるすべてのサブ画素の(カラーフィルタ吸収損失前の)外部量子効率(EQE)は40%と想定した。このEQEは、黄色および青色両方の放出光が燐光性材料系からのものであれば妥当である。
【0090】
図5(a)〜(c)は、例示的なデバイスのシミュレーションにおいてR、GおよびBのサブ画素に使用された例示的カラーフィルタの光透過率を示す。これらのカラーフィルタは、図3でサブ画素303〜305のそれぞれに対し示されたカラーフィルタに対応しうる。図5(a)は、赤カラーフィルタについて光透過率を波長に応じて示し、このフィルタは約580nmを超える波長の光を通過させる一方で、それ未満の波長を阻止する。図5(b)は、緑カラーフィルタについて光透過率を波長に応じて示し、このフィルタは約480nmから580nmの間の波長の光を通過させる一方で、他の波長を阻止する。図5(c)は、青カラーフィルタについて光透過率を波長に応じて示し、このフィルタは約390nmから520nmの間の波長の光を通過させる一方で、他の波長を阻止する。本明細書で説明するカラーフィルタおよび特性は例示的なものにすぎず、また他のデバイスが、サブ画素用の各カラーフィルタのどれかまたは全部について光透過率の範囲がわずかに異なるカラーフィルタを有しうることを理解されたい。
【0091】
サブ画素からの放出光を制御するのに使用される、薄膜トランジスタ(TFT)を含めた例示的なディスプレイの電圧は12Vと想定した(例えば、各OLED積層(例示的デバイスの2積層)に対し4V、またTFTに対し4V)。一般に、複数の積層を含むOLEDデバイス構成が、駆動TFTからの電力損を低減できるので好ましいことがある。これは、OLEDの積層の数が増えるにつれ、所与の明るさにおける電流が低減することに基づいて、駆動TFTによる百分率電力損失が低減することを意味する。この関係は図6に示されている。
【0092】
図6に示されているように、シミュレーションされた例示的なデバイスの消費電力は、1積層設計から2積層設計の間で相対的に大きく低下する。追加の積層を含む設計(すなわち、3積層および4積層)では、継続して消費電力が低減するが、その利益は一般に、各積層の追加に見合うほど大きくない。特に図6は、D90のホワイトバランス(すなわち、(0.287, 0.296)のCIE 1931 (x, y)座標および約9000KのCCTを有する)と、(0.291, 0.291)のCIE 1931 (x, y)座標を有するホワイトバランスとよく一致したWサブ画素からの放出光とを伴う、例示的なRGBW OLEDディスプレイのデータを示す。1積層設計から2積層設計へ移ることによって、24.9%の電力節減を実現することができる。加えて、所与の明るさに対し、積層の数を増すことによって寿命もまた向上できることを理解されたい。これは、同じ光出力に対して必要とされる電流密度の低減に一部は起因する。この例示的なシミュレーションでは、本発明者らは2積層設計に注目した。追加の積層もまた使用できるが(それにより消費電力が低下しうる)、追加の積層を使用することで製造コストが上昇し、光吸収損失が増大する可能性がある。
【0093】
例示的なシミュレーションを続けると、図4(a)および図4(b)それぞれに示された例示的な黄色発光体および青色発光体からの黄色放出光と青色放出光の比を変えることによって、D50、D65およびD90の各ホワイトバランス点とよく一致する白色放出光色度を示すことが可能である。これは、図7に線701で示されている。線702は、プランク軌跡(または黒体軌跡)を表し、これは白熱黒体の色が、その黒体温度が変化したときに特定の色度空間内で取る経路または軌跡である。
【0094】
図8(a)〜(c)は、例示的なデバイスからの白色発光スペクトルを示す。図8(a)は、D50のホワイトバランスを有するデバイスの発光スペクトルを示す。図8(b)は、D65のホワイトバランスを有するデバイスの発光スペクトルを示す。図8(c)は、D90のホワイトバランスを有するデバイスの発光スペクトルを示す。黒線801は、第1の光源の白色発光スペクトルを示し(これはまた、例示的なシミュレーションにおけるWサブ画素の色でもある)、影付きの各領域は、それぞれの白色発光スペクトルに対し各カラーフィルタによって予想される透過を示す。つまり、影付き領域802は、各透過スペクトルに対する青カラーフィルタの透過を示し、影付き領域803は、各発光スペクトルに対する緑カラーフィルタの透過を示し、影付き領域804は、各発光スペクトルに対する赤カラーフィルタの透過を示す。D50のホワイトバランスに対応する白色発光に必要とされる青色発光が、D65またはD90のホワイトバランスに対するものよりもかなり少ないことが分かる。
【0095】
例示的なシミュレーションの目的で、10枚の典型的なサンプル画像を表示しているときの例示的な32インチRGBW OLEDディスプレイについて、消費電力をモデル化した。例示的なディスプレイは、全白色時(すなわち、ディスプレイ画素のすべてが白色を表示するように設定されたとき)に360cd/mで動作した。消費電力は、サブ画素のそれぞれについてモデル化され、次に、例示的な表示をするための消費電力が、各サブ画素の消費電力を合計することによって計算された。この計算を10枚のサンプル画像それぞれについて行い、次にその平均値を用いてディスプレイの消費電力を確定した。ディスプレイの消費電力を、(1) D50、約(0.346, 0.359)のCIE 1931 (x, y)座標を有する、(2) D65、約(0.313, 0.329)のCIE 1931 (x, y)座標を有する、および(3) D90、約(0.287, 0.296)のCIE 1931 (x, y)座標を有する、の3つの異なるホワイトバランスについて計算した。それぞれの場合で、第1の光源(したがってWサブ画素)の白色放出光を、(1)約(0.346, 0.357)のCIE 1931 (x, y)座標を有する白色放出光D50、(2)約(0.318, 0.324)のCIE 1931 (x, y)座標を有する白色放出光D65、および(3)約(0.291, 0.292)のCIE 1931 (x, y)座標を有する白色放出光D90の、それぞれのホワイトバランスによく一致するように制御した。白色放出光は、それぞれのホワイトバランスとともに表2に示されている。例示的なデバイスに対するシミュレーションのこの部分の結果は、以下のTable 1(表1)に示されている。
【0096】
【表1】

【0097】
上記のように、典型的なRGBW OLEDディスプレイの寿命は、Wサブ画素によって決まり、より具体的にはWサブ画素の青色要素によって決まる。したがって、本発明者らはまた、例示的なデバイスについて、10枚のサンプル画像のそれぞれに対するWサブ画素の平均電流密度を計算した。次に、この平均電流密度を用いて例示的なディスプレイの予想寿命を計算した。この目的のために、初期輝度の95%までの青色構成要素の寿命を、1,000cd/mにおいてLT95 = 2,000時間とした。これは、Kawamura他のSoc. Inf. Disp. Tech. Papers、829頁(2011)に報告されているように、妥当な寿命である。1.5の加速係数(AF)を想定した。例示的なデバイスでは、各サブ画素のサブ画素開口率は40%と想定した。例示的なディスプレイの寿命は、同じ3つの異なるホワイトバランスと白色放出光について計算した。シミュレーションのこの部分の結果は、以下のTable 2(表2)に示されている。
【0098】
【表2】

【0099】
表1は、3つの異なるホワイトバランスそれぞれでの、各サブ画素の消費電力、ならびに総ディスプレイ消費電力を示す。例示的なシミュレーションで、消費電力はD50が最少であることが分かる。つまり、D50でのシミュレーションにおいて消費電力は、D65よりも3.4W少なく、D90よりも5.8W少ないと計算された。このデータは、さらに表2に要約されている(「電力」の欄)。「B係数」は、青色放出光のピーク高さと、赤色または緑色放出光ピークの最高のピーク高さとの比を示す。
【0100】
表2から、例示的なシミュレーションでは、D65ホワイトバランスからD50ホワイトバランスに移したとき、9.8%の消費電力の低減、および47.1%のWサブ画素の寿命向上(ここではLT90(すなわち、サブ画素が初期輝度の90%になる時間)に対して見積もった)があることが分かる。ホワイトバランスに応じた消費電力および寿命のデータは、図9に示されている(寿命データ901は、図9のグラフの右側の目盛に基づく時間が尺度とされ、消費電力データ902は、図9のグラフの左側の目盛に基づくワットが尺度とされていることに注意されたい)。図9に示されるように、白色サブ画素の寿命901は、消費電力902が減少するにつれて向上する。さらに、ホワイトバランスがD90からD65、D50へと低下するにつれて、白色サブ画素の寿命901は向上する。上述のように、どのホワイトバランスレベルでも消費電力を最少にするには(それに応じて最長の寿命を得るには)、ディスプレイの白色放出光は、選択されたホワイトバランスにほぼ一致しなければならないことに留意されたい。
【0101】
例示的なシミュレーションにより、以前に考えられていたよりも暖色化白色である(例えば、CCTが6504KのD65よりも低いCCT値を有する)ホワイトバランス点を選択することによって、またこのホワイトバランス点にWサブ画素放出光をよく一致させることによって、ディスプレイ消費電力を最少にし、動作寿命を最大にすることが可能であることが示される。加えて、寿命のさらなる向上を、例えばより大きいWサブ画素開口を使用することによって(その結果、必要な電流密度が低減されることになる)、および/または複数のOLED積層を使用することによって実現することができる。上記のように、本発明者らは、以前のデバイスとは異なり、ホワイトバランス点をD65の値に恣意的に設定しないで、それを最適にした。
【0102】
本明細書で説明した様々な実施形態は例示的なものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。例えば、本明細書で説明した材料および構造物の多くは、本発明の趣旨から逸脱することなく他の材料および構造物で置き換えることができる。したがって、本明細書で特許請求する本発明は、当業者には明らかであるように、本明細書で説明した特定の諸例および好ましい諸実施形態からの変形形態を含みうる。本発明がなぜ効果を現すかについての様々な理論は限定的なものではないことを理解されたい。
【0103】
「1つの(a)」、「1つの(an)」、または「その(the)」という記述は「1つまたは複数の」ということを、それとは反対の指示が特にない限り意味するものである。
【符号の説明】
【0104】
100 有機発光デバイス
110 基板
115 アノード
120 ホール注入層
125 ホール輸送層
130 電子阻止層
135 放出層
140 ホール阻止層
145 電子輸送層
150 電子注入層
155 保護層
160 カソード
162 第1の導電層
164 第2の導電層
200 反転OLED
210 基板
215 カソード
220 放出層
225 ホール輸送層
230 アノード
300 デバイス
301 OLED
302〜305 サブ画素
701 線
702 線(プランク軌跡を表す)
703 第1の点
704 第2の点
801 黒線(第1の光源の白色発光スペクトルを示す)
802 影付き領域(発光スペクトルに対する青カラーフィルタの透過を示す)
803 影付き領域(発光スペクトルに対する緑カラーフィルタの透過を示す)
804 影付き領域(発光スペクトルに対する赤カラーフィルタの透過を示す)
901 寿命データ
902 消費電力データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの有機発光デバイスを含む第1の光源であって、6504K未満の相関色温度(CCT)を有した近白色光を放出する第1の光源と、
複数の画素とを備える第1のデバイスであって、それぞれの画素が、
前記第1の光源と光学的に連絡する第1のカラーフィルタを含む第1のサブ画素であって、前記第1のカラーフィルタが前記第1の光源からの光を通すように適合され、前記第1のカラーフィルタに通される光が400から500nmの間の可視スペクトル内にピーク波長を有する、第1のサブ画素と、
前記第1の光源と光学的に連絡する第2のカラーフィルタを含む第2のサブ画素であって、前記第2のカラーフィルタが前記第1の光源からの光を通すように適合され、前記第2のカラーフィルタに通される光が500から580nmの間の可視スペクトル内にピーク波長を有する、第2のサブ画素と、
前記第1の光源と光学的に連絡する第3のカラーフィルタを含む第3のサブ画素であって、前記第3のカラーフィルタが前記第1の光源からの光を通すように適合され、前記第3のカラーフィルタに通される光が580から700nmの間の可視スペクトル内にピーク波長を有する、第3のサブ画素と、
相関色温度(CCT)が6504K未満である近白色光を放出する第4のサブ画素とを含む、第1のデバイス。
【請求項2】
前記第4のサブ画素がカラーフィルタを含まない、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項3】
前記第1の光源の色度が、前記第4のサブ画素によって放出される光の色度とほぼ同じである、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項4】
前記第4のサブ画素が、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360によって画定される第1の領域内に第1の点を有する光を放出する、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項5】
前記第4のサブ画素が、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上でプランク軌跡から0.010のDuv距離内にある第1の点を有する光を放出する、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項6】
前記第4のサブ画素が、4000Kを超え6504K未満の相関色温度(CCT)を有する光を放出する、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項7】
前記第4のサブ画素が、4000Kを超え6400K未満の相関色温度を有する光を放出する、請求項6に記載の第1のデバイス。
【請求項8】
前記第4のサブ画素が、5800Kを超え6200K未満の相関色温度を有する光を放出する、請求項6に記載の第1のデバイス。
【請求項9】
前記第1のデバイスが、あるホワイトバランスを有するディスプレイであり、前記ディスプレイの前記ホワイトバランスの色度が、前記第4のサブ画素から放出される光の色度とほぼ等しい、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項10】
前記第1のデバイスが、あるホワイトバランスを有するディスプレイであり、
前記ホワイトバランスが、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上に第1の点を有し、
前記第4のサブ画素が、CIE 1976 (L*, u*, v*)色空間色度図上に第2の点を有する光を放出し、
前記第1の点と前記第2の点の間の相違のduv値が0.005未満である、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項11】
前記第1の光源が、第1の有機発光材料および第2の有機発光材料のちょうど2つの有機発光材料を含む、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項12】
前記第1の有機発光材料が、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.100〜0.200、CIE = 0.050〜0.300によって画定される第1の領域内に第1の点を有する青色光を放出し、
前記第2の有機発光材料が、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.450〜0.600、CIE = 0.400〜0.550によって画定される第2の領域内に第2の点を有する黄色光を放出し、前記第1の点と前記第2の点の間に線を引いたときに、該線が前記CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360の範囲内に画定される所望の白色領域を通過し、
前記第1および第2の有機発光材料の濃度が、前記第1の光源によって生成される光がCIE 1931 XYZ色空間色度図上の所望の白色領域内の第3の点にあることになるものである、請求項11に記載の第1のデバイス。
【請求項13】
前記第1および第2の有機発光材料が燐光性発光体を含む、請求項11に記載の第1のデバイス。
【請求項14】
前記第1の有機発光材料が蛍光性発光体を含み、前記第2の有機発光材料が燐光性発光体を含む、請求項11に記載の第1のデバイス。
【請求項15】
前記第1の光源が積層有機発光デバイス(SOLED)を含む、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項16】
前記第1の光源が、第1の有機発光材料、第2の有機発光材料および第3の有機発光材料の3つの有機発光材料を含む、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項17】
前記第1の有機発光材料が、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.100〜0.200、CIE = 0.050〜0.300によって画定される第1の領域内に第1の点を有する青色光を放出し、
前記第2の有機発光材料が、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.200〜0.400、CIE = 0.600〜0.750によって画定される第2の領域内に第2の点を有する緑色光を放出し、
前記第3の有機発光材料が、CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.600〜0.720、CIE = 0.280〜0.400によって画定される第3の領域内に第3の点を有する赤色光を放出し、
CIE 1931 XYZ色空間色度図上の、CIE = 0.315〜0.350、CIE = 0.330〜0.360の範囲内に画定される所望の白色領域を含む第4の領域が、第1の点と第2の点の間、第2の点と第3の点の間、および第3の点と第1の点の間に引かれる線によって画定され、
前記第1、第2、および第3の有機発光材料の濃度が、前記第1の光源によって生成される光がCIE 1931 XYZ色空間色度図上の所望の白色領域内の第4の点にあることになるものである、請求項16に記載の第1のデバイス。
【請求項18】
前記第1、第2、および第3の有機発光材料が燐光性発光体を含む、請求項16に記載の第1のデバイス。
【請求項19】
前記第1の有機発光材料が蛍光性発光体を含み、前記第2および第3の有機発光材料が燐光性発光体を含む、請求項16に記載の第1のデバイス。
【請求項20】
前記第1、第2、第3、および第4のサブ画素それぞれが、ある開口サイズを有し、前記第4のサブ画素の開口サイズが、前記第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも大きい、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項21】
前記第4のサブ画素の開口サイズが、前記第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも約10%から300%の間だけ大きい、請求項20に記載の第1のデバイス。
【請求項22】
前記第1、第2、第3、および第4のサブ画素それぞれが、ある開口サイズを有し、前記第4のサブ画素の開口サイズが、前記第1、第2、および第3のサブ画素それぞれの開口サイズよりも小さい、請求項1に記載の第1のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−26224(P2013−26224A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−158425(P2012−158425)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【出願人】(503055897)ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション (61)
【Fターム(参考)】