長尺体保持具
【課題】 異なる外径の長尺体のいずれをも揺動することなく保持することができる長尺体保持具を提供する。
【解決手段】 略平板状に形成された基板と、該基板と一体に形成されたロック部と保持帯を形成し、該保持帯には1箇所もしくは複数箇所の薄肉に形成されたヒンジを形成し、また、該ロック部には1箇所または複数箇所の係止凸部を形成し、かつ、該保持帯とロック部の間には略平板状の受け部を形成し、該受け部はその長手方向に、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成する。
【解決手段】 略平板状に形成された基板と、該基板と一体に形成されたロック部と保持帯を形成し、該保持帯には1箇所もしくは複数箇所の薄肉に形成されたヒンジを形成し、また、該ロック部には1箇所または複数箇所の係止凸部を形成し、かつ、該保持帯とロック部の間には略平板状の受け部を形成し、該受け部はその長手方向に、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気機器や車体などに取り付けて、配線・配管材などの長尺体の部材を保持し固定するための長尺体保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、電線や配管材などの長尺体を電気機器や車体等の内部に取り付けるための長尺体保持具(以下、簡単に「保持具」と呼ぶ場合がある)として、下記の特許文献に記載されているものがある。
【特許文献1】実開昭56−123727号公報
【0003】
この種の保持具では、ロックさせた保持具の収納部の内部に配線等の長尺体を保持するのだが、長尺体を押さえつけて保持する機能が無いため、線径の小さな長尺体は保持具の内部で動いてしまう、という問題があった。これでは、電気機器等の内部で配線(長尺体)がずれたりガタついたりする原因となる上、不用意に配線が何らかの外力によって引っ張られると、配線が電源などから外れてしまう。
【0004】
上記の問題を解決するための長尺体保持具として、下記の文献に記載されているものがある。
【特許文献2】実開平3−65080号公報
【特許文献3】実開昭64−9413号公報
【非特許文献1】意匠登録1166720号公報
【0005】
これらの保持具では、保持した長尺体のズレやガタつきを防止するため、例えば特許文献2ないし特許文献3の例では、長尺体の収納部に、長尺体を押さえるための樹脂バネを設けたり、該収納部を分割したりしていた。このため、保持具のサイズが大きくなってしまうという欠点があった。昨今の家電製品などは全体のサイズをコンパクト化する傾向があるため、保持具のサイズが大きいと狭い場所に取り付けられず不便である。
【0006】
また、従来品の保持具は、樹脂バネ等で配線収納部を分割した場合は、長尺体の収納部が決まっているため、いちいち収納部内の所定の場所に線を配置せねばならず、作業性が悪かった。例えば、上記の特許文献2の例では、樹脂バネ(符号15)とリブ(受け部、符号14)の間に長尺体を収納すると、長尺体は樹脂バネとリブ(受け部)に当接してしっかりと押圧されるが、誤って樹脂バネ(符号15)とC型弾性湾曲帯(符号7)との間に長尺体を収納してしまうと、長尺体を押さえられない。これでは長尺体保持具内に保持したはずの長尺体が動いてしまう。
【0007】
さらに上記特許文献に記載の保持具は、径の異なる複数の長尺体を保持する場合、径の大きな長尺体は樹脂バネ等で押圧したまま保持できるが、径の大きな長尺体を押さえると、径の小さな長尺体には樹脂バネ等の長尺体をおさえる部分が当接しない(上記の非特許文献1の図6など)。よって、同時に径の違う長尺体を押さえることができず、長尺体保持具内で径の小さい長尺体が動いてズレたりガタついたりしてしまう。これでは径の異なる複数の長尺体をズレやガタつきなく保持するという目的を達成できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような事情を鑑み、なされたものであって、異なる外径の長尺体のいずれをもガタつかないよう押さえて保持することができ、かつ長尺体を収納する際の作業性が良く、サイズの小さい長尺体保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための手段として、本発明にかかる長尺体保持具は、電線等の長尺体を保持するための長尺体保持具であって、
略平板状に形成された基板と、
該基板と一体に形成されたロック部と、該基板からヒンジを介して一体に延設して形成された保持帯を形成し、
該保持帯には1箇所もしくは複数箇所の薄肉に形成されたヒンジを形成し、
また、該ロック部には1箇所または複数箇所の係止凸部を形成し、
かつ、該保持帯とロック部の間には略平板状の受け部を形成し、該受け部はその長手方向に、一方の端から他方の端に向けて下方に傾斜をつけて形成するが、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成するのが望ましく、
さらに、該受け部と基板の間には貫通した状態で穴を形成することや、
また、該受け部の(ヒンジ8側の)端側を自由端になるよう形成することもできる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、該長尺体保持具の保持帯に1箇所または複数箇所の薄肉に形成したヒンジを設けており、このヒンジ部分は、保持する長尺体が当接して干渉する部分からそれぞれに適宜屈曲するため、該長尺体保持具内に長尺体を保持した際には、該保持帯は当接する長尺体の外周に添う形状に屈曲し、長尺体を保持帯と受け部にて押圧しながら挟持することが可能である。
これにより、従来品のような樹脂バネを形成しなくても、線径の異なる長尺体(配線・配管)をしっかりと押さえて保持することができる。よって、本発明の長尺体保持具は、
樹脂バネを省略する分、高さ方向のサイズを比較的コンパクトに形成できる。
また、樹脂バネを形成せずとも済む分、長尺体保持具をつくるための金型がシンプルな形状で済むので、製作コストを低減させることができる。
さらに、長尺体保持具の消費者の立場から見ると、長尺体の径のサイズが変わるごとに使用する長尺体保持具を変更しなくて済むため、多種類の長尺体保持具からいちいち選び取る手間が省けて作業効率が良い。また多種類の長尺体保持具を購入せずとも本発明の長尺体保持具一種類を用意すれば良いので、購入の手間やコストも低減できる。
また、従来品のように、樹脂バネ等で長尺体の収納部を分割していないので、長尺体を挿入する順序を規制しなくても良く、いちいち収納部内の所定の場所に長尺体を配置しなくて良いので作業効率が大変に良い。
【0011】
請求項1の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、該長尺体保持具のロック部に1箇所または複数箇所の係止凸部を形成しているため、大きな径の長尺体や、複数本の長尺体を保持する場合には上部(ロック部の自由端に近い側)に形成された係止凸部に保持帯先端の係止爪を係止させ、比較的小さな径の長尺体や、長尺体を一本だけ保持したい場合には、下部(ロック部の、基板に近い側)に形成された係止凸部に保持帯先端の係止爪を係止させれば良い。保持すべき長尺体のサイズ、本数によって係止爪の係止位置を変更すれば対応できるので、長尺体保持具は本発明の品を1種類だけ使用すれば良く、さまざまな径サイズに合わせて使う長尺体保持具を変更しなくても済み、作業効率が良くなる。
【0012】
従来の長尺体保持具にも、長尺体を収納する部分にリブや受け部を設けたものは存在するが、それらのリブ(または受け部)は両端部が高く、その中央へ向けて低くなるよう傾斜がついているタイプのものであり、長尺体収納部の中央付近に長尺体が配置されるようになっていた。(例えば、特許文献2)。これに対し、請求項1ないし請求項2の発明によれば、本発明の長尺体保持具では違う形状の受け部を提案している。この、本発明にかかる長尺体保持具に形成された受け部はその長手方向に、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成されている。これにより、保持すべき長尺体を該受け部上に配置すると、長尺体は自然に受け部上を高い方から低い方へと滑り、保持帯と受け部に当接する場所で止まるため、手前のロック部側に長尺体がたまることがなく、ロック部で長尺体を挟み込まないよう手でどかしたりせずに済むので作業性が良い。
また、複数の線径の異なる配線を保持する場合でも、長尺体を挿入する順序を規制しなくても良いため、作業効率が大変に良い。
さらに、大径の長尺体や複数の長尺体も、保持帯と受け部に当接する場所で止まるので、しっかりと固定して保持することができる。長尺体が何らかの外力によって不用意に引っ張られた場合も、長尺体が長尺体保持具内で動いたりしない。
【0013】
請求項3の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、前記保持帯に形成したヒンジの薄肉に形成している部分の長さを、保持帯の長手方向へ長くとって形成されている。このヒンジ部分は、保持すべき長尺体が当接して干渉する部分から適宜屈曲するため、該長尺体保持具内に長尺体を保持した際には、該保持帯は当接する長尺体の外周に添う形状に屈曲し、長尺体を保持帯と受け部にて押圧しながら挟持することが可能である。
長尺体は常に保持帯と受け部双方に当接する場所で止まるため、従来品のような樹脂バネが無くても複数の線径の異なる長尺体を、保持帯と受け部にて押圧しながら挟持することができる。これにより、長尺体がガタついたり動いたりしないので、長尺体が何らかの外力によって不用意に引っ張られた場合も、長尺体が長尺体保持具内で動いたりしない。
【0014】
請求項4の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、前記受け部と前記基板の間に貫通した形状に穴を形成しているので、保持すべき長尺体の径が比較的太い場合でも、該受け部が本体素材である樹脂の性質である可撓性により、基板側に向けて多少たわむので、このたわみ分、該長尺体の径の太さを吸収して、長尺体を保持することが可能である。
【0015】
請求項5の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、前記受け部の端側を自由端になるよう形成されており、受け部のもう一方の端はロック部と一体に形成されている。これにより、受け部は本体素材の樹脂の性質である可撓性により、基板側に向けて多少たわむので、このたわみ分、該長尺体の径の太さを吸収して、長尺体を保持することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施例)を、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明にかかる長尺体保持具1の実施の一例を示すもので、図2はその平面図、図3は底面図、図4は右側面図、図5は左側面図である。背面図は正面図と左右対称であるため省略する。なお、図4と図5は、本発明の実施例を寸法通りに図示しているのだが、係止凸部5、6部分やヒンジ9、10部分にはなだらかなアールがついているため、図を見てもわかりづらい。よって、参照のために係止凸部5、6とヒンジ9、10を誇張して図15、図16に示す。
【0018】
図1ないし図5と図15、図16に示すように、本実施例の長尺体保持具1は、平らな板状の基板2と、受け部3と、保持帯11と、ロック部4が一体に形成される。
【0019】
詳しく説明すると、前記、基板2の表面側の一端に、基板2よりヒンジ8を介して延設して形成された保持帯11が基板2と一体に形成されている。この保持帯11は配線等の長尺体を包囲して保持する部分であり、一定の周長と幅とを有する帯状のものである。明細書中、この保持帯11の、平面図にした際に見える側を表面、その反対側(基板2に向かい合う側)を裏面と呼ぶ。この保持帯11の自由端には係止爪13が鉤爪状に形成されている。
【0020】
前記保持帯11は1箇所または複数箇所が他の部分より薄肉になるよう形成されている。本実施例の形状では、帯状の保持帯11の基板2付近にはヒンジ8が、保持帯11の裏面側が薄肉になるように形成されている。そして、保持帯11の自由端付近には略Uの字状にカーブ12が形成され、ヒンジ8とカーブ12の間にはヒンジ9とヒンジ10が、保持帯11の表面側が薄肉になるように形成されている。これらカーブ12、ヒンジ9、ヒンジ10の形成箇所や配置の順、断面の厚さは本実施例の形状に限定するものではなく、長尺体保持具1に保持させたい物品の形状やサイズによって適宜変更できる。
【0021】
長尺体保持具1の基板2のもう一方の端には、前記保持帯11と対向する位置に、基板2から略垂直方向に突出する柱状のロック部4が形成されている。
このロック部4は、保持帯11の反対側(正面図で見ると右側)に鉤爪状に突出して形成された係止凸部が1つ、または複数設けられている。この係止凸部はそれぞれ、基板2方向へ僅かに傾けて形成される。係止凸部は2つ形成しておくことが望ましく、本実施例ではロック部4の基板2に近い位置に形成されたものを係止凸部6、ロック部4の自由端に近い位置に形成されたものを係止凸部5とする。
【0022】
そして、前記収納部11とロック部4の間には略平板状の受け部3が形成されている。この受け部3の高さはその長手方向に、ロック部4側が高く、ヒンジ8側へ向かって徐々に低くなるよう傾斜をつけて形成されている。この受け部3の傾斜について、高低の向きや角度は本実施例の形状に限定するものではない。また、保持させたい長尺体の形状によっては受け部3の厚さ(受け部3の長手方向に対し垂直な方向の厚み)を変更しても良いし、受け部3の長尺体と当接し得る部分にアールをつけても構わない。
【0023】
前記の基板2は、図9〜図14に示したように、基板2の裏面(底面図で見える側)に接着シート15を貼り付ける、または接着剤を塗布するなどして、各種機器に貼り付けて使用すると良い。また、本実施例の形状に限定せず、図18、19に示すようなスナップフィット式の矢じりをつけても良いし、図17に示すように、基板2に穴18を開口しておき、ネジやブッシュなどで各種機器に留め付けても構わない。
【0024】
図9は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態、つまり、長尺体14を保持している状態を表す正面図である。
長尺体14を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
このとき、長尺体保持具1の保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3側へと傾き、平仮名のくの字状に屈曲するとともに、保持帯11の裏側が長尺体14に当接するため、ヒンジ10が長尺体14の外周の形状に沿うように受け部3と反対の方向に向けて僅かに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体14は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体14は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0025】
図10は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、図9よりも径の大きな長尺体14を保持している状態を表す正面図である。
長尺体14を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部5にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。係止爪13を、係止凸部6よりも係止爪13に近い側にある係止凸部5に係止させたため、空間7は図9の場合より広く確保することが可能となった。
この場合、保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3方向に向けて倒れるように屈曲し、長尺体14に当接する。ヒンジ9部分は屈曲せず、ヒンジ10部分が長尺体14の外周の形状に沿って、受け部3と反対の方向に向けてわずかに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体14は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体14は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0026】
図11は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体16、17を保持している状態を表す正面図である。長尺体16、17を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11のヒンジ8は、長尺体16が保持帯11と受け部3の間に挟まっているため屈曲せず、ヒンジ9が長尺体16の外周の形状に沿うように僅かに屈曲し、ヒンジ10が長尺体17の外周形状に沿うように僅かに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体14は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0027】
図12は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体16、17を保持している状態を表す正面図である。長尺体16、17を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3方向に向けて倒れるように屈曲し、保持帯11が長尺体17に当接するため、保持帯11のヒンジ9部分は長尺体17外周の形状に沿うように屈曲し、ヒンジ10部分も長尺体16の外周形状に沿うように屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体16、17は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0028】
図13は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体16、17を保持している状態を表す正面図である。長尺体16、17を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3方向へ傾くように僅かに屈曲し、保持帯11が長尺体16に当接するため、ヒンジ9部分にて長尺体16の外周の形状に沿うように僅かに屈曲し、さらに保持帯11が長尺体17に当接するため、ヒンジ10部分にて長尺体17外周に沿うように僅かに屈曲し、
カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体16、17は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0029】
図14は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体17、16を保持している状態を表す正面図である。長尺体17、16を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11のヒンジ8は、長尺体17が保持帯11と受け部3の間に挟まっているため屈曲せず、ヒンジ9が長尺体17の外周の形状に沿うように僅かに屈曲し、さらに保持帯11は長尺体16にも当接するため、ヒンジ10が長尺体16の外周形状に沿うように僅かに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。
カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体17、16は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【実施例2】
【0030】
図8は本発明にかかる長尺体保持具1の、他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の保持帯11に形成したヒンジ9は、該ヒンジ9の薄肉部分を、保持帯11の長手方向に長く形成しても良い。
【0031】
上記に記載したように、本発明の長尺体保持具は、保持すべき長尺体の径のサイズや本数に合わせ、ヒンジ8、9、10がそれぞれ適宜屈曲するとともに、カーブ12部分が拡開され、カーブ12が樹脂の特性である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働くため、径のサイズがまちまちな複数本の長尺体を保持する場合でも、しっかり保持帯11と受け部3にて押圧しながら挟持できる構造となっている。
上記保持帯11の形状、長さは少なくとも2種類の径の長尺体を同時に保持固定可能なサイズを有しているが、その幅と断面形状については特に限定するものではなく、固定すべき長尺体の直径、本数等に合わせて適宜決定することができる。
【実施例3】
【0032】
図17は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の基板2には穴18を形成し、長尺体保持具1を取り付けたい対象物の板金などにネジやブッシュなどで留めつけても良い。
【実施例4】
【0033】
図18は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の基板2の裏面には、スナップフィット状の矢じり19や弾性支持片20を基板2と一体に形成しても良い。矢じり19や弾性支持片20の形状や形成位置は図18に示したものでも良いが、これに限定せず、取り付けたい対象物の形状によって適宜変化させて構わない。さらに、弾性支持片20の形状だが、図示したように弾性支持片20の自由端に回転止め23をつけておき、長尺体保持具1を取り付けたい対象物にあらかじめ回転止め23と係合する穴を形成しておくと、長尺体保持具1を対象物に取り付けた後は、回転止め23が穴に係止しているので、長尺体保持具1に何らかの外力がかかって回転してしまうことを防止できる。
【実施例5】
【0034】
図19は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の基板2の裏面には、スナップフィット状の矢じり19を基板2と一体に形成しても良い。この場合、基板2の裏面側には凸状に支え21を、基板2と一体に形成しておくことが望ましく、長尺体保持具1を取り付けたい対象物にあらかじめ支え21と係合する穴を形成しておくと、長尺体保持具1を対象物に取り付けた後は、支え21が穴に係止しているので、長尺体保持具1に何らかの外力がかかって回転してしまうことを防止できる、
【実施例6】
【0035】
図20は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の受け部3には穴22が貫通した状態で形成することもできる。これにより、長尺体保持具1に長尺体を保持させる場合、前述した他の実施例のように保持帯11裏面と受け部3にて長尺体を押圧して保持するのであるが、図20にて示したように、受け部3には穴22が貫通して形成されているため、わずかに受け部3が基板2方向へと保持している長尺体に押されてたわむ。受け部3には本体素材の樹脂の特性である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働き、長尺体をしっかりと押圧する。このため、径のサイズがまちまちな複数本の長尺体を保持する場合でも、しっかり保持することができ、保持した長尺体が動いたりガタついたりすることが無い。
【実施例7】
【0036】
図21は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の受け部3は、その片端が自由端になるよう、かつ該受け部3のもう一方の端はロック部4と一体に形成することもできる。この際、該受け部3の自由端側とヒンジ8の内側側面との距離は、長尺体を挟み込むことの無いよう、なるべく近くすることが望ましい。また、ヒンジ8側の端(自由端側)が下方になるよう受け部3に傾斜をつけておくことが望ましい。
【0037】
保持帯11の係止爪13をロック部4の係止凸部5または6に係止させた際、カーブ12部分は拡開される方向に力がかかるが、カーブ12の断面の肉厚が均一になるよう形成すると、カーブ12は拡開の際に均一に広がるため、拡開方向への力がバランス良くカーブ12にかかるため、カーブ12の一部だけに力が集中して、カーブ12がいきなり折れてしまったりすることがない。
【0038】
本発明の長尺体保持具1は、内部に各種の長尺体を保持させてその外周を包囲する必要上、長尺体の外面に沿うように屈曲変形し、長尺体を開放すれば弾性復元して元の形状に戻るような可撓性を有することが必要である。よって、特に限定はしないが樹脂で形成することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明実施例に係る長尺体保持具を表す正面図である。
【図2】図1に示した長尺体保持具の平面図である。
【図3】図1に示した長尺体保持具の底面図である。
【図4】図1に示した長尺体保持具の右側面図である。
【図5】図1に示した長尺体保持具の左側面図である。
【図6】本発明実施例に係る長尺体保持具を表す正面図である。
【図7】図6のA−A矢視断面図である。
【図8】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例2)を表す斜視図である。
【図9】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図10】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図11】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図12】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図13】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図14】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図15】図1に示した長尺体保持具の右側面図である。
【図16】図1に示した長尺体保持具の左側面図である。
【図17】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例3)を表す平面図である。
【図18】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例4)を表す正面図である。
【図19】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例5)を表す正面図である。
【図20】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例6)を表す正面図である。
【図21】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例7)を表す正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 長尺体保持具
2 基板
3 受け部
4 ロック部
5 係止凸部
6 係止凸部
7 空間(長尺体収納部)
8 ヒンジ
9 ヒンジ
10 ヒンジ
11 保持帯
12 カーブ
13 係止爪
14 長尺体
15 接着部
16 長尺体
17 長尺体
18 穴
19 矢じり
20 弾性支持片
21 支え
22 穴
23 回転止め
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気機器や車体などに取り付けて、配線・配管材などの長尺体の部材を保持し固定するための長尺体保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、電線や配管材などの長尺体を電気機器や車体等の内部に取り付けるための長尺体保持具(以下、簡単に「保持具」と呼ぶ場合がある)として、下記の特許文献に記載されているものがある。
【特許文献1】実開昭56−123727号公報
【0003】
この種の保持具では、ロックさせた保持具の収納部の内部に配線等の長尺体を保持するのだが、長尺体を押さえつけて保持する機能が無いため、線径の小さな長尺体は保持具の内部で動いてしまう、という問題があった。これでは、電気機器等の内部で配線(長尺体)がずれたりガタついたりする原因となる上、不用意に配線が何らかの外力によって引っ張られると、配線が電源などから外れてしまう。
【0004】
上記の問題を解決するための長尺体保持具として、下記の文献に記載されているものがある。
【特許文献2】実開平3−65080号公報
【特許文献3】実開昭64−9413号公報
【非特許文献1】意匠登録1166720号公報
【0005】
これらの保持具では、保持した長尺体のズレやガタつきを防止するため、例えば特許文献2ないし特許文献3の例では、長尺体の収納部に、長尺体を押さえるための樹脂バネを設けたり、該収納部を分割したりしていた。このため、保持具のサイズが大きくなってしまうという欠点があった。昨今の家電製品などは全体のサイズをコンパクト化する傾向があるため、保持具のサイズが大きいと狭い場所に取り付けられず不便である。
【0006】
また、従来品の保持具は、樹脂バネ等で配線収納部を分割した場合は、長尺体の収納部が決まっているため、いちいち収納部内の所定の場所に線を配置せねばならず、作業性が悪かった。例えば、上記の特許文献2の例では、樹脂バネ(符号15)とリブ(受け部、符号14)の間に長尺体を収納すると、長尺体は樹脂バネとリブ(受け部)に当接してしっかりと押圧されるが、誤って樹脂バネ(符号15)とC型弾性湾曲帯(符号7)との間に長尺体を収納してしまうと、長尺体を押さえられない。これでは長尺体保持具内に保持したはずの長尺体が動いてしまう。
【0007】
さらに上記特許文献に記載の保持具は、径の異なる複数の長尺体を保持する場合、径の大きな長尺体は樹脂バネ等で押圧したまま保持できるが、径の大きな長尺体を押さえると、径の小さな長尺体には樹脂バネ等の長尺体をおさえる部分が当接しない(上記の非特許文献1の図6など)。よって、同時に径の違う長尺体を押さえることができず、長尺体保持具内で径の小さい長尺体が動いてズレたりガタついたりしてしまう。これでは径の異なる複数の長尺体をズレやガタつきなく保持するという目的を達成できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような事情を鑑み、なされたものであって、異なる外径の長尺体のいずれをもガタつかないよう押さえて保持することができ、かつ長尺体を収納する際の作業性が良く、サイズの小さい長尺体保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための手段として、本発明にかかる長尺体保持具は、電線等の長尺体を保持するための長尺体保持具であって、
略平板状に形成された基板と、
該基板と一体に形成されたロック部と、該基板からヒンジを介して一体に延設して形成された保持帯を形成し、
該保持帯には1箇所もしくは複数箇所の薄肉に形成されたヒンジを形成し、
また、該ロック部には1箇所または複数箇所の係止凸部を形成し、
かつ、該保持帯とロック部の間には略平板状の受け部を形成し、該受け部はその長手方向に、一方の端から他方の端に向けて下方に傾斜をつけて形成するが、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成するのが望ましく、
さらに、該受け部と基板の間には貫通した状態で穴を形成することや、
また、該受け部の(ヒンジ8側の)端側を自由端になるよう形成することもできる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、該長尺体保持具の保持帯に1箇所または複数箇所の薄肉に形成したヒンジを設けており、このヒンジ部分は、保持する長尺体が当接して干渉する部分からそれぞれに適宜屈曲するため、該長尺体保持具内に長尺体を保持した際には、該保持帯は当接する長尺体の外周に添う形状に屈曲し、長尺体を保持帯と受け部にて押圧しながら挟持することが可能である。
これにより、従来品のような樹脂バネを形成しなくても、線径の異なる長尺体(配線・配管)をしっかりと押さえて保持することができる。よって、本発明の長尺体保持具は、
樹脂バネを省略する分、高さ方向のサイズを比較的コンパクトに形成できる。
また、樹脂バネを形成せずとも済む分、長尺体保持具をつくるための金型がシンプルな形状で済むので、製作コストを低減させることができる。
さらに、長尺体保持具の消費者の立場から見ると、長尺体の径のサイズが変わるごとに使用する長尺体保持具を変更しなくて済むため、多種類の長尺体保持具からいちいち選び取る手間が省けて作業効率が良い。また多種類の長尺体保持具を購入せずとも本発明の長尺体保持具一種類を用意すれば良いので、購入の手間やコストも低減できる。
また、従来品のように、樹脂バネ等で長尺体の収納部を分割していないので、長尺体を挿入する順序を規制しなくても良く、いちいち収納部内の所定の場所に長尺体を配置しなくて良いので作業効率が大変に良い。
【0011】
請求項1の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、該長尺体保持具のロック部に1箇所または複数箇所の係止凸部を形成しているため、大きな径の長尺体や、複数本の長尺体を保持する場合には上部(ロック部の自由端に近い側)に形成された係止凸部に保持帯先端の係止爪を係止させ、比較的小さな径の長尺体や、長尺体を一本だけ保持したい場合には、下部(ロック部の、基板に近い側)に形成された係止凸部に保持帯先端の係止爪を係止させれば良い。保持すべき長尺体のサイズ、本数によって係止爪の係止位置を変更すれば対応できるので、長尺体保持具は本発明の品を1種類だけ使用すれば良く、さまざまな径サイズに合わせて使う長尺体保持具を変更しなくても済み、作業効率が良くなる。
【0012】
従来の長尺体保持具にも、長尺体を収納する部分にリブや受け部を設けたものは存在するが、それらのリブ(または受け部)は両端部が高く、その中央へ向けて低くなるよう傾斜がついているタイプのものであり、長尺体収納部の中央付近に長尺体が配置されるようになっていた。(例えば、特許文献2)。これに対し、請求項1ないし請求項2の発明によれば、本発明の長尺体保持具では違う形状の受け部を提案している。この、本発明にかかる長尺体保持具に形成された受け部はその長手方向に、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成されている。これにより、保持すべき長尺体を該受け部上に配置すると、長尺体は自然に受け部上を高い方から低い方へと滑り、保持帯と受け部に当接する場所で止まるため、手前のロック部側に長尺体がたまることがなく、ロック部で長尺体を挟み込まないよう手でどかしたりせずに済むので作業性が良い。
また、複数の線径の異なる配線を保持する場合でも、長尺体を挿入する順序を規制しなくても良いため、作業効率が大変に良い。
さらに、大径の長尺体や複数の長尺体も、保持帯と受け部に当接する場所で止まるので、しっかりと固定して保持することができる。長尺体が何らかの外力によって不用意に引っ張られた場合も、長尺体が長尺体保持具内で動いたりしない。
【0013】
請求項3の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、前記保持帯に形成したヒンジの薄肉に形成している部分の長さを、保持帯の長手方向へ長くとって形成されている。このヒンジ部分は、保持すべき長尺体が当接して干渉する部分から適宜屈曲するため、該長尺体保持具内に長尺体を保持した際には、該保持帯は当接する長尺体の外周に添う形状に屈曲し、長尺体を保持帯と受け部にて押圧しながら挟持することが可能である。
長尺体は常に保持帯と受け部双方に当接する場所で止まるため、従来品のような樹脂バネが無くても複数の線径の異なる長尺体を、保持帯と受け部にて押圧しながら挟持することができる。これにより、長尺体がガタついたり動いたりしないので、長尺体が何らかの外力によって不用意に引っ張られた場合も、長尺体が長尺体保持具内で動いたりしない。
【0014】
請求項4の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、前記受け部と前記基板の間に貫通した形状に穴を形成しているので、保持すべき長尺体の径が比較的太い場合でも、該受け部が本体素材である樹脂の性質である可撓性により、基板側に向けて多少たわむので、このたわみ分、該長尺体の径の太さを吸収して、長尺体を保持することが可能である。
【0015】
請求項5の発明によれば、本発明にかかる長尺体保持具は、前記受け部の端側を自由端になるよう形成されており、受け部のもう一方の端はロック部と一体に形成されている。これにより、受け部は本体素材の樹脂の性質である可撓性により、基板側に向けて多少たわむので、このたわみ分、該長尺体の径の太さを吸収して、長尺体を保持することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施例)を、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明にかかる長尺体保持具1の実施の一例を示すもので、図2はその平面図、図3は底面図、図4は右側面図、図5は左側面図である。背面図は正面図と左右対称であるため省略する。なお、図4と図5は、本発明の実施例を寸法通りに図示しているのだが、係止凸部5、6部分やヒンジ9、10部分にはなだらかなアールがついているため、図を見てもわかりづらい。よって、参照のために係止凸部5、6とヒンジ9、10を誇張して図15、図16に示す。
【0018】
図1ないし図5と図15、図16に示すように、本実施例の長尺体保持具1は、平らな板状の基板2と、受け部3と、保持帯11と、ロック部4が一体に形成される。
【0019】
詳しく説明すると、前記、基板2の表面側の一端に、基板2よりヒンジ8を介して延設して形成された保持帯11が基板2と一体に形成されている。この保持帯11は配線等の長尺体を包囲して保持する部分であり、一定の周長と幅とを有する帯状のものである。明細書中、この保持帯11の、平面図にした際に見える側を表面、その反対側(基板2に向かい合う側)を裏面と呼ぶ。この保持帯11の自由端には係止爪13が鉤爪状に形成されている。
【0020】
前記保持帯11は1箇所または複数箇所が他の部分より薄肉になるよう形成されている。本実施例の形状では、帯状の保持帯11の基板2付近にはヒンジ8が、保持帯11の裏面側が薄肉になるように形成されている。そして、保持帯11の自由端付近には略Uの字状にカーブ12が形成され、ヒンジ8とカーブ12の間にはヒンジ9とヒンジ10が、保持帯11の表面側が薄肉になるように形成されている。これらカーブ12、ヒンジ9、ヒンジ10の形成箇所や配置の順、断面の厚さは本実施例の形状に限定するものではなく、長尺体保持具1に保持させたい物品の形状やサイズによって適宜変更できる。
【0021】
長尺体保持具1の基板2のもう一方の端には、前記保持帯11と対向する位置に、基板2から略垂直方向に突出する柱状のロック部4が形成されている。
このロック部4は、保持帯11の反対側(正面図で見ると右側)に鉤爪状に突出して形成された係止凸部が1つ、または複数設けられている。この係止凸部はそれぞれ、基板2方向へ僅かに傾けて形成される。係止凸部は2つ形成しておくことが望ましく、本実施例ではロック部4の基板2に近い位置に形成されたものを係止凸部6、ロック部4の自由端に近い位置に形成されたものを係止凸部5とする。
【0022】
そして、前記収納部11とロック部4の間には略平板状の受け部3が形成されている。この受け部3の高さはその長手方向に、ロック部4側が高く、ヒンジ8側へ向かって徐々に低くなるよう傾斜をつけて形成されている。この受け部3の傾斜について、高低の向きや角度は本実施例の形状に限定するものではない。また、保持させたい長尺体の形状によっては受け部3の厚さ(受け部3の長手方向に対し垂直な方向の厚み)を変更しても良いし、受け部3の長尺体と当接し得る部分にアールをつけても構わない。
【0023】
前記の基板2は、図9〜図14に示したように、基板2の裏面(底面図で見える側)に接着シート15を貼り付ける、または接着剤を塗布するなどして、各種機器に貼り付けて使用すると良い。また、本実施例の形状に限定せず、図18、19に示すようなスナップフィット式の矢じりをつけても良いし、図17に示すように、基板2に穴18を開口しておき、ネジやブッシュなどで各種機器に留め付けても構わない。
【0024】
図9は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態、つまり、長尺体14を保持している状態を表す正面図である。
長尺体14を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
このとき、長尺体保持具1の保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3側へと傾き、平仮名のくの字状に屈曲するとともに、保持帯11の裏側が長尺体14に当接するため、ヒンジ10が長尺体14の外周の形状に沿うように受け部3と反対の方向に向けて僅かに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体14は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体14は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0025】
図10は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、図9よりも径の大きな長尺体14を保持している状態を表す正面図である。
長尺体14を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部5にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。係止爪13を、係止凸部6よりも係止爪13に近い側にある係止凸部5に係止させたため、空間7は図9の場合より広く確保することが可能となった。
この場合、保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3方向に向けて倒れるように屈曲し、長尺体14に当接する。ヒンジ9部分は屈曲せず、ヒンジ10部分が長尺体14の外周の形状に沿って、受け部3と反対の方向に向けてわずかに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体14は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体14は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0026】
図11は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体16、17を保持している状態を表す正面図である。長尺体16、17を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11のヒンジ8は、長尺体16が保持帯11と受け部3の間に挟まっているため屈曲せず、ヒンジ9が長尺体16の外周の形状に沿うように僅かに屈曲し、ヒンジ10が長尺体17の外周形状に沿うように僅かに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体14は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0027】
図12は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体16、17を保持している状態を表す正面図である。長尺体16、17を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3方向に向けて倒れるように屈曲し、保持帯11が長尺体17に当接するため、保持帯11のヒンジ9部分は長尺体17外周の形状に沿うように屈曲し、ヒンジ10部分も長尺体16の外周形状に沿うように屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体16、17は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0028】
図13は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体16、17を保持している状態を表す正面図である。長尺体16、17を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11はヒンジ8部分を支点に受け部3方向へ傾くように僅かに屈曲し、保持帯11が長尺体16に当接するため、ヒンジ9部分にて長尺体16の外周の形状に沿うように僅かに屈曲し、さらに保持帯11が長尺体17に当接するため、ヒンジ10部分にて長尺体17外周に沿うように僅かに屈曲し、
カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体16、17は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【0029】
図14は本発明実施例の長尺体保持具1の使用状態を表す正面図であり、径の大きさの違う複数本の長尺体17、16を保持している状態を表す正面図である。長尺体17、16を受け部3上に配置し、保持帯11先端にある係止爪13を、ロック部4から突出した係止凸部6にひっかけて係止させると、保持帯11、受け部3、ロック部にて囲まれている部分が、長尺体14を収納するための空間7となる。
この場合の保持帯11の状態を説明すると、保持帯11のヒンジ8は、長尺体17が保持帯11と受け部3の間に挟まっているため屈曲せず、ヒンジ9が長尺体17の外周の形状に沿うように僅かに屈曲し、さらに保持帯11は長尺体16にも当接するため、ヒンジ10が長尺体16の外周形状に沿うように僅かに屈曲し、カーブ12は使用していない元の状態(図1)よりも僅かに開いた状態となっている。
カーブ12が本体素材である樹脂の特性である弾性復元力により、元の形状(図1の状態)に戻ろうとする力が働くため、長尺体16、17は受け部3と保持帯11との間(空間7)に、保持帯11の裏面にて押圧されながらしっかりと挟持される。これにより長尺体17、16は、空間7内でガタついたり動いたりすることがない。
【実施例2】
【0030】
図8は本発明にかかる長尺体保持具1の、他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の保持帯11に形成したヒンジ9は、該ヒンジ9の薄肉部分を、保持帯11の長手方向に長く形成しても良い。
【0031】
上記に記載したように、本発明の長尺体保持具は、保持すべき長尺体の径のサイズや本数に合わせ、ヒンジ8、9、10がそれぞれ適宜屈曲するとともに、カーブ12部分が拡開され、カーブ12が樹脂の特性である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働くため、径のサイズがまちまちな複数本の長尺体を保持する場合でも、しっかり保持帯11と受け部3にて押圧しながら挟持できる構造となっている。
上記保持帯11の形状、長さは少なくとも2種類の径の長尺体を同時に保持固定可能なサイズを有しているが、その幅と断面形状については特に限定するものではなく、固定すべき長尺体の直径、本数等に合わせて適宜決定することができる。
【実施例3】
【0032】
図17は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の基板2には穴18を形成し、長尺体保持具1を取り付けたい対象物の板金などにネジやブッシュなどで留めつけても良い。
【実施例4】
【0033】
図18は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の基板2の裏面には、スナップフィット状の矢じり19や弾性支持片20を基板2と一体に形成しても良い。矢じり19や弾性支持片20の形状や形成位置は図18に示したものでも良いが、これに限定せず、取り付けたい対象物の形状によって適宜変化させて構わない。さらに、弾性支持片20の形状だが、図示したように弾性支持片20の自由端に回転止め23をつけておき、長尺体保持具1を取り付けたい対象物にあらかじめ回転止め23と係合する穴を形成しておくと、長尺体保持具1を対象物に取り付けた後は、回転止め23が穴に係止しているので、長尺体保持具1に何らかの外力がかかって回転してしまうことを防止できる。
【実施例5】
【0034】
図19は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の基板2の裏面には、スナップフィット状の矢じり19を基板2と一体に形成しても良い。この場合、基板2の裏面側には凸状に支え21を、基板2と一体に形成しておくことが望ましく、長尺体保持具1を取り付けたい対象物にあらかじめ支え21と係合する穴を形成しておくと、長尺体保持具1を対象物に取り付けた後は、支え21が穴に係止しているので、長尺体保持具1に何らかの外力がかかって回転してしまうことを防止できる、
【実施例6】
【0035】
図20は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の受け部3には穴22が貫通した状態で形成することもできる。これにより、長尺体保持具1に長尺体を保持させる場合、前述した他の実施例のように保持帯11裏面と受け部3にて長尺体を押圧して保持するのであるが、図20にて示したように、受け部3には穴22が貫通して形成されているため、わずかに受け部3が基板2方向へと保持している長尺体に押されてたわむ。受け部3には本体素材の樹脂の特性である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働き、長尺体をしっかりと押圧する。このため、径のサイズがまちまちな複数本の長尺体を保持する場合でも、しっかり保持することができ、保持した長尺体が動いたりガタついたりすることが無い。
【実施例7】
【0036】
図21は本発明にかかる長尺体保持具1の、また他の実施例を示す斜視図である。この図に示したように、長尺体保持具1の受け部3は、その片端が自由端になるよう、かつ該受け部3のもう一方の端はロック部4と一体に形成することもできる。この際、該受け部3の自由端側とヒンジ8の内側側面との距離は、長尺体を挟み込むことの無いよう、なるべく近くすることが望ましい。また、ヒンジ8側の端(自由端側)が下方になるよう受け部3に傾斜をつけておくことが望ましい。
【0037】
保持帯11の係止爪13をロック部4の係止凸部5または6に係止させた際、カーブ12部分は拡開される方向に力がかかるが、カーブ12の断面の肉厚が均一になるよう形成すると、カーブ12は拡開の際に均一に広がるため、拡開方向への力がバランス良くカーブ12にかかるため、カーブ12の一部だけに力が集中して、カーブ12がいきなり折れてしまったりすることがない。
【0038】
本発明の長尺体保持具1は、内部に各種の長尺体を保持させてその外周を包囲する必要上、長尺体の外面に沿うように屈曲変形し、長尺体を開放すれば弾性復元して元の形状に戻るような可撓性を有することが必要である。よって、特に限定はしないが樹脂で形成することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明実施例に係る長尺体保持具を表す正面図である。
【図2】図1に示した長尺体保持具の平面図である。
【図3】図1に示した長尺体保持具の底面図である。
【図4】図1に示した長尺体保持具の右側面図である。
【図5】図1に示した長尺体保持具の左側面図である。
【図6】本発明実施例に係る長尺体保持具を表す正面図である。
【図7】図6のA−A矢視断面図である。
【図8】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例2)を表す斜視図である。
【図9】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図10】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図11】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図12】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図13】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図14】本発明実施例に係る長尺体保持具の使用状態を表す正面図である。
【図15】図1に示した長尺体保持具の右側面図である。
【図16】図1に示した長尺体保持具の左側面図である。
【図17】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例3)を表す平面図である。
【図18】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例4)を表す正面図である。
【図19】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例5)を表す正面図である。
【図20】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例6)を表す正面図である。
【図21】本発明に係る長尺体保持具の、他の実施例(実施例7)を表す正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 長尺体保持具
2 基板
3 受け部
4 ロック部
5 係止凸部
6 係止凸部
7 空間(長尺体収納部)
8 ヒンジ
9 ヒンジ
10 ヒンジ
11 保持帯
12 カーブ
13 係止爪
14 長尺体
15 接着部
16 長尺体
17 長尺体
18 穴
19 矢じり
20 弾性支持片
21 支え
22 穴
23 回転止め
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線等の長尺体を保持するための長尺体保持具であって、該長尺体保持具は、
略平板状に形成された基板と、
該基板と一体に形成されたロック部と、
該基板からヒンジを介して一体に延設して形成された保持帯を形成し、
該保持帯には1箇所または複数箇所の薄肉に形成されたヒンジを形成し、
また、該ロック部には1箇所または複数箇所の係止凸部を形成し、
かつ、該保持帯とロック部の間には略平板状の受け部を形成し、該受け部はその長手方向に、一方の端から他方の端に向けて下方に傾斜をつけて形成されていることを特徴とする長尺体保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の長尺体保持具であって、前記受け部はその長手方向に、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成されていることを特徴とする長尺体保持具。
【請求項3】
請求項1ないし請求項2に記載の長尺体保持具であって、前記保持帯に薄肉に形成したヒンジの長さを、該保持帯の長手方向へ長くとって形成されていることを特徴とする長尺体保持具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3に記載の長尺体保持具であって、前記受け部と前記基板の間に貫通した形状に穴を形成したことを特徴とする長尺体保持具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4に記載の長尺体保持具であって、前記受け部の端側を自由端になるよう形成したことを特徴とする長尺体保持具。
【請求項1】
電線等の長尺体を保持するための長尺体保持具であって、該長尺体保持具は、
略平板状に形成された基板と、
該基板と一体に形成されたロック部と、
該基板からヒンジを介して一体に延設して形成された保持帯を形成し、
該保持帯には1箇所または複数箇所の薄肉に形成されたヒンジを形成し、
また、該ロック部には1箇所または複数箇所の係止凸部を形成し、
かつ、該保持帯とロック部の間には略平板状の受け部を形成し、該受け部はその長手方向に、一方の端から他方の端に向けて下方に傾斜をつけて形成されていることを特徴とする長尺体保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の長尺体保持具であって、前記受け部はその長手方向に、ロック部側の端からヒンジ側の端に向けて下方に傾斜をつけて形成されていることを特徴とする長尺体保持具。
【請求項3】
請求項1ないし請求項2に記載の長尺体保持具であって、前記保持帯に薄肉に形成したヒンジの長さを、該保持帯の長手方向へ長くとって形成されていることを特徴とする長尺体保持具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3に記載の長尺体保持具であって、前記受け部と前記基板の間に貫通した形状に穴を形成したことを特徴とする長尺体保持具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4に記載の長尺体保持具であって、前記受け部の端側を自由端になるよう形成したことを特徴とする長尺体保持具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−19409(P2010−19409A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206343(P2008−206343)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000226507)株式会社ニックス (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000226507)株式会社ニックス (96)
【Fターム(参考)】
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