説明

長尺物貫通部防火処置用箱状枠体、長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材、長尺物貫通部防火処置用箱状枠体の形成方法

【課題】サイズの変更等に容易に対応することができ、製造コストもかからず、組み立て等も容易で構造体にしっかりと固定できる長尺物貫通部防火処置用箱状枠体等を提供する。
【解決手段】枠体1の側面板100aは、下部フランジ19が形成された上部部材10aと上部フランジ27が形成された下部部材20aで接続されて構成される。下部フランジ19と上部フランジ27は枠体1の外側に向くように配置される。下部フランジ27には、逆L字状の係合突起273と嵌合突起275が形成され、上部フランジ19には、第1の穴部191aと第2の穴部191bが連続してなる係合穴191と嵌合穴195が形成される。係合突起273の上面273bを第1の穴部193aに挿入した後、係合突起273の壁面273aを第2の穴部193bに挿入し、下部フランジ27が上部フランジ19に係合され、嵌合突起275と嵌合穴195の嵌合により位置決めされ固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル等の長尺物がコンクリート床などの構造体を貫通する部分で、防火処置用の部材として使用される箱状の枠体およびこれを構成する部材、さらには枠体の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の床などの構造体をケーブルなどの可燃性の長尺物が貫通する箇所では、防火性能の観点から、構造体と長尺物の隙間を耐火材で防ぐ必要がある。
【0003】
図17は構造体におけるケーブル等の長尺物の貫通箇所の断面の例を示したものである。貫通箇所では、構造体3000の開口部3100に側面板3200により構成される箱状の枠体3300(長尺物貫通部防火処置用箱状枠体)を設置し、当該枠体3300の内側でケーブルラック3400とともにケーブル3500(長尺物)を貫通させる。枠体3300の上方にはケーブル3500等の貫通箇所を開口(不図示)とした仕切り板3600を設け、当該開口部とケーブル3500等の隙間を耐熱シール材3700で塞ぐといったことが行なわれる。このような貫通箇所に用いる枠体3300の例が、特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−353229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、建築の設計変更に伴い、構造体を貫通させるケーブルの本数などが変更されたり、床厚が変更になる場合がある。このような場合、変更に合わせて大きさの異なる枠体が必要になる。例えば特許文献1に示されるような従来の枠体では、高さや辺の長さなどのサイズが通常品と異なるものが必要な場合、別途作り直しになり、その都度側面板の製造用の別の金型が必要になるため、対応が困難であった。また、長辺方向と短辺方向の側面板の形状等も異なっており、それぞれに別の金型が必要であるなど、初期投資も大きいものとなっていた。
【0006】
また、上記の枠体は構造体に強固に固定されることが重要である。このため枠体とコンクリートとの一体性を高めるものとして、側面板にアングル等のアンカー部材を設ける場合があるが、このようなアンカー部材は通常数箇所のボルト・ナット留めが必要であり、組み立てに手間がかかっていた。
【0007】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、サイズの変更等に容易に対応することができ、製造コストもかからず、組み立て等も容易で構造体にしっかりと固定できる長尺物貫通部防火処置用箱状枠体等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達するための第1の発明は、長尺物が貫通する構造体の開口部に防火処置用の部材として固定され、側面板により側面が形成される箱状の枠体であって、上下端部の少なくとも一方に接続用のフランジが形成された板状部材の複数を、前記枠体の外側に向くように配置された前記フランジ同士で上下方向に接続することにより、前記側面板を構成し、接続される一方のフランジには、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起が形成され、他方のフランジには、前記係合突起の上面が挿入可能な第1の穴部と前記係合突起の壁面が挿入可能な第2の穴部が連続してなる接続用の係合穴が形成され、さらに、接続される一方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合突起、もしくは、位置決めして固定するための嵌合穴が形成され、他方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合穴、もしくは、位置決めして固定するための嵌合突起が形成され、板状部材同士の接続時に、一方のフランジの係合突起の上面を他方のフランジの第1の穴部に挿入した後、前記係合突起の壁面を他方のフランジの第2の穴部に挿入するように一方のフランジを他方のフランジに対して移動させることにより、一方のフランジを他方のフランジに係合して、前記嵌合突起が前記嵌合穴に嵌りこむことにより前記嵌合突起が前記嵌合穴と嵌合して両者が固定され、板状部材の幅方向の位置決めがなされ、前記嵌合突起を押圧することで嵌合が解除できることを特徴とする長尺物貫通部防火処置用箱状枠体である。
【0009】
上記構成により、上下の板状部材を組み立てて枠体の側面板を構成するので、設計変更などに応じて枠体の高さを変更することが容易になり、構造体にあわせて別の枠体を製造し用意する必要もなくなり、金型も少なくて済む。また、側面板を短辺方向、長辺方向の区別無く用い、各板状部材について幅の異なるものを用意しておけば、設計変更などに応じて枠体の幅が変更になる場合でも対応が容易であり、別の枠体を製造し用意する必要もない。各部材については、幅が異なる場合であっても同じ金型を用いて製造できる。
このように、製造の際のコストを低減し生産性を向上しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
さらに、上下の部材を、枠体の外側に向けつつ配置したフランジ同士で接続する。当該フランジは接続に用いるだけでなく構造体への固定を行なうためのアンカーとしても機能し、アングル等をボルトなどで取り付ける必要が無い。また、フランジ同士は係合突起と係合穴を用いて係合され接続されるので、ボルト等も不要であり接続の際の手間もかからない。
加えて、各部材のフランジは剛性を向上させ、取り扱いや構造体へ取り付けの際の曲げや変形も防ぐことができる。
また、嵌合突起や嵌合穴により、フランジ同士が幅方向にしっかりと位置決めされて固定され、係合が外れることなく各部材が確実に接続される。また、接続や取り外しの際の手間もかからない。
【0010】
前記一方のフランジと他方のフランジにはそれぞれ嵌合穴でない別の穴部が形成され、前記別の穴部は、一方のフランジと他方のフランジを嵌合して位置決めした場合に、それぞれの別の穴部同士の位置が重なるように形成され、前記別の穴部に前記構造体のコンクリートが充填されることが望ましい。
【0011】
かかる構成により、枠体を構造体に取り付けた際に上記の穴部に充填されたコンクリートによりアンカー効果が促進される。よって枠体が構造体に確実に固定される。さらに、各穴部により部材の軽量化も達成される。
【0012】
前記板状部材の両側端部のいずれか一方にコーナー接続用のフランジが形成され、接続する一方の板状部材のコーナー接続用のフランジを、他方の板状部材のコーナー接続用のフランジが形成されない側端部と接続することにより、前記枠体の角部における板状部材同士の接続がなされることが望ましい。
【0013】
かかる構成により、枠体の角部において各部材を側端部で接続する。板状部材の一方の側端部にフランジを設け、他方の側端部がフランジで接続されるものとしてその形状が共通化できる。よって、各部材を縦横に組み替えて枠体のサイズ変更が容易となり、製造の際のコストを低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0014】
少なくとも下端部に接続用のフランジを形成した板状部材と、上下端部に接続用のフランジを形成した板状部材と、少なくとも上端部に接続用のフランジを形成した板状部材を上下方向に接続し、前記側面板を構成することが望ましい。
【0015】
かかる構成により、枠体の高さが多種多様に変更でき、構造体に合わせた枠体を形成することがより容易になる。また、上下方向に接続する部材の数を増やし枠体の高さを変更できるので、部材自体の高さのバリエーションは減らすことができる。よって、金型を減らして製造の際のコストを低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0016】
両側端部の少なくとも一方に接続用のフランジを形成した板状部材の複数を、前記フランジ同士で幅方向に接続することにより、前記側面板を構成することが望ましい。
【0017】
かかる構成により、幅方向についても部材を組み立てて枠体の側面板を構成し、高さ方向に複数の部材を組み立てる場合と同様の効果が得られる。設計変更などに応じて枠体の幅を変更することが容易になり、製造の際のコストを低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0018】
前述した目的を達するための第2の発明は、長尺物が貫通する構造体の開口部に防火処置用の部材として固定される箱状の枠体の側面を形成する側面板を構成する板状部材であって、前記枠体の外側に向くように配置して別の板状部材と上下方向に接続するための接続用のフランジが、上下端部の少なくとも一方に形成され、前記フランジに、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起、もしくは、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起の上面が挿入可能な第1の穴部と前記係合突起の壁面が挿入可能な第2の穴部が連続してなる接続用の係合穴が形成され、さらに前記フランジに、別の板状部材との接続時に幅方向位置を位置決めして固定するための、嵌合突起、もしくは、嵌合突起が嵌りこむ嵌合穴が形成されていることを特徴とする長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材である。
【0019】
上記構成により、上下の板状部材を組み立てて枠体の側面板が構成されるので、設計変更などに応じて枠体の高さを変更することが容易になり、構造体にあわせて別の枠体を製造し用意する必要もなくなり、金型も少なくて済む。また、側面板を短辺方向、長辺方向の区別無く用い、各板状部材について幅の異なるものを用意しておけば、設計変更などに応じて枠体の幅が変更になる場合でも対応が容易であり、別の枠体を製造し用意する必要もない。各部材については、幅が異なる場合であっても同じ金型を用いて製造できる。
このように、板状部材により、製造の際のコストを低減し生産性を向上しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
さらに、上下の部材は、枠体の外側に向けつつ配置したフランジ同士で接続される。当該フランジは接続に用いるだけでなく構造体への固定を行なうためのアンカーとしても機能し、アングル等をボルトなどで取り付ける必要が無い。また、フランジ同士は係合突起と係合穴を用いて係合され接続されるので、接続の際の手間もかからない。
加えて、各部材のフランジは剛性を向上させ、取り扱いや構造体へ取り付けの際の曲げや変形も防ぐことができる。
さらに、嵌合穴や嵌合突起により、フランジ同士が幅方向にしっかりと位置決めされて固定され、係合が外れることなく板状部材が確実に接続される。また、接続や取り外しの際の手間もかからない。
【0020】
前記フランジに、前記構造体のコンクリートを充填させるための、嵌合穴とは別の穴部が形成され、前記フランジを嵌合させた時に、前記別の穴部が相互に重なるように形成されていることが望ましい。
【0021】
かかる構成により、板状部材により構成した枠体を構造体に取り付けた際に、上記の穴部に充填されたコンクリートによりアンカー効果が促進される。よって板状部材により構成した枠体が構造体に確実に固定される。さらに、各穴部により部材の軽量化も達成される。
【0022】
前記枠体の角部における別の板状部材との接続を行なうためのコーナー接続用のフランジが、前記板状部材の両側端部のいずれか一方に形成されることが望ましい。
【0023】
かかる構成により、板状部材が枠体の角部において接続できる。板状部材の一方の側端部にフランジを設け、他方の側端部がフランジで接続されるものとしてその形状の共通化も可能である。よって、各部材を縦横に組み替えて枠体のサイズ変更が容易となり、製造の際のコストを低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0024】
別の板状部材と上下方向に接続するための接続用のフランジが、上下端部の両方に形成されることが望ましい。
【0025】
かかる構成により、板状部材を用いて枠体の高さが多種多様に変更でき、構造体に合わせた枠体を形成することがより容易になる。また、上下方向に接続する部材の数を増やし枠体の高さを変更できるので、部材自体の高さのバリエーションは減らすことができる。よって、金型を減らして製造の際のコストを低減しつつ、板状部材により構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0026】
別の板状部材と幅方向に接続するための接続用のフランジが、前記板状部材の両側端部の少なくとも一方に形成されることが望ましい。
【0027】
かかる構成により、幅方向についても板状部材を組み立てて枠体の側面板を構成し、高さ方向に複数の部材を組み立てる場合と同様の効果が得られる。設計変更などに応じて枠体の幅を変更することが容易になり、製造の際のコストを低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0028】
前述した目的を達するための第3の発明は、長尺物が貫通する構造体の開口部に防火処置用の部材として固定される箱状の枠体である長尺物貫通部防火処置用箱状枠体の形成方法であって、上下端部の少なくとも一方に接続用のフランジが形成された板状部材の複数について、前記枠体の外側に向くように配置された前記フランジ同士での上下方向の接続と、前記枠体の角部における横方向の接続とを行うことにより、前記枠体を形成し、接続される一方のフランジには、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起が形成され、他方のフランジには、前記係合突起の上面が挿入可能な第1の穴部と前記係合突起の壁面が挿入可能な第2の穴部が連続してなる接続用の係合穴が形成され、さらに、接続される一方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合突起、もしくは、位置決めして固定するための嵌合穴が形成され、他方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合穴、もしくは、位置決めして固定するための嵌合突起が形成され、板状部材同士の上下方向の接続時に、一方のフランジの係合突起の上面を他方のフランジの第1の穴部に挿入した後、前記係合突起の壁面を他方のフランジの第2の穴部に挿入するように一方のフランジを他方のフランジに対して移動させることにより、一方のフランジを他方のフランジに係合して、前記嵌合突起が前記嵌合穴に嵌りこむことにより前記嵌合突起が前記嵌合穴と嵌合して両者が固定され、板状部材の幅方向の位置決めがなされることを特徴とする長尺物貫通部防火処置用箱状枠体の形成方法である。
【0029】
上記構成により、上下の板状部材を組み立てて枠体の側面板を構成するので、設計変更などに応じて枠体の高さを変更することが容易になり、構造体にあわせて別の枠体を製造し用意する必要もなくなり、金型も少なくて済む。また、側面板を短辺方向、長辺方向の区別無く用い、各板状部材について幅の異なるものを用意しておけば、設計変更などに応じて枠体の幅が変更になる場合でも対応が容易であり、別の枠体を製造し用意する必要もない。各部材については、幅が異なる場合であっても同じ金型を用いて製造できる。
このように、製造の際のコストを低減し生産性を向上しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
さらに、上下の部材を、枠体の外側に向けつつ配置したフランジ同士で接続する。当該フランジは接続に用いるだけでなく構造体への固定を行なうためのアンカーとしても機能し、アングル等をボルトなどで取り付ける必要が無い。また、フランジ同士は係合突起と係合穴を用いて係合され接続されるので、ボルト等も不要であり接続の際の手間もかからない。
加えて、各部材のフランジは剛性を向上させ、取り扱いや構造体へ取り付けの際の曲げや変形も防ぐことができる。
また、嵌合突起や嵌合穴により、フランジ同士が幅方向にしっかりと位置決めされて固定され、係合が外れることなく各部材が確実に接続される。また、接続や取り外しの際の手間もかからない。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、サイズの変更等に容易に対応することができ、製造コストもかからず、組み立て等も容易で構造体にしっかりと固定できる長尺物貫通部防火処置用箱状枠体等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】枠体1の組み立ての概略を示す図
【図2】枠体1の構造体への設置の例を示す図
【図3】開口部2300の防火処置を示す図
【図4】上部部材10aを示す図
【図5】下部部材20aを示す図
【図6】上部部材10aと下部部材20aの接続を示す図
【図7】上部部材10aと下部部材20aの接続を示す図
【図8】上部部材10aと下部部材20aの接続を示す図
【図9】側面板100aと側面板100bの接続を示す図
【図10】枠体1aを示す図
【図11】中間部材30aを示す図
【図12】上部部材10aと下部部材20a、および中間部材30aの接続について示す図
【図13】側面板の上部部材120を上部側部部材70、90および上部中間部材80を幅方向に接続して構成する例を示す図
【図14】側面板の下部部材130を上部側部部材140、160および上部中間部材150を幅方向に接続して構成する例を示す図
【図15】上部部材120と下部部材130の接続を示す図
【図16】安全カバー1800について説明する図
【図17】従来の枠体3300による開口部3100の防火処置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体等の実施形態について説明する。
まず、図1から図3を参照して、本発明の第1の実施形態の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体の組み立ておよびこれを用いた防火処置について概略を説明する。
【0033】
図1は、本実施形態の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体である枠体1の組み立ての概略を示す図である。図1に示すように、枠体1において、短辺では、板状部材である上部部材10aおよび下部部材20a(長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材)を上下方向に組み立てて側面板100aが形成され、長辺においては、板状部材である上部部材10bおよび下部部材20b(長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材)を上下方向に組み立てて側面板100bが形成される。側面板100a、100bの側辺同士を接続して枠体1が形成される。以上の各部材、およびその接続方法については後ほど詳しく説明する。
【0034】
図2は、上記枠体1の構造体への設置の例を示す図である。図においては枠体1の断面が示されている。図2(a)に示すように、枠体1を型枠2100aに載せ、型枠2100aとその上方に設けた型枠2100bの間に鉄筋(不図示)等を配置してコンクリート2200を打設する。コンクリート2200の養生後、図2(b)に示すように型枠2100a、2100bを取り外すと、コンクリート2200等による構造体の開口部2300に枠体1が固定された状態となる。枠体1の内側には、図2(c)に示すように、ケーブル2400(長尺物)が例えばケーブルラック2500とともに開口部2300を貫通するように配置される。
【0035】
図3は、開口部2300の防火処置を示す図である。開口部2300の防火処置としては、例えば図3(a)に示すように、ケーブル2400等の貫通部を開口(不図示)とした耐火性を有する仕切り板2610を枠体1の上部に取り付け、当該開口とケーブル2400等との隙間を耐火シール材2700で塞ぐ。あるいは、図3(b)に示すように、仕切り板2610と同様の仕切り板2620を枠体1の下部に取り付け、仕切り板2620の上でロックウール等の耐火ブロック材2810を枠体1の内側に設置する。その他、図3(c)に示すように枠体1に支持金具2900を取り付けこれにより枠体1の内側で仕切り板2610、2620と同様の仕切り板2630を支え、仕切り板2630の上に耐火ブロック材2810と同様の耐火ブロック材2820を配置してもよい。
【0036】
以上のようにしてケーブル等の長尺物が貫通する構造体の開口部の防火処置が行なわれる。次に、防火処置に使用される上記の枠体1について図4以下により説明する。
【0037】
図4は枠体1の側面板100aを構成する上部部材10aを示す図である。図4(a)は上部部材10aの斜視図、図4(b)は上部部材10aを側面から見た図、図4(c)は上部部材10aを上から見た図、図4(d)は図4(b)の線A−Aにおける断面図である。
【0038】
図に示すように、上部部材10aにおいて、側板11の幅方向の一方の側端部に側部フランジ13が設けられる。側部フランジ13には、穴部131が設けられる。また、側板11の他方の側端部には穴部111および、側部フランジ15が設けられる。穴部111、穴部131は、枠体1の角部における接続に用いられる。
【0039】
側板11の上部には、上部フランジ17が設けられる。上部フランジ17には、穴部171および穴部173が設けられる。穴部171は後述する安全カバーを取り付けるためのもので、所定の幅方向の間隔で2つ配置される。細長の穴部173は上部フランジ17の幅方向の端部に配置される。
【0040】
側板11の下部には、下部フランジ19が設けられる。下部フランジ19は側板11に対し垂直に張り出す。下部フランジ19には、穴部191、係合穴193、嵌合穴195が設けられる。係合穴193は、第1の穴部193aと第1の穴部より細長の第2の穴部193bが連続してなる。下部フランジ19では、1つの穴部191と1つの係合穴193が隣接して設けられ、この1セットが所定の幅方向の間隔で2組設けられる。また、下部フランジ19は側板11より幅が長く、側板11から幅方向に張り出した端部に嵌合穴195が設けられる。
【0041】
図5は、枠体1の側面板100aを構成する下部部材20aを示す図である。図5(a)は下部部材20aの斜視図、図5(b)は下部部材20aを側面から見た図、図5(c)は下部部材20aを上から見た図、図5(d)は図5(b)の線B−Bにおける断面図、図5(e)は図5(c)の線C−Cにおける断面図である。
【0042】
図に示すように、下部部材20aにおいて、側板21の幅方向の一方の側端部に側部フランジ23が設けられる。側部フランジ23には、穴部231が設けられる。また、側板11の他方の側端部には穴部211および、側部フランジ25が設けられる。穴部211、穴部231は、枠体1の角部における接続に用いられる。
【0043】
側板21の上部には、上部フランジ27が設けられる。上部フランジ27は、側板21から垂直に張り出す。上部フランジ27には、穴部271(271a、271b)、係合突起273、嵌合突起275が設けられる。図5(e)に示すように、係合突起273は、鉛直面においてL字形状を180°回転させた逆L字状の断面形状を有し、上部フランジ27に形成された穴部274の側面から垂直に立ち上がる壁面273aと、壁面273aの上部から上部フランジ27と平行に延びる上面273bにより形成される。上部フランジ27では、1つの係合突起273の幅方向の両側に穴部271(271a、271b)が1つずつ設けられ、この1セットが所定の幅方向の間隔で2組設けられる。また、上部フランジ27は側板21より幅が長く、側板21から幅方向に張り出した端部に、嵌合突起275が設けられる。
また、側板21の下部には下部フランジ29が設けられる。
【0044】
以上は枠体1の側面板100aを構成する上部部材10aと下部部材20aについて説明した。枠体1の側面板100bを構成する上部部材10bと下部部材20bについては、上部部材10aと下部部材20aとの間で構成部分の共通化がなされており略同様の構成を有する。
但し、部材の幅は上部部材10aや下部部材20aより長くなり、これにあわせて、上部部材10bの上部フランジ17については、前記の穴部171が前記の間隔と同じ間隔で上部部材10aよりも多く配置される。また、下部フランジ19については、1つの穴部191と1つの係合穴193による前記の1セットが前記の間隔と同じ間隔で上部部材10aよりも多く配置される。
また、下部部材20bの上部フランジ27については、1つの係合突起273の幅方向の両側に穴部271(271a、271b)が1つずつ設けられる前記の1セットが前記の間隔と同じ間隔で下部部材20aよりも多く配置される。
【0045】
次に、側面板100aを構成する際の上部部材10aと下部部材20aの接続について図6から図8を用いて説明する。
【0046】
まず、図6に示すように、下部部材20aの上部フランジ27と上部部材10aの下部フランジ19の位置を幅方向に若干ずらしつつ、上部フランジ27の係合突起273の上面273bを下部フランジ19の係合穴193の第1の穴部193aに通すようにして、係合突起273を係合穴193に挿入する。
【0047】
図7(a)は、係合突起273が係合穴193に挿入された状態を示す斜視図である。図7(b)は、上部部材10aの下部フランジ19および下部部材20aの上部フランジ27を上から見た図である。図7(c)は図7(b)の線D−Dにおける断面図である。図7(d)は図7(b)の線E−Eにおける断面図である。
【0048】
図に示すように、下部部材20aの上部フランジ27の幅方向の位置を上部部材10aの下部フランジ19の位置からややずらしつつ挿入することにより、上部フランジ27の係合突起273の上面273bが下部フランジ19の係合穴193の第1の穴部193aに通されている。
【0049】
この状態から、図の矢印で示すように、上記の位置ずれを修正する方向へと、係合突起273の壁面273aを係合穴193の第2の穴部193bに挿入するようにして、上部フランジ27を下部フランジ19に対して移動させる。これにより、上部部材10aと下部部材20aが、下部フランジ19および上部フランジ27にて接続される。
【0050】
図8(a)は、上部部材10aと下部部材20aが接続された状態を示す斜視図である。図8(b)は、上部部材10aの下部フランジ19および下部部材20aの上部フランジ27を上から見た図である。図8(c)は図8(b)の線F−Fにおける断面図である。図8(d)は図8(b)の線G−Gにおける断面図である。
【0051】
図に示すように、上部フランジ27を下部フランジ19に対して移動させることにより、係合突起273の壁面273aが係合穴193の第2の穴部193bに挿入され、上面273bが下部フランジ19に引っ掛かり上下方向に係合される。また、嵌合突起275が嵌合穴195に嵌り込んで下部フランジ19と上部フランジ27が幅方向に位置決めされるので、係合突起273が移動して係合が外れることもない。これにより、上部部材10aと下部部材20aはしっかりと固定され一体化し、側面板100aが構成される。
【0052】
このとき穴部271aは穴部191に対応する位置となり、穴部271bは第1の穴部193aに対応する位置となり、それぞれ貫通孔を形成している。図1〜図3で説明した枠体1の構造体への設置時、この貫通孔には、構造体のコンクリートが充填される。コンクリートの充填により後述するアンカー効果が促進され、枠体1が構造体にしっかりと固定される。本実施形態では計4つの貫通孔が存在する(4箇所で上記の各穴部が対応する)ことになるが、貫通孔は複数であることが好ましい。
【0053】
なお、上部部材10aと下部部材20aを取り外すには、嵌合突起275と嵌合穴195による嵌合を解除し、接続時に上部フランジ27を下部フランジ19に対して移動させた方向と逆方向に移動させればよい。嵌合突起275と嵌合穴195は、嵌合突起275を下方向へ押圧することによりその嵌合を解除可能な構成となっており、嵌合突起275を押圧するなどして、嵌合突起275を嵌合穴195から上下方向にずらして外せばよい。嵌合突起275および嵌合穴195は、各フランジにおいて、屈曲性の高い、側板11あるいは側板21から幅方向に張り出した端部に形成されるので、嵌合の解除が容易である。
【0054】
以上は側面板100aを構成する際の上部部材10aと下部部材20aの接続について示したが、側面板100bを構成する際の上部部材10bと下部部材20bの接続についても同様に行なわれる。
【0055】
側面板100aと側面板100bは、接続に用いた上部部材10a(10b)の下部フランジ19と下部部材20a(20b)の上部フランジ27が枠体1の外側に向き、幅方向が直交するように配置され、その側部同士が接続される。図9は側面板100aと側面板100bの接続を示す図である。
【0056】
図9に示すように、側面板100aと側面板100bを、高さを合わせ、接続に用いた下部フランジ19と上部フランジ27を枠体1の外側に向け、側面板100aの上部部材10aの側部フランジ13および下部部材20aの側部フランジ23を、側面板100bの上部部材10bおよび下部部材20bの、穴部111、211が形成された(側部フランジ13、23が形成されない)側板11、21の側端部にかぶせるように配置して幅方向を直交させる。
【0057】
すると、上部部材10aの側部フランジ13の穴部131と上部部材10bの側板11の穴部111、下部部材20aの側部フランジ23の穴部231と下部部材20bの側板21の穴部211が対応する位置となるので、これらの穴部でボルト40およびナット50を用いた締め付けを行なうことにより、側面板100aと側面板100bとが接続される。このようにして、枠体1の各角部に対応する位置で上部部材10aと上部部材10bなど対応する部材同士で横方向の接続を行うことにより側面板100aや側面板100bの接続を行ない、図1に示すように枠体1が形成される。枠体1の外側に向くように配置された下部フランジ19と上部フランジ27は、図1〜図3の手順で枠体1を構造体に取り付けた場合にコンクリートに埋め込まれるアンカーとして機能する。
なお、上部部材10a、10bの側部フランジ15および下部部材20a、20bの側部フランジ25は、側板11、21から垂直に枠体1の内側に向かうように形成されており、他方の部材の側板11、21に裏側から当接することにより、側面板100a、100bの直交配置がしやすいようになっている。
【0058】
枠体1の角部における接続に用いる穴部、例えば側部フランジ13に設けた穴部131や側板11の穴部111等、の位置や形状は、上部部材10aと上部部材10bで対応するだけでなく、同種の部材間(例えば上部部材10a同士)においても対応する。従って、例えば側面板100a同士を直角に接続して小さな枠体を形成することもできる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、上部部材10aと下部部材20aを組み立てて枠体1の側面板100aを構成するので、設計変更などに応じて枠体1の高さを変更することが容易になり、構造体にあわせて別の枠体を製造し用意する必要もなくなり金型も少なくて済む。また、側面板100aを短辺方向、長辺方向の区別無く用い、各部材について幅の異なるものを用意しておけば、設計変更などに応じて枠体1の幅が変更になる場合でも対応が容易であり、別の枠体を製造し用意する必要もない。各部材については、幅が異なる場合であっても同じ金型を用いて製造できる。
このように、製造の際のコストを低減し生産性を向上しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体1を形成することができる。
さらに、上部部材10aと下部部材20aを、枠体の外側に向けつつ配置したフランジ同士で接続する。フランジは接続に用いるだけでなく構造体への固定を行なうためのアンカーとしても機能し、アングル等をボルトなどで取り付ける必要が無い。また、フランジ同士は係合突起と係合穴を用いて係合され接続されるので、ボルト等も不要であり接続の際の手間もかからない。
加えて、各部材のフランジは剛性を向上させ、取り扱いや構造体へ取り付けの際の曲げや変形も防ぐことができる。
【0060】
また、フランジに設けた嵌合突起と嵌合穴により、フランジ同士が幅方向にしっかりと位置決めされて固定され、係合が外れることなく上部部材10aと下部部材20aが確実に接続される。また、接続や取り外しの際の手間もかからない。なお、上記の実施形態では上部部材10aの下部フランジ19に嵌合穴195を設け、下部部材20aの上部フランジ27に嵌合突起275を設けているが、下部フランジ19に嵌合突起を設け、上部フランジ27に嵌合穴を設けこれらを嵌合させることもできる。この場合、嵌合突起は下部フランジ19の下面に設ければよい。
【0061】
また、上部部材10aと下部部材20aの接続時などでは、例えば上部部材10aの下部フランジ19の穴部191と下部部材20aの上部フランジ27の穴部271aなどが対応する位置にくる。これにより形成される貫通孔には、構造体への枠体1の取り付け時にコンクリートが充填され、アンカー効果が促進されるので、枠体1が構造体に確実に固定される。さらに、各穴部により上部部材10aや下部部材20aが軽量化される。
【0062】
また、上部部材10aや下部部材20aの幅方向の一方の側端部に設けた側部フランジを、接続する部材の(上記の側部フランジが形成されない)他方の側端部と接続することにより、枠体1の角部における接続を行なうことができる。各部材については、一方の側端部にフランジを設け、他方の側端部がフランジで接続されるものとして接続に用いる穴部の形状や位置が共通化できる。よって、各部材を縦横に組み替えて枠体1のサイズ変更が容易となり、製造の際のコストを低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、図10に示すように、前述した上部部材10a(10b)と下部部材20a(20b)に加え、これらを上下方向に接続可能な中間部材30a(30b)を用いて側面板110a(110b)を構成して枠体1aを形成し、さらに枠体の高さを可変とする。
【0064】
図11は、枠体1aの側面板110aを構成する中間部材30aを示す図である。図11(a)は中間部材30aの斜視図、図11(b)は中間部材30aを側面から見た図、図11(c)は中間部材30aを上から見た図、図11(d)は図11(b)の線H−Hにおける断面図、図11(e)は図11(c)の線I−Iにおける断面図である。
【0065】
図に示すように、中間部材30aにおいて、側板31の幅方向の一方の側端部に側部フランジ33が設けられる。側部フランジ33には、穴部331が設けられる。また、側板11の他方の側端部には穴部311および側部フランジ35が設けられる。
側部フランジ33、35は前記の側部フランジ23、25と略同様であり、穴部311、穴部331は、先程と同様、枠体1aの角部における接続に用いられる。
【0066】
側板31の上部には、上部フランジ37が設けられる。上部フランジ37は、側板31から垂直に張り出す。上部フランジ37には、穴部371(371a、371b)、係合突起373、嵌合突起375が設けられる。図11(e)に示すように、係合突起373は、上部フランジ37に形成された穴部374の側面から立ち上がる壁面373aと、壁面373aの上部から上部フランジ37と平行に延びる上面373bにより形成される。上部フランジ37では、1つの係合突起373の幅方向の両側に穴部371(371a、371b)が1つずつ設けられ、この1セットが所定の幅方向の間隔で2組設けられる。また、上部フランジ37は側板31より幅が長く、側板31から幅方向に張り出した端部に、嵌合突起375が設けられる。
上部フランジ37および穴部371、係合突起373、嵌合突起375の位置および形状その他は、先に述べた上部フランジ27および穴部271、係合突起273、嵌合突起275と同様のものである。
【0067】
側板31の下部には、下部フランジ39が設けられる。下部フランジ39は、上部フランジ37と同方向に、側板31から垂直に張り出す。下部フランジ39には、穴部391、係合穴393、嵌合穴395が設けられる。係合穴393は、第1の穴部393aと第1の穴部より細長の第2の穴部393bが連続してなる。下部フランジ39では、1つの穴部391と1つの係合穴393が隣接して設けられ、この1セットが所定の幅方向の間隔で2組設けられる。また、下部フランジ39は側板31より幅が長く、側板31から幅方向に張り出した端部に、嵌合穴395が設けられる。
下部フランジ39および穴部391、係合穴393、嵌合穴395の位置および形状その他は、先に述べた下部フランジ19および穴部191、係合穴193、嵌合穴195と同様のものである。
【0068】
以上は枠体1aの側面板110aを構成する中間部材30aについて説明した。枠体1aの側面板110bを構成する中間部材30bについても、中間部材30aとの間で構成部分の共通化がなされており略同様の構成を有する。
但し、部材の幅は中間部材30aより長くなり、これにあわせて、中間部材30bの上部フランジ37については、1つの係合突起373の幅方向の両側に穴部371(371a、371b)が1つずつ設けられる前記の1セットが前記の間隔と同じ間隔で中間部材30aよりも多く配置される。
また、下部フランジ39については、1つの穴部391と1つの係合穴393による前記の1セットが前記の間隔と同じ間隔で中間部材30aよりも多く配置される。
【0069】
図12は、上部部材10aと下部部材20a、および中間部材30aの接続について示す図である。図に示すように、上部部材10aと中間部材30aを上部部材10aの下部フランジ19と中間部材30aの上部フランジ37とで接続し、中間部材30aと下部部材20aとを、中間部材30aの下部フランジ39と下部部材20aの上部フランジ27とで接続することにより、側面板110aが構成される。これらの接続方法は、先に述べたものと同様であるので、説明を省略する。また、側面板110bを構成する際の上部部材10b、中間部材30b、下部部材20bの接続についても同様に行なわれる。
【0070】
側面板110aと側面板110bの接続も、図9で説明したものと同様に行なわれる。枠体1aの各角部に対応する位置で側面板110aと側面板110bの接続を行ない、図10に示す枠体1aが形成される。
【0071】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、上部部材10aと下部部材20aに加え、さらに中間部材30aを用いて側面板110aを構成することで、枠体1aの高さがさらに多種多様に変更でき、構造体に合わせた枠体を形成することがより容易になる。また、上下方向に接続する部材の数を増やし枠体1aの高さを変更できるので、部材自体の高さのバリエーションは減らすことができる。よって、金型を減らして製造の際のコストをより低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0072】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、第1、2の実施形態と同様の手法で、側面板の上部部材や下部部材を、複数の部材を幅方向に接続して構成する。図13は側面板の上部部材120を上部側部部材70、90および上部中間部材90を幅方向に接続して構成する例である。
【0073】
図13(a)に示すように、この例では、上部側部部材70において、側板71の幅方向の一方の側端部に側部フランジ73が設けられる。側部フランジ73は、後述する下部フランジ79と同方向に、側板71から垂直に張り出す。側部フランジ73には、フランジの高さ方向に穴部731、係合穴733が設けられる。また上端部に嵌合穴735が設けられる。係合穴733は、前記の係合穴193と同様の形状であり、第1の穴部733aと第1の穴部733aより細長の第2の穴部733bが連続してなる。側部フランジ73では、1つの穴部731と1つの係合穴733が隣接して設けられ、この1セットが所定の高さ方向の間隔で2組設けられる。
側板71の他方の側端部には、上部部材10aの穴部111および側部フランジ15と同様の、穴部711および側部フランジ75が設けられる。
【0074】
側板71の上部には、上部フランジ77が設けられる。上部フランジ77には、穴部771が設けられる。穴部771は、後述の安全カバーを取り付けるためのものである。穴部771は所定の幅方向の間隔で2つ配置される。
側板71の下部には、下部フランジ79が設けられる。下部フランジ79には、穴部791、係合穴793が設けられる。係合穴793は、前記の係合穴193と同様の形状であり、第1の穴部793aと第1の穴部793aより細長の第2の穴部793bが連続してなる。下部フランジ79では、1つの穴部791と1つの係合穴793が隣接して設けられ、この1セットが所定の幅方向の間隔で2組設けられる。
【0075】
上部中間部材80では、側板81の幅方向の一方の側端部に上部側部部材70の側部フランジ73と同様の側部フランジ83が設けられる。側部フランジ83には、側部フランジ73の穴部731、係合穴733、嵌合穴735と同様の穴部831、係合穴833、嵌合穴835が設けられる。係合穴833は、第1の穴部833aと第1の穴部833aより細長の第2の穴部833bが連続してなる。
側板81の他方の側端部には、側部フランジ85が設けられる。側部フランジ85には、フランジの高さ方向に穴部851(851a、851b)、係合突起853が設けられる。また、上端部に嵌合突起855が設けられる。係合突起853は、前記の係合突起273と同様の形状であり、図13(c)に示すように、穴部854の側面から側部フランジ85に対し垂直に立ち上がる壁面853aと、壁面853aの先端部から側部フランジ85と平行に延びる側面853bにより形成される。側部フランジ85では、1つの係合突起853の高さ方向の両側に穴部851(851a、851b)が1つずつ設けられ、この1セットが所定の高さ方向の間隔で2組設けられる。
側部フランジ83、85は、後述する下部フランジ89と同方向に、側板81に対し垂直に張り出す。
【0076】
側板81の上部には、上部側部部材70の上部フランジ77と同様の上部フランジ87が設けられる。上部フランジ87には、上部フランジ77の穴部771と同様の穴部871が設けられる。
側板81の下部には、上部側部部材70の下部フランジ79と同様の下部フランジ89が設けられる。下部フランジ89には、下部フランジ79の穴部791、係合穴793と同様の、穴部891、係合穴893が設けられる。係合穴893は、第1の穴部893aと第1の穴部893aより細長の第2の穴部893bが連続してなる。
【0077】
上部側部部材90では、側板91の幅方向の一方の側端部に前記した上部部材10aの側部フランジ13と同様の側部フランジ93が設けられる。側部フランジ93には、側部フランジ13の穴部131と同様の穴部(不図示)が設けられる。
幅方向の他方の側端部には、上部中間部材80の側部フランジ85と同様の側部フランジ95が設けられる。側部フランジ95には、側部フランジ85の穴部851(851a、851b)、係合突起853、嵌合突起855と同様の穴部951(951a、951b)、係合突起953、嵌合突起955が設けられる。側部フランジ95は、後述する下部フランジ99と同方向に、側板91に対し垂直に張り出す。
【0078】
側板91の上部には、前記した上部部材10aの上部フランジ17と同様の上部フランジ97が設けられる。上部フランジ97には、上部フランジ17の穴部171、穴部173と同様の穴部971、穴部973が設けられる。
側板91の下部には、上部部材10aの下部フランジ19と同様の下部フランジ99が設けられる。下部フランジ99には、下部フランジ19の穴部191、係合穴193、嵌合穴195と同様の穴部991、係合穴993、嵌合穴995が設けられる。係合穴993は、第1の穴部993aと第1の穴部993aより細長の第2の穴部993bが連続してなる。
【0079】
図13(a)に示すように上部側部部材70と上部中間部材80を側部フランジ73と側部フランジ85とで接続し、上部中間部材80と上部側部部材90を側部フランジ83と側部フランジ95とで接続すると、図13(b)に示すように側面板の上部部材120が形成される。接続方法は前記したものと同様であり、側部フランジ73と側部フランジ85の接続時では、係合穴733に係合突起853を係合させると、嵌合穴735に嵌合突起855が嵌り込む。このとき側部フランジ73の穴部731と側部フランジ85の穴部851aの位置が対応し、係合穴733の第1の穴部733aと穴部851bの位置が対応し、それぞれ貫通孔が形成される。図1〜図3で説明した枠体の構造体への設置時、この貫通孔には、構造体のコンクリートが充填される。
側部フランジ83と側部フランジ95の接続についても同様に行なうと、上部側部部材70、上部中間部材80、上部側部部材90が幅方向にしっかりと固定される。
【0080】
図14は側面板の下部部材130を下部側部部材140、160および下部中間部材150を幅方向に接続して構成する例である。
【0081】
図14(a)に示すように、下部側部部材140では、側板141の幅方向の一方の側端部に側部フランジ143が設けられる。側部フランジ143は後述する上部フランジ147と同方向に、側板141から垂直に張り出す。側部フランジ143には係合穴1433が設けられる。また上端部に嵌合穴1435が設けられる。係合穴1433は、前記の係合穴193と同様の形状であり、第1の穴部1433aと第1の穴部1433aより細長の第2の穴部1433bが連続してなる。嵌合穴1435の形状も、前記の嵌合穴195と同様である。
側板141の他方の側端部には、下部部材20aの穴部211および側部フランジ25と同様の、穴部1411および側部フランジ145が設けられる。
【0082】
側板141の上部には、上部フランジ147が設けられる。上部フランジ147には、穴部1471(1471a、1471b)、係合突起1473が設けられる。穴部1471、係合突起1473の形状や位置関係は、下部部材20aの上部フランジ27の穴部271(271a、271b)、係合突起273と同様である。
側板141の下部には、下部部材20aの下部フランジ29と同様の、下部フランジ(不図示)が設けられる。
【0083】
下部中間部材150では、側板151の幅方向の一方の側端部に下部側部部材140の側部フランジ143と同様の側部フランジ153が設けられる。側部フランジ153には、側部フランジ143の係合穴1433、嵌合穴1435と同様の係合穴1533、嵌合穴1535が設けられる。係合穴1533は、第1の穴部1533aと第1の穴部1533aより細長の第2の穴部1533bが連続してなる。
側板151の他方の側端部には、側部フランジ155が設けられる。側部フランジ155には、フランジの高さ方向に穴部1551、係合突起1553が設けられる。また、上端部に嵌合突起1555が設けられる。図14(c)に示すように、係合突起1553は、係合突起273と同様の形状であり、穴部1554の側面から側部フランジ155に対し垂直に立ち上がる壁面1553aと、壁面1553aの先端部から側部フランジ155と平行に延びる側面1553bにより形成される。穴部1551、嵌合突起1555の形状も、前記の穴部271、嵌合突起275と同様である。
側部フランジ153、155は、後述する上部フランジ157と同方向に側板151から垂直に張り出す。
【0084】
側板151の上部には、下部側部部材140の上部フランジ147と同様の上部フランジ157が設けられる。上部フランジ157には、前記の穴部1471(1471a、1471b)、係合突起1473と同様の穴部1571(1571a、1571b)、係合突起1573が設けられる。
側板151の下部には、下部フランジ29と同様の下部フランジ(不図示)が設けられる。
【0085】
下部側部部材160では、側板161の幅方向の一方の側端部に下部部材20aの側部フランジ23と同様の側部フランジ163が設けられる。側部フランジ163には、側部フランジ23の穴部231と同様の穴部(不図示)が設けられる。
幅方向の他方の側端部には、下部中間部材150の側部フランジ155と同様の側部フランジ165が設けられる。側部フランジ165には、側部フランジ155の穴部1551、係合突起1553、嵌合突起1555と同様の穴部1651、係合突起1653、嵌合突起1655が設けられる。
【0086】
側板161の上部には、下部部材20aの上部フランジ27と同様の上部フランジ167が設けられる。上部フランジ167には、上部フランジ27の穴部271(271a、271b)、係合突起273、嵌合突起275と同様の穴部1671(1671a、1671b)、係合突起1673、嵌合突起1675が設けられる。
側板161の下部にも、下部フランジ29と同様の下部フランジ(不図示)が設けられる。
【0087】
図14(a)に示すように下部側部部材140と下部中間部材150を側部フランジ143と側部フランジ155とで接続し、下部中間部材150と下部側部部材160を側部フランジ153と側部フランジ165とで接続すると、図14(b)に示すように側面板の下部部材130が形成される。接続方法は前記したものと同様であり、側部フランジ143と側部フランジ155の接続時では、係合穴1433に係合突起1553を係合させると、嵌合穴1435に嵌合突起1555が嵌り込む。このとき側部フランジ143の係合穴1433の第1の穴部1433aに側部フランジ155の穴部1551の位置が対応し、貫通孔が形成される。図1〜図3で説明した枠体の構造体への設置時、この貫通孔には、構造体のコンクリートが充填される。
側部フランジ153と側部フランジ165の接続についても同様に行なうと、下部側部部材140、下部中間部材150、下部側部部材160が幅方向にしっかりと固定される。
【0088】
次いで図15(a)に示すように上記の上部部材120と下部部材130を上下方向に接続すると、図15(b)に示すように側面板170が形成される。接続方法は、図6等で説明したものと同様である。この際、上部部材120を構成した上部側部部材70、上部中間部材80、上部側部部材90のそれぞれの下部フランジ79、89、99に設けられた係合穴793、893、993に下部部材130を構成した下部側部部材140、下部中間部材150、下部側部部材160のそれぞれの上部フランジ147、157、167に設けられた係合突起1473、1573、1673を係合させると、上部側部部材90の下部フランジ99に設けられた嵌合穴995に下部側部部材160の上部フランジ167に設けられた嵌合突起1675が嵌り込む。これにより、上部部材120と下部部材130が上下方向にしっかりと固定される。
また、このとき下部フランジ79、89、99の穴部791、891、991と上部フランジ147、157、167の穴部1471a、1571a、1671aの位置が対応し、係合穴793、893、993の第1の穴部793a、893a、993aに穴部1471b、1571b、1671bの位置が対応し、それぞれ貫通孔が形成される。図1〜図3で説明した枠体の構造体への設置時、この貫通孔には、構造体のコンクリートが充填される。
【0089】
上部部材120の幅方向の一方の側部には、前記した上部部材10aおよび下部部材20aの側部フランジ13、23と同様の穴部を有する側部フランジ93、163が形成されるとともに、他方の側部には、前記した上部部材10aおよび下部部材20aの穴部111、211と同様の穴部711、穴部1411が形成されるので、両側部において、図9と同様の方法で、枠体の角部における接続を行い、枠体を形成することができる。
【0090】
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、側面板170を側部部材や中間部材等を用いて幅方向に組み立てることにより、高さ方向に部材を組み立てて側面板を構成する場合と同様の上記した効果が得られる。即ち、設計変更などに応じて枠体の幅を変更することが容易になり、製造の際のコストを低減しつつ、構造体の貫通箇所に合わせた様々な大きさの枠体を形成することができる。
【0091】
なお、各実施形態の枠体において、枠体を構造体に取り付けた状態ではあるがケーブル等の施工が行なわれていない場合などでは、落下を防ぐため上部に安全カバーが取り付けられる。図16は安全カバー1800(1800a、1800b)の枠体1への取り付けの例を示すものである。枠体1のサイズは変更可能であるので、各種のサイズに応じて上部の開口を覆うことが出来るよう、複数の安全カバー1800(1800a、1800b)を用いて枠体1の上部が覆われる。図に示すように、安全カバー1800は端部が重なるように配置することもできる。安全カバー1800のサイズは、枠体1のサイズのバリエーションに応じて定めることができる。
安全カバー1800の外周に沿って穴部1810が配置される。穴部1810は前述の穴部171とあわせて安全カバー1800の枠体1への留め付けに用いられる。穴部1810は穴部171の位置に対応するよう設けられ、その間隔は穴部171の間隔の倍数となっているので、安全カバー1800は各種のサイズの枠体に適応することが可能である。個々の安全カバー1800は従来のように1枚の安全カバーで枠体1の上部を覆う場合に比べ小さくなり、保管や撤去のコストが低減される。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る長尺物貫通部防火処置用箱状枠体等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0093】
1、1a………枠体
10a、10b………上部部材
20a、20b………下部部材
30a、30b………中間部材
100a、100b、110a、110b………側面板
13、15、23、25、33、35………側部フランジ
17、27、37………上部フランジ
19、29、39………下部フランジ
111、131、171、173、191、211、231、271、311、331、371、391………穴部
193、393………係合穴
195、395………嵌合穴
273、373………係合突起
275、375………嵌合突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺物が貫通する構造体の開口部に防火処置用の部材として固定され、側面板により側面が形成される箱状の枠体であって、
上下端部の少なくとも一方に接続用のフランジが形成された板状部材の複数を、前記枠体の外側に向くように配置された前記フランジ同士で上下方向に接続することにより、前記側面板を構成し、
接続される一方のフランジには、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起が形成され、他方のフランジには、前記係合突起の上面が挿入可能な第1の穴部と前記係合突起の壁面が挿入可能な第2の穴部が連続してなる接続用の係合穴が形成され、
さらに、接続される一方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合突起、もしくは、位置決めして固定するための嵌合穴が形成され、他方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合穴、もしくは、位置決めして固定するための嵌合突起が形成され、
板状部材同士の接続時に、一方のフランジの係合突起の上面を他方のフランジの第1の穴部に挿入した後、前記係合突起の壁面を他方のフランジの第2の穴部に挿入するように一方のフランジを他方のフランジに対して移動させることにより、一方のフランジを他方のフランジに係合して、前記嵌合突起が前記嵌合穴に嵌りこむことにより前記嵌合突起が前記嵌合穴と嵌合して両者が固定され、板状部材の幅方向の位置決めがなされ、前記嵌合突起を押圧することで嵌合が解除できることを特徴とする長尺物貫通部防火処置用箱状枠体。
【請求項2】
前記一方のフランジと他方のフランジにはそれぞれ嵌合穴でない別の穴部が形成され、前記別の穴部は、一方のフランジと他方のフランジを嵌合して位置決めした場合に、それぞれの別の穴部同士の位置が重なるように形成され、前記別の穴部に前記構造体のコンクリートが充填されることを特徴とする請求項1に記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体。
【請求項3】
前記板状部材の両側端部のいずれか一方にコーナー接続用のフランジが形成され、接続する一方の板状部材のコーナー接続用のフランジを、他方の板状部材のコーナー接続用のフランジが形成されない側端部と接続することにより、前記枠体の角部における板状部材同士の接続がなされることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体。
【請求項4】
少なくとも下端部に接続用のフランジを形成した板状部材と、上下端部に接続用のフランジを形成した板状部材と、少なくとも上端部に接続用のフランジを形成した板状部材を上下方向に接続し、前記側面板を構成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体。
【請求項5】
両側端部の少なくとも一方に接続用のフランジを形成した板状部材の複数を、前記フランジ同士で幅方向に接続することにより、前記側面板を構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体。
【請求項6】
長尺物が貫通する構造体の開口部に防火処置用の部材として固定される箱状の枠体の側面を形成する側面板を構成する板状部材であって、
前記枠体の外側に向くように配置して別の板状部材と上下方向に接続するための接続用のフランジが、上下端部の少なくとも一方に形成され、
前記フランジに、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起、もしくは、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起の上面が挿入可能な第1の穴部と前記係合突起の壁面が挿入可能な第2の穴部が連続してなる接続用の係合穴が形成され、
さらに前記フランジに、別の板状部材との接続時に幅方向位置を位置決めして固定するための、嵌合突起、もしくは、嵌合突起が嵌りこむ嵌合穴が形成されていることを特徴とする長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材。
【請求項7】
前記フランジに、前記構造体のコンクリートを充填させるための、嵌合穴とは別の穴部が形成され、前記フランジを嵌合させた時に、前記別の穴部が相互に重なるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材。
【請求項8】
前記枠体の角部における別の板状部材との接続を行なうためのコーナー接続用のフランジが、前記板状部材の両側端部のいずれか一方に形成されることを特徴とする請求項6から請求項7のいずれかに記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材。
【請求項9】
別の板状部材と上下方向に接続するための接続用のフランジが、上下端部の両方に形成されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材。
【請求項10】
別の板状部材と幅方向に接続するための接続用のフランジが、前記板状部材の両側端部の少なくとも一方に形成されることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の長尺物貫通部防火処置用箱状枠体構成部材。
【請求項11】
長尺物が貫通する構造体の開口部に防火処置用の部材として固定される箱状の枠体である長尺物貫通部防火処置用箱状枠体の形成方法であって、
上下端部の少なくとも一方に接続用のフランジが形成された板状部材の複数について、前記枠体の外側に向くように配置された前記フランジ同士での上下方向の接続と、前記枠体の角部における横方向の接続とを行うことにより、前記枠体を形成し、
接続される一方のフランジには、逆L字状の形状を有する接続用の係合突起が形成され、他方のフランジには、前記係合突起の上面が挿入可能な第1の穴部と前記係合突起の壁面が挿入可能な第2の穴部が連続してなる接続用の係合穴が形成され、
さらに、接続される一方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合突起、もしくは、位置決めして固定するための嵌合穴が形成され、他方のフランジに、位置決めして固定するための嵌合穴、もしくは、位置決めして固定するための嵌合突起が形成され、
板状部材同士の上下方向の接続時に、一方のフランジの係合突起の上面を他方のフランジの第1の穴部に挿入した後、前記係合突起の壁面を他方のフランジの第2の穴部に挿入するように一方のフランジを他方のフランジに対して移動させることにより、一方のフランジを他方のフランジに係合して、前記嵌合突起が前記嵌合穴に嵌りこむことにより前記嵌合突起が前記嵌合穴と嵌合して両者が固定され、板状部材の幅方向の位置決めがなされることを特徴とする長尺物貫通部防火処置用箱状枠体の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−143477(P2012−143477A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5526(P2011−5526)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000165996)株式会社古河テクノマテリアル (23)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】