説明

長手方向に平行乃至傾斜して引き抜き可能なポップアップ式ティッシュペーパー収納箱

【課題】 ティッシュペーパーを、上面取り出し口から収納箱長手方向に平行乃至傾斜させて引き抜いても、破れたり引きちぎれたりすることなく、スムーズに取り出すことができ、更に集積状ティッシュペーパーの木口側に対応した収納箱壁面からも取り出せる、横置き、縦置き両方使いのできるポップアップ式ティッシュペーパー収納箱を提供する。
【解決手段】 上面取り出し口の一端を起点として、集積状ティッシュペーパーの木口側に対応する収納箱壁面に亘る、又は上面短手方向の辺縁稜線から内側5ミリメートル以内の距離に達する所定の形状寸法の上面取り出し口延長部を形成するための切込線を収納箱本体に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向に平行乃至傾斜して引き抜き可能な,縦横両使いのポップアップ式ティッシュペーパー収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱は、その大部分は、直方体収納箱を形成する6面のうちの最大の面積を有する面の一つを底面または上面とし、上面にティッシュペーパーの取り出し口を形成して、この上面取り出し口から、ティッシュペーパーを上面に対し垂直または上面短手方向に傾斜させて引き抜くように形成されている。そのため、ティッシュペーパーを長手方向ないし長手方向に傾斜させて引き抜くと、取り出し口の端部に引っかかってティッシュペーパーが破れ、引きちぎられてしまうという問題があった。ティッシュペーパーの引き抜き方で特殊な先行技術としては、特開2003−54659、特開2004−305240及び特開2005−35592がある。
特開2003−54659は、従来のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱と同様な上面取り出し口を形成したうえ、更に、集積状ティッシュペーパーの木口側に対応する壁面に別個に木口壁面取り出し口を形成して、木口方向にもティッシュペーパーを引き抜けるようにしたものである。
特開2004−305240は、ポップアップ式ティッシュペーパー収納箱において、ティッシュペーパー取り出し口を、上面の長手方向片側辺縁に沿って長孔状に、かつ上面と側面に跨って形成するもので、ティッシュペーパーを上面短手方向に、かつ上面と平行させて引き抜くことを容易にしたものである。
特開2005−35592は、収納箱上面の中央に形成される取り出し口とは独立した取り出し口を上面短手方向及び長手方向の辺縁稜線に沿って形成するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上面に取り出し口を形成した従来のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱において、ティッシュペーパーを上面取り出し口から長手方向に平行乃至傾斜させて引き抜いても、破れたり引きちぎれたりすることなく、スムーズに連続的に引き抜くことができ、更に収納された集積状ティッシュペーパーの木口側に対応する収納箱壁面からも引き抜くことが可能な構造を備えたポップアップ式ティッシュペーパー収納箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
収納された集積状ティッシュペーパーの折り畳み線方向に長く形成されたティッシュペーパー取り出し口を上面に設けたポップアップ式のティッシュペーパー収納箱において、取り出し口の長手方向両端部のうち少なくとも一端部を起点として、それら集積状ティッシュペーパーの木口側に対応する収納箱壁面に亘る、又は上面短手方向の辺縁稜線から内側5ミリメートル以内の距離に達する所定の形状寸法の取り出し口延長部を形成するための切込線を当該延長部の周縁全部に、又は一部を残して配置する。
【発明の効果】
ポップアップ式のティッシュペーパー収納箱は、ティッシュペーパーがいざ必要というときに、迅速に収納箱からとりだして使用できるという点が、忙しい現代人に好まれ、普及したものである。したがって、ポップアップ式ティッシュペーパー収納箱は通常、手回り品として手近に置いて使用される品物である。しかし、現代生活はこの手回り品に溢れ、今後もこの傾向は強まりこそすれ、弱まるとは考えにくい。また現実に、家庭内ではポップアップ式のティッシュペーパー収納箱を誤って足で踏みつぶしてしまうことが度々おこる。
一方、このポップアップ式ティッシュペーパー収納箱を、縦に立てて使用している人も度々見受ける。その理由は、その人の使用環境によってさまざまであろうが、最大の理由はやはり手回り品としての使用面積の節約ということであろう。縦に置いて使用すると、平置きに比べ使用面積は約5分の1になるからである。しかし、従来のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱をこのように縦にして使用した場合、ティッシュペーパーは必ず真横、即ち収納箱長手方向に対し垂直に引き抜かないと、そのティッシュペーパーは必ず破けるか、千切れてしまうことになる。しかし、身近な空間では、当該収納箱を縦置きしたい場所の横に別の物品が存在する場合が多く、そのような場合は縦置に使用したくてもできない。また、この収納箱を比較的低い場所、あるいは比較的高い場所に縦置きにして使用するときは、ティッシュペーパーを引き抜くときによほどの注意を払わないと、真横にではなく、上向きまたは下向きに傾斜させて斜めに引き抜いてしまい、その結果、当該ティッシュペーパーを引きちぎってしまうことになる。もしも、上面取り出し口から上方または上面短手方向に傾斜して引き出す従来のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱の使用方法に加え、集積状ティッシュペーパーの木口側に対応した収納箱壁面からも、また、上面取り出し口から、長手方向に平行あるいは傾斜した方向へも自由にティッシュペーパーを引き抜くことができる使用方法が加われば、上述したような不便不都合はすべて解消し、ポップアップ式のティッシュペーパー収納箱の使い勝手は飛躍的に向上するはずである。本発明は、まさにそのようなポップアップ式ティッシュペーパー収納箱を提供するものである。
また、従来のポップアップ式のティッシュペーパー収納箱を縦向きにして使用するためのホルダーあるいは磁石を利用して壁面に取り付け縦向きにしても使用できるようにした収納箱に関する出願も度々見受けられ、現実に、商品としても流通している。これらは、ポップアップ式ティッシュペーパー収納箱を縦向きに使用したいという消費者のニーズに応えたものであるが、本発明によるポップアップ式のティッシュペーパー収納箱は、このような商品を必要とする消費者のニーズに適い、より一層使い勝手のよいものとなるはずである。
次に、この発明の効果を実験により検証した結果について記述する。
1.木口側に対応する収納箱本体壁面に亘る取り出し口延長部を形成した収納箱の場合。
(1)実験方法について
市販のポップアップ式ティッシュペーパー(取り出し口開口後の総重量240グラム、収納箱自重40グラム、中味重量200グラム、収納枚数400枚・200組)を改造して、請求項1に記載する木口側に対応した壁面に亘る上面取り出し口延長部を形成し、これを、最大秤量2キログラム用ばね秤の皿の上に縦向きに立てて置き、ティッシュペーパーを▲1▼上面取り出し口から、真上ないし略20度斜めに一気急激に引き抜く場合、▲2▼上記木口側壁面に形成されている上面取り出し口延長部、この場合は天頂に向けて開口している壁面取り出し口から、垂直に上方へ一気急激に引き抜く場合の2ケースについて実験を行った。
(2)実験で検証した事項について
▲1▼ティッシュペーパーを一気急激に引き抜く場合、ばね秤の皿上に置かれた当該収納箱に対し何グラム重程度の力が上方向に働くか。
▲2▼ティッシュペーパーを一気急激に引き抜く場合、ばね秤の皿上に置かれた該収納箱が上方へ浮き上がったり、倒れたりする限界点について
(3)実験結果について
(1)の▲1▼(上面取り出し口から真上ないし略20度斜め上方へ引き抜く場合)の検証について
中味が200グラム(200組)程度ある当初の段階では、ばね秤の針の振れは最大80グラム、中味が100グラム(100組)程度残留の場合は40〜20グラム、中味が50グラム(50組)程度以下残留の場合は20グラムラム以下であった。したがって、当該収納箱は、最後の一枚になるまで一度も、浮き上がったり、倒れたりすることはなかった。
(1)の▲2▼(木口側壁面から垂直上方へ引き抜く場合)の検証について
中味が200グラム程度ある当初の段階では、ばね秤の針の振れは最大120グラム、中味が100グラム程度残留の場合は80〜60グラム、中味残留が50〜10グラムの場合は50〜30グラム、中味残留が10グラム(10組)程度になったときに初めて、収納箱は少し浮き上って、後ろへ倒れる。以上が実験の結果である。
(4)総括
前記のごときティッシュペーパー収納箱を、周囲に壁面等のない空間に縦置きにして、
▲1▼従来の上面取り出し口から真上又は斜め上方へ一気急激に引き抜く場合、最後の一組にいたるまで当該収納箱は浮き上がったり倒れたりせず、全部のティッシュペーパーをソフトかつスムーズに取り出すことができる。これは、収納箱自重(40グラム)とティッシュペーパー残留重量の合計重量が、常に、ばね秤の針の振れの最大値を上回っていることを示している。
▲2▼木口側取り出し口(上面取り出し口延長部の一部)から、真上に一気急激にティッシュペーパーを引き抜く場合、ティッシュペーパーの残留量が10組程度に減少するまでは、当該収納箱は浮き上ったり倒れたりすることもなく、ティッシュペーパーをソフトかつスムーズに引き抜くことができる。これは、残留量10組程度に減少するまでは、収納箱自重(40グラム)とティッシュペーパー残留重量の合計重量が、常に、ばね秤の針の振れの最大値を上回っていることを示している。また、このケースの場合、収納箱を縦向きにして、家具等の壁面に立てかけておけば、残量が10組以下に減少した場合にも、収納箱を倒さずにスムーズに引き抜ける。また、縦置き用のティッシュペーパーホルダーに収容して使用すれば更に安定する。
2.上面短手方向の辺縁稜線に達する上面取り出し口延長部を形成した収納箱の場合。
(1)実験方法について
市販のポップアップ式ティッシュペーパ収納箱(取り出し口開口後の総重量240グラム、収納箱自重40グラム、中味重量200グラム、収納枚数400枚・200組)を改造して、請求項1に記載する、上面短手方向の辺縁稜線に達する上面取り出し口延長部を形成した前記収納箱を、最大秤量2キログラム用ばね秤の皿の上に縦向きに立て、上面取り出し口から、ティッシュペーパーを▲1▼垂直線から30度斜め上方へ、一気急激に引き抜く場合、▲2▼垂直線から20度斜め上方へ、一気急激に引き抜く場合の2ケースについて実験を行った。
(2)実験で検証した事項
▲1▼ティッシュペーパーを一気急激に引き抜いたとき、ばね秤の皿上に縦向きに置かれた当該収納箱に対し何グラム重程度の力が上方向に働くか。
▲2▼ティッシュペーパーを一気急激に引き抜いたとき、ばね秤の皿上に縦向きに置かれた当該収納箱が上方へ浮き上がったり、倒れたりする限界点について。
(3)実験結果について
(1)の▲1▼のケース(30度斜め上方へ引き抜く場合)について
ティッシュペーパー残留量200〜150グラムのとき、ばね秤目盛りの振れは100〜80グラム、残留量150〜100グラムのとき、振れは100〜40グラム、残留量100〜50グラムのとき、振れは40〜30グラム、残留量50〜30グラムのとき、振れは40〜20グラム、そして、残留量30グラム以下のとき、振れは20〜10グラムであった。
残留量が30グラム以下に減少しているときは、収納箱は前後に倒れ皿から落下することがある。しかし、ティッシュペーパーは1組も破損することが無く、最後の1組まで引き抜くことができた。
(1)の▲2▼のケース(20度斜め上方へ引き抜く場合)について
ティッシュペーパー残留量200〜150グラムのとき、ばね秤目盛りの振れは180〜130グラム、残留量150〜100グラムのとき、振れは130〜70グラム、残留量100〜50グラムのとき、振れは70〜40グラム、残留量50〜30グラムのとき、振れは50〜30グラム、残留量30グラム以下のとき、振れは40〜20グラムであった。
残量量が80グラム程度以下に減少しているときには、収納箱は後ろへ倒れ、秤の皿から落下することがある。しかし、ティッシュペーパーは1組も破損すること無く、最後の1組まで引き抜くことができた。
(4)総括
▲1▼この構造(上面短手方向の辺縁稜線に達する上面取り出し口延長部を形成した収納箱)の場合は、縦置きにして、上面取り出し口からティッシュペーパーを引き抜く場合、垂直線から20〜30度の角度で引き抜いても、ティッシュペーパーを1組も破損させずに最後の1組まで引き抜くことができることが検証された。また、この実験とは別に行った実験によればは、ティッシュペーパーを真上垂直に引き抜いても、ティッシュペーパーを破損せずに引き抜けることが判明している。
▲2▼以上の実験では、残留量が一定量以下に減少したときに、収納箱がばね秤の皿の上から落下する現象が見られたが、今回の実験とは別に、縦向きにした当該収納箱の背面を何らかの家具の壁面に接触させて置き、同様に引き抜きの実験を行った場合には、どのケースの場合においても、残留量が最後の1組になるまで、収納箱が倒れたり、浮き上がったりすることがなく、ソフトかつスムーズに、ティッシュペーパーを最後まで引き抜けるということが判明している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1〜図3、及び図10〜図12に示される実施例は、請求項4に記載されるポップアップ式ティッシュペーパー収納箱の実施例であり、舌片状凸部24,25は、リップ部用合成樹脂フィルム20の取り付け用台紙として使用されている。即ち、図11は図10の内側展開図であるが、フィルム20は上面Dの裏側の22の箇所において接着剤で取り付けられている。21はフィルム20に形成されたスリットであり、ティッシュペーパーXはこのスリットを通過して引き抜かれる。
図10は使用前斜視図、図12は開口後斜視図、図3は横置き上方引き抜き時の使用図、図1は、縦置き、上面取り出し口23から上方へ引抜き時の使用図、図2は、縦置き、上面取り出し口延長部のF面開口部26から上方へ引き抜き時の使用図である。
図10において、収納箱上面Dに、上面取り出し口形成用の切込線15が配置される。
18は上面取り出し口の一端に形成された切込線であり、この境界線切込線18を起点として、上面取り出し口延長部を形成するための切込線19が,収納箱に収容された集積状ティッシュペーパーの木口側に対応するF面に亘って形成される。
16、17は舌片状凸部24,25を上面取り出し口に形成するための切込線であり、この両切込線間の最短距離は8〜20ミリメートルに設定される。
【0006】
この形態の特徴は、▲1▼上面取り出し口延長部形成用切込線19及び境界線切込線18を形成するに際し、上面Dの裏側に貼られたフィルム20に切込線を刻設する必要がないため、切込線の配置が容易であること。▲2▼フィルム20が舌片状凸部24,25の箇所で上面Dの内側に固着されるので、フィルム20の張りを十分に確保することができることである。
【0007】
図5〜図9に示される実施例は、請求項3及び請求項4に記載されるポップアップ式ティッシュペーパー収納箱の実施例である。図5において、収納箱上面Aに上面取り出し口開口部を形成するための切込線1、舌片状凸部形成用切込線2,3、上面取り出し口延長部形成用切込線5、及び上面取り出し口と上面取り出し口延長部の境界線となる切込線4が形成され、更に、上面取り出し口延長部のC面側開口部を形成するための切込線5が形成される。また、両舌片状凸部形成用切込線間の最短距離は、8〜20ミリメートルの範囲に設定される。
図6は、図5に示される実施例の内側展開図である。上面Aの裏側に、上面取り出し口の長手方向中心線を挟んで左右各一枚のリップ部用合成樹脂フィルム6,7が、それぞれ8,9の箇所で接着され取り付けられる。10は両フィルム間に形成されるティッシュペーパー引き抜き用のスリットである。図7は、上面取り出し口延長部を開口せず、上面取り出し口のみを開口して使用する場合の収納箱の斜視図である。図8は、上面取り出し口延長部14を開口した収納箱の斜視図である。図9は、図8に示される収納箱のC面側側面図である。
【0008】
この形態の特徴は、▲1▼上面取り出し口延長部形成用切込線5及び境界線切込線4を形成するに際し、上面Aの裏側に貼られたフィルム6及び7に切込線を刻設する必要がないこと,これは前述の図11の形態の場合と同様であるが、この形態の場合は、▲2▼両舌片状凸部をフィルム6、7の取り付け用台紙としてではなく、両フィルムの張り補強用押え具として機能させる点に特徴がある。また、この形態を応用すれば、2枚のフィルムを用いる代わりに、図11に示される形態のようにスリット入り1枚ものフィルムを用いた収納箱の形態も考えられる。
【0009】
また、この形態の応用として、請求項3記載の2枚のフィルムは用いるが、請求項4記載の舌片状凸部は形成しない形態の収納箱も十分に考えられる。
【0010】
図4及び図13〜15は、請求項1記載の収納箱のうち、上面取り出し口の長手方向の一端30を起点として、上面短手方向の辺縁稜線から内側5ミリメートル以内の距離に達する所定の形状寸法の上面取り出し口延長部36を上面Gに形成するための切込線31を当該延長部の周縁全部に配置したポップアップ式のティッシュペーパー収納箱の実施例であり、かつ、請求項4記載の舌片状凸部37,38をリップ部用軟質合成樹脂フィルム取り付け用台紙として形成した実施例でもある。図4は、上面取り出し口延長部36を開口せずに、かつ、横置きにして使用する場合の使用図である。
【0011】
この形態の特徴は、▲1▼上面取り出し口延長部形成用切込線31及び境界線切込線30を形成するに際し、上面Gの裏側に貼られたフィルム32に切込線を刻設する必要がないこと、▲2▼舌片状凸部37,38をフィルム32の取り付け用台紙として用いることにより、フィルムの張りを十分に確保できることである。
【0012】
図16及び図17に示される実施例は、請求項1記載の収納箱のうち、上面取り出し口の一端42を起点として、上面短手方向の辺縁稜線から内側5ミリメートル以内の距離に達する所定の形状寸法の上面取り出し口延長部を上面Jに形成するための切込線43を当該延長部の周縁全部に配置したポップアップ式のティッシュペーパー収納箱の実施例であり、かつ、請求項3記載のリップ部用軟質合成樹脂フィルム44,45を設け、更に請求項4記載の舌片状凸部を前記リップ部用軟質合成樹脂フィルムの張り補強用押え具として形成するための切込線40,41を配置した実施例でもある。
【0013】
この形態の特徴は、▲1▼上面取り出し口延長部形成用切込線43及び境界線切込線42を形成するに際し、上面Jの裏側に貼り付けられるフィルムに切込線を刻設する必要がないこと、▲2▼舌片状凸部を当該フィルムの張り補強用押え具として形成することにより、当該フィルムの張りを十分に確保できることである。
【0014】
また、この形態の応用として、、上面Jの裏側に貼り付けられるフィルムを図14に示される形態のフィルムと同様、スリット入りの1枚ものフィルムにしたものや、この形態のままで舌片状凸部は形成しない形態などが考えられる。
【0015】
図18〜図20に示される実施例は、請求項2に記載される、上面取り出し口をリップ部用軟質合成樹脂フィルムの不要な形状あるいは構造に形成した請求項1記載のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱の一例である。これは、上面取り出し口開口部中央付近の開口幅を狭くすることにより、開口部にリップ部用軟質合成樹脂フィルムが取り付けられていなくても、ティッシュペーパーを1組づつ、順序良く続けて取り出せる構造に形成されたものである。収納箱上面Mに上面取り出し口形成用切込線49が形成される。51は上面取り出し口の一端を形成する切込線であり、切込線49の一部分である。52は木口側側面Oに亘る上面取り出し口延長部54を形成するための切込線である。50は上面取り出し口開口部中央付近の開口幅を緩やかに狭くするように形成される切込線49の一部分である。
図19は、上面取り出し口53及び上面取り出し口延長部54を共に開口した状態の斜視図である。図20は木口側側面O側から見た側面図である。
【0016】
この形態の特徴は、▲1▼リップ部用軟質合成樹脂フィルムを上面Mの裏側に取り付けなくてもよいため、上面取り出し口延長部54を形成するために必要な切込線51,52の刻設がきわめて容易であることである。
【0017】
図21及び図22に示される実施例は、上面取り出し口59の長手方向の一端を起点として、上面短手方向の辺縁稜線から内側5ミリメートル以内の距離に達する所定の形状寸法の上面取り出し口延長部60を上面Pに形成するための切込線58を、当該延長部周縁に、一部61を残して配置した請求項1記載の実施例であり、また、上面取り出し口をリップ部用軟質合成樹脂フィルムの不要な形状あるいは構造に形成した請求項2記載のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱の一例でもある。なお、この実施例の場合は、延長部60の一端が上面短手方向の辺縁稜線まで達しており、更に延長部周縁の切込線は辺縁稜線部分61を残して配置されている。
【0018】
この形態の特徴は、▲1▼延長部60が辺縁稜線にまで達していることにより、ティッシュペーパーを長手方向に引き抜いたときに生じる延長部先端辺縁との摩擦が、この形態の中では最小になること。▲2▼舌片62を辺縁稜線に取り付けたままでも縦置きの使用が可能であるため、消費者が延長部を開口する際に手数が掛からず、取り扱いが容易であること、▲3▼また、製造過程でも延長部形成用切込線の刻設配置が最も容易であることである。
【0019】
図23に示される実施例は、上面取り出し口と上面取り出し口延長部とを区分する境界線に配置されるくり貫き用切込線を配置せず、両者を一体として、その外周周縁に沿った循環状の切込線63のみを配置し、両者が一体として切り取れるように形成され、かつ、リップ部用軟質合成樹脂フィルムの取り付けを必要としない上面取り出し口を有する請求項5記載のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱の一例である。
【0020】
この形態の特徴は、集積状ティッシュペーパーの木口側に対応する収納箱側面Uに亘る上面取り出し口延長部が形成される請求項1記載のポップアップ式ティッシュペーパー収納箱の形態の中においては、製造が最も容易な形態の一つであると考えられることである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 収納箱実施例の縦置き使用時斜視図である。
【図2】 収納箱実施例の縦置き使用時斜視図である。
【図3】 収納箱実施例の横置き使用時斜視図である。
【図4】 収納箱実施例の横置き使用時斜視図である。
【図5】 収納箱実施例の開口前斜視図である。
【図6】 図5に示される収納箱本体の内側展開図である。
【図7】 図5に示される収納箱本体の一部開口後斜視図である。
【図8】 図5に示される収納箱本体の全部開口後斜視図である。
【図9】 図5に示される収納箱本体のC面側側面図である。
【図10】 収納箱実施例の開口前斜視図である。
【図11】 図10に示される収納箱本体の内側展開図である。
【図12】 図10に示される収納箱本体の全部開口後斜視図である。
【図13】 収納箱実施例の開口前斜視図である。
【図14】 図13に示される収納箱本体の内側展開図である。
【図15】 図13に示される収納箱本体の全部開口後斜視図である。
【図16】 収納箱実施例の開口前斜視図である。
【図17】 図16に示される収納箱本体の内側展開図である。
【図18】 収納箱実施例の開口前斜視図である。
【図19】 図18に示される収納箱本体の全部開口後斜視図である。
【図20】 図18に示される収納箱本体のO面側側面図である。
【図21】 収納箱実施例の開口前斜視図である。
【図22】 図21に示される収納箱本体の全部開口後斜視図である。
【図23】 収納箱実施例の開口前斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
A,D、G、J、M、P,S 収納箱上面
B,E,H,K,N,Q,T 収納箱側面
C,F,I,L,O,R,U
X,Y,Z ポップアップ式のティッシュペーパー
1,15,27,39, 上面取り出し口形成用切込線
49、55,
63 上面取り出し口と上面取り出し口延長部一体循環状切込線
2,3,16,17,28,29 舌片状凸部形成用切込線
40,41
4,18,30、42,51,57 境界線切込線
5,19,31,43,52,58 上面取り出し口延長部形成用切込線
50,56 上面取り出し口開口部中央付近の開口幅を緩やかに狭くするように配置した切込線
6,7、20,32,44,45 リップ部用軟質合成樹脂フィルム
8,9、22,34、47,48 リップ部用軟質合成樹脂フィルム固着箇所
10,21,33,46 リップ部用軟質合成樹脂フィルムのスリット
11,23,35,53,59 上面取り出し口開口部
12,13、24,25、37,38 舌片状凸部
14、26、36,54,60 上面取り出し口延長部開口部
61 上面取り出し口延長部周縁の切込線非配置箇所
62 舌片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポップアップ式に取り出せるように、ティッシュペーパーが交互に折り畳まれ積層された集積状ティッシュペーパーを収納する略直方体の箱体の6面のうち、最大の面積を有する対向2面のうち1面にティッシュペーパー収納箱上面取り出し口を形成するためのミシン目孔等の切込線が配置されるティッシュペーパー収納箱本体において、前記上面取り出し口は、収納されるティッシュペーパーの折り畳み線方向に長く、しかもその長手方向の一端又は両端を起点として、当該集積状ティッシュペーパーの木口側に対応する前記収納箱本体壁面に亘る、所定の形状寸法の上面取り出し口延長部を形成するための切込線を、当該延長部の周縁全部に、又は一部を残して配置するか、または、同じく上面取り出し口の長手方向の一端又は両端を起点として、上面短手方向の辺縁稜線から内側5ミリメートル以内の距離に達する所定の形状寸法の上面取り出し口延長部を形成するための切込線を、当該延長部の周縁全部に、又は一部を残して配置することにより、前記上面取り出し口から、ティッシュペーパーを上方向または上面短手方向に傾斜して引き抜くことができるだけでなく、ティッシュペーパーを破損させることなしに、ティッシュペーパーを上面長手方向に平行に、または傾斜させてスムーズに引き抜くことができ、更に、前記木口側に対応する収納箱本体壁面に形成された上面取り出し口延長部からもティッシュペーパーを引き抜くことができるように構成したことを特徴とするポップアップ式のティッシュペーパー収納箱。
【請求項2】
上面取り出し口又は上面取り出し口延長部が、単なるくり貫き開口部もしくは取り出しリップ部用軟質合成樹脂フィルム付くり貫き開口部に形成されるか、又は上面取り出し口をリップ部用軟質合成樹脂フィルムの不要な形状あるいは構造に形成してなるものとした請求項1記載のポップアップ式のティッシュペーパー収納箱。
【請求項3】
上面取り出し口の内側に取り付けられるリップ部用軟質合成樹脂フィルムであって、上面取り出し口の長手方向略中心線を挟んで左右各1枚の軟質合成樹脂フィルムが上面取り出し口の内側に取り付けられ、これにより前記長手方向略中心線上に形成されるリップ部のスリットから、収納されたティッシュペーパーを引き抜くように形成されてなる請求項1または請求項2記載のポップアップ式のティッシュペーパー収納箱。
【請求項4】
上面取り出し口の内側に取り付けられたリップ部用軟質合成樹脂フィルムの上面の一部所定箇所を覆うように、上面取り出し口延長部を含む上面取り出し口の長手方向中心線に対して対称な左右一対の舌片状凸部が前記上面取り出し口辺縁に半島状に形成され、更に、前記舌片状凸部は、上面取り出し口長手方向中央よりも上面取り出し口延長部寄りの位置に形成され、また更に、前記上面取り出し口の長手方向中心線を挟む前記左右一対の舌片状凸部間の最短距離が8ミリメートル以上20ミリメートル以下に形成されるように、必要なくり貫用切込線をポップアップ式のティッシュペーパー収納箱本体上面に配置することにより、前記左右一対の舌片状凸部に、前記リップ部用軟質合成樹脂フィルムの取り付け用台紙、又は張り補強用押え具としての役割・機能を持たせたことを特徴とする請求項1又は請求項3記載のポップアップ式のティッシュペーパー収納箱。
【請求項5】
上面取り出し口と上面取り出し口延長部とを区分する境界線に配置されるくり貫き用切込線を形成せず、両者を一体として、その外周周縁に沿った循環状の切込線のみを形成し、両者を一体として切り取れるように構成したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載のポップアップ式のティッシュペーパー収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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