説明

長時間持続性ナトリウム排泄増加性ペプチド誘導体

本発明は、長時間持続性のナトリウム排泄増加性ペプチド(NP)誘導体に関する。NP誘導体は、NPペプチドおよびNPペプチドに結合した反応性実体を有する。この反応性実体は、血液成分上で官能基と共有結合し得る。特に、本発明は、延長されたインビボ半減期を有するNP誘導体、および心臓血管の疾患および障害(例えば、急性非代償性うっ血性心不全(CHF)および慢性CHF)の処置方法に関する。本発明に従って、ネイティブのANPまたはネイティブのBNPのうちの1つと比較したときのインビボ半減期が伸長されているNP誘導体を新たに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ナトリウム排泄増加性(ナトリウム利尿性)ペプチド(NP)誘導体に関する。特に、本発明は、心臓血管性疾患および心臓障害(例えば、代償性不全による鬱血性心不全(CHF)および慢性CHF)、腎臓障害、および他の疾患ならびに障害の処置のための、延長されたインビボでの半減期を有するNP誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ナトリウム排泄増加性ペプチドファミリーは、以下の4つの構造的に関連したポリペプチドホルモンを含む:心房性ナトリウム排泄増加性ペプチド(ANP)、脳ナトリウム排泄増加性ペプチド(BNP)、C型ナトリウム排泄増加性ペプチド(CNP)および、近年発見されたDendroaspisナトリウム排泄増加性ペプチド(DNP)(Yandle,1994;Wilhins et al.1997;Stein and Levin,1998)。
【0003】
ANPおよびBNPは、ナトリウム排泄増加、利尿、血管拡張、抗高血圧(antihypertension)、レニン阻害(renin inhibition)、抗有糸分裂および変弛緩特性(lusitropic properties;心臓律動の弛緩の増大)を媒介する。CNPは、ナトリウム排泄増加性作用を欠くが、血管拡張活性および成長阻害活性を保持している(Chen and Burnett,2000)。総じて、このナトリウム排泄増加性ペプチドファミリーは、レニン−アンギオテンシン−アルドステロン系の効果を相殺する(Espiner 1994,Wilkins et al.1997,Levin et al.1998)。ANPおよびBNPは、血管緊張、アルドステロン分泌、尿細管ナトリウム再吸収および血管細胞増殖に対するアンギオテンシンII(AngII)の効果の生理学的アンタゴニストであることが示されている(Harris et al.1987,Itoh et al.1990,Wilkins et al.1997,Levin et al.1998)。さらに、バソプレッシンの分泌(Obana et al.1985)およびエンドセリン−1(endothelin−1)の分泌(ET−1)(Saijonmaa et al.1990)は、ANPによって低減される。
【0004】
ANPおよびBNPは、血液脳関門(BBB)を通過しないが、ANPおよびBNPは、中枢神経系の近傍領域(すなわち、弓隆回下部(subfomical organ)および視床下部)に達する。脳でのNPの作用は、末梢における作用を強化する。ナトリウム排泄増加性ペプチドレセプターが、BBBによって血液と分離されていない第3の室(ventricle)に隣接する領域、局所的に産生されたペプチドと同様に循環するANPの結合を可能にする部分で存在する(Langub et al.,1995 in Kelly R.and Struthers A.D.,2001)。
【0005】
ナトリウム排泄増加性ペプチドの生物学的効果は、細胞膜レセプターの結合および活性化を経て媒介され、この細胞膜レセプターの結合および活性化によって、標的細胞中での環状GMPの産生が生じる。これらとしては、cGMP依存性プロテインキナーゼ(PKG)、cGMP依存性イオンチャネルおよびcGMP調節性ホスホジエステラーゼ(Lincoln & Cornwell 1993,de Bold et al.1996)が挙げられる。
【0006】
ナトリウム排泄増加性ペプチドレセプターの3つのサブタイプが記載されている:NPR−A、NPR−BおよびNPR−C。NPR−AおよびNPR−Bは、グアニリルシクラーゼであり、これよって、そのリガンドは、環状グアノシンモノホスフェート(cGMP)の産生を誘導する(総説としては、Maack 1992,Anand−Srivastava & Trachte 1993を参照のこと)。NPR−Aは、ANPおよびBNPの効果のうち多くを媒介するもと考えられる(Maack 1992,Davidson & Struthers 1994)が、CNPは、NPR−Bレセプターを介して作用する(Koller et al.1991,Chen & Burnett 1998)。NPR−Cは、3つ全てのナトリウム排泄増加性ペプチドに対するクリアランスレセプターであり、これは、代替的な経路でシグナル伝達し得る(Anand−Srivastava et al.1990,Levin 1993)。
【0007】
ANPは、(アミノ末端から6アミノ酸およびカルボキシ末端の5アミノ酸の)2つのシステイン残基の間で分子内のジスルフィド架橋(結合)によって形成される17アミノ酸のループを有する28アミノ酸ペプチドである。ANPの構造(このファミリーのなかで、初めて同定されたメンバーである)は、1984年に最初に記載されていた(Kangawa et al.1984)。心房が、ANP遺伝子発現の最も高いレベルを示した。つまり、総RNAのうちの1%が、ANPをコードしている。ANP mRNAはまた、心房でのレベルの1%で心室でも見出される。ANPを含む心臓でない部分としては、脳、下垂体の前葉、肺、および腎臓が挙げられる(Stein and Levin,1998)。
【0008】
BNPは、(アミノ末端から9アミノ酸およびカルボキシ末端の6アミノ酸の)2つのシステイン残基の間で分子内のジスルフィド架橋(結合)によって形成される17アミノ酸のループを有する32アミノ酸ペプチドである。BNP(NPファミリーのなかで、2番目に同定されたメンバーである)は、その名称が指し示すようにブタ脳の抽出物内で1988年に初めて検出された(Sudoh et al.,1988)。しかし、ANPと同様に、脳および羊膜(Stein and Levin,1998)のみならず本来的には心室の心筋で発現されるものであることがその後示された(Minamino et al.,1988;Hosoda et al.,1991)。ANPと同様に、BNPは、その心臓が伸縮したときにその循環流中に放出される(Kinnunen et al.,1993)。単離された灌流された心臓(Ogawa et al.,Circ.Res.1991)からならびに、ヒトにおけるインビボおよび組織(Mukoyama et al.,J.Clin.Invest.1991)からの、BNP分泌の直接的な研究は、心臓性BNP分泌の60〜80%が、その心室から生じることが示される。
【0009】
ANPは、高血圧および肺血管内高血圧(Veale et al.)、喘息、腎不全、心不全、および放射線診断(radiodiagnostic)のようないくつかの治療用途を有することが示されている(Riboghene Inc.,Press Release 1998)。
【0010】
BNPは、以下のようなものに対するいくつかの治療用途を有することが示されている:高血圧、喘息および炎症性疾患(Ivax Corp.,2001)、高コレステロール血症(BioNumerik Pharmaceuticals Inc,2000)、嘔吐(BioNumerik Pharmaceuticals Inc,1996)、勃起機能障害(Ivax Corp.,1998)、腎不全(Abraham et al.,1995)、心不全およびその診断(Marcus et al.,1995;Miller et al.,1994)、固形腫瘍処置(BioNumerik Pharmaceuticals Inc,1999)および転移性乳癌におけるプラクリタキセル(placlitaxel)に伴う一般的な毒性および著しい毒性に対する防御(Hausheer et al.,1998,BioNumerik Pharmaceuticals Inc,2001)。
【0011】
ANPよびBNPの投与について、克服すべき主要な問題の1つは、それらの速い血液循環クリアランスである。ヒトANPは、1〜5分間のインビボ半減期を有しており(Woods,1988;Tonolo et al.,1988;Tang et al.,1984);そして、ヒトBNPは、12.7分間のインビボ半減期を有している(Smith et al.,2000)。以下の3つの独立した機構は、ANPおよびBNPの迅速なクリアランスについての原因である。:1)NPR−Cに対して結合、その後の内部移行およびリソソームでのタンパク質分解;2)DPP IV、NEP、APA、APPおよびACEのようなエンドペプチダーゼによるタンパク質分解性切断;および3)腎分泌。ウロジラチン(urodilatin)、つまり、ANPのアミノ末端伸長形態であることがみだされたナトリウム排泄増加性ペプチドによって、N末端における4つの追加残基の存在のみで、酵素的な分解に対してより高い耐性が与えられること知られている(Kenny et al.1993)。それにもかかわらず、ウロジラチンは、およそ6分間というインビボ半減期を有するのみである(Carstens et al.,1998)。
【0012】
ANPにおける数個の誘導体、アナログ、短縮形態、伸長形態または構築物が、ANPのネイティブ形態の有効性および/または半減期を改善するために提案および/または特許取得がなされており、そして、この関連する従来技術の参考文献は、以下に列挙される。
【0013】
はじめに、ネイティブヒトANPは、米国特許第5,354,900号に開示され、そして、権利主張されている。そのネイティブANP配列のより長いかまたはより短いアミノ末端またはカルボキシ末端を有するペプチドが、米国特許第4,607,023号、同第4,952,561号、同第4,496,544号および同第6,013,630号に開示される。カルボキシ末端およびそのループの一部分を含むネイティブANPのフラグメントが、米国特許第4,673,732号に開示される。ANPのダイマーが、米国特許第4,656,158号および日本国での出願62,283,996号において提案されている。様々なANP構築物が、日本国出願第04,077,499号、米国特許第5,248,764号および出願WO 02/10195において提案されている。
【0014】
アミノ酸末端テイル、カルボキシ末端テイル、またはループの切断、それらのテイルの伸長、それらのテイルの一方にアルキル基を加えること、テイルまたはループにおけるアミノ酸置換および/あるいは別の架橋基によるシステインの置換を伴うANP配列は、米国特許第4,935,492号、同第4,757,048号、同第4,618,600号、同第4,764,504号、同第5,212,286号、同第5,258,368号、同第5,665,704号、同第5,846,932号、欧州特許出願第0,271,041、同第0,341,603号、国際公開WO 90/14362、米国特許第5,095,004号、同第5,376,635号、欧州特許出願第0,350,318号、欧州特許出願第0,269,299号、米国特許第5,204,328号、同第5,057,603号、欧州特許出願第0,244,169号、米国特許第4,816,443号、カナダ特許1,267,086号、欧州特許出願第0,303,243号、米国特許第4,861,755号、同第5,340,920号、日本国出願05,286,997号、米国特許第4,670,540号、および同第 5,159,061号において提唱されている。ANPのループ部分とある程度の類似性を有するそれらの一部分を有する線状ペプチドが、米国特許第5,047,397号、同第4,804,650号および同第5,449,662号に開示される。
【0015】
また、BNPの数個の、誘導体、アナログ、短縮形態、伸長形態および構築物が、BNPのネイティブ形態の有効性および/または半減期を改善することについて、提案され、そして/または、特許取得される。それらの関連従来技術の参考文献が、本明細書中の以下に列挙される。
【0016】
ネイティブヒトBNP、そのアミノ末端短縮形態およびカルボキシ末端短縮形態、ならびにアミノ末端伸長配列が、5,674,710に開示され、そして権利主張される。
【0017】
いくつかのグループが、BNPが酵素的分解を避けるため、またはBNPの活性を増大するために、ネイティブヒトBNP配列の様々な改変を提案している。それらの改変は、US特許第5,114,923号、同第5,948,761号、同第6,028,055号、同第4,904,763号、日本国出願第07,228,598号および出願WO 98/45329に開示されるように、以下の改変のうちの1以上を含む:アミノ末端テイルの短縮;そのカルボキシ末端テイルの短縮;プレプロ(prepro)配列またはそれらのフラグメントを用いたアミノ末端の伸長;アミノ末端テイルまたはカルボキシ末端でのアルキル基の添加;およびそれらのテイルまたはループにおけるアミノ酸置換。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述のANP配列およびBNP配列の全ては、迅速なクリアランスを有する。従来技術において開示されるような、ANPおよびBNPの天然形態およびANP配列およびBNP配列の改変形態よりもすぐれた半減期を有する長時間持続性ナトリウム排泄増加性ペプチドに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の要旨)
本発明に従って、ネイティブのANPまたはネイティブのBNPのうちの1つと比較したときのインビボ半減期が伸長されているNP誘導体を新たに提供する。より具体的には、本発明のNP誘導体は、インビボまたはエキソビボで、それと結合する反応性実体を有し、そして血液成分上の利用可能な官能基と反応し得る、安定した共有結合を形成し、そして、NPペプチド−血液成分結合体を提供し得るNPペプチドを含む。血液成分と結合体化すると、このNPペプチドは、NEPのような内因性酵素による所望しない切断が妨げられ、そして、最も起こるのは、大量の血液クリアランスの原因となっているNPR−Cレセプターに対する結合が妨げられ、それによって、インビボ半減期および活性の増大がなされることである。そのNP誘導体と血液成分との間で形成される共有結合はまた、その血液成分が分解されるまでNPペプチドの腎臓での排出を実質的に阻害し、それによって、そのNP誘導体のインビボでの半減期を血液成分の半減期近くまで延長させることに寄与し、これは、その半減期の1000倍〜10000倍の増加を示し得る。その反応性実体は、NPペプチドのN末端またはC末端に存在し得るか、またはそのペプチド鎖にそった他の利用可能部位に存在し得る。
【0020】
必要に応じて、リジン残基が、反応性実体が結合しているペプチド鎖の部位で加えられるかまたは置換され得る。本発明に従った誘導のためのNPペプチドは、以下の式:
【0021】
【化1B】

によって規定され、ここで、ここで、ペプチド結合によって、Arg18とIle19とが連結され、そしてCys11とCys27との間の線は、直接的ジスルフィド架橋を示し
ここで、
は、Thrまたは非存在であり;
は、Ser、Thr、Alaまたは非存在であり;
は、Pro、Hpr、Valまたは非存在であり;
は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
は、Met、Leu、Ile、酸化的安定性Met−置換アミノ酸、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
は、Gln、Asn、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Ser、Thrまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α(∝)−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Arg、Lys、D−Lys、Asp、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
15は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、GlnまたはAspであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、Val、LeuまたはIleであり;
22は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、GlnまたはAsnであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Gln、Hisまたは非存在であり;
29は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nle、Ser、Thrまたは非存在であり;
30は、Leu、Nle、Ile、Val、Met、Ala、D−Ala、Phe、Tyrまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Tyr、Phe、Trp、Thr、Serまたは非存在であり;
33は、His、Asn、Gln、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である。
【0022】
好ましい血液成分は、免疫グロブリン(IgGおよびIgMを含む)、血清アルブミン、フェリチン、ステロイド結合タンパク質、トランスフェリン、チロキシン結合タンパク質、α−2−マクログロブリン、ハプトグロブリンなどのようなタンパク質を含み;血清アルブミンおよびIgGが、より好ましく、そして、血清アルブミンが、最も好ましい。
【0023】
反応性実体は、それらの上に存在する、アミノ基、水酸基、フェニル基またはチオール基と、インビボまたはインビトロのいずれかで反応することによって、血液成分と共有結合を形成し得る。「インビトロ」および「エキソビボ」との表現は、本願明細書中において互換的に使用され、そして、本発明の状況において同じものを意味する。なぜならば、その身体の外側で生じることは、インビトロで実施されるからである。好ましい実施形態において、タンパク質における官能基は、チオール基であり、そして、その反応性実体は、Micheaelアクセプター(例えば、アクロレイン誘導体、α,β−不飽和ケトン、α,β−不飽和エステル、α,β−不飽和性アミド、α,β−不飽和チオエステル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、ビニルベンゾエート、ケイ皮酸エステル、マレイミド、α,β−不飽和またはマレイミド含有基(γマレイミド−ブチリルアミド(γ−maleimide−butyrylamide;GMBA)またはマレイミドプロピオン酸(maleimidopropionic acid;MPA)などである。この反応性実体は、ヨードメチルベンゾエート、ハロアセテート、ハロアセトアミドなどであり得る。MPAが、最も好ましい反応実態である。
【0024】
本発明の別の局面において、薬学的に受容可能なキャリアと合わせてNP誘導体を含む薬学的組成物が、提供される。このような組成物は、鬱血性心不全(例えば、NYHA クラスII、III、およびIVである急性代償不全による鬱血性心不全、およびNYHA クラスIIIおよびIVの慢性鬱血性心不全)の処置にとって有用である。この組成物はまた、以下の障害または状態のうちの1つを処置するために、または抗癌剤の毒性に対する保護を与えるために使用され得る:腎障害、高血圧、喘息、高コレステロール血症、炎症性疾患、勃起機能障。最後に、本発明のNP誘導体はまた、診断目的または放射線診断目的で使用され得る。
【0025】
本発明のさらなる局面において、血液成分に共有結合する本発明のNP誘導体を含む結合体が提供される。そのNP誘導体と血液成分との間の共有結合は、インビボまたはエキソビボで十知れ得る。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、鬱血性心不全(例えば、NYHA クラスII、III、およびIVである急性代償不全による鬱血性心不全、およびNYHA クラスIIIおよびIVの慢性鬱血性心不全)の処置のための方法が提供される。この方法は、被験体(好ましくは、哺乳動物、動物、またはヒト)に対して、有効量のNP誘導体またはNP誘導体との結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアとともに投与する工程を包含する。
【0027】
本発明の他の実施形態において、腎障害を処置するための方法、高血圧を処置するための方法、および喘息を処置するための方法が提供される。これらの方法は、被験体(好ましくは、哺乳動物、動物、またはヒト)に対して、有効量のNP誘導体またはNP誘導体との結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアとともに投与する工程を包含する。
【0028】
本発明のさらなる実施形態において、被験体内でのNPペプチドのインビボ半減期を延長するための方法が提供され、この方法は、血液成分と共有結合を形成し、そして、血液成分にNP誘導体を共有結合し得る反応基をNPペプチドに結合する工程を包含する。その共有結合は、インビボまたはインビトロで生じ得る。
【0029】
本発明に従って、NPペプチドまたはそのフラグメントは、ナトリウム排泄増加性、利尿性、血管弛緩性および/またはレニン−アンギオテンシン−アルドステロン系調節活性を保持する。これらのペプチドおよびフラグメントの配列の詳細は、以下に示される。
【0030】
本発明の別の実施形態において、反応性実体は、結合基を介してNPペプチドに結合する。この場合において、この結合基は、限定されることなく、直鎖C1〜10アルキルまたは分枝C1〜10アルキル;直鎖C1〜10アルキルまたは分枝C1〜10アルキル;部分的であるかまたは過剰にフッ素化した(perfluorinate);C1〜10アルキルまたはC1〜10フルオロアルキル(ここで、1以上の炭素原子が、O、N、またはSで置換され、エーテルまたはチオエーテルが形成される);o二置換、m二置換、またはp二置換のフェニル(ここで、その置換基は、同一であるかまたは異なっており、CH、O、S、O、NH、NRであり、ここで、Rは、H,C1〜10アルキル、またはC1〜10アシルである);または二置換ヘテロ環(例えば、フラン、チオフェン、ピラン、オキサゾール、またはチアゾール)。その結合基は、安定であるか、または、所望される場合、NPペプチドを遊離させるように放出可能であり得る。
【0031】
(表の説明)
表1は、アミノ酸の三文字表記および一文字表記を示す。
【0032】
表2は、本発明に従うNPペプチドおよびNP誘導体の保持時間を示す。
【0033】
表3、4および5は、本発明のNPペプチドおよびNP誘導体の分析に使用されるHPLCの溶出の3つの異なる勾配を示す。
【0034】
表6および7は、NPペプチド、NP誘導体およびNP結合体の予測された分子量および測定された分子量を比較する。
【0035】
表8は、図2を書くのに使用されるデータから計算される50%阻害(EC50)の濃度および阻害定数(KI)を示す(すなわち、市販のヒトANP(hANP)、合成ヒトANP(ネイティブなANP)および125I−rANPの置換によるモルモットの副腎膜に対する4つのNP結合体の結合活性)。
【0036】
表9は、図3を書くのに使用されるデータから計算される50%阻害(EC50)の濃度および阻害定数(KI)を示す(すなわち、合成ヒトBNP(ネイティブなBNP)および125I−rANPの置換によるモルモットの副腎膜に対する4つのNP結合体の結合活性)。
【0037】
表10は、図4、5および6を書くのに使用されるデータから計算される50%阻害(EC50)の濃度を示す(すなわち、社内で(in−house)合成されたヒトANP(ネイティブなANP)と共にインキュベートされるヒトHELA細胞におけるcGMP産生の増加;社内で合成されたヒトBNP(ネイティブなBNP);9つのNP結合体;および2つのNPペプチド)。
【0038】
表11および12は、本発明のNPペプチドおよびNP誘導体の分析に使用される、それぞれのHPLCの溶出の勾配を示す。
【0039】
表13および14は、尿素分泌の増加およびcGMP発現の増加に対する、それぞれSHRラットおよびWinstar−KyotoラットにおけるNP誘導体の注射のインビボ効果を示す。
【0040】
(発明の詳細な説明)
インビボ生物結合体化は、体内で、実質的な保持を可能にするかまたはある場合において増加する様式において、結合体化形態におけるオリジナルの未改変NPペプチドの生物学的活性の標的化血液成分(好ましくは、血液タンパク質)に分子(例えば、本発明に従うNP誘導体)を共有結合するプロセスであるが、標的化血液成分の生物物理学的なパラメータをNPペプチドに与えることによって生物学的活性の延長した持続時間を提供する。
【0041】
本発明に従って、本発明のNP誘導体は、直接的にかまたは安定な連結基または放出可能な連結基によってのいずれかで反応性実体に結合することによって化学的に改変されるNPペプチドを含む。反応性実体は、血液成分(好ましくは、血液タンパク質)と共有結合を形成し得る。反応性実体は、水溶性環境において安定でなければならない。共有結合は、反応性実体と血液成分のアミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基との間で一般に形成される。好ましくは、アミノ基は、カルボキシル、ホスホリルまたはアシルのような反応性実体と共有結合を形成する;好ましくは、ヒドロキシル基は、活性化エステルのような反応性実体と共有結合を形成する;そして、好ましくは、チオール基は、エステルまたは混合無水物のような反応性実体と共有結合を形成する。好ましい血液成分は、血清アルブミン、免疫グロブリンまたはその組み合せのような移動性血液成分であり、そして好ましい反応性実体は、マレイミドまたはマレイミド含有基のような無水物を含む。最も好ましい実施形態において、血液成分は血清アルブミンであり、そして反応性基はマレイミド含有基である。
【0042】
保護基は、合成プロセス(以下に詳細に記載される)の間、反応性実体とNPペプチド自体の官能基との間の相互作用を避けるために必要とされる。これらの保護基は、ペプチド合成の分野において簡便であり、そして他の反応性基との反応からペプチド誘導体を保護し得る化学的部分として一般に記載され得る。種々の保護基は市販され、そしてそれらの例としては、US 5,493,007(これは、本明細書中に参考として援用される)に見出され得る。適切な保護基の代表的な例としては、アセチル、フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)などが挙げられる。
【0043】
上記のように、血液成分への結合体化は、内因性酵素(例えば、NEP)による分解からNPペプチドを防止し、そして血液循環からナトリウム排泄増加性ペプチドの排出のための最も重要な因子であるNPR−Cレセプターに結合することを防止する主要な役割を明確に果たす。血液成分への結合体化はまた、血液成分自体が分解されさえすれば、NPペプチドの腎排泄を克服する。従って、結合体化のために選択される血液成分の内因性の半減期は、結合体化されたNPペプチドの半減期の主要な決定要因である。
【0044】
血液成分は、好ましくは移動性であり、これは、任意の延長した期間(一般的に5分を超えず、そしてより通常に1分を超えない)、固定された状態でないことを意味する。これらの血液成分は膜結合型でなく、そして延長された期間血液中に存在する。好ましい移動性血液成分としては、血清アルブミン、トランスフェリン、フェリチン、1−1型ヘプトグロビン、2−1型ヘプトグロビン、2−2型ヘプトグロビンおよび免疫グロブリン(例えば、IgM、IgAおよびIgG)が挙げられる。
【0045】
より詳細には、本発明は、NPペプチドおよびそのフラグメントの改変に関し、それらのバイオアベイラビリティーを改善し、インビボ半減期を延長し、そして血液成分への選択的結合体化を通しての分布を拡大するが、それらの著しい治療特性を実質的に維持するかまたは改善する。
【0046】
本発明に従って、NPペプチドは、ネイティブなANPまたはネイティブなBNPおよび特にヒトANPおよびヒトBNPの少なくとも1つの生理的活性を有するペプチドである。より詳細には、NPペプチドは、ナトリウム排泄増加性活性、利尿性活性、血管弛緩活性および/またはレニン−アンギオテンシンアルドステロン系調節活性を有する。
【0047】
表1は、天然アミノ酸の三文字表記および一文字表記ならびに非天然のアミノ酸の三文字表記を提供する。
【0048】
(表1)
【0049】
【表1】

本発明に従う誘導体化のためのNPペプチドの設計は、ネイティブなヒトANPおよびネイティブなヒトBNPの配列に基づく。これらの配列は、非常に高い類似性を共有する。類似のアミノ酸による置換は、発明者らの構造活性分析に従う薬学的活性にわずかに関与するように思われる残基を提案する。従って、本発明に従うNPペプチドは、以下の式の配列に対応し、これは、ペプチド結合が、Arg18およびIle19に連結し、そしてCys11とCys27との間の線は、配列においてループを形成する直接的ジスルフィドブリッジを示すことが理解されるべきである:
【0050】
【化2】

ここで、
は、Thrまたは非存在であり;
は、Ser、Thr、Alaまたは非存在であり;
は、Pro、Hpr、Valまたは非存在であり;
は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
は、Met、Leu、Ile、酸化的安定性Met−置換アミノ酸、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
は、Gln、Asn、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Ser、Thrまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Arg、Lys、D−Lys、Asp、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
15は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、GlnまたはAspであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、Val、LeuまたはIleであり;
22は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、GlnまたはAsnであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Gln、Hisまたは非存在であり;
29は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nle、Ser、Thrまたは非存在であり;
30は、Leu、Nle、Ile、Val、Met、Ala、D−Ala、Phe、Tyrまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Tyr、Phe、Trp、Thr、Serまたは非存在であり;
33は、His、Asn、Gln、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である。
【0051】
本発明の第1の好ましい実施形態に従って、
は、Thrまたは非存在であり;
は、Alaまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Argまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Leu、Ile、Nle、Met、Val、Ala、Pheまたは非存在であり;
は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Ser、Thrまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミドおよびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
15は、Arg、Lys、D−LysまたはAspであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ala、D−Ala、Val、LeuまたはIleであり;
22は、GlnまたはAsnであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Asn、Gln、His、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
29は、Ser、Thrまたは非存在であり;
30は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Alaまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Tyr、Phe、Trp、Thr、Serまたは非存在であり;
33は、非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である。
【0052】
本発明の第1の好ましい実施形態に従って、以下の残基がより好ましい:
は、Thrまたは非存在であり;
は、Alaまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Argまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
は、Leuまたは非存在であり;
は、Arg、Aspまたは非存在であり;
は、Arg、Aspまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
10は、Serまたは非存在であり;
12は、PheまたはN−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミドおよびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPheであり;
13は、Glyであり;
14は、Glyであり;
15は、ArgまたはAspであり;
16は、MetまたはIleであり;
20は、Glyであり;
21は、Alaであり;
22は、Glnであり;
24は、Glyであり;
26は、Glyであり;
28は、Asnまたは非存在であり;
29は、Serまたは非存在であり;
30は、Pheまたは非存在であり;
31は、Arg、Aspまたは非存在であり;
32は、Tyrまたは非存在であり;
33は、非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である。
【0053】
ネイティブなヒトANPは、本発明の第1の実施形態に従って、NPペプチドに含まれる。本発明の第1の実施形態に従う、さらなる好ましいNPペプチドは、配列番号1、配列番号8、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号17および配列番号19である。好ましいNP誘導体(本発明の第1の実施形態に従うNPペプチドを含む)は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号14、配列番号16、配列番号18および配列番号20である。
【0054】
本発明の第2の好ましい実施形態に従って、
は、非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Pro、Hpr、Valまたは非存在であり;
は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
は、Met、Leu、Ile、酸化的安定性Met−置換アミノ酸または非存在であり;
は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
は、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Gly、Pro、Ala、D−Alaまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Gly、Pro、Ala、D−Alaまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Arg、Lys、D−LysまたはAspであり;
15は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、AsnまたはGlnであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
22は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
29は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
30は、Leu、Nle、Ile、Val、Met、Ala、D−Ala、Pheまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
33は、His、Asn、Gln、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である。
【0055】
本発明の第2の好ましい実施形態に従って、以下の残基が好ましい:
は、非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Lysまたは非存在であり;
は、Met、Ileまたは非存在であり;
は、Valまたは非存在であり;
は、Glnまたは非存在であり;
は、Glyまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
10は、Glyまたは非存在であり;
12は、PheまたはN−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPheであり;
13は、Glyであり;
14は、ArgまたはAspであり;
15は、LysまたはArgであり;
16は、MetまたはIleであり;
20は、Serであり;
21は、Serであり;
22は、Serであり;
24は、Glyであり;
26は、Glyであり;
28は、Lys、Argまたは非存在であり;
29は、Valまたは非存在であり;
30は、Leuまたは非存在であり;
31は、Arg、Aspまたは非存在であり;
32は、Arg、Aspまたは非存在であり;
33は、Hisまたは非存在である。
【0056】
ネイティブなヒトBNPは、本発明の第2の実施形態に従って、NPペプチドに含まれる。本発明の第2の実施形態に従う、さらなる好ましいNPペプチドは、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号28、配列番号31、配列番号34、配列番号37、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48および配列番号51である。好ましいNP誘導体(本発明の第2の実施形態に従うNPペプチドを含む)は、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号29、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号41、配列番号43、配列番号44、配列番号46、配列番号47、配列番号49、配列番号50、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56および配列番号57である。
【0057】
他に特定されない限り、本出願に与えられるNPペプチドの配列のアミノ酸は、Dアミノ酸もしくはLアミノ酸またはその組み合せであり得る。Lアミノ酸が一般的に好ましい。
【0058】
本発明の好ましい実施形態において、タンパク質の官能基はチオール基であり、そして反応性実体は、マレイミドまたはマレイミド含有基(例えば、γ−マレイミド−ブチルアミド(GMBA)およびマレイミドプロピオン酸(MPA))である。反応性実体は、安定な連結基または放出可能な連結基を介してNPペプチドに連結され得る。対応する連結基は、式V〜Wによって表され、ここで、Vは、NPペプチドと反応する官能基であり、そしてWは、反応性実体に結合する鎖部分である。Vは、エーテル、チオエーテル、二級アミンもしくは三級アミン、二級アミドもしくは三級アミド、エステル、チオエステル、イミン、ヒドラジン、セミカルバゾン、アセタール、ヘミアセタール、ケタル、ヘミケタル、アミナル、ヘミアミナル、スルホネート、サルフェート、スルホンアミド、スルホンアミデート、ホスフェート、ホスホンアミド、ホスホネート、またはホスホンアミドであり、そして好ましくは一級アミドである。Wは、C1〜10の任意のアルキル鎖、C1〜10の任意のフルオロアルキル鎖またはC1〜10のフルオロ置換アルキル鎖の任意の組み合せ、アルキル鎖もしくはフルオロアルキル鎖を含む任意のエーテルまたはチオエーテル(例えば、−(Z−CHCH−Z)−、−(Z−CFCH−Z)−、−(Z−CHCF−Z)−、ここでnは1〜4であり、そしてZは、OまたはSのいずれかである)、−Y−C−、−Y−C−Y−のような構造を有するオルト、メタ、パラ二置換ベンゼン(ここで、Yは、CH、O、S、NH、NR[R=H、アルキル、アシル]の任意の組み合せである)、二置換複素環(例えば、フラン、チオフェン、ピラン、オキサゾールまたはチアゾール)であり、好ましくはC1〜6のアルキル鎖である。
【0059】
この連結基は、好ましくは、ヒドロキシエチルモチーフ(例えば、(2−アミノ)エトキシ酢酸(AEA)、エチレンジアミン(EDA)、2−[2−(2−アミノ)エトキシ)]エトキシ酢酸(AEEA));1以上のアルキル鎖(C1〜C10)モチーフ(例えば、グリシン、3−アミノプロピオン酸(APA)、8−アミノオクタン酸(AOA)、4−アミノ安息香酸(APhA))からなる群から選択される。好ましい連結基は、(2−アミノ)エトキシ酢酸(AEA)、エチレンジアミン(EDA)、および2−[2−(2−アミノ)エトキシ)]エトキシ酢酸(AEEA)である。連結基および反応性実体の組み合わせの例としては、(AEEA−EDA)−MPA;(AEEA−AEEA)−MPA、(AEA−AEEA)−MPAなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
カップリング手順を容易にするために、1以上のさらなるアミノ酸が、連結基を介してまたは介さずに、その反応性実体にカップリングする部位においてペプチドに付加または置換され得、その後、付加または置換されたアミノ酸に対してこのようなカップリングを行うことがまた企図される。アミノ酸の付加または置換は、N末端、C末端、またはその間において行われ得る。NPペプチドの配列を、Lys、D−Lys、Orn、D−Ornまたは2,4−ジアミノブタン酸(DABA)でアミノ酸を置換し、それに対して、必要に応じて連結基を介して、反応性基をカップリングすることは好ましい。このようにするためには、リジンが最も好ましい。
【0061】
マレイミド基は、反応混合物のpHが6.5と7.4との間で維持される場合に、ペプチド上のスルフヒドリル基に対して最も選択的である。pH7.0において、マレイミド基とスルフヒドリルとの反応速度は、アミンとの反応速度より1000倍速い。マレイミド基とスルフヒドリルとの間で安定なチオエーテル連結が形成される場合、この連結は、生理学的条件下で切断され得ない。
【0062】
本発明のNP誘導体は、血液成分の特異的標識を提供し得る。この特異的標識(特にマレイミドでの標識)は、いくつかの利点を提供する。遊離のチオール基は、インビボでは、アミノ基よりも量が少ないので、結果として、マレイミド誘導体は、より少ないタンパク質に共有結合する。例えば、血清アルブミンにおいて、1分子につきわずか1つの遊離のチオール基が存在する。従って、NPペプチド−マレイミド−アルブミン結合体は、ペプチド:アルブミンが1:1のモル比を含む傾向がある。アルブミンへの付加において、IgG分子(クラスII)もまた、遊離チオールを有する。IgG分子および血清アルブミンは、血中の可溶性タンパク質の大部分(すなわち、約80〜85%)を構成するので、それらはまた、マレイミド含有基を有するNP誘導体に対する共有結合に利用可能な遊離チオール基の大部分を構成する。
【0063】
さらに、遊離チオール含有血液タンパク質の中ですら、マレイミドを用いる特異的標識は、アルブミン自体の独特の特性に起因して、ペプチド−マレイミド−アルブミン結合体の優先的な形成をもたらす。アルブミンの単一の遊離チオール基(種間で高度に保存されている)は、アミノ酸残基Cys34に位置する。アルブミンのCys34が、他の遊離チオール含有タンパク質上の遊離チオールに対して、そしてまた低分子量分子上のチオールと比較して、増大した反応性を有することが最近実証された。このことは、アルブミンのCys34に対する5.5という異常なpK値に一部起因する。これは、一般に、システイン残基に対する代表的なpK値(代表的には、約8〜10)よりも遙かに低い。この低いpKに起因して、通常の生理学的条件下で、アルブミンのCys34は、顕著に、アニオン形態にあり、この形態は、その反応性を劇的に増大させる。Cys34の低pK値に加えて、別の要因(これは、Cys34の反応性を増大させる)は、その位置であり、その位置は、アルブミンの領域Vの1つのループの表面に近い疎水性ポケット中にある。この位置は、Cys34を全ての種類のリガンドに利用されるようにし、フリーラジカルトラップおよび遊離チオールスカベンジャーとしてのCys34の生物学的役割において重要な要因である。結果として、その反応速度加速は、ペプチド−マレイミドと、他の遊離チオール含有タンパク質と、および遊離チオール含有低分子量分子との反応の速度に対して1000倍程度速くあり得る。
【0064】
ペプチド−マレイミド−アルブミン結合体の別の利点は、1:1で、ペプチドをCys34において特異的にアルブミンにロードすることと関連づけられた再現性である。従来の活性化技術(例えば、グルタルアルデヒド、DCC、EDCおよび例えば、遊離アミンの他の化学的活性化因子を用いる)は、この選択性がない。例えば、ヒトアルブミンは、59個のリジン残基を含み、そのうちの25〜30個が、アルブミンの表面に位置し、結合体化のために利用可能である。これらのリジン残基を活性化するか、または代わりにこれらのリジン残基を介してカップリングするようにペプチドを改変すると、結合体の異種集団が生じる。等モル比のペプチド:アルブミン(すなわち、1:1)が使用されるとしても、最終的な結果は、無作為な結合生成物の生成であり、いくらかは、アルブミンの各々の分子に連結されたペプチドの不明確な数を含み、そして各々の結合体は、25〜30の利用可能なリジン部位のうちのいずれか1つにおいて無作為にカップリングされるペプチドを有する。結論として、正確な組成の特徴付けは、実質的に不可能であり、再現性がないことは言うまでもない。さらに、アルブミンのリジン残基を介する結合体化により、アルブミン1分子あたり、より多くの治療剤が送達されるという利点を少なくとも有すると思われる一方で、研究により、治療剤:アルブミンの1:1の比が好ましいことが示された。Stehleらによる文献,Anti−Cancer Drugs,1997,8,677−685(その全体が本明細書中で援用される)において、グルタルアルデヒドを介して結合体化した抗癌メトトレキサート:アルブミンの1:1の比が、最も顕著な結果を与えたことが報告された。これらの結合体は、腫瘍細胞により取り込まれるのに対して、5:1〜20:1のメトトレキサート分子を有する結合体は、変化したHPLCプロフィールを有し、インビボで肝臓により素早く取り込まれた。従って、より高い比においては、治療剤のキャリア分子としてのアルブミンの効果は、減少したと思われる。
【0065】
本発明のNP誘導体(特に、マレイミド反応性実体との誘導体)の制御された投与を介して、特異的なインビボ標識またはアルブミンとIgGとの結合は、制御され得る。代表邸な静脈内投与において、投与されるペプチド誘導体の80〜90%は、アルブミンに結合し、5%未満がIgGに結合することが示された。存在する遊離チオール(例えば、グルタチオンおよびシステイン)の微量の結合もまた生じる。このような特異的結合は、投与されるNPペプチドの予測半減期の正確な算出を可能にするので、インビボでの使用について好ましい。本発明はまた、80%以上の選択性の程度を有する、標的化された血液成分上の1つの官能基と選択的に共有結合し得るNP誘導体に関する。好ましくは、選択性の程度は、90%以上、より好ましくは、95%以上である。
【0066】
上記のように、血液成分へのNP誘導体の所望の結合体は、動物またはヒトであり得る被験体に、その誘導体を直接投与することにより、インビボで調製され得る。その投与は、ボーラスの形態で行われてもよいし、計量流量(metered flow)などを使用する注入によって、経時的にゆっくりと導入されてもよい。
【0067】
あるいは、その結合体はまた、血液サンプルまたは精製血液成分をNP誘導体と合わせて、血液成分上の官能基へのNP誘導体の共有結合を可能にすることによって、エキソビボまたはインビボで調製され得、得られた血液溶液または得られた精製血液成分結合体は、被験体(動物またはヒト)に投与され得る。その精製血液成分は、組換え技術によって調製されるかまたは血液サンプルから精製される市販の供給源のものであり得る。その血液は処理されて、エキソビボでの取り扱いの間の凝集が防止され得る。
【0068】
本発明はまた、インビボでの長期化した半減期、ならびに以下のANP関連特性およびBNP関連特性のうちの1以上を有するNP誘導体およびそのフラグメントの治療的使用および他の関連する使用に関する:
−高血圧の軽減;
−利尿の誘導;
−ナトリウム利尿の誘導;
−血管の拡張または弛緩;
−ナトリウム利尿ペプチドレセプター(例えば、NPR−A)結合;
−交感神経(sympatic nerve)の抑制を介するノルエピネフリンの遊離抑制;
−腎臓からのレニン分泌の抑制;
−副腎からのアルドステロン分泌の抑制;
−心疾患および障害の処置;
−うっ血性心不全における心臓再構成プロセスの低下、停止または逆転;
−腎疾患および障害の処置;ならびに
−喘息の処置。
【0069】
本発明に従って、NP誘導体またはNP結合体は、ナトリウム利尿、利尿および血管拡張を誘導することから利益を受ける患者に投与され得る。本発明のNP誘導体および結合体は、心不全(例えば、うっ血性心不全)(CHF)を処置するために、より具体的には、NYHAクラスII、IlIおよびIVの急性非代償性(acute decompensated)CHFならびにNYHAクラスIIIおよびIVの慢性CHFを処置するために特に有用である。NP誘導体またはNP結合体は、急性CHFまたは以下の慢性CHFについての長期の薬物療法において単回用量において投与され得る。また、NP誘導体またはNP結合体は、単独で、または以下の型の化合物のうちの1つ以上と組み合わせて投与され得る:ACEインヒビター、β遮断薬、利尿剤、スピロノラクトン、ジゴキシン、抗凝固剤および抗血小板薬剤、ならびにアンジオテンシンレセプター遮断薬。
【0070】
他の疾患または状態は、本発明のNP誘導体およびNP結合体の投与により処置され得、腎障害および疾患、喘息、高血圧および肺高血圧を含み得る。より具体的には、式IIに基づくNP誘導体および結合体に関して、以下の疾患および状態:炎症関連疾患、勃起機能不全、および高コレステロール血症もまた、処置され得る;そしてまた、抗癌薬物の毒性に関する保護材として使用される。
【0071】
本発明の2以上のNP誘導体および結合体は、それらの治療効果を最適化するために組み合わせて使用され得る。これらの誘導体および結合体は、生理学的に受容可能な媒体(例えば、脱イオン水)、リン酸緩衝化生理食塩水、(PBS)、生理食塩水、塩類、水性エタノールまたは他のアルコール、血漿、タンパク質性溶液、マンニトール、水性グルコース、アルコール、植物性油など中で投与され得る。含まれ得る他の添加物としては、緩衝液(ここで媒体は、一般に、約5〜10の範囲のpHにおいて緩衝化され、この緩衝液は、一般に、約50〜250mMの濃度の範囲である)、塩(ここで塩の濃度は、一般に、約5〜500mMの範囲である)、生理学的に受容可能な安定化剤などが挙げられる。この組成物は、都合のよい貯蔵および輸送のために凍結乾燥され得る。
【0072】
本発明のNP誘導体および結合体は、経口投与、肺投与、非経口投与(例えば、血管内投与(IV)、動脈内投与(IA)、筋肉内投与(IM)、皮下投与(SC)など)され得る。輸液による投与は、いくつかの状況において適切であり得る。いくつかの場合において、投与は、経口投与、経鼻投与、直腸投与、経皮投与またはエアロゾルによる投与であり得る。所望の全身的な投薬を構築するために、単回用量または1日に複数回の投与を使用することは適切であり得る。慢性的な使用の場合、投与の間隔は、被験体の必要性と関連して確立される。NP誘導体または結合体は、任意の都合のよい手段(シリンジ、トロカール、カテーテルなどが挙げられる)によって投与され得る。この特定の投与様式は、投与されるべき量、単回のボーラスまたは連続投与かどうかなどに依存して変化する。
【0073】
哺乳動物宿主の血液は、NPペプチドの活性および/またはNP誘導体もしくは結合体の存在についてモニターされ得る。異なる時間で被験体から血液サンプルを採取することによって、NPペプチドが治療的に活性であるに十分な量の長期保存血液成分に結合したか否かを決定し得、従って、血中のNPペプチドのレベルを決定し得る。所望であれば、NPペプチドが共有結合される血液成分もまた決定し得る。モニタリングはまた、ペプチド活性、HPLC−MS、ペプチドに対する抗体、または蛍光標識誘導体もしくは放射標識誘導体のアッセイを使用することによって行われ得る。
【0074】
本発明の別の局面は、NPペプチドに特異的な抗体を用いて生物学的サンプル(例えば、血液)中のNPペプチドまたはその結合体の濃度を決定するための方法、およびこのようなNPペプチドまたは結合体と潜在的に関連する毒性のための処置としてこのような抗体を使用することに関する。このことは、その増大した安定性および患者におけるNPペプチドの寿命が、処置の間の新たな問題(毒性の可能性の増大を含む)をもたらし得るので、有利である。モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体いずれかの、NPに対する特異性を有する抗NP抗体の使用は、任意のこのような問題に介入するにあたって補助となり得る。この抗体は、特定のNP誘導体で、またはNPペプチドの免疫原性フラグメントもしくはNPペプチドの抗原決定基に対応する合成免疫原で免役された宿主から生成または誘導され得る。好ましい抗体は、NPペプチド、その誘導体化形態およびその結合体のいずれかに対する高い特異性および親和性を有する。このような抗体はまた、酵素、蛍光色素または放射性標識で標識され得る。
【0075】
特定のNP誘導体に特異的な抗体は、誘導体化されたNP特異的抗体の誘導のために、精製NPペプチドを使用することによって生成され得る。抗体の誘導によって、動物への注射による免疫応答の刺激のみならず、合成抗体または他の特異的結合分子(例えば、組換え免疫グロブリンライブラリーのスクリーニング)の生成における類似の工程もまた意図される。モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両方が、当該分野で周知の手順によって生成され得る。
【0076】
抗体はまた、血流中のNPペプチドの存在をモニターするために使用され得る。血液および/または血清のサンプルは、SDS−PAGEおよびウェスタンブロッティングによって分析され得る。このような技術は、NP誘導体の結合体化のレベルの決定を可能にする。
【0077】
抗NP抗体はまた、NP誘導体の投与によって誘導される毒性を処置するために使用され得、エキソビボまたはインビボで使用され得る。エキソビボ方法としては、固体支持体に固定された抗治療剤抗体を使用する、毒性についての免疫透析処置(immuno−dialysis treatment)が挙げられる。インビボ方法としては、抗体−薬剤複合体のクリアランスを誘導するに効果的な量の抗NP抗体の投与が挙げられる。
【0078】
この抗体は、滅菌条件下で、血液と抗体とを接触させることによって、NP誘導体およびその結合体をエキソビボで患者の血液から除去するために使用され得る。例えば、抗体は、カラムマトリクスに固定されるか、または他の方法で固定化され得、その患者の血液が、患者から取り出され得、そのマトリクスに通され得る。このNP誘導体は、抗体に結合され、次いで低濃度のNPを含む血液は、患者の循環系に戻され得る。取り出されるNP誘導体の量は、圧力および流速を調節することによって制御され得る。NP誘導体の患者の血液の血清成分からの好ましい除去は、例えば、半透膜の使用によって、またはそうでなければ血清性分を、抗治療剤抗体を含むマトリクスに通過させる前に、当該分野で公知の方法によって血清性分を細胞成分から最初に分離することによって、行われ得る。あるいは、NP結合体化血球(赤血球を含む)の優先的な除去は、患者の血液中の血球を回収および濃縮し、これらの血球と固定された抗NP抗体とを接触させて、患者の血液の血清性分の排除によって行われ得る。
【0079】
抗NP抗体は、インビボで、非経口的に、処置のためにNP誘導体または結合体を受けた患者に投与され得る。この抗体は、NP誘導体および結合体を結合する。一旦結合すると、そのNP活性は、完全にブロックされない場合には妨害され、それによって、患者の血流における生物学的に有効な濃度のNP誘導体を減少させ、あるとすれば、有害な副作用を最小にする。さらに、結合した抗体−NP複合体は、患者の血流からのNP誘導体および結合体のクリアランスを容易にする。
【0080】
(反応性実体の直接結合)
MPAのような反応性実体(連結基を介しても介さなくても)は、例えば、コハク酸エステルとして活性化され(当業者は、ハロアシルまたはp−ニトロフェニルまたは他のものを使用し得る)、固相合成または組換え手段(実施例2を参照のこと)によって生成される、NPペプチドまたはその誘導体のアミノ基と反応される。反応性実体のこのような直接結合を行うために、そのアミノ基は、C末端残基のアミノ基、N末端残基のアミノ基、またはアミノ酸(例えば、Lys、D−Lys、Orn、D−OrnおよびDABA)の側鎖のアミノ基からなる群より選択される。
【0081】
(ペプチド誘導体合成)
NPペプチドは、当業者に周知の固相ペプチド化学の標準的な方法によって合成され得る。例えば、そのペプチドは、Rainin PTI SymphonyTM synthesizerを使用するStewardら(Solid Phase Peptide Synthesis,第2版,Pierce Chemical Company,Rockford,Ill.,(1984))により記載された手順に従う固相化学技術によって合成され得る。同様に、ペプチドフラグメントが合成され得、その後、より大きなペプチドを形成するために一緒に結合され得るかまたは連結され得る(セグメント濃縮)。これらの合成ペプチドフラグメントはまた、特定の位置でのアミノ酸置換および/または欠失によって作製され得る。
【0082】
固相ペプチド合成について、多くの技術のまとめが、Stewartら、「Solid Phase Peptide Synthesis」,W.H.Freeman Co.(San Francisco),1963およびMeienhofer,Hormonal Proteins and Peptides,1973,2 46において見出され得る。伝統的な溶液合成については、例えば、Schroderら、「The Peptides」,第1巻,Acacemic Press(New York)を参照のこと。一般に、このような方法は、1以上のアミノ酸または適切に保護されたアミノ酸を、ポリマー上の伸長するペプチド鎖に連続的に付加することを包含する。通常、初めのアミノ酸のアミノ基またはカルボキシル基のいずれかが、適切な保護基によって保護される。次いで、この保護され、そして/または誘導体化されたアミノ酸は、不活性固体支持体に結合され得るか、または適切に保護され、アミド連結を形成するに適切な条件下で相補的(complimentary)(アミノまたはカルボキシル)基を有する配列において次のアミノ酸を付加することによって溶液中で利用され得るかのいずれかである。次いで、その保護基は、この新たに付加されたアミノ酸残基から除去され、次のアミノ酸(適切に保護されている)が付加されるなど。
【0083】
全ての望ましいアミノ酸が適切な順番で連結された後、任意の残りの保護基(および任意の固体支持体)が逐次的にまたは同時に切断されて、最終ペプチドが得られる。この一般的な手順の単純な改変によって、例えば、保護されたトリペプチドと適切に保護されたジペプチドとを(キラル中心をラセミ化しない条件下で)カップリングさせて、脱保護の後にペンタペプチドを形成する(セグメント濃縮)ことによって、1より多くのアミノ酸を伸長している鎖に一度に付加することは可能である。
【0084】
本発明のNP誘導体を調製する特に好ましい方法は、固相ペプチド合成であり、ここでこのアミノ酸α−N−末端は、酸感受性基または塩基感受性基によって保護される。このような保護基は、ペプチド連結形成の条件に適切である一方で、伸長するペプチド鎖を破壊することも、そこに含まれるキラル中心のいずれのラセミ化を生じることもなく、容易に除去可能である特性を有するべきである。N保護基およびカルボキシ保護基の例は、Greene,「Protective Groups In Organic Synthesis」,(John Wiley&Sons,New York pp.152−186(1981))において開示され、この文献は、本明細書中に参考として援用される。N保護基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:低級アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル(「Ac」)、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチルなど;他のアシル基(2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o−ニトロフェノキシアセチル、−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなどが挙げられる);スルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、o−ニトロフェニルスルホニル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(pmc)など);カルバメート形成基(例えば、t−アミルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−エトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル(boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2,−トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど;アリールアルキル基(例えば、ベンジル、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)など)およびシリル基(例えば、トリメチルシリルなど)。好ましいα−N保護基は、o−ニトロフェニルスルフェニル;9−フルオレニルメチルオキシカルボニル;t−ブチルオキシカルボニル(boc)、イソボルニルオキシカルボニル;3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル;t−アミルオキシカルボニル;2−シアノ−t−ブチルオキシカルボニルなどであり、9−フルオレニル−メチルオキシカルボニル(Fmoc)がより好ましく、一方好ましい側鎖のN保護基は、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(pmc)、ニトロ、p−トルエンスルホニル、4−メトキシベンゼン−スルホニル、Cbz、Bocおよびアダマンチルオキシカルボニル(リジンおよびアルギニンのような側鎖アミノ基に関して);ベンジル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、2,6−ジクロロベンジル、イソプロピル、t−ブチル(t−Bu)、シクロヘキシル、シクロペニルおよびアセチル(Ac)(チロシンに関して);t−ブチル、ベンジルおよびテトラヒドロピラニル(セリンに関して);トリチル、ベンジル、Cbz、p−トルエンスルホニルおよび2,4−ジニトロフェニル(ヒスチジンに関して);ホルミル(トリプトファンに関して);ベンジルおよびt−ブチル(アスパラギン酸およびグルタミン酸に関して);ならびにトリフェニルメチル(トリチル)(システインに関して)である。
【0085】
カルボキシ保護基は、簡便には、カルボン酸保護エステル基またはアミド基と呼ばれる。このようなカルボキシ保護基は、当業者に周知であり、米国特許第3,840,556号および同第3,719,667号(これらの開示は、本明細書中において参考として援用される)に記載されるように、ペニシリンおよびセファロスポリンの分野のカルボキシ基の保護において広範に使用されている。代表的なカルボキシ保護基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:C〜C低級アルキル;アリールアルキル(例えば、フェネチルまたはベンジル)およびその置換誘導体(例えば、アルコキシベンジル基またはニトロベンジル基);アリールアルケニル(例えば、フェニルエテニル);アリールおよびその置換誘導体(例えば、5−インダニル);ジアルキルアミノアルキル(例えば、ジメチルアミノエチル);アルカノイルオキシ基(例えば、アセトキシメチル、ブチリルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソブチリルオキシメチル、イソバレイルオイキシメチル、1−(プロピオニルオキシ)−1−エチル、1−(ピバロイルオキシ)−1−エチル、1−メチル−1−(プロピオニルオキシ)−1−エチル、ピバロイルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル);シクロアルカノイルオキシアルキル基(例えば、シクロプロピルカルボニルオキシメチル、シクロブチルカルボニルオキシメチル、シクロペンチルカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシ−メチル);アロイルオキシアルキル(例えば、ベンゾイルオキシメチル、ベンゾイルオキシエチル);アリールアルキルカルボニルオキシアルキル(例えば、ベンジルカルボニルオキシメチル、2−ベンジルカルボニルオキシエチル);アルコキシカルボニルアルキルまたはシクロアルキルオキシカルボニルアルキル(例えば、メトキシカルボニルメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−メトキシカルボニル−1−エチル);アルコキシカルボニルオキシアルキルまたはシクロアルキルオキシカルボニルオキシアルキル(例えば、メトキシカルボニルオキシメチル、t−ブトキシカルボニルオキシメチル、1−エトキシカルボニルオキシ−1−エチル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチル);アリールオキシカルボニルオキシアルキル(例えば、2−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル、2−(5−インダニルオキシカルボニルオキシ)−エチル);アルコキシアルキルカルボニルオキシアルキル(例えば、2−(1−メトキシ−2−メチルプロパン−2−オイルオキシ)−エチル);アリールアルキルオキシカルボニルオキシアルキル(例えば、2−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)エチル);アリールアルケニルオキシカルボニルオキシアルキル(例えば、2−(3−フェニルプロペン−2−イルオキシカルボニルオキシ)エチル);アルコキシカルボニルアミノアルキル(例えば、t−ブチルオキシカルボニルアミノメチル);アルキルアミノカルボニルアミノアルキル(例えば、メチルアミノカルボニルアミノメチル);アルカノイルアミノアルキル(例えば、アセチルアミノメチル);ヘテロ環式カルボニルオキシアルキル(例えば、4−メチルピペラジニルカルボニルオキシメチル);ジアルキルアミノカルボニルアルキル(例えば、ジメチルアミノカルボニルメチル、ジエチルアミノカルボニルメチル);(5−(低級アルキル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)アルキル(例えば、5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル);ならびに(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)アルキル(例えば、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル)。代表的なアミドカルボキシ保護基としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アミノカルボニル基および低級アルキルアミノカルボニル基。上記カルボキシ保護基のうち、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、またはアリールアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロイピルエステル、ブチルエステル、sec−ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、オクチルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエチルエステルなど)あるいはアルカノイルオキシアルキルエステル、シクロアルカノイルオキシアルキルエステル、アロイルオキシアルキルエステルまたはアリールアルキルカルボニルオキシアルキルエステルが、好ましい。好ましいアミドカルボキシ保護基は、低級アルキルアミノカルボニル基である。
【0086】
固相ペプチド合成法において、α−C末端アミノ酸は、適切な固体支持体または樹脂に付着される。上記合成に有用な適切な固体支持体は、段階的濃縮−脱保護反応の試薬および反応条件に対して不活性であり、そして使用される媒体に不溶性である材料である。α−C末端カルボキシペプチドの合成に好ましい固体支持体は、Ramage Amide LinkerTM Resin(R.Ramageら,THL,34,p.6599(1993))である。α−C末端アミドペプチドの好ましい固体支持体は、Fmoc保護Ramage Amide LinkerTM Resinである。
【0087】
固体支持体が4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシ−アセトアミド樹脂である場合、Fmoc基は、上記のように、α−C末端アミノ酸とのカップリングの前に、第2級アミン(好ましくは、ピペリジン)で切断される。脱保護4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシ−アセトアミドエチル樹脂は、DMF中の、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート(HBTU、5当量)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、5当量)、および必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、5当量)である。首尾良い保護アミノ酸のカップリングは、当該分野で周知なように、従来の様式で自動ペプチド合成機で実施され得る。
【0088】
伸長するペプチドのα−N末端側鎖からFmoc保護基を除去することは、従来のように、例えば、第2級アミン(好ましくは、ピペリジン)での処理によって達成される。各保護されたアミノ酸は、次いで、約6倍モル濃度過剰で導入され、そしてカップリングは、好ましくは、DMF中で実行される。カップリング剤は、通常、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート(HBTU、5当量)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、5当量)、および必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、5当量)である。
【0089】
固相合成の最後に、ペプチドは、連続的操作または単一の操作のいずれかで樹脂から除去され、脱保護される。ポリペプチドの除去および脱保護は、樹脂結合ポリペプチドを切断試薬(チオアニソール、トリイソプロピルシラン、フェノール、およびトリフルオロ酢酸)で処理することによって単一操作で従来のように達成され得る。ポリペプチドのα−C末端がアルキルアミドである場合、この樹脂は、アルキルアミンを用いるアミノ分解によって切断される。あるいは、このポリペプチドは、エステル交換(例えば、メタノールを用いる)に、続いて、アミノ分解または直接的なトランスアミド化によって除去され得る。保護されたペプチドは、この時点で精製され得るか、または次の工程で直接的に取られ得る。側鎖保護基の除去は、上記切断混合物を使用して達成される。完全に脱保護されたペプチドは、以下の型のいずれかまたは全てを使用するクロマトグラフィー工程の順序によって生成され得る:弱い塩基性樹脂(アセテート形態)でのイオン交換;非誘導体化ポリスチレン−ジビニルベンゼンでの疎水性吸着クロマトグラフィー(例えば、Amberlite XADTM);シリカゲル吸着クロマトグラフィー;カルボキシメチルセルロースでのイオン交換クロマトグラフィー;分配クロマトグラフィー(例えば、Sephadex G−25TM、LH−20TMまたは向流分布);高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、特に、オクチル−またはオクタデシルシリル−シリカ結合相カラム充填での逆相HPLC。当業者は、NPペプチドの受容可能な精製を得るために必要とされる好ましいクロマトグラフィー工程または順序が何であるかを容易に決定し得る。
【0090】
NPペプチドおよび誘導体は、環状である。環化のために、ペプチドのチオール基は、タリウム、ヨウ素によって、またはスルホキシド法によって還元され得る。ヨウ素法は、以下の実施例1において本明細書中で例示され、そしてスルホキシド法は、以下の実施例3、5、21、および24において例示される。ペプチドが反応性実体を有する場合、より詳細には、反応性実体が、MPAである場合、環化は、好ましくは、スルホキシド法によってなされる。
【0091】
環化工程の後に、最終精製は、環化生成物で実施される。精製の好ましい方法は、HPLCによる。
【0092】
これらのペプチドの分子量は、四重極エレクトロスプレー質量分析法を使用して決定される。
【0093】
本発明のNP誘導体の生成のための合成プロセスは、NP誘導体に含まれる、種々の要素(すなわち、NPペプチドの順序、連結基および反応性実体)の性質に依存して幅広く変化する。合成手順は、単純性、高収率および反復性を確実にするように、ならびに高い精製産物をもたらすように選択される。通常、化学的反応性実体は、合成の最後の段階で、例えば、カルボキシル基とカップリングされる(活性エステル形成するためのエステル化)。本発明のNP誘導体の実施形態の生成のための特定の方法は、以下に記載される。
【0094】
化学的に反応性の実体は、ペプチドが、血液成分に共有結合される一方で、対応するNPペプチドの実質的な割合(全てではない場合)の活性および/または利益となる効果を保持する位置に配置されることが、必要である。
【0095】
NPペプチドの結合活性および薬理学的活性を妨害しないように選択されたNPペプチドのペプチド配列に沿った部位で反応性基を結合することが好ましい。インビトロアッセイは、反応性基を結合するために、最良の位置を選択するために使用され得る。
【0096】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を説明するために提供され、決してその範囲を制限するとは解釈されない。他に示されない限り、L配置の光学活性保護アミノ酸が使用された。
【0097】
(ペプチド誘導体合成例)
本発明のナトリウム排泄増加性ペプチドおよびその誘導体の合成は、ナトリウム排泄増加性誘導体の作製の間の手動の介在を伴って、SymphonyTMペプチド合成機での自動化固相手順を使用して達成された。この合成は、Fmoc−保護アミノ酸を使用して、Fmoc−保護Ramage Amide LinkerTM樹脂で実施された。カップリングは、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中のアクチベーターとしてのO−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)溶液および塩基としてのジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用することによって達成された。Fmoc保護基は、20%ピペリジン/DMFを使用して除去された。必要な場合、Boc保護アミノ酸は、ペプチドが樹脂から切断された後に、Nα末端を作製するために、N末端において使用された。他に記載しない限り、合成の間に使用した全てのアミノ酸は、L−立体化学を保有した。ガラス反応容器は、SigmacotedTMであり、合成の間に使用した。
【0098】
実施例と式との間の関係をより容易にするために、実施例1〜20において調製されたNPペプチドおよびNP誘導体は、本発明の第1の好ましい実施形態に従ったNPペプチドを含み、そして実施例21〜57において調製したものは、本発明の第2の好ましい実施形態に従ったNPペプチドを含むことが注記され得る。ペプチド結合は、実施例において与えられた各々の配列について、第1のラインの最後のアミノ酸および第2のラインの第1のアミノ酸を連結することが理解されるべきである。本出願において例示される各配列における2つのシステイン間のラインが、配列においてループを形成する直接的なジスルフィド架橋を表すことが理解されるべきである。
【実施例】
【0099】
(実施例1)
【0100】
【化3】

配列番号1
(工程1):固相ペプチド合成を、100マイクロモルのスケールで行った。以下の保護化アミノ酸を、樹脂に連続的に添加した:
【0101】
【化4】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去は、20分間、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジンの溶液を使用して達成された。
【0102】
(工程2):ペプチドを、85%TFA/5%TIS/5%チオアニソールおよび5%フェノールを使用して樹脂から切断し、続いて、ドライアイスで冷やした(0〜4℃)EtOにより沈殿させた。粗ペプチドをポリプロピレン焼結漏斗で収集し、乾燥し、水中アセトニトリルの20%混合物(0.1%TFA)中に再溶解させ、そして凍結乾燥して、精製プロセスにおいて使用される対応する粗物質を作製した。
【0103】
(工程3):得られたペプチドを完全に脱保護し、そして以下の本明細書中に詳述される標準的な精製手順に従って精製した。所望の画分を収集し、一緒にプールして凍結乾燥した。
【0104】
(工程4):工程3の凍結乾燥物を2.5mL AcOH/HO(1:1)中においた。次いで、ヨウ素(I)(6当量)を添加し、続いて、質量分析法(LC/MS)によって反応をモニターした。この溶液を室温で12時間攪拌した。経過時間後、ビタミンCの溶液(アスコルビン酸1M)を添加した。沈殿物を濾過し、そして濾液を凍結乾燥した。
【0105】
(工程5):工程4の凍結乾燥物を、標準的な精製手順(本明細書中に以下で詳述される)を使用して精製した。
【0106】
(実施例2)
【0107】
【化5】

配列番号2
(工程1):天然の心房ナトリウム排泄増加性ペプチド(Phoenix Pharmaceuticals Inc.,Belmont,CA,USA,カタログ番号005−06によって提供される)を、DMF中に置いた。この溶液に、MPA−AEEA−COO(Su)およびN−メチルモルホリンを加えた。この溶液を6時間攪拌し、次いで、この溶液を水で(1:1)に希釈し、そして標準的な方法論に従って精製した。
【0108】
(実施例3)
【0109】
【化6】

配列番号3
(工程1):固相ペプチド合成を、100マイクロモルのスケールで行った。以下の保護化アミノ酸を、樹脂に連続的に添加した:
【0110】
【化7】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去は、20分間、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジンの溶液を使用して達成された。
【0111】
(工程2):ペプチドを、85%TFA/5%TIS/5%チオアニソールおよび5%フェノールを使用して樹脂から切断し、続いて、ドライアイスで冷やした(0〜4℃)EtOにより沈殿させた。粗ペプチドをポリプロピレン焼結漏斗で収集し、乾燥し、水中アセトニトリルの20%混合物(0.1%TFA)中に再溶解させ、そして凍結乾燥して、精製プロセスにおいて使用される対応する粗物質を作製した。
【0112】
(工程3):得られたペプチドを完全に脱保護し(システインのチオール部分に結合したままであるAcmを除く)、そして以下の本明細書中に詳述される標準的な精製手順に従って精製した。所望の画分を収集し、一緒にプールして凍結乾燥した。
【0113】
(工程4):工程3の凍結乾燥物を、ニートなTFA(トリフルオロ酢酸)(1mg/mL)中においた。次いで、アニソール(100当量)を添加し、続いて、メチルトリクロロシラン(10当量)を加え、最後に、ジフェニルスルホキシド(100当量)加えた。溶液を室温で18時間攪拌した。経過時間後、この溶液を2N酢酸(1mL/mgのペプチド)および冷エーテル(5mL/mLのTFA)とともに分液漏斗においた。複数の抽出後、所望の環式ペプチド(水溶液中に存在する)を収集し、一緒にして、凍結乾燥した。
【0114】
(工程5):工程4の凍結乾燥物を、標準的な精製手順(本明細書中に以下で詳述される)を使用して精製した。
【0115】
(実施例4)
【0116】
【化8】

配列番号4
(工程1):固相ペプチド合成を、100マイクロモルのスケールで行った。以下の保護化アミノ酸を、樹脂に連続的に添加した:
【0117】
【化9】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去は、20分間、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジンの溶液を使用して達成された。
【0118】
(工程2〜5):これらの工程を、実施例3と同じ様式で実施した。
【0119】
(実施例5)
【0120】
【化10】

配列番号5
(工程1):固相ペプチド合成を、100マイクロモルのスケールで行った。以下の保護化アミノ酸を、樹脂に連続的に添加した:
【0121】
【化11】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去は、20分間、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジンの溶液を使用して達成された。
【0122】
(工程2):Lys(Aloc)基の選択的脱保護を手動によって実施し、そして樹脂を、5mLのC:CHCl(1:1):2.5% NMM(v:v):5% AcOH(v:v)中に溶解させた3当量のPd(PPhの溶液を用いて2時間処理することによって達成した。次いで、樹脂をCHCl(6×5mL)、DCM中の20% AcOH(6×5mL)、DCM(6×5mL)、およびDMF(6×5mL)を用いて洗浄した。
【0123】
(工程3):次いで、この合成を、Fmoc−AEEA−OHの添加について再自動化した。カップリング後、Fmoc保護基を、20%ピペリジンを用いて除去した。最後に、3−マレイミドプロピオン酸を、標準的カップリング条件を使用して樹脂上でペプチドにカップリングした。各カップリングの間で、樹脂を3回N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)で、そして3回イソプロパノールで洗浄した。
【0124】
(工程4):ペプチドを、85%TFA/5%TIS/5%チオアニソールおよび5%フェノールを使用して樹脂から切断し、続いて、ドライアイスで冷やした(0〜4℃)EtOにより沈殿させた。粗ペプチドをポリプロピレン焼結漏斗で収集し、乾燥し、水中アセトニトリルの40%混合物(0.1%TFA)中に再溶解させ、そして凍結乾燥して、精製プロセスにおいて使用される対応する粗物質を作製した。
【0125】
(工程5):得られたペプチドを完全に脱保護し(システインのチオール部分に結合したままであるAcmを除く)、そして標準的な精製手順に従って精製した。所望の画分を収集し、一緒にプールして凍結乾燥した。
【0126】
(工程6):工程3の凍結乾燥物を、ニートなTFA(トリフルオロ酢酸)(1mg/mL)中においた。次いで、アニソール(100当量)を添加し、続いて、メチルトリクロロシラン(10当量)を加え、最後に、ジフェニルスルホキシド(100当量)を加えた。溶液を室温で18時間攪拌した。経過時間後、この溶液を2N酢酸(1mL/mgのペプチド)および冷エーテル(5mL/mLのTFA)とともに分液漏斗においた。複数の抽出後、水溶液を収集し、一緒にして、凍結乾燥した。
【0127】
(工程7):工程4の凍結乾燥物を、標準的な精製手順を使用して精製した。
【0128】
(実施例6)
【0129】
【化12】

(配列番号6)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0130】
【化13】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0131】
工程2〜7:これらの工程を、実施例5と同じ様式で行った。
【0132】
(実施例7)
【0133】
【化14】

(配列番号7)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0134】
【化15】

【0135】
【化16】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0136】
工程2〜7:これらの工程を、実施例5と同じ様式で行った。
【0137】
(実施例8)
【0138】
【化17】

(配列番号8)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0139】
【化18】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0140】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0141】
(実施例9)
【0142】
【化19】

(配列番号9)
工程1:出発物質としてウロジラチン(urodilatin)を使用する実施例2の工程1と同じ。ウロジラチンは、Bachem,Torance,CA,USA,カタログ番号H−3046.1000により提供される。
【0143】
(実施例10)
【0144】
【化20】

(配列番号10)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0145】
【化21】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0146】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0147】
(実施例11)
【0148】
【化22】

(配列番号11)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0149】
【化23】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0150】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0151】
(実施例12)
【0152】
【化24】

(配列番号12)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0153】
【化25】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0154】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0155】
(実施例13)
【0156】
【化26】

(配列番号13)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0157】
【化27】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0158】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0159】
(実施例14)
【0160】
【化28】

(配列番号14)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0161】
【化29】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0162】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0163】
(実施例15)
【0164】
【化30】

(配列番号15)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0165】
【化31】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0166】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0167】
(実施例16)
【0168】
【化32】

(配列番号16)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0169】
【化33】

【0170】
【化34】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0171】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0172】
(実施例17)
【0173】
【化35】

(配列番号17)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0174】
【化36】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0175】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0176】
(実施例18)
【0177】
【化37】

(配列番号18)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0178】
【化38】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0179】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0180】
(実施例19)
【0181】
【化39】

(配列番号19)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0182】
【化40】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0183】
工程2〜5:これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0184】
(実施例20)
【0185】
【化41】

(配列番号20)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで行った。以下の保護アミノ酸を、順次、樹脂に添加した:
【0186】
【化42】

これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)のピペリジンの溶液を使用して、20分かけて達成した。
【0187】
工程2〜5 これらの工程を、実施例3と同じ様式で行った。
【0188】
(実施例21)
【0189】
【化43】

(配列番号21)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0190】
【化44】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0191】
工程2:85% TFA/5% TIS/5%チオアニソールおよび5%フェノールを用いてこのペプチドを樹脂から切断し、その後、ドライアイスで冷やした(0〜4℃)EtOによる沈殿を行った。粗ペプチドをポリプロピレン焼結漏斗上で収集し、乾燥させ、水中アセトニトリル40%混合物(0.1% TFA)中に再溶解し、そして凍結乾燥させて、対応する粗金属を産生し、これを精製プロセスにおいて用いた。
【0192】
工程3:生じたペプチドを、Acm基(システインのチオール部分に結合し続けた)を除いて完全に脱保護し、本明細書中以下で詳述する標準的精製手順に従って精製した。所望の画分を収集してまとめてプールし、凍結乾燥した。
【0193】
工程4:工程3の凍結乾燥物質を、ニートなTFA(トリフルオロ酢酸)(1mg/mL)中に入れた。次いで、アニソール(100当量)を加え、次にメチルトリクロロシラン(10当量)を加え、最後にジフェニルスルホキシド(diphenylsulphoxide)(100当量)を加えた。この溶液を、室温で18時間撹拌した。この経過時間後、この溶液を、2N酢酸(ペプチド1mgあたり1mL)および冷エーテル(TFA1mLあたり5mL)と共に分液漏斗に入れた。複数回の抽出の後に、水溶液を収集し、混合して、凍結乾燥した。
【0194】
工程5:工程4の凍結乾燥物質を、標準的精製手順(本明細書中以下に詳述する)を用いて精製した。
【0195】
(実施例22)
【0196】
【化45】

(配列番号22)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0197】
【化46】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0198】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0199】
(実施例23)
【0200】
【化47】

(配列番号23)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0201】
【化48】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0202】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0203】
(実施例24)
【0204】
【化49】

(配列番号24)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0205】
【化50】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0206】
工程2:Lys(Aloc)基の選択的脱保護を手で行い、そしてこの樹脂の、5mLのC:CHCl(1:1):2.5% NMM(v:v):5% AcOH(v:v)中に3当量のPd(PPhを溶解した溶液で2時間処理することによって、達成した。この樹脂を、次いで、CHCl(6×5mL)、DCM中20% AcOH(6×5mL)、DCM(6×5mL)およびDMF(6×5mL)で洗浄した。
【0207】
工程3:次いで、この合成を、Fmoc−AEEA−OHの添加について再自動化した。結合後、20%ピリミジンを用いて、Fmoc保護基を除去した。最後に、標準的結合条件を用い、樹脂上で3−マレイミドプロピオン酸をこのペプチドに結合させた。各結合の間、樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)で3回、イソプロパノールで3回洗浄した。
【0208】
工程4:85% TFA/5% TIS/5%チオアニソールおよび5%フェノールを用いてこのペプチドを樹脂から切断し、その後、ドライアイスで冷やした(0〜4℃)EtOによる沈殿を行った。粗ペプチドをポリプロピレン焼結漏斗上で収集し、乾燥させ、水中アセトニトリル40%混合物(0.1% TFA)中に再溶解し、そして凍結乾燥させて、対応する粗金属を産生し、これを精製プロセスにおいて用いた。
【0209】
工程5:生じたペプチドを、Acm基(システインのチオール部分に結合し続けた)を除いて完全に脱保護し、標準的精製手順に従って精製した。所望の画分を収集してまとめてプールし、凍結乾燥した。
【0210】
工程6:工程3の凍結乾燥物質を、ニートなTFA(トリフルオロ酢酸)(1mg/mL)中に入れた。次いで、アニソール(100当量)を加え、次にメチルトリクロロシラン(10当量)を加え、最後にジフェニルスルホキシド(diphenylsulphoxide)(100当量)を加えた。この溶液を、室温で18時間撹拌した。この経過時間後、この溶液を、2N酢酸(ペプチド1mgあたり1mL)および冷エーテル(TFA1mLあたり5mL)と共に分液漏斗に入れた。複数回の抽出の後に、水溶液を収集し、混合して、凍結乾燥した。
【0211】
工程7:工程4の凍結乾燥物質を、標準的精製方法論を用いて精製した。
【0212】
(実施例25)
【0213】
【化51】

(配列番号25)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0214】
【化52】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0215】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0216】
(実施例26)
【0217】
【化53】

(配列番号26)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0218】
【化54】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0219】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0220】
(実施例27)
【0221】
【化55】

(配列番号27)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0222】
【化56】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0223】
工程2から7 これらの工程を、実施例24と同じ様式で行った。
【0224】
(実施例28)
【0225】
【化57】

(配列番号28)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0226】
【化58】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0227】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0228】
(実施例29)
【0229】
【化59】

(配列番号29)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0230】
【化60】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0231】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0232】
(実施例30)
【0233】
【化61】

(配列番号30)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0234】
【化62】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0235】
工程2から7 これらの工程を、実施例24と同じ様式で行った。
【0236】
(実施例31)
【0237】
【化63】

(配列番号31)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0238】
【化64】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0239】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0240】
(実施例32)
【0241】
【化65】

(配列番号32)
工程1:固相ペプチド合成を、100μモル規模で実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に添加した:
【0242】
【化66】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム(uronium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて活性化させた。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間用いて、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0243】
工程2〜5 これらの工程を、実施例21と同じ様式で行った。
【0244】
(実施例33)
【0245】
【化67】

(配列番号33)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0246】
【化68】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0247】
工程2−7:実施例24と同一の様式で工程を実施した。
【0248】
(実施例34)
【0249】
【化69】

(配列番号34)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0250】
【化70】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0251】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0252】
(実施例35)
【0253】
【化71】

(配列番号35)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0254】
【化72】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0255】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0256】
(実施例36)
【0257】
【化73】

(配列番号36)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0258】
【化74】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0259】
工程2−7:実施例24と同一の様式で工程を実施した。
【0260】
(実施例37)
【0261】
【化75】

(配列番号37)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0262】
【化76】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0263】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0264】
(実施例38)
【0265】
【化77】

(配列番号38)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0266】
【化78】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0267】
工程2−7:実施例24と同一の様式で工程を実施した。
【0268】
(実施例39)
【0269】
【化79】

(配列番号39)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0270】
【化80】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0271】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0272】
(実施例40)
【0273】
【化81】

(配列番号40)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0274】
【化82】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0275】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0276】
(実施例41)
【0277】
【化83】

(配列番号41)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0278】
【化84】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0279】
工程2−7:実施例24と同一の様式で工程を実施した。
【0280】
(実施例42)
【0281】
【化85】

(配列番号42)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0282】
【化86】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0283】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0284】
(実施例43)
【0285】
【化87】

(配列番号43)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0286】
【化88】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0287】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0288】
(実施例44)
【0289】
【化89】

(配列番号44)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0290】
【化90】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0291】
工程2−7:実施例24と同一の様式で工程を実施した。
【0292】
(実施例45)
【0293】
【化91】

(配列番号45)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0294】
【化92】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0295】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0296】
(実施例46)
【0297】
【化93】

(配列番号46)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0298】
【化94】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0299】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0300】
(実施例47)
【0301】
【化95】

(配列番号47)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0302】
【化96】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0303】
工程2−7:実施例24と同一の様式で工程を実施した。
【0304】
(実施例48)
【0305】
【化97】

(配列番号48)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0306】
【化98】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0307】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0308】
(実施例49)
【0309】
【化99】

(配列番号49)
工程1:100μmolスケールで、固相ペプチド合成を行なった。以下の保護アミノ酸を連続的に樹脂に添加した:
【0310】
【化100】

それらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、そして、この配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。20%(V/V)ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を20分間使用して、Fmoc保護基の除去を達成した。
【0311】
工程2−5:実施例21と同一の様式で工程を実施した。
【0312】
(実施例50)
【0313】
【化101】

(配列番号50)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0314】
【化102】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0315】
工程2〜7:これらの工程を、実施例24と同じ様式で実施した。
【0316】
(実施例51)
【0317】
【化103】

(配列番号51)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0318】
【化104】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0319】
工程2〜5:これらの工程を、実施例21と同じ様式で実施した。
【0320】
(実施例52)
【0321】
【化105】

(配列番号52)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0322】
【化106】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0323】
工程2〜5:これらの工程を、実施例21と同じ様式で実施した。
【0324】
(実施例53)
【0325】
【化107】

(配列番号53)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0326】
【化108】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0327】
工程2〜7:これらの工程を、実施例24と同じ様式で実施した。
【0328】
(実施例54)
【0329】
【化109】

(配列番号54)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0330】
【化110】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0331】
工程2〜5:これらの工程を、実施例21と同じ様式で実施した。
【0332】
(実施例55)
【0333】
【化111】

(配列番号55)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0334】
【化112】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0335】
工程2〜7:これらの工程を、実施例24と同じ様式で実施した。
【0336】
(実施例56)
【0337】
【化113】

(配列番号56)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0338】
【化114】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0339】
工程2〜7:これらの工程を、実施例24と同じ様式で実施した。
【0340】
(実施例57)
【0341】
【化115】

(配列番号57)
工程1:固相ペプチド合成を、100μmolスケールで実行した。以下の保護アミノ酸を、連続して樹脂に付加した:
【0342】
【化116】

。これらを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、その配列に従って、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を使用して活性化した。Fmoc保護基の除去を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の20%(V/V)ピペリジン溶液を20分間使用して、達成した。
【0343】
工程2〜7:これらの工程を、実施例24と同じ様式で実施した。
【0344】
(合成された誘導体の精製手順)
各化合物を、Varian(Dynamax)調製用バイナリーHPLCシステムを使用して、調製用逆相HPLCによって精製した。この精製は、水/TFA混合物(HO中0.1% TFA(溶媒A)およびアセトニトリル/TFA(CHCN中0.1%TFA(溶媒B))で平衡化した、Phenomenex Luna 10μフェニル−ヘキシル,50mm×250mmカラム(粒子10μ)を使用して、実施した。ペプチド含有画分を、214nmにおけるUV吸光度(Varian Dynamax UVD II)によって検出した。表2は、本発明に従うNPペプチドおよび誘導体である化合物の保持時間を示す。
【0345】
(表2)
【0346】
【表2】

A、B、およびCと注釈を付けられている保持時間は、それぞれ、表3、表4、および表5において示される溶出勾配を用いて得られた。
【0347】
(表3)
【0348】
【表3】

(表4)
【0349】
【表4】

(表5)
【0350】
【表5】

表6は、本発明に従うNPペプチドおよび誘導体である化合物の推定分子量(推定)および実測分子量(実測)を示す。すべての分子量は、g/molで表現される。分子量は、Quadrupole Electro Spray質量分析計によって測定した。推定分子量は、各原子の理論的質量の加算によって確立された。推定分子量と実測分子量との間の差異は、無視でき、それは、合成された化合物が、所望される化合物であることを示す。
【0351】
(表6)
【0352】
【表6】

(ペプチドの環化効率の決定)
環化は、分子内ジスルフィド架橋を形成するようにペプチドの両方のシステイン残基のチオール基の還元によって得る。このプロセスの詳細は、本明細書中にあり、実施例1の工程4および実施例3の工程4において例証される。そのペプチドが首尾良く環化されていることを決定するために、Ellman試験を、G.L.Ellman,Arch.Biochem.Biophys.,82(70)1959およびG.L.Ellman,Biochem.Pharmacol.,7(68)1961において教示されるように、最終環化物質に対して実施した。このEllman試験は、ジスルフィド架橋を形成しないチオール基の決定を可能にする。遊離チオール基が存在しないことは、この環化が成功したことを示す。
【0353】
また、LC/MSによる分析は、環化工程の前に得られた合成中間体と、環化工程後に得られた最終生成物との比較を可能にする。図1は、重ね合わせにおいて、点線(−−−)で示される環化前の実施例1の化合物の合成中間体のLC/MSスペクトル、および連続線(−)で示される環化後の対応する最終生成物を示し、この環化は、実施例1の工程4に例証されるようにヨウ素を用いて実施した。この中間体は、質量3080.8に対応する分子イオンフラグメント771.2(M+4)を有し、最終生成物は、質量3078.0に対応する分子イオンフラグメント770.5(M+4)を有することが、観察され得る。質量2.8の減少は、ジスルフィド架橋の形成の間に2つの水素を喪失することから生じる。直鎖状中間体のピークおよび環状最終生成物のピークの鋭さは、すべての中間体が、環化したことを示す。
【0354】
さらに、約1232(M+5)および/または880.4(M+7)において、有意なピークは観察されなかった(示さず)。このことは、ダイマーが合成されなかったこと、換言すると、分子間ジスルフィド結合が生成されなかったことを、意味する。
【0355】
(インビトロ結合体化)
エキソビボ結合体の調製は、誘導体のインビトロ試験のため、およびその後のその結合体のインビボ投与目的のために、使用される。従って、その誘導体は、血液成分に結合体化される。好ましくは、その血液成分は、ヒト血清アルブミン(HSA)である。実施例22〜23〜24において、HSAは、Cortex−BiochemTM,San Leandro,CA,USAによって提供される。
【0356】
(インビトロ結合体化実施例)
(実施例58:1mMの実施例3の化合物:HSA結合体の調製) 1500μL EppendorfTMチューブ中に、450μlのHSA 25%(g/100ml)を分注し、変速ボルテックス機器を使用して、このHSA溶液をボルテックスにかける。ボルテックスの間に、50μLの実施例3の化合物(ナノ純水中10mM濃度)を添加する。生じる溶液を、37℃で4時間インキュベートし、20℃で保存する。
【0357】
(実施例59:1mMの実施例4の化合物:HSA結合体の調製) HSAに対する結合体化を、実施例58と同じ様式で実施する。
【0358】
(実施例60:1mMの実施例5の化合物:HSA結合体の調製) HSAに対する結合体化を、実施例58と同じ様式で実施する。
【0359】
(実施例61:1mMの実施例6の化合物:HSA結合体の調製) HSAに対する結合体化を、実施例58と同じ様式で実施する。
【0360】
(実施例62:1mMの実施例7の化合物:HSA結合体の調製) HSAに対する結合体化を、実施例58と同じ様式で実施する。
【0361】
(実施例63:1mMの実施例14の化合物:HSA結合体の調製) HSAに対する結合体化を、実施例58と同じ様式で実施する。
【0362】
実施例64:実施例18の1mMの化合物の調製:HSA結合体。HSAへの結合が実施例58と同じ様式で実施される。
【0363】
実施例65:実施例54の1mMの化合物を調製する:HSA結合体。HSAへの結合が実施例58と同じ様式で実施される。
【0364】
実施例66:実施例55の1mMの化合物の調製:HSA結合体。HSAへの結合が実施例58と同じ様式で実施される。
【0365】
実施例67:実施例56の1mMの化合物の調製:HSA結合体。HSAへの結合が実施例58と同じ様式で実施される。
【0366】
実施例68:実施例57の1mMの化合物の調製:HSA結合体。HSAへの結合が実施例58と同じ様式で実施される。
【0367】
(結合体純度分析)
調製された結合体の純度の分析のために、2つの試験を、液体クロマトグラフフィー/マススペクトロメトリー(LC/MS)(Electro Spray Ionization、Agilent HP 1100 Series)により実施し:1)1%誘導体基準と比較して残りのフリー誘導体を定量し、そして2)HSAと比較して結合体を検出する。
【0368】
(結合体純度結果)
溶液中に留まっている残りのフリー誘導体は以下である:
実施例58:実施例3の化合物のHSAとの結合体: 2.2%
実施例59:実施例4の化合物のHSAとの結合体: 4.4%
実施例60:実施例5の化合物のHSAとの結合体: 3.6%
実施例61:実施例6の化合物のHSAとの結合体: <1%
実施例62:実施例7の化合物のHSAとの結合体: <1%
実施例63:実施例14の化合物のHSAとの結合体: 1.2%
実施例64:実施例18の化合物のHSAとの結合体: 1.3%
実施例65:実施例54の化合物のHSAとの結合体: 1.4%
実施例66:実施例55の化合物のHSAとの結合体: 2.4%
実施例67:実施例56の化合物のHSAとの結合体: 0.8%
実施例68:実施例57の化合物のHSAとの結合体: 2.1%
(結合体重量)
表7は、本発明に従うNP誘導体の結合体の予測された分子量(予測)および測定された分子量(実測)を示す。全ての分子量が、g/molで表される。分子量は、Quadrupole Electro Sprayマススペクトロメトリーにより測定される。予測された分子量が、各々の原子の理論質量の追加により、確立されている。予測された分子量と測定された分子量との間の違いは、無視できるものであり、合成された化合物が所望される化合物であることを示す。
【0369】
【表7】

(インビトロ結合アッセイおよび活性アッセイ)
NP誘導体の能力は、モルモット副腎のNPRレセプターに結合し、ラット原発性肺線維芽細胞アッセイにおけるcGMPレベルを高める能力として、評価される。大動脈平滑筋細胞、糸球体間質細胞および副腎細胞のような他の細胞株を使用して、これらのインビトロアッセイを実施し得る。ヒト、ラットおよびモルモット細胞株または他の種の細胞株を、ヒト細胞株について好ましく、使用し得る。
【0370】
(インビトロ結合アッセイ実施例)
結合研究についての膜を、以下の様に調製する。副腎が、麻酔された正常なDuncan Hartleyモルモットから収集され、そして150mM NaCl、5mM MgCl、5mM MnClを含む50mM Tris−HCl緩衝液中のポリトロン;25℃でpH7.4を使用して均質化した。このホモジェネートを、10分間39,000×g(4℃)で遠心分離した。ペレットを、再懸濁し、そして洗浄した。最後に、これらの膜を1mM NaEDTA+0.2%BSAを補充した同じ緩衝液中に再懸濁した。タンパク質濃度を、BCAタンパク質アッセイキット(Pierce)を使用して測定した。この結合アッセイを、4℃で60分間、0.016nM 125I−rANFおよびNPペプチドまたはNP誘導体(10−5〜10−11M)のいずれかの増加する濃度を有する膜のインキュベーションにより行なう。全てのアッセイを、二連で行った。結合した放射活性rANFおよびフリーの放射活性rANFの分離を、アッセイ緩衝液中に浸されたポリエチレンイミン処理されたWhatman GF/Cフィルターを介する迅速な濾過により達成した。フィルターを洗浄し、乾燥し、γ線計数器において放射活性について計数した。
【0371】
式IのNPペプチドを含むNP誘導体の結合アッセイの結果を、図2に示し、そして式IIに基づくNPペプチドを含むNP誘導体の結合アッセイの結果を、図3に示す。
【0372】
図2において、「ネイティブANP」は、発明者らの研究室で合成されたヒトANP配列を有するペプチド(実施例1を参照のこと)であり、そして「hANP」は、Phoenix Pharmaceuticals Inc.,Belmont,CA,USAにより提供される市販のペプチド(カタログ番号005−06)である。図2に見られ得るように、ネイティブANPおよび市販のhANPの両方が、125I−ANFの、濃度依存様式でのレセプターへの結合を、それぞれ3.4×10−10Mおよび6.0×10−10Mの見かけの阻害定数(Ki値)で阻害した。実施例3および5のNP誘導体の結合体がまた、濃度依存様式において125I−ANFの、副腎のレセプターへの結合を、それぞれ2.4×10−9Mおよび2.9×10−9の見かけのKi値で阻害した。実施例6および7のNP誘導体の結合体は、NPRレセプターに対してより低い結合アフィニティーおよびアビジティーを有した。実施例6および7のNP誘導体は、N末端およびC末端でそれぞれ修飾される、実施例3および5の誘導体と比較してループ中で修飾される。
【0373】
表8は、50%の阻害(EC50)での濃度および図2のグラフの元となるデータで計算された阻害定数(KI)を示す。
【0374】
【表8】

図3において、「ネイティブBNP」は、発明者らの研究室で合成されたヒトBNP配列を有するペプチドである(実施例21を参照のこと)。図3に見られ得るように、ネイティブBNPは、125I−ANFの濃度依存様式でのレセプターへの結合を、見かけの阻害定数(Ki値)4.8×10−9Mで阻害した。実施例54および55のNP誘導体の結合体がまた、125I−ANFの濃度依存様式での副腎のレセプターへの結合を、それぞれ見かけのKi値1.5×10−8Mおよび5.5×10−8Mで阻害した。実施例56および57のNP誘導体の結合体は、NPRレセプターに対してより低い結合アフィニティーおよびアビジティーを有した。実施例56および57の誘導体は、N末端およびC末端でそれぞれ修飾される、実施例54および55の誘導体と比較してループ中で修飾される。
【0375】
表9は、50%の阻害(EC50)での濃度および図3のグラフの元となるデータで計算された阻害定数(KI)を示す。
【0376】
【表9】

(インビトロ活性アッセイ実施例)
インビトロ活性研究について、ヒト頚部上皮腺癌細胞株が、使用された。ヒーラ細胞は、グアニル酸シクラーゼ活性を有する高いレベルのナトリウム排泄増加性ペプチドレセプターを発現する。
【0377】
cGMP実験の1日前に、細胞を、48ウェルプレート(ウェル当たり5×10細胞)中に接種し、一晩インキュベートした。実験の日に、細胞を、無血清培地で2回洗い、cGMP分解を防ぐ3−イソブチル−1−メチルキサンチンの存在下で、1時間の間NP誘導体またはネイティブANPもしくはBNPと共に、またはこれらなしで、インキュベートする。インキュベーションを、アッセイ培地を取り除くことにより、そしてHClを10分間、細胞に加えることにより、終わらせた。次いで上清を収集し、遠心分離し、そしてcGMPレベルをSigmaの直接cGMP EIAキットを使用して評価する。
【0378】
図4、5および6で例示されるような実施例14、18および56の誘導体の結合体を除く、全てのNP誘導体および結合体が、10−6M〜10−9Mにわたる濃度でヒトヒーラ細胞におけるcGMPを高め得た。EC50(最大応答の50%を引き起こす薬物の有効濃度)が、各々のNP誘導体および結合体について計算され、表10に列挙される。表10から見られ得るように、cGMPにおける増大は、ネイティブANPから得られた増大と匹敵すると見なされ、実施例14:HSA、実施例18:HSA、実施例56:HSAの結合体についての場合を除いて、これらの間に有意な(P<0.05)差は観察されない。二連で(in duplicata)アッセイを実施し、各々の化合物を3回試験した。
【0379】
【表10】

(ヒト血漿における安定性の分析)
NPペプチドの結合体の安定性を、ヒト血漿において生じる酵素分解に対する結合したNPペプチドの保護を示すように、またはより安定なNP誘導体を選択するように、対応するフリーのNPペプチドと比較してヒト血漿において試験する。以下に示される実施例において、対応するフリーNPペプチドは、ヒトANP(本明細書中以下、「hANP」と呼ばれる)であり、これは、Phoenix Pharmaceuticals Inc.,Belmont,CA,USAにより提供された。
【0380】
ヒト血漿における安定性の分析のための条件は、以下の通りである。750μLのヒト血漿(Biochemed Inc.,Winchester,VA,USA)を、1500μLエッペンドルフチューブに注ぎ、250μLのNP結合体またはhANP(1mM)を、最終濃度0.25mMの結合体またはhANPを得るために、この血漿に加える。溶液を、ボルテックスにより混合し、タイマーを始動させた。この溶液を、37℃で48時間インキュベートした。100μLのアリコートを、0時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間および48時間で取り除いた。各々のアリコートを、HPLCバイアル中に配置し、ドライアイスで即座に急激に凍結させ、LC/MS分析まで−80℃で保存する。
【0381】
ペプチドおよび結合体のLC/MS溶出勾配が、それぞれ表11および表12に示される;ここで溶媒Aは、水/TFA混合物(HO中0.1%TFA)であり、そして溶媒Bは、アセトニトリル/TFA(CHCN中0.1%TFA)である。
【0382】
【表11】

【0383】
【表12】

各々の時点において、サンプルの全ピークの高さに対するペプチドまたは結合体のピークの高さのパーセンテージとして、結果が報告される。図7は、hANP(黒逆三角)、実施例58の結合体(黒四角)および実施例60の結合体(黒菱形)についての結果を示す。
【0384】
全てのhANPが、ヒト血漿におけるインキュベーションの24時間後に分解される一方、75%を超えるHSAと結合されたANPが、48時間後、分解されていないことが、図7において見られ得る。結果としてのhANPの半減期は、約4時間である。実施例58の結合体(黒四角)は、N末端で修飾されるANP配列(実施例23)を含み、そして実施例60の結合体(黒菱形)は、C末端で修飾されるANP配列(実施例25)を含む。両方の結合体が、ヒト血漿における安定性の同様の結果を示す。
【0385】
(NEP酵素に対する安定性の分析)
NPペプチドの結合体の安定性がまた、結合したNPペプチドのNEP酵素による特異的な酵素分解に対する保護を示すように、対応するフリーNPペプチドと比較したNEP酵素溶液において試験される。以下に示される実施例において、対応するフリーNPペプチドは、ヒトANP(本明細書中以下、「hANP」と呼ばれる)であり、これは、Phoenix Pharmaceuticals Inc.,Belmont,CA,USAにより提供された。
【0386】
NEP酵素分解に対する安定性の分析についての条件は、以下の通りである。NEP酵素(Calibiochem/Novabiochem Corporation,San Diego,CA,USA,製品番号324762)のバイアルに含まれる凍結乾燥された酵素が、100μLの0.1M Tris−HCl緩衝液pH8.0に溶解される。これをボルテックスし、超音波処理して(sonnicate)、酵素の完全な溶解を確実にした。1つのバイアルは、800U〜950Uの間の酵素を含む。結合体の溶液を、pH8.0の0.1M Tris−HCl緩衝液を用いて250μMに調製する。10部の結合体またはhANPの溶液(250μM)を、1部のNEP酵素溶液(上で調製された)に加える。生じる溶液を、ボルテックスし、48時間、混合条件下で37℃でインキュベートする。50μLのアリコートを、時間0、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間および48時間で取り除く。各々のアリコートを、バイアル中に配置し、ドライアイスで即座に急激に凍結させ、分析まで−80℃で保存する。
【0387】
ANPの配列上のNEPの加水分解部位は、図8に例示されるようにループの始まりでのCys−Pheペプチド様結合である。BNP配列はまた、同じ部位にて(すなわち、ループの始まりでのCys−Pheペプチド様結合にて)NEPにより切断される。
【0388】
非加水分解NPペプチドの検出のために、ラジオイムノアッセイ(RIA)が、ヒトネイティブANPに対して惹起される市販のポリクローナル抗体(製品番号RGG−8798,Peninsula Laboratories Inc.Division of Bachem,San Carlos,CA,USA)を使用して実施される。
【0389】
ラジオイムノアッセイのために、アッセイ緩衝液(0.05M リン酸緩衝液、pH7.5、0.08%アジ化ナトリウム、0.025M EDTAおよび0.1%ゼラチン)中の、NP結合体較正標準、精度管理サンプル、または希釈された試験サンプルのいずれかの50μLが、適切に標識された12×75mmホウケイ酸ガラス試験チューブに加えられる。50μLのアッセイ緩衝液が、NSB(非特異的結合)および0標準(参照)チューブに加えられる。次いで、300μLのアッセイ緩衝液が、各々のNSBチューブに加えられ、200μLの同じ緩衝液を、各々の他の12×75mmホウケイ酸ガラス試験チューブに加える。次いで、アッセイ緩衝液中で2μg/mLの濃度で、100μLの容積のウサギ抗ANP IgG作用溶液を、TC(総数)およびNSBチューブを除いて全てのチューブに加える。チューブ内容物を、混合し、約4℃で終夜(16〜24時間)インキュベートする。2日目に、100μLの125I−hANP(約20,000cpm/100μL)を全てのチューブに加える。チューブ内容物を、混合し、約4℃で終夜(16〜24時間)インキュベートする。3日目に、0.6%木炭の0.05μMリン酸緩衝液1000μLを、TCチューブを除いて全てのチューブに加える。チューブを混合し、約4℃で約30分間インキュベートする。インキュベーション後、次いで、TCチューブを除く全てのチューブを、約4℃で約30分間の間4000rpmで遠心分離する。フリーの抗原が、上清をデカンテーションすることにより結合した抗原から分離される。次いで、上清(結合したフラクション)を、少なくとも2分間の間、γ線計数器(Packard Cobra II Auto−Gamma)で計数する。抗体に結合した[125I]標識された抗原の量は、チューブ中の抗原の濃度に逆比例する。
【0390】
NEP酵素とのインキュベーションの各々の時点について、結果が、サンプルの総量に対してペプチドまたは結合体のパーセンテージとして報告される。図9は、hANP(黒逆三角)、実施例58の結合体(黒四角)、キャップされたHSA(黒丸)に対する結果を示す。「キャップされたHSA」は、アルブミンに結合したシステイン残基を有するアルブミンである。
【0391】
図9から見られ得るように、ほとんどのhANPは、12時間以内に加水分解される一方、結合したANP(実施例58の結合体)は、試験条件においてNEP酵素により完全に加水分解されるのに約48時間かかる。NEP酵素により引き起こされる加水分解が、ANP配列において起こり、HSAにおいて起こらないことを証明するために、キャップされたHSAを有するコントロールが使用され、これは、アルブミンがNEP加水分解に供されていない(またはほとんど供されていない)ことを示す。
【0392】
(薬物動力学研究)
誘導体の薬物動力学研究が、皮下注射(250nmol/kg)または静脈内注射(50nmol/kg)により、雄のSprague−Dawleyラットにおいて行なわれる。一連の血液サンプルを、投薬前に、ならびに薬剤投与後5分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間、72時間および96時間で採取した。血液サンプルを、K2−EDTAおよびアプロチニンを含むチューブ中に収集し、次いで遠心分離して血漿を得、ラジオイムノアッセイ(RIA)により分析まで凍結し続けた。ヒトネイティブANPに対して惹起される市販のポリクローナル抗体(製品番号RGG−8798,Peninsula Laboratories Inc.Division of Bachem,San Carlos,CA,USA)を使用して、化合物を検出する。このアッセイ感度は、300〜10000pMである。特異的なモノクローナル抗体は、ANPおよびBNPと有意に異なるNPペプチドを含む各々のNP誘導体を検出するために調製かつ使用される必要がある。ANPおよびBNPの誘導体について、市販の抗体が、利用可能である。ANPまたはBNPとの高い相同性を有するNPペプチドの誘導体について、市販の抗体が、RIAにおいて首尾良く使用され得る。
【0393】
図10において、フリーNPペプチドのバイオアベイラビリティーは、結合体化したNPペプチドのバイオアベイラビリティーと比較される。静脈内注射により投与される結合体化したANP(実施例3のNPペプチドの結合体)(黒三角)、または皮下注射により投与される結合したANP(黒丸)が、96時間後もバイオアベイラビリティーを有する一方、静脈内注射により投与されるフリーANP(実施例3のNPペプチド)(白四角)または皮下注射により投与されるフリーANP(白丸)は、5分以内に血流に存在しないことが、見られ得る。
【0394】
これらのラット研究において、静脈内注射により投与される結合体化したANP(実施例58の結合体)(黒三角)または皮下注射により投与される結合体化したANP(黒丸)の半減期は、それぞれ17.5±1.5時間および14.8±0.6時間である。皮下注射により投与されるフリーANP(実施例3のNPペプチド)(白丸)の半減期は、0,2±0,06時間であり、そして静脈内投与により投与されるANP(白四角)についての半減期は、短すぎたために算出できなかった。
【0395】
(インビボアッセイ)
鬱血性心不全の動物モデルが使用されて、最適な投薬応答、作用の持続時間ならびに最も効果的なNP誘導体およびNP結合体を評価する。以下の2つの動物モデルが使用されて、その評価をし得る:自発性高血圧ラット(SHRラット)およびイヌにおけるペーシングモデル(Muders and Elsner,Pharm Res,2000)。ネイティブBNPが、ラットにおける活性を有さないことが公知であるために、BNPとの高い相同性を有するNPペプチドの誘導体は、SHRラットにおいて試験されない;従って、イヌモデルまたは他のモデルが、使用される。
【0396】
SHRラットは、遺伝的に高血圧のラットであり、このラットは、4週齢までに有意に高められた収縮期血圧(BP)を発達させる。その寿命にわたって持続的に高められた血圧の結果として、これらのラットは、およそ一才齢までに鬱血性心不全を発達させる。高血圧に加えて、このモデルはまた、左心室肥大および左心室線維症により特徴付けられる。SHRラットは、心房性ナトリウム排泄増加ペプチドのインビボ効果の研究において以前に使用された。ANPアナログの単回投薬は、BPにおいて一時的なドロップを生成した一方、連続的な注入が、収縮期BPにおける減少を維持するのに必要とされた(DeMayら、J Pharm Exper Therap,1987)。
【0397】
イヌにおけるペーシングモデルは、プログラム可能な心臓ペースメーカーの埋め込みに関与する。外科的回復期間の後、心拍は、31〜38日の期間にわたって、180〜240拍/分で漸増して増加する。このモデルは、心不全の異なる段階の研究を可能にし、正常な心臓から無症候性左心室機能障害へ、明白な鬱血性心不全へ発達する(Luchnerら、Eur J Heart Failure,2000)。このモデルの特徴としては、心拍の増加、増加した心臓充填圧(cardiac filling pressure)、低い心臓アウトプット、水腫形成および交感神経系の活性化ならびに他の血管収縮ホルモンが挙げられる(Arnoldaら、Austr.NZ J Med.,1999)。このペーシングモデルは、心不全におけるANPとBNPとの両方の効果の研究において以前に使用された(Luchnerら、2000;およびYamamotoら,Am J Physiol,1997)。
【0398】
(インビボ結果)
表13および14は、それぞれ7週齢のSHRラットおよび7週齢のWinstar−Kyotoラットにおけるインビボの結果を示す。尿分泌の増加およびcGMP発現の増加が、実施例3の化合物の注入後24時間および48時間で測定された。ラット1kg当たり1mg、2mgおよび4mgの化合物の濃度が、生理食塩水溶液と比較して試験された。コントロール値が、注入前にとられた(投薬以前)。尿分泌( Vol.)が、投薬以前の値を超える尿のmL/日で表される。cGMP発現(cGMP)は、nmol/日で報告され、RIA法により測定された。
【0399】
【表13】

【0400】
【表14】

本発明が、その特定の実施形態と関係付けられて記載される一方、さらなる改変が可能であることが理解され、そして本願は、一般に本発明の原理に従う、本発明が関連する分野内で公知または慣習的であるような、そして本明細書中以前に示された必要不可欠な特徴に適用され得るような、そして添付の特許請求の範囲内に従うような本発明からの逸脱を含む、本発明のあらゆる変形例、使用法または適合を網羅するように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0401】
【図1】図1は、ヨウ素法を用いて実施した環化の前後のNPペプチドのLC/MSプロファイルの重ね合わせを示す。
【図2】図2は、125I−rANPの置き換えによる、モルモットの副腎膜に対する市販のヒトANP(hANP)、合成ヒトANP(ネイティブANP)、および4つのNP結合体の結合活性を示す。
【図3】図3は、125I−rANPの置き換えによる、モルモットの副腎膜に対する市販のヒトBNP(hBNP)、合成ヒトBNP(ネイティブBNP)、および4つのNP結合体の結合活性を示す。
【図4】図4および5は、社内で合成したヒトANP(ネイティブANP)、5つのNP結合体、および2つのNPペプチドとインキュベートしたヒトHELA細胞におけるGMP産生の増加を示す。
【図5】図4および5は、社内で合成したヒトANP(ネイティブANP)、5つのNP結合体、および2つのNPペプチドとインキュベートしたヒトHELA細胞におけるGMP産生の増加を示す。
【図6】図6は、社内で合成したヒトBNP(ネイティブBNP)、および4つのNP結合体、とインキュベートしたヒトHELA細胞におけるGMP産生の増加を示す。
【図7】図7は、2つの対応するNP結合体と比較した、hANPのヒト血漿中でのインビトロ分解を示す。
【図8】図8は、hANP配列に沿ったNEP酵素の切断部位を示す。
【図9】図9は、対応するNP結合体、および参考としてキャップしたヒト血清アルブミンと比較して、hANPのNEP酵素によるインビトロ分解を示す。
【図10】図10は、2つの対応するNP結合体と比較した、hANP(市販のものおよび自前で合成したもの)のラットでの薬物動態を示す。
【配列表】



























【特許請求の範囲】
【請求項1】
NPペプチドおよび該NPペプチドに結合した反応性実体を含むナトリウム排泄増加性ペプチド誘導体であって、該反応性実体は、血液成分上の官能基と共有結合され得;ここで該NPペプチドは、以下の式の配列:
【化1】

有し、ここで、
は、Thrまたは非存在であり;
は、Ser、Thr、Alaまたは非存在であり;
は、Pro、Hpr、Valまたは非存在であり;
は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
は、Met、Leu、Ile、酸化的安定性Met−置換アミノ酸、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
は、Gln、Asn、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Ser、Thrまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α(∝)−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Arg、Lys、D−Lys、Asp、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
15は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、GlnまたはAspであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、Val、LeuまたはIleであり;
22は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、GlnまたはAsnであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Gln、Hisまたは非存在であり;
29は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nle、Ser、Thrまたは非存在であり;
30は、Leu、Nle、Ile、Val、Met、Ala、D−Ala、Phe、Tyrまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Tyr、Phe、Trp、Thr、Serまたは非存在であり;
33は、His、Asn、Gln、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基であり;
ここで、ペプチド結合は、Arg18およびIle19に連結し、そしてCys11とCys27との間の線は、直接的ジスルフィドブリッジを示す、誘導体。
【請求項2】
請求項1に記載の誘導体であって、以下:
は、Thrまたは非存在であり;
は、Alaまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Argまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Leu、Ile、Nle、Met、Val、Ala、Pheまたは非存在であり;
は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Ser、Thrまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミドおよびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
15は、Arg、Lys、D−LysまたはAspであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ala、D−Ala、Val、LeuまたはIleであり;
22は、GlnまたはAsnであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Asn、Gln、His、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
29は、Ser、Thrまたは非存在であり;
30は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Alaまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Tyr、Phe、Trp、Thr、Serまたは非存在であり;
33は、非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である、誘導体。
【請求項3】
請求項2に記載の誘導体であって、以下:
は、Thrまたは非存在であり;
は、Alaまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Argまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
は、Leuまたは非存在であり;
は、Arg、Aspまたは非存在であり;
は、Arg、Aspまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
10は、Serまたは非存在であり;
12は、PheまたはN−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミドおよびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPheであり;
13は、Glyであり;
14は、Glyであり;
15は、ArgまたはAspであり;
16は、MetまたはIleであり;
20は、Glyであり;
21は、Alaであり;
22は、Glnであり;
24は、Glyであり;
26は、Glyであり;
28は、Asnまたは非存在であり;
29は、Serまたは非存在であり;
30は、Pheまたは非存在であり;
31は、Arg、Aspまたは非存在であり;
32は、Tyrまたは非存在であり;
33は、非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である、誘導体。
【請求項4】
前記NPペプチドが、配列番号1、配列番号8、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号17および配列番号19から選択される群より選択される、請求項3に記載の誘導体。
【請求項5】
配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号14、配列番号16、配列番号18および配列番号20からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項6】
請求項1に記載の誘導体であって、以下:
は、非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Pro、Hpr、Valまたは非存在であり;
は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
は、Met、Leu、Ile、酸化的安定性Met−置換アミノ酸または非存在であり;
は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
は、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Gly、Pro、Ala、D−Alaまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Gly、Pro、Ala、D−Alaまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Arg、Lys、D−LysまたはAspであり;
15は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、AsnまたはGlnであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
22は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
29は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
30は、Leu、Nle、Ile、Val、Met、Ala、D−Ala、Pheまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
33は、His、Asn、Gln、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である、誘導体。
【請求項7】
請求項6に記載の誘導体であって、以下:
は、非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Lysまたは非存在であり;
は、Met、Ileまたは非存在であり;
は、Valまたは非存在であり;
は、Glnまたは非存在であり;
は、Glyまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
10は、Glyまたは非存在であり;
12は、PheまたはN−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPheであり;
13は、Glyであり;
14は、ArgまたはAspであり;
15は、LysまたはArgであり;
16は、MetまたはIleであり;
20は、Serであり;
21は、Serであり;
22は、Serであり;
24は、Glyであり;
26は、Glyであり;
28は、Lys、Argまたは非存在であり;
29は、Valまたは非存在であり;
30は、Leuまたは非存在であり;
31は、Arg、Aspまたは非存在であり;
32は、Arg、Aspまたは非存在であり;
33は、Hisまたは非存在である、誘導体。
【請求項8】
前記NPペプチドが、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号28、配列番号31、配列番号34、配列番号37、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48および配列番号51からなる群より選択される、請求項7に記載の誘導体。
【請求項9】
配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号29、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号41、配列番号43、配列番号44、配列番号46、配列番号47、配列番号49、配列番号50、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56および配列番号57からなる群より選択される、請求項1、6〜8のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項10】
80%以上程度の選択性で、血液成分上で単一の官能基と選択的に共有結合し得る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項11】
前記誘導体が、誘導体:血液成分を1:1の比率で該血液成分と結合する、請求項10のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項12】
前記反応性実体が、マレイミドまたはマレイミド含有基である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項13】
前記反応性実体が、MPAである、請求項13に記載の誘導体。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体を、薬学的に受容可能なキャリアと組み合せて含む、薬学的組成物。
【請求項15】
うっ血性心不全の処置のための請求項16に記載の組成物。
【請求項16】
高血圧の処置のための請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
被験体におけるうっ血性心不全を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
血液成分と共有結合した、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体を含む結合体であって、該共有結合が、インビボまたはエキソビボで実施される、結合体。
【請求項19】
前記反応性実体が、マレイミドまたはマレイミド含有基であり、そして該血液成分が血液タンパク質である、請求項18に記載の結合体。
【請求項20】
前記血液タンパク質が、血清アルブミンである、請求項19に記載の結合体。
【請求項21】
被験体におけるうっ血性心不全を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項18〜20のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項22】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のNPペプチドのインビボ半減期を延長させる方法であって、該方法は、血液成分と共有結合を形成し得る反応基を該NPペプチドに結合させ、インビボまたはエキソビボで該NPペプチドを血液成分に共有結合させる工程を包含する、方法。
【請求項23】
前記血液成分が、血清アルブミンである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
被験体における腎機能障害を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項18〜20のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項25】
被験体における高血圧を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項18〜20のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
被験体における喘息を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項18〜20のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NPペプチドおよび該NPペプチドに結合した反応性実体を含むナトリウム排泄増加性ペプチド誘導体であって、該反応性実体は、血液成分上の官能基と共有結合され得;ここで該NPペプチドは、以下の式の配列:
【化1】

有し、ここで、
は、Thrまたは非存在であり;
は、Ser、Thr、Alaまたは非存在であり;
は、Pro、Hpr、Valまたは非存在であり;
は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
は、Met、Leu、Ile、酸化的安定性Met−置換アミノ酸、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
は、Gln、Asn、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Gly、Pro、Ala、D−Ala、Ser、Thrまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α(∝)−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Arg、Lys、D−Lys、Asp、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
15は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、GlnまたはAspであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、Val、LeuまたはIleであり;
22は、Ser、Gly、Ala、D−Ala、Pro、GlnまたはAsnであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Gln、Hisまたは非存在であり;
29は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nle、Ser、Thrまたは非存在であり;
30は、Leu、Nle、Ile、Val、Met、Ala、D−Ala、Phe、Tyrまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Tyr、Phe、Trp、Thr、Serまたは非存在であり;
33は、His、Asn、Gln、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
、CONHあり;
ここで、ペプチド結合は、Arg18およびIle19に連結し、そしてCys11とCys27との間の線は、直接的ジスルフィドブリッジを示す、誘導体。
【請求項2】
NPペプチドおよび該NPペプチドに結合した反応性実体を含むナトリウム排泄増加性ペプチド誘導体であって、該反応性実体は、血液成分上の官能基と共有結合され得;ここで該NPペプチドは、以下の式の配列:
【化2】

有し、ここで、:
は、Thrまたは非存在であり;
は、Alaまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Argまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Leu、Ile、Nle、Met、Val、Ala、Pheまたは非存在であり;
は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lys、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Ser、Thrまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミドおよびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
15は、Arg、Lys、D−LysまたはAspであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ala、D−Ala、Val、LeuまたはIleであり;
22は、GlnまたはAsnであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Asn、Gln、His、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
29は、Ser、Thrまたは非存在であり;
30は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Alaまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Tyr、Phe、Trp、Thr、Serまたは非存在であり;
33は、非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
は、COOH、CONHまたはC末端ブロック基である、誘導体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の誘導体であって、ここで
は、Thrまたは非存在であり;
は、Alaまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Argまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
は、Leuまたは非存在であり;
は、Arg、Aspまたは非存在であり;
は、Arg、Aspまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
10は、Serまたは非存在であり;
12は、PheまたはN−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミドおよびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPheであり;
13は、Glyであり;
14は、Glyであり;
15は、ArgまたはAspであり;
16は、MetまたはIleであり;
20は、Glyであり;
21は、Alaであり;
22は、Glnであり;
24は、Glyであり;
26は、Glyであり;
28は、Asnまたは非存在であり;
29は、Serまたは非存在であり;
30は、Pheまたは非存在であり;
31は、Arg、Aspまたは非存在であり;
32は、Tyrまたは非存在であり;
33は、非存在である、誘導体。
【請求項4】
前記NPペプチドが、配列番号1、配列番号8、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号17および配列番号19からる群より選択される、請求項3に記載の誘導体。
【請求項5】
列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号14、配列番号16、配列番号18および配列番号20からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項6】
請求項1に記載の誘導体であって、ここで
は、非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
は、Pro、Hpr、Valまたは非存在であり;
は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
は、Met、Leu、Ile、酸化的安定性Met−置換アミノ酸または非存在であり;
は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
は、Gln、Asnまたは非存在であり;
は、Gly、Pro、Ala、D−Alaまたは非存在であり;
は、Ser、Thrまたは非存在であり;
10は、Gly、Pro、Ala、D−Alaまたは非存在であり;
12は、Phe、Tyr、Leu、Val、Ile、Ala、D−Ala、N−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPhe、またはNEP酵素に耐性のある前記アナログを与えるPhe置換アミノ酸であり;
13は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
14は、Arg、Lys、D−LysまたはAspであり;
15は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、AsnまたはGlnであり;
16は、Met、Leu、Ileまたは酸化的安定性Met−置換アミノ酸であり;
20は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
21は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
22は、Ser、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
24は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
26は、Gly、Ala、D−AlaまたはProであり;
28は、Lys、D−Lys、Arg、D−Arg、Asn、Glnまたは非存在であり;
29は、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Ala、D−Ala、Nleまたは非存在であり;
30は、Leu、Nle、Ile、Val、Met、Ala、D−Ala、Pheまたは非存在であり;
31は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
32は、Arg、D−Arg、Asp、Lys、D−Lysまたは非存在であり;
33は、His、Asn、Gln、Lys、D−Lys、Arg、D−Argまたは非存在であり;
は、NHまたはN末端ブロック基であり;
、CONHある、誘導体。
【請求項7】
請求項6に記載の誘導体であって、ここで
は、非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
は、Proまたは非存在であり;
は、Lysまたは非存在であり;
は、Met、Ileまたは非存在であり;
は、Valまたは非存在であり;
は、Glnまたは非存在であり;
は、Glyまたは非存在であり;
は、Serまたは非存在であり;
10は、Glyまたは非存在であり;
12は、PheまたはN−α−メチル、メチルアミノ、ヒドロキシエチル、ヒドラジノ、エチレン、スルホンアミド、およびN−アルキル−β−アミノプロピオン酸からなる群から選択されるそのアミド結合の同配位置換を有するPheであり;
13は、Glyであり;
14は、ArgまたはAspであり;
15は、LysまたはArgであり;
16は、MetまたはIleであり;
20は、Serであり;
21は、Serであり;
22は、Serであり;
24は、Glyであり;
26は、Glyであり;
28は、Lys、Argまたは非存在であり;
29は、Valまたは非存在であり;
30は、Leuまたは非存在であり;
31は、Arg、Aspまたは非存在であり;
32は、Arg、Aspまたは非存在であり;
33は、Hisまたは非存在である、誘導体。
【請求項8】
前記NPペプチドが、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号28、配列番号31、配列番号34、配列番号37、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48および配列番号51からなる群より選択される、請求項7に記載の誘導体。
【請求項9】
配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号29、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号41、配列番号43、配列番号44、配列番号46、配列番号47、配列番号49、配列番号50、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56および配列番号57からなる群より選択される、請求項1、6〜8のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項10】
80%以上程度の選択性で、血液成分上で単一の官能基と選択的に共有結合し得る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項11】
前記誘導体が、誘導体:血液成分を1:1の比率で該血液成分と結合する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項12】
前記反応性実体が、マレイミドまたはマレイミド含有基である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項13】
前記反応性実体が、MPAである、請求項13に記載の誘導体。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体を、薬学的に受容可能なキャリアと組み合せて含む、薬学的組成物。
【請求項15】
うっ血性心不全の処置のための請求項16に記載の組成物。
【請求項16】
高血圧の処置のための請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
被験体におけるうっ血性心不全を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
うっ血性心不全を処置のための医薬の調製のための、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体の使用。
【請求項19】
血液成分と共有結合した、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体を含む結合体であって、該共有結合が、インビボまたはエキソビボで実施される、結合体。
【請求項20】
前記反応性実体が、マレイミドまたはマレイミド含有基であり、そして該血液成分が血液タンパク質である、請求項19に記載の結合体。
【請求項21】
前記血液タンパク質が、血清アルブミンである、請求項20に記載の結合体。
【請求項22】
被験体におけるうっ血性心不全を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項19〜21のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項23】
うっ血性心不全を処置のための医薬の調製のための、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせての、請求項19〜21のいずれか1項に記載の誘導体の使用。
【請求項24】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のNPペプチドのインビボ半減期を延長させる方法であって、該方法は、血液成分と共有結合を形成し得る反応基を該NPペプチドに結合させ、インビボまたはエキソビボで該NPペプチドを血液成分に共有結合させる工程を包含する、方法。
【請求項25】
前記血液成分が、血清アルブミンである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
被験体における腎機能障害を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項19〜21のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項27】
腎機能障害を処置のための医薬の調製のための、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項19〜21のいずれか1項に記載の結合体の使用。
【請求項28】
被験体における高血圧を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項19〜21のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
高血圧を処置のための医薬の調製のための、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項19〜21のいずれか1項に記載の結合体の使用。
【請求項30】
被験体における喘息を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項19〜21のいずれか1項に記載の結合体を、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項31】
喘息を処置のための医薬の調製のための、単独または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の誘導体または請求項19〜21のいずれか1項に記載の結合体の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−514607(P2006−514607A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−523679(P2004−523679)
【出願日】平成15年7月29日(2003.7.29)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001097
【国際公開番号】WO2004/011498
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(500209099)コンジュケム,インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】