説明

長襦袢。長襦袢と、帯揚げ、1対の下駄のセット。

【課題】きもの初心者でも、トータルコーディネートの観点で優れた長襦袢を選択でき、長襦袢の製造コストの削減、長襦袢を製造するための襦袢地から出る端切れを有効に活用する。
【解決手段】長襦袢は、和服の一種である長襦袢であって、当該長襦袢は、半衿が着脱して交換できるようになっており、当該長襦袢は、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、和服の一種である長襦袢に関するものであり、特に、きもの初心者でもトータルコーディネートがしやすく、製造コストの削減や端切れの有効活用ができる、長襦袢に関するものである。
【背景技術】
【0002】
和服の一種である襦袢の種類としては、肌襦袢、長襦袢、振袖長襦袢、半襦袢、二部式襦袢、などがある。
「肌襦袢」は、長襦袢の下に着用する肌着であり、肌に直接触れるものであるため、晒などの綿生地で仕立てられることが多い。
「長襦袢」は、形状は着物に似ており、肌襦袢と長着(着物)の間に着る襦袢である。
「振袖長襦袢」は、他の襦袢とは違い、袂(たもと)に長さと丸みのある特徴があり、振袖用の長襦袢である。
「半襦袢」は、胴部分が晒でできており、洗濯がしやすくなっている、長襦袢よりも着丈が短い襦袢である。
「二部式襦袢」は、上半身の部分(肌襦袢)と、下半身の部分(裾よけ)が分かれている、襦袢である。
【0003】
これらのうち、「長襦袢」は、長着(着物)の下に着る襦袢であり、長着姿で動いたときに、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から、長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが、他人から見える。
【0004】
きもの初心者にとって、トータルコーディネートの観点で、どのような「長襦袢」を選択するかは、大きな悩みのタネである。
【0005】
また、「長襦袢」の上に着る長着(着物)の帯の帯揚げや、履物の下駄を、どのように選択して組み合わせるかも、やはり、きもの初心者にとって、トータルコーディネートの観点で大きな悩みのタネである。
【0006】
なお、本出願人は、これらの従来技術に関する先行技術文献を、特に知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、きもの初心者にとって、トータルコーディネートの観点で、どのような「長襦袢」、「帯揚げ」、「下駄」の組み合わせを選択するかは、大きな悩みのタネである。
【0008】
また、「長襦袢」の部位のうち、最も汚れやすい部位である半衿は、通常、白色などの地味な色が多く、トータルコーディネートの観点では物足りなかった。従来、この半衿は、長襦袢を製造するための生地である襦袢地とは異なる、半衿専用の生地で製造されていた。
【0009】
加えて、製造コストの削減や、「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れの有効活用も、本発明が解決しようとする課題である。「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れは、エコロジー等の観点で再利用が望ましいが、従来、業界として半端な端切れの有効な活用法が見つけられず、捨てられることも多かった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1、(1)
【0011】
そこで、上記課題を解決するため、本発明に係る長襦袢は、
半衿が着脱して交換できるようになっており、
当該長襦袢は、
色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されていること、
を、特徴とする。
【0012】
(2)
【0013】
本発明でいう「長襦袢」には、「振袖長襦袢」、「二部式襦袢」も含まれる。
また、本発明でいう「長襦袢」には、「女性用」だけでなく、「男性用」も含まれ、「袷」だけでなく、「単衣」も含まれる。
「半衿が着脱して交換できるようになっている」とは、「長襦袢」の部位のうち、最も汚れやすい部位である「半衿」が、「長襦袢」の本体から着脱して「半衿」自体を交換できるように、例えば、「半衿」及び「長襦袢本体」のそれぞれの接続部にファスナー機構が採用されているような状態をいう。
「長襦袢」は、大別すると、「表地」、「裏地」、「半衿」、「地衿」、の4つの部位に分けられる。これらのうち、本発明に係る長襦袢は、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む「表地」と、「半衿」とが製造されている。
なお、近年の「長襦袢」は、「裏地」を採用せずに、「居敷当(いしきあて)」を採用しているものが多い。このような「長襦袢」は、大別すると、「表地」、「居敷当(いしきあて)」、「半衿」、「地衿」、の4つの部位に分けられる。「居敷当(いしきあて)」は、単衣仕立ての衣の尻が当たるあたりに、背縫い目が開かないように補強のために裏(中)から当てる四角い厚地の布片である。
「色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されている」とは、例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で仕立てた長襦袢、が該当する。但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢が製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢、も該当する。
【0014】
(3)
【0015】
本発明により、本発明に係る長襦袢を着用し、長着(着物)を上に着て、長着姿で動いたときに、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが、他人から見えることになる。
本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とは、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できる。
特に、他人から見え、一番印象的なのは衿元であり、衿元から見える半衿は、最も汚れやすいため、ファスナー等により、速やかに新しい半衿に交換可能である。好みで、他の様々な柄の半衿に交換することもできる。
加えて、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されているため、製造コストの削減や、「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れの有効活用も実現する事ができる。
さらに、例えば、マネキン等に、本発明に係る長襦袢を着用させ、長着(着物)を上に着させ、ショーウインドウ等で展示した場合に、少なくとも、衿元から本発明に係る長襦袢の半衿が見えることになる。
これは、本発明に係る長襦袢の表地と半衿とが、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、マネキン等に長着(着物)を上に着させた状態でも、長着(着物)の下に着ている本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地の色及び模様を、衿元から見える半衿を通し、長襦袢を購入しようとする方が簡単に把握することができる。
すなわち、本発明に係る長襦袢と長着(着物)との全体的なコーディネートについて、長襦袢を購入しようとする方が確認した上で、さらに、マネキン等から長着(着物)を脱がさなくても、長着(着物)の下に着ている本発明に係る長襦袢の表地も把握することができる。
従来とは異なり、お店側にとっても、長襦袢を購入しようとする方にとっても、両者にとって効率的な販売展示が可能となるという、顕著な効果が存在する。
【0016】
2、(1)
【0017】
上記課題を解決するため、他の発明に係る長襦袢と、帯揚げとのセットは、
前記の長襦袢と、帯揚げとのセットであって、
前記長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該帯揚げも製造されていること、を、特徴とする。
【0018】
(2)
【0019】
「帯揚げ」とは、着物の着付けに用いる小道具の一種であって、帯枕を包むものである。
「長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該帯揚げも製造されている」とは、例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、帯揚げも仕立てる場合、が該当する。但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び帯揚げが製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた帯揚げ、も該当する。
【0020】
(3)
【0021】
本発明により、本発明に係る長襦袢を着用し、長着(着物)を上に着て、本発明に係る帯揚げを締め、長着姿で動いたときに、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが、他人から見えることになる。加えて、本発明に係る帯揚げも一緒に、他人から見えることになる。
本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、本発明に係る帯揚げは、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から見える、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、本発明に係る帯揚げとに、色及び模様の統一感がうまれ、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できる。
加えて、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、帯揚げとが製造されているため、製造コストの削減や、「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れの有効活用も実現する事ができる。
さらに、例えば、マネキン等に、本発明に係る長襦袢を着用させ、長着(着物)を上に着させ、ショーウインドウ等で展示した場合に、少なくとも、衿元から本発明に係る長襦袢の半衿が見え、本発明に係る帯揚げも見えることになる。
これは、本発明に係る長襦袢の表地と半衿と、本発明に係る帯揚げとが、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、マネキン等に長着(着物)を上に着させた状態でも、長着(着物)の下に着ている本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地の色及び模様を、衿元から見える半衿や、帯揚げを通し、長襦袢を購入しようとする方が簡単に把握することができる。
すなわち、本発明に係る長襦袢と長着(着物)と帯揚げとの全体的なコーディネートについて、長襦袢を購入しようとする方が確認した上で、さらに、マネキン等から長着(着物)を脱がさなくても、長着(着物)の下に着ている本発明に係る長襦袢の表地も把握することができる。
従来とは異なり、お店側にとっても、長襦袢を購入しようとする方にとっても、両者にとって効率的な販売展示が可能となるという、顕著な効果が存在する。
【0022】
3、(1)
【0023】
上記課題を解決するため、他の発明に係る長襦袢と、1対の下駄とのセットは、
前記の長襦袢と、1対の下駄とのセットであって、
前記長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該1対の下駄の緒も製造されていること、
を、特徴とする。
【0024】
(2)
【0025】
「下駄」とは、足を乗せる木製の板に、歯と呼ぶ接地用の突起部を付け、眼と呼ぶ孔を3つ穿ち、そこに鼻緒(緒)を通した上で、足の親指と人差し指の間に鼻緒(緒)を挟んで履く、日本の伝統的な履物である。
「1対の下駄」とは、左右の下駄2つが1対となっている、という意味である。
「下駄の緒」とは、上記鼻緒(緒)のことである。
「長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該1対の下駄の緒も製造されている」とは、例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、1対の下駄の緒も仕立てる場合、が該当する。但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び1対の下駄の緒が製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた1対の下駄の緒、も該当する。
【0026】
(3)
【0027】
本発明により、本発明に係る長襦袢を着用し、長着(着物)を上に着て、本発明に係る1対の下駄を履き、長着姿で動いたときに、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが、他人から見えることになる。加えて、本発明に係る1対の下駄の緒も一緒に、他人から見えることになる。
本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、本発明に係る1対の下駄の緒は、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から見える、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、本発明に係る1対の下駄の緒とに、色及び模様の統一感がうまれ、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できる。
加えて、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、1対の下駄の緒とが製造されているため、製造コストの削減や、「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れの有効活用も実現する事ができる。
さらに、例えば、マネキン等に、本発明に係る長襦袢を着用させ、長着(着物)を上に着させ、本発明に係る下駄を履かせて、ショーウインドウ等で展示した場合に、少なくとも、衿元から本発明に係る長襦袢の半衿が見え、本発明に係る下駄の緒も見えることになる。
これは、本発明に係る長襦袢の表地と半衿と、本発明に係る下駄の緒とが、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、マネキン等に長着(着物)を上に着させた状態でも、長着(着物)の下に着ている本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地の色及び模様を、衿元から見える半衿や、下駄の緒を通し、長襦袢を購入しようとする方が簡単に把握することができる。
すなわち、本発明に係る長襦袢と長着(着物)と下駄の緒との全体的なコーディネートについて、長襦袢を購入しようとする方が確認した上で、さらに、マネキン等から長着(着物)を脱がさなくても、長着(着物)の下に着ている本発明に係る長襦袢の表地も把握することができる。
従来とは異なり、お店側にとっても、長襦袢を購入しようとする方にとっても、両者にとって効率的な販売展示が可能となるという、顕著な効果が存在する。
【発明の効果】
【0028】
上記の発明により、長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とは、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できる。
特に、他人から見え、一番印象的なのは衿元であり、衿元から見える半衿は、最も汚れやすいため、ファスナー等により、速やかに新しい半衿に交換可能である。好みで、他の様々な柄の半衿に交換することもできる。
加えて、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されているため、製造コストの削減や、「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れの有効活用も実現する事ができる。
また、長襦袢と長着(着物)との全体的なコーディネートについて、長襦袢を購入しようとする方が確認した上で、さらに、マネキン等から長着(着物)を脱がせずに、長襦袢の表地も把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】女性用の長襦袢の部位の説明図
【図2】長着(着物)の説明図1
【図3】長着(着物)の説明図2
【図4】長着(着物)の説明図3
【発明を実施するための形態】
【0030】
1、
【0031】
長襦袢の作り方は、長着(着物)とほぼ同じである。
長着(着物)と比べ、サイズ(袖丈や身幅など)は若干小さめにして、裁断型紙を布(襦袢地)に写す。
そして、縫い代をつけて、布(襦袢地)を裁つ。
ただし、裾と前端と、袖の振り(内側)に、一定の幅を確保する。
衿も、縫いしろ込みで、一定の幅を確保する。
【0032】
その上で、背中心、脇、を縫製し、前端と裾の縫い代を裏に折ってまつる。
さらに、衿幅を確保して衿を縫いつけ、袖を縫う。
加えて、身頃に袖を縫いつけ、袖口、振り、身八つ口、の縫い代をまつる。
続いて、半衿用の布を裁ち、ふたつに折って衿にかぶせ、しっかり縫いつける。
【0033】
布(襦袢地)の残った端切れを使い、長襦袢の半衿、長着(着物)の八掛、帯締め、帯揚げ、下駄の緒、足袋、髪飾り等のアクセサリ、等を製造する。長襦袢の半衿、長着(着物)の八掛、帯締め、帯揚げ、下駄の緒、足袋、髪飾り等のアクセサリ、等の製造方法は、従来の方法と同様である。
【0034】
2、
【0035】
図1は、本発明に係る長襦袢のうち、女性用の長襦袢の部位の説明図である。
「長襦袢」は、大別すると、「表地」、「裏地」、「半衿」、「地衿」、の4つの部位に分けられる。これらのうち、本発明に係る長襦袢は、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む「表地」と、「半衿」とが製造されている。
なお、近年の「長襦袢」は、「裏地」を採用せずに、「居敷当(いしきあて)」を採用しているものが多い。このような「長襦袢」は、大別すると、「表地」、「居敷当(いしきあて)」、「半衿」、「地衿」、の4つの部位に分けられる。
「色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されている」とは、例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で仕立てた長襦袢、が該当する。但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢が製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢、も該当する。
【0036】
本発明に係る長襦袢は、半衿が着脱して交換できるようになっており、「長襦袢」の部位のうち、最も汚れやすい部位である「半衿」が、「長襦袢」の本体から着脱して「半衿」自体を交換できるように、例えば、「半衿」及び「長襦袢本体」のそれぞれの接続部にファスナー機構が採用されているような状態をいう。
【0037】
3、
【0038】
図2、図3、図4は、図1の本発明に係る長襦袢を着た上に、女性用の長着(着物)を着た場合の、女性用の長着(着物)の部位の説明図である。
【0039】
「帯揚げ」は、着物の着付けに用いる小道具の一種であって、帯枕を包むものである。
長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該帯揚げも製造されている。
例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、帯揚げも仕立てる。
但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び帯揚げが製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた帯揚げ、としてもよい。
【0040】
また、長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、1対の下駄の緒も製造されている。
例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、1対の下駄の緒も仕立てる。
但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び1対の下駄の緒が製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた1対の下駄の緒、としてもよい。
【0041】
4、
【0042】
上記の発明により、長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、帯揚げと、1対の下駄の緒とは、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できる。
特に、他人から見え、一番印象的なのは衿元であり、衿元から見える半衿は、最も汚れやすいため、ファスナー等により、速やかに新しい半衿に交換可能である。好みで、他の様々な柄の半衿に交換することもできる。
加えて、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、帯揚げと、1対の下駄の緒と、が製造されているため、製造コストの削減や、「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れの有効活用も実現する事ができる。
図2に示すように、図1の本発明に係る長襦袢を着用し、長着(着物)を上に着て、本発明に係る帯揚げを締め、長着姿で動いたときに、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが、他人から見えることになる。加えて、本発明に係る帯揚げも一緒に、他人から見えることになる。
本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、本発明に係る帯揚げは、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から見える、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿と、本発明に係る帯揚げとに、色及び模様の統一感がうまれ、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できる。
また、色及び模様が統一された本発明に係る長襦袢と同じ襦袢地から、長着(着物)の八掛、帯締め、帯揚げ、下駄の緒、足袋、髪飾り等のアクセサリ、等を製造して着用すれば、色及び模様の統一感がうまれ、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できる。
【0043】
5、
【0044】
「八掛」は、袷(あわせ)長着の裏裾に用いる布であって、前後身頃(みごろ)の裾に4布、衽(おくみ)に2布、衿先に2布、合わせて8枚あるのでこの名がついた。
長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該八掛を製造してもよい。
例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、八掛も仕立てる。
但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び八掛が製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた八掛、としてもよい。
【0045】
「帯締め」は、女帯を結んだとき、解けないように帯の上から締める丸ぐけ・組紐などをいう。お太鼓の内側を通して前面で結ぶ。
長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該帯締めを製造してもよい。
例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、帯締めも仕立てる。
但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び帯締めが製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた帯締め、としてもよい。
【0046】
「足袋」は、主として和装のときに、足にはく袋状の履き物であって、甲と底との部分からなり親指だけが別に分かれ、現在では鞐(こはぜ)留めになっている。
長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該1対の足袋を製造してもよい。
例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、1対の足袋も仕立てる。
但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び1対の足袋が製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた1対の足袋、としてもよい。
【0047】
「髪飾り等のアクセサリ」の例として、つまみの製法(四角に切った布を、折って、花びら一枚を作る製法)をつかった髪飾り、等が該当する。
長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該髪飾りを製造してもよい。
例えば、1つの襦袢地の反物から、1反の襦袢地で、上前・下前・後身頃・袖だけでなく、半衿も共布で長襦袢を仕立て、髪飾りも仕立てる。
但し、常に1つの襦袢地の反物から長襦袢及び1対の足袋が製造される必要もなく、例えば、色及び模様が統一された同じ襦袢地が2つあり、それらから、上前・下前・後身頃・袖、半衿を仕立てた長襦袢と、仕立てた髪飾り、としてもよい。
【0048】
6、
【0049】
また、他の長襦袢の例として、
半衿が着脱して交換できるようになっており、
当該長襦袢は、
色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されており、
当該長襦袢の半衿には、浴衣の内側の衿部分に係止して、長襦袢を浴衣の下に着ているように半衿を見せるための係止具を備えていること、
を特徴とする長襦袢も、考えられる。
【0050】
「浴衣の内側の衿に係止して、長襦袢を浴衣の下に着ているように見せるための係止具」とは、例えば、ホックや面ファスナーのように、浴衣の内側の衿部分に係止して、長襦袢を浴衣の下に着ているように半衿を見せるための係止具、を意味する。
浴衣の場合、長着(着物)の時と違って、下に長襦袢を着ないため、浴衣の衿だけになり、奇麗に整えることは難しい。生地が薄い浴衣も多いことから、浴衣初心者は、あまり気にならなくても、着なれてくると段々と気になってくることが多い。
特に、他人から見え、一番印象的なのは衿元であり、長着(着物)の下に長襦袢を着たときのように、他人から見える衿元の印象も含めて、浴衣をぴっしりと整った形で着こなすことができる。
【0051】
また、本来の長襦袢として着用し、長着(着物)を上に着て、長着姿で動いたときに、長着の袖口、身八つ口、裾、衿元、の各所から、本発明に係る長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが、他人から見えることになる。
長襦袢の上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とは、色及び模様が統一された同じ襦袢地から製造されているため、きもの初心者にとっても、意識せずにトータルコーディネートが実現できるという上記の効果も引き継いでいる。
特に、他人から見え、一番印象的なのは衿元であり、衿元から見える半衿は、最も汚れやすいため、ファスナー等により、速やかに新しい半衿に交換可能である。好みで、他の様々な柄の半衿に交換することもできる。
加えて、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されているため、製造コストの削減や、「長襦袢」を製造するための襦袢地から出る端切れの有効活用も実現する事ができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る長襦袢等を生産、販売することにより、産業の発達に寄与することができるため、産業上の利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
和服の一種である長襦袢であって、
当該長襦袢は、半衿が着脱して交換できるようになっており、
当該長襦袢は、
色及び模様が統一された同じ襦袢地から、上前・下前・後身頃・袖を含む表地と、半衿とが製造されていること、
を、特徴とする、長襦袢。

【請求項2】
請求項1記載の長襦袢と、帯揚げとのセットであって、
前記長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該帯揚げも製造されていること、
を、特徴とする、長襦袢と、帯揚げとのセット。

【請求項3】
請求項1記載の長襦袢と、1対の下駄とのセットであって、
前記長襦袢の表地と半衿を製造する、色及び模様が統一された同じ襦袢地から、当該1対の下駄の緒も製造されていること、
を、特徴とする、長襦袢と、1対の下駄とのセット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−32598(P2013−32598A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167812(P2011−167812)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(711006245)
【Fターム(参考)】