説明

長鎖多価不飽和脂肪酸を含む食品製品、およびそれらを調製するための方法

本発明は、LC PUFAを含む第1の油とLC PUFAを実質的に含まない第2の油との配合物を含む食用油組成物を含む。第1の油は、好ましくは、ω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含みうる。本発明はまた、食品調製の方法、より詳細には、スキレット上での油での加熱調理、油での揚げ調理のための方法、食用脂質を含む食品ソースを調製するための方法、押出し成形された食品製品を調製するための方法、および食品製品、特に以前に加熱調理された食品製品のLC PUFA含量を強化するための方法、ならびにそのような方法に従って調製された食品製品も提供する。そのような組成物および方法は、例えば、LC PUFAの摂取を増やすために有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、食用油組成物、食品調製のための方法、ならびに長鎖多価不飽和脂肪酸、特にω-3長鎖多価不飽和脂肪酸、ω-6長鎖多価不飽和脂肪酸、およびそれらの混合物を含む食品製品に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
有益なω-3多価不飽和脂肪酸(ω-3 PUFA)およびω-3長鎖多価不飽和脂肪酸(LC PUFA)の食事摂取量を増加させることは望ましい。他の有益な栄養素にはω-6長鎖多価不飽和脂肪酸がある。本明細書で用いる場合、長鎖多価不飽和脂肪酸すなわちLC PUFAに対する言及は、20個またはそれ以上の炭素を有する多価不飽和脂肪酸のことを指す。ω-3 PUFAは、動脈硬化および冠動脈性心疾患を予防するため、炎症性病状、認知障害および痴呆に関連した疾患を軽減するため、ならびに腫瘍細胞の成長を遅延させるために重要な食品化合物として認識されている。ω-3 PUFAの1つの重要なクラスはω-3 LC PUFAである。ω-6 LC-PUFAは、ヒトの身体における構造的な脂質としてだけでなく、プロスタグランジンおよびロイコトリエンといった、炎症におけるいくつかの因子の前駆体としての役割も果たす。
【0003】
脂肪酸はカルボン酸であり、炭素鎖の長さおよび飽和特性に基づいて分類される。短鎖脂肪酸は2〜約6個の炭素を有し、典型的には飽和性である。中鎖脂肪酸は約6〜約18個の炭素を有し、飽和性のことも不飽和性のこともある。長鎖脂肪酸は20〜24個またはそれ以上の炭素を有し、同じく飽和性のことも不飽和性のこともある。より長鎖の脂肪酸には、1つまたは複数の不飽和箇所がある場合があり、それぞれ「一不飽和」および「多価不飽和」という用語の元になっている。長鎖PUFA(LC PUFA)は本発明において特に関心の対象である。
【0004】
LC PUFAは、十分に合意が得られている命名法に従い、脂肪酸の中の二重結合の数および位置に従ってカテゴリー化される。脂肪酸のメチル末端に最も近い二重結合の位置に応じて、LC PUFAには2つの系列またはファミリーがある:ω-3(またはn-3またはオメガ-3)系列は3番目の炭素に二重結合を含み、一方、ω-6(またはn-6またはオメガ-6)系列は6番目の炭素まで二重結合を有しない。したがって、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)は、炭素22個の鎖の長さを有し、メチル末端から3番目の炭素から始まる6つの二重結合を伴っており、「22:6 n-3」と命名される。もう1つの重要なLC PUFAはエイコサペンタエン酸(「EPA」)であり、「20:5 n-3」と命名される。
【0005】
DHAおよびARAといったω-3およびω-6脂肪酸のデノボまたは「新規」合成はヒトの身体内では起こらない;しかしながら、身体はより短鎖の脂肪酸をDHAおよびARAといったLC PUFAに変換することができるが、その効率は極めて低い。ω-3およびω-6脂肪酸は両方とも栄養摂取量の一部でなければならないが、それはヒトの身体が、その分子の末端から数えて7番目の炭素よりもオメガ末端側の近くには二重結合を挿入することができないためである。したがって、すべての代謝変換は、ω-3およびω-6二重結合を含む分子のオメガ末端を変化させることなしに起こる。結果的に、ω-3およびω-6酸は、ヒトの身体内で相互変換されないため、必須脂肪酸の2つの別のファミリーである。
【0006】
過去20年にわたって、保健の専門家は、飽和脂肪がより少なくて多価不飽和脂肪がより多い食事を推奨してきた。この助言に多数の消費者が従ってきたが、心疾患、癌、糖尿病および多くの他の消耗性疾患の発生率は絶え間なく上昇し続けている。科学者は、多価不飽和脂肪のタイプおよび源が、脂肪の総量と同じ程度に決定的に重要であることに合意している。最も多くみられる多価不飽和脂肪は植物質に由来し、長鎖脂肪酸を欠いている(最も詳細にはω-3 LC-PUFA)。さらに、合成脂肪を作り出すための多価不飽和脂肪の水素化は、ある種の健康障害の発生をもたらし、いくつかの必須脂肪酸の欠乏症を悪化させている。実際に、ω-3補給によって恩恵を受ける多くの病状が同定されている。これらには、座瘡、アレルギー、アルツハイマー病、関節炎、アテローム性動脈硬化、乳房嚢胞、癌、嚢胞性繊維症、糖尿病、湿疹、高血圧、活動亢進、腸疾患、腎機能不全、白血病および多発性硬化症が含まれる。注目すべきことに、世界保健機構は乳幼児用調合乳(infant formula)に対してω-3およびω-6脂肪酸を強化するように推奨している。
【0007】
肉に由来する多価不飽和物はかなりの量のω-6を含むが、ω-3についてはほとんどまたは全く含まない。ω-6およびω-3脂肪酸はどちらも良好な健康のために必要であるが、それらは約4:1のバランスで摂取しなければならない。現代の西洋食は、ω-6がω-3よりも平均20倍多いという、現行の消費に伴う重大なアンバランスを生み出している。懸念を抱いている消費者は、均衡を回復させるための保健用補助食品を探し始めている。ω-3の主たる供給源はアマニ油および魚油である。過去10年間でアマニ油および魚油の生産には急激な増加がみられる。どちらのタイプの油もω-3多価不飽和脂肪の優れた食事性供給源であると考えられる。アマニ油はEPA、DHA、またはDPAを含まないが、その代わりにリノレン酸‐身体によって伸長されてより長鎖のPUFAを構成することのできる構成単位‐を含む。しかし、代謝変換の速度は低く不安定な恐れがあり、健康が障害された者では特にそうである。魚油は、具体的な種およびその食事に応じて、脂肪酸組成のタイプおよびレベルに関して大きな差がある。例えば、水産養殖によって育てられた魚は、野生の魚よりもω-3脂肪酸のレベルが低い傾向がある。そのようなω-3およびω-6 LC-PUFAの健康上の有益性を考慮すると、食品にそのような脂肪酸を補給することが望ましいと考えられる。
【0008】
ω-3 LC PUFAの供給源が不足しているため、典型的な家庭調理(home-prepared)食品および即席食品は、ω-3 PUFA、ならびにドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、およびエイコサペンタエン酸といったω-3 LC PUFA(鎖の長さが20を上回る)の両方が少ない。そのようなω-3 LC PUFA(鎖の長さが20を上回る)の健康上の有益性を考慮すると、食品にそのような脂肪酸を補給することが望ましいと考えられる。
【0009】
LC PUFAを伴って調製された食品および栄養補助食品はより健康的と思われるが、それらはまた、酸敗を受けやすくもなる。不飽和脂肪酸などの脂質における酸敗は酸化異臭発生を伴う。酸化異臭発生は、個々の食品の風味、芳香、および栄養価に影響を及ぼす食品の劣化を必然的に伴う。脂質における、それ故にそれらを含む製品における酸化異臭発生の主な源は、脂質と酸素との化学反応である。この酸化反応が進行する速度は一般に、温度、脂質の不飽和度、酸素レベル、紫外光曝露、微量の酸化促進性金属(鉄、銅またはニッケル)の存在、リポキシダーゼ酵素などの要因によって影響されることがわかっている。
【0010】
不飽和脂肪酸の酸化の感受性および速度は、特に不飽和度が高まるのに応じて劇的に高まりうる。この点に関して、EPAおよびDHAはそれぞれ5つおよび6つの二重結合を含む。この高レベルの不飽和性は、ω-3脂肪酸が容易に酸化されるようにする。そのような油の生来の不安定性は、比較的短い貯蔵期間の後でさえ、不快な臭いおよび芳しくない風味特性を生じさせる。
【0011】
PUFAは、栄養学的製品および/または医薬品に用いるために微生物源から抽出することができる。例えば、DHAに富む微生物油は渦鞭毛藻類クリプテコディニウム-コーニイ(Crypthecodinium cohnii)から、ARAに富む油は糸状菌モルティエレラ-アルピナ(Mortierella alpina)から、どちらも栄養補給剤として、および乳幼児用調合乳などの食品製品に用いるために製造される。同様に、シゾキトリウム属(Schizochytrium)由来のDHAに富む微生物油は、栄養補給剤または食品成分として用いるためにも製造される。典型的には、LC PUFAはバイオマスから抽出されて精製される。抽出および精製された油はさらに、食品製品中に用いるための特定の調合物(乾燥粉末または液体エマルジョン)を得るために加工処理される。
【0012】
食品にω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを補給することの望ましさを考慮し、かつ、これらの食品の提供における先行技術の欠点に鑑みれば、食品をω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAに関して強化するための方法、ならびにω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを含む食用油組成物および食品製品に対しては需要が存在する。上記および他の需要は本発明によって応えられる。
【発明の開示】
【0013】
発明の概要
本発明は、食用油組成物、および食品製品におけるそれらの使用に関する。食用油組成物は一般に、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を有する第1の油と、LC PUFAを実質的に含まない、好ましくはω-3 LC PUFAを実質的に含まず、ω-6 LC-PUFAを実質的に含まず、かつ室温で液体である第2の油との配合物を含む。
【0014】
第1の態様において、食用油組成物は、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を含む第1の油と、LC PUFAを実質的に含まず、好ましくはω-3 LC PUFAを実質的に含まない第2の油との配合物であって、第2の油が室温で液体である配合物を含む。1つの代替的な態様において、食用油組成物は、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を含む第1の油と、LC PUFAを実質的に含まず、かつω-6 LC PUFAを実質的に含まない第2の油との配合物であって、第2の油が室温で液体である配合物を含む。これらの態様において、配合物は約0.01%〜約5%のLC PUFAを含む。1つのさらなる態様において、配合物は約0.08%〜約3%のLC PUFA、または約0.1%および約0.5%のLC PUFAを含みうる。本発明のこの第1の態様は、スキレット上で油で加熱調理される食品製品を調製するために特に有用である。そのような製品は、1つの食品製品または1食分当たり約5mg〜約150mgのω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を含む。この態様の1つのさらなる局面は、スキレット上で油で加熱調理しうる食品材料(food item)の食品調製のための方法である。この方法は、食品材料および油をスキレット上に乗せる段階を含む。油は、上記の第1の食用油組成物の態様を含む。食品材料を加熱するのに十分な熱をスキレットに加え、それによって食料品を油で加熱調理する。1つの代替的な態様において、この食用油組成物は、天麩羅またはフライといった油で揚げられる食品製品を調製するために、ならびに油で揚げることのできる食品材料の食品調製のための方法に有用である。この方法は、食品材料を油の中に浸す段階を含む。油は、上記の第1の食用油組成物の態様を含む。食品材料を加熱するのに十分な熱を油に加え、それによって食品を油で揚げる。
【0015】
本発明の第2の食用油組成物の態様は、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を含む第1の油と、LC PUFAを実質的に含まず、好ましくはω-3 LC PUFAを実質的に含まず、かつω-6 LC PUFAを実質的に含まない第2の油との配合物であって、第2の油が室温で液体である配合物を含む。この態様において、配合物のLC PUFA含量は約1%〜約30%である。この態様において、油配合物のLC PUFA含量はまた、約10%〜約20%または約1%〜約5%でもありうる。第2の食用油組成物の態様は、食品製品を調製するための方法であって、油をさらなる食品要素(food component)と接触させる段階を含む方法に用いることができる。そのような食品製品には、食用脂質を含む任意の食品ソース、例えばサラダドレッシング、マリネード、レムレード、野菜ソース、果実ソース、魚ソース、および肉ソース、例えば家禽肉ソース、牛肉ソース、子牛肉ソース、および子羊肉ソースなどが含まれうる。
【0016】
本発明の第3の食用油組成物の態様は、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を有する第1の油と、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAを実質的に含まず、ω-6 LC PUFAを実質的に含まず、かつ室温で液体である第2の油と、酸化防止剤との配合物を含む、局所用食用油組成物を含む。この態様において、配合物は、約0.25%〜約10%のLC PUFAを含む。この態様において、配合物のLC PUFA含量は約1%〜約5%でもありうる。本発明の1つのさらなる態様は、第3の食用油組成物の態様を含む食品製品である。食品製品は、以前に加熱調理された食品、例えば、以前に焼かれた、油で加熱調理された、または油で揚げられたものなどから選択することができる。食品製品は、焼いた食品、塩味のついたスナック、特製スナック、糖菓スナックおよび天然スナック食品から選択することができる。例えば、食品製品は、クッキー、クラッカー、甘味菓子、マフィン、シリアル、スナックケーキ、パイ、グラノーラ/スナックバー、焼きパイ(toaster pastry)、ポテトチップ、コーンチップ、小麦チップ、モロコシチップ、大豆チップ、押出し成形されたスナック、ポップコーン、プレッツェル、ポテトクリスプ、乾燥果実スナック、ミートスナック、ポークラインド(pork rind)、健康フードバー、餅、コーンケーキ、キャンディ、ナッツ、乾燥果実および野菜から選択することができる。
【0017】
本発明の1つのさらなる態様は、第3の食用油組成物の態様を食品製品に対して局所的に適用する段階を含む、食品調製の方法である。局所的に適用する段階は、噴霧、浸漬、およびはけ塗り(brushing)からなる群より選択することができる。この方法はさらに、食用油組成物の適用後に食品製品をパッケージ化する段階を含みうる。パッケージ化の段階は、食品製品を不活性雰囲気中にパッケージ化することを含みうる。そのような雰囲気には窒素が含まれうる、または窒素および二酸化炭素が含まれうる。
【0018】
本発明の食用油組成物の態様のすべては、さらに酸化防止剤を含むことができ、それはビタミンE、BHT、BHA、TBHQ、没食子酸プロピル、ビタミンC、リン脂質、および天然の酸化防止剤、ならびにそれらの組み合わせから選択することができる。好ましい酸化防止剤には、BHA、BHT、TBHQ、BHA/BHTの配合物、およびそれらの組み合わせ、特にTBHQが含まれる。好ましい態様において、酸化防止剤は、油配合物中に約0.01%〜約1%、または約0.1%〜約0.5%の量で存在しうる。
【0019】
食用油組成物のさまざまな態様において、第2の油は、ルリジサ油、クロスグリ種子油、トウモロコシ油、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、ベニバナ油、高オレインベニバナ油、ヒマワリ油、高オレインヒマワリ油、オリーブ油、オオマツヨイグサ油、綿実油、米糠油、グレープシード油、アマニ油、ニンニク油、ラッカセイ油、扁桃油、クルミ油、麦芽油、ゴマ油、動物性脂肪、動物油、海産脂肪、海産油、微生物油、前記のもののいずれかの硬化油、および前記のものの混合物からなる群より選択することができる。本発明のさまざまな態様におけるω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAは、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびアラキドン酸(ARA)からなる群より選択することができる。さまざまな態様において、第1の油は、藻類、原生生物、細菌および真菌などの微生物源に由来してよい。微生物源は、油脂性(oleaginous)微生物であってよい。微生物源は、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)の微生物、シゾキトリウム属(Schizochytrium)の微生物、アルトルニア属(Althornia)の微生物、アプラノキトリウム属(Aplanochytrium)の微生物、ジャポノキトリウム属(Japonochytrium)の微生物、エリナ属(Elina)の微生物、クリプテコディニウム属(Crypthecodinium)の微生物、およびモルティエレラ属(Mortierella)の微生物から選択することができる。好ましい態様において、微生物は、シゾキトリウム属の微生物、クリプテコディニウム属の微生物、およびモルティエレラ属より選択される。
【0020】
第1の油はまた、長鎖多価不飽和脂肪酸を産生するように遺伝的に改変された植物のような植物源に由来してもよく、ここで植物はダイズ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリ、キャノーラ、アマ、ラッカセイ、カラシ、ナタネ、ヒヨコマメ、ワタ、レンズマメ、シロツメクサ、オリーブ、ヤシ、ルリジサ、オオマツヨイグサ、アマニ、およびタバコから選択される。
【0021】
1つのさらなる態様において、第1の油は動物源に由来してもよく、それは水生動物、水生動物、動物組織から抽出された脂質、および動物性産物から選択することができる。さらに、第1の油は、少なくとも約20%のω-3 LC PUFAおよび/もしくはω-6 LC PUFA、または少なくとも約60%のω-3 LC PUFAおよび/もしくはω-6 LC PUFAを含みうる。
【0022】
詳細な説明
本発明によって教示される、食用油および食品製品組成物、食品調製のための方法、ならびに以前に調製された食品製品のLC PUFA含量、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFA含量を強化するための方法は、LC PUFA、特にω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAの摂取の増加をもたらす。この改良は、そのような製品を消費する者に健康上の有益性を与えることができる。本発明はまた、食品製品および食用油組成物におけるLC PUFAの酸化劣化を最小限に抑えるための方法も提供する。
【0023】
さまざまな態様において、本発明は、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを含む第1の油と、LC PUFAを実質的に含まず、好ましくはω-3 LC PUFAを実質的に含まず、ω-6 LC PUFAを実質的に含まず、かつ室温で液体である第2の油との配合物を含む食用油組成物を含む。第1の態様において、配合物は約0.01%〜約5%のLC PUFAを含む。食用油組成物のこの態様は、飲食物にLC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を付与するために、スキレットなどにおいて、食品を迅速に油で加熱調理するために特に有用である。1つの代替的な態様において、この食用油組成物は、食品材料が油の中に浸される、天麩羅またはフライといった油で揚げられる食品製品を調製するために有用である。第2の食用油組成物の態様において、配合物のLC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFA含量は約1%〜約30%である。この第2の食用油組成物の態様は、食用脂質を含む食品ソース、例えばサラダドレッシング、マリネード、レムレード、野菜ソース、果実ソース、魚ソース、および肉ソースなどの食品製品において特に有用である。第3の食用油組成物の態様において、配合物は約0.25%〜約10%のLC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを含み、かつ組成物は酸化防止剤をさらに含む。この第3の態様は、焼いた食品、塩味のついたスナック、特製スナック、糖菓スナック、および天然スナック食品などの食品に対する組成物の局所適用のために特に有用である。油組成物の局所適用がなされたそのような食品は、典型的には、パッケージ化される製品であり、不活性雰囲気中にパッケージ化される。
【0024】
食用油は好ましくは、重量比で約90%を上回る脂肪酸を含むが、マーガリンおよびバターなどの製品は、典型的には、脂肪酸含量が重量比で約80%〜約95%である脂肪と水とのエマルジョンである。本明細書で用いる場合、パーセンテージはすべて、別に明示する場合を除き、重量比で提示される。
【0025】
本発明の油配合物は、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFAまたはそれらの混合物を含む第1の油を含む。好ましいω-3 LC PUFAには、例えば、ドコサヘキサエン酸C22:6(n-3)(DHA)、エイコサペンタエン酸C20:5(n-3)(EPA)、およびドコサペンタエン酸C22:5(n-3)(DPA)が含まれる。DHAが特に好ましい。好ましいω-6 LC-PUFAには、アラキドン酸C20:4(n-6)(ARA)が含まれる。PUFAは、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、リン脂質、遊離脂肪酸、エステル型脂肪酸を非限定的に含む天然脂質中に見いだされる一般的形態、またはこれらの脂肪酸の天然もしくは合成誘導体の形態のいずれにあってもよい(例えば、脂肪酸のカルシウム塩、エチルエステル、その他)。本発明で用いる場合、ω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを含む第1の油とは、DHAなどの単一のω-3 LC PUFAおよび/もしくはω-6 LC PUFAのみを含む油、またはDHAとEPAもしくはDHAとARAのようにω-3 LC PUFAおよび/もしくはω-6 LC PUFAの混合物を含む油のいずれを指すこともできる。
【0026】
本発明の組成物および方法における、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを含む油の好ましい源には、微生物源が含まれる。微生物源、ならびに栄養分および/またはLC PUFAを含む微生物を増殖させる方法は当技術分野で公知である(Industrial Microbiology and Biotechnology, 2nd edition, 1999, American Society for Microbiology)。好ましくは、微生物は発酵槽の中で発酵培地中にて培養される。本発明の方法および組成物は、例えば藻類、原生生物、細菌および真菌(酵母を含む)といった、あらゆる種類の栄養分または所望の成分を産生する任意の産業用微生物に対して適用しうる。
【0027】
微生物源には、藻類、細菌、真菌、および/または原生生物などの微生物が含まれうる。好ましい生物には、黄金色藻類(ストラメノパイル界(Stramenopiles)の微生物など)、緑藻類、珪藻、渦鞭毛藻類(クリプテコディニウム属(Crypthecodinium)のメンバー、例えばクリプテコディニウム-コーニイ(Crypthecodinium cohnii)などを含む、渦鞭毛藻目(Dinophyceae)の微生物など)、酵母、ならびにモルティエレラ-アルピナ(Mortierella alpina)およびモルティエレラ属シュマッカリ亜属(Mortierella sect. schmuckeri)を非限定的に含む、ケカビ属(Mucor)およびモルティエレラ属(Mortierella)の真菌からなる群より選択されるものが含まれる。微生物群であるストラメノパイル界のメンバーには、以下の微生物の群を含む、微小藻類および藻類様微生物が含まれる:ハマトレス類(Hamatores)、プロテロモナズ類(Proteromonads)、オパリン類(Opalines)、デヴェロパイエラ(Develpayella)、ディプロフリス属(Diplophrys)、ラビリンチュラ科(Labrinthulids)、ヤブレツボカビ科(Thraustochytrids)、ビオセシド(Biosecids)、卵菌類(Oomycetes)、サカゲツボカビ網(Hypochytridiomycetes)、コマチオン(Commation)、レティキュロスフェラ(Reticulosphaera)、ペラゴモナス(Pelagomonas)、ペラゴコッカス(Pelagococcus)、オリコラ(Ollicola)、アウレオコッカス(Aureococcus)、パルマ目(Parmales)、ディアトマ属(Diatoms)、黄緑色藻綱(Xanthophytes)、褐藻網(Phaeophytes)(褐色藻類)、真正眼点藻綱(Eustigmatophytes)、ラフィド藻網(Raphidophytes)、シヌリド(Synurids)、アキソジン(Axodines)(リゾクロムリナ目(Rhizochromulinaales)、ペディネラ目(Pedinellales)、ディクチオカ目(Dictyochales)を含む)、クリソメラ目(Chrysomeridales)、サルキノクリシス目(Sarcinochrysidales)、ミズオ目(Hydrurales)、ヒッバーディア目(Hibberdiales)およびクロムリナ目(Chromulinales)。本発明のこの詳細な説明には、ω-3および/またはω-6多価不飽和脂肪酸を含む脂質を産生しうる微生物、特にDHA(または、DPA、EPAもしくはARAといった非常に類縁性の高い化合物)を産生しうる微生物を増殖させるための工程について考察する。そのほかの好ましい微生物には、ヤブレツボカビ目(Thraustochytriales)のヤブレツボカビ科の藻類、より具体的には、どちらもBarclayに対して発行され、いずれもそのすべての内容が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による米国特許第5,340,594号および第5,340,742号に開示されている、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)、シゾキトリウム属およびウルケニア属(Ulkenia)を含むヤブレツボカビ目のもの、さらに加えて、アルトルニア属(Althornia)、アプラノキトリウム属(Aplanochytrium)、ジャポノキトリウム属(Japonochytrium)、およびエリナ属(Elina)の微生物、ならびにそれらの混合物がある。より好ましくは、微生物は、ATCC番号20888、ATCC番号20889、ATCC番号20890、ATCC番号20891、およびATCC番号20892の識別特徴を有する微生物、モルティエレラ-シュマッカリ(Mortierella schmuckeri)およびモルティエレラ-アルピナの菌株、クリプテコディニウム-コーニイの菌株、前記のいずれかから派生した変異株、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される。多くの専門家はウルケニア属がヤブレツボカビ属と別の属ではないことに同意していることに留意すべきである。したがって、本明細書で用いる場合、ヤブレツボカビ属にはウルケニア属が含まれると考えられる。油脂性(oleaginous)微生物も好ましい。本明細書で用いる場合、「油脂性微生物」とは、その細胞の重量比にして20%超を脂質の形態で蓄積しうる微生物と定義される。LC PUFAを産生する、遺伝的に改変された微生物も本発明のために適している。これらには、遺伝的に改変された天然にLC PUFAを産生する微生物のほか、LC PUFAを天然には産生しないが、そうするように遺伝的に改変された微生物(酵母、細菌、真菌、藻類、および/または原生生物を含む)が含まれうる。
【0028】
適した生物は、自然環境からの収集物を含む、さまざまな入手可能な源から入手することができる。例えば、American Type Culture Collectionは現在、以上に特定した微生物の多くの公的に入手可能な菌株をリスト化している。本明細書で用いる場合、任意の生物または任意の特定のタイプの生物には、野生株、変異株または組換え型が含まれる。これらの生物の培養または増殖のための増殖条件は当技術分野で公知であり、これらの生物の少なくとも一部に関して適切な増殖条件は、例えば、米国特許第5,130,242号、米国特許第5,407,957号、米国特許第5,397,591号、米国特許第5,492,938号、および米国特許第5,711,983号に開示されており、これらはいずれもその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0029】
LC PUFAを含む油のもう1つの好ましい源には、油糧種子植物などの植物源が含まれる。植物は天然にはLC PUFAを産生しないため、LC PUFAを産生する植物は、LC PUFAを産生する遺伝子を発現するように遺伝的に操作されたものである。そのような遺伝子には、古典的脂肪酸シンターゼ経路に関与するタンパク質をコードする遺伝子、またはPUFAポリケチドシンターゼ(PKS)経路に関与するタンパク質をコードする遺伝子が含まれうる。古典的脂肪酸シンターゼ経路に関与する遺伝子およびタンパク質、ならびにそのような遺伝子によって形質転換された遺伝的に改変された生物、例えば植物などは、例えば、Napier and Sayanova, Proceedings of the Nutrition Society (2005), 64:387-393;Robert et al., Functional Plant Biology (2005) 32:473-479;または米国特許出願公開第2004/0172682号に記載されている。PUFA PKS経路、この経路に含まれる遺伝子およびタンパク質、ならびにPUFAの発現および産生のためにそのような遺伝子によって形質転換された遺伝的に改変された微生物および植物は、以下のもの:米国特許第6,566,583号;米国特許出願公開第20020194641号、米国特許出願公開20040235127A1号および米国特許出願公開第20050100995A1号に詳細に記載されており、これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0030】
好ましい油糧種子作物には、上記のようにLC PUFAを産生するように遺伝的に改変された、ダイズ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリ、キャノーラ、アマ、ラッカセイ、カラシ、ナタネ、ヒヨコマメ、ワタ、レンズマメ、シロツメクサ、オリーブ、ヤシ油、ルリジサ、オオマツヨイグサ、アマニ、およびタバコが含まれる。
【0031】
微生物および植物に対する遺伝子形質転換の手法は、当技術分野で周知である。微生物に対する形質転換の手法は当技術分野で周知であり、例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Labs Pressに記載されている。クリプテコディニウム-コーニイでの使用に適合化しうる渦鞭毛藻類の形質転換のための一般的手法は、Lohuis and Miller, The Plant Journal (1998) 13(3): 427-435に詳述されている。ヤブレツボカビ科の遺伝子形質転換のための一般的な方法は、2003年9月4日に公開された米国特許出願公開第20030166207号に詳述されている。植物の遺伝子操作のための方法も当技術分野で周知である。例えば、生物的および物理的な形質転換プロトコールを含む、植物形質転換ための多くの方法が開発されている。例えば、Miki et al., "Procedures for Introducing Foreign DNA into Plants" in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, Glick, B.R. and Thompson, J.E. Eds. (CRC Press, Inc., Boca Raton, 1993) pp. 67-88を参照のこと。さらに、植物細胞または組織の形質転換および植物の再生のためのベクターおよびインビトロ培養法も利用可能である。例えば、Gruber et al., "Vectors for Plant Transformation" in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, Glick, B.R. and Thompson, J.E. Eds. (CRC Press, Inc., Boca Raton, 1993) pp. 89-119を参照のこと。また、Horsch et al., Science 227:1229 (1985);Kado, C.I., Crit. Rev. Plant. Sci. 10:1 (1991);Moloney et al., Plant Cell Reports 8:238 (1989);米国特許第4,940,838号;米国特許第5,464,763号;Sanford et al., Part. Sci. Technol. 5:27 (1987);Sanford, J.C., Trends Biotech. 6:299 (1988);Sanford, J.C., Physiol. Plant 79:206 (1990);Klein et al., Biotechnology 10:268 (1992);Zhang et al., Bio/Technology 9:996 (1991);Deshayes et al., EMBO J., 4:2731 (1985);Christou et al., Proc Natl. Acad. Sci. USA 84:3962 (1987);Hain et al., Mol. Gen. Genet. 199:161 (1985);Draper et al., Plant Cell Physiol. 23:451 (1982);Donn et al., In Abstracts of VIIth International Congress on Plant Cell and Tissue Culture IAPTC, A2-38, p.53 (1990);D'Halluin et al., Plant Cell 4:1495-1505 (1992)およびSpencer et al., Plant Mol. Biol. 24:51-61 (1994)も参照されたい。
【0032】
油糧種子植物がLC PUFAの源である場合には、種子を収集して、収集した種子から不純物、残渣または消化しにくい部分を除去するために加工処理することができる。加工処理の段階は油糧種子のタイプによって異なり、当技術分野で公知である。加工処理の段階には、脱穀(例えば、ダイズ種子を莢から分離する場合など)、皮むき(果実、種子または堅果の乾燥外皮または殻を除去すること)、乾燥、洗浄、粉砕、製粉およびフレーク化が含まれうる。不純物、残渣または消化しにくい部分を除去するために種子を加工処理した後に、それらを水性溶液、好ましくは水に添加し、続いて混合してスラリーを生成することができる。好ましくは、製粉、破砕またはフレーク化は、水と混合する前に行われる。このようにして生成されたスラリーを、微生物発酵ブロスに関して記載したのと同じようにして処理および加工処理する。品質(栄養学的および官能的)を改善するために、サイズ縮小、熱処理、pH調整、低温殺菌および他の公知の処理を用いることができる。
【0033】
LC PUFAを含む油のもう1つの好ましい源には、動物源が含まれる。動物源の例には、水生動物(例えば、魚、海洋哺乳動物、オキアミおよびその他のオキアミ目などの甲殻類)および動物組織(例えば、脳、肝臓、眼、その他)および動物性産物(例えば、卵および乳)が含まれる。そのような源からのLC PUFA含有油の回収のための手法は当技術分野で公知である。
【0034】
好ましくは、第1の油は、少なくとも約20%のLC PUFA、少なくとも約30%のLC PUFA、少なくとも約40%のLC PUFA、少なくとも約50%のLC PUFA、少なくとも約60%のLC PUFA、少なくとも約70%のLC PUFA、および少なくとも約80%のLC PUFAを含む。
【0035】
本発明の油配合物は、当技術分野で公知の任意の油を含みうる第2の油を含む。そのような油には、例えば、ルリジサ、クロスグリ種子、トウモロコシ、ココナッツ、キャノーラ、ダイズ、ベニバナ、高オレインベニバナ、ヒマワリ、高オレインヒマワリ、オリーブ、オオマツヨイグサ、綿実、米糠、グレープシード、アマニ、ニンニク、ラッカセイ、アーモンド、クルミ、麦芽およびゴマなどの植物に由来する油が含まれる。そのような植物源は、天然には、炭素が約18個までにしか過ぎない脂肪酸を産生する。油組成物の第2の油として適したそのほかの油には、動物性脂肪および動物油、海産脂肪および海産油、微生物油、ならびにこれらの油および脂肪の任意の組み合わせが含まれる。最も好ましくは、第1の油組成物における油組成の残りは以下の油/脂肪を含む:トウモロコシ油、ダイズ油、キャノーラ油、綿実油、ヒマワリ油、高オレインヒマワリ油、ベニバナ油、高オレインベニバナ油およびオリーブ油。硬化油を油組成物の第2の油として用いてもよいが、硬化油は非硬化油ほどは好ましくない。理論に拘束されることは望まないが、本発明のさまざまな態様において、第2の油と第1の油との配合は、第1の油の酸化安定性(例えば、OSI誘導期間の延長、ならびに/または軽度の加速条件下での主および/もしくは副酸化生成物の生成によって測定される)を高める。特に、第2の油がトウモロコシ油、ダイズ油またはキャノーラ油である場合に、第1の油の酸化安定性を改善することができる。
【0036】
いくつかの態様において、組成物は、室温で貯蔵した場合に、ある期間にわたって酸化に対して安定である。期間は少なくとも約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、および約12カ月でありうる。安定であるとは、過酸化物および/またはアルケナールなどの酸化生成物のレベルが、その時間間隔においてそれほど増加しないことを意味する。例えば、過酸化物として測定される酸化生成物のレベルは、以上に言及したさまざまな時間枠にわたって、典型的には、約3.0meq/kg脂肪未満、約2.5meq/kg脂肪未満、約2.0meq/kg脂肪未満、約1.5meq/kg脂肪未満、約1.0meq/kg脂肪未満、約0.5meq/kg脂肪未満、または約0.25meq/kg脂肪未満と考えられる。
【0037】
酸化安定性に加えて、組成物におけるLC-PUFAレベルも、室温で貯蔵した場合に、ある期間にわたって安定である。期間は少なくとも約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、または約8カ月でありうる。安定であるとは、LC-PUFAのレベルが、その時間間隔においてそれほど低下しないことを意味する。例えば、以上に参照したさまざまな時間枠の後に回収しうるLC-PUFAのレベルは、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、および少なくとも約99%である。
【0038】
さらに、組成物の官能特性も、室温で貯蔵した場合に、ある期間にわたって一定に保たれる。一定であるとは、測定される官能特性(例えば、青臭さ(green/beany)、魚臭さ、絵の具臭(painty)、薬草臭(herbal)、またはその他)が、ある期間にわたって著しくは変化しないことを意味する。期間は少なくとも約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、または約8カ月でありうる。例えば、負の官能特性は、以上に言及したさまざまな時間枠にわたって、典型的には、約100%未満、約75%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満の増加であると考えられる。
【0039】
第2の油は、LC PUFAを実質的に含まず、好ましくはω-3 LC PUFAを実質的に含まず、かつω-6 LC PUFAを実質的に含まない。一般に、LC PUFAが実質的にないという言及は、約5%未満のLC PUFA、約3%未満のLC PUFA、約1%未満のLC PUFA、約0.1%未満のLC PUFA、または約0.01%未満のLC PUFAを有する油を含む。第2の油は、好ましくは、室温(およそ21℃〜23℃)で液体でもある。
【0040】
第1の油と第2の油との配合は、当技術分野で公知の任意の方法によって行うことができる。配合は:1)バッチ混合、または2)連続的インライン混合によって行うことができる。バッチ混合は、ステンレス鋼容器を撹拌機とともに用い、可能であれば、配合操作の間に容器を窒素で覆うことを含みうる。第2の油(LC PUFAが実質的にない)を、典型的には最初に、定常状態に達するまで、渦を生み出さない速度で撹拌しながら添加する。続いて第1の油(LC PUFAを含む)を、完全に混入するまで添加する。撹拌は、好ましくは、外見上で均質な混合物が得られるまで、約3〜5分間(時間はサイズの異なる容器では異なると思われる)にわたって継続する。例えば撹拌の開示の時点に、第1および第2の油の分散および溶解を強化するために合成酸化防止剤を添加することができる。連続混合の場合には、第1の油(典型的には、比較的少ない容積)を、用いるインライン混合装置に依存する混合箇所で、所望の組成物が生成される速度で添加する。合成酸化防止剤は第2の油にあらかじめ溶解させることが好ましいが、所望の量の酸化防止剤が完全に溶解しうることを仮定して、第1の油に投入することもできる。
【0041】
本発明の食用油組成物、およびその食用油組成物を含む食品製品は、本発明の食用油組成物を含む食品製品の個々の1食分が、1食分当たりのLC PUFAの適切な量を含むようなLC PUFA含量を有しうる。1食分当たりのLC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAの適切な量は当技術分野で公知である。例えば、1食分当たりのω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAの好ましい量には、1食分当たり約5mg〜1食分当たり約150mg;1食分当たり約10mg〜1食分当たり約100mg;1食分当たり約25mg〜1食分当たり約75mg;および1食分当たり約35mg〜1食分当たり約50mgである、ω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAの量が含まれる。
【0042】
配合物中のLC PUFAの最終濃度は、油の用途または目的、および1食分当たりの所望のLC PUFAの量に応じて異なりうる。例えば、重量比でかなり高いパーセンテージの油を含み、それ故に1食分当たりの油の量が比較的多くなる食品製品は、LC PUFAのパーセンテージが比較的小さい油組成物を要すると考えられる。1食分当たりの所望のLC PUFAのおおまかな量がわかれば、当業者は必要な計算を行って、油配合物中のLC PUFAの適切なパーセンテージを決定することができる。
【0043】
油配合物を迅速加熱調理用の油として用いようとする第1の態様において、配合物は、約0.01%〜約5%、約0.8%〜約3%および約0.1%〜約0.5%の量である、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFA含量を有しうる。油配合物を食品製品中に、例えば、食用脂質を含む食品ソースとして用いようとする場合には、好ましくは、配合物は、約1%〜約30%、約10%〜約20%、および約1%〜約5%の量である、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFA含量を有しうる。油配合物を食品製品中に、例えば、油配合物を局所用の油として食品製品に噴霧する態様において用いようとする場合には、配合物は、約0.25%〜約10%および約1%〜約5%のLC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを有しうる。
【0044】
好ましい態様において、配合物は、20個またはそれ以上の炭素を有するLC PUFAでなく、具体的にはω-3 LC PUFAでもω-6 LC PUFAでもない油成分を、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、および少なくとも約95%の量で含む。
【0045】
好ましい態様において、本発明の食用油組成物および食品製品は酸化防止剤を含み、食品調製のための方法は酸化防止剤の添加を含む。特に、本発明の局所用食用油組成物の態様において、酸化防止剤は組成物の一部である。他の態様において、酸化防止剤を用いることはできるが任意である。当技術分野で公知である、食用の油または脂肪の保存のために適した任意の酸化防止剤が本発明と適合性があり、それにはビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、没食子酸プロピル(PG)、ビタミンC(本明細書で用いる場合、ビタミンCに対する言及はその誘導体を含む)、リン脂質および天然の酸化防止剤、例えばローズマリーエキス、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。好ましい酸化防止剤には、BHA、BHT、TBHQ、BHA/BHTの配合物、およびそれらの組み合わせ、特にTBHQが含まれる。組成物に含めるための酸化防止剤の量は、当業者によって決定される用途に依存して異なると考えられる。例えば、比較的多くの量のLC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFA(20個またはそれ以上の炭素を有する)を含む本発明の食用油組成物は、好ましくは、より多くの量の、例えば現在の米国の法律によって許容される最大量までの酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、当技術分野で公知の任意の方法によって、油に添加することまたは油と配合することができる。本発明の油組成物における酸化防止剤の好ましい量には、約0.01%〜約1%および約0.1%〜約0.5%の量が含まれる。
【0046】
好ましい態様において、本発明の食用油組成物および食品製品は、酸化劣化を最小限に抑えるために適切な条件下で貯蔵される。そのような貯蔵条件を生じさせる多くの方法が当技術分野で公知であり、本発明とともに用いるのに適しており、これには例えば、不活性ガス雰囲気による周囲大気の置換がある。酸化劣化を低下または最小化するために好ましい方法は、食用油組成物および食品製品を窒素(N2)雰囲気または窒素と二酸化炭素を混合した雰囲気中で貯蔵することである。好ましくは、パッケージ化される食用油組成物および食品製品は窒素中にてパッケージ化される。食品容器内に窒素ガス雰囲気を生じさせるための方法は当技術分野で公知である。
【0047】
もう1つの態様において、本発明は、スキレット上で油で加熱調理しうる食品材料のための食品調製の方法であって、食品材料および本発明の油配合物をスキレット上に乗せる段階、ならびに食品材料を加熱するのに十分な熱をスキレットに加える段階を含む方法を含む。適した食品材料にはスキレット上で油で加熱調理しうる任意の食品材料が含まれ、これには例えば、肉、卵(例えば、オムレツ)、魚、植物、澱粉質塊茎、例えばジャガイモ、イネ、練り粉、衣用生地、パン、衣用生地で覆われたパン(例えば、フレンチトースト)、トウモロコシ製品、および前記のものの混合物が含まれる。「スキレット」という用語は、食品材料を加熱するために適した任意の調理用具のことを指し、より詳細には幅広い金属製または強化ガラス製の容器のことを指す。本発明に用いるための食品および油の適した割合は当業者によって決定されうる。この態様はさらに、本発明の油配合物を含む、スキレット上で油で加熱調理される食品製品も含む。
【0048】
もう1つの態様において、本発明は、本発明の油配合物を調製するための方法であって、油配合物が、食用脂質を含む任意の食品ソース、例えばサラダドレッシング、マリネード、レムレード、野菜ソース、果実ソース、魚ソースおよび肉ソース、例えば家禽肉ソース、牛肉ソース、子牛肉ソースおよび子羊肉ソースなどを作るために他の食品要素と接触される方法を含む。本方法は、LC PUFA、好ましくはω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを含む第1の油を、これらの製品中に従来見いだされる別の成分、例えばスパイス、香味剤、増粘剤、および乳化剤などと混合する段階を含む。第1の油を別の成分と組み合わせるのに適した調理法および方法は当技術分野で公知である。
【0049】
もう1つの態様において、本発明は、食品製品のLC PUFA、好ましくはω-3 PUFAおよび/またはω-6 LC PUFA含量を強化するための方法であって、本発明の油配合物を食品製品に適用する段階を含む方法を含む。この方法によって、食品製品のLC PUFA含量は、加熱調理の際にLC PUFAを苛酷な熱加工処理に供することなく強化される。そのような方法は、保存寿命がおよそ6カ月またはそれ以上である食品製品を生産することができる。1つの好ましい食品製品は、以前に加熱調理された食品製品である。好ましい以前に加熱調理された食品製品には、以前に焼かれた、油で加熱調理された、または油で揚げられた食品製品が含まれる。本発明の油配合物は、食品製品に油を噴霧すること、食品製品を油の中に浸漬させること、および食品製品の表面に油をはけ塗りすることといった、当技術分野で公知の任意の方法によって食品製品に適用することができる。好ましくは、油は食品製品の表面に噴霧される。好ましい食品製品には、焼いた食品、例えばクッキー、クラッカー、甘味菓子、マフィン、シリアル、スナックケーキ、パイ、グラノーラ/スナックバー、焼きパイ、ポテトチップなど;塩味のついたスナック、例えばポテトチップ、コーンチップ、小麦チップ、モロコシチップ、大豆チップ、押出し成形されたスナック、ポップコーン、プレッツェル、ポテトクリスプ、およびナッツなど;特製スナック、例えば乾燥果実スナック、ミートスナック、ポークラインド、健康フードバー、餅およびコーンケーキなど;糖菓スナック、例えばキャンディなど;ならびに天然スナック食品、例えばナッツ、乾燥果実および野菜が含まれる。好ましい食品製品には、クッキー、クラッカー、ポテトチップ、コーンチップ、小麦チップ、モロコシチップ、大豆チップおよびナッツが含まれる。この態様はさらに、本発明の油配合物を含む、以前に加熱調理された食品製品も含む。
【0050】
もう1つの態様において、本発明は、食品製品のPUFA含量を強化するための方法であって、本発明の油配合物を、乳児または幼児による消費を意図した食品製品に対して適用する段階を含む方法を含む。例えば、ARAを含むスナック食品は、乳幼児用調合乳を依然として消費しているが、固形食品を食べることも始めている小児による消費のために適する。これらの態様のいくつかにおいて、本発明の油におけるDHA:ARA比は約1:0.5〜約1:5である。そのほかの比には約1:1.5、約1:2、および約1:3がある。
【0051】
以下の実施例およびテスト結果は、例示を目的として提示されており、本発明の範囲を限定することは意図していない。
【0052】
実施例
実施例1
本実施例は、油の配合物がさまざまな食品の油での加熱調理のために用いられる、本発明の1つの態様を例証している。
【0053】
799.2gの市販のトウモロコシ油を0.8gのDHASCO(登録商標)-S油(Martek Biosciences Corporation, Columbia, MD)と混合することによって、800gの油配合物を調製した。DHASCO(登録商標)-Sは重量比でおよそ35%のDHAを含み、ω-3含量は約0.035%となる。フライドポテト(フレンチフライ式)、オムレツ、および油で加熱調理したフレンチトーストをこの油配合物を用いて調理し、9または12人で構成される消費者団により消費者受容性に関してテストした。油配合物を室温で1カ月間貯蔵し、その後に前と同じ食品を調理して再テストした。消費者テストの結果は図1に示されている。食品製品の1食分当たり、ならびに揚げる前および後の油のDHAの量を分析し、以下の表1に示した。
【0054】
(表1)

【0055】
図1における結果から、フレンチトーストおよびオムレツは、ゼロ時点および1カ月後の両方で消費者受容性テストにおいて100%またはほぼ100%の「好き」反応が得られたことが見てとれ、このことは1カ月後に油が依然として優れた状態を保っていたことを示している。フレンチフライの場合には、1カ月後に50%超が「嫌い」反応を示したものの、コメントの大半は中間的(例えば、油っぽい風味または異なる風味)であり、負のコメント(例えば、魚臭さ)に起因するのは「嫌い」評点の全体の50%未満であった。このため、「嫌い」評点は、油のω-3部分が劣化して異臭を生じたのではなくてトウモロコシ油の経時変化に起因すると考えられる。
【0056】
実施例2
本実施例では、ω-3 LC PUFAを含む油の酸化安定性に対する、ω-3 LC PUFAを実質的に含まず、かつω-6 LC PUFAを実質的に含まない植物油の配合の影響を調べる。
【0057】
図2に示したように、重量比で約35%のDHA(DHASCO(登録商標)-S, Martek Biosciences Corporation, Columbia, MD)を含む油を、20%のさまざまな植物油および30%トウモロコシ油で希釈した。DHASCO(登録商標)-S油および配合油を、時間単位で測定したOSI誘導期間の時間に関して検査した。油は気泡で通気させながら80℃に保ち、油が酸化を始めるまでの時間に関して評価した。
【0058】
この検査の結果は図2に示されており、そこでは20%のトウモロコシ油およびダイズ油ならびに30%のトウモロコシ油でOSI誘導期間の延長が達成されたことが示されている。
【0059】
実施例3
本実施例では、ω-3 LC PUFAを含む油の酸化安定性に対する、酸化防止剤の添加の存在下および非存在下での、トウモロコシ油の配合の影響を調べる。
【0060】
重量比で約32%のDHA(DHA-HM, Martek Biosciences Corporation, Columbia, MD)を含む油を、図3に示されているように、アスコルビン酸パルミテートおよびトコフェロール(Grindox(商標), Danisco)の400ppmまたは600ppmの酸化防止剤配合物の添加の存在下および非存在下で、30%または40%のトウモロコシ油で希釈した。DHA-HM油およびトウモロコシ油配合物を、時間単位で測定したOSI誘導期間までの時間に関して検査した。油は気泡で通気させながら80℃に保ち、油が酸化を始めるまでの時間に関して評価した。
【0061】
この検査の結果は図3に示されており、酸化防止剤の存在下および非存在下ともに、すべてのトウモロコシ油配合物がOSI誘導期間を延長させたことを示している。
【0062】
実施例4
本実施例では、ω-3 LC PUFAを含む油の酸化安定性に対する、酸化防止剤の添加の存在下および非存在下での、トウモロコシ油の配合の影響を調べる。
【0063】
重量比で約32%のDHA(DHA-HM, Martek Biosciences Corporation, Columbia, MD)を含む油を、図4および5に示されているように、アスコルビン酸パルミテートおよびトコフェロール(Grindox(商標), Danisco)の400ppmまたは600ppmの酸化防止剤配合物の添加の存在下および非存在下で、30%または40%のトウモロコシ油で希釈した。DHA-HM油およびトウモロコシ油配合物を何週間かにわたって40℃で貯蔵し、過酸化物(主酸化生成物)およびアルケナール(副酸化生成物)の生成に関して検査した。
【0064】
この検査の結果は図4および5に示されており、酸化防止剤の存在下および非存在下ともに、すべてのトウモロコシ油配合物で主および副酸化生成物の生成が遅れたことを示している。
【0065】
実施例5
本実施例では、ω-3 LC PUFAを含む油の酸化安定性に対する、ω-3 LC PUFAを実質的に含まず、ω-6 LC PUFAを実質的に含まない植物油の配合の影響を調べる。
【0066】
5種類の一般的に用いられる植物油を、重量比で約35%のDHA(DHASCO(登録商標)-S、Martek Biosciences Corporation, Columbia, MD)を含む油と、5通りの希釈レベルで組み合わせた。DHASCO(登録商標)-S油、植物油および配合油を、時間単位で測定したOSI誘導期間までの時間について検査した。油は気泡で通気させながら80℃に保ち、油が酸化を始めるまでの時間に関して評価した。油、希釈レベルおよびOSI値は以下の表2〜6に示されている。結果は図6〜10にも示されている。
【0067】
(表2)

【0068】
(表3)

【0069】
(表4)

【0070】
(表5)

【0071】
(表6)

【0072】
これらの結果は、DHASCO(登録商標)-Sと植物油との配合によってOSI誘導期間の延長を達成しうることを示している。
【0073】
実施例6
本実施例では、0.5% w/wのDHASCO(登録商標)-S油を含むトウモロコシ油の官能的品質を調べる。
【0074】
配合油組成物の官能的品質を判定した。続いて油を金属容器内で室温にて6カ月貯蔵し、油の官能的品質を再び判定した。特性は1〜15の尺度で判定し、15が最悪とした。結果は表7に示されている。
【0075】
(表7)官能性の結果

* これは酸敗したトウモロコシ油の特性であり、DHAとは関係ない。この結果はトウモロコシ油の品質に伴う何らかの固有の問題を示している。
【0076】
これらの結果は、本発明の油配合物の官能特性が貯蔵期間にわたって安定に保たれることを示している。
【0077】
実施例7
実施例6からの0.5% w/wのDHASCO(登録商標)-S油を含むトウモロコシ油を、過酸化物含量、アルケナール含量およびDHAレベルに関して分析した。過酸化物含量は油の酸化の指標である。過酸化物含量は図11に示されている。8カ月後に、油における過酸化物の量の増加はない。このため、見かけ上、油の酸化はない。アルケナール価は酸化の副生成物である。アルケナール価含量は図12に示されている。油におけるアルケナール価の量に関して経時的な増加はない。酸化の副生成物は、典型的には、酸化が進行するにつれて増加し、酸化がなければ一定に保たれる。図13に示されているように、DHAレベルは経時的に減少しなかった。
【0078】
実施例8
本実施例では、6カ月間貯蔵した、実施例6からの0.5% w/wのDHASCO(登録商標)-S油を含むトウモロコシ油の、フレンチトースト、フレンチフライ、およびスクランブルエッグの調理のための使用について評価する。
【0079】
ひとたび食品を加熱調理した後、それらは小規模な試食団によって評価された。いずれの食品についても記載もれは検出されなかった。
【0080】
油から食品に移行したDHAの量を決定するために、加熱調理した食品をDHA含量についても評価した。各食品の試料を分析の準備のために凍結乾燥させた。ひとたび乾燥させた後、試料を粉砕して微粉末にした。DHAをFAME分析によって測定した。各試料に関して2回ずつの分析を行い、3点内部標準(three-point internal standard)(C23:0)較正曲線を用いてDHAを定量した。DHAの結果を表8にまとめた。スクランブルエッグを調理するために用いた卵は、天然のままで1食分当たり10〜20mgのDHAを含み、そのため、66.4mgと、10〜20mgのDHAという天然の量との間の差は、強化トウモロコシ油からのDHAの移行の結果に起因する。
【0081】
(表8)DHAを強化したトウモロコシ油で加熱調理したさまざまな食品のDHA含量

1 乾燥重量ベースで報告
2 「受け取り」ベースで報告
【0082】
本発明の原理、好ましい態様および動作の様式は、前記の明細書に説明されている。しかし、本明細書において保護されることを意図している本発明は、開示された特定の形態は制限的ではなく例示的であるとみなされるべきであるため、それらには限定されないとみなされるべきである。当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、多くの変更および改変を行いうるであろう。したがって、本発明の前記の最良の実施態様は、例示的な性質をもつとみなされるべきであり、添付する特許請求の範囲に示された本発明の範囲および精神を限定するものとはみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の食品製品(フライドポテト、オムレツ、および油で加熱調理したフレンチトースト)の消費者テストの結果を図示している。
【図2】さまざまな植物油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、OSI誘導期間に対する効果を図示している。
【図3】酸化防止剤の存在下または非存在下での、さまざまな植物油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、OSI誘導期間に対する効果を図示している。
【図4】酸化防止剤の存在下および非存在下での、トウモロコシ油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、主酸化生成物の生成に対する効果を図示している。
【図5】酸化防止剤の存在下および非存在下での、トウモロコシ油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、副酸化生成物の生成に対する効果を図示している。
【図6】トウモロコシ油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、OSI誘導期間に対する効果を図示している。
【図7】ダイズ油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、OSI誘導期間に対する効果を図示している。
【図8】キャノーラ油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、OSI誘導期間に対する効果を図示している。
【図9】ベニバナ油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、OSI誘導期間に対する効果を図示している。
【図10】ヒマワリ油とω-3 LC PUFA含有油との配合の、OSI誘導期間に対する効果を図示している。
【図11】トウモロコシ油とω-3 LC PUFA含有油との配合物の過酸化物価を経時的に図示している。
【図12】トウモロコシ油とω-3 LC PUFA含有油との配合物のアルケナール価を経時的に図示している。
【図13】トウモロコシ油とω-3 LC PUFA含有油との配合物のDHA含量を経時的に図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LC PUFAを含む第1の油と、
LC PUFAを実質的に含まず、かつ室温で液体である第2の油と
の配合物を含み、該配合物が約0.01%〜約5%のLC PUFAを含む、食用油組成物。
【請求項2】
配合物が約0.08%〜約3%のLC PUFAを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
配合物が約0.1%〜約0.5%のLC PUFAを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
酸化防止剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
酸化防止剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、没食子酸プロピル(PG)、ビタミンC、リン脂質、および天然の酸化防止剤、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
酸化防止剤がTBHQを含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
酸化防止剤が油配合物中に約0.01%〜約1%の量で存在する、請求項5記載の組成物。
【請求項8】
酸化防止剤が油配合物中に約0.1%〜約0.5%の量で存在する、請求項5記載の組成物。
【請求項9】
配合物が、室温で貯蔵した場合に少なくとも約3カ月間にわたって酸化に対して安定である、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
LC-PUFAレベルが、室温で貯蔵した場合に少なくとも約3カ月間にわたって安定である、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
組成物の官能特性が、室温で貯蔵した場合に少なくとも約3カ月間にわたって一定に保たれる、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
第2の油が、ルリジサ油、クロスグリ種子油、トウモロコシ油、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、ベニバナ油、高オレインベニバナ油、ヒマワリ油、高オレインヒマワリ油、オリーブ油、オオマツヨイグサ油、綿実油、米糠油、グレープシード油、アマニ油、ニンニク油、ラッカセイ油、扁桃油、クルミ油、麦芽油、ゴマ油、動物性脂肪、動物油、海産脂肪、海産油、微生物油、前記のもののいずれかの硬化油、および前記のものの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
LC PUFAが、ω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
LC PUFAが、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびアラキドン酸からなる群より選択される、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
第1の油が微生物源由来である、請求項1記載の組成物。
【請求項16】
微生物源が、藻類、原生生物、細菌、および真菌からなる群より選択される微生物を含む、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
微生物源が油脂性(oleaginous)微生物である、請求項15記載の組成物。
【請求項18】
微生物源が、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)の微生物、シゾキトリウム属(Schizochytrium)の微生物、アルトルニア属(Althornia)の微生物、アプラノキトリウム属(Aplanochytrium)の微生物、ジャポノキトリウム属(Japonochytrium)の微生物、エリナ属(Elina)の微生物、クリプテコディニウム属(Crypthecodinium)の微生物、モルティエレラ属(Mortierella)の微生物、およびそれらの混合物からなる群より選択される微生物である、請求項15記載の組成物。
【請求項19】
微生物源が、シゾキトリウム属の微生物、クリプテコディニウム属の微生物、モルティエレラ属の微生物、およびそれらの混合物からなる群より選択される微生物である、請求項15記載の組成物。
【請求項20】
第1の油が植物源由来である、請求項1記載の組成物。
【請求項21】
植物源が長鎖多価不飽和脂肪酸を産生するように遺伝的に改変されており、植物がダイズ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリ、キャノーラ、アマ、ラッカセイ、カラシ、ナタネ、ヒヨコマメ、ワタ、レンズマメ、シロツメクサ、オリーブ、ヤシ、ルリジサ、オオマツヨイグサ、アマニ、およびタバコからなる群より選択される、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
第1の油が動物源由来である、請求項1記載の組成物。
【請求項23】
動物源が、水生動物、動物組織、および動物性産物からなる群より選択される、請求項22記載の組成物。
【請求項24】
第1の油が、少なくとも約20%のω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項25】
第1の油が、少なくとも約60%のω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一項記載の組成物を含む、スキレット上で油で加熱調理される(skillet-fried)食品製品(food product)。
【請求項27】
約5mg〜約150mgのω-3 LC PUFAおよび/またはω-6 LC PUFAを含む、請求項26記載のスキレット上で油で加熱調理される食品製品。
【請求項28】
スキレット上で油で加熱調理しうる食品材料(food item)のための食品調製(food preparation)の方法であって、
a)食品材料および油をスキレット上に乗せる段階;ならびに
b)食品材料を加熱するのに十分な熱をスキレットに加える段階、
を含み、油が請求項1〜25のいずれか一項記載の食用油組成物を含む、方法。
【請求項29】
LC PUFAを含む第1の油と、LC PUFAを実質的に含まず、かつ室温で液体である第2の油との配合物を含む食用油組成物であって、該配合物が約1%〜約30%のLC PUFAを含む、組成物。
【請求項30】
LC PUFAが配合物の約10%〜約20%を構成する、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
LC PUFAが配合物の約1%〜約5%を構成する、請求項29記載の組成物。
【請求項32】
酸化防止剤をさらに含む、請求項29記載の組成物。
【請求項33】
酸化防止剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、没食子酸プロピル(PG)、ビタミンC、リン脂質、および天然の酸化防止剤、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項32記載の組成物。
【請求項34】
酸化防止剤がTBHQを含む、請求項32記載の組成物。
【請求項35】
酸化防止剤が油配合物中に約0.01%〜約1%の量で存在する、請求項32記載の組成物。
【請求項36】
酸化防止剤が油配合物中に約0.1%〜約0.5%の量で存在する、請求項32記載の組成物。
【請求項37】
第2の油が、ルリジサ油、クロスグリ種子油、トウモロコシ油、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、ベニバナ油、高オレインベニバナ油、ヒマワリ油、高オレインヒマワリ油、オリーブ油、オオマツヨイグサ油、綿実油、米糠油、グレープシード油、アマニ油、ニンニク油、ラッカセイ油、扁桃油、クルミ油、麦芽油、ゴマ油、動物性脂肪、動物油、海産脂肪、海産油、微生物油、前記のもののいずれかの硬化油、および前記のものの混合物からなる群より選択される、請求項29記載の組成物。
【請求項38】
LC PUFAが、ω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項29記載の組成物。
【請求項39】
LC PUFAが、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびアラキドン酸からなる群より選択される、請求項38記載の組成物。
【請求項40】
第1の油が微生物源由来である、請求項29記載の組成物。
【請求項41】
微生物源が、藻類、原生生物、細菌、および真菌からなる群より選択される微生物を含む、請求項40記載の組成物。
【請求項42】
微生物源が油脂性微生物である、請求項40記載の組成物。
【請求項43】
微生物源が、ヤブレツボカビ属の微生物、シゾキトリウム属の微生物、アルトルニア属の微生物、アプラノキトリウム属の微生物、ジャポノキトリウム属の微生物、エリナ属の微生物、クリプテコディニウム属の微生物、モルティエレラ属の微生物、およびそれらの混合物からなる群より選択される微生物である、請求項40記載の組成物。
【請求項44】
微生物源が、シゾキトリウム属の微生物、クリプテコディニウム属の微生物、モルティエレラ属の微生物、およびそれらの混合物からなる群より選択される微生物である、請求項40記載の組成物。
【請求項45】
第1の油が植物源由来である、請求項29記載の組成物。
【請求項46】
植物源が長鎖多価不飽和脂肪酸を産生するように遺伝的に改変されており、植物がダイズ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリ、キャノーラ、アマ、ラッカセイ、カラシ、ナタネ、ヒヨコマメ、ワタ、レンズマメ、シロツメクサ、オリーブ、ヤシ、ルリジサ、オオマツヨイグサ、アマニ、およびタバコからなる群より選択される、請求項45記載の組成物。
【請求項47】
第1の油が動物源由来である、請求項29記載の組成物。
【請求項48】
動物源が、水生動物、動物組織、および動物性産物からなる群より選択される、請求項47記載の組成物。
【請求項49】
第1の油が、少なくとも約20%のω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項29記載の組成物。
【請求項50】
第1の油が、少なくとも約60%のω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項29記載の組成物。
【請求項51】
食品製品を調製するための方法であって、油をさらなる食品要素(food component)と接触させる段階を含み、該油が請求項29〜50のいずれか一項記載の食用油組成物を含む、方法。
【請求項52】
食品製品が、サラダドレッシング、マリネード、レムレード、野菜ソース、果実ソース、魚ソース、および肉ソースからなる群より選択される、請求項51記載の方法。
【請求項53】
請求項29〜50のいずれか一項記載の組成物を含む食品製品。
【請求項54】
サラダドレッシング、マリネード、レムレード、野菜ソース、果実ソース、魚ソース、および肉ソースからなる群より選択される、請求項53記載の食品製品。
【請求項55】
LC PUFAを含む第1の油と、LC PUFAを実質的に含まず、かつ室温で液体である第2の油と、酸化防止剤との配合物を含む、局所用の食用油組成物であって、LC PUFAがその約0.25%〜約10%を構成する、食用油組成物。
【請求項56】
LC PUFAが食用油組成物の約1%〜約5%を構成する、請求項55記載の組成物。
【請求項57】
酸化防止剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、没食子酸プロピル(PG)、ビタミンC、リン脂質、および天然の酸化防止剤、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項58】
酸化防止剤がTBHQを含む、請求項55記載の組成物。
【請求項59】
酸化防止剤が油配合物中に約0.01%〜約1%の量で存在する、請求項55記載の組成物。
【請求項60】
酸化防止剤が油配合物中に約0.1%〜約0.5%の量で存在する、請求項55記載の組成物。
【請求項61】
第2の油が、ルリジサ油、クロスグリ種子油、トウモロコシ油、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、ベニバナ油、高オレインベニバナ油、ヒマワリ油、高オレインヒマワリ油、オリーブ油、オオマツヨイグサ油、綿実油、米糠油、グレープシード油、アマニ油、ニンニク油、ラッカセイ油、扁桃油、クルミ油、麦芽油、ゴマ油、動物性脂肪、動物油、海産脂肪、海産油、微生物油、前記のもののいずれかの硬化油、および前記のものの混合物からなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項62】
LC PUFAが、ω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項63】
LC PUFAが、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびアラキドン酸からなる群より選択される、請求項62記載の組成物。
【請求項64】
第1の油が微生物源由来である、請求項55記載の組成物。
【請求項65】
微生物源が、藻類、原生生物、細菌、および真菌からなる群より選択される微生物を含む、請求項64記載の組成物。
【請求項66】
微生物源が油脂性微生物である、請求項64記載の組成物。
【請求項67】
微生物源が、ヤブレツボカビ属の微生物、シゾキトリウム属の微生物、アルトルニア属の微生物、アプラノキトリウム属の微生物、ジャポノキトリウム属の微生物、エリナ属の微生物、クリプテコディニウム属の微生物、モルティエレラ属の微生物、およびそれらの混合物からなる群より選択される微生物である、請求項64記載の組成物。
【請求項68】
微生物源が、シゾキトリウム属の微生物、クリプテコディニウム属の微生物、モルティエレラ属の微生物、およびそれらの混合物からなる群より選択される微生物である、請求項64記載の組成物。
【請求項69】
第1の油が植物源由来である、請求項55記載の組成物。
【請求項70】
植物源が長鎖多価不飽和脂肪酸を産生するように遺伝的に改変されており、植物がダイズ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリ、キャノーラ、アマ、ラッカセイ、カラシ、ナタネ、ヒヨコマメ、ワタ、レンズマメ、シロツメクサ、オリーブ、ヤシ、ルリジサ、オオマツヨイグサ、アマニ、およびタバコからなる群より選択される、請求項69記載の組成物。
【請求項71】
第1の油が動物源由来である、請求項55記載の組成物。
【請求項72】
動物源が、水生動物、動物組織、および動物性産物からなる群より選択される、請求項71記載の組成物。
【請求項73】
第1の油が、少なくとも約20%のω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項55記載の組成物。
【請求項74】
第1の油が、少なくとも約60%のω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項55記載の組成物。
【請求項75】
請求項55〜74のいずれか一項記載の組成物を含む食品製品。
【請求項76】
約5mg〜約150mgのω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項75記載の食品製品。
【請求項77】
約10mg〜約100mgのω-3 LC PUFA、ω-6 LC PUFA、またはそれらの混合物を含む、請求項75記載の食品製品。
【請求項78】
以前に加熱調理された食品製品である、請求項75記載の食品製品。
【請求項79】
以前に加熱調理された食品製品が以前に焼かれている、請求項75記載の食品製品。
【請求項80】
以前に加熱調理された食品製品が以前に油で加熱調理されている、請求項75記載の食品製品。
【請求項81】
以前に油で加熱調理された食品製品が以前に油で揚げられている(deep-fried)、請求項75記載の食品製品。
【請求項82】
焼いた食品、塩味のついたスナック、特製スナック、糖菓スナック、および天然スナック食品からなる群より選択される、請求項75記載の食品製品。
【請求項83】
食品製品が、クッキー、クラッカー、甘味菓子、マフィン、シリアル、スナックケーキ、パイ、グラノーラ/スナックバー、焼きパイ(toaster pastry)、ポテトチップ、コーンチップ、小麦チップ、モロコシチップ、大豆チップ、押出し成形されたスナック、ポップコーン、プレッツェル、ポテトクリスプ、乾燥果実スナック、ミートスナック、ポークラインド(pork rind)、健康フードバー、餅、コーンケーキ、キャンディ、ナッツ、乾燥果実、および野菜からなる群より選択される、請求項55記載の方法。
【請求項84】
請求項55〜74のいずれか一項の組成物を食品製品に対して局所的に適用する段階を含む、食品調製の方法。
【請求項85】
局所的に適用する段階が、噴霧、浸漬、およびはけ塗り(brushing)からなる群より選択される、請求項84記載の方法。
【請求項86】
請求項55〜74のいずれか一項記載の組成物を含む食品製品をパッケージ化する段階をさらに含む、請求項84記載の方法。
【請求項87】
パッケージ化の段階が、食品製品を不活性雰囲気中にパッケージ化することを含む、請求項86記載の方法。
【請求項88】
雰囲気が窒素を含む、請求項87記載の方法。
【請求項89】
雰囲気が二酸化炭素をさらに含む、請求項88記載の方法。
【請求項90】
油で揚げうる食品材料のための食品調製の方法であって、
a)食品材料を油の中に浸す段階;および
b)食品材料を加熱するのに十分な熱を油に加える段階、
を含み、油が請求項1〜25のいずれか一項記載の食用油組成物を含む、方法。
【請求項91】
第2の油が、トウモロコシ油、キャノーラ油、およびダイズ油からなる群より選択される油を含む、請求項1〜25、29〜50、または55〜74のいずれか一項記載の食用油組成物。
【請求項92】
第2の油がトウモロコシ油を含む、請求項1〜25、29〜50、または55〜74のいずれか一項記載の食用油組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−533064(P2009−533064A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505612(P2009−505612)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/066471
【国際公開番号】WO2007/121273
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(506111907)マーテック バイオサイエンシーズ コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】