説明

長靴内防水キーパー

【課題】
建設現場や農林業や漁業、他長靴を使用して仕事をする多くの人にとって、少しの穴でも長靴に空けてしまえば水が入るため次には使い難く、新しい物でも捨てざるを得ず、しかも、買うとしても安いものでもない、という問題があった。特に建設業に携わる人にとって、長靴の穴あきは日常茶飯のことであり、頭の痛い事であった。
【解決手段】
長靴の内側に、簡単に取り外しが出来る、防水となるキーパーを入れることによって長靴に穴が空いていても足や靴下が濡れないようにし、穴あきの長靴でも長く履けて、また、突然に生じさせた穴あきにも対処できるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長靴の内側に装着する防水キーパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで、スポーツ用として、また、主に短靴のための、雨の日に靴下と足が濡れないように発明された靴下カバーの特開平7−324203や、防水通気布で作られたサンダルと靴下カバー式内靴を結合させたシューズインシューズの実新第3132297があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実新第3132297号
【特許文献2】特開平7−324203
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開平7−324203の発明の靴下カバーの場合、主にゴルフやサッカーなどのスポーツ靴を対称にしているが、この種の靴は通気性がよく、水が浸透するのが普通であり、長靴のように水が入らないものを前提として考えられたものではなかった。 このことは実新第3132297号のシューズインシューズも同様であり、この発明はサンダルに履かせるための靴下カバー式内靴であり、サンダルに履かせるその目的は通気性を保たせつつフォーマルの場にも用いようとするものであった。故にこれらの発明は靴の穴あきを想定したものではなく、長靴を長い期間に渡って履くためのものでもなかった。
【0005】
上記の特開平7−324203の靴下カバーは、その名称からも明らかな通り、防水の靴下カバーであった。この発明と実質的には同じと思われるが、雨の時に足や靴下を濡らさない工夫として、靴下を防水にしたものが、防水ソックス、防水素材ソックス、レインソックスカバー等の名称で現在市販されている。これらの防水ソックスと同様、靴下カバーも、基本的に脱ぐものであり、濡れた防水ソックスや靴下カバーを脱ぐときに手を濡らさなければならず、水ソックスなり靴下カバーを更に脱がなければそのまま家の中に入ることが出来ない厭わしさがあった。更に、大きな問題点として靴下の防水では靴との間の隙間が多くなることから靴に水が溜まりやすく、水が多くなった時には歩きにくくなる難点があった。このことは長靴の場合特に顕著であった。
また、現在市販されている防水ソックスは、素材ゆえと思われるが高価で、費用対効果の点からも、誰もが気軽に装着することは出来ないという現状もある。
【0006】
長靴は、一般に雨の日の対策として広く使われている。それだけでなく、建設現場等では、携わる多くの人々が雨の日以外でも日常的に使用している、いわば必須アイテムである。ところが、建設現場等では、鉄筋や釘や尖った石などによって、長靴に穴を空けてしまい易いという実情がある。そうなると、雨の日や雪の日、また前日の雨でぬかるんでいる所など、長靴の中に水が入り、足も靴下も濡れて非常に切なく辛いものとなる。予備の長靴を持って行ければよいが、かさばる事もあり、普通は持っていないのが大方である。ある人は、レジ袋を靴下の上に履いて足が濡れないように対処したりもしている。しかし、この場合、自他共に、如何にも格好が悪く感じられる。 また、予備の長靴ということに関してもう一つの問題点がある。長靴は安いものではない、という点である。特に建設現場で履く場合には安全靴でなければならず、普通の長靴よりも一ランク値段が高くなる。 一般的に言うと、長靴使用者の多くは、ちょっと穴が空いたからと、簡単に買い換えられる訳ではない。また、修繕しても、長靴の場合、修理箇所が非常に剥がれ易いということがある。
【0007】
現在、雨の時に足や靴下を濡らさない工夫として、靴そのものをまるごと覆う仕方の靴カバーもあるが、靴部全体が大きくなるので履きにくく、足底部分から水が入る恐れもあり、また値段も高く、実際に仕事の上では用い難い。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)長靴の内側に入れることを目的として、防水となる素材および長靴に出し入れが出来る柔らかさの素材により、爪先から踵さらにくるぶしの上から長靴の開口部まで、長靴の内側の形に合わせて作られた、長靴内防水キーパーとする。(図1及び図3参照)
(2)キーパーの足底部分の内面または内外両面に、滑りにくい素材を貼り付けた(1)の長靴内防水キーパーとする。(図2参照)
(3)キーパーの足底部分の内面または内外両面に、滑りにくい素材を吹き付けた(1)の長靴内防水キーパーとする。
【発明の効果】
【0009】
長靴は、空けてしまった一寸した穴であっても、穴は穴であり、濡れないはずの長靴としては使えなくなる履物であった。また、朝に穴を開けてしまったなら、雨天の時など仕事が終わるまで惨めな状態で過ごさなければならなかった。当発明の長靴内防水キーパーは、穴を空けてしまった長靴でも足や靴下が汚れたり濡れたりせずに快適さを保って使い続けることが出来るものである。また、予備として携帯用の長靴内防水キーパーも考慮したグッズである。
【0010】
長靴内防水キーパーは基本的に長靴と一体として、長靴に装着した状態のままで用いるものなので、靴下カバーとは違い、長靴内防水キーパーから足を抜き、速やかに家の中に入って行ける。また、手も濡らさずに済む。 このことは履く場合も同様である。
【0011】
長靴内防水キーパーは長靴と密着して、言わば一体となる構造なので長靴内に水が溜まりにくく、歩き難くなりにくい。
【0012】
長靴内防水キーパーを入れている状態で長靴に穴を空けてしまい、キーパーにも穴が空いた場合でも、ガムテープ等の防水となる接着テープにより簡単に修理が出来る。
【0013】
特に建設業に携わる多くの人は天気に関係なく長靴を履く場合が多いが、穴の空いてしまった長靴でも、当発明の長靴内防水キーパーを使えば、すぐに買い換える必要が無くなる。建設業に携わる人にとって、長靴にかける出費は決して小さなものではなかったが、長靴を履く期間を長くできるので、出費の節減ができる。 また、長靴内防水キーパーそのものも安い費用で出来ることが想定される。
【0014】
天気の良い日でも、穴の空いた長靴を履いて仕事をしていると、穴から土や砂などが中に入り、靴下や足が汚れることが多いが、長靴内防水キーパーを使うならば、靴下や足の汚れを防ぐことが出来る。
【0015】
一日中長靴を履いていると、穴の空いていない長靴でも中が足からの汗で湿っぽくなる。特に冬などは、それが朝になっても乾かず、履くのが億劫になる程であるが、長靴内防水キーパーを使うならば、新着し又は交換して装着し、快適に履いて行ける。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】長靴と、入っている防水キーパーAの図
【図2】滑りにくい素材を内面に貼り付ける防水キーパーの図
【図3】長靴と、入っている防水キーパーBの図
【発明を実施するための形態】
【0017】
二通りの長靴内防水キーパーとする。一つは、図1に示すような、柔らかいながらも自らの形を保持できる厚さを持つ長靴内防水キーパー(以後、防水キーパーAという)で、もう一つは図3に示す、自らの形を保持できない薄さの、携帯に便利な長靴内防水キーパー(以後、防水キーパーBという)である。
素材として、防水および長靴に出し入れが出来る柔らかさが必要であるが、ポリ塩化ビニールやポリエチレン又は柔らかいプラスチック、その他数多く考えられる。防水となり柔らかく、加工しやすいものであれば良い。
【0018】
もしも単独の製造等で、防水キーパーが長靴よりも丈が長い時は、その素材の柔らかさにより長靴の内側で、外にめくる形にして長靴の丈に合わせる。
【0019】
防水キーパーの足底部分の内面または内外両面に、滑りにくい素材を貼り付け、又は生ゴム等の素材を吹きつけて滑り難くする。これは履き心地の改良と、安全性を高めた長靴内防水キーパーとして更に良いものにするためである。 上記の、貼り付ける滑りにくい素材は、例えばガムテープの様な物でもよく、又は布製のものを糊付けするようにしても良い。(図2参照)
【0020】
防水キーパーBはそれまでの長靴に突然穴を開けてしまった時の、応急処置的な使用法として用いることが出来るが、それに限定されるものではない。
防水キーパーBは、弁当袋の隅にでも入れて携帯できる、小さく折りたためる薄いものである。
【0021】
防水キーパーBは、開口部にゴムが通してある。(図3参照) なお、ゴムは脚部の肉に食い込まないように、ゆったりしていると同時に幅広でしっかりしたものになっている。
【産業上の利用可能性】
【0022】
長靴に付加価値をつける付属品として、長靴とセットで販売することが考えられる。
また、防水キーパーAと防水キーパーBを個別に販売することや、セットにして販売することも考えられる。
【0023】
手軽なものであるが、靴下や足が濡れたままの惨めな思いで仕事に携わり続けずに済むコンパクトで安価な便利グッズであり、仕事の能率にも好影響を及ぼすゆえ、需要は大きいと推測される。
【符号の説明】
【0024】
1 …長靴
2 …長靴内防水キーパー(AおよびB)
3 …防水キーパーA
4 …防水キーパーB
5 …内面に貼り付ける滑りにくい素材
6 …幅広のゴム







【特許請求の範囲】
【請求項1】
長靴の内側に入れることを目的として、防水となる素材および長靴に出し入れが出来る柔らかさの素材により、爪先から踵さらにくるぶしの上から長靴の開口部まで、長靴の内側の形に合わせて作られた、長靴内防水キーパー。
【請求項2】
キーパーの足底部分の内面または内外両面に、滑りにくい素材を貼り付けた請求項1の長靴内防水キーパー。
【請求項3】
キーパーの足底部分の内面または内外両面に、滑りにくい素材を吹き付けた請求項1の長靴内防水キーパー。




















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−147727(P2011−147727A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13377(P2010−13377)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(307043913)
【Fターム(参考)】