長靴

【課題】簡単な構造で足の浮きを抑制して良好なフィット感が得られる脱ぎ履きが容易な長靴を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る長靴1は、長靴本体2と、長靴本体2の内面2aに取り付けられて長靴本体2に対して足20を保持する保持部10とを有する。保持部10は、足20の脛部21から甲部22に対面する部位が長靴本体2の内面2aから通気空隙9を介して離間して長靴本体2の内側に膨出することにより少なくとも足首領域23を靴底6側へと押し付けるとともに、通気空隙9側へ向けて変位可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪天候時、或いはレジャー時等において使用される長靴に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、長靴は、足首領域から下方部分を包囲する足覆部と、足首領域から上方部分を包囲する筒部とを備えており、防水、防寒などを目的として履かれる。このような長靴は、使用に際して、足の甲部と足覆部との間に大きな隙間が生じているため、足裏のつま先から踵に至る領域が靴底から浮き易く、フィット感に欠け、歩き難いという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、特許文献1には、エアの送排によって膨縮可能なインナーを長靴内面と足との間の隙間に介挿することにより、長靴と足との間の遊びを無くすようにした長靴が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−340106号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、インナーを使用する際には、インナーを長靴内にセットしなければならない。しかも、その場合には、長靴を履く度に、インナーにエアを送入し、長靴を脱ぐ度にインナーからエアを排出しなければならず、長靴の脱ぎ履きが面倒であるという問題がある。また、エアの送入・排出のための送排気栓を備えるため、長靴全体の構造が複雑となる。
【0006】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構造で足の浮きを抑制して良好なフィット感が得られる脱ぎ履きが容易な長靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の長靴は、長靴本体と、長靴本体の内面に取り付けられて長靴本体に対して足を保持する保持部とを有し、前記保持部は、足の脛部から甲部に対面する部位が前記長靴本体の内面から通気空隙を介して離間して長靴本体の内側に膨出することにより少なくとも足首領域を靴底側へと押し付けるとともに、前記通気空隙側へ向けて変位可能であることを特徴とする。
【0008】
この請求項1に記載の長靴によれば、保持部が長靴本体の内面に取り付けられた状態であるため、特許文献1のインナーのように取り付け取り外しの手間がかからない。また、エアの送入・排出を伴うことなく、足の脛部から甲部に対面する保持部の部位を長靴本体の内面から通気空隙(特許文献1のインナーの内部のような加圧空間ではなく、通気性を伴う空隙)を介して離間させて長靴本体の内側に膨出させるだけで少なくとも足首領域を靴底側へと押し付けるため、簡単な構造で面倒な作業を伴うことなく足の浮きを抑制して良好なフィット感を得ることができる。したがって、歩行性を向上することが可能になる。更に、保持部が通気空隙側へ向けて変位可能であるため、保持部が長靴の内面に取り付いた状態でも長靴の脱ぎ履きが容易(足の出し入れがスムーズ)であるととともに、長靴を履いて歩行する際にも、足首が長靴に対して保持されるため、長靴に対して足が一体化されて歩行性に優れる。また、通気空隙は、通気性を伴うため、足が蒸れることもない。
【0009】
また、請求項2に記載の長靴は、請求項1に記載の長靴において、前記保持部は、それ自体の弾力によって前記長靴本体の内面から離間することにより少なくとも足首領域を靴底側へと押し付けることを特徴とする。
【0010】
この請求項2に記載の長靴によれば、請求項1に記載の長靴と同様の作用効果が得られるとともに、保持部がその弾力によって長靴本体の内面から離間するため、簡単な構成で保持部の保持力および変位性能の向上を図ることができる。
【0011】
また、請求項3に記載の長靴は、請求項1または請求項2に記載の長靴において、前記保持部が伸縮性を有する編み布によって形成されることを特徴とする。
【0012】
この請求項3に記載の長靴によれば、請求項1または請求項2に記載の長靴と同様の作用効果が得られるとともに、保持部が伸縮性の編み布によって形成されているため、保持部の変位方向性に優れ、足の出し入れ性が向上する。
【0013】
また、請求項4に記載の長靴は、請求項3に記載の長靴において、前記編み布が袋状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
この請求項4に記載の長靴によれば、請求項3に記載の長靴と同様の作用効果が得られるとともに、編み布が袋状に形成されているため、長靴に対する足の出し入れ時に足が引っ掛かることがなく、長靴の脱ぎ履き(足の出し入れ)をスムーズに行なえる。
【0015】
また、請求項5に記載の長靴は、請求項1に記載の長靴において、前記保持部が合成樹脂製の板状体から成ることを特徴とする。
【0016】
この請求項5に記載の長靴によれば、請求項1に記載の長靴と同様の作用効果が得られるとともに、保持部が合成樹脂製の板状体から成るため、保持部を足形状に容易に適合させることができ、より安定して足を長靴に対して保持させることができる。
【0017】
また、請求項6に記載の長靴は、請求項5に記載の長靴において、前記板状体は、前記長靴本体の幅方向に互いに離間して複数配列されていることを特徴とする。
【0018】
この請求項6に記載の長靴によれば、請求項5に記載の長靴と同様の作用効果が得られるとともに、板状体が長靴本体の幅方向に互いに離間して複数配列されているため、長靴に対する足の出し入れ時に板状体が幅方向にも変形可能となり、足の出し入れ性に優れる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡単な構造で足の浮きを抑制して良好なフィット感が得られる脱ぎ履きが容易な長靴を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の長靴を概念的に示しており、(a)は長靴内に足を入れ始める状態、(b)は足の足首領域が保持部にさしかかった状態、(c)は足の甲部が完全に足覆部内に挿入された状態をそれぞれ示している。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態に係る長靴の側断面図、(b)は(a)のA部の拡大断面図、(c)は(a)のB部の拡大断面図である。
【図3】図2の長靴を製造するための一連の製造工程を示す概略図である。
【図4】図4の(a)〜(c)は図3に示される製造思想を概念的に示しており、(a)は円筒状の伸縮性布地の斜視図、(b)は伸縮性布地をラストに被せた状態を示す斜視図、(c)はラストを抜去した後の成形品の断面図である。また、図4の(d)は保持部の第1の変形例の概略図であり、図4の(e)は保持部の第2の変形例の概略図である。
【図5】(a)は本発明の第2の実施形態に係る長靴の概略断面図、(b)は(a)の保持部を正面から見た概略図である。
【図6】図5の保持部の変形例を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態の編み布の積層構造の変形例を示しており、(a)は図2のA部に対応する断面図、(b)は図2のB部に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る長靴の実施形態について説明する。
図1には本発明の長靴1が概念的に示されている。本発明の長靴1は、長靴本体2と、長靴本体2の内面2aに取り付けられて長靴本体2に対して足20を保持する保持部10とを有する。長靴本体2は、その内側に入れられる足20の足首領域23からその下方領域を包囲するように断面が略半楕円形状に形成された足覆部2Aと、足首領域23からその上方領域を包囲するように断面が略円形状に形成された筒部2Bとを有する。また、長靴本体2は、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、軟質ポリオレフィン、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーなどの比較的柔軟な素材によって形成される。
【0022】
なお、長靴本体2の靴底6は一般に足覆部2Aの底面2Aaによって形成されるが、足覆部2Aの内部に底面2Aaに積層してインソール(中敷き;、履き心地を向上するために設置される)が配置されてもよい。
【0023】
また、長靴本体2の内面に取り付けられる保持部10は、足20の脛部21から甲部22に対面する部位10aが長靴本体2の内面2aから通気空隙(通気性を有する空隙)9を介して離間して長靴本体2の内側に膨出することにより少なくとも足首領域23を靴底6側へと押し付ける(図1の(c)の矢印参照)とともに、足20から受ける押圧力によって通気空隙9側へ向けて変位できる(図1の(a)(b)の矢印参照)ようになっている。つまり、図1の(a)に示されるように、長靴1内に足20を入れる際には、保持部10が足の形状に沿って通気空隙9側へと変形し、足20の進入を許容する。その後、図1の(b)に示されるように、足20の足首領域23が保持部10にさしかかると、保持部10は、長靴本体2の内面2a側に更に押し広げられて、足覆部2A内へと足20を案内する。そして、図1の(c)に示されるように足20の甲部22が完全に足覆部2A内に挿入されると、保持部10は、元の膨出形状へと戻って少なくとも足首領域23を靴底6側へと押し付ける。
【0024】
図2には、そのような保持部10を有する長靴1の具体的な構成例である第1の実施形態が示されている。この実施形態の保持部10は、伸縮性を有する積層構造の編み布によって形成されており、それ自体の弾力によって長靴本体2の内面2aから離間することにより、少なくとも足首領域23を靴底6側へと押し付けるようになっている。具体的には、図2に示されるように、保持部10は、足を受け入れる長靴本体2の内部空間を形成するように或いは長靴本体2の内面形状に沿うように靴下の形態の袋状を成すインナー部材30の一部によって形成される。より具体的には、インナー部材30は、伸縮性を有する2層構造の編み布によって形成されており、外層30aが長靴本体2の内面2aに固着される(図2の(a)のA部および図2の(b)参照)とともに、内層30bが足の脛部から甲部に対面する部位を除いて外層30aに対して接着や編み付け等によって一体化される(図2の(a)のA部および図2の(b)参照)ことにより、外層30aと内層30bとが一体化されていない(図2の(a)のB部および図2の(c)参照)袋状領域Sによって、より明確には、外層30aと一体化されていない(したがって、長靴本体2の内面2aと密着していない)伸縮性の内層30bによって保持部10を形成するようになっている。ここで、インナー部材30を形成する編み布は、例えばポリエステル合成繊維を用いて例えばトリコット編みにより伸縮自在に編み込まれる。しかしながら、編み込み形態は、トリコット編みに限定されず、平編み、丸編み、ゴム編み、レース編みであってもよい。また、編み布を構成する構成糸としては、ポリエステル以外に、ナイロン、レーヨン、スパンデックス、ポリウレタンなどを挙げることができる。
【0025】
このようなインナー部材30を長靴本体2と一体化させて保持部10に伸縮性(弾力性)をもたせるための製造方法が図3に示されている。
【0026】
まず初めに、図3の(a)に示されるように、前述した構成の靴下形状のインナー部材30を製作する。このインナー部材30は、前述したように外層30aと内層30bとが一体化されていない袋状領域Sを有する。その後、このインナー部材30を、該インナー部材30よりも大型の靴下形状のラスト(靴型)40の外周に引き伸ばしながら被せる(図3の(b)参照)。そして、このようにインナー部材30が被嵌されたラスト40を長靴成形用の金型42内にセットする(図3の(c)参照)。この場合、金型42は例えば図示のように上型42aと左右金型42b,42cとから成る。次に、このように金型42にラスト40をセットした状態で、例えば上型42aの注入ポート45から熱可塑性樹脂Rを金型42内に射出し、ラスト40と金型42の内面との間に注入される樹脂Rによって長靴本体2を成形する。このとき、注入される樹脂Rが、ラスト40に被せられたインナー部材30の外層30a中に浸透し、それにより、射出成形される長靴本体2の内面2aに対してインナー部材30の外層30aおよび該外層30aと一体化されている内層30bが固着してこれらが一体化される。一方、外層30aと内層30bとが一体化されていない袋状領域Sでは、内層30bが樹脂Rと一体化する(外層30aと内層30bとが一体化する)ことはない。これは、本実施形態では、長靴本体2aを形成する樹脂Rが外層30a中には浸透するが外層30aと一体化していない内層30b中には浸透しないように外層30aの厚みや編み込み形態(インナー部材30の編み込み形態)が調整されているからである。なお、外層30aに一体化されていない内層30bと外層30aとの間には、この間に樹脂Rが浸透しないように、浸透防止用のシートやスポンジ材等を介在させてもよい。
【0027】
その後、インナー部材30が一体化されて成る射出成形品としての長靴からラスト40を抜去すると、引き伸ばされて拡径されていたインナー部材30が元の縮径形状へ戻ろうとするが、袋状領域Sを除いてインナー部材30の内外層30a,30bと長靴本体2とが一体化されているため、袋状領域S以外の内外層30a,30bは引き伸ばされた拡径形状を維持し、袋状領域Sの一体化されていない内層30bのみが、元の縮径形状へと復帰して、長靴本体2の内面2aから通気空隙9を介して離間し(長靴本体の内側に膨出し)、伸縮性(弾力性)を伴う保持部10を形成する。
【0028】
このような成形後の元の形状への復元によって所定部分に弾性をもたせる製造思想は、図4の(a)〜(c)に示される一連の工程によって容易に理解できる。すなわち、図4の(a)に示されるように、上端および下端の両端のみで外層aと内層bとが一体化された(一体化された部分が図中に斜線で示されている)円筒状の2層構造の伸縮性布地Xを用意し、この布地Xを該布地Xよりも大径のラストYの外周に被せた状態(図4の(b)参照)で、布地Xの外周に樹脂を固着させるように成形した後、ラストYを成形布地から抜去すると、図4の(c)に示されるように、樹脂Rと一体化された布地Xの外層aは拡径形状に維持されるが、外層aと一体化されていない内層bは、上端および下端を除き、元の形状へと弾性的に縮径して内側に膨出する。本実施形態では、このような製造思想を利用して保持部10が形成される。
【0029】
なお、ラスト40を抜去した後に得られる保持部10を有する長靴の成形品が図3の(d)に示されている。この成形品からはみ出した編み部49をカットすると、図3の(e)に示される長靴1の完成品が得られる。
【0030】
他の変形例として、前述した製造思想に基づく形状復元に伴う弾力付与によって保持部10を得るのではなく、図4の(d)に示されるように、インナー部材30の外層30aと内層30bとの間に、足首に対応するインナー部材の部位を踵側へ向けて付勢する伸縮部材50を足首部位から踵部位にわたって介挿してもよく、あるいは、図4の(e)に示されるように、2層構造の編み布を用いることなく、単層の編み布(インナー部材30’)の内面に対して別体の伸縮部材52を袋状に溶着固定してもよい。この場合、伸縮部材52の外周のみを編み布の内面に溶着固定して、編み布の内面と伸縮部材52との間に通気空隙9を残すことは言うまでもない。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の長靴1によれば、保持部10が長靴本体2の内面2aに取り付けられた状態であるため、特許文献1のインナーのように取り付け取り外しの手間がかからない。また、エアの送入・排出を伴うことなく、足20の脛部21から甲部22に対面する保持部10の部位を長靴本体2の内面2aから通気空隙9を介して離間させて長靴本体2の内側に膨出させるだけで少なくとも足首領域23を靴底6側へと押し付けるため、簡単な構造で面倒な作業を伴うことなく足20の浮きを抑制して良好なフィット感を得ることができる。したがって、歩行性を向上することが可能になる。更に、保持部10が通気空隙9側へ向けて変位可能であるため、保持部10が長靴1の内面に取り付いた状態でも長靴の脱ぎ履きが容易(足の出し入れがスムーズ)であるととともに、長靴1を履いて歩行する際にも、足首が長靴に対して保持されるため、長靴に対して足が一体化されて歩行性に優れる。また、通気空隙9は、通気性を伴うため、足が蒸れることもない。
【0032】
また、本実施形態によれば、保持部10がその弾力によって長靴本体2の内面2aから離間するため、簡単な構成で保持部10の保持力および変位性能の向上を図ることができる。更に、本実施形態によれば、保持部10が伸縮性の編み布によって形成されているため、保持部10の変位方向性に優れ、足の出し入れ性が向上する。この場合、編み布が袋状に形成されているため、長靴1に対する足20の出し入れ時に足20が引っ掛かることがなく、長靴1の脱ぎ履き(足20の出し入れ)をスムーズに行なえる。
【0033】
図5は本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態は、保持部10の構成のみが第1の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態の保持部60は合成樹脂製(例えばポリプロピレンまたはポリアセチレンなど)の複数(図では3つ)の平らな板状体62から成る。これらの板状体62は、足の脛部から甲部に対面するように上下方向に延在するとともに長靴本体2の幅方向に互いに離間して配置されており、その上端62aおよび下端62bの屈曲形状に起因して或いは長靴本体2の内側に弾性的に撓まされることにより(長靴本体2の内面2aから通気空隙9を介して離間して)膨出された状態でその上端62aおよび下端62bが長靴本体2の内面2aに接着または縫い付け等により固定されている。また、各板状体62の幅寸法は、長靴1内への足の挿入を妨げないように比較的細く設定される。
【0034】
このように、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同様の作用効果が得られるとともに、保持部10が合成樹脂製の板状体62から成るため、保持部10を足形状に容易に適合させることができ、より安定して足を長靴に対して保持させることができる。また、本実施形態によれば、板状体62が長靴本体2の幅方向に互いに離間して複数配列されているため、長靴に対する足の出し入れ時に板状体62が幅方向にも変形可能となり、足の出し入れ性に優れる。
【0035】
図6には第2の実施形態の変形例が示されている。図示のように、この変形例では、板状体62同士が伸縮性を有する連結部材66によって互いに連結されている。このようにすると、長靴に足を挿入する際に横方向(足の幅方向)に押し広げられた板状体62が元の所定位置に戻ろうとする力Fが働くため、保持力(足首領域を靴底側へ押し付ける力)を逃がすことなく足を十分な力で効率的に保持することができる。
【0036】
また、このような構成では、内側に位置する板状体62よりも外側に位置する板状体62の剛性を低くする(曲がり易くする)ことが好ましい。すなわち、3つの板状体62を備える本変形例では、両側(最も外側の)板状体62の剛性を真ん中の板状体62の剛性よりも低く設定する。このように外側の板状体62の剛性を低くすると、歩行時に足首が屈曲する際に足首部位に対して作用する板状体62からの力を弱めることができるため、足首に負担をかけずに済む。
【0037】
図7は、前述した編み布の積層構造の変形例を示している。ここで、図7の(a)は図2のA部の断面に対応しており、図7の(b)は図2のB部の断面に対応している。これらの図から分かるように、本変形例では、編み布、すなわち、インナー部材30の外層30aと内層30bとの間に断熱材70が介挿されている。この場合、断熱材70は、接着などによって外層30aと一体化されるとともに、保持部10の領域を除いて内層30bとも一体化されている。保持部10の領域では、断熱材70と内層30bとの間に通気空隙9が形成される。なお、断熱材70の材質としては、軟質ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォームなどが挙げられ、これらの材料は、軽く、柔軟性に優れ、保湿性および緩衝性を有する。
【0038】
このように、インナー部材30に断熱材70を設けると、保温性が得られるため有益である。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態では、保持部が伸縮性を有する編み布または板状体によって形成されているが、保持部は、これらに限定されず、長靴本体の内面から通気空隙を介して離間して長靴本体の内側に膨出することにより少なくとも足首領域を靴底側へと押し付けるとともに通気空隙側へ向けて変位可能であれば、どのような形態であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 長靴
2 長靴本体
2a 内面
6 靴底
9 通気空隙
10 保持部
20 足
21 脛部
22 甲部
23 足首領域
30 インナー部材(編み布)
62 板状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長靴本体と、長靴本体の内面に取り付けられて長靴本体に対して足を保持する保持部とを有し、
前記保持部は、足の脛部から甲部に対面する部位が前記長靴本体の内面から通気空隙を介して離間して長靴本体の内側に膨出することにより少なくとも足首領域を靴底側へと押し付けるとともに、前記通気空隙側へ向けて変位可能であることを特徴とする長靴。
【請求項2】
前記保持部は、それ自体の弾力によって前記長靴本体の内面から離間することにより少なくとも足首領域を靴底側へと押し付けることを特徴とする請求項1に記載の長靴。
【請求項3】
前記保持部が伸縮性を有する編み布によって形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の長靴。
【請求項4】
前記編み布が袋状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の長靴。
【請求項5】
前記保持部が合成樹脂製の板状体から成ることを特徴とする請求項1に記載の長靴。
【請求項6】
前記板状体は、前記長靴本体の幅方向に互いに離間して複数配列されていることを特徴とする請求項5に記載の長靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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