説明

閃光放電管及びストロボ装置

【課題】本発明は、ガラス管の強度を増加させると共に、発光耐久性を増加させることができる閃光放電管、及び該閃光放電管を備えたストロボ装置を提供する。
【解決手段】本発明の閃光放電管1は、ガラス管と、該ガラス管の一端部に設けられる陽極側電極としてのアノード電極4と、ガラス管の他端部に設けられる陰極側電極としてのカソード電極5と、を備える。ガラス管は、石英ガラス製の第1ガラス管2と、該第1ガラス管2の両端部にそれぞれ接続される硼珪酸ガラス製の第2ガラス管3とで形成されている。第1ガラス管2と、第2ガラス管3とは、第1ガラス管2の熱膨張係数と第2ガラス管の熱膨張係数3との間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管8を介して接続されている。本発明の閃光放電管1は、ガラス管の内径に対するアノード電極4の外径の比率が43.5%以上であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閃光放電管及び該閃光放電管を備えたストロボ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、カメラ機能付携帯電話等の電子機器に閃光放電管を備えたストロボ装置が搭載されて、普及されている。
【0003】
かかるストロボ装置は、棒状の閃光放電管を備え、ガラス管と、該ガラス管の一端部に設けられる陽極側電極としてのアノード電極と、ガラス管の他端部に設けられる陰極側電極としてのカソード電極とで、基本的に構成されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
この種のストロボ装置では、閃光放電管用のガラス管として、硼珪酸ガラスが使用されており、また、電極(アノード電極及びカソード電極)として、発光に対する熱衝撃等の耐久性の観点から、タングステンが一般的に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−244896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種のストロボ装置を備えたデジタルカメラ、カメラ機能付携帯電話等では、近年、カメラのデジタル化により、撮り損ねた分が消去可能であるため、撮影時の撮影枚数が格段に増え、それに伴いストロボ装置の発光回数も格段に増加している。そのため、ストロボ装置において、これまで以上の発光に対する耐久性(発光耐久性)が求められている。
【0007】
ストロボ装置の耐久性は、閃光発光する閃光放電管のガラス管への発光時のストレスにより発生するクラックが進行してリークすることで低下するため、ガラス管の強度を増加させることが必要である。
【0008】
閃光放電管用のガラス管の強度を増加させるために、ガラス管として石英ガラスを使用すればよいことが知られている。石英ガラスは、主に二酸化ケイ素からなるガラスで、融点が約2000℃、熱膨張係数が約0.55×10−6/℃であり、閃光放電管の発光時に起こる熱衝撃に強く、紫外線から赤外線までの光波長領域において高い透過性を有することから、広く用いられている。
【0009】
その一方で、電極として使用されるタングステンは、熱衝撃に耐え得る特徴を有しており、融点が約3400℃、熱膨張係数が約4.5×10−6/℃と高く、石英ガラスの融点及び熱膨張係数と著しく異なっている。そのため、ガラス管を加熱溶融することによって、電極(アノード電極及びカソード電極)をガラス管に直接溶着しようとすると、ガラス管や電極封止部にクラックが生じることがある。
【0010】
そこで、石英ガラスの熱膨張係数とタングステンの熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する、数種類のガラスで形成されたビード部をガラス管に溶着固定し、該ガラス管に固定されたビード部を介して、ガラス管にタングステンを固定するようにしている。
【0011】
また、閃光放電管用のガラス管の強度を増加させるべく、例えば、前述の硼珪酸ガラスと石英ガラスとを、熱膨張係数が異なる数種類のガラスで形成された段継ぎガラスによって接続し、ガラス管の強度を増加させると共に、石英ガラスとタングステンとの間での熱膨張係数の差を吸収するようにしている。
【0012】
しかしながら、ガラス管の強度を増加させた場合、ガラス管の耐久性が増加することで、電極(アノード電極及びカソード電極)にかかる負担が増加するため、例えば、カソード電極においては、焼結金属体を用いて電極における放電の影響を低減させるなどしているが、アノード電極においては、タングステンがそのまま使用されているため、電極の強度(耐久性)がガラス管に比べて弱くなり、その結果、閃光放電管の発光耐久性が低下する。そのため、特に、アノード電極において、閃光放電管に対する発光耐久性の影響を考慮する必要があった。したがって、ガラス管の強度を増加させると共に、アノード電極側における電極の強度(耐久性)を高めて、閃光放電管に対する発光耐久性を増加させることが望まれている。
【0013】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、ガラス管の強度を増加させると共に、発光耐久性を増加させることができる閃光放電管、及び該閃光放電管を備えたストロボ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の閃光放電管は、ガラス管と、該ガラス管の一端部に設けられる陽極側電極と、前記ガラス管の他端部に設けられる陰極側電極とを備えた閃光放電管において、前記ガラス管は、第1ガラス管と、該第1ガラス管の両端部にそれぞれ接続される第2ガラス管であって、第1ガラス管の熱膨張係数と第2ガラス管の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管を介して接続される第2ガラス管とで形成され、しかも、前記ガラス管の内径に対する前記陽極側電極の外径の比率が43.5%以上であることを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、本発明の閃光放電管のガラス管は、第1ガラス管と、該第1ガラス管の両端部にそれぞれ接続される第2ガラス管とで形成され、第1ガラス管及び第2ガラス管は、それらの熱膨張係数の間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管を介して接続されている。このため、熱膨張係数の異なる複数のガラス管を、それらの熱膨張係数の間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管で接続するだけで、ガラス管が一種類のガラス管のみで形成される場合に比し、ガラス管の強度を増加することができ、閃光放電管に対する発光耐久性を増加させることができる。
【0016】
ところで、このように構成された閃光放電管では、ストロボ装置として、例えば、デジタルカメラやカメラ機能付携帯電話に搭載された場合、撮影時の撮影枚数の増加に伴って、ストロボ装置の発光回数も増加し、初期光量に比してストロボ装置の光量(発光耐久性)が次第に低下するようになる。そこで、初期光量に比してストロボ装置の光量(発光耐久性)が次第に低下することを防止すべく、上述の閃光放電管を備えたストロボ装置の発光耐久性を調べるために、ガラス管の内径と陽極側電極の外径との関係に着目し、後述のストロボ装置の発光耐久性試験を行った。その結果、ガラス管の内径に対する陽極側電極の外径の比率(%)が43.5%以上であれば、閃光放電管を所定の発光条件下で発光させた場合でも、その後の閃光放電管の光量が、初期光量の90%以上を維持することができるため、ガラス管の強度を増加しつつ、閃光放電管の光量の低下を軽減することができ、閃光放電管に対する発光耐久性を増加させることができる。
【0017】
また、請求項2記載の発明において、前記陽極側電極及び前記陰極側電極は、それぞれビード部を介して前記第2ガラス管に固定されることが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、陽極側電極及び陰極側電極が、それぞれ、ビード部を介して第2ガラス管に、より強力に固定されるため、ガラス管にクラックを生じることがなく、ガラス管の強度を増加させることができる。
【0019】
また、請求項3記載の発明において、前記第1ガラス管は、石英ガラス製であり、前記第2ガラス管は、硼珪酸ガラス製であることが好ましい。
【0020】
かかる構成によれば、本発明の閃光放電管のガラス管は、石英ガラス製の第1ガラス管と、該第1ガラス管の両端部にそれぞれ接続される硼珪酸ガラス製の第2ガラス管とで形成されている。石英ガラス製の第1ガラス管と珪酸ガラス製の第2ガラス管とでは、熱膨張係数が異なるが、上述のように、熱膨張係数の異なる複数のガラス管を、それらの熱膨張係数の間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管を介して接続することで、ガラス管にクラックを生じることなく、ガラス管の強度を増加することができ、閃光放電管に対する発光耐久性を増加させることができる。
【0021】
また、請求項4記載の発明において、前記陽極側電極及び/又は前記陰極側電極は、先端部が前記段継ぎガラス管の内側に位置するよう配置されることが好ましい。
【0022】
また、請求項5記載の発明において、本発明のストロボ装置は、上述の何れかの閃光放電管を備えている。このような構成により、熱膨張係数の異なる複数のガラス管を段継ぎガラス管を介して接続することで、閃光放電管のガラス管の強度を増加させると共に、閃光放電管の発光耐久性を増加させることができ、相当数の発光回数が必要なストロボ装置等の用途にも適用できる。
【発明の効果】
【0023】
これにより、ガラス管の強度を増加させると共に、発光耐久性を増加させることができる閃光放電管、及び該閃光放電管を備えたストロボ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態にかかる閃光放電管の断面図
【図2】本実施形態にかかる閃光放電管の発光耐久性試験結果の表を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明にかかる閃光放電管の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0026】
本実施形態にかかる閃光放電管1は、図1に示すように、長尺状(棒状)に形成されており、ガラス管と、該ガラス管の一端部に設けられる陽極側電極としてのアノード電極4と、ガラス管の他端部に設けられる陰極側電極としてのカソード電極5とで、基本的に構成されている。
【0027】
本実施形態においては、ガラス管は、長尺で熱膨張係数の低い第1ガラス管2と、該第1ガラス管2の両端部にそれぞれ接続され、第1ガラス管2よりは短尺で第1ガラス管2よりも熱膨張係数の高い第2ガラス管3とで形成されている。具体的には、第1ガラス管2と第2ガラス管3とは、第1ガラス管2の熱膨張係数と第2ガラス管3の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管8を介して接続されている。
【0028】
そして、本実施形態においては、アノード電極4は、一方の第2ガラス管3側に設けられ、カソード電極5は、他方の第2ガラス管3側に設けられている。具体的には、閃光放電管1においては、アノード電極4及びカソード電極5は、それぞれビード部6を介して第2ガラス管3に溶着固定されている。
【0029】
第1ガラス管2は、石英ガラス製のガラス管であり、その両端部に接続された前述の段継ぎガラス管8を介して、第2ガラス管3が接続されている。一方、第2ガラス管3は、硼珪酸ガラス製のガラス管であり、アノード電極4、カソード電極5、ビード部6と略同一の熱膨張係数を有するガラス材料で構成されている。
【0030】
アノード電極4は、タングステンからなる金属棒であり、一方のビード部6に固定され、第1ガラス管2側の先端部がビード部6を貫通して陰極に向かって突出している。
【0031】
カソード電極5は、陰極本体5aと、該陰極本体5aに支持された焼結金属体7とで構成されている。陰極本体5aは、タングステンからなる金属棒であり、他方のビード部6に固定され、第1ガラス管2側の先端部が、ビード部6及び焼結金属体7を貫通してアノード電極4に向かって突出している。
【0032】
ビード部6は、それぞれ、中心にアノード電極4及びカソード電極5を貫通する貫通孔が形成され、その外径がガラス管の内径よりも僅かに小さく形成され、アノード電極4及びカソード電極5を閃光放電管1の両端部に封止する際に、アノード電極4及びカソード電極5と第2ガラス管3の膨張係数を一致させて溶着固定するようにしている。
【0033】
焼結金属体7は、陰極本体5aの第1ガラス管2側の先端部において、陰極本体5aと同軸に支持されている。焼結金属体7は、アノード電極4とカソード電極5との間で電圧が印加された場合に、多量の電子が放出されるように構成されている。
【0034】
段継ぎガラス管8では、その融点及び熱膨張係数が第1ガラス管2と第2ガラス管3との間で段階的に異なるように形成され、順次溶着される複数層の継ぎガラス管によって構成されている。具体的には、段継ぎガラス管8は、第2ガラス管3側で第2ガラス管3よりも熱膨張係数が低く、また、第1ガラス管2側で第1ガラス管2よりも熱膨張係数が高く、熱膨張係数が段階的に変化するように、熱膨張係数が段階的に異なる複数層(本実施形態では、3層)の継ぎガラスによって構成されている。
【0035】
本実施形態においては、アノード電極4及び/又はカソード電極5は、先端部が段継ぎガラス管8の内側に位置するよう配置されている。
【0036】
そして、閃光放電管1は、第1ガラス管2、段継ぎガラス管8及び第2ガラス管3と、ビード部6との熱溶着により、その内部を封止されている。閃光放電管1の内部には、放電ガスとしての希ガス9が封入されている。
【0037】
以上のように、本実施形態にかかる閃光放電管1では、ガラス管として用いられた第1ガラス管2及び第2ガラス管3が、段継ぎガラス管8によって接続されている。融点及び熱膨張係数が異なる第1ガラス管2及び第2ガラス管3は、上述のように構成された段継ぎガラス管8によって接続されているため、クラックを生じることなく一体化される。また、第1ガラス管2、第2ガラス管3及び段継ぎガラス管8の外径は同一となるように形成され、これらが溶着されることにより、第1ガラス管2と第2ガラス管3とを、同軸に一体化することができる。
【0038】
また、本実施形態にかかる閃光放電管1は、第1ガラス管2の両端部にそれぞれ接続されるアノード電極4及びカソード電極5が、ビード部6を介して第2ガラス管3に溶着固定されているため、ガラス管として石英ガラス製の第1ガラス管2を用いた場合でも、石英ガラスと熱膨張係数の全く異なるタングステンを電極(アノード電極4及びカソード電極5)として用いることができる。
【0039】
また、第1ガラス管2と第2ガラス管3とが、段継ぎガラス管8を介して接続されるため、熱膨張係数が異なる複数のガラス管を用いて、従来の閃光放電管に比し、閃光放電管1のガラス管の強度を増加させると共に、閃光放電管1の発光耐久性を増加させることができる。
【0040】
ところで、このように構成された閃光放電管1を備えたストロボ装置を搭載したデジタルカメラやカメラ機能付携帯電話では、撮影時の撮影枚数の増加に伴って、ストロボ装置の発光回数も増加し、初期光量に比してストロボ装置の光量が、発光によって電極から微量の電極材料が飛散することで次第に低下するようになる。(発光耐久性の低下)
そこで、初期光量に比してストロボ装置の光量(発光耐久性)が次第に低下することを防止すべく、閃光放電管1を備えたストロボ装置の発光耐久性を調べるために、ガラス管の内径とアノード電極4の外径との関係に着目し、以下の条件の下、ストロボ装置の発光耐久性試験を行った。その結果を図2に示す。なお、図2において、発光耐久性が良好な場合(以下の条件を満たす場合)を○印とし、発光耐久性が良好でない場合(以下の条件を満たさない場合)を×印として表している。
(実施例)
閃光放電管1を検査用回路(図示せず)に接続し、その回路に入力電圧330V、入力電力95.3Wsを印加して、閃光放電管1を10秒の発光間隔で30000回発光させた。そして、試験後における閃光放電管1の光量が、試験前の閃光放電管1の初期光量の90%以上であることを判断条件として、ガラス管の内径に対するアノード電極4の外径の比率と、閃光放電管1の発光耐久性との関係を調べた。なお、ガラス管の肉厚は、最小で0.225mmである。
【0041】
その結果、図1に示すように、ガラス管の内径をAとし、アノード電極4の外径をBとした場合、図2の結果より、B/Aの比率(%)が、43.5%以上100%未満において、閃光放電管1の発光耐久性が上記判断条件を満たすことが分かった。
【0042】
以上により、ガラス管の内径に対するアノード電極4の外径の比率(%)が、43.5%以上100%未満となるように、閃光放電管1を作製することにより、閃光放電管1を、上記条件の下、10秒の発光間隔で30000回発光させた場合であっても、その後の閃光放電管1の光量が、初期光量の90%以上であるという判断条件を満たすことができ、ガラス管の強度を増加させると共に、発光耐久性を増加させることができる閃光放電管、及び該閃光放電管を備えたストロボ装置を提供することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
【0044】
本実施形態にかかる閃光放電管1では、第1ガラス管2として熱膨張係数の低い石英ガラス製のガラス管が用いられ、第2ガラス管3として熱膨張係数の高い硼珪酸ガラス製のガラス管が用いられているが、これに限定されず、第1ガラス管2として熱膨張係数の高いガラス管が用いられ、第2ガラス管3として熱膨張係数の低いガラス管が用いられてもよい。ようは強度の強いガラス管と、電極とほぼ等しい膨張係数のガラス管を段継ぎガラス管でつなげばよい。この場合においても、ガラス管が硼珪酸ガラス製のガラス管のみによって形成された場合に比し、ガラス管の強度を増加させると共に、閃光放電管1の発光耐久性を増加させることができる。
【0045】
本実施形態にかかる閃光放電管1では、第1ガラス管2及び第2ガラス管3を接続する段継ぎガラス管8が、熱膨張係数が段階的に異なる3層の継ぎガラスによって形成されているが、これに限定されず、例えば、段継ぎガラス管8は、1層又は2層、或いは4層以上であってもよく、ガラス管の成形目的や成形するガラス管内の温度分布等によって、適宜変更可能であり、要は、ガラス管の強度が増加されると共に、閃光放電管1の発光耐久性が増加されるような構成であればよい。
【0046】
また、本実施形態において、アノード電極4及び/又はカソード電極5は、先端部が段継ぎガラス管8の内側に位置するよう配置されているが、これに限定されず、例えば、アノード電極4及び/又はカソード電極5は、段継ぎガラス管8よりも第2ガラス管3側(ガラス管の一端部側及び/又は他端側)、或いは、段継ぎガラス管8よりも第1ガラス管2側(ガラス管の中央部側)に設けられてもよい。要は、ガラス管の強度が増加されると共に、閃光放電管1の発光耐久性が増加されるような構成であればよい。
【0047】
また、本実施形態において、焼結金属体7は、陰極本体5aの第1ガラス管2側の先端部において、陰極本体5aと同軸に支持されているが、これに限定されない。要は、焼結金属体7は、アノード電極4とカソード電極5との間で電圧が印加された場合に、多量の電子が放出されるように構成されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかる閃光放電管は、ガラス管と、該ガラス管の一端部に設けられる陽極側電極と、前記ガラス管の他端部に設けられる陰極側電極とを備えた閃光放電管において、前記ガラス管は、第1ガラス管と、該第1ガラス管の両端部にそれぞれ接続される第2ガラス管であって、第1ガラス管の熱膨張係数と第2ガラス管の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管を介して接続される第2ガラス管とで形成され、しかも、前記ガラス管の内径に対する前記陽極側電極の外径の比率が43.5%以上であることによって、上記閃光放電管を備えたストロボ装置を、10秒の発光間隔で30000回発光させた場合であっても、その後の閃光放電管の光量が、初期光量の90%以上であるという判断条件を満たすことができ、ガラス管の強度を増加させると共に、閃光放電管1の発光耐久性を増加させることができ、相当数の発光回数が必要なストロボ装置等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 閃光放電管
2 第1ガラス管
3 第2ガラス管
4 アノード電極
5 カソード電極
5a 陰極本体
6 ビード部
7 焼結金属体
8 段継ぎガラス管
9 希ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管と、該ガラス管の一端部に設けられる陽極側電極と、前記ガラス管の他端部に設けられる陰極側電極とを備えた閃光放電管において、前記ガラス管は、第1ガラス管と、該第1ガラス管の両端部にそれぞれ接続される第2ガラス管であって、第1ガラス管の熱膨張係数と第2ガラス管の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する段継ぎガラス管を介して接続される第2ガラス管とで形成され、しかも、前記ガラス管の内径に対する前記陽極側電極の外径の比率が43.5%以上であることを特徴とする閃光放電管。
【請求項2】
前記陽極側電極及び前記陰極側電極は、それぞれビード部を介して前記第2ガラス管に固定されることを特徴とする請求項1に記載の閃光放電管。
【請求項3】
前記第1ガラス管は、石英ガラス製であり、前記第2ガラス管は、硼珪酸ガラス製であることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の閃光放電管。
【請求項4】
前記陽極側電極及び/又は前記陰極側電極は、先端部が前記段継ぎガラス管の内側に位置するよう配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の閃光放電管。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の閃光放電管を備えたストロボ装置。

【図1】
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【図2】
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