閃光発光装置
【課題】
スイッチング動作可能な周波数が高い、高性能な半導体素子を用いることなく、高速で連続発光が可能な閃光発光装置を提供する。
【解決手段】
スイッチ手段となる半導体素子3−1と半導体素子3−2を並列に接続するとともに、半導体素子3−1と半導体素子3−2のそれぞれが発光管1と、発光管1に電圧を印加するコンデンサ2と閉回路を構成するように接続する。そして、半導体素子3−1と半導体素子3−2を交互に動作させ、発光管1を発光させる。
スイッチング動作可能な周波数が高い、高性能な半導体素子を用いることなく、高速で連続発光が可能な閃光発光装置を提供する。
【解決手段】
スイッチ手段となる半導体素子3−1と半導体素子3−2を並列に接続するとともに、半導体素子3−1と半導体素子3−2のそれぞれが発光管1と、発光管1に電圧を印加するコンデンサ2と閉回路を構成するように接続する。そして、半導体素子3−1と半導体素子3−2を交互に動作させ、発光管1を発光させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閃光発光装置に関し、特に、連続した閃光を発光する閃光発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
閃光発光装置は、一般に、カメラに内蔵されるか、カメラと接続され、写真撮影時に閃光を発光する。
【0003】
図4は、従来の閃光発光装置の回路構成を示した図である。同図に示すように、閃光発光装置200は、発光管101と、コンデンサ102、半導体素子103、充電回路104、電池105、制御回路106、ダイオード107、ダイオード108、ダイオード109、チョークコイル110を有している。
【0004】
発光管101は、所定の電圧を印加することで放電発光するもので、例えば、キセノン管が採用される。コンデンサ102は、充電回路104により充電され、発光管101を発光させるために必要な電圧を保持する。
【0005】
半導体素子103は、発光管101とコンデンサ102を含む閉回路を構成し、スイッチとして動作するもので、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が採用される。そして、半導体素子103を導通させることにより、コンデンサ102が保持している電圧が放電管101に印加される。
【0006】
充電回路104は、電池105が供給する電力を昇圧してコンデンサ102を充電する。電池105は、閃光発光装置200を動作させる電力を供給する。
【0007】
制御回路106は、電池105から供給される電力で動作し、充電回路104で昇圧された電圧(コンデンサ102に充電された電力)を半導体素子103のゲートに印加して、半導体素子103の導通状態を制御する。これにより、発光管101とコンデンサ102を含む回路を開閉する制御が可能となり、発光管101の発光状態を制御することができる。
【0008】
ダイオード107は、コンデンサ102から充電回路104への電流の逆流を防止するもので、ダイオード108およびダイオード109は、発光管101とコンデンサ102を含む回路を開いた際に、チョークコイル110により継続して流れようとする電流をコンデンサ102に還流させる。
【0009】
チョークコイル110は、発光管101とコンデンサ102を含む回路を閉じた際に、発光管101に流れる電流を安定させる。
【0010】
なお、このような回路を利用した閃光発光装置は、特許文献1等に記載されている。
【0011】
ところで、閃光発光装置200は、カメラにより連続撮影が行われる際には、そのタイミングに同調して、連続発光を行う必要がある。この場合、制御回路106により半導体素子103のゲートに印加される電圧は、図5に示すように変化する。半導体素子103は、ゲートに所定の電圧が印加されると発光管101とコンデンサ102を含む回路を閉じるように動作する、つまり、スイッチがOFFからONに転じるような動作をするが、これに要する時間はON時間となる。また、半導体素子103は、ゲートに印加される電圧が所定以下(図5では0)になると発光管101とコンデンサ102を含む回路を開くように動作する、つまり、スイッチがONからOFFに転じるような動作をするが、これに要する時間はOFF時間となる。そして、発光管101とコンデンサ102を含む回路が閉じられている時間が通電時間となり、発光管101は発光状態となる。
【特許文献1】特開平9−160104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、閃光発光装置で連続発光を行う場合には、発光管101とコンデンサ102を含む回路を連続開閉することとなる。このためには、半導体素子103として、スイッチング動作可能な周波数が発光周波数よりも高い必要がある。半導体素子のスイッチング可能な周波数は、一般的に、電圧制御型であるIGBTが電流制御型であるトランジスタよりも高いが、IGBTにおいても、より高性能な素子がより高速で動作が可能である。つまり、高速で連続発光が可能な閃光発光装置を実現するためには、高性能なIGBTが必要となり、これに伴って、価格も高価となる。
【0013】
そこで、本発明は、スイッチング動作可能な周波数が高い、高性能な半導体素子を用いることなく、高速で連続発光が可能な閃光発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、複数のスイッチ手段を並列に接続するとともに、該スイッチ手段のそれぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成するように接続することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記スイッチ手段は、2つの半導体素子により構成されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、それぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成する位置に接続された複数のスイッチ手段と、前記スイッチ手段を選択的に閉じる制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記スイッチ手段は、第1のスイッチ手段および第2のスイッチ手段であり、前記制御手段は、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とを交互に閉じることを特徴とする。
【0018】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1のスイッチ手段および前記第2のスイッチ手段は、半導体素子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高性能な半導体素子を用いることなく、高速で連続発光が可能となり、使用する半導体素子等のスイッチング動作可能な周波数よりも高い周波数での高速連続発光が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る閃光発光装置の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明を適用した閃光発光装置の回路構成を示した図である。同図に示すように、閃光発光装置100は、発光管1と、コンデンサ2、半導体素子3−1、半導体素子3−2、充電回路4、電池5、制御回路6、ダイオード7、ダイオード8、ダイオード9、チョークコイル10を有している。
【0022】
発光管1は、所定の電圧を印加することで放電発光するもので、例えば、キセノン管が採用される。コンデンサ2は、充電回路4により充電され、発光管1を発光させるために必要な電圧を保持する。
【0023】
半導体素子3−1と半導体素子3−2は、並列に接続され、それぞれが、発光管1とコンデンサ2を含む閉回路を構成し、スイッチとして動作する。この半導体素子3−1と半導体素子3−2には、例えば、トランジスタやFET(Field Effect Transistor)、IGBT等が採用される。そして、半導体素子3−1と半導体素子3−2の少なくとも一方を導通させることにより、コンデンサ2が保持している電圧が放電管1に印加される。なお、本実施例では、半導体素子3−1と半導体素子3−2は、IGBTであるものとして説明する。
【0024】
充電回路4は、電池5が供給する電力を昇圧してコンデンサ2を充電する。電池5は、閃光発光装置100を動作させる電力を供給する。
【0025】
制御回路6は、電池5から供給される電力で動作し、電池5の電圧を半導体素子3−1、半導体素子3−2のゲートに印加し、それぞれの導通状態を制御する。これにより、発光管1とコンデンサ2を含む回路を開閉する制御が可能となり、発光管1の発光状態を制御することができる。
【0026】
ダイオード7は、コンデンサ2から充電回路4への電流の逆流を防止するもので、ダイオード8およびダイオード9は、発光管1とコンデンサ2を含む回路を開いた際に、チョークコイル10により継続して流れようとする電流をコンデンサ2に還流させる。
【0027】
チョークコイル10は、発光管1とコンデンサ2を含む回路を閉じた際に、発光管1に流れる電流を安定させる。
【0028】
この閃光発光装置100では、前述したように、半導体素子3−1と半導体素子3−2の少なくとも一方を導通させることで発光管1が発光する。このため、半導体素子3−1と半導体素子3−2を交互に導通させることで、半導体素子3−1と半導体素子3−2のそれぞれの動作周波数を低くしている。このとき、制御回路6は、半導体素子3−1に対しては、図2(a)に示すようにゲート電圧を印加し、半導体素子3−2に対しては、図2(b)に示すようにゲート電圧を印加する。
【0029】
半導体素子3−1は、ゲートに所定の電圧が印加されると発光管1とコンデンサ2を含む回路を閉じるように動作する、つまり、スイッチがOFFからONに転じるような動作をするが、これに要する時間はON時間となる。また、半導体素子3−1は、ゲートに印加される電圧が所定以下(図2(a)では0)になると発光管1とコンデンサ2を含む回路を開くように動作する、つまり、スイッチがONからOFFに転じるような動作をするが、これに要する時間はOFF時間となる。そして、発光管1とコンデンサ2を含む回路が閉じられている時間が通電時間となり、発光管1は発光状態となる。
【0030】
同様に、半導体素子3−2は、ゲートに所定の電圧が印加されると発光管1とコンデンサ2を含む回路を閉じるように動作する、つまり、スイッチがOFFからONに転じるような動作をするが、これに要する時間はON時間となる。また、半導体素子3−2は、ゲートに印加される電圧が所定以下(図2(b)では0)になると発光管1とコンデンサ2を含む回路を開くように動作する、つまり、スイッチがONからOFFに転じるような動作をするが、これに要する時間はOFF時間となる。そして、発光管1とコンデンサ2を含む回路が閉じられている時間が通電時間となり、発光管1は発光状態となる。
【0031】
そして、半導体素子3−1と半導体素子3−2の通電時間が交互に組み合わさるようなタイミングで、半導体素子3−1と半導体素子3−2を制御することで、発光管1は、高速で連続発光することとなる。
【0032】
このような制御は、半導体素子3−1と半導体素子3−2のON時間が長い場合でも、同様に行うことができる。例えば、図3に示した例では、半導体素子3−1のゲートに印加する電圧およびその状態を実線で示し、半導体素子3−2のゲートに印加する電圧およびその状態を破線で示しているが、図2に示した例よりもON時間を長くしても、発光管1は、図2の場合と同様に高速で連続発光することが可能である。
【0033】
したがって、半導体素子3−1と半導体素子3−2として性能の低いIGBTや、トランジスタやFETを利用した場合でも、発光管1を高速で連続発光することが可能である。
【0034】
なお、本実施例では、半導体素子3−1と半導体素子3−2を並列に接続して利用する例を説明したが、さらに多くの半導体素子を並列に接続し、これらを順次動作させるように構成しても、同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した閃光発光装置の回路構成を示した図である。
【図2】制御回路6により半導体素子3−1と半導体素子3−2のゲートに印加される電圧と、半導体素子3−1と半導体素子3−2の状態を示した図である。
【図3】制御回路6により半導体素子3−1と半導体素子3−2のゲートに印加される電圧と、半導体素子3−1と半導体素子3−2の状態を示した図である。
【図4】従来の閃光発光装置の回路構成を示した図である。
【図5】制御回路106により半導体素子103のゲートに印加される電圧と、半導体素子103の状態を示した図である。
【符号の説明】
【0036】
1 発光管
2 コンデンサ
3−1 半導体素子
3−2 半導体素子
4 充電回路
5 電池
6 制御回路
7 ダイオード
8 ダイオード
9 ダイオード
10 チョークコイル
100 閃光発光装置
101 発光管
102 コンデンサ
103 半導体素子
104 充電回路
105 電池
106 制御回路
107 ダイオード
108 ダイオード
109 ダイオード
110 チョークコイル
200 閃光発光装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、閃光発光装置に関し、特に、連続した閃光を発光する閃光発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
閃光発光装置は、一般に、カメラに内蔵されるか、カメラと接続され、写真撮影時に閃光を発光する。
【0003】
図4は、従来の閃光発光装置の回路構成を示した図である。同図に示すように、閃光発光装置200は、発光管101と、コンデンサ102、半導体素子103、充電回路104、電池105、制御回路106、ダイオード107、ダイオード108、ダイオード109、チョークコイル110を有している。
【0004】
発光管101は、所定の電圧を印加することで放電発光するもので、例えば、キセノン管が採用される。コンデンサ102は、充電回路104により充電され、発光管101を発光させるために必要な電圧を保持する。
【0005】
半導体素子103は、発光管101とコンデンサ102を含む閉回路を構成し、スイッチとして動作するもので、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が採用される。そして、半導体素子103を導通させることにより、コンデンサ102が保持している電圧が放電管101に印加される。
【0006】
充電回路104は、電池105が供給する電力を昇圧してコンデンサ102を充電する。電池105は、閃光発光装置200を動作させる電力を供給する。
【0007】
制御回路106は、電池105から供給される電力で動作し、充電回路104で昇圧された電圧(コンデンサ102に充電された電力)を半導体素子103のゲートに印加して、半導体素子103の導通状態を制御する。これにより、発光管101とコンデンサ102を含む回路を開閉する制御が可能となり、発光管101の発光状態を制御することができる。
【0008】
ダイオード107は、コンデンサ102から充電回路104への電流の逆流を防止するもので、ダイオード108およびダイオード109は、発光管101とコンデンサ102を含む回路を開いた際に、チョークコイル110により継続して流れようとする電流をコンデンサ102に還流させる。
【0009】
チョークコイル110は、発光管101とコンデンサ102を含む回路を閉じた際に、発光管101に流れる電流を安定させる。
【0010】
なお、このような回路を利用した閃光発光装置は、特許文献1等に記載されている。
【0011】
ところで、閃光発光装置200は、カメラにより連続撮影が行われる際には、そのタイミングに同調して、連続発光を行う必要がある。この場合、制御回路106により半導体素子103のゲートに印加される電圧は、図5に示すように変化する。半導体素子103は、ゲートに所定の電圧が印加されると発光管101とコンデンサ102を含む回路を閉じるように動作する、つまり、スイッチがOFFからONに転じるような動作をするが、これに要する時間はON時間となる。また、半導体素子103は、ゲートに印加される電圧が所定以下(図5では0)になると発光管101とコンデンサ102を含む回路を開くように動作する、つまり、スイッチがONからOFFに転じるような動作をするが、これに要する時間はOFF時間となる。そして、発光管101とコンデンサ102を含む回路が閉じられている時間が通電時間となり、発光管101は発光状態となる。
【特許文献1】特開平9−160104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、閃光発光装置で連続発光を行う場合には、発光管101とコンデンサ102を含む回路を連続開閉することとなる。このためには、半導体素子103として、スイッチング動作可能な周波数が発光周波数よりも高い必要がある。半導体素子のスイッチング可能な周波数は、一般的に、電圧制御型であるIGBTが電流制御型であるトランジスタよりも高いが、IGBTにおいても、より高性能な素子がより高速で動作が可能である。つまり、高速で連続発光が可能な閃光発光装置を実現するためには、高性能なIGBTが必要となり、これに伴って、価格も高価となる。
【0013】
そこで、本発明は、スイッチング動作可能な周波数が高い、高性能な半導体素子を用いることなく、高速で連続発光が可能な閃光発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、複数のスイッチ手段を並列に接続するとともに、該スイッチ手段のそれぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成するように接続することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記スイッチ手段は、2つの半導体素子により構成されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、それぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成する位置に接続された複数のスイッチ手段と、前記スイッチ手段を選択的に閉じる制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記スイッチ手段は、第1のスイッチ手段および第2のスイッチ手段であり、前記制御手段は、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とを交互に閉じることを特徴とする。
【0018】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1のスイッチ手段および前記第2のスイッチ手段は、半導体素子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高性能な半導体素子を用いることなく、高速で連続発光が可能となり、使用する半導体素子等のスイッチング動作可能な周波数よりも高い周波数での高速連続発光が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る閃光発光装置の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明を適用した閃光発光装置の回路構成を示した図である。同図に示すように、閃光発光装置100は、発光管1と、コンデンサ2、半導体素子3−1、半導体素子3−2、充電回路4、電池5、制御回路6、ダイオード7、ダイオード8、ダイオード9、チョークコイル10を有している。
【0022】
発光管1は、所定の電圧を印加することで放電発光するもので、例えば、キセノン管が採用される。コンデンサ2は、充電回路4により充電され、発光管1を発光させるために必要な電圧を保持する。
【0023】
半導体素子3−1と半導体素子3−2は、並列に接続され、それぞれが、発光管1とコンデンサ2を含む閉回路を構成し、スイッチとして動作する。この半導体素子3−1と半導体素子3−2には、例えば、トランジスタやFET(Field Effect Transistor)、IGBT等が採用される。そして、半導体素子3−1と半導体素子3−2の少なくとも一方を導通させることにより、コンデンサ2が保持している電圧が放電管1に印加される。なお、本実施例では、半導体素子3−1と半導体素子3−2は、IGBTであるものとして説明する。
【0024】
充電回路4は、電池5が供給する電力を昇圧してコンデンサ2を充電する。電池5は、閃光発光装置100を動作させる電力を供給する。
【0025】
制御回路6は、電池5から供給される電力で動作し、電池5の電圧を半導体素子3−1、半導体素子3−2のゲートに印加し、それぞれの導通状態を制御する。これにより、発光管1とコンデンサ2を含む回路を開閉する制御が可能となり、発光管1の発光状態を制御することができる。
【0026】
ダイオード7は、コンデンサ2から充電回路4への電流の逆流を防止するもので、ダイオード8およびダイオード9は、発光管1とコンデンサ2を含む回路を開いた際に、チョークコイル10により継続して流れようとする電流をコンデンサ2に還流させる。
【0027】
チョークコイル10は、発光管1とコンデンサ2を含む回路を閉じた際に、発光管1に流れる電流を安定させる。
【0028】
この閃光発光装置100では、前述したように、半導体素子3−1と半導体素子3−2の少なくとも一方を導通させることで発光管1が発光する。このため、半導体素子3−1と半導体素子3−2を交互に導通させることで、半導体素子3−1と半導体素子3−2のそれぞれの動作周波数を低くしている。このとき、制御回路6は、半導体素子3−1に対しては、図2(a)に示すようにゲート電圧を印加し、半導体素子3−2に対しては、図2(b)に示すようにゲート電圧を印加する。
【0029】
半導体素子3−1は、ゲートに所定の電圧が印加されると発光管1とコンデンサ2を含む回路を閉じるように動作する、つまり、スイッチがOFFからONに転じるような動作をするが、これに要する時間はON時間となる。また、半導体素子3−1は、ゲートに印加される電圧が所定以下(図2(a)では0)になると発光管1とコンデンサ2を含む回路を開くように動作する、つまり、スイッチがONからOFFに転じるような動作をするが、これに要する時間はOFF時間となる。そして、発光管1とコンデンサ2を含む回路が閉じられている時間が通電時間となり、発光管1は発光状態となる。
【0030】
同様に、半導体素子3−2は、ゲートに所定の電圧が印加されると発光管1とコンデンサ2を含む回路を閉じるように動作する、つまり、スイッチがOFFからONに転じるような動作をするが、これに要する時間はON時間となる。また、半導体素子3−2は、ゲートに印加される電圧が所定以下(図2(b)では0)になると発光管1とコンデンサ2を含む回路を開くように動作する、つまり、スイッチがONからOFFに転じるような動作をするが、これに要する時間はOFF時間となる。そして、発光管1とコンデンサ2を含む回路が閉じられている時間が通電時間となり、発光管1は発光状態となる。
【0031】
そして、半導体素子3−1と半導体素子3−2の通電時間が交互に組み合わさるようなタイミングで、半導体素子3−1と半導体素子3−2を制御することで、発光管1は、高速で連続発光することとなる。
【0032】
このような制御は、半導体素子3−1と半導体素子3−2のON時間が長い場合でも、同様に行うことができる。例えば、図3に示した例では、半導体素子3−1のゲートに印加する電圧およびその状態を実線で示し、半導体素子3−2のゲートに印加する電圧およびその状態を破線で示しているが、図2に示した例よりもON時間を長くしても、発光管1は、図2の場合と同様に高速で連続発光することが可能である。
【0033】
したがって、半導体素子3−1と半導体素子3−2として性能の低いIGBTや、トランジスタやFETを利用した場合でも、発光管1を高速で連続発光することが可能である。
【0034】
なお、本実施例では、半導体素子3−1と半導体素子3−2を並列に接続して利用する例を説明したが、さらに多くの半導体素子を並列に接続し、これらを順次動作させるように構成しても、同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した閃光発光装置の回路構成を示した図である。
【図2】制御回路6により半導体素子3−1と半導体素子3−2のゲートに印加される電圧と、半導体素子3−1と半導体素子3−2の状態を示した図である。
【図3】制御回路6により半導体素子3−1と半導体素子3−2のゲートに印加される電圧と、半導体素子3−1と半導体素子3−2の状態を示した図である。
【図4】従来の閃光発光装置の回路構成を示した図である。
【図5】制御回路106により半導体素子103のゲートに印加される電圧と、半導体素子103の状態を示した図である。
【符号の説明】
【0036】
1 発光管
2 コンデンサ
3−1 半導体素子
3−2 半導体素子
4 充電回路
5 電池
6 制御回路
7 ダイオード
8 ダイオード
9 ダイオード
10 チョークコイル
100 閃光発光装置
101 発光管
102 コンデンサ
103 半導体素子
104 充電回路
105 電池
106 制御回路
107 ダイオード
108 ダイオード
109 ダイオード
110 チョークコイル
200 閃光発光装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、
複数のスイッチ手段を並列に接続するとともに、該スイッチ手段のそれぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成するように接続することを特徴とする閃光発光装置。
【請求項2】
前記スイッチ手段は、2つの半導体素子により構成されることを特徴とする請求項1記載の閃光発光装置。
【請求項3】
所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、
それぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成する位置に接続された複数のスイッチ手段と、
前記スイッチ手段を選択的に閉じる制御手段と
を具備したことを特徴とする閃光発光装置。
【請求項4】
前記スイッチ手段は、第1のスイッチ手段および第2のスイッチ手段であり、
前記制御手段は、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とを交互に閉じる
ことを特徴とする請求項3記載の閃光発光装置。
【請求項5】
前記第1のスイッチ手段および前記第2のスイッチ手段は、半導体素子であることを特徴とする請求項4記載の閃光発光装置。
【請求項1】
所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、
複数のスイッチ手段を並列に接続するとともに、該スイッチ手段のそれぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成するように接続することを特徴とする閃光発光装置。
【請求項2】
前記スイッチ手段は、2つの半導体素子により構成されることを特徴とする請求項1記載の閃光発光装置。
【請求項3】
所定の電圧を印加することで発光する発光手段と、該発光手段に前記電圧を印加する電圧印加手段とを具備し、前記発光手段を断続して前記電圧を印加して閃光を発光させる閃光発光装置において、
それぞれが前記発光手段および前記電圧印加手段と閉回路を構成する位置に接続された複数のスイッチ手段と、
前記スイッチ手段を選択的に閉じる制御手段と
を具備したことを特徴とする閃光発光装置。
【請求項4】
前記スイッチ手段は、第1のスイッチ手段および第2のスイッチ手段であり、
前記制御手段は、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とを交互に閉じる
ことを特徴とする請求項3記載の閃光発光装置。
【請求項5】
前記第1のスイッチ手段および前記第2のスイッチ手段は、半導体素子であることを特徴とする請求項4記載の閃光発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2008−26706(P2008−26706A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200691(P2006−200691)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(502412020)株式会社芝川製作所 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(502412020)株式会社芝川製作所 (6)
【Fターム(参考)】
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