説明

閉塞プラグ、貫通孔修復構造及び貫通孔修復工法

【課題】構造物の壁が施工面と逆側で水等と接触する構造物の壁である場合に、剪断補強用の長孔を誤って貫通させたときに、貫通孔から施工面側への水等の噴出を確実に防止すると共に、剪断補強工事の作業効率の向上と施工コストの低減を図る。
【解決手段】貫通孔41の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成され、押込棒60が後側に着脱自在に連結されるインナー部材51と、インナー部材51を外周から押圧するように設けられ、インナー部材51の引込によって放射状に拡開可能なアウター部材52と、インナー部材51の先端側に取り付けられ、挿入される貫通孔41の先端外側で拡大し、貫通孔41の先端開口411を閉塞可能な栓体53を備え、押込棒60の後退によるインナー部材51の引込により、栓体53が貫通孔41内に突出するようにして栓体53で先端開口411が閉塞されると共に、アウター部材52が拡開される閉塞プラグ50。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片面側で水等と接触する構造物の壁に施工面側から穿孔して剪断補強を施す際に、孔を貫通してしまった場合に貫通孔を閉塞し、水等が貫通孔から施工面側に流入することを防止する閉塞プラグ、貫通孔修復構造及び貫通孔修復工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物の壁に剪断補強を施す工法として、ドリル等の回転工具を用いて、壁の内部に向かって有底の剪断補強材挿入用の長孔を形成し、長孔の内部に剪断補強材を挿入配置し、長孔と剪断補強材との隙間に充填材を充填固化するものが知られている。この工法における、充填材の充填は、長孔に剪断補強材を挿入した後に、長孔の隙間にモルタルを圧入して充填するか、或いはモルタル若しくは流動性硬化樹脂を収容した細長の充填材カプセルを長孔内に配置し、剪断補強材を打設して剪断補強材の先端部で充填材カプセルを突き破って充填することにより行われる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3932094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記剪断補強を構造物の壁に施工する際には、剪断強度を高めるべく、構造物の壁になるべく深く長孔を形成し、剪断補強材の挿入配置と充填材の充填固化を行うことが望ましいが、長孔を深く穿孔し過ぎて誤って貫通させてしまう場合がある。長孔が壁を貫通して貫通孔になると、構造物の壁が上下水道処理施設の水槽や沈埋トンネルなど施工面と逆側で水と接触する構造物の壁である場合に、貫通孔から施工面側に水が流入して噴出する事態が生じ、剪断補強工事の作業を継続することができなくなる。
【0005】
この様な貫通孔が形成されたときには、構造物の壁の施工面側において、長孔に止水プラグを差し込んで長孔の開口を閉塞し、噴出する水を止める対処が行われている。しかしながら、長孔の施工面近傍位置で止水プラグにより水を止めた長孔には、剪断補強材の挿入や充填材の充填固化を行うことができず、剪断補強用の長孔として使用することは困難となる。そのため、別途に剪断補強用の長孔を形成して剪断補強を行う必要が生じ、剪断補強の施工作業の効率性が低下し、施工コストが増加するという問題がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、構造物の壁が施工面と逆側で水等の流体と接触する構造物の壁である場合に、剪断補強用の長孔を誤って貫通させたときに、貫通孔から施工面側に水等の流体が噴出することを確実に防止することができると共に、貫通した長孔を剪断補強用の長孔として使用することを可能にし、剪断補強工事の作業効率の向上と施工コストの低減を図ることができる閉塞プラグ、貫通孔修復構造及び貫通孔修復工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の閉塞プラグは、剪断補強の施工面の逆側の面に施工面より高圧の流体圧が負荷されている構造物の壁に形成された貫通孔を閉塞する閉塞プラグであって、前記貫通孔の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成され、押込棒が後側に着脱自在に連結されるインナー部材と、前記インナー部材を外周から押圧するように設けられ、前記インナー部材の引込によって放射状に拡開可能なアウター部材と、前記インナー部材の先端側に取り付けられ、挿入される前記貫通孔の先端外側で拡大し、前記貫通孔の先端開口を閉塞可能な栓体を備え、前記押込棒の後退による前記インナー部材の引込により、前記栓体が前記貫通孔内に突出するようにして前記栓体で前記先端開口が閉塞されると共に、前記アウター部材が拡開されることを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔の先端開口を栓体で閉塞して貫通孔内への漏水を防止し、更に、インナー部材と拡開されるアウター部材により、仮に栓体の閉塞から貫通孔内に漏水した水等があったとしてもその漏水がインナー部材を押せばその分だけアウター部材の拡開力が増して貫通孔を一層確実に止水するため、僅かの漏水でも施工面側に流れることを防止できる。従って、構造物の壁が施工面と逆側で水等の流体と接触する構造物の壁である場合に、剪断補強用の長孔を誤って貫通させたときに、貫通孔から施工面側に水等の流体が噴出することを確実に防止することができる。また、貫通孔を先端近傍で閉塞することが可能であり、貫通した長孔を剪断補強用の長孔として再使用することを可能にし、剪断補強工事の作業効率の向上と施工コストの低減を図ることができる。更に、インナー部材に着脱自在に連結される押込棒によって閉塞プラグを貫通孔の所要位置に素早く容易に配置することができ、且つ配置後には押込棒を回収して容易に貫通孔の剪断補強工事を行うことが可能となる。
【0008】
本発明の閉塞プラグは、前記アウター部材が、筒状に配置された複数の弧状板を周状部材で結束して構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、アウター部材をより均一に放射状に拡開して壁内に食い込ませることができ、アウター部材とインナー部材の閉塞の均一性を高めることができる。
【0009】
本発明の閉塞プラグは、前記アウター部材が、先端側から軸方向に延びる複数のスリットが切り込まれている筒状部材で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔のより先端側でアウター部材をより広く拡開して壁内に食い込ませて、アウター部材とインナー部材で閉塞することが可能となり、施工対象の壁や剪断補強工事の多様性に資する。また、部品点数を減らして製造コストを低減することができる。また、筒状部材とすることにより、取扱い時に手を伐る等の危険性を低減し、安全性を高めることができる。
【0010】
本発明の貫通孔修復構造は、剪断補強の施工面の逆側の面に施工面より高圧の流体圧が負荷されている構造物の壁に形成された貫通孔を修復する貫通孔修復構造であって、閉塞プラグが、前記貫通孔の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されるインナー部材と、前記インナー部材を外周から押圧するように設けられ、前記インナー部材の引込によって放射状に拡開可能なアウター部材と、前記インナー部材の先端側に取り付けられる栓体とから構成され、前記閉塞プラグが、前記インナー部材の後側に着脱自在に連結される押込棒の押込により前記貫通孔の先端近傍に配置され、前記押込棒の後退による前記インナー部材の引込により、前記貫通孔の先端開口を抜け出て拡大した前記栓体が前記貫通孔内に突出するようにして、前記栓体で前記先端開口が閉塞されると共に、前記アウター部材が拡開して前記壁に食い込まされ、前記押込棒が回収された前記貫通孔内に充填材が充填固化され、且つ前記閉塞プラグの後側に前記充填材に剪断補強材が埋設されることを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔の先端開口を栓体で閉塞して貫通孔内への漏水を防止し、更に、インナー部材と拡開されるアウター部材と充填材により、仮に栓体の閉塞から貫通孔内に漏水した水等があったとしてもその漏水がインナー部材を押せばその分だけアウター部材の拡開力が増して貫通孔を一層確実に止水するため、僅かの漏水でも施工面側に流れることを確実に防止できる。従って、構造物の壁が施工面と逆側で水等の流体と接触する構造物の壁である場合に、剪断補強用の長孔を誤って貫通させたときに、貫通孔から施工面側に水等の流体が噴出することをより確実に防止することができる。また、貫通孔を先端近傍で閉塞することが可能であり、貫通した長孔を剪断補強用の長孔として再使用することを可能にし、剪断補強工事の作業効率の向上と施工コストの低減を図ることができる。更に、インナー部材に着脱自在に連結される押込棒によって閉塞プラグを貫通孔の所要位置に素早く容易に配置することができ、且つ配置後には押込棒を回収して容易に貫通孔の剪断補強工事を行うことが可能となる。
【0011】
本発明の貫通孔修復工法は、剪断補強の施工面の逆側の面に施工面より高圧の流体圧が負荷されている構造物の壁に形成された貫通孔を修復する貫通孔修復工法であって、前記貫通孔の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されるインナー部材と、前記インナー部材を外周から押圧するように設けられ、前記インナー部材の引込によって放射状に拡開可能なアウター部材と、前記インナー部材の先端側に取り付けられる栓体とから構成される閉塞プラグを用い、前記閉塞プラグを、前記インナー部材の後側に着脱自在に連結する押込棒で前記貫通孔の先端近傍まで押し込む第1工程と、前記閉塞プラグを前記貫通孔の先端近傍に配置し、前記栓体を前記貫通孔から抜け出させ、前記栓体を前記貫通孔の先端外側で拡大させる第2工程と、前記押込棒を後退させて前記インナー部材を前記アウター部材内に引き込み、前記栓体が前記貫通孔内に突出するようにして、前記栓体で前記貫通孔の先端開口を閉塞すると共に、前記アウター部材を拡開して前記壁に食い込ませる第3工程と、前記押込棒の連結を外して前記貫通孔から前記押込棒を回収する第4工程と、前記貫通孔内の前記閉塞プラグの後側に充填材カプセルを挿入する第5工程と、前記貫通孔内に剪断補強材を挿入して前記充填材カプセルを破断させ、前記貫通孔内に充填材を充填して固化させる第6工程とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔の先端開口を栓体で閉塞して貫通孔内への漏水を防止し、更に、インナー部材と拡開されるアウター部材と充填材により、仮に栓体の閉塞から貫通孔内に漏水した水等があったとしてもその漏水がインナー部材を押せばその分だけアウター部材の拡開力が増して貫通孔を一層確実に止水するため、僅かの漏水でも施工面側に流れることを確実に防止できる。従って、構造物の壁が施工面と逆側で水等の流体と接触する構造物の壁である場合に、剪断補強用の長孔を誤って貫通させたときに、貫通孔から施工面側に水等の流体が噴出することをより確実に防止することができる。また、貫通孔を先端近傍で閉塞することが可能であり、貫通した長孔を剪断補強用の長孔として再使用することを可能にし、剪断補強工事の作業効率の向上と施工コストの低減を図ることができる。更に、インナー部材に着脱自在に連結される押込棒によって閉塞プラグを貫通孔の所要位置に素早く容易に配置することができ、且つ配置後には押込棒を回収して容易に貫通孔の剪断補強工事を行うことが可能となる。
【0012】
本発明の貫通孔修復工法は、前記第3工程において、前記貫通孔内に挿入される筒状のスペーサーで前記アウター部材の後端部を押さえながら前記押込棒を後退させて前記アウター部材を拡開し、前記第4工程において、前記貫通孔から前記スペーサーを回収することを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔の孔径よりアウター部材の外径が小さい場合にも、アウター部材の回転や位置ズレを防止し、インナー部材のスムーズな引き込みやアウター部材の所定位置での拡開を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、構造物の壁が施工面と逆側で水等の流体と接触する構造物の壁である場合に、剪断補強用の長孔を誤って貫通させたときに、貫通孔から施工面側に水等の流体が噴出することを確実に防止することができると共に、貫通した長孔を剪断補強用の長孔として使用することを可能にし、剪断補強工事の作業効率の向上と施工コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】剪断補強される壁を有する貯水槽の縦断面図。
【図2】壁の剪断補強工事で穿孔した長孔に充填材カプセルを挿入した状態を示す断面説明図。
【図3】壁の剪断補強工事で長孔に剪断補強材を挿入して長孔内に充填材を充填した状態を示す断面説明図。
【図4】第1実施形態の閉塞プラグによる貫通孔修復構造が設けられた構造物の壁を示す縦断面図。
【図5】(a)は第1実施形態の閉塞プラグの正面図、(b)はそのアウター部材の正面図、(c)はそのアウター部材の側面図、(d)はそのインナー部材の正面図、(e)はそのインナー部材の側面図。
【図6】(a)は貫通孔修復工法において壁に誤って貫通してしまった貫通孔を示す説明図、(b)はその貫通孔に第1実施形態の閉塞プラグが挿入される状態を示す説明図、(c)は貫通孔に挿入された押込棒をナットで回転する状態を示す説明図、(d)はアウター部材の拡開を示す説明図。
【図7】(a)は貫通孔修復工法において埋込棒とスペーサーの回収を示す説明図、(b)は埋込棒とスペーサーの回収後の閉塞プラグを示す説明図、(c)は長孔内への充填材カプセルの挿入を示す説明図、(d)は長孔内への剪断補強材の挿入及び充填材カプセルの破断を示す説明図、(e)は長孔内に充填材が充填されて剪断補強が完了した状態を示す説明図。
【図8】(a)は第1実施形態の閉塞プラグに押込棒を螺合した状態を示す正面図、(b)はスペーサーを示す正面図。
【図9】(a)は第1実施形態の閉塞プラグに押込棒を螺合したアウター部材の拡開前の状態を示す縦断面図、(b)はその拡開後の状態を示す縦断面図。
【図10】(a)は第2実施形態の閉塞プラグの正面図、(b)は第3実施形態の閉塞プラグの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1実施形態の閉塞プラグ、貫通孔修復構造及び貫通孔修復工法〕
次に、本発明による第1実施形態の閉塞プラグ、貫通孔修復構造及び貫通孔修復工法について説明する。
【0016】
第1実施形態の閉塞プラグによる貫通孔修復構造は、剪断補強の施工面の逆側の面に水等の流体で施工面より高圧の流体圧が負荷されている構造物の壁に剪断補強構造を設ける際に、剪断補強材挿入用の長孔を誤って貫通してしまった場合に設けられる。その構造物の例としては、例えば図1に示す貯水槽10が挙げられる。貯水槽10は、箱形の本体11の上板12に流通孔13が設けられた形状であり、四方をコンクリート壁である壁14で囲まれ、内部には流体である水Wが収容されている。壁14の外側面は剪断補強の施工面141であり、その逆側の面である内側面142には水Wの水圧が負荷され、大気圧が負荷されている施工面141より高圧の流体圧が負荷されている。
【0017】
壁14に設けられる剪断補強構造では、図2〜図4に示すように、ドリル等の回転工具により、施工面141から壁14の内部に向かって有底の剪断補強材挿入用の長孔21が複数形成され、各長孔21の内部にモルタル若しくは流動性硬化樹脂を収容した細長の充填材カプセル22が配置され、長孔21に打設される剪断補強材23の先端部で充填材カプセル22を突き破って長孔21内に充填材24が充填固化される。
【0018】
図示例の充填材カプセル22は、水を内部に吸水可能であり、充填材24としてドライセメントモルタルが内部に収容されている。この充填材カプセル22は、貯水トレー31内の水W1に浸漬され、充填材24に吸水させた後、長孔21内に挿入配置される。その後、ハンマー等により異形棒鋼等からなる剪断補強材23が長孔21内に打設され、剪断補強材23の先端部で充填材カプセル22を破断して充填材24を流出させ、剪断補強材23が長孔21内に配置されると共に、長孔21と剪断補強材23との間の隙間にセメントモルタルの充填材24が充填され固化される。
【0019】
そして、誤って長孔21を内側面142まで貫通させて貫通孔41を形成してしまった場合には、貫通孔41の先端近傍に止水プラグとして閉塞プラグ50を配置させて貫通孔41を閉塞すると共に、貫通孔41内の閉塞プラグ50の後側において、浸漬された充填材カプセル22を挿入配置し、異形棒鋼等からなる剪断補強材23を貫通孔41内に打設し、剪断補強材23の先端部で充填材カプセル22を破断して充填材24を流出させ、剪断補強材23を貫通孔41内に配置すると共に、貫通孔41と剪断補強材23との間の空隙にセメントモルタルの充填材24を充填固化させることにより、貫通孔41の修復と剪断補強材23の打設を同時に行う。
【0020】
閉塞プラグ50は、図5及び図9に示すように、貫通孔41の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されている略截頭円錐形のインナー部材51と、インナー部材51の小径側の後部の外周に設けられ、インナー部材51を外周から押圧するように係合されている略円筒状のアウター部材52と、インナー部材51の先端側に取り付けられている円盤状の栓体53を有する。
【0021】
インナー部材51は、前部に小径の雌ねじ511が形成されており、後部には雌ねじ511よりも大径の雌ねじ512が形成されている。雌ねじ511には、円盤状の栓体53の中央を貫通する取付ボルト54の雄ねじ541が螺合されて、栓体53がインナー部材51の先端側に取り付けられている。後側の雌ねじ512には、貫通孔41の先端側に閉塞プラグ50を押し込む押込棒60の前側雄ねじ61を螺合して押込棒60が着脱自在に連結される(図6〜図9参照)。
【0022】
アウター部材52は、インナー部材51の引込によって放射状に拡開可能になっており、複数の弧状板521が筒状になるように配置され、その配置状態で周状部材であるコイルスプリング524で結束して構成されている。
【0023】
弧状板521は、内側前部に前方に向かって拡がるように傾斜する傾斜面522を有し、周状に配置された弧状板521の傾斜面522でインナー部材51のテーパ状の外周面を押圧するようになっている。また、弧状板521の外周には筒状に配置したときに螺旋溝523を形成する溝が設けられており、この螺旋溝523にコイルスプリング524が沿うように嵌め込まれ、コイルスプリング524によって筒状配置の各弧状板521が結束されている。螺旋溝523及びコイルスプリング524はアウター部材52の略全長に亘って設けられ、筒状配置の各弧状板521は略全長に亘って結束されている。
【0024】
栓体53は、中央に取付ボルト54が貫通された円盤状であり、貫通孔41の先端側への閉塞プラグ50の押し込みに応じて貫通孔41内に挿入され、抜け出た貫通孔41の先端外側で拡大し、貫通孔41の先端開口411を閉塞可能になっている。栓体53は、例えばクロロプレンゴム等の弾性を有する素材で形成され、栓体53の貫通孔41の先端開口411に対応する部位が貫通孔41の内側に突出するように変形可能になっている。
【0025】
尚、栓体53は、上記先端開口411の閉塞及び貫通孔41内への突出変形が可能なものであれば適宜であり、例えばクロロプレンゴム以外或いはクロロプレンゴムと他の素材を組み合わせた水膨張ゴム、吸水性ポリマー、又は水膨張ゴムと吸水性ポリマーを組み合わせた素材、又は水で膨張するベントナイト等の素材で形成することが可能である。
【0026】
閉塞プラグ50は、上述の埋込棒60の後退によってインナー部材51を後退させ、栓体53を貫通孔41内に突出するようにして栓体53で先端開口411を閉塞すると共に、アウター部材52内に引き込むことが可能であり、インナー部材51の引込によりアウター部材52を拡開させ、アウター部材52の外周面、或いはアウター部材52の外周面とコイルスプリング524を壁14内に食い込ませることが可能である。
【0027】
次に、第1実施形態の閉塞プラグ50による貫通孔修復工法の詳細な施工手順について説明する。
【0028】
前提として、この貫通孔修復工法は、図6(a)に示すように、貯水槽10の壁14に剪断補強材挿入用の長孔21を形成する際に、本来の孔底143より前方に穿孔して誤って貫通させ、貫通孔41を形成してしまった場合に貫通孔41を修復するために行われる。壁14の内側面142には水Wの水圧Pが負荷され、大気圧が負荷されている施工面141より高圧の流体圧が負荷されていることから、貫通孔41をそのままにすると貫通孔41内に水が浸入して施工面141側から漏水LWが漏れる。
【0029】
この漏水LWを防ぐために閉塞プラグ50を貫通孔41の先端近傍まで押し込む。閉塞プラグ50を押し込む際には、図6(b)及び図8に示すように、インナー部材51の後側の雄ねじ512に押込棒60の前側雄ねじ61が螺合され、閉塞プラグ50に押込棒60が着脱自在に連結される。押込棒60は、前側の端部と後側の端部にそれぞれ前側雄ねじ61と後側雄ねじ62が形成されたものである(図6(b)、図9参照)。尚、この押込棒60に代えて、全ねじボルトからなる押込棒を用いてもよい。
【0030】
そして、閉塞プラグ50を押込棒60で押し込んで貫通孔41内を移動させる。この移動の時には、円盤状の栓体53の周縁近傍が後側に屈曲され、この状態で貫通孔41内を閉塞プラグ50が移動する。閉塞プラグ50は最終的に貫通孔41の先端近傍に配置される。また、貫通孔41には筒状のスペーサー70を挿入し、スペーサー70を押込棒60の周囲に配置すると共に、スペーサー70の先端部をアウター部材52の後端部に当接させる(図6(b)、図8参照)。尚、貫通孔41の孔径と拡開前のアウター部材52の外径とがほぼ同一でアウター部材52が貫通孔41内を移動しにくい場合等には、閉塞プラグ50の押込棒60による押し込みと同時に、スペーサー70でアウター部材52の後端部を押圧してアウター部材52を押し込むことにより、閉塞プラグ50を移動して所定位置に配置するようにしてもよい。
【0031】
閉塞プラグ50を貫通孔41の先端近傍に配置すると、図6(c)及び図9(a)に示すように、栓体53が貫通孔41から抜け出し、栓体53は弾性復帰して貫通孔41の先端外側で拡大し、貫通孔41の先端開口411よりも大きな径の円盤状となって先端開口411を閉塞可能となる。
【0032】
その後、図6(c)、(d)、図9(b)に示すように、押込棒60の後側雄ねじ62にワッシャー82を介してナット81を螺合し、ワッシャー82にスペーサー70の後端と当接した状態で、ナット81を回転して押込棒60を後退させると共に、押込棒60に連結されているインナー部材51をアウター部材52内に引き込む。このインナー部材51の引き込みにより、栓体53の貫通孔41の先端開口411に対応する部位が貫通孔41の内側に突出するように変形しながら、栓体53が先端開口411の周辺に密着して貫通孔41を閉塞すると共に、インナー部材51の漸次拡径するテーパ面がアウター部材52内に入り込み、各弧状板521がコイルスプリング524の押圧に抗して外側に拡がり、アウター部材52が拡開する。アウター部材52の拡開により、アウター部材52の外周部、即ち弧状板521の螺旋溝523の構成部分以外の外周面やコイルスプリング524が壁14内に食い込み、アウター部材52が壁14に定着する。
【0033】
上記インナー部材51の引き込みは、ナット81の回転による押込棒60の後退に加え、栓体53に負荷される水圧Pにより促進されてスムーズに行われ、更に、この水圧Pによってインナー部材51の引き込む力及びアウター部材52の拡開する力が増加し、アウター部材52の定着強度及びアウター部材52の拡開による貫通孔41の略閉塞状態の安定性が高められる。更に、押込棒60の後退、インナー部材51の引き込みの際には、アウター部材52の後端部を筒状のスペーサー70で押さえることが可能であるから、アウター部材52の外径よりも貫通孔41の孔径が大きくてアウター部材52の外周に隙間がある場合にも、アウター部材52を貫通孔41の先端近傍の所定位置に定置させて拡開することができる。
【0034】
また、水圧Pによっては、貫通孔41の先端外側で拡大した栓体53の先端開口411の内側への突出変形、栓体53の先端開口411の周辺への密着による貫通孔41の閉塞、インナー部材51のアウター部材52内への入り込み、アウター部材52の拡開は、ナット81の回転によるインナー部材51の引き込みより前にある程度生じ、その後のナット81の回転及び押込棒60の後退によるインナー部材51の引き込みにより、これらが促進され、強化される。
【0035】
次いで、図7(a)、(b)に示すように、ナット81及び押込棒60を押込棒60の後退時のナット81の回転と逆方向に回転し、インナー部材51の押込棒60との連結を外し、貫通孔41から押込棒60とスペーサー70を抜き出して回収する。押込棒60を外された閉塞プラグ50は、拡開したアウター部材52が壁14に食い込んで定着したままの状態となる。
【0036】
その後、図7(c)〜(e)に示すように、貫通孔41内で定着した閉塞プラグ50の後側に例えば充填材24としてセメントモルタルが収容され水W1に浸漬された充填材カプセル22を挿入し、貫通孔41内に剪断補強材23を挿入して剪断補強材23の先端部で充填材カプセル22を突き破って破断させ、貫通孔41内に充填材24を充填して固化させる。この時、充填材カプセル22が剪断補強材23で押し込まれるように力を受けて破断するので、充填材24は閉塞プラグ50の後側に充填されると共に、弧状板521・521の間などアウター部材52の隙間を抜けて、アウター部材52と栓体53との間の隙間や、閉塞プラグ50の外周の隙間にも充填される。貫通孔41内で閉塞プラグ50の後側に剪断補強材23を埋設した充填材24の充填固化により、貫通孔41が確実に閉塞されて止水され、且つ剪断補強構造が構築される。
【0037】
第1実施形態によれば、貫通孔41の先端開口411を栓体53で閉塞して貫通孔41内への漏水を防止し、更に、インナー部材51と拡開されるアウター部材52と充填固化される充填材24により、仮に栓体53の閉塞から貫通孔41内に漏水した水Wがあったとしてもその漏水がインナー部材51を押せばその分だけアウター部材52の拡開力が増して貫通孔41を一層確実に止水するため、僅かの漏水でも施工面側に流れることを防止できる。従って、剪断補強用の長孔21を誤って貫通させたときに、貫通孔41から施工面側に水Wの流体が噴出することを確実に防止することができる。また、貫通孔41を先端近傍で閉塞することが可能であり、貫通孔41を剪断補強用の長孔として再使用することを可能にし、剪断補強工事の作業効率の向上と施工コストの低減を図ることができる。更に、インナー部材51に着脱自在に連結される押込棒60によって閉塞プラグ50を貫通孔41の所要位置に容易に配置することができ、且つ配置後には押込棒60を回収して容易に貫通孔41の剪断補強工事を行うことができる。
【0038】
また、スペーサー70を用いることにより、貫通孔41の孔径よりアウター部材52の外径が小さい場合にも、アウター部材52の回転や位置ズレを防止し、インナー部材51のスムーズな引き込みやアウター部材52の所定位置での拡開を行うことができる。また、複数の弧状板521・521をコイルスプリング524で結束して構成するアウター部材52により、アウター部材52をより均一に放射状に拡開して壁14内に食い込ませることができ、アウター部材52とインナー部材51の閉塞の均一性を高めることができる。また、コイルスプリング524により、アウター部材52の取扱時の意図しない拡開を確実に防止できる。また、アウター部材52では外周面の凹凸でより壁14に食い込み易くすることができる。
【0039】
〔第2、第3実施形態の閉塞プラグ、貫通孔修復構造及び貫通孔修復工法〕
次に、本発明による第2、第3実施形態の閉塞プラグ、貫通孔修復構造及び貫通孔修復工法について説明する。
【0040】
第2実施形態の閉塞プラグ50aは、第1実施形態の閉塞プラグ50と同一構成のインナー部材51、栓体53、取付ボルト54を有するが、アウター部材52aの構成が相違する。アウター部材52aは、筒状部材であり、先端側から軸方向に延びる複数のスリット526aが切り込まれて形成され、スリット526a・526a間の各羽根部529aが放射状に拡開するようになっている。各羽根部529aには、内側前部に前方に向かって拡がるように傾斜する傾斜面522aが形成され、各傾斜面522aでインナー部材51のテーパ状の外周面を押圧するようになっている。また、アウター部材52aの外周面には、軸方向に所定間隔を開けて周溝525aが形成されている。
【0041】
第3実施形態の閉塞プラグ50bは、第1実施形態の閉塞プラグ50におけるインナー部材51と基本的に同一構成で、先端側の端部に僅かに縮径する部分を有するインナー部材51を有し、更に、第1実施形態と同一の栓体53、取付ボルト54を有するが、アウター部材52bの構成が相違する。
【0042】
アウター部材52bは、筒状部材であり、先端側から軸方向に延びる複数のスリット526bが切り込まれて形成され、スリット526b・526b間の各羽根部529bが放射状に拡開するようになっている。各羽根部529bには、内側前部に前方に向かって拡がるように傾斜する傾斜面522bが形成され、各傾斜面522bでインナー部材51のテーパ状の外周面を押圧するようになっている。また、アウター部材52bの外周面は基本的に平滑であるが、先端寄りの位置に周溝527bが形成されており、周溝527bにCリング528bが嵌め込まれている。
【0043】
第2、第3実施形態の閉塞プラグ50a、50bも、第1実施形態の閉塞プラグ50に代えて、第1実施形態の貫通孔修復構造或いは貫通孔修復工法と同様の構造或いは工法に適用することができる。
【0044】
第2、第3実施形態によれば、貫通孔41のより先端側でアウター部材52a、52bをより広く拡開して壁14内に食い込ませて、アウター部材52a、52bとインナー部材51で閉塞することが可能となり、施工対象の壁や剪断補強工事の多様性に資する。また、部品点数を減らして製造コストを低減することができる。また、筒状部材とすることにより、取扱い時に手を伐る等の危険性を低減し、安全性を高めることができる。また、第1実施形態と対応する構成により、対応する効果を奏する。
【0045】
また、第2実施形態によれば、より少ない力でアウター部材52aを拡開することができる。また、第3実施形態によれば、アウター部材52bの取扱時の意図しない拡開をCリング528bで確実に防止できる。
【0046】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各発明や各実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものである。そして、下記変形例も包含する。
【0047】
例えば上記実施形態では、閉塞プラグ50等で止める流体を水の場合で説明したが、流体の種類は淡水、海水の他に石油など他の液体、或いは気体など適宜であり、又、対象とする構造物の壁14は沈埋トンネルの周壁など各種構造物の壁とすることができる。また、インナー部材51、アウター部材52、栓体53、押込棒60等の形状や、相互の取付構造等は本発明の趣旨の範囲内で適宜であり、例えば水膨張性のゴムで形成する球体の栓体とすることも可能である。また、弧状板521、羽根部529a、529b等の個数は2個以上の複数であれば適宜である。
【0048】
また、アウター部材をアウター部材52a、52bのような筒状部材とする場合のスリットの深さ、インナー部材51のテーパ状の外周面とアウター部材52の傾斜面522等の傾斜角度は、アウター部材が所要の拡開ができるものであれば適宜である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、片面側で水等と接触する構造物の壁に施工面側から穿孔して剪断補強を施す際に、孔を貫通してしまった場合に貫通孔を閉塞し、水等が貫通孔から施工面側に流入することを防止する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10…貯水槽 11…本体 12…上板 13…流通孔 14…壁 141…施工面 142…内側面 143…本来の孔底 21…長孔 22…充填材カプセル 23…剪断補強材 24…充填材 31…貯水トレー 41…貫通孔 411…先端開口 50、50a、50b…閉塞プラグ 51…インナー部材 511、512…雌ねじ 52、52a、52b…アウター部材 521…弧状板 522、522a、522b…傾斜面 523…螺旋溝 524…コイルスプリング 525a、527b…周溝 526a、526b…スリット 528b…Cリング 529a、529b…羽根部 53…栓体 54…取付ボルト 541…雄ねじ 60…押込棒 61…前側雄ねじ 62…後側雄ねじ 70…スペーサー 81…ナット 82…ワッシャー W、W1…水 P…水圧 LW…漏水



【特許請求の範囲】
【請求項1】
剪断補強の施工面の逆側の面に施工面より高圧の流体圧が負荷されている構造物の壁に形成された貫通孔を閉塞する閉塞プラグであって、
前記貫通孔の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成され、押込棒が後側に着脱自在に連結されるインナー部材と、
前記インナー部材を外周から押圧するように設けられ、前記インナー部材の引込によって放射状に拡開可能なアウター部材と、
前記インナー部材の先端側に取り付けられ、挿入される前記貫通孔の先端外側で拡大し、前記貫通孔の先端開口を閉塞可能な栓体を備え、
前記押込棒の後退による前記インナー部材の引込により、前記栓体が前記貫通孔内に突出するようにして前記栓体で前記先端開口が閉塞されると共に、前記アウター部材が拡開されることを特徴とする閉塞プラグ。
【請求項2】
前記アウター部材が、筒状に配置された複数の弧状板を周状部材で結束して構成されていることを特徴とする請求項1記載の閉塞プラグ。
【請求項3】
前記アウター部材が、先端側から軸方向に延びる複数のスリットが切り込まれている筒状部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の閉塞プラグ。
【請求項4】
剪断補強の施工面の逆側の面に施工面より高圧の流体圧が負荷されている構造物の壁に形成された貫通孔を修復する貫通孔修復構造であって、
閉塞プラグが、前記貫通孔の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されるインナー部材と、前記インナー部材を外周から押圧するように設けられ、前記インナー部材の引込によって放射状に拡開可能なアウター部材と、前記インナー部材の先端側に取り付けられる栓体とから構成され、
前記閉塞プラグが、前記インナー部材の後側に着脱自在に連結される押込棒の押込により前記貫通孔の先端近傍に配置され、
前記押込棒の後退による前記インナー部材の引込により、前記貫通孔の先端開口を抜け出て拡大した前記栓体が前記貫通孔内に突出するようにして、前記栓体で前記先端開口が閉塞されると共に、前記アウター部材が拡開して前記壁に食い込まされ、
前記押込棒が回収された前記貫通孔内に充填材が充填固化され、且つ前記閉塞プラグの後側に前記充填材に剪断補強材が埋設されることを特徴とする貫通孔修復構造。
【請求項5】
剪断補強の施工面の逆側の面に施工面より高圧の流体圧が負荷されている構造物の壁に形成された貫通孔を修復する貫通孔修復工法であって、
前記貫通孔の先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されるインナー部材と、前記インナー部材を外周から押圧するように設けられ、前記インナー部材の引込によって放射状に拡開可能なアウター部材と、前記インナー部材の先端側に取り付けられる栓体とから構成される閉塞プラグを用い、前記閉塞プラグを、前記インナー部材の後側に着脱自在に連結する押込棒で前記貫通孔の先端近傍まで押し込む第1工程と、
前記閉塞プラグを前記貫通孔の先端近傍に配置し、前記栓体を前記貫通孔から抜け出させ、前記栓体を前記貫通孔の先端外側で拡大させる第2工程と、
前記押込棒を後退させて前記インナー部材を前記アウター部材内に引き込み、前記栓体が前記貫通孔内に突出するようにして、前記栓体で前記貫通孔の先端開口を閉塞すると共に、前記アウター部材を拡開して前記壁に食い込ませる第3工程と、
前記押込棒の連結を外して前記貫通孔から前記押込棒を回収する第4工程と、
前記貫通孔内の前記閉塞プラグの後側に充填材カプセルを挿入する第5工程と、
前記貫通孔内に剪断補強材を挿入して前記充填材カプセルを破断させ、前記貫通孔内に充填材を充填して固化させる第6工程と、
を備えることを特徴とする貫通孔修復工法。
【請求項6】
前記第3工程において、前記貫通孔内に挿入される筒状のスペーサーで前記アウター部材の後端部を押さえながら前記押込棒を後退させて前記アウター部材を拡開し、
前記第4工程において、前記貫通孔から前記スペーサーを回収することを特徴とする請求項5記載の貫通孔修復工法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−36293(P2013−36293A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175433(P2011−175433)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【Fターム(参考)】