説明

開口数制御ユニット、可変型光プローブ、映像診断システム、深度スキャニング方法、イメージ検出方法、及び映像診断方法

【課題】焦点調節と開口調節とを選択的に、または同時に行ってNAを制御するNA(numerical aperture)制御ユニット、それを採用した可変型光プローブ、映像診断システム、深度スキャニング方法、イメージ検出方法、及び映像診断方法を提供する。
【解決手段】NA制御ユニット1000は、光が透過する開口が調節される開口調節ユニットVAと、開口を通過した光をフォーカシングし、焦点距離が調節される焦点調節ユニットVFと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口数(NA:numerical aperture)を制御するNA制御ユニット、可変型光プローブ、映像診断システム、深度スキャニング方法、イメージ検出方法、及び映像診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像(medical imaging)の分野では、人体の皮膚表面(皮膚組織:skin tissue)に関する情報と共に、皮膚下部の断層を精密撮影する技術に対する要求が高まっている。特に、ほとんどのガン(cancer)は、上皮細胞下部で発生し、血管が存在する真皮細胞内部に伝播するため、早期発見が可能な場合、ガンによる被害を画期的に低減させることができる。既存のMRI(magnetic resonance imaging)、CT(x−ray computed tomography)、超音波などのイメージング技術は、皮膚を貫通して内部断層を撮影することができるが、解像度が低く、サイズが小さい早期ガンの検出は不可能である。一方、最近紹介されたOCT(optical coherence tomography)技術は、既存のイメージング方法に比べ、皮膚の中への浸透深度は2〜3mmと低いが、解像度が超音波の10倍ほど高く、大きさが50〜100μmほどの早期ガンの検出可能性があるとして、研究が進められている。しかし、このようなOCT技術も、解像度が顕微鏡レベルより低いために、実際にガンの判別に使われる生検(biopsy)及びヒストロジー(histology)を代替することができない。
【0003】
最近、一部のOCT研究者は、OCTの断層撮影特性と、共焦点顕微鏡(confocal microscope)のような高解像度表面撮影方法とを融合し、生検を実施せずに、ティッシュ(tissue)内部のガン診断をリアルタイムで行うという最終目標をもって研究を進めている。しかし、顕微鏡の対物レンズは、水平方向高解像度のために、高NAの光学系を必要とする一方、OCTは、深度情報を取得するために、深度方向のスポットサイズ(spot size)が相対的に均一である、すなわち、DOF(depth of focus)が大きい低NAの光学系を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、焦点調節と開口調節とを選択的に、または同時に行ってNAを制御するNA制御ユニット、それを採用した可変型光プローブ、映像診断システム、深度スキャニング方法、イメージ検出方法、及び映像診断方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一類型によるNA制御ユニットは、光が透過する開口が調節される開口調節ユニットと、前記開口調節ユニットから所定の位置に配置され、前記開口を通過した光をフォーカシングし、焦点距離が調節される焦点調節ユニットと、を含む。
【0006】
前記開口調節ユニットは、機械的に開口サイズが調節される絞りで構成される。
【0007】
前記開口調節ユニットは、マイクロ電気流体方式で開口サイズが調節される液体絞りで構成される。
【0008】
前記開口調節ユニットは、流体が流動する空間を構成するチャンバと、前記チャンバ内に設けられ、互いに混合しない性質を有し、一方は透光性の物質から形成され、他方は遮光性または吸光性の物質から形成される第1及び第2流体と、前記チャンバの内側面に設けられ、前記チャンバ内に電場を形成するために電圧が印加される一つ以上の電極が配列された電極部と、を含み、電場による前記第1流体と前記第2流体との界面の位置変化によって、光が透過する開口が調節される。
【0009】
前記第1及び第2流体のいずれか一方は、液体金属または極性液体であり、他方は、ガスまたは非極性液体から構成される。
【0010】
前記チャンバの領域は、第1チャネルと、前記第1チャネルの上部に、前記第1チャネルと連結されるように設けられた第2チャネルと、を含み、前記第1及び第2チャネルのそれぞれで起こる前記第1流体と前記第2流体との界面の位置変化によって、前記開口の範囲が決定される。
【0011】
前記第1チャネルは、前記電極部が形成された第1基板と、前記第1基板と離隔されるように設けられ、中心部に第1貫通ホールが形成され、周辺部に第2貫通ホールが形成された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に内部空間を形成するように設けられた第1スペーサと、から形成される。
【0012】
前記第2チャネルは、前記第2基板と、前記第2基板と離隔されるように設けられた第3基板と、前記第2基板と前記第3基板との間に内部空間を形成するように設けられた第2スペーサと、から形成される。
【0013】
前記焦点調節ユニットは、流体表面にレンズ面を形成し、流体流動によってレンズ面の形状を調節して焦点距離を調節する液体レンズからなってもよい。
【0014】
前記流体流動が、電気湿潤方式または加圧式で起こりもする。
【0015】
前記焦点調節ユニットは、透光性かつ極性を有する第1流体と、前記第1流体と混合しない性質を有し、かつ、透光性を有する第2流体と、前記第1及び第2流体を収容する内部空間を有するチャンバと、前記第1流体と前記第2流体との境界面であり、前記レンズ面をなす第1面と、前記第1流体と前記第2流体との境界面であり、前記レンズ面の曲率変化を誘導する第2面と、前記チャンバ内に設けられ、前記レンズ面に対応するレンズの直径を形成する第1貫通ホールと、前記第2流体の通路を形成する第2貫通ホールが形成された第1中間板と、前記第2面の位置を変化させる電場を形成するための電極部と、を含んでもよい。
【0016】
前記第1流体は、極性液体であり、前記第2流体は、ガスまたは非極性液体から構成される。
【0017】
また、一類型による深度スキャニング方法は、前記NA制御ユニットを利用し、サンプルを深度方向にスキャンして光を照射し、焦点距離と開口サイズとを同時に変化させ、一定のNAを維持する。
【0018】
また、一類型による可変型光プローブは、光伝送部と、前記光伝送部を介して伝送された光を平行光にコリメートするコリメータと、光を検査対象であるサンプルにフォーカシングする前記NA制御ユニットと、前記NA制御ユニットを通過した光が、前記サンプルの所定領域をスキャニングするように、前記光伝送部を介して伝送された光の経路を変えるスキャナと、を含む。
【0019】
前記光伝送部は、光ファイバからなってもよい。
【0020】
前記スキャナは、前記光ファイバの一端に組み込まれ、前記光ファイバの変形を誘導して光路を変えるアクチュエータ、または、ミラー面を駆動して光路を変えるMEMS(micro electro mechanical systems)スキャナからなってもよい。
【0021】
また、一類型による映像診断システムは、光源部と、前記光源部からの光を検査対象であるティッシュに照射する前記可変型光プローブと、前記ティッシュで反射された光から前記ティッシュのイメージを検出する検出部と、を含む。
【0022】
また、前記映像診断システムを利用してイメージを検出するイメージ検出方法は、所定のNA値で、前記ティッシュの表面からの第1深度に光がフォーカシングされるように、前記NA制御ユニットを調節する段階と、前記第1深度の所定領域をスキャニングしてイメージを検出する段階と、焦点距離を増大させ、前記ティッシュの表面からの第2深度に光がフォーカシングされるように、前記焦点調節ユニットを調節し、前記所定のNA値が維持されるように、前記開口調節ユニットの開口サイズを調節する段階と、前記第2深度の所定領域をスキャニングしてイメージを検出する段階と、を含む。
【0023】
また、一類型による映像診断システムは、光を照射する光源部と、前記光源部からの光が透過する開口が調節される開口調節ユニットと、前記開口調節ユニットから所定の位置に配置され、前記開口を通過した光をサンプルにフォーカシングし、焦点距離が調節される焦点調節ユニットと、前記サンプルから反射された光からサンプルのイメージを検出する検出部と、を含み、前記開口調節ユニット及び前記焦点調節ユニットの調節によってNAを制御し、前記サンプルと前記焦点調節ユニットとの間の距離変化なしに、サンプルの深度イメージを撮影する。
【0024】
前記開口調節ユニットは、機械的に開口サイズが調節される絞り、油圧を利用して開口サイズが調節される液体絞り、またはマイクロ電気流体方式で開口サイズが調節される液体絞りを含んでもよい。
【0025】
前記焦点調節ユニットは、流体表面にレンズ面を形成し、流体流動によってレンズ面の形状を調節して焦点距離を調節する液体レンズからなってもよい。
【0026】
前記流体流動が、電気湿潤方式または加圧式で起こりもする。
【0027】
前記焦点調節ユニットは、液晶(liquid crystal)に電場勾配(gradient)を形成し、これによる屈折率勾配を誘導して焦点距離を調節する液晶レンズからなってもよい。
【0028】
前記映像診断システムは、前記光源部からの光を、前記サンプルの所定の水平領域にスキャニングするスキャナをさらに含んでもよい。
【0029】
また、一類型による映像診断方法は、光源部から光を照射する段階と、照射された光のNAを制御し、サンプル内の所定位置に光をフォーカシングする段階と、サンプルから反射された光を検出する段階と、を含む。
【0030】
前記映像診断方法は、前記光源部から前記サンプルに向かう光と、前記サンプルから反射される光の経路を分岐する段階をさらに含んでもよい。
【0031】
前記映像診断方法は、前記光源部からの光を所定の干渉光に変調する段階をさらに含み、この場合、前記光源部からの光を一部分岐させてレファレンスミラーに向かわせ、前記レファレンスミラーから反射された光を利用して前記干渉光を形成することができる。
【0032】
前記映像診断方法は、前記光を検出する段階で検出された信号を映像信号に処理する段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明のNA制御ユニットは、開口調節及び/または焦点調節を利用し、必要な水平解像度、DOFに見合うNAを具現することができる。
【0034】
本発明の深度スキャニング方法は、開口調節、焦点調節を同時に行い、要求されるNA値を維持しつつ、深度スキャニングが可能である。
【0035】
本発明のNA制御ユニットを具備した可変型光プローブは、高い水平解像度、高いDOFが要求される映像診断システムに適用可能である。
【0036】
本発明の映像診断システム、イメージ検出方法、映像診断方法は、高い水平解像度、高いDOFを具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1A】1つの値のNAを具現している、本発明の一実施形態に係るNA制御ユニットの概略的な構造を示す図である。
【図1B】図1Aとは異なる値のNAを具現しているNA制御ユニットの概略的な構造を示す図である。
【図2】フォーカシング光学部材により規定されるNAによる水平解像度とDOFとの関係を説明するための概念図である。
【図3】図1A及び図1BのNA制御ユニットに採用される開口調節ユニットの一実施形態を示す図である。
【図4】図1A及び図1BのNA制御ユニットに採用される開口調節ユニットの他の実施形態を示す図である。
【図5】図1A及び図1BのNA制御ユニットに採用される焦点調節ユニットの一実施形態を示す図である。
【図6】図1A及び図1BのNA制御ユニットに採用される焦点調節ユニットの他の実施形態を示す図である。
【図7】図1A及び図1BのNA制御ユニットに採用される焦点調節ユニットのさらに他の実施形態を示す図である。
【図8A】サンプル内のそれぞれ異なる深度で同じ水平解像度が維持される、NA制御ユニットを利用した深度スキャニング方法を説明するための図である。
【図8B】サンプル内のそれぞれ異なる深度で同じ水平解像度が維持される、NA制御ユニットを利用した深度スキャニング方法を説明するための図である。
【図8C】サンプル内のそれぞれ異なる深度で同じ水平解像度が維持される、NA制御ユニットを利用した深度スキャニング方法を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る可変型光プローブの概略的な構造を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る可変型光プローブの概略的な構造を示す図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る可変型光プローブの概略的な構造を示す図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係る可変型光プローブの概略的な構造を示す図である。
【図13A】本発明の一実施形態に係る映像診断システムの概略的な構造を示すブロック図である。
【図13B】本発明の他の実施形態に係る映像診断システムの概略的な構造を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施形態に係る映像診断システムの多様な動作モードを説明するためのデザインウィンドーを示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る映像診断システムを利用したイメージ検出方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の図面で、同じ参照符号は、同じ構成要素を指し、図面上で、各構成要素のサイズは、説明の明瞭さ並びに便宜さを考慮し、誇張されていることがある。
【0039】
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係るNA(numerical aperture)制御ユニット1000の概略的な構造を示す図であり、それぞれ異なる値のNAを具現した例を示している。
【0040】
図面を参照すれば、NA制御ユニット1000は、光が透過する開口が調節される開口調節ユニットVAと、前記開口を通過した光をフォーカシングし、焦点距離が調節される焦点調節ユニットVFと、を含む。
【0041】
開口調節ユニットVAは、透光可能な開口サイズを調節することによって、入射されたビームの直径を調節して出射する役割を果たす。例えば、図1Aのように、開口がD1に調節された場合、開口調節ユニットVAを通過した平行光ビームの直径がD1になり、図1Bのように、開口がD2に調節された場合、開口調節ユニットVAを通過したビームの直径もD2となる。開口調節ユニットVAとしては、機械的に開口サイズが調節される絞り、またはポンプなどによる油圧を利用して開口サイズが調節される液体絞りが採用される。また、マイクロ電気流体方式で、開口サイズが調節される液体絞りが採用される。その詳細な構造については後述する。
【0042】
焦点調節ユニットVFは、開口調節ユニットVAから所定の位置に配置され、開口を通過した光をフォーカシングするものであり、形態が可変なレンズ面を構成しており、焦点距離を調節することができる。例えば、図1Aのように、焦点調節ユニットVFが焦点距離f1を有するように、レンズ面の曲率が調節されたり、図1Bのように、レンズ面の曲率がさらに低減されたりして、さらに長い焦点距離f2を有するように、焦点距離が制御される。焦点調節ユニットVFとしては、液晶(liquid crystal)に電場勾配(gradient)を形成させ、それによる屈折率勾配を誘導して焦点距離を調節する液晶レンズが採用される。または、流体表面にレンズ面を形成し、流体流動を誘発させてレンズ面の形状を調節して焦点距離を調節する液体レンズが採用される。液体レンズとしては、流体流動を誘発させる方式によって、加圧式液体レンズ、電気湿潤式液体レンズがあり、その詳細な構造については後述する。
【0043】
前述のように、開口と焦点距離の両方、または、選択的に一方を調節することができるように、NA制御ユニット1000を構成することは、ビームが、当該ビームの照射対象である検査対象に見合うように、適切な水平解像度と焦点深度(DOF:depth of focus)を有するように具現するためである。これについては、図2を参照して説明する。
【0044】
図2は、フォーカシング光学部材FEにより一般的に規定されるNAによる水平解像度とDOFとの関係を説明するための概念図である。
【0045】
ビームがフォーカシングされるとき、点ではなく、有限なサイズΔxの範囲に集束され、Δxは、開口Dと焦点距離fとによって、次の通りに規定される。
【0046】
【数1】

【0047】
Δxは、水平解像度に係わり、すなわち、Δxが小さいほど、水平解像度は高くなる。上記(1)式から分かるように、Δxは、f/Dに比例するが、その一方で、開口数(NA:numerical aperture)は、D/fに比例するので、Δxの小さい高い水平解像度が必要なとき、NAが大きい光学系が要求される。
【0048】
焦点深度(DOF:depth of focus)は、ビーム直径が√2Δxになる範囲で、次の通りに規定される。
【0049】
【数2】

【0050】
DOFは、深度方向に沿って、ビームスポット・サイズが相対的に均一であると見ることができる範囲を意味し、深度によるイメージ情報、例えば、人体組織の断層撮影イメージを取得するとき、DOFが大きい光学系、すなわち、NAが小さい光学系が要求される。
【0051】
このように、水平解像度とDOFは、トレードオフ(trade off)の関係を有し、検査対象に見合うように、適切なNAを有する光学系が具現されねばならない。
【0052】
本実施形態のNA制御ユニット1000は、開口調節ユニットVAと焦点調節ユニットVFとを共に具備し、NAを調節することができるので、検査対象に見合う光学系を具現することができる。
【0053】
以下では、NA制御ユニット1000に採用される開口調節ユニットVA、焦点調節ユニットVFの多様な実施形態について説明する。
【0054】
図3は、図1A及び図1BのNA制御ユニット1000に採用される開口調節ユニットの一実施形態を示す図である。
【0055】
開口調節ユニット101は、電気湿潤原理によって流体が流動し、流体流動によって光が通過する開口Aのサイズが調節されるように構成される。開口調節ユニット101は、流体が流動する空間を構成するチャンバと、チャンバ内に設けられ、互いに混合しない性質を有し、一つは、透光性、他の一つは、遮光性または吸光性の物質から形成された第1流体F1及び第2流体F2と、チャンバの内側面に設けられ、チャンバ内に電場を形成するために、電圧が印加される一つ以上の電極が配列された電極部と、を含む。電場による第1流体F1と第2流体F2との界面の位置変化によって、光が透過する開口が調節される。
【0056】
具体的に説明すれば、チャンバの領域は、第1チャネルC1と、第1チャネルC1の上部に、第1チャネルC1と連結されるように設けられた第2チャネルC2と、を含み、第1チャネルC1及び第2チャネルC2のそれぞれで起こる第1流体F1と第2流体F2との界面の位置変化によって、開口範囲が決定される。第1チャネルC1は、第1基板110と、第1基板110と離隔されるように設けられ、中心部に第1貫通ホールTH1が形成され、周辺部に第2貫通ホールTH2が形成された第2基板150と、第1基板110と第2基板150との間に、内部空間を形成するように設けられた第1スペーサ130と、から形成される。また、第2チャネルC2は、第2基板150と、第2基板150と離隔されるように設けられた第3基板190と、第2基板150と第3基板190との間に、内部空間を形成するように設けられた第2スペーサ170と、から形成される。
【0057】
第1流体F1及び第2流体F2のうちのいずれか一つは、液体金属または極性液体であり、他の一つは、ガスまたは非極性液体から構成されてもよい。
【0058】
電極部は、第1基板110上に形成され、絶縁物質Iでコーティングされた一つ以上の電極Eからなる第1電極部120と、第3基板190上に形成され、絶縁物質Iでコーティングされた一つ以上の電極Eからなる第2電極部180と、を含む。
【0059】
第1電極部120は、開口Aのデジタル制御のために、複数の電極を含むように構成される。
【0060】
接地電極部Rは、チャンバの内部のいずれか一ヵ所以上で、極性流体と接触を維持するように備えられ、例えば、極性の第1流体F1と接触を維持するように設けられ、図示されているように、第1基板110上に配置される。ただし、接地電極部Rの位置は、図示された位置に限定されるものではない。
【0061】
第1電極部120、第2電極部180をなす電極は、透明伝導性材質から形成され、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などの金属酸化物、Au、Agなどの金属ナノ粒子分散薄膜、CNT(carbon nanotube)、グラフェン(graphene)などの炭素ナノ構造体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリピロール(PPy)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)などの伝導性高分子が使われもする。
【0062】
接地電極部Rは、配置上、透光性が要求されず、Au、Ag、Al、Cr、Tiなどの金属薄膜から形成される。
【0063】
電気湿潤現象は、絶縁体でコーティングされた電極上の電解質液滴に電圧を加えれば、液滴の接触角が変わる現象を意味する。すなわち、流体、液滴、絶縁体が出合う三相接触線(TCL:three−phase contact line)で、それぞれの界面張力によって、接触角が変わる。電気湿潤現象を利用する場合、低い電圧を使用し、素早く効果的に流体の流動を制御することができ、可逆的に流体の移送及び制御が可能である。
【0064】
第1電極部120のいずれか1つの電極Eに、適切な電圧を印加すれば、駆動された電極上の三相接触線(TCL)、すなわち、第1流体F1、第2流体F2、及び絶縁物質Iが出合う接線で電気機械的力が作用し、第1流体F1が第1チャネルC1を介して、中心部に移動しつつ、開口Aが縮小しうる。また、第2電極部180に適切な電圧を印加すれば、第1流体F1が第2チャネルC2を介して、中心部に移動しつつ、第1チャネルC1のTCLは縁側に押され、開口Aが拡張される。第1電極部120を、複数の電極Eで構成する場合、駆動される電極を変化させることによって、開口Aのサイズをデジタル方式で制御することができる。
【0065】
図4は、図1A及び図1BのNA制御ユニット1000に採用される開口調節ユニットの他の実施形態を示す図である。
【0066】
本実施形態の開口調節ユニット102は、第2基板150の両面に、絶縁物質Iでコーティングされた一つ以上の電極Eからなる第3電極部320及び第4電極部380がさらに備えられた点で、図3で説明した開口調節ユニット101と違いがある。第3電極部320は、第1電極部120と共に、第1チャネルC1で生じる駆動力を増大させ、第4電極部380は、第2電極部180と共に、第2チャネルC2で生じる駆動力を増大させる役割を果たす。第3電極部320及び第4電極部380をなす電極の個数は、図示された個数に限定されるものではない。また、第2基板150の両面に、それぞれ第3電極部320及び第4電極部380が備えられると説明したが、それは例示的なものであり、第2基板150のいずれか一面にのみ第3電極部320または第4電極部380が備えられてもよい。
【0067】
図5は、図1A及び図1BのNA制御ユニットに採用される焦点調節ユニットの一実施形態を示す図である。
【0068】
焦点調節ユニット201は、流体表面にレンズ面を形成し、流体流動を利用して、レンズ面の形状を調節して焦点距離を調節する液体レンズの形態を有することができ、本実施形態の焦点調節ユニット201は、前記流体流動が電気湿潤方式によって起こる構成を有する。
【0069】
図面を参照して具体的な構成について説明すれば、チャンバ内部に、透光性かつ極性を有する第1流体TF1、第1流体TF1と混合しない性質を有し、透光性を有する第2流体TF2が設けられる。第1流体TF1と第2流体TF2との境界面は、レンズ面をなす第1面LSと、前記レンズ面の曲率変化を誘導する第2面ISと、を含む。また、第2面ISの位置を変化させる電場を形成するための電極部が、チャンバ内に形成されている。第1流体TF1と第2流体TF2との境界面が、レンズ面をなす第1面LSと、前記レンズ面の曲率変化を誘導する第2面ISとを形成することができるように、前記レンズ面に対応するレンズの直径を形成する第1貫通ホールTH1と、第2流体TF2の通路を形成する第2貫通ホールTH2とが形成された第1中間板250が、チャンバ内部に設けられる。
【0070】
第1中間板250の下部及び上部には、それぞれ下部基板210と上部基板290とが設けられ、内部空間を形成するように、下部基板210と第1中間板250との間、第1中間板250と上部基板290との間には、スペーサ部が設けられもする。スペーサ部は、下部基板210と第1中間板250との間の第1スペーサ230と、第1中間板250と上部基板290との間の第2スペーサ270とからなる。
【0071】
下部基板210、第1中間板250、上部基板290は、透光性素材から形成されてもよい。
【0072】
第1流体TF1と第2流体TF2は、屈折率が互いに異なる透光性流体から構成される。第1流体TF1は、極性液体、第2流体TF2は、ガスまたは非極性液体から構成される。
【0073】
電極部は、図示されているように、下部基板210の上面に形成され、表面が絶縁物質Iでコーティングされた電極Eからなる第1電極部220と、第1中間板250の下面に形成され、表面が絶縁物質Iでコーティングされた電極Eからなる第2電極部280と、を含む。ただし、第1電極部220及び第2電極部280のうちいずれか一つだけ備えられることも可能である。
【0074】
また、第1流体TF1と接するように設けられた接地電極Rをさらに含んでもよい。図面では、接地電極Rは、第1基板210上に配置されているが、電圧が印加されていない状態で、第1流体TF1と接することができるいずれの位置にも配置可能である。接地電極Rは、選択的に備えられ、接地電極Rが備えられる場合、駆動電圧をさらに低くすることができる。
【0075】
第1電極部220、第2電極部280をなす電極は、透明伝導性材質から形成され、例えば、ITO、IZOのような金属酸化物、Au、Agなどの金属ナノ粒子分散薄膜、CNT、グラフェンなどの炭素ナノ構造体、またはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリピロール(PPy)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)などの伝導性高分子などが使われもする。接地電極Rは、前述の透明伝導性物質から形成され、配置によって透光性が要求されない場合、Au、Ag、Al、Cr、Tiなどの金属薄膜から形成される。
【0076】
焦点調節ユニット201は、電気湿潤駆動によって、第2面ISに作用する圧力が変わり、これによって、レンズ面の第1面LSの曲率が調節される。本実施形態で、第1電極部220、第2電極部280がそれぞれ1つの電極Eからなり、この電極Eに印加される電圧の大きさを調節し、第2面ISの位置を変化させる。電圧が印加されていない状態、または印加電圧の大きさが小さくなれば、第2面ISは、中心側に移動し、レンズ面になる第1面LSは、さらに凸状になる。印加電圧の大きさを増大させれば、第2面ISは、両側に移動し、第1面LSの曲率はさらに小さくなり、印加電圧が最大になるとき、第1面LSは、凹状の曲率を有する。
【0077】
図6は、図1A及び図1BのNA制御ユニット1000に採用される焦点調節ユニットの他の実施形態を示す図である。
【0078】
本実施形態の焦点調節ユニット202は、第1電極部222、第2電極部282がそれぞれ絶縁物質Iでコーティングされた複数の電極Eから構成された点で、前述の実施形態の焦点調節ユニット201と違いがある。第1電極部222、第2電極部282を構成する電極Eの一部を選択して電圧を印加することによって、レンズ面になる第1面LSの曲率をデジタル方式で制御することができる。
【0079】
すなわち、電極Eのうちいずれか一つを選択して適切な電圧を印加すれば、駆動された電極の三相接触線(TCL)、すなわち、第1流体F1、第2流体F2の境界面の第2面ISと、絶縁物質Iとが出合う接線で電気機械的力が作用し、図示されたように、第2面ISの位置が形成され、これによって、第1面LSの曲率が決定される。最も内側に配置された電極Eを選択して適切な電圧を印加すれば、第2面ISの位置が最大限中心側に移動し、第1面LSの曲率は、さらに大きくなり得る。また、最も外側に配置された電極Eを選択して適切な電圧を印加すれば、第2面ISの位置が両側に最大に移動し、第1面LSの曲率は小さくなり、または、凹状の曲率が形成されることもある。
【0080】
図面では、第1電極部222、第2電極部282、接地電極Rがいずれも備えられているが、第1電極部222及び第2電極部282のうちいずれか一つだけが備えられていたり、接地電極Rが省略されていたりもする。
【0081】
図7は、図1A及び図1BのNA制御ユニット1000に採用される焦点調節ユニットのさらに他の実施形態を示す図である。
【0082】
本実施形態の焦点調節ユニット203は、レンズ面の曲率変化のための流体流動が、加圧式で起こる構成を有する。焦点調節ユニット203は、チャンバの内部空間に設けられた透光性流体TF3を含む。チャンバの内部空間381は、基板310と、基板310に形成されたフレーム330とから形成され、流室382、流路384、レンズ室386からなる。フレーム330の上部には、メンブレイン350が配置され、流室382の上部に対応するメンブレイン350上の位置には、アクチュエータ370が設けられる。レンズ室386の上部に対応する位置のメンブレイン350の一面が、レンズ面350aになる。
【0083】
メンブレイン350は、透明かつ弾性を有する物質、例えば、シリコン弾性重合体(elastomer)からなってもよい。また、耐久性及び柔軟性にすぐれるポリジメチルシロキサン(PDMS)が採用される。
【0084】
アクチュエータ370は、透光性流体TF3に圧力を印加するように設けられるものであり、一般的に使われている多様な方式のアクチュエータが使われる。例えば、厚みが非常に薄く、消費電力が小さい電気作動ポリマー(EAP:electro active polymer)からなる一般的なポリマーアクチュエータが使われ、P(VDF−TrFE_CFE)、P(VDF−TrFE−CTFE)のような混成重合体で製作された緩和型強誘電性(relaxor ferroelectric)ポリマーアクチュエータが採用されてもよい。アクチュエータ370は、電圧印加によって電歪変形(electrostrictive strain)が誘発され、隣接した透光性流体TF3に圧力を印加する。
【0085】
透光性流体TF3としては、例えば、シリコンオイルが採用されてもよい。
【0086】
アクチュエータ370の駆動によって、流室382内の透光性流体TF3に圧力が加えられれば、透光性流体TF3が、流路384に沿って、レンズ室386に移動し、レンズ面350aの形状が変化する。
【0087】
図1A及び図1BのNA制御ユニット1000に採用される焦点調節ユニットは、前述の実施形態以外にも、他の構成が採用され、例えば、液晶に電場勾配を形成し、それによる屈折率勾配を誘導し、焦点距離を調節する液晶レンズからなってもよい。
【0088】
図8Aないし図8Cは、NA制御ユニット1000を利用した深度スキャニング方法を説明するための図であり、サンプルS内のそれぞれ異なる深度で、同じ水平解像度が維持されるところを示している。
【0089】
図8Aのように、サンプルS内の所定深度位置でフォーカシングされるように、焦点調節ユニットVFの焦点距離を調節し、前記焦点距離で、検査対象に見合うNAを具現するように、開口調節ユニットVAの開口を調節する。
【0090】
図8Bでは、サンプルS内の深度位置を変更して光がフォーカシングされるように、焦点調節ユニットVFの焦点距離を調節し、既定のNA値が維持されるように、開口調節ユニットVAの開口を調節する。焦点距離が増大するほど、開口を増大させる。
【0091】
図8Cも同様に、サンプルS内の深度位置が変更されるように、焦点距離を調節し、変更された焦点距離で、既定のNA値が維持されるように、開口調節ユニットVAの開口を調節する。
【0092】
このような方式の深度スキャニングでは、一般的なOCTの深度スキャン時、深度によってビームスポット・サイズΔx’が増大、すなわち、水平解像度が低減することとは異なり、一定のビームスポット・サイズΔxを維持し、必要な焦点深度(DOF)範囲で、一定の水平解像度を維持することができる。
【0093】
図9は、本発明の一実施形態に係る可変型光プローブ2000の概略的な構造を示す図である。
【0094】
図面を参照すれば、可変型光プローブ2000は、光伝送部2100と、光伝送部2100を介して伝送された光を平行光にコリメートするコリメータ2300と、光を、検査対象であるサンプルにフォーカシングし、NAを制御することができるNA制御ユニット1000、NA制御ユニット1000を通過した光がサンプルSの所定領域をスキャニングするように光伝送部2100を介して伝送された光の経路を変えるスキャナ2200とを含む。
【0095】
光伝送部2100は、光ファイバからなり、スキャナ2200は、図示されているように、光ファイバの一端に組み込まれ、光ファイバの変形を誘導して光路を変えるアクチュエータからなってもよい。アクチュエータとしては、圧電アクチュエータ(piezo actuator)や、その他のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)状の記憶合金のようなカンチレバー(cantilever)形態を駆動することができる多様な方法及び材料が使われる。
【0096】
コリメータ2300は、1枚以上のレンズを含んでもよい。
【0097】
NA制御ユニット1000は、開口調節ユニットVA、焦点調節ユニットVFを含み、前述の多様な実施形態の開口調節ユニットVA、焦点調節ユニットVFが採用される。
【0098】
図10は、本発明の他の実施形態に係る可変型光プローブ2001の概略的な構造を示す図である。
【0099】
本実施形態の可変型光プローブ2001は、NA制御ユニット1000を通過した光の収差補正のためのレンズユニット2800をさらに具備し、レンズユニット2800は、1枚以上のレンズを含み得る。
【0100】
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係る可変型光プローブ2002の概略的な構造を示す図である。
【0101】
本実施形態の可変型光プローブ2002は、ミラー面を駆動して光路を変えるMEMS(micro electro mechanical systems)スキャナ2600を具備する点で、前述の可変型光プローブ2001,2002と違いがあり、MEMSスキャナ2600は、開口調節ユニットVAと焦点調節ユニットVFとの間に配置される。また、開口調節ユニットVAとMEMSスキャナ2600間とには、開口調節ユニットVAを透過した光が経路を変え、MEMSスキャナ2600に入射するように、光路変換部材2400がさらに配置され得る。
【0102】
図12は、本発明のさらに他の実施形態に係る可変型光プローブ2003の概略的な構造を示す図である。
【0103】
本実施形態の可変型光プローブ2003は、開口調節ユニットVA及び焦点調節ユニットVFを通過した光の収差補正のためのレンズユニット2800をさらに具備し、レンズユニット2800は、1枚以上のレンズを含み得る。
【0104】
図13Aは、本発明の一実施形態に係る映像診断システム3000の概略的な構造を示すブロック図である。
【0105】
映像診断システム3000は、光源部と、光源部からの光を、検査対象であるサンプルS、例えば、人体組織であるティッシュ(tissue)にスキャニングし、NAを制御することができる可変型光プローブと、サンプルSから反射された光からサンプルSのイメージを検出する検出部とを含む。
【0106】
可変型光プローブとしては、前述の実施形態の可変型光プローブ2000,2001,2002,2003が採用され、検査対象によって、開口、焦点距離、開口数を適切に調節することができる。
【0107】
検出部は、サンプルSのイメージをセンシングするためのCCD(charge−coupled device)のようなイメージセンサを含んでもよい。
【0108】
映像診断システム3000は、また、光源部からサンプルSに向かって照射された光と、サンプルSから反射された光との経路を分離するビームスプリッタと、検出部で感知された信号を映像信号に処理して表示する映像信号処理部とをさらに含んでもよい。
【0109】
図13Bは、本発明の他の実施形態に係る映像診断システム3001の概略的な構造を示すブロック図である。
【0110】
映像診断システム3001は、光源部と、光源部からの光を所定の干渉光に変調する光干渉計と、光を、検査対象であるサンプルS、例えば、人体組織であるティッシュにスキャニングし、NAを制御することができる可変型光プローブと、サンプルSから反射された光からサンプルSのイメージを検出する検出部と、サンプルイメージが表示されるように、検出部で感知された信号を映像信号に処理する映像信号処理部とを含む。
【0111】
光干渉計は、レファレンスミラー(reference mirror)とビームスプリッタとを含み、光源部から照射された光は、ビームスプリッタで一部分岐され、レファレンスミラーに向かった後、レファレンスミラーから反射される。すなわち、レファレンスミラーとビームスプリッタとの相互作用による干渉光が、可変型光プローブに入射される。このような形態の干渉光は、OCTモードで動作するとき、一般的に使われる。また、サンプルから反射された光は、ビームスプリッタで経路分岐されて検出部に向かう。
【0112】
可変型光プローブとしては、前述の実施形態の可変型光プローブ2000,2001,2002,2003が採用され、検査対象によって、開口、焦点距離、開口数を適切に調節することができる。
【0113】
図14は、図13A、図13Bの映像診断システム3000,3001の多様な動作モードを説明するためのデザインウィンドーを示す図である。
【0114】
組織の内部断層を撮影しなければならないOCTモードの場合、焦点深度が長い、すなわち、NAが相対的に小さいモードでの動作が要求される。高い水平解像度を必要とするOCTモードでは、NAが相対的に高い光学系が要求される。このような点を考慮し、検査対象に見合う焦点距離、ビーム直径を具現するように、動作モードを適切に選択することができる。
【0115】
また、上述した実施形態に係る映像診断システム3000,3001は、水平解像度を一定に維持して深度スキャニングを行うことができるモードで使われもする。一般的なOCT信号は、深度によって低減するが、これは、焦点距離を調節して深度方向にスキャニングするとき、水平解像度が低下するためである。しかし、映像診断システム3000,3001は、焦点距離と開口とを独立して調節することができるNA制御ユニットを採用しているので、焦点距離を増大させて深度スキャニングするとき、開口を調節して一定のNA値を維持することが可能である。例えば、DSと表示された矢印方向に沿って、NAを維持して深度スキャニングを行うように動作し得る。
【0116】
図15は、本発明の実施形態に係る映像診断システム3000,3001を利用したイメージ検出方法の一例であり、水平解像度を維持する深度スキャニングを利用してイメージを検出するイメージ検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0117】
まず、診断モード及びこれに見合うNAを決定し(S101)、深度スキャニングステップ数を定める(S102)。
【0118】
既定のNA値で、ティッシュ表面からの第1深度に光がフォーカシングされるように、NA制御ユニットの焦点距離fを調節し(S103)、既定のNA、焦点距離fが具現されるように、開口Dのサイズを調節する(S104)。
【0119】
第1深度の所定領域を水平スキャニングしてイメージIを検出し、保存する(S105)。
【0120】
焦点距離を増大させ、ティッシュ表面からの第2深度に光がフォーカシングされるように、焦点調節ユニットを調節し(S103)、変更された焦点距離fで、既定のNA値が維持されるように、開口調節ユニットの開口Dのサイズを調節する(S104)。第2深度の所定領域を水平スキャニングしてイメージIを検出し、検出されたイメージIを保存する(S105)。
【0121】
必要なスキャニングステップ数Nだけ、ステップS103〜S105を繰り返した後、保存されたイメージI(k=1〜N)をスティチングする。
【0122】
このような本願発明は、理解を助けるために図面に示された実施形態を参考にして説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、当分野で当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明のNA(numerical aperture)制御ユニット、それを採用した可変型光プローブ、映像診断システム、深度スキャニング方法、イメージ検出方法、及び映像診断方法は、例えば、医療映像関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
101,102 開口調整ユニット、
110 第1基板、
120,220,222 第1電極部、
130,230 第1スペーサ、
150 第2基板、
170,270 第2スペーサ、
180,280,282 第2電極部、
190 第3基板、
201,202,203 焦点調節ユニット、
210 下部基板、
250 第1中間板、
290 上部板、
310 基板、
320 第3電極部、
330 フレーム、
350 メンブレイン、
350a レンズ面、
370 アクチュエータ、
380 第4電極部、
381 チャンバの内部空間、
382 流室、
384 流路、
386 レンズ室、
1000 NA制御ユニット、
2000,2001,2002,2003 可変型プローブ、
2100 光伝送部、
2200 スキャナ、
2300 コリメータ、
2400 光路変換部材、
2600 MEMSスキャナ、
2800 レンズユニット、
3000,3001 映像診断システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が透過する開口が調節される開口調節ユニットと、
前記開口調節ユニットから所定の位置に配置され、前記開口を通過した光をフォーカシングし、焦点距離が調節される焦点調節ユニットと、を含む開口数制御ユニット。
【請求項2】
前記開口調節ユニットは、
マイクロ電気流体方式で開口サイズが調節される液体絞りであることを特徴とする請求項1に記載の開口数制御ユニット。
【請求項3】
前記開口調節ユニットは、
機械的に開口サイズが調節される絞りであることを特徴とする請求項1に記載の開口数制御ユニット。
【請求項4】
前記開口調節ユニットは、
油圧を利用して開口サイズが調節される液体絞りであることを特徴とする請求項1に記載の開口数制御ユニット。
【請求項5】
前記開口調節ユニットは、
流体が流動する空間を構成するチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、互いに混合しない性質を有し、一方は透光性の物質から形成され、他方は遮光性または吸光性の物質から形成される第1及び第2流体と、
前記チャンバの内側面に設けられ、前記チャンバ内に電場を形成するために電圧が印加される一つ以上の電極が配列された電極部と、を含み、
電場による前記第1流体と前記第2流体との界面の位置変化によって、光が透過する開口が調節されることを特徴とする請求項2に記載の開口数制御ユニット。
【請求項6】
前記第1及び第2流体のいずれか一方は、液体金属または極性液体であり、他方は、ガスまたは非極性液体から構成されることを特徴とする請求項5に記載の開口数制御ユニット。
【請求項7】
前記チャンバの領域は、
第1チャネルと、
前記第1チャネルの上部に、前記第1チャネルと連結されるように設けられた第2チャネルと、を含み、
前記第1及び第2チャネルのそれぞれで起こる前記第1流体と前記第2流体との界面の位置変化によって、前記開口の範囲が決定されることを特徴とする請求項5または6に記載の開口数制御ユニット。
【請求項8】
前記第1チャネルは、
前記電極部が形成された第1基板と、
前記第1基板と離隔されるように設けられ、中心部に第1貫通ホールが形成され、周辺部に第2貫通ホールが形成された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に内部空間を形成するように設けられた第1スペーサと、から形成されることを特徴とする請求項7に記載の開口数制御ユニット。
【請求項9】
前記第2チャネルは、
前記第2基板と、
前記第2基板と離隔されるように設けられた第3基板と、
前記第2基板と前記第3基板との間に内部空間を形成するように設けられた第2スペーサと、から形成されることを特徴とする請求項8に記載の開口数制御ユニット。
【請求項10】
前記焦点調節ユニットは、
液晶に電場勾配を形成し、これによる屈折率勾配を誘導して焦点距離を調節する液晶レンズを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の開口数制御ユニット。
【請求項11】
前記焦点調節ユニットは、
流体表面にレンズ面を形成し、流体流動によってレンズ面の形状を調節して焦点距離を調節する液体レンズを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の開口数制御ユニット。
【請求項12】
前記流体流動が電気湿潤方式によって起こることを特徴とする請求項11に記載の開口数制御ユニット。
【請求項13】
前記焦点調節ユニットは、
透光性かつ極性を有する第1流体と、
前記第1流体と混合しない性質を有し、かつ、透光性を有する第2流体と、
前記第1及び第2流体を収容する内部空間を有するチャンバと、
前記第1流体と前記第2流体との境界面であり、前記レンズ面をなす第1面と、
前記第1流体と前記第2流体との境界面であり、前記レンズ面の曲率変化を誘導する第2面と、
前記チャンバ内に設けられ、前記レンズ面に対応するレンズの直径を形成する第1貫通ホールと、前記第2流体の通路を形成する第2貫通ホールとが形成された第1中間板と、
前記第2面の位置を変化させる電場を形成するための電極部と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の開口数制御ユニット。
【請求項14】
前記第1流体は、極性液体であり、
前記第2流体は、ガスまたは非極性液体から構成されることを特徴とする請求項13に記載の開口数制御ユニット。
【請求項15】
前記流体流動が加圧式で起こることを特徴とする請求項11に記載の開口数制御ユニット。
【請求項16】
サンプルを深度方向にスキャンして光を照射する深度スキャニング方法であって、
請求項1〜15のいずれか1項に記載の開口数制御ユニットを利用して焦点距離と開口サイズとを同時に変化させ、一定の開口数を維持する深度スキャニング方法。
【請求項17】
光伝送部と、
前記光伝送部を介して伝送された光を平行光にコリメートするコリメータと、
光を検査対象であるサンプルにフォーカシングする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の開口数制御ユニットと、
前記開口数制御ユニットを通過した光が、前記サンプルの所定領域をスキャニングするように、前記光伝送部を介して伝送された光の経路を変えるスキャナと、を含む可変型光プローブ。
【請求項18】
前記光伝送部は、光ファイバを含むことを特徴とする請求項17に記載の可変型光プローブ。
【請求項19】
前記スキャナは、前記光ファイバの一端に組み込まれ、前記光ファイバの変形を誘導して光路を変えるアクチュエータを含むことを特徴とする請求項18に記載の可変型光プローブ。
【請求項20】
前記スキャナは、ミラー面を駆動して光路を変えるMEMSスキャナを含むことを特徴とする請求項17または18に記載の可変型光プローブ。
【請求項21】
前記MEMSスキャナは、前記開口調節ユニットと前記焦点調節ユニットとの間に配置されることを特徴とする請求項20に記載の可変型光プローブ。
【請求項22】
前記開口調節ユニットと前記MEMSスキャナとの間には、前記開口調節ユニットを透過した光が経路を変え、前記MEMSスキャナに入射するように配置された光路変換部材がさらに設けられていることを特徴とする請求項21に記載の可変型光プローブ。
【請求項23】
前記開口数制御ユニットを通過した光の収差補正のためのレンズユニットをさらに含むことを特徴とする請求項17〜22のいずれか1項に記載の可変型光プローブ。
【請求項24】
光源部と、
前記光源部からの光を検査対象であるティッシュに照射する、請求項17〜23のいずれか1項に記載の可変型光プローブと、
前記ティッシュで反射された光から、前記ティッシュのイメージを検出する検出部と、を含む映像診断システム。
【請求項25】
請求項24に記載の映像診断システムを利用してイメージを検出するイメージ検出方法であって、
所定の開口数値で、前記ティッシュの表面からの第1深度に光がフォーカシングされるように、前記開口数制御ユニットを調節する段階と、
前記第1深度の所定領域をスキャニングしてイメージを検出する段階と、
焦点距離を増大させ、前記ティッシュの表面からの第2深度に光がフォーカシングされるように、前記焦点調節ユニットを調節し、前記所定の開口数値が維持されるように、前記開口調節ユニットの開口サイズを調節する段階と、
前記第2深度の所定領域をスキャニングしてイメージを検出する段階と、を含むイメージ検出方法。
【請求項26】
光を照射する光源部と、
前記光源部からの光が透過する開口が調節される開口調節ユニットと、
前記開口調節ユニットから所定の位置に配置され、前記開口を通過した光をサンプルにフォーカシングし、焦点距離が調節される焦点調節ユニットと、
前記サンプルから反射された光からサンプルのイメージを検出する検出部と、を含み、
前記開口調節ユニット及び前記焦点調節ユニットの調節によって開口数を制御し、前記サンプルと前記焦点調節ユニットとの間の距離変化なしに、前記サンプルの深度イメージを撮影する映像診断システム。
【請求項27】
前記開口調節ユニットは、
機械的に開口サイズが調節される絞り、油圧を利用して開口サイズが調節される液体絞り、またはマイクロ電気流体方式で開口サイズが調節される液体絞りを含むことを特徴とする請求項26に記載の映像診断システム。
【請求項28】
前記焦点調節ユニットは、
流体表面にレンズ面を形成し、流体流動によってレンズ面の形状を調節して焦点距離を調節する液体レンズを含むことを特徴とする請求項26または27に記載の映像診断システム。
【請求項29】
前記流体流動が、電気湿潤方式または加圧式で起こることを特徴とする請求項28に記載の映像診断システム。
【請求項30】
前記焦点調節ユニットは、
液晶に電場勾配を形成し、これによる屈折率勾配を誘導して焦点距離を調節する液晶レンズを含むことを特徴とする請求項26または27に記載の映像診断システム。
【請求項31】
前記光源部からの光を、前記サンプルの所定の水平領域にスキャニングするスキャナをさらに含むことを特徴とする請求項26〜30のいずれか1項に記載の映像診断システム。
【請求項32】
光源部から光を照射する段階と、
照射された光の開口数を制御し、サンプル内の所定位置に光をフォーカシングする段階と、
サンプルから反射された光を検出する段階と、を含む映像診断方法。
【請求項33】
前記光源部から前記サンプルに向かう光と、前記サンプルから反射される光の経路を分岐する段階をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の映像診断方法。
【請求項34】
前記光源部からの光を所定の干渉光に変調する段階をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の映像診断方法。
【請求項35】
前記光源部からの光を一部分岐させてレファレンスミラーに向かわせ、前記レファレンスミラーから反射された光を利用し、前記干渉光を形成することを特徴とする請求項34に記載の映像診断方法。
【請求項36】
前記光を検出する段階で検出された信号を映像信号に処理する段階をさらに含むことを特徴とする請求項32〜35のいずれか1項に記載の映像診断方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−64995(P2013−64995A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182713(P2012−182713)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】