説明

開口調節方法及び開口調節素子

【課題】高速かつ精細に光が透過する開口を調節できる開口調節素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る開口調節素子は、流体が流動する空間を構成するチャンバと、当該チャンバ内に設けられるものであって、互いに混合されない性質を持ち、一つは透光性の、他の一つは遮光性または吸光性の物質で形成された第1流体及び第2流体と、チャンバの内側面に設けられるものであって、チャンバ内に電場を形成するために電圧が印加される一つ以上の電極がアレイされた第1電極部と、を備え、電場による第1流体と第2流体間の界面位置変化により光が透過される開口が調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小電気流体方式を用いて光が透過される開口を調節する開口調節方法及び開口調節素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光の透過率を調節する技術は、映像を獲得する装置の絞りやシャッター、または映像を表示する装置において、それぞれの画素を駆動するために広く使われる技術である。
【0003】
既存の光学システムで一般的に使われる可変絞りは、主に複数の金属ブレードを操作する方式を使用してきたが、機械的動きによる摩擦力または動く機械要素そのものが、小型化を制限する要因となる。
【0004】
電熱または静電気方式のMEMS絞りによる方式もあるが、開口部が非円形であってブレード間に隙間が存在し、全体素子面積に比べて最大開口率が1%以下と低いという問題がある。
【0005】
一方、微小光学と微細流体システムとを結合した光流体技術の発展と共に、空圧でジメチルポリシロキサン(PDMS)メンブレンを変形させて開口率を調整する可変絞りが提案された。この技術により、3次元構造体と毛細管力とを用いて可変絞りの解像度が改善された。しかしこのような絞りは、既存のMEMS絞りに比べて開口率を高くできるが、駆動のために注射器ポンプを使用しなくてはならず、高速に開口率を制御することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、微小電気流体方式で高速かつ精細に光が透過する開口を調節できる開口調節方法及び開口調節素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一類型による開口調節素子は、流体が流動する空間を構成するチャンバと、前記チャンバ内に設けられ、互いに混合されない性質を持ち、透光性の第1流体及び遮光性または吸光性の第2流体と、前記チャンバの内側面に設けられ、前記チャンバ内に電場を形成するために電圧が印加される一つ以上の電極が配置された第1電極部と、を備え、前記電場による前記第1流体と前記第2流体間の界面位置変化により、光が透過する開口が調節される。
【0008】
前記第1流体と第2流体のうちいずれか一方は液体金属または極性液体であり、他方はガスまたは非極性液体から構成される。
【0009】
前記チャンバ内の領域は、前記界面位置変化によって調節される開口が形成されるチャネル領域と、前記界面位置変化によって前記チャネル領域から移動する流体が滞留する貯留領域と、を含む。
【0010】
前記チャンバは、前記第1電極部が設けられた第1基板と、前記第1基板と対向する方向に離隔配置された第2基板と、前記第1基板上に、前記対向する方向と異なる方向に前記第2基板と離隔配置された隔壁と、を備える。
【0011】
または、前記チャンバの領域は、第1チャネルと、前記第1チャネルの上部に、前記第1チャネルと連結するように設けられた第2チャネルと、を含み、前記第1チャネルと第2チャネルそれぞれで生じる前記第1流体と第2流体間の界面位置変化により前記開口範囲が定められる。
【0012】
前記第2チャネルの高さは、前記第1チャネルの高さと同一か、またはより高く形成される。
【0013】
前記チャンバは、前記第1電極部が設けられた第1基板と、前記第1基板と対向する方向に離隔配置された第2基板と、前記第2基板と対向して、前記対向する方向に離隔配置された第3基板と、前記第1基板と第3基板との間に形成される空間の少なくとも一側を取り囲み、前記第2基板と離隔配置された隔壁と、を備える。
【0014】
前記第1チャネルは、前記第1電極部が形成された第1基板と、前記第1基板と離隔して設けられたものであって、中心部に第1貫通ホールが形成され、周辺部に第2貫通ホールが形成された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に内部空間を形成するように設けられた第1スペーサと、により形成される。
【0015】
前記第2チャネルは、前記第2基板と、前記第2基板と離隔して設けられた第3基板と、前記第2基板と前記第3基板との間に内部空間を形成するように設けられた第2スペーサと、により形成される。
【0016】
前記第3基板上の中心部には、前記第1チャネル、第2チャネルを透過した光を遮断できる不透明パターン部がさらに形成され、前記不透明パターン部は、前記第1流体及び前記第2流体の流動によって定められる開口の最小サイズに対応するサイズを持つ。
【0017】
前記第1チャネル及び第2チャネルが形成する空間内に、前記第1流体と第2流体のうち極性流体と接触する接地電極部がさらに形成される。
【0018】
本発明の一類型による映像獲得装置は、前記開口調節素子と、前記開口調節素子を通じて入射された光から被写体の像を形成する結像部と、前記結像部で形成された像を電気信号に変換する撮像素子と、を備える。
【0019】
本発明の一類型による映像表示装置は、映像形成用光を提供する光源部と、前記光源部から提供された光の透過率を映像情報によって調節する、前記複数の開口調節素子が配置されて形成されたディスプレイパネルと、を備える。
【0020】
前記ディスプレイパネルは、前記開口調節素子であって、前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体が第1カラーを表すように構成された第1素子と、前記開口調節素子であって、前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体が第2カラーを表すように構成された第2素子と、前記開口調節素子であって、前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体が第3カラーを表すように構成された第3素子と、を備える。
【0021】
前記ディスプレイパネルの上部に、前記複数の開口調節素子にそれぞれ対応するカラー領域を持つカラーフィルタがさらに設けられる。
【0022】
また、本発明の一類型による開口調節方法は、一つ以上の電極が配置されて形成された電極部が備えられたチャンバ内に、互いに混合されない性質を持ち、透光性の第1流体及び遮光性または吸光性の第2流体を設け、前記一つ以上の電極のうち一部に選択的に電圧を印加し、前記第1流体と第2流体間の界面を移動させて光が通過する開口を調節する。
【0023】
前記チャンバの領域は、前記界面変化により調節される開口が形成されるチャネル領域と、前記界面変化により前記チャネル領域から移動する流体が滞留する貯留領域と、を備える。
【0024】
または、前記チャンバの領域は、第1チャネルと、前記第1チャネルの上部に前記第1チャネルと連結されるように設けられた第2チャネルと、を備え、前記第1チャネルと第2チャネルそれぞれで生じる前記第1流体と第2流体間の界面位置変化により前記開口範囲が定められる。
【0025】
前記第1チャネルと第2チャネルとが連結される通路は、前記チャンバの中心部及び/または少なくとも一側のエッジに形成される。
【発明の効果】
【0026】
本願発明によれば、高速かつ精細に光が透過する開口を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示す分離斜視図である。
【図2】図1の開口調節素子の概略的な構造を示す断面図である。
【図3A】図1の開口調節素子が開口を駆動して調節する様子を示し、それぞれ異なるサイズの開口が形成された例を示す図面である。
【図3B】図1の開口調節素子が開口を駆動して調節する様子を示すものであって、それぞれ異なるサイズの開口が形成された例を示す図面である。
【図4A】図1の開口調節素子に採用できる電極部の例示的な電極配置を示す図面である。
【図4B】図1の開口調節素子に採用できる電極部の例示的な電極配置を示す図面である。
【図4C】図1の開口調節素子に採用できる電極部の例示的な電極配置を示す図面である。
【図4D】図1の開口調節素子に採用できる電極部の例示的な電極配置を示す図面である。
【図4E】図1の開口調節素子に採用できる電極部の例示的な電極配置を示す図面である。
【図5】本発明の他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示す断面図である。
【図6】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示す断面図である。
【図7】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示す断面図である。
【図8A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図8B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図9】図8A及び図8Bの開口調節素子に採用できる例示的な電極配置を示す図面である。
【図10A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図10B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図11A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図11B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図12A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図12B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図13A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図13B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図14A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図14B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図15A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図15B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図16A】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図16B】さらに他の実施形態による開口調節素子の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した例を示す図面である。
【図17】本実施形態による映像獲得装置の概略的な構造を示す図面である。
【図18】本実施形態による映像表示装置の概略的な構造を示す図面である。
【図19】他の実施形態による映像表示装置の概略的な構造を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。以下の図面で同じ参照符号は同じ構成要素を称し、図面上で各構成要素のサイズは、説明の明確性及び便宜のため誇張している。
【0029】
本発明の実施形態による開口調節素子は、電極部に一つ以上の電極をアレイ(配置)して形成し、当該電極部をチャンバ内に備える。また、当該チャンバ内には、互いに混合されない性質を持ち、一方は透光性の、他方は遮光性または吸光性の物質で形成された第1流体と第2流体とが備えられ、一つ以上の電極のうち一部に選択的に電圧を印加して、第1流体と第2流体間の界面を移動させて光が通過する開口を調節する。
【0030】
このような開口調節素子は、流体の流動空間を提供するチャンバの構造と、チャンバ内に電場を形成するための電極の配置構造とによって、多様な形態に具現できる。これについての多様な実施形態を以下説明する。
【0031】
図1は、一実施形態による開口調節素子100の概略的な構造を示す分離斜視図であり、図2は、図1の開口調節素子100の概略的な構造を示す断面図である。ただし、図1の斜視図では一部構成要素が便宜のため省略されている。
【0032】
図面を参照すれば、開口調節素子100は、第1チャネルC1と、該第1チャネルC1の上部に第1チャネルC1と連結されるように設けられた第2チャネルC2とを備える。第1チャネルC1と第2チャネルC2内には、第1チャネルC1、第2チャネルC2内で流動自在に設けられた第1流体F1及び第2流体F2が設けられている。第1流体F1と第2流体F2とは互いに混ざらない性質を持ち、また、いずれか一つは透光性、他の一つは光を遮断または吸収する性質を持つ。また、第1流体F1と第2流体F2間の界面の表面張力を制御する電場形成のために、電圧が印加される電極部が備えられており、第1流体F1及び第2流体F2の流動によって開口Aのサイズが変わって入射光の透過率が調節される。
【0033】
本実施形態に係る開口調節素子100について、さらに詳細な構成及び作用を以下に説明する。
【0034】
第1チャネルC1及び第2チャネルC2は一つの流体チャンバを構成し、チャンバのエッジ及び中央部に2チャネルを連結する通路TH1が形成されている。第2チャネルC2の高さhc2は第1チャネルC1の高さhc1と同一であるか、またはそれより高く形成できる。第2チャネルC2の高さhc2が第1チャネルC1の高さhc1より高い場合、チャネルの幅に対する開口比率を高くできる。第2チャネルC2の高さhc2が第1チャネルC1の高さhc1と同一に形成された場合、駆動速度を速くできる。
【0035】
具体的に、第1チャネルC1は、第1基板110と、当該第1基板110と離隔して設けられ、中心部に第1貫通ホールTH1が形成され、周辺部に第2貫通ホールTH2が形成された第2基板150と、第1基板110と第2基板150との間に内部空間を形成するように設けられた第1スペーサ130とにより形成される。また、第2チャネルC2は、第2基板150と、当該第2基板150と離隔して設けられた第3基板190と、第2基板150と第3基板190との間に内部空間を形成するように設けられた第2スペーサ170とにより形成される。第1貫通ホールTH1の断面積は第2貫通ホールTH2の断面積より小さく形成されて図示されているが、これは例示的なものであり、これに限定されるものではない。
【0036】
第1基板110、第2基板150、第3基板190は、透光性素材で形成できる。
【0037】
第1流体F1は、光を遮断または吸収する性質を持つ流体であって、チャンバのエッジに配置される。第1流体F1としては、液体金属または極性液体が使われうる。第1流体F1としては、例えば、Hgなどの液体金属、または吸光波長領域に合わせて染料を溶かした溶液が採用される。このような染料としては、例えば、可視光線領域を吸収するカーボンブラックや、最大吸光波長が約968nmの近赤外線吸収染料としてEpoline社製のEpolightTM2717、最大吸光波長が約1054nmの近赤外線吸収染料としてQCRSolution社製のNIR1054Bがある。
【0038】
第2流体F2は、第1流体F1と混合されない透光性の流体であって、チャンバの中央部に設けられる。例えば、ガスまたは非極性液体が採用される。
【0039】
第1流体F1及び第2流体F2は、第1チャネルC1及び第2チャネルC2内にそれぞれ流体界面を形成し、これらの流体界面の動きにより開口Aのサイズが調節される。この点については後述する。
【0040】
電極部は、第1基板110上に形成された一つ以上の電極で形成された第1電極部120と、第3基板190上に形成された一つ以上の電極で形成された第2電極部180とを備える。第1電極部120及び第2電極部180は絶縁物質でコーティングされており、例えば、第1電極部120を覆う第1誘電体層127、第2電極部180を覆う第2誘電体層187がそれぞれ形成されている。
【0041】
第1電極部120は、開口Aのデジタル制御のために一つ以上の電極を備えるように構成される。例えば、図示されたように同心環状であり、半径の異なる複数の電極121、122、123、124で形成される。第2電極部180も、一つ以上の電極を備えるように構成される。例えば、図示されたように環状の電極を備える。ただし、第1電極部120、第2電極部180を構成する電極の形状や数は、図示された形状、数に限定されず、多様に変更できる。
【0042】
接地電極部140は、チャンバの内部いずれか1ヵ所以上で極性流体と接触を維持するように備えられ、例えば、極性の第1流体F1と接触を維持するように設けられ、図示されたように、第1基板110上に配置される。
【0043】
第1電極部120、第2電極部180をなす電極は透明伝導性材質からなり、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの金属酸化物、Au、Agなどの金属ナノ粒子分散薄膜、CNT(Carbon Nanotube)、グラフェンなどの炭素ナノ構造体、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))、ポリピロール(PPy)、P3HT(ポリ(3−ヘキシルチオフェン))などの伝導性高分子などが使われる。
【0044】
接地電極部140は、配置位置上透光性が要求されず、Au、Ag、Al、Cr、Tiなどの金属薄膜で形成できる。
【0045】
開口調節素子100は、電気湿潤駆動と、第1チャネルC1、第2チャネルC2の高さ差、第1貫通ホールTH1、第2貫通ホールTH2の直径差により引き起こされる圧力差とにより、第1流体F1、第2流体F2間の界面が中心方向またはその逆方向に移動するように調節されて、開口Aのサイズを変えられる。
【0046】
図3A及び図3Bは、図1の開口調節素子100が光透過率を調節する駆動を示すものであって、それぞれ異なるサイズの開口直径AD1、AD2が形成された状態を示す。
【0047】
電気湿潤現象は、絶縁体でコーティングされた電極上の電解質液滴に電圧を加えれば、液滴の接触角が変わる現象である。すなわち、流体、液滴、絶縁体が合う三相接触線(Three−Phase Contactline、TCL)でそれぞれの界面張力によって接触角が変えられる。電気湿潤現象を利用することにより、低い電圧を使用して速く効果的に流体の流動を制御でき、可逆的に流体の移動及び制御が可能となる。
【0048】
第1電極部120のいずれか一つの電極に適切な電圧を印加すれば、活性化された駆動電極、例えば、電極122上の三相接触線(TCL)、すなわち、第1流体F1、第2流体F2及び第1誘電体層127が相接する接線に電気機械的な力が作用して、第1流体F1が第1チャネルC1を通じて中心部に移動して開口が縮少され、図3Aに示したように、AD1の開口直径を形成する。
【0049】
第2電極部180に適切な電圧を印加すれば、第1流体F1が第2チャネルC2を通じて中心部に移動し、第1チャネルC1のTCLはエッジに押し出されて開口が拡張され、図3Bに示したようにAD2の開口直径を形成する。
【0050】
この時、第1電極部120を同心環状の複数電極121、122、123、124で構成する場合、活性化される電極を変化させることで開口サイズをデジタル方式で制御できる。
【0051】
前述した説明で、光を遮断または吸収する第1流体F1が極性を有し、透光性の第2流体F2が非極性であることを例示して説明したが、光を遮断または吸収する第1流体F1が非極性であり、透光性の第2流体F2が極性を有するように構成することもできる。この場合、絞りの開閉傾向は逆になる。すなわち、第1電極部120に電圧が印加される時に開口Aが拡大し、第2電極部180に電圧が印加される時に開口Aが縮少する。
【0052】
図4Aないし図4Eは、図1の開口調節素子100に採用できる第1電極部120の例示的な電極配置を示す。
【0053】
図4A及び図4Bは、それぞれ円形及び方形環状の電極121、122、123、124により、第1電極部120が形成されていることを示す。図4Cは、方形及び円形を内周または外周に適用した環状電極121、122、123、124で第1電極部120が形成された状態を示す。図示された環状電極121、122、123、124は、中心が互いに一致する位置に配置するように図示されているが、これは例示的なものであり、中心の相異なる位置に配置されてもよい。例えば、図4Dに示した第1電極部120’は、複数の微小電極129が2次元的にアレイされて形成されている。図4Eに示したような形状、位置の電極121、122、123、124に形成されてもよい。これらの形状の電極配置により、微小電極129から電圧の印加される一部の電極を選択することで、開口サイズだけでなく形状を多様に調節することも可能になる。
【0054】
図5は、他の実施形態による開口調節素子101の概略的な構造を示す断面図である。
【0055】
本実施形態は、開口調節素子101の開口が完全に遮蔽されるシャッターとしても機能できる構造という点で、図1ないし図3Bで説明した開口調節素子100と異なる。第3基板190上の中心部には、第1チャネルC1、第2チャネルC2を透過した光を遮断できる不透明パターン部230がさらに形成されている。不透明パターン部230は、第1流体F1、第2流体F2の流動により定められる開口の最小サイズに対応するサイズに形成される。すなわち、第1電極部120で最も中心部に位置する電極121が活性化されて、第1チャネルC1の三相接触線が最大限中心部に移動して最小開口が形成される時、この最小開口を透過した光は不透明パターン部230により遮断される。
【0056】
図6は、さらに他の実施形態による開口調節素子102の概略的な構造を示す断面図である。
【0057】
本実施形態は、第2基板150の両面に一つ以上の電極で形成された第3電極部320及び第4電極部380がさらに備えられるという点で、図1ないし図3Bで説明した開口調節素子100と異なる。第3電極部320は第1電極部120と共に、第1チャネルC1で発生する駆動力を増大させ、第4電極部380は第2電極部180と共に、第2チャネルC2で発生する駆動力を増大させる役割を行う。第3電極部320及び第4電極部380も、それぞれ一つ以上の同心環状の電極で形成され、例えば、第3電極部320は、図示されたように、同心環状であり、かつ半径の異なる複数の電極321、322、323、324で形成される。なお、電極は、図示された形状、数に限定されるものではない。また、第2基板150の両面にそれぞれ第3電極部320及び第4電極部380が備えられたと説明したが、これは例示的なものであり、第2基板150のいずれか一面のみに第3電極部320または第4電極部380が備えられる構成も可能である。
【0058】
図7は、さらに他の実施形態による開口調節素子103の概略的な構造を示す断面図である。本実施形態は、開口が完全に遮蔽されるシャッターとしても機能できるように不透明パターン部430をさらに備えるという点で、図6の開口調節素子102と異なる。
【0059】
図8A及び図8Bは、他の実施形態による開口調節素子200の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した状態を示す。図9は、図8A及び図8Bの開口調節素子200に採用できる例示的な電極配置を示す。
【0060】
本実施形態は、第1流体F1及び第2流体F2の流動空間を提供するチャンバの領域が、チャネル領域と貯留(reservoir)領域とを備える形態で構成されている。チャネル領域は、第1流体F1と第2流体F2間の界面位置変化によって調節される開口が形成される領域であり、貯留領域は、界面位置変化によってチャネル領域から移動する流体が滞留する領域である。
【0061】
具体的には、開口調節素子200は、第1基板210と、当該第1基板210と対向し、所定方向に離隔配置された第2基板250と、第1基板210上に、前記所定方向と異なる方向に第2基板210と離隔配置された隔壁230とを備える。隔壁230は、第1基板210の枠の少なくとも一側を取り囲むように形成できる。第1基板210と第2基板250間の領域が、流体界面変化によって調節される開口範囲を画定するチャネル領域になる。第2基板250と隔壁230間の領域が、チャネル領域から移動する流体が滞留する貯留領域になる。
【0062】
第1電極部220は、一つ以上の電極221、222、223、224、225、226のアレイから形成され、誘電体層227が電極部220を覆う形態に設けられうる。電極221、222、223、224、225、226の配置構造は、図9のような形態、数で図示されているが、例示的なものであり、これに限定されるものではない。
【0063】
電極223に電圧が印加された場合に該当する図8Aと、電極225に電圧が印加された場合に該当する図8Bとでは、第1流体F1と第2流体F2間の界面位置が異なる。光を遮断または吸収する性質を持ち、極性を有する第1流体F1が、電圧が印加される電極の選択によって貯留領域からチャネル領域に、またはチャネル領域から貯留領域に流動し、これにより開口は可変される。このような形状の開口調節素子200は、第2流体F2を他の貯留領域(図示せず)内に満たして動作させる形態に適用できる。
【0064】
図面では、チャネル領域の下部のみに第1電極部220が形成されたように図示されているが、これは例示的なものであり、チャネル領域の上部、すなわち、第2基板250の下面にも一つ以上の電極がさらに備えられてもよい。
【0065】
図10A及び図10Bは、さらに他の実施形態による開口調節素子201の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成したことを示す。
【0066】
本実施形態は、隔壁231が第1基板210の枠に沿って第2基板250を取り囲む形態で形成されたという点で、図8A及び図8Bで説明した開口調節素子200と異なる。一方、電圧が印加される電極の選択によって、第1流体F1と第2流体F2間の界面位置を移動させて開口を調節する作用は同一である。また、第2流体F2を他の貯留領域(図示せず)内に満たして動作させる形態にも適用できる。また、第2基板250の下面にも一つ以上の電極がさらに備えられうる。
【0067】
図11A及び図11Bは、さらに他の実施形態による開口調節素子202の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成したことを示す。
【0068】
本実施形態の開口調節素子202は、中央部に貫通ホールが形成された第2基板252を備えるという点で、図10A及び図10Bの開口調節素子201と異なる。透光性の第2流体F2が、第2基板252に形成された貫通ホールに沿って流動するようにチャンバの領域中央部に設けられ、光遮断性または吸光性の第1流体F1は、チャンバの領域側部に設けられる。
【0069】
第1電極部360はチャネル領域の下部、すなわち、第1基板210の上面に形成され、一つ以上の電極eを備える。また、第1電極部360を覆う誘電体層dが形成されている。第1電極部360を構成する電極eの配置は、例えば、図4Aないし図4Eで例示した形状、またはそれを変形した多様な構造が採用されうる。また、チャネル領域の上部、例えば、第2基板252の下面にも一つ以上の電極がさらに備えられうる。このような開口調節素子201は、電圧が印加される電極の選択によって光を遮断または吸収でき、極性を有する第1流体F1をチャネル領域から第2基板252と隔壁231間の貯留領域に、または当該貯留領域からチャネル領域に流動させ、これにより、第1流体F1と第2流体F2間の界面位置を移動して開口を調節できる。
【0070】
図12A及び図12Bは、さらに他の実施形態による開口調節素子203の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成したことを示す。
【0071】
本実施形態の開口調節素子203は、チャンバの領域中央に配置された透光性の第2流体F2’が極性流体であり、遮光性または吸光性の第1流体F1’が非極性流体であるという点で、図11A及び図11Bの開口調節素子202と異なる。すなわち、電圧が印加される電極の選択によって光を透過させる性質を持ち、極性を有する第2流体F2’が、チャネル領域から第2基板252の貫通ホール内の貯留領域に、または当該貯留領域からチャネル領域に流動し、これにより、第1流体F1’と第2流体F2’間の界面位置が移動して開口が調節される。
【0072】
図8Aないし図12Bでは、一つのチャネル領域を備える形態の開口調節素子200、201、202、203を説明した。以下、図13Aないし図18Bでは、互いに連結された2チャネルを備える実施形態について説明する。本実施形態で、流体の流動空間を提供するチャンバの領域は、第1チャネルと、第1チャネルの上部に第1チャネルと連結されるように設けられた第2チャネルとを備え、第1チャネルと第2チャネルそれぞれで生じる第1流体と第2流体間の界面位置変化により、開口範囲が定められる。
【0073】
図13A及び図13Bは、さらに他の実施形態による開口調節素子400の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した状態を示す。
【0074】
開口調節素子400で、流体の流動空間を提供するチャンバは、第1電極部420が設けられた第1基板410と、当該第1基板410と対向し、所定方向に離隔配置された第2基板450と、当該第2基板450と対向し、前記所定方向に離隔配置された第3基板490と、第1基板410と第3基板490との間に形成される空間の少なくとも一側を取り囲み、第2基板450と離隔配置された隔壁430とを備える。
【0075】
第1基板410と第2基板450との間の領域が第1チャネル、第2基板450と第3基板490との間の領域が第2チャネルになり、第2チャネルの高さは第1チャネルの高さと同一であるか、またはそれより高く形成される。
【0076】
第1電極部420をなす電極eのうち、電圧が印加される電極の選択によって第1流体F1と第2流体F2間の界面位置が変化して開口が調節される。
【0077】
図14A及び図14Bは、さらに他の実施形態による開口調節素子401の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した状態を示す。
【0078】
本実施形態の開口調節素子401は、第1基板410と第3基板490の枠部に沿って第2基板450の側部を取り囲む形態で隔壁541が形成されたという点でのみ、図13A及び図13Bの開口調節素子400と異なる。
【0079】
図15A及び図15Bは、さらに他の実施形態による開口調節素子402の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した状態を示す。
【0080】
本実施形態の開口調節素子402は、中央部に貫通ホールが形成された第2基板252を備えるという点で、図14A及び図14Bの開口調節素子401と異なる。透光性の第2流体F2が、第2基板452に形成された貫通ホールに沿って流動するようにチャンバの領域中央部に設けられ、遮光性または吸光性の第1流体F1は、チャンバの領域側部に設けられる。
【0081】
第1電極部460は、第1チャネルの下部、すなわち、第1基板410の上面に形成され、一つ以上の電極eを備える。また、第1電極部460を覆う誘電体層dが形成されている。第1電極部360をなす電極eの配置は、例えば、図4Aないし図4Eで例示した形状、またはこれを変形した多様な構造が採用される。また、第1チャネルの上部、例えば、第2基板452の下面にも一つ以上の電極がさらに備えられ、第2チャネルの下部、例えば、第2基板452の上面にも一つ以上の電極がさらに備えられる。
【0082】
電圧が印加される電極の選択によって、光を遮断または吸収する性質を持ち、極性の第1流体F1がチャンバ領域の両側エッジの通路を通じて、第1チャネルから第2チャネルに、または第2チャネルから第1チャネルに流動し、これにより、第1流体F1と第2流体F2間の界面位置を移動して開口が調節される。
【0083】
図16A及び図16Bは、さらに他の実施形態による開口調節素子403の概略的な構造を示し、それぞれ異なるサイズの開口を形成した状態を示す。
【0084】
本実施形態の開口調節素子403は、チャンバの領域中央に配置された透光性の第2流体F2’が極性流体であり、遮光性または吸光性の第1流体F1’が非極性流体であるという点で、図15A及び図15Bの開口調節素子402と異なる。すなわち、電圧が印加される電極の選択によって光を透過させる性質を持ち、極性の第2流体F2’が貫通ホールを通じて、第1チャネルから第2チャネルに、または第2チャネルから第1チャネルに流動し、これにより、第1流体F1’と第2流体F2’間の界面位置を移動して開口が調節される。
【0085】
図8Aないし図16Bで説明した開口調節素子200、201、202、203、400、401、402、403は、チャネルの下部のみに電極部を備えるように図示されているが、これは例示的なものであり、追加的な電極部がさらに備えられてもよい。例えば、チャネルの上部にも電極部が備えられてもよく、2チャネル構造の場合、第1チャネルの上部及び/または第2チャネルの上部及び/または第2チャネルの下部にも電極部が備えられてもよい。また、接地電極部がさらに備えられてもよい。例えば、接地電極部は、チャンバ内部のいずれか1ケ所以上で極性流体との接触を維持するように備えられうる。
【0086】
前述した開口調節素子100、101、102、103、200、201、202、203、400、401、402、403は、外部駆動ポンプや機械装置の要らない単純な構造なので、製作が容易である。また、互いに連結された2チャネルを備える構造の場合、両チャネルにおける電気湿潤駆動を利用するため、調節速度がさらに速くて電力消耗が低い。
【0087】
前述した開口調節素子100、101、102、103、200、201、202、203、400、401、402、403は、医療映像機器やカメラなどの映像獲得装置に採用できる可変絞りや光学シャッターとして応用でき、また、ディスプレイ素子(ディスプレイパネル)として応用できる。
【0088】
図17は、本実施形態による映像獲得装置500の概略的な構造を示す。
【0089】
映像獲得装置500は、被写体OBJからの光が入射される開口Aのサイズが調節される可変絞りVA、可変絞りVAを通じて入射された光から被写体OBJの像を形成する結像部520、結像部520で形成された像を電気信号に変換する撮像素子550を備える。
【0090】
可変絞りVAは、前述した開口調節素子100、101、102、103、200、201、202、203、400、401、402、403のうちいずれか一つを採用でき、結像部520は、一つ以上のレンズから構成できる。撮像素子550としては、CCD(ChargeCoupledDevice)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などを採用できる。
【0091】
可変絞りVAは、微小電気流体方式を使用する構造で高速の微細駆動ができるため、これを採用する映像獲得装置500は、OCT(OpticalCoherenceTomography)、顕微鏡などの医療映像機器に適している。
【0092】
図18は、本実施形態による映像表示装置600の概略的な構造を示す。
【0093】
映像表示装置600は、映像形成用の光を提供する光源部620、光源部620から提供された光の透過率を映像情報に従って調節して映像を表示するディスプレイパネル640を備える。
【0094】
ディスプレイパネル640は、前述した開口調節素子100、101、102、103、200、201、202、203、400、401、402、403のうちいずれか一つが複数でアレイされた構成で形成できる。例えば、第1素子641、第2素子642、第3素子643を備えることができ、第1素子641は、前述した例のうち一つの開口調節素子であって、第1カラーを表す透光性流体FRを備えるように構成される。第2素子642は、前述した例のうち一つの開口調節素子であって、第2カラーを表す透光性流体FGを備えるように構成される。第3素子643は、前述した例のうち一つの開口調節素子であって、第3カラーを表す透光性流体FBを備えるように構成される。第1カラー、第2カラー、第3カラーは、それぞれ赤色、緑色、青色でありうる。第1素子641、第2素子642、第3素子643それぞれは、映像情報によって電極部駆動が制御されて光源部620から入射される光を透過または遮断でき、また、透過モードで開口サイズが調節できるため、階調表示が可能である。
【0095】
図19は、他の実施形態による映像表示装置700の概略的な構造を示す。
【0096】
映像表示装置700は、映像形成用の光を提供する光源部720、光源部720から提供された光の透過率を映像情報によって調節するディスプレイパネル740を備え、ディスプレイパネル740は、複数の開口調節素子745がアレイされた構成で形成される。開口調節素子745は、前述した開口調節素子100、101、102、103、200、201、202、203、400、401、402、403のうちいずれか一つ、またはこれらからの変形例が採用できる。本実施形態の映像表示装置700は、カラー表示のためのカラーフィルタ750を別途に備えるという点で、図8の映像表示装置600と異なる。すなわち、ディスプレイパネル740の上部に複数の開口調節素子745にそれぞれ対応するカラー領域R、G、Bを持つカラーフィルタ750が配置される。
【0097】
それぞれの開口調節素子745は、映像情報に基づいて電極部駆動が制御されて光源部720から入射される光を透過または遮断でき、また、透過モードで開口サイズが調節されてカラーフィルタ750のカラー領域R、G、Bに入射される光量が調節されるため、階調表示が可能である。
【0098】
かかる本願発明は理解を助けるために図面に図示された実施形態を参考までに説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲により定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、開口調節素子関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0100】
100、101、102、103、200、201、202、203、400、401、402、403、641、642、643、745 開口調節素子、
110、210、410 第1基板、
120、220、360、420,460 第1電極部、
127 第1誘電体層、
130 第1スペーサ、
140 接地電極部、
150、250、252、450、452 第2基板、
170 第2スペーサ、
180 第2電極部、
187 第2誘電体層、
190、490 第3基板、
230、430 不透明パターン、
320 第3電極部、
327 第3誘電体層、
380 第4電極部、
387 第4誘電体層、
520 結像部、550 撮像素子、
620、720 光源部、
640、740 ディスプレイパネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流動する空間を構成するチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、互いに混合されない性質を持ち、透光性の第1流体及び遮光性または吸光性の第2流体と、
前記チャンバの内側面に設けられ、前記チャンバ内に電場を形成するために電圧が印加される一つ以上の電極が配置された第1電極部と、を備え、
前記電場による前記第1流体と前記第2流体間の界面位置変化により、光が透過する開口が調節される開口調節素子。
【請求項2】
前記第1流体と第2流体のうちいずれか一方は液体金属または極性液体であり、他方はガスまたは非極性液体から構成される請求項1に記載の開口調節素子。
【請求項3】
前記チャンバ内の領域は、
前記界面位置変化によって調節される開口が形成されるチャネル領域と、
前記界面位置変化によって前記チャネル領域から移動する流体が滞留する貯留領域と、
を含む請求項1または2に記載の開口調節素子。
【請求項4】
前記チャンバは、
前記第1電極部が設けられた第1基板と、
前記第1基板と対向する方向に離隔配置された第2基板と、
前記第1基板上に、前記対向する方向と異なる方向に前記第2基板と離隔配置された隔壁と、
を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項5】
前記隔壁は、前記第1基板の枠に沿って前記第2基板の側部を取り囲むように形成された請求項4に記載の開口調節素子。
【請求項6】
前記第2基板上に前記第1電極部と対向して配置され、一つ以上の電極を備える第2電極部がさらに設けられた請求項4または5に記載の開口調節素子。
【請求項7】
前記第2基板の中央部に貫通ホールが形成された請求項4〜6のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項8】
前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体は前記貫通ホールに沿って流動するように前記チャネル領域の中央部に設けられ、遮光性または吸光性の流体は前記チャネル領域の側部に設けられる請求項7に記載の開口調節素子。
【請求項9】
前記第1電極部は、複数の環状電極を備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項10】
前記チャンバ内の領域は、
第1チャネルと、
前記第1チャネルの上部に、前記第1チャネルと連結するように設けられた第2チャネルと、を含み、
前記第1チャネルと第2チャネルそれぞれで生じる前記第1流体と第2流体間の界面位置変化により、前記開口範囲が定められる請求項1に記載の開口調節素子。
【請求項11】
前記第2チャネルの高さは、前記第1チャネルの高さと同一か、またはより高く形成された請求項10に記載の開口調節素子。
【請求項12】
前記チャンバは、
前記第1電極部が設けられた第1基板と、
前記第1基板と対向し、所定方向に離隔配置された第2基板と、
前記第2基板と対向して、前記対向する方向に離隔配置された第3基板と、
前記第1基板と第3基板との間に形成される空間の少なくとも一側を取り囲み、前記第2基板と離隔配置された隔壁と、
を備える請求項10または11に記載の開口調節素子。
【請求項13】
前記隔壁は、前記第1基板と第3基板の枠に沿って前記第2基板を取り囲むように形成された請求項12に記載の開口調節素子。
【請求項14】
前記第2基板の中央部に貫通ホールがさらに形成された請求項12または13に記載の開口調節素子。
【請求項15】
前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体は前記貫通ホールに沿って流動するように前記チャンバの領域中央部に設けられ、遮光性または吸光性の流体は前記チャンバの領域側部に設けられる請求項10〜14のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項16】
前記第1チャネルは、
前記第1電極部が形成された第1基板と、
前記第1基板と離隔して設けられたものであって、中心部に第1貫通ホールが形成され、周辺部に第2貫通ホールが形成された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に内部空間を形成するように設けられた第1スペーサと、により形成される請求項10に記載の開口調節素子。
【請求項17】
前記第2チャネルは、
前記第2基板と、
前記第2基板と離隔して設けられた第3基板と、
前記第2基板と前記第3基板との間に内部空間を形成するように設けられた第2スペーサと、により形成される請求項16に記載の開口調節素子。
【請求項18】
前記第1電極部は、一つ以上の環状電極を備える請求項16または17に記載の開口調節素子。
【請求項19】
前記第1電極部を覆う第1誘電体層が形成された請求項16〜18のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項20】
前記第3基板上に形成された一つ以上の電極で形成された第2電極部をさらに備える請求項17に記載の開口調節素子。
【請求項21】
前記第2電極部を覆う第2誘電体層が形成された請求項20に記載の開口調節素子。
【請求項22】
前記第2電極部は、一つ以上の環状電極を備える請求項20または21に記載の開口調節素子。
【請求項23】
前記第3基板上の中心部には、前記第1チャネル、第2チャネルを透過した光を遮断できる不透明パターン部がさらに形成された請求項17〜22のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項24】
前記不透明パターン部は、前記第1流体及び前記第2流体の流動によって定められる開口の最小サイズに対応するサイズを持つ請求項23に記載の開口調節素子。
【請求項25】
前記第1チャネル及び第2チャネルが形成する空間内に、前記第1流体と第2流体のうち極性流体と接触する接地電極部がさらに形成された請求項17〜24のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項26】
前記接地電極部は、前記第1基板上に設けられる請求項25に記載の開口調節素子。
【請求項27】
前記第2基板の一面に一つ以上の電極で形成された第3電極部をさらに備える請求項17〜26のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項28】
前記第2基板の両面にそれぞれ形成されたものであって、
一つ以上の電極から形成された第3電極部及び第4電極部をさらに備える請求項17〜27のいずれか一項に記載の開口調節素子。
【請求項29】
前記第3電極部を覆う第3誘電体層と、
前記第4電極部を覆う第4誘電体層と、が形成された請求項28に記載の開口調節素子。
【請求項30】
請求項1に記載の開口調節素子と、
前記開口調節素子を通じて入射された光から被写体の像を形成する結像部と、
前記結像部で形成された像を電気信号に変換する撮像素子と、
を備える映像獲得装置。
【請求項31】
映像形成用の光を提供する光源部と、
前記光源部から提供された光の透過率を映像情報によって調節する、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の複数の開口調節素子が配置されて形成されたディスプレイパネルと、
を備える映像表示装置。
【請求項32】
前記ディスプレイパネルは、
請求項1に記載の開口調節素子であって、前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体が第1カラーを表すように構成された第1素子と、
請求項1に記載の開口調節素子であって、前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体が第2カラーを表すように構成された第2素子と、
請求項1に記載の開口調節素子であって、前記第1流体と第2流体のうち、透光性の流体が第3カラーを表すように構成された第3素子と、を備える請求項31に記載の映像表示装置。
【請求項33】
前記ディスプレイパネルの上部に、前記複数の開口調節素子にそれぞれ対応するカラー領域を持つカラーフィルタがさらに設けられた請求項31または32に記載の映像表示装置。
【請求項34】
一つ以上の電極が配置されて形成された電極部が備えられたチャンバ内に、互いに混合されない性質を持ち、透光性の第1流体及び遮光性または吸光性の第2流体を設け、
前記一つ以上の電極のうち一部に選択的に電圧を印加し、前記第1流体と第2流体間の界面を移動させて光が通過する開口を調節する開口調節方法。
【請求項35】
前記チャンバの領域は、
前記界面変化により調節される開口が形成されるチャネル領域と、
前記界面変化により前記チャネル領域から移動する流体が滞留する貯留領域と、を備える請求項34に記載の開口調節方法。
【請求項36】
前記電極部は、
前記チャネル領域の下部に配置され、かつ一つ以上の電極で形成された第1電極部を備える請求項34または35に記載の開口調節方法。
【請求項37】
前記電極部は、
前記チャネル領域の上部に配置され、かつ一つ以上の電極で形成された第2電極部をさらに備える請求項34〜36のいずれか一項に記載の開口調節方法。
【請求項38】
前記チャンバの領域は、
第1チャネルと、
前記第1チャネルの上部に前記第1チャネルと連結されるように設けられた第2チャネルと、を備え、
前記第1チャネルと第2チャネルそれぞれで生じる前記第1流体と第2流体間の界面位置変化により前記開口範囲が定められる請求項34に記載の開口調節方法。
【請求項39】
前記第2チャネルの高さは前記第1チャネルの高さと同一であるか、またはより高く形成される請求項38に記載の開口調節方法。
【請求項40】
前記第1チャネルと第2チャネルとが連結される通路は、前記チャンバの中心部または一側のエッジの少なくとも一方に形成される請求項38または39に記載の開口調節方法。
【請求項41】
前記電極部は、
前記第1チャネルの下部に配置され、かつ一つ以上の電極で形成された第1電極部と、前記第2チャネルの上部に配置され、かつ一つ以上の電極で形成された第2電極部と、を備える請求項38に記載の開口調節方法。
【請求項42】
前記電極部は、
前記第1チャネルの上部に配置され、かつ一つ以上の電極で形成された第3電極部をさらに備える請求項41に記載の開口調節方法。
【請求項43】
前記電極部は、
前記第2チャネルの下部に配置され、かつ一つ以上の電極で形成された第4電極部をさらに備える請求項41または42に記載の開口調節方法。
【請求項44】
前記第1流体と第2流体のうちいずれか一つは液体金属または極性液体であり、他の一つはガスまたは非極性液体で構成される請求項34〜43のいずれか一項に記載の開口調節方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−25305(P2013−25305A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93949(P2012−93949)
【出願日】平成24年4月17日(2012.4.17)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】