説明

開放バルブ

液体コンテナのための開放バルブ(60)であって、前記バルブは、前記コンテナ内に延びた実質的に円錐型のボディ(50)であって、前記コンテナの外壁から離隔方向において内側にテーパー付けされた円錐型のボディと、前記実質的に円錐型のボディを貫通する少なくとも1つの空気取入通路(62)と、前記円錐型のボディ上を延びる可撓ダイヤフラムであって、その外周において前記実質的に円錐型のボディの周囲に取り付けられ、中央開口部を有し、前記中央開口部は、前記コンテナ内の前記圧力が所定のレベルを下回るまで、前記空気取入通路上方において前記空気取入通路を密閉するように前記実質的に円錐型のボディを包囲する、可撓ダイヤフラム(53)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開放バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本発明は、液状せっけんなどを計量分配するディスペンサのための開放バルブに関する。このようなディスペンサにおいて、コンテナから液体が計量分配されるにつれ、コンテナ内の圧力が降下する。圧力が降下して特定のレベルを下回ると、液体出口を通じて空気が引き込まれ、出口の流れと干渉する。
【0003】
これを回避するために、別個の圧力開放バルブを設けることで、コンテナ内の圧力が降下して特定のレベルを下回ったときに、コンテナ内に空気が入るようにしている。
【0004】
このようなチェックバルブをエラストマー材料によってスリットと共に作製することが公知である。このようなバルブについての開示が、WO00/27746中に記載されている。この開放バルブは、コンテナと共に逆構成において用いられるように意図されている。開放バルブをコンテナの蓋内に設けた場合、複雑な部品無しにコンテナの主要部分を簡単に成形できるため、便利である。しかし、逆構成においては、開放バルブが蓋内に設けられている場合、液体の重量が開放バルブ上にかかる。そのため、スリット入りのエラストマー製バルブをこれに耐えることができるように頑健にすることが必要になるだけでなく、コンテナ内の圧力が降下して特定レベルを下回った場合にこのバルブが高い信頼性を以て開口できることが必要となる。
【0005】
本発明は、コンテナが逆構成にある状態においてコンテナのキャップが最下部にある際に、前記キャップ内において良好に動作することが可能な圧力開放バルブを提供することを目的とする。それと同時に、前記バルブは、単純な構造であり、大量生産に適したものでなくてはならない。
【0006】
本発明によれば、液体コンテナのための開放バルブが提供される。前記バルブは、前記コンテナ内に延びた実質的に円錐型のボディであって、前記コンテナの外壁から離隔方向において内側にテーパー付けされたボディと、前記実質的に円錐型のボディを貫通する少なくとも1つの空気取入通路と、前記円錐型のボディ上を延びる可撓ダイヤフラムであって、その外周において前記実質的に円錐型のボディの周囲に取り付けられ、中央開口部を有し、前記中央開口部は、前記コンテナ内の前記圧力が所定のレベルを下回るまで、前記空気取入通路上方において前記空気取入通路を密閉するように前記実質的に円錐型のボディを包囲する、可撓ダイヤフラムとを含む。
【0007】
前記実質的に円錐型のボディは、前記空気取入通路と共に、下側のコンテナの成形と簡単に一体形成が可能である。その後に唯一必要なのは、所定位置に容易に取り付け可能な前記可撓ダイヤフラムである。
【0008】
前記円錐型のボディは、前記ダイヤフラムを支持する。前記コンテナ内の液体の重量は、通常の状況下の前記密閉を向上させるだけである。前記下側の支持があるため、前記ダイヤフラム材料を極めて肉薄にすることができる。なぜならば、前記材料そのものは、前記液体の重量を座屈なしに支持する必要が無いからである。その後、前記コンテナ内の圧力の降下時に、この肉薄のダイヤフラム層は、吹き込んでくる空気により、容易に変位可能である。
【0009】
前記ダイヤフラムは、前記円錐型のボディそのものの壁に対して密閉し得る。この場合、前記ダイヤフラムの傾斜角が前記円錐型のボディの傾斜角よりも小さい場合、前記ダイヤフラムを前記ボディ上で保持する自然な付勢力が発生する。
【0010】
しかし、好適には、円筒形ポストを前記円錐型のボディから直立させるとよく、前記可撓ダイヤフラム内の前記中央開口部は、前記ポストに気密的に嵌められることで、前記密閉を形成する。その結果、前記円錐型のボディそのものに対する密閉よりもより確実かつより容易に反復可能な密閉が得られる。
【0011】
前記開放バルブは好適には、キャップおよびボトルを有するコンテナに適用され、前記コンテナは、前記キャップ内に流出口を有し、逆構成において前記コンテナから液体を計量分配するように配置され、その際、前記開放バルブは前記キャップ内にある。
【0012】
好適には、前記液体コンテナは、前記コンテナから出てくる液体の流れを制御するための流出口バルブを有する。この場合、前記可撓ダイヤフラムは好適には、前記流出口バルブと一体である。前記流出口バルブが付勢要素によって弾性的に付勢される場合、これらの付勢要素も、前記ダイヤフラムおよび前記流出口バルブと一体にすると好適である。その結果、前記可撓ダイヤフラム自体が別個の構成要素となるのではなく、前記可撓ダイヤフラムを既存の構成要素として有効に一体成形することが可能となるため、前記開放バルブの構造を単純化することができる。
【0013】
上述したように、前記開放バルブは、液体流出口を通じて空気が入ることを防ぐように設計される。なぜならば、このような空気侵入は、液体流れを妨害し、所望の計量分配量を計量分配できなくするからである。逆構成において用いられるように設計された補給ユニットを用いて液体を計量分配し、その際、その流出口はその最下端にある。前記補給ユニットは典型的には、前記ユニットの主要ボディを形成するボトルを、その最下端におけるキャップと共に備える。このようなユニットにおいて、前記流出口および前記開放バルブを前記キャップ内に設けることが望ましい。その結果、前記ボトルをブロー成形物などの簡単な成形物として形成することができるが、前記キャップは、複数部品を含むより複雑な成形物となり得る。しかし、その結果、前記開放バルブが前記流出口のごく近隣に来ることとなり、そのため、吹き込んでくる空気が出て行こうとする液体中に混入して流れを妨害する可能性が再発する。この場合、前記流出口および開放バルブの配置において制約が発生し、また、前記流出口と前記開放バルブとを適切に分離するために、前記キャップの直径を適度に大きくすることも必要となる。
【0014】
本発明の第2の局面によれば、ディスペンサのための補給ユニットは、キャップと、流出口と、圧力開放バルブと、シュラウドとを有する。前記キャップは一端に設けられ、前記キャップは、使用時において、最下端にある。前記流出口は、前記キャップ内において、前記ユニットからの液体の選択的計量分配を可能にするために、流出口バルブおよび関連付けられた弁座を備える。前記圧力開放バルブは、前記キャップ内において、内圧が特定のレベルを下回ったときに前記ユニット内への空気進入を可能にする。前記シュラウドは、少なくとも前記圧力開放バルブの前記流出口に対向する側を包囲する壁の形態をしており、前記ユニットが前記キャップが最下端にある状態でその通常の方向にある場合、前記弁座の上方の位置まで延びる。
【0015】
前記シュラウドにより、吹き込んでくる空気が前記液体流出口内に入る直接的経路の発生が回避され、これにより、前記開放バルブを前記流出口バルブにより近接して配置することが可能になる。その結果、前記開放バルブおよび前記流出口の位置決めをより柔軟に行うことが可能になり、また、前記キャップのサイズを小さくすることが可能となる。
【0016】
開放バルブを1つだけ設けてもよいし、あるいは、開放バルブを2つ以上設けてもよい。開放バルブを2つ以上設ける場合、各圧力開放バルブをシュラウドと関連付ける。前記シュラウドは、少なくとも前記圧力開放バルブの前記流出口に対向する側を包囲する壁の形状であり、前記ユニットが前記キャップが最下端にある状態でその通常の方向にある場合、前記弁座の上方の位置まで延びる。
【0017】
前記圧力開放バルブは好適には、弾性構成要素を含む。前記弾性構成要素は、前記内圧が前記特定のレベルを下回ったときに変形可能であり、前記弾性構成要素は、前記キャップと固定プレートとの間で挟まれることにより前記キャップに取り付けられ、前記シュラウドは、前記固定プレート内に設けられる。
【0018】
前記弾性構成要素は好適には、前記流出口バルブと一体である。前記流出口バルブは、付勢要素によって付勢され得、前記付勢要素も、前記流出口バルブおよび弾性構成要素と一体であり得る。
【0019】
以下、本発明による開放バルブについて、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ディスペンサの断面図である。
【図2】補給容器の切り取り斜視図であり、前記補給容器は、前記ディスペンサ内に導入されているがまだ係合しておらず、前記補給容器は、本発明によらない開放バルブを有する。
【図3】図2と類似する図であり、前記補給容器が中間位置にある様子を示す。
【図4】図3および図4に類似する図であり、前記補給容器がその完全係合位置にある様子を示す。
【図5】組立前のキャップアセンブリの斜視図である。
【図6】組み立て後のキャップアセンブリの斜視図である。
【図7】ボトルネック部とキャップアセンブリとの間の係合を示す断面図である。
【図8】キャップの斜視図であり、脆弱部材は無傷のままである。
【図9】図7に類似する図であり、ボトルがキャップから除去されている。
【図10】図8に類似する図であり、脆弱部材が破壊されている。
【図11】本発明による開放バルブを有する第2の補給ユニットのキャップの分解斜視図である。
【図12】図11に類似する図であり、組み立てられたキャップを示す。
【図13】第2の例の圧力開放バルブの断面図である。
【図14】図13に類似する図であり、空気の流れを許すための開口構成に圧力開放バルブがある様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前記ディスペンサはハンズフリーディスペンサであり、主に家庭用に適している。前記ディスペンサは、液状せっけんの計量分配用途を主に意図しているが、他の液体製品または半液体製品(理想的には、粘度が水よりも高いもの)(例えば、ハンドクリーム、ボディローション、保湿剤、フェイスクリーム、シャンプー、シャワージェル、泡ハンドウォッシュ、シェービングクリーム、食器用液体、歯磨き粉または殺菌剤(例えば、アルコールジェル))の計量分配用途にも用いることができる。
【0022】
前記ディスペンサは、2つの主要部分(すなわち、補給容器1および基部ユニット2を含む。補給容器1は、計量分配対象となる液体の貯蔵容器を提供し、下記に説明するように基部ユニット2に取り付けられる。
【0023】
前記基部は、インターフェース3を有する。インターフェース3内に、前記補給ユニットからの液体が計量分配されてくる。インターフェース3は、吐出管4と流体連通している。ポンプ5は、計量された計量分配量の前記液体を吐出管4に沿ってポンピングして吐出用ヘッド6から押し出すように、選択的に動作可能である。
【0024】
前記基部は、赤外線送信機7Aを有する。赤外線送信機7Aは、赤外線ビームをウィンドウ8を通じて受信器7Bへと送って、ユーザの手が前記ディスペンサの近隣にあることを感知する。制御回路が前記近接センサーからの信号に反応して、前記ポンプを起動する。図示のセンサーはブレークビームセンサーであるが、反射式センサーであってもよい。図示されているのは赤外線センサーであるが、容量センサーなどの任意の公知の近接センサーを用いてもよい。このデバイスは、電源を動力源としてもよいし、電池を動力源としてもよいし、あるいは、手動操作されるポンプデバイスであってもよい。手動操作されるポンプデバイスの場合、ユーザがレバーを押すことで、当該製品を変位させる。
【0025】
以下、補給容器1と基部ユニット2との間のインターフェースについて、図2〜図10を参照してより詳細に説明する。
【0026】
基部ユニット2は、カウリング10を含む。カウリング10は、前記補給容器の大部分を包囲するカップ型ハウジングを形成して、前記補給容器を保護および支持する。栓11がカウリング10の基部から突出しており、カウリング10に対してOリングシール12によって密閉されている。この栓の上面内には、複数のキャステレーション13が設けられる。第2のOリングシール14は、キャステレーション13の下側において、栓11を包囲する。
【0027】
補給容器1は、ボトル20を含む。ボトル20には、キャップ21が固定される。ボトル20は、ネック部22を有する。ネック部22は、環状フランジ23上に取り付けられ、キャップ21内において環状フランジ23と共に密閉する.キャップ21は、上方に依存するスカート部24(図面中、逆方向)を有し、これにより前記キャップの外面を形成している。スカート部24の内部から働く前記キャップの次の機能として、スカート部24と概して同軸である外側環状壁25がある。
【0028】
これを図5〜図10中に詳細に示す。
【0029】
外側環状壁25は、一対の保持部材26と、一対の支持部材27とからなる。前者および後者は、交互に交代し、それぞれ、図5、図6、図8および図10中に示す円形のうちほぼ4分の1にわたって延びる。支持部材27の断面は、図2に示すようになっている。これらの部材は、前記キャップの下側壁から直接上方に延び、平行な辺を有し、かつ、傾斜した上部表面28を有する。保持部材26の断面を図7および図9中に示す。支持部材27と異なり、保持部材26は、前記キャップの壁に固定されておらず、その代わりに、どちらか一端において脆弱部材29によって支持部材27に固定されている。これを図6および図8中に最良に示す。これらの保持部材26は、図7および図9に示すように、平行な辺を有し、傾斜した上部表面35を有する。
【0030】
図7および図9に示すように、ボトルのネック部22は、傾斜した外側表面36を有する。この傾斜した外側表面36は、環状壁25の傾斜表面28および35に対して相補的である。傾斜した外側表面36の後方には、肩部37がある。肩部37は、ボトル20の主要ボディに対向する。この傾斜した外側表面36および肩部37は、保持部材26の近隣のみにおいて存在し、支持部材27の近隣においては存在しない。支持部材27に近接して、ネック部22は、図2に示すような平行辺構成を有する。
【0031】
ボトル20をキャップ21内に挿入するには、ボトル20のネック部を環状フランジ23上に取り付けた状態で、ボトル20を下方向に押す。ボトルの傾斜した外側表面36は、傾斜表面28および35と協働して、図7に示すように肩部37が保持部材26の後ろ側の所定位置にぴたりと嵌るまで、保持部材26をラジアル方向に外側に変位させる。ボトル20がキャップ21から引き抜かれると、肩部37は保持部材26に対して押圧され、これにより脆弱部材29が破壊されて、保持部材26は図9および図10に示すようにキャップ21から取り外される。これが発生した後は、前記キャップをボトル上で保持することは不可能となり、これにより、補給容器1が後で使用されるのを回避する。
【0032】
保持部材26両方を前記キャップから完全に取り外す必要は無い点に留意されたい。これらのうち1つのみが取り外されていてもよいし、あるいは、これらのうち1つまたは両方がボトルのネック部との係合が不可能な位置まで変位さえしていればよい。
【0033】
ここで図2〜図4を参照して、液体流出口および関連付けられたバルブについて説明する。
【0034】
貯蔵容器からの液体流出口は、中央開口部31を包囲する環状壁30によって提供される。環状壁30の上部には傾斜表面32(図4を参照)があり、これにより、流出口バルブ要素33のための弁座が得られる。これをU字型のカップ型部材の形態で図示しているが、中実部材または中空の球状部材であってもよい。流出口バルブ要素33は、複数の付勢要素34により、その位置まで付勢される。これらの付勢要素34は、その上端がバルブ要素33の上部に向くように取り付けられ、かつ、その下端がラジアル方向位置において環状壁30から外側方向において環状壁30の上部の下側に来るように、取り付けられる。これらの付勢要素34は好適には、バルブ要素33と一体形成される。
【0035】
図2〜図4に示すように、補給容器1が基部ユニット2内に降下すると、図3に示すように栓11はバルブ要素33の下面と係合する。さらに前記補給容器を降下させると、バルブ要素33はその座部から上昇し、Oリング14も環状壁30と気密係合する。バルブ要素33は図4に示す位置まで上昇する。この位置において、ボトル20中の液体は、付勢要素34の周囲を流れることができ、キャステレーション13を介して前記栓内に入り、よって基部ユニット2内に流れることができる。Oリングシール14により、栓11と環状壁30との間に液体が逃げるのが回避される。この構成により、消費者が補給容器の充填レベルに関係なく補給容器を簡単かつ簡潔に挿入することが可能になる。
【0036】
補給容器を除去するには、消費者は、補給容器を基部から持ち上げ、その直後に、付勢要素34に起因してバルブ要素33が座部32へと戻る。この動きの間、栓11と環状壁30との間の密閉はOリングシール14によって維持される。その後、上記手順に従って、使用済みの補給容器を新しい補給容器と交換する。
【0037】
前記キャップには、一対の圧力開放バルブ40が設けられる。これらの圧力開放バルブ40はそれぞれ、キャップ21と一体の環状ボス41によって形成される。圧力開放バルブ要素42は、環状ボス41の上部上に設けられ、一対の付勢要素43(例えば、図5に示すようなもの)によって所定位置まで付勢される。この付勢力により、通常の条件下において、圧力開放バルブ要素42は、ボス41上に気密シールを形成する。しかし、ボトル20内の圧力が降下して特定のレベルを下回った場合、開放バルブ要素42にわたる圧力差が付勢要素43からの力に打ち勝つのに十分となり、これにより、ボトル20内に空気が入る。その結果、前記圧力差が低下して、これにより、流体漏れ無く気密シールを回復させる。
【0038】
各圧力開放バルブ40は、環状バリア44によって包囲される。環状バリア44は、環状壁30の上部の高さを越えた軸方向の高さまで、軸方向に延びる。そのため、バルブ要素33が開いた後は、開放バルブ40内に入った空気が、出て行こうとする液体流中に閉じ込められることは全く無い。実際、換言すれば、開放バルブを流出口により近接して配置できるため、よりコンパクトなキャップを得ることができる。図示されているのは2つの開放バルブであるが、必要ならば、単一のバルブまたは2つよりも多くのバルブを設けてもよい。
【0039】
前記キャップを組み立てる方法を図5および図6中に示す。
【0040】
このアセンブリは3部構造となっており、キャップ21と、バルブプレート45と、固定プレート46とからなっている。前記キャップは、複数の成形フィーチャ(例えば、環状フランジ23、環状壁25および環状ボス41)を有する。さらに、キャップ21は複数の固定ポスト47を有する。
【0041】
バルブプレート45は、エラストマー材料であり、バルブ要素33、付勢要素34、開放バルブ要素42および付勢要素43と一体形成される。前記バルブプレートは、複数の定位孔48を有する。これら複数の定位孔48は、固定ポスト47に対応する。
【0042】
固定プレート46は、硬質プラスチック材料で構成され、環状バリア44と一体形成される。バルブプレート45と同様に、固定プレート46にも、複数の定位孔49が設けられる。これらの複数の定位孔は、固定ポスト47に対応する。
【0043】
前記キャップを組み立てるには、前記3つの構成要素を図6中に示すように1つずつ上に載せていき、その際、これらの固定ポストをこれらの定位孔内に入れることで、前記3つの構成要素間のアライメントを正しくする。その後、熱または接着剤を固定ポスト47の上部に付加して、前記固定ポストを固定プレート46に固定する。その結果、エラストマーバルブプレート45はキャップ21と固定プレート46との間で挟まれ、これにより、バルブ要素33および42が所定位置において保持される。
【0044】
以下、補給ユニットのためのキャップの第2の例について、図11〜図14を参照して説明する。
【0045】
第2の例における流出口バルブ要素33の構造は第1の例と実質的に同じであるため、第2の例においては再度説明しない。
【0046】
図11から分かるように、キャップ21は、複数のフィーチャ(例えば、以下に説明する圧力開放バルブの環状壁25および30ならびに円錐部50)と一体成形される。圧力開放バルブのための弾力性リップ53(以下により詳細に説明)が、バルブプレート45と一体形成されて設けられる。固定プレート46にも、開放バルブのためのシールド57が設けられる。このシールド57は、図2中のバリア44に相当するが、開放バルブの流出口バルブ要素33に対向する側の周囲のみにおいて延びている。上記2つの例において、バリア44およびシールド57を交換して用いることが可能である。
【0047】
キャップアセンブリの組立方法は第1の例と同様である。
【0048】
圧力開放バルブ60を図13および図14中に示す。
【0049】
このバルブは、円錐部50を有する。円錐部50は、上記したようにキャップ21の一体部分である。円錐部50の上部には、円筒形ポスト61が設けられる。弾力性リップ53は、実質的に、バルブプレート52から延びた弾性材料製の中空の円錘台形であり、円錐部50に沿って延びる。円錐部50から弾力性リップ53は若干分岐して、ポスト61に対して気密に取り付けられる。少なくとも1つの空気吸込口62(図11にも示す)が円錐部50の壁を通過し、通常は図11に示すように弾力性リップ53によって被覆される。液体が空にになるにつれてボトル20内の圧力が降下した場合、弾力性リップ53上の圧力差は最終的には、リップ53を十分な程度まで変位させるほど十分になり、これにより、図8中の矢印によって示すように空気Aをボトル20内に入らせる。弾力性リップ53が円錐部50へと上昇する程度は図8において誇張されているが、実際にはこの上昇の程度はわずかである点に留意されたい。
【0050】
ポストを密閉する代わりに、弾力性リップ53は、円錐部50を密閉することもできる。この場合、前記リップは、図示のように前記円錐部から分岐せず、その代りに、円錐部50の角度よりも小さな角度で実際に傾斜して、前記円錐部上へと自然に付勢される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体コンテナのための開放バルブであって、前記バルブは、前記コンテナ内に延びた実質的に円錐型のボディであって、前記コンテナの外壁から離隔方向において内側にテーパー付けされた円錐型ボディと、前記実質的に円錐型のボディを貫通する少なくとも1つの空気取入通路と、前記円錐型のボディ上を延びる可撓ダイヤフラムであって、その外周において前記実質的に円錐型のボディの周囲に取り付けられ、中央開口部を有し、前記中央開口部は、前記コンテナ内の前記圧力が所定のレベルを下回るまで、前記空気取入通路上方において前記空気取入通路を密閉するように前記実質的に円錐型のボディを包囲する、可撓ダイヤフラムとを含む、開放バルブ。
【請求項2】
円筒形ポストが前記円錐型のボディから直立し、前記可撓ダイヤフラム内の前記中央開口部は、前記ポストに気密的に嵌められることで、前記密閉を形成する。請求項1に記載の開放バルブ。
【請求項3】
キャップおよびボトルを有するコンテナであって、前記コンテナは、前記キャップ内に流出口を有し、逆構成にある際に前記コンテナから液体を計量分配するように構成され、かつ、請求項1または請求項2に記載の開放バルブを前記キャップ内に有する、コンテナ。
【請求項3】
前記液体コンテナは、コンテナから出てくる液体の流れを制御するための流出口バルブを有し、前記可撓ダイヤフラムは前記流出口バルブと一体である、請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記流出口バルブは、付勢要素によって弾性的に付勢され、前記付勢要素は、前記ダイヤフラムおよび流出口バルブと一体である、請求項3に記載のコンテナ。
【請求項5】
シュラウドをさらに含み、前記シュラウドは、少なくとも前記圧力開放バルブの前記流出口に対向する側を包囲する壁の形態である、請求項2〜4のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項6】
ディスペンサのための補給ユニットであって、前記補給ユニットは、キャップと、流出口と、圧力開放バルブと、シュラウドとを有し、前記キャップは一端に設けられ、使用時において最下端にあり、前記流出口は、前記キャップ内において、前記ユニットからの液体の選択的計量分配を可能にするために、流出口バルブおよび関連付けられた弁座を備え、前記圧力開放バルブは、前記キャップ内において、内圧が特定のレベルを下回ったときに前記ユニット内への空気進入を可能にし、前記シュラウドは、少なくとも前記圧力開放バルブの前記流出口に対向する側を包囲する壁の形態をしており、前記ユニットが前記キャップが最下端にある状態でその通常の方向にある場合、前記弁座の上方の位置まで延びる、補給ユニット。
【請求項7】
前記補給ユニットは複数の圧力開放バルブを有し、各圧力開放バルブはシュラウドと関連付けられ、前記シュラウドは、少なくとも前記圧力開放バルブの前記流出口に対向する側を包囲する壁の形態をしており、前記ユニットが前記キャップが最下端にある状態でその通常の方向にある場合、前記弁座の上方の位置まで延びる、請求項6に記載の補給ユニット。
【請求項8】
前記または各圧力開放バルブは弾性構成要素を含み、前記弾性構成要素は、前記内圧が前記特定のレベルを下回ったときに変形可能であり、前記弾性構成要素は、前記キャップと固定プレートとの間で挟まれることにより前記キャップに取り付けられ、前記シュラウドは、前記固定プレート内に設けられる、請求項6または請求項7に記載の補給ユニット。
【請求項9】
前記弾性構成要素は前記流出口バルブと一体である、請求項8に記載の補給ユニット。
【請求項10】
前記流出口バルブは付勢要素によって付勢され、前記付勢要素は、前記流出口バルブおよび弾性構成要素と一体である、請求項9に記載の補給ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−508675(P2012−508675A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543806(P2011−543806)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002672
【国際公開番号】WO2010/055309
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(506343612)レキット アンド コールマン (オーバーシーズ) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】