説明

開閉式表示装置

【課題】蓋部材の開閉角度を簡単な構成で検知でき、該開閉角度に応じて表示画面に表示する画像の向きを切り替え可能な開閉式表示装置を得る。
【解決手段】本体部に対して開閉自在な蓋部材に表示画面を設けた開閉式表示装置において、蓋部材の開閉角度を検出する開閉角度検出機構と、検出された開閉角度に応じて表示画面に表示する画像の向きを切り替える制御手段とを備える。開閉角度検出機構は、本体部内に固定した磁気センサと、蓋部材の開閉軸部に該蓋部材と一体に回動可能に設けた永久磁石と、蓋部材の開閉軸部に永久磁石の外周を囲んで該永久磁石と一体に回動可能に設けた磁気シールド部材とにより構成する。蓋部材が全閉状態と全開状態にあるとき磁気センサと永久磁石の一方と他方の磁極が対向するように位置決めし、磁気シールド部材には永久磁石の両端部に対向する位置に開口部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部に対して開閉自在に軸支した蓋部材に表示画面を備えた開閉式表示装置に関し、特に蓋部材の開閉角度検出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばノート型パソコンや携帯電話機などのモバイル機器では、キー操作部を有する本体部に対して開閉自在に軸支した蓋部材の本体部に向き合う側に表示画面を設けた開閉式表示装置が用いられている。この開閉式表示装置は、蓋部材を本体部から開けたときに表示画面が現われ、蓋部材を本体部に重ね合わせて閉じたときに表示画面が隠れる構造であり、蓋部材の開閉状態を検出して例えば表示画面への電源供給を開始または停止するなどの制御をしている。特許文献1には、開閉検出方法として、回動機構のギアに反射板を設けてその回転数をフォトインタラプタ等の光センサによりカウントするエンコーダタイプの検出方法や所望に設けられた突起をマイクロスイッチにより検出する方法が記載されている。また特許文献2には、本体または蓋部材の一方にホール素子等の磁気センサを、他方に磁石を設け、本体と蓋部材が重ね合わせられた状態で磁気センサと磁石とが対向配置するようにした開閉検出機構が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−309996号公報
【特許文献2】特開2007−208149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記開閉式表示装置においては、近年、蓋部材の開閉角度に応じて表示画面に表示する画像の向きを変更させたいという要望がある。しかし、特許文献1による開閉位置検出方法では、反射板や突起を設けるために装置構成が複雑化し、軽量小型化及び低コスト化が要求されるモバイル機器には適応が難しい。一方、特許文献2の磁気検出機構は、磁気センサと磁石による簡単な構成で実現できるが、蓋部材が閉じているか否かを判別するだけの機構であって、蓋部材の開閉角度までは検出できない。このように従来は、蓋部材の開閉角度を検知するものが実用上なかった。
【0005】
本発明は、以上の問題意識に基づき、蓋部材の開閉角度を簡単な構成で検知でき、表示画面の切替タイミングを適切に制御可能な開閉式表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示画面の表示切替には、蓋部材の全閉状態(例えば開閉角0゜〜60°)と全開状態(例えば開閉角120°〜180°)を検出できればよいことに着目し、蓋部材の全閉状態と全開状態とで磁気センサの出力を正負逆転させ、その中間では磁気センサの出力をゼロとする構造を提案するものである。
【0007】
すなわち、本発明は、本体部に対して開閉自在に軸支された蓋部材に、該本体部と向き合う側の面に位置させて、表示画面を設けた開閉式表示装置において、前記蓋部材の開閉角度を検出する開閉角度検出機構と、この開閉角度検出機構により検出した開閉角度に応じて、前記表示画面に表示する画像の上下方向を切り替える制御手段とを備え、前記開閉角度検出機構は、前記本体部内に固定した磁気センサと、前記蓋部材の開閉軸部に該蓋部材と一体に回動可能に設けられ、前記蓋部材が全閉状態と全開状態にあるとき一方と他方の磁極が前記磁気センサに対向する永久磁石と、前記蓋部材の開閉軸部に前記永久磁石の外周を囲んで該永久磁石と一体に回動可能に設けられ、前記永久磁石の両磁極に対向する位置に開口部が形成された磁気シールド部材とを有することを特徴としている。この構成によれば、蓋部材の全閉状態と全開状態とで磁気センサと永久磁石の一方と他方の磁極が対向し、その間は磁気シールド部材によって永久磁石から磁気センサ側へ向かう磁束が遮られるので、蓋部材の全閉状態と全開状態とで磁気センサの出力が正負反転し、表示画面の切替タイミングを正確に検知できる。
【0008】
より具体的には、前記磁気センサと前記永久磁石は、前記蓋部材の全閉状態と全開状態で、該磁気センサの磁束検知方向と前記永久磁石の磁極を結ぶ直線方向とが一致するように配置することが好ましい。この態様によれば、より近い距離で磁気センサが永久磁石からの磁束を検知でき、検知精度が向上する。
【0009】
前記磁気シールド部材は、前記永久磁石の外周を囲む筒状に形成することができる。
【0010】
前記磁気センサには、GMR素子を用いることが好ましい。GMR素子を用いれば、膜面内方向の磁束検出が可能で、ホール素子を用いる場合よりも開閉角度検知の精度が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、蓋部材の全閉状態では磁気センサが永久磁石の一方の磁極から受ける磁束を検知し、蓋部材の全開状態では磁気センサが永久磁石の他方の磁極から受ける磁束を検知し、その間では磁気シールド部材によって遮られて磁気センサは永久磁石からの磁束を検知しない。これにより、蓋部材の全閉状態(例えば開閉角θが0°〜60°付近)と全開状態(例えば開閉角θが120°付近〜180°)を、一組の磁気センサと永久磁石と磁気シールド部材による簡単な構成で正確に検出でき、表示画面の表示切替タイミングを適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した開閉式表示装置を示す断面図であって、蓋部材の開閉角θ=0°の状態を示している。
【図2】図1の開閉式表示装置を一部透視して示す模式斜視図である。
【図3】同開閉式表示装置を示す断面図であって、蓋部材の開閉角θ=90°の状態を示している。
【図4】同開閉式表示装置を示す断面図であって、蓋部材の開閉角θ=180°の状態を示している。
【図5】図4の開閉式表示装置を一部透視して示す模式斜視図である。
【図6】同開閉式表示装置の制御系を示すブロック図である。
【図7】図1〜図5に示す実施例の開閉式表示装置において、蓋部材の開閉角度と磁気センサが検知する磁束密度との関係を示すグラフである。
【図8】磁気シールド部材を備えない比較例の開閉式表示装置において、蓋部材の開閉角度と磁気センサが検知する磁束密度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1、図3及び図4は本発明による開閉式表示装置を示す断面図であり、図2及び図5は同開閉式表示装置の磁気検出機構を一部透視して示す模式斜視図である。図1及び図2は蓋部材の開閉角θ=0°の状態を、図3は蓋部材の開閉角θ=90°の状態を、図4及び図5は蓋部材の開閉角θ=180°の状態をそれぞれ示している。図6は、開閉式表示装置の制御系を示すブロック図である。
【0014】
本開閉式表示装置1は、キー操作部を有する本体部11と、開閉軸13により本体部11に対して開閉自在に軸支された蓋部材12とを有している。蓋部材12は、図1及び図2に示されるように本体部11と重なり合って完全に閉じたときを開閉角θ=0°とし、図4及び図5に示されるように本体部11と平行になる完全に開いたときを開閉角θ=180°として、0°≦θ≦180°の範囲で開閉する。この蓋部材12には、本体部11のキー操作部と向き合う側の面に、表示画面20が設けられている。
【0015】
上記開閉式表示装置1には、一組の磁気センサ31、永久磁石32及び磁気シールド部材33により蓋部材12の開閉角θを検出する開閉角度検出機構と、蓋部材12の開閉角θに応じて表示画面20に表示する画像の上下方向(図1、図3の左右方向)を切り替える制御回路40(図6)とが備えられている。
【0016】
磁気センサ31は、蓋部材12の開閉軸13に隣接させて、本体部11内に固定されている。磁気センサ31には、外部磁界に応じて電気抵抗が変化し、その抵抗変化を電圧信号に変換して出力するGMR素子を用いる。この磁気センサ31としてはホール素子を用いることもできるが、膜面内方向における磁束検出が可能で高感度なGMRを用いれば検出精度を高められる。ホール素子を用いた場合には、素子面に垂直な磁束を検知する構造上、該ホール素子を搭載した基板を本体部11に対して垂直方向に立てる必要があるのに対し、素子面内方向の磁束を検知するGMR素子は基板30を本体部11と平行に配置できる。磁気センサ31は、制御回路40に電気的に接続されている。制御回路40は、本体部11に設けられており、磁気センサ31と同一の基板30上に構成してもよい。
【0017】
永久磁石32は、180°対向する一端部と他端部に磁極(S極、N極)を有する棒磁石であって、蓋部材12の開閉軸13内に設けられ、蓋部材12が開閉されると蓋部材12と一体に回動する。本実施形態では、蓋部材12の開閉角θ=0°のとき永久磁石32のN極が磁気センサ31に対向し、蓋部材12の開閉角θ=180°のときでは永久磁石32のS極が磁気センサ31と対向する。この永久磁石32と磁気センサ31は、より近い位置で磁気センサ31が磁束検知できるように、図1、図3及び図4の太矢印で示す磁気センサ31の磁束検知方向と永久磁石32の両磁極S、Nを結ぶ直線方向(着磁方向)とを一致させて位置決めしてある。
【0018】
磁気シールド部材33は、永久磁石32の外周を囲む鉄板製の筒状体であり、蓋部材12の開閉軸13内に設けられ、蓋部材12が開閉されると蓋部材12及び永久磁石32と一体に回動する。この磁気シールド部材33には、永久磁石32の両磁極S、Nと対向する位置に開口部34がそれぞれ形成されている。開口部34以外では、磁気センサ31と永久磁石32の間に磁気シールド部材33が介在し、永久磁石32による磁束は磁気シールド部材33で遮られる。開口部34の平面形状は、永久磁石32の両端面(磁極端面)の平面形状の相似形状で、該両端面よりも大きな矩形としてあるが、適宜設定可能である。
【0019】
蓋部材12が開閉角θ=0°であるとき、図1、図2に示されるように、磁気シールド部材33の開口部34を介して磁気センサ31と永久磁石32のN極が対向し、永久磁石32のN極から磁気センサ31に対して最も強い正の磁界が付与される。これにより、磁気センサ31の検知する磁束密度は正の値をとり、磁気センサ31からは正の電圧信号が出力される。
【0020】
この状態から蓋部材12を開いていくと、蓋部材12の開閉軸13と一体に永久磁石32及び磁気シールド部材33が回動して、永久磁石32のN極が磁気センサ31から離間し、代わりに磁気シールド部材33が磁気センサ31との対向位置に進出していく。これにより、磁気センサ31の検知する磁束密度は除々に減少し、磁気センサ31の出力も徐々に小さくなる。
【0021】
さらに蓋部材12を開いていくと、磁気センサ31が全面で磁気シールド部材33と対向することになり、磁気センサ31の検知する磁束密度はゼロとなり、磁気センサ31の出力もゼロとなる。
【0022】
図3に示されるように蓋部材12の開閉角θ=90°であるとき、永久磁石32は両磁極S、Nが上下方向に並ぶ垂直位置で保持される。そして開閉角θが90°を超えると、永久磁石32のS極が磁気センサ31に近接する方向へ移動する。つまり、開閉角θ=90°で永久磁石32の極性が反転する。開閉角θ=90°を超えて蓋部材12を開いても、開口部34が磁気センサ31との対向位置に進入するまでは、磁気センサ31と永久磁石32の間に磁気シールド部材33が介在するので、磁気センサ31の検知する磁束密度はゼロであり、磁気センサ31の出力もゼロである。
【0023】
さらに蓋部材12を開いていくと、開口部34が磁気センサ31との対向位置に進入し、開口部34を介して永久磁石32のS極から磁気センサ31に負の磁界が付与されるようになる。これにより、磁気センサ31の検知する磁束密度は負の値をとり、磁気センサ31からは負の電圧信号が出力される。磁気センサ31の出力は、永久磁石32のS極が磁気センサ31に近づくにつれて、徐々に大きくなる。
【0024】
そして、蓋部材12の開閉角θ=180°となると、図4、図5に示されるように、磁気シールド部材33の開口部34を介して磁気センサ31と永久磁石32のS極が対向し、永久磁石32のS極から磁気センサ31に対して最も強い負の磁界が付与される。これにより、磁気センサ31からは最も大きい負の電圧信号が出力される。
【0025】
制御回路40は、磁気センサ31から正の電圧信号を入力すると、蓋部材12の全閉状態(例えば0°≦θ<60°)であるため、表示画面20に正方向の向きで画像を表示させる。磁気センサ31からの出力がない場合には、蓋部材12が中間位置(例えば60°≦θ≦120°)にあるため、表示変更しない。そして、磁気センサ31から負の電圧信号を入力すると、蓋部材12の全閉状態(例えば120°<θ≦180°)であるため、表示画面20に表示する画像の向きを上下反転させる。このように蓋部材12を完全に開くと表示画面20に表示される画像の向きが自動で切り替わるので、本開閉式表示装置1を挟んで操作者が対面している相手に表示画面を見せる場合に、手動で表示装置の向きを変更する必要がなくなり、利便性が向上する。
【0026】
図7及び図8は、磁気シールド部材33を備えた開閉式表示装置1(実施例;図1〜図5)と磁気シールド部材を具備しない開閉式表示装置(比較例)について、蓋部材12の開閉角θを変化させたときに磁気センサ31の検知する磁束密度をシミュレーション解析した結果を示すグラフである。実施例と比較例は、磁気シールド部材33の有無と磁石サイズ以外は同一構造である。
【0027】
実施例における解析条件を示す。
磁石中心からセンサ中心までの距離:8.50mm
磁石サイズ:4.0×2.0×7.0mm(7.0mm着磁)
磁石材質:フェライト磁石(MARUWA社製SR-3)
磁石サイズ公差:各寸法±0.1mm
磁石磁力バラつき:±3.0%
磁石温特:環境温度 −20〜+70度
磁石シールド板:φ7.5mm、厚み0.5mm、長さ10mm、6×3mmの穴
磁石シールド板材質:鉄板
センサType:SON(2.1×2.1×0.75mm)、双極2出力
センサ配置バラつき:3軸方向±0.5mm
【0028】
比較例における解析条件を示す。
磁石中心からセンサ中心までの距離:8.5mm
磁石サイズ:2.0×2.0×7.0mm(7.0mm着磁)
磁石材質:フェライト磁石(MARUWA社製SR-3)
磁石サイズ公差:各寸法±0.1mm
磁石磁力バラつき:±3.0%
磁石温特:環境温度 −20〜+70度
センサType:SON(2.1×2.1×0.75mm)、双極2出力
センサ配置バラつき:3軸方向±0.5mm
【0029】
図7及び図8において、縦軸は磁気センサ31が検知する磁束密度[mT]、横軸は蓋部材12の開閉角θ[°]である。各グラフは、蓋部材12の各開閉角度θにおいて磁気センサ31が検知する磁束密度をその最小値(Min)、平均値(Typical)、最大値(Max)で示しており、最小値と最大値の差分により磁気センサ31の検知ばらつきを把握できる。
【0030】
磁気センサ31が検知する磁束密度の平均値に注目して図8を見ると、磁気センサ31の検知する磁束密度は、開閉角θが0°から50°付近までは+1.5mT以上、開閉角θが130°付近から180°までは−1.5mT以下、開閉角θが50°付近から150°付近で±1.5mT以内となっているが、開閉角θがほぼ90°に達するまで正の値をとり、90°を超えると負の値をとることがわかる。つまり、開閉角θ=90°付近を境にして磁気センサ31の検知する磁束密度が急激に正負反転しており、検知磁束密度がゼロとなる開閉角度範囲が非常に狭い。このため、磁気センサ31の出力がゼロとなる開閉角度範囲も非常に狭く、磁気センサ31の検知する磁束密度のばらつきによっては誤検出が生じやすく、表示画面20の表示切替タイミングを適切に設定することが難しい。例えば磁気センサ31が+1mTの磁束密度を検知したとき、蓋部材12の開閉角θのばらつきは約30°(30°〜60°)となっている。
【0031】
一方、磁気センサ31が検知する磁束密度の平均値に注目して図7を見ると、磁気センサ31の検知する磁束密度は、開閉角θが0°から35°付近までは+1.5mT以上、開閉角θが145°付近から180°までは−1.5mT以下、開閉角θが35°付近から145°付近で±1.5mT以内となっている。別言すれば、開閉角θが0°から60°付近までは正の値をとり、120°付近から180°までは負の値をとり、60°付近から120°付近まではゼロとなることがわかる。このように磁気センサ31の検知する磁束密度がゼロとなる開閉角度範囲があれば、磁気センサ31の出力がゼロとなる開閉角度範囲が生じるので、磁気センサ31の検知ばらつきがあっても磁気センサ31の出力が正か負かにより蓋部材12の全閉状態と全開状態を正確に検知でき、表示画面20の表示切替タイミングを適切に設定できる。また、例えば磁気センサ31が+1.5mTの磁束密度を検知したとき、蓋部材12の開閉角θのばらつきは約15°(25°〜40°)であり、検知ばらつきも比較例よりも小さくなっていることがわかる。磁気センサ31としてセンサ感度1.3mTで感度ばらつき±0.5mTである磁気センサを用いると、蓋部材12の開閉角度θが60°≦θ≦122°のとき磁気センサはオフし、0°≦θ<60°のときと122°<θ≦180°のとき磁気センサはオンし、その出力が正負反対の電圧信号となる。
【0032】
以上から明らかなように、開口部34を有する磁気シールド部材33を永久磁石32の外周に設けることで、蓋部材12の全閉状態と全開状態以外では磁気センサ31の検知する磁束がほぼゼロとなるようにコントロールでき、磁気センサ31の出力がゼロとなる開閉角度範囲を設けることができる。これにより、磁気センサ31の出力に基づいて蓋部材12の全閉状態と全開状態をより正確に検出でき、表示切替タイミングを適切に設定可能である。
【0033】
以上の実施形態では、蓋部材12の全閉状態を開閉角θ=0°〜60°付近により検知し、全開状態を開閉角θ=120付近〜180°により検知しているが、全閉状態と全開状態を判別する開閉角範囲は変更可能である。
【0034】
以上の本発明による開閉式表示装置は、例えばノート型パソコンや携帯電話機など、本体に対して開閉自在な蓋部材に表示画面を設けたモバイル機器一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 開閉式表示装置
11 本体部
12 蓋部材
13 開閉軸
20 表示画面
30 基板
31 磁気センサ
32 永久磁石
33 磁気シールド部材
34 開口部
40 制御回路
θ 開閉角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に対して開閉自在に軸支された蓋部材に、該本体部と向き合う側の面に位置させて、表示画面を設けた開閉式表示装置において、
前記蓋部材の開閉角度を検出する開閉角度検出機構と、
この開閉角度検出機構により検出した開閉角度に応じて、前記表示画面に表示する画像の上下方向を切り替える制御手段と、を備え、
前記開閉角度検出機構は、
前記本体部内に固定した磁気センサと、
前記蓋部材の開閉軸部に該蓋部材と一体に回動可能に設けられ、前記蓋部材が全閉状態と全開状態にあるとき、一方と他方の磁極が前記磁気センサに対向する永久磁石と、
前記蓋部材の開閉軸部に前記永久磁石の外周を囲んで該永久磁石と一体に回動可能に設けられ、前記永久磁石の両磁極に対向する位置に開口部が形成された磁気シールド部材と、
を有することを特徴とする開閉式表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の開閉式表示装置において、前記磁気センサと前記永久磁石は、前記蓋部材の全閉状態と全開状態で、該磁気センサの磁束検知方向と前記永久磁石の両磁極を結ぶ直線方向とが一致するように配置した開閉式表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の開閉式表示装置において、前記磁気シールド部材は、前記永久磁石の外周を囲む筒状に形成した開閉式表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の開閉式表示装置において、前記磁気センサはGMR素子である開閉式表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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