説明

開閉装置

【課題】 駆動源を設置するためのスペースを削減する。
【解決手段】 面方向へスライドして開閉動作する開閉体10と、該開閉体10をその開放方向側で開閉駆動する駆動回転体31とを備えた開閉装置において、前記駆動回転体31は、前記開閉体10の開閉方向に略直交する開閉体幅方向に略平行して回転可能に支持された筒体31aと、前記筒体31aの一端側に挿入された駆動軸31b1を前記筒体31aに同芯状に止着して駆動回転する回転駆動源31bと、該回転駆動源31bを支持するとともに前記筒体31aの一端側から軸方向へ突出して不動部位に固定された基部31cと、前記筒体31aの前記一端側に連結されるとともに前記基部31cの外周に回転自在に支持された環状係合部31d,31gとを備え、前記環状係合部31d,31gの回転力によって前記開閉体10を開閉動作するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター装置(スラットシャッター、シートシャッター、パネルシャッター及び2軸式シャッターを含む)や、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン、オーニング等、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の構造物の開口部分や内部に配設され、前記開口部分や内部空間を仕切ったり開放したりする開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の開閉装置には、上下方向へスライドして開閉動作する開閉体と、該開閉体の開放方向側に設けられた回転体と、開放した際の開閉体及び前記回転体を収納する収納部等を備え、上方へ開放動作した際の開閉体を、前記回転体の上半部側に掛け回して、開閉体開閉方向に対する交差方向へ導き収納するようにしたものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
そして、このような開閉装置において、前記回転体を回転させる構造は、例えば、特許文献1に記載された発明では、前記回転体である連動軸16に対し離間した位置に開閉機21を設け、該開閉機21の回転力をチェーン21によって前記連動軸16に伝達するようにしている。また、特許文献2に記載された発明では、前記回転体であるスプロケット32に対し離間した位置に、回転モータやチェーン、スプロケット等からなる駆動機構33を設け、該駆動機構33の回転力をチェーンによって前記スプロケット32に伝達するようにしている。
【0003】
しかしながら、上記従来の開閉装置では、何れの態様の場合も、前記回転体に対し別体の駆動源を離間して配置した構造であるため、前記収納部の内部又は外部に前記駆動源を設置するためのスペースを要し、当該開閉装置の大型化を招く上、前記駆動源又は前記駆動源の動力伝達部材(チェーン等)が開閉体に干渉するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−93542号公報
【特許文献2】特開2009−209645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、駆動源を設置するためのスペースを削減すること、当該開閉装置を小型化すること、駆動源や該駆動源の動力伝達部材が開閉体に干渉して支障をきたすのを防ぐこと、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するための一手段は、面方向へスライドして開閉動作する開閉体と、該開閉体をその開放方向側で開閉駆動する駆動回転体とを備えた開閉装置において、前記駆動回転体は、前記開閉体の開閉方向に略直交する開閉体幅方向に略平行して回転可能に支持された筒体と、前記筒体の一端側に挿入された駆動軸を前記筒体に同芯状に止着して駆動回転する回転駆動源と、該回転駆動源を支持するとともに前記筒体の一端側から軸方向へ突出して不動部位に固定された基部と、前記筒体の前記一端側に連結されるとともに前記基部の外周に回転自在に支持された環状係合部とを備え、前記環状係合部の回転力によって前記開閉体を開閉動作するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このような特徴を有することで本発明は以下の作用効果を奏する。
駆動源を筒体内に収納する構造であるため、駆動源を設置するためのスペースを収納部の内部や外部に確保する必要がなく、収納部を小さくすることで当該開閉装置の小型化をはかることができる。しかも、駆動源及び該駆動源の動力伝達部材等の露出部分が少ないため、これら駆動源及び動力伝達部材等が開閉体に干渉して支障をきたすようなことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る開閉装置の一例を模式的に示す側面図である。
【図2】同開閉装置の要部斜視図である。
【図3】同開閉装置の要部断面図である。
【図4】本発明に係る開閉装置の一例を模式的に示す側面図である。
【図5】本発明に係る開閉装置の一例を模式的に示す側面図である。
【図6】本発明に係る開閉装置の一例を模式的に示す側面図である。
【図7】回転駆動源の一例を示す斜視図である。
【図8】第2の環状係合部の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第一の形態では、面方向へスライドして開閉動作する開閉体と、該開閉体をその開放方向側で開閉駆動する駆動回転体とを備えた開閉装置において、前記駆動回転体は、前記開閉体の開閉方向に略直交する開閉体幅方向に略平行して回転可能に支持された筒体と、前記筒体の一端側に挿入された駆動軸を前記筒体に同芯状に止着して駆動回転する回転駆動源と、該回転駆動源を支持するとともに前記筒体の一端側から軸方向へ突出して不動部位に固定された基部と、前記筒体の前記一端側に連結されるとともに前記基部の外周に回転自在に支持された環状係合部とを備え、前記環状係合部の回転力によって前記開閉体を開閉動作するように構成されていることを特徴とする(図1〜8参照)。
この形態によれば、回転駆動源の駆動軸を基部に対し回転させると、駆動軸に止着された筒体も回転し、筒体の一端側に連結されている環状係合部が、基体の外周に支持されて回転する。そして、環状係合部の回転力によって開閉体が開閉動作する。
【0010】
また、前記環状係合部の支持構造の好ましい具体例として、第二の形態では、前記基部の外周にベアリングを介して環状スペーサを回転自在に支持し、該環状スペーサの外周部を前記筒体の内周面に止着するとともに、同環状スペーサの側部に前記環状係合部を止着した(図3参照)。
【0011】
また、前記回転駆動源の好ましい構造として、第三の形態では、前記回転駆動源は、前記基部における前記一端側に対する他端側に設けられた制動装置と、該制動装置の更に他端側に設けられて前記制動装置によって制動可能な電動機と、該電動機の更に他端側に設けられて前記電動機の出力軸の回転力を調整して伝達するギア部と、該ギア部から回転力を伝達される前記駆動軸と、前記駆動軸の外周部に固定された回転板とを具備し、前記回転板の外周部を前記筒体の内周面に止着している(図3参照)。
【0012】
また、前記回転駆動源の回転力を効率よく出力する構造として、第四の形態では、前記環状係合部を第1の環状係合部とし、前記筒体の一端側に対する他端側には、前記筒体と略同芯状に連結されるとともに、不動部位によって回転自在に支持された第2の環状係合部が設けられ、これら第1及び第2の環状係合部の回転力によって前記開閉体を開閉動作するようにした(図3,7及び8参照)。
【0013】
また、前記駆動回転体の回転力によって前記開閉体を開閉動作させる構造の具体例として、第五の形態では、前記駆動回転体は、前記第1の環状係合部の開閉体開放方向側の片半部側に前記開閉体の幅方向の一端側を掛合するとともに、前記第2の環状係合部の開閉体開放方向側の片半部側に前記開閉体の幅方向の他端側を掛合して、前記開閉体を開閉動作させるとともに、同開閉体を前記開閉方向に対する交差方向へ導くようにした(図1〜3,6参照)。
【0014】
また、他の具体例として、第六の形態では、前記駆動回転体に対し前記交差方向へ離間して配置されるとともに不動部位に回転自在に支持された巻軸を備え、前記駆動回転体によって前記交差方向へ導かれる前記開閉体を、前記巻軸に巻き取るようにした(図6参照)。
【0015】
また、開閉体の幅方向の端部側に皺等を生じ難くする態様として、第七の形態では、前記開閉体を可撓性シート状に構成するとともに、該開閉体の幅方向の端部に、前記環状係合部に掛合する被係合部材を設け、前記開閉体を、前記筒体の開放方向側の片半部側に沿わせて前記開閉方向に対する交差方向へ導くようにした開閉装置であって、前記開閉体の厚さ方向の中心と、前記被係合部材の同方向の中心とが略一致するように、前記被係合部材を前記環状係合部に嵌合した(図1〜3及び図6参照)。
【0016】
また、他の具体例として、第八の形態では、前記開閉体の開放方向側に、前記開閉体を上半部側に掛合して開閉動作させるとともに、同開閉体を前記開閉方向に対する交差方向へ導くガイド軸を備え、前記駆動回転体を、前記ガイド軸に対し前記交差方向へ離間するように配置し、この駆動回転体の前記第1及び第2の環状係合部の回転力を前記ガイド軸に伝達するようにした(図4参照)。
【0017】
なお、本明細書中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態における上記開閉体の厚みの方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、上記開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、上記開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
また、本明細書中において開閉体の「面方向」とは、閉鎖状態で開閉体の表面又は裏面が連続する方向を意味し、この方向には、前記開閉体開閉方向及び前記開閉体幅方向を含む。
【0018】
以下、上記形態の特に好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1〜3は、本発明に係る開閉装置の一実施例を示している。
この開閉装置1は、面方向へスライドして開閉動作する開閉体10と、開閉体10の幅方向の端部を開閉方向(図1によれば上下方向)へ案内する左右のガイドレール20と、開閉体10をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納部30とを備える。
【0020】
開閉体10は、可撓性シート状の開閉体本体11と、開閉体本体11に開閉方向の所定の間隔を置いて複数設けられたロッド部材12と、これら複数のロッド部材12を、開閉体本体11の幅方向の端部側で開閉方向へ連結するチェーン状の被係合部材13とを具備している(図2参照)。
【0021】
開閉体本体11は、例えば、ガラスクロスやシリカクロス等の難燃性布地や、フッ素加工を施した塩化ビニル樹脂シート材、ガラス繊維を含んだ合成樹脂シート材等、遮煙性、必要に応じ耐火性(難燃性を含む)の可撓性シート材料によって構成される。
【0022】
この開閉体本体11の閉鎖方向端部には、開閉体10の全閉時の着座対象部位pに当接させるための座板部11aが設けられる。この座板部11aは、開閉体本体11の閉鎖方向端部を、開閉体幅方向の略全長にわたって袋状に形成し、この袋状部位の内部に、錘部材(例えば、砂袋や、棒状部材等)を内在することで構成される。この座板部11aは、その重量によって開閉体本体11を下方へ引っ張り、開閉体本体11に撓みや皺等が発生するのを防いだり、停電等により収納部30の駆動機構が駆動しない場合等に自重によって開閉体10を閉鎖動作させたり等する。
【0023】
また、この開閉体本体11における開閉方向の中途部分には、開閉方向に所定間隔を置いて、複数のロッド部材挿通部11b(図2参照)が設けられる。各ロッド部材挿通部11bは、開閉体本体11を部分的に二つ折りにして止着したり、該開閉体本体11に他のシート材を止着したり等することで、該開閉体本体11に形成された幅方向へわたる貫通孔であり、後述するロッド部材12が挿通される。
【0024】
ロッド部材12は、開閉体本体11のロッド部材挿通部11b及び後述する被係合部材13に挿通される軸部12aと、該軸部12aの端部に支持されたローラ部12bとからなる。
ローラ部12bは、ロッド部材12の端部を軸心にして自在に回転する略円盤状の部材である。
開閉体10の開閉方向へ設けられる複数のロッド部材12のうち、開閉体10の開放方向端部に設けられるロッド部材12におけるローラ部12bには、可撓性の紐状部材12c(例えば、ワイヤーや紐等)を介して、吊り輪12dが止着される。
【0025】
被係合部材13は、図示例によればローラチェーン状の部材であり、ロッド部材12を介して、開閉体本体11と一体化されている。この被係合部材13は、所定のピッチで後述する第1の環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)と係脱可能な構成であれば、図示例のものに限定されず、他例としては、開閉体10の幅方向の端部に、開閉方向へ所定間隔を置いて複数の凹部を設け、これら凹部を、後述する第1の環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)の複数の歯部31d1に係脱するようにしてもよい。
【0026】
また、ガイドレール20は、開閉体10の幅方向の両端部にそれぞれ設けられ、開閉体本体11の幅方向端部、ロッド部材12、及び被係合部材13を、略凹状に囲んで開閉方向へ導く。
【0027】
収納部30は、開閉体10を開閉動作させる駆動回転体31と、該駆動回転体31をその軸方向の両側で支持する支持ブラケット32,33と、開閉体10のロッド部材12を載置して前記交差方向へ案内する収納レール34と、開閉体10の開放方向側端部の吊り輪12dを環装して前記交差方向へ導く誘導棒35とを備える(図1及び2参照)。
【0028】
駆動回転体31は、開閉体10の開閉方向に略直交する開閉体幅方向に略平行して回転可能に支持された筒体31aと、筒体31aの一端側に挿入された駆動軸31b1を筒体31aに同芯状に止着して駆動回転する回転駆動源31bと、該回転駆動源31bを支持するとともに筒体31aの一端側から軸方向へ突出して不動部位である支持ブラケット33に固定された基部31cと、筒体31aの前記一端側に連結されるとともに基部31cの外周に回転自在に支持された第1の環状係合部31dと、筒体31aの他端側に筒体31aと略同芯状に連結された第2の環状係合部31gとを備え、第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gを開閉体10の幅方向端部側の被係合部材13に係脱させて、開閉体10を開閉動作する(図3参照)。
【0029】
筒体31aは、開閉体10の幅方向の略全長にわたる中空円筒状に形成され、内部には軸方向へ貫通した中空部Sを有する。この筒体31aの一端側(図3によれば右端側)には、回転駆動源31bが挿入されている。
【0030】
回転駆動源31bは、前記一端側(図3によれば右端側)に設けられた制動装置31b2と、該制動装置31b2における前記一端側に対する他端側(図3によれば左端側)に設けられて制動装置31b2によって制動される電動機31b3と、該電動機31b3の更に他端側に設けられて電動機31b3の出力軸(図示せず)の回転力を調整して伝達するギア部31b4と、ギア部31b4から伝達される回転力によって回転する前記駆動軸31b1と、駆動軸31b1の外周部に固定された回転板31b5とを具備し、回転板31b5の外周部を前記筒体31aの内周面に止着している。
【0031】
制動装置31b2は、図示しない付勢部材(例えばコイルスプリング等)の付勢力によってブレーキドラム(図示せず)を前記他端側へ前進させ、該ブレーキドラムを図示しない電磁コイルの電磁力によって後退させるように構成される。
この制動装置31b2は、後述する基部31cによって回転不能に支持され、前進した際の前記ブレーキドラムを、電動機31b3の回転軸(図示せず)に摺接して、電動機31b3の回転を制動する。
【0032】
電動機31b3は、直流又は交流の回転式モータであり、内在する回転軸(図示せず)の前記他端側に、ギア部31b4を接続している。
ギア部31b4は、複数の歯車によって前記回転軸の回転を減速するとともにトルクアップして駆動軸31b1に伝達するように構成される。
【0033】
駆動軸31b1は、ギア部31b4から前記他端側へ突出し、その突端部に回転板31b5を固定している。回転板31b5は、筒体31aの内周面に接触する略円盤状の部材であり、筒体31aに対し一体的に回転するように止着されている。
【0034】
また、基部31cは、図示例によれば、円柱状の部材であり、その一端側(図3によれば右端側)を、支持ブラケット33に挿通して、環状固定部材33aによって支持ブラケット33に対し回転不能に固定している。
この基部31cにおける支持ブラケット33よりも回転駆動源31b側の外周には、ベアリング31e、環状スペーサ31f、及び第1の環状係合部31dが環状に設けられている。
【0035】
ベアリング31eは、所謂ボールベアリングであり、基部31cの外周部に嵌合されている。このベアリング31eの他例としては、すべり軸受けや、ころ軸受け、他の態様の軸受とすることが可能である。
【0036】
環状スペーサ31fは、ベアリング31eの外周部に嵌められることで回転自在に支持された環状の部材である。この環状スペーサ31fの外周部には、筒体31aの内周面が止着される。また、同環状スペーサ31fの前記一端側の側面には、第1の環状係合部31dの側面が止着される。
【0037】
第1の環状係合部31dは、筒状本体部31d2の外周に前記被係合部材13に係脱可能な複数の歯部31d1を有する略スプロケット状の環状部材であり、その軸心側には、基部31cを挿通し、前記歯部31d1を、筒体31aの端部よりも不動部位(支持ブラケット33)側に配置し、筒体31a外に露出している。そして、この第1の環状係合部31dは、その上半部側に開閉体10の幅方向の一端側の被係合部材13を掛合して、開閉体10を開閉動作させるとともに、同開閉体10を前記開閉方向に対する交差方向へ導く。
この第1の環状係合部31dは、筒体31aの外周面に開閉体10の開閉体本体11が密着した状態で、開閉体本体11の厚さ方向(図3によれば上下方向)の中心と、被係合部材13の同方向の中心とが略一致するように、該第1の環状係合部31dの外周部を被係合部材13に嵌合している。
より詳細に説明すれば、第1の環状係合部31dは、歯部31d1を被係合部材13に挿通させた際に、筒状本体部31d2の外周面を被係合部材13の縁に当接させることで、被係合部材13の沈み込み量(換言すれば、被係合部材13と歯部31d1との嵌り代)を適宜に設定しており、この設定により、開閉体10の厚さ方向の中心と、被係合部材13の同方向の中心とを略一致させている。
この構成によれば、開閉体10の幅方向の端部側が被係合部材13まで略直線状に連続し、開閉体10の幅方向端部側に、皺や、撓み、段部等を生じ難く、ひいては、駆動回転体31の回転によって開閉体10をスムーズに開閉動作させることができる。
【0038】
また、筒体31aの他端側の第2の環状係合部31gは、筒体31aに固定されるとともに、不動部位である支持ブラケット32に対し回転自在に支持されている。
詳細に説明すれば、この第2の環状係合部31gは、第1の環状係合部31dと左右対称の部材であり、筒状本体部31g2の外周に被係合部材13に係脱させるための複数の歯部31g1を有し、その内周側には、回転支持軸31hを挿通している。回転支持軸31hは、前記他端側(図3によれば左端側)を支持ブラケット32に挿通するとともに、ベアリング31e(例えばボールベアリング)を介して支持ブラケット32に対し回転自在に支持される。この回転支持軸31hの一端側(図3によれば右端側)には、中子31iを固定している。中子31iは、図示例によれば、中空の角筒状の部材であり、その外周部に、筒体31aを止着している。
第2の環状係合部31gは、筒体31aの外周面に開閉体10の開閉体本体11が密着した状態で、開閉体本体11の厚さ方向(図3によれば上下方向)の中心と、被係合部材13の同方向の中心とが略一致するように、該第2の環状係合部31gの外周部を被係合部材13に嵌合しており、この構造は、第1の環状係合部31d側の構造と略同様である。
そして、この第2の環状係合部31gは、その上半部側に開閉体10の幅方向の他端側(図3によれば左端側)の被係合部材13を係合して、開閉体10を開閉動作させるとともに、同開閉体10を前記開閉方向に対する交差方向へ導く。
【0039】
また、収納レール34は、上方を開放した断面凹状の長尺部材であり、不動部位(図示例によれば、支持ブラケット33,32の各々)に対し固定される。この収納レール34は、開閉体10の開閉方向に対する交差方向へ駆動回転体31から離れながら下り勾配となるように設けられる。
【0040】
また、誘導棒35は、収納レール34の上方側で収納レール34と平行するように、不動部位(図示例によれば、支持ブラケット33,32の各々)に対し固定される。この誘導棒35には、吊り輪12dを環状に装着しており、吊り輪12dを収納レール34と平行に移動させる。
【0041】
次に、上記構成の開閉装置1について、その作用効果を詳細に説明する。
開閉体10を開放動作するためには、回転駆動源31bの駆動によって筒体31a、第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gを一方向(図1によれば時計方向)へ回転させる。すると、開閉体10は、左右の被係合部材13,13を、それぞれ、駆動回転体31両側の第1の環状係合部31dと第2の環状係合部31gの上半部側に掛合するとともに、開閉体本体11を筒体31aの上半部側に沿わせて、開閉体開閉方向に交差する方向であって且つ駆動回転体31から離れる方向へ導かれる。これに伴って、ロッド部材12両端側のローラ部12b,12bが、それぞれ、左右の収納レール34,34上に載せられ、収納レール34の下り傾斜面に沿って転動する。
したがって、駆動回転体31により前記交差方向へ導かれた開閉体10は、図1に示すように、折り畳まれるようにして収納される。
また、開閉体10を閉鎖動作する際には、前記と逆の動作により、筒体31a、第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gの上半部側によって開閉体10が下方へ導かれ、収納部30から下方へ繰り出されて閉鎖動作する。
【0042】
よって、上記構成の開閉装置1によれば、従来技術(例えば、特開平11−93542号公報に記載された発明)のように、筒体31a、第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gを回転させるための駆動源を、駆動回転体31と別体に有さないため、収納部30内のスペースを、制御機器や電気配線等を設置するためのスペースとして有効活用したり、収納部30の外形寸法を小さくしたり等することが可能である。さらに、駆動回転する露出部分が比較的少ないので、例えば動力伝達部材(駆動チェーン等)等が開閉体10等に干渉して、開閉体10の開閉動作の妨げになったり、開閉体10が損傷したり等するようなことも防ぐことができる。
【実施例2】
【0043】
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。なお、以下に示す実施例は、上記開閉装置1の一部を変更したものであるため、開閉装置1と略同様の部分については重複する詳細説明を省略し、主に開閉装置1と異なる部分について詳細に説明する。
【0044】
図4に示す開閉装置2は、複数の開閉体構成部材111を上下方向へスライドさせて空間を仕切ったり開放したりする開閉体110と、各開閉体構成部材111の幅方向の端部側を囲んで開閉方向へ案内するガイドレール120と、開閉体構成部材111をその上方側で収納したり繰り出したりする収納部130とを備え、パネルシャッター装置を構成している。
【0045】
開閉体110は、複数の開閉体構成部材111と、各開閉体構成部材111の幅方向端部に設けられたロッド部材112と、複数のロッド部材112を連結するチェーン部材113とを具備し、前記チェーン部材113により開閉体構成部材111の幅方向端部を吊持するように構成されている。
【0046】
各開閉体構成部材111は、左右方向へ長尺な矩形板状に構成されている。
各開閉体構成部材11の幅方向の両端部には、それぞれ、該端部から前記幅方向へ突出するようにロッド部材112が止着されている。
また、各開閉体構成部材111の上下端部側には、開閉体構成部材111を収納部130内へ収納する際のガイドとなるガイドローラ111c,111dが回動自在に支持されている。
【0047】
ロッド部材112は、金属等の剛体からなる軸状の部材であり、その先端部には、ローラ112aが回動自在に支持されている。
【0048】
チェーン部材113は、例えばローラチェーンであり、その長さ方向において所定間隔置きにロッド部材112を回動可能に挿通させている。このチェーン部材113は、上下方向へわたるすべての開閉体構成部材111を連結し、その上端側が収納部130のガイド軸132の上半部に掛け回されている。
このチェーン部材113の最上端部は、図示を省略するが、上記開閉装置1と略同様にして、不動部位に対し所定量移動可能に止着されている。
【0049】
また、ガイドレール120は、開閉体110の幅方向の端部側にそれぞれ設けられ、開閉体構成部材111の幅方向の端部側部分、チェーン部材113及びローラ112a等を、略凹状に囲んで上下方向へ導く。
【0050】
収納部130は、チェーン部材113を上半部に掛け回したガイド軸132と、該ガイド軸132を電動で双方向へ回転させる駆動チェーン140及び駆動回転体31’と、開閉体構成部材11を略水平方向へ案内する収納レール134と、開閉体構成部材111上下のガイドローラ111c,111dをガイドして開閉体構成部材111の振れを防ぐガイド部135a,135bとを具備している。
【0051】
ガイド軸132は、開閉体110の上方側において、開閉体110の幅方向の両端側に設けられ、それぞれ、不動部位に対し回転自在に支持されている。各ガイド軸132は、チェーン部材113を上半部側に掛合して開閉体開閉方向に対する交差方向へ導くガイドスプロケット142と、後述する駆動回転体31’から駆動チェーン140を介して回転力を受ける従動スプロケット141とを、同軸状に一体に具備している。
【0052】
駆動回転体31’は、上記した駆動回転体31と略同様に構成され、軸方向の両端側に、第1の環状係合部31dと第2の環状係合部31gを有する。
駆動チェーン140は、図示例によればローラチェーンであり、一方のガイド軸132の従動スプロケット141と第1の環状係合部31dとの間、及び、他方のガイド軸132の従動スプロケット141と第2の環状係合部31gとの間に、それぞれ、掛け巻かれて、駆動回転体31’の回転力を、前記二つのガイド軸132に伝達する。
【0053】
収納レール134は、不動部位(例えば、収納ケース等)に対し固定され、開閉体110の開閉方向に対する交差方向へガイド軸132から離れるように略水平に延設されている。
【0054】
上記構成の開閉装置2によれば、開閉体110を開放動作するためには、駆動回転体31’の駆動によって第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gを一方向(図4によれば時計方向)へ回転させる。すると、駆動回転体31’に連動して、軸方向両側の二つのガイド軸132も回転する。そのため、開閉体10は、ガイド軸132のガイドスプロケット142の上半部側にチェーン部材113が掛合されて、先ず、上方へ開放動作し、その後、両側のガイド軸132の間を通って、前記開放方向に交差する方向であって且つガイド軸132から離れる方向へ導かれる。したがって、開閉体10は、複数の開閉体構成部材111を重ね合わせるようにして、収納部30内に収納される。
また、開閉体110を閉鎖動作する際には、前記と逆の動作により、駆動回転体31’の駆動によって両ガイド軸132が逆方向へ回転し、これらガイド軸132によってチェーン部材113が下方へ導かれるとともに、開閉体110も下方へ繰り出されて閉鎖動作する。
【0055】
よって、上記構成の開閉装置2によれば、従来技術(例えば、特開2009−209645号公報に記載された発明)のように、収納部130内の下部側等に駆動源を設ける必要がなく、ひいては、収納部130内のスペースを、制御機器や電気配線等を設置するためのスペースとして有効活用したり、収納部130の外形寸法を小さくしたり等することが可能である。
【実施例3】
【0056】
図5に示す開閉装置3は、上記構成の駆動回転体を用いて、一軸式のシャッター装置を構成したものである。
この開閉装置3は、面方向へスライドして開閉動作する開閉体10’と、開閉体10の幅方向の端部を開閉方向(図5によれば上下方向)へ案内する左右のガイドレール(図示せず)と、開閉体10’をその開放方向側で収納したり繰り出したりする駆動回転体31’とを備える。
開閉体10’は、上記開閉体10から、ロッド部材挿通部11b及びロッド部材12を省いた構成とされ、幅方向の両端部の各々には、駆動回転体31’の第1の環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)に係脱される被係合部材(図示せず)を有する。
駆動回転体31’は、おおまかには、図3に示す構成から、ロッド部材12等を省いた構成とされ、前記筒体31aと、前記回転駆動源31bと、前記基部31cと、前記第1の環状係合部31dと、前記第2の環状係合部31gとを具備し、筒体31aの外周面に開閉体10’の上端部を止着している。また、この開閉装置3では、上記収納レール34及び誘導棒35が省かれる。
この開閉装置3によれば、筒体31a、第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gを巻取方向(図5によれば時計方向)へ回転させれば、開閉体10’が駆動回転体31’に巻き取られる。この際、開閉体10’の幅方向両端側の被係合部材(図示せず)は、開閉体10’の上端側の一部分(例えば約一周分)のみ第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gに係合する。また、駆動回転体31’を繰り出し方向へ回転させれば、開閉体10’が駆動回転体31’から繰り出されて閉鎖動作する。
【実施例4】
【0057】
図6に示す開閉装置4は、上記構成の駆動回転体を用いて、二軸式のシャッター装置を構成したものである。
この開閉装置3は、面方向へスライドして開閉動作する開閉体10”と、開閉体10”の幅方向の端部を開閉方向(図6によれば上下方向)へ案内する左右のガイドレール(図示せず)と、開閉体10”をその開放方向側で上下に開閉動作させるとともにその開閉方向に対する交差方向へ導く駆動回転体31”と、駆動回転体31”に対し前記交差方向へ離間して略平行に配置されるとともに不動部位に回転自在に支持された巻軸40とを備え、駆動回転体31”によって前記交差方向へ導かれる開閉体10”を、巻軸40に巻き取る。
【0058】
開閉体10”は、上記開閉体10から、ロッド部材挿通部11b及びロッド部材12を省いた構成とされ、幅方向の両端部の各々には、駆動回転体31”の第1の環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)に係脱される被係合部材(図示せず)を有する。この被係合部は、第1の環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)に対し係脱可能に形成されていればよく、例えば、チェーン状や複数の凹部を有する形状等に形成される。
【0059】
駆動回転体31”は、図3に示す構成から、ロッド部材12等を省いた構成とされ、前記筒体31aと、前記回転駆動源31bと、前記基部31cと、前記第1の環状係合部31dと、前記第2の環状係合部31gとを具備し、軸方向の両側が不動部位(例えば支持ブラケット32及び33)に回転自在に支持される。なお、収納レール34及び誘導棒35(図2参照)は省かれる。
そして、駆動回転体31”は、上述した駆動回転体31と略同様に、軸方向両側の第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gの上半部側を、それぞれ、開閉体10”の幅方向両側の前記被係合部(図示せず)に係脱させるとともに、前記筒体31aの上半部側に開閉体10”の開閉体本体11を沿わせて、開閉体10”を開閉方向に対する交差方向へ導く。
【0060】
巻軸40は、駆動回転体31”に対し、所定間隔を置いて略平行に配置され、その両端側を不動部位(例えば、支持ブラケット32,33等)に対し回転自在に支持された軸状の部材であり、その外周部に、開閉体10”の開放方向側の端部を止着している。
【0061】
上記構成の開閉装置4によれば、筒体31a、第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gを一方向(図6によれば時計方向)へ回転させると、開閉体10は、幅方向両側の被係合部材(図示せず)を、それぞれ、両側の第1の環状係合部31dと第2の環状係合部31gの上半部側に掛合するとともに、開閉体本体11を筒体31aの上半部側に沿わせて、開閉体開閉方向に交差する方向であって且つ駆動回転体31から離れる方向へ導かれる。そして、前記方向へ導かれた開閉体10は、巻軸40を同方向(時計方向)へ回転させながら、巻軸40の外周に巻き取られてゆく。
また、開閉体10を閉鎖動作する際には、前記と逆の動作により、巻軸40から繰り出された開閉体10”が、筒体31a、第1の環状係合部31d及び第2の環状係合部31gの上半部側によって下方へ導かれて閉鎖動作する。
【0062】
よって、上記構成の開閉装置4によれば、駆動源を駆動回転体31と別体に具備する必要がないため、駆動回転体31”及び巻軸40の周囲に、制御機器や電気配線等を設置するためのスペースを確保したり、駆動回転体31”及び巻軸40を収納するための収納ケースの外形寸法を小さくしたり等することが可能である。さらに、例えば前記別体の駆動源や動力伝達部材(駆動チェーン等)等を必要とせず、駆動回転する露出部分が比較的少ない。そのため、駆動回転する露出部分(例えばっ駆動チェーン等)が開閉体10”等に干渉して、開閉体10”の開閉動作の妨げになったり、開閉体10”が損傷したり等するようなことも防ぐことができる。
【実施例5】
【0063】
また、開閉装置4に用いる駆動回転体の他の実施例としては、図7及び8に示す駆動回転体50のように構成してもよい。
駆動回転体50は、上記構成の駆動回転体31”に対し、第1のガイド部51と、第2ガイド部52と、ずれ防止部材53とを追加した構成とされる。
第1のガイド部51は、第1の環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)の下側で、開閉体10”の前記被係合部(図示せず)に対し、開閉体厚さ方向の両側から挟むように近接して配置され、前記被係合部を環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)の上半部側へ導く。
第2ガイド部52は、第1の環状係合部31d(第2の環状係合部31g)の外周部から径方向に所定間隔を置いて円弧状に設けられ、第1の環状係合部31d外周部との間に前記被係合部を通過させる。
ずれ防止部材53は、第2ガイド部52における筒体31a側の端部で軸心方向へ突出したローラであり、前記被係合部が第1の環状係合部31d(又は第2の環状係合部31g)から、筒体31a側へずれないようにする。
【0064】
なお、上記実施例によれば、前記開閉体を可撓性シート状やパネルによって構成したが、前記開閉体の他例としては、複数のスラットや、パイプを開閉方向へ連設してなる態様や、ネット状物からなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等とすることも可能である。
【0065】
また、上記実施例によれば、前記駆動回転体は軸方向の両側に前記第1の環状係合部と前記第2の環状係合部を具備する態様としたが、駆動回転体の他例としては、前記第1の環状係合部と前記第2の環状係合部とのうちの何れか一方を省くことも可能である。
【0066】
また、上記実施例によれば、環状係合部31d(又は31g)の凸部(歯部31d1)を開閉体10側の凹部(被係合部材13の貫通孔)に嵌め合せるようにしたが、双方が噛み合う関係であれば、その凹凸関係を逆にすることも可能である。この場合、図示を省略するが、被係合部材13に凸部(図示せず)を設けるとともに、対応する環状係合部(図示せず)には、前記凸部を嵌脱可能な凹部を設ければよく、さらに、この構成において、開閉体10の厚み方向の中心と、被係合部材13の同方向の中心との間に段差が生じないように、前記環状係合部の外径を適宜に調整する。好ましい一例としては、前記環状係合部の最大部分(前記凹部の縁部分)の外径寸法は、筒体31aの外径寸法と略同じか、若干小さめに設定する。
【0067】
また、図示例以外の構成によって、筒体31aと開閉体10との間の摩擦力よりも被係合部材13と環状係合部31d,31gとの摩擦力(又は係合力)を大きくして、回転駆動源31bの駆動力を被係合部材13に伝達することも可能である。この構成の具体例としては、環状係合部31d,31gの外周部の表面粗さを筒体31a外周部の表面粗さよりも大きくして、筒体31aと開閉体10との間の摩擦力よりも被係合部材13と環状係合部31d,31gとの摩擦力が大きくなるようにすればよい。
さらに、前記具体例において、被係合部材13を省き、開閉体10の幅方向端側の内面を直接的に環状係合部31d,31gの外周部に摺接させる構成とすることも可能である。しかしながら、特に、開閉体10を強制的の開閉動作させるためには、本実施例のように、開閉体10の幅方向端部の被係合部材と環状係合部とを凹凸状に嵌脱させる構成とするのが好ましい。
【0068】
また、上記実施例によれば、特に好ましい態様として、筒体31aの外周面に開閉体10の開閉体本体11が密着した状態で、開閉体本体11の厚さ方向の中心と、被係合部材13の同方向の中心とが略一致するようにしたが、開閉体10の開閉動作に支障がなければ、前記中心同士が一致せず、開閉体10の端部側に若干の皺や、撓み、段部等が生じても構わない。
【符号の説明】
【0069】
1,2,3,4:開閉装置 10,10’,10”:開閉体
11:開閉体本体 31,31’,31”:駆動回転体
31a:筒体 31b:回転駆動源
31b1:駆動軸 31b2:制動装置
31b3:電動機 31b4:ギア部
31b5:回転板 31c:基部
31e:ベアリング 31f:環状スペーサ
31d:第1の環状係合部 31g:第2の環状係合部
32,33:支持ブラケット 40:巻軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面方向へスライドして開閉動作する開閉体と、該開閉体をその開放方向側で開閉駆動する駆動回転体とを備えた開閉装置において、
前記駆動回転体は、前記開閉体の開閉方向に略直交する開閉体幅方向に略平行して回転可能に支持された筒体と、前記筒体の一端側に挿入された駆動軸を前記筒体に同芯状に止着して駆動回転する回転駆動源と、該回転駆動源を支持するとともに前記筒体の一端側から軸方向へ突出して不動部位に固定された基部と、前記筒体の前記一端側に連結されるとともに前記基部の外周に回転自在に支持された環状係合部とを備え、前記環状係合部の回転力によって前記開閉体を開閉動作するように構成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記基部の外周にベアリングを介して環状スペーサを回転自在に支持し、該環状スペーサの外周部を前記筒体の内周面に止着するとともに、同環状スペーサの側部に前記環状係合部を止着したことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記回転駆動源は、前記基部における前記一端側に対する他端側に設けられた制動装置と、該制動装置の更に他端側に設けられて前記制動装置によって制動可能な電動機と、該電動機の更に他端側に設けられて前記電動機の出力軸の回転力を調整して伝達するギア部と、該ギア部から回転力を伝達される前記駆動軸と、前記駆動軸の外周部に固定された回転板とを具備し、前記回転板の外周部を前記筒体の内周面に止着していることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記環状係合部を第1の環状係合部とし、
前記筒体の一端側に対する他端側には、前記筒体と略同芯状に連結されるとともに、不動部位によって回転自在に支持された第2の環状係合部が設けられ、
これら第1及び第2の環状係合部の回転力によって前記開閉体を開閉動作するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
【請求項5】
前記駆動回転体は、前記第1の環状係合部の開閉体開放方向側の片半部側に前記開閉体の幅方向の一端側を掛合するとともに、前記第2の環状係合部の開閉体開放方向側の片半部側に前記開閉体の幅方向の他端側を掛合して、前記開閉体を開閉動作させるとともに、同開閉体を前記開閉方向に対する交差方向へ導くことを特徴とする請求項4記載の開閉装置。
【請求項6】
前記駆動回転体に対し前記交差方向へ離間して配置されるとともに不動部位に回転自在に支持された巻軸を備え、前記駆動回転体によって前記交差方向へ導かれる前記開閉体を、前記巻軸に巻き取るようにしたことを特徴とする請求項5記載の開閉装置。
【請求項7】
前記開閉体を可撓性シート状に構成するとともに、該開閉体の幅方向の端部に、前記環状係合部に掛合する被係合部材を設け、前記開閉体を、前記筒体の開放方向側の片半部側に沿わせて前記開閉方向に対する交差方向へ導くようにした開閉装置であって、
前記開閉体の厚さ方向の中心と、前記被係合部材の同方向の中心とが略一致するように、前記被係合部材を前記環状係合部に嵌合したことを特徴とする請求項5又は6記載の開閉装置。
【請求項8】
前記開閉体の開放方向側に、前記開閉体を上半部側に掛合して開閉動作させるとともに、同開閉体を前記開閉方向に対する交差方向へ導くガイド軸を備え、
前記駆動回転体を、前記ガイド軸に対し前記交差方向へ離間するように配置し、
この駆動回転体の前記第1及び第2の環状係合部の回転力を前記ガイド軸に伝達するようにしたことを特徴とする請求項4記載の開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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